JP2000146641A - 流量測定装置 - Google Patents

流量測定装置

Info

Publication number
JP2000146641A
JP2000146641A JP10317399A JP31739998A JP2000146641A JP 2000146641 A JP2000146641 A JP 2000146641A JP 10317399 A JP10317399 A JP 10317399A JP 31739998 A JP31739998 A JP 31739998A JP 2000146641 A JP2000146641 A JP 2000146641A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodes
flow rate
electrode
flow
electromotive force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10317399A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Nakamura
博文 中村
Toshisuke Sakai
敏輔 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10317399A priority Critical patent/JP2000146641A/ja
Publication of JP2000146641A publication Critical patent/JP2000146641A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は高い測定精度および広い測定範囲を
有する流量測定装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の流量測定装置は、流路内に設置
され、流れの下流側に向けてカルマン渦を発生させる渦
発生体2と、前記渦発生体2の下流側に設けられ前記流
路を横切って磁界を形成する磁界発生装置3と、前記渦
発生体2から異なった距離にそれぞれ設けられ、前記流
れが前記磁界内を通過するときの磁界変化で発生する誘
導起電力を検出する複数の電極と、前記複数の電極から
一対の電極を選んで通電選択部によって電気的な接続を
行わせ、残りの電極についても順次この接続を繰り返さ
せ、各接続で発生した誘導起電力の中で選択条件を充た
す最適電極を選ぶ制御手段と、前記最適電極で発生した
誘導起電力信号の周波数から前記流れの流量を算出する
演算部7を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流路を流れる導電
性の液体や気体等(以下、流体という)の流量を測定す
る流量測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、流路を流れる流体の流量を測定す
る流量測定装置として、流体中にカルマン渦を発生さ
せ、これを検知して流量を算出するカルマン渦流量測定
装置と呼ばれるものが広く知られている(例えば特開昭
60−40914号公報参照)。このカルマン渦流量測
定装置では、発生するカルマン渦を検知する手段として
超音波、振動等が用いられている。
【0003】しかしながら、この超音波や振動等の変化
を検知するために用いられる検知装置は複雑で、且つ高
コスト、または大型なものとなるという問題を有してい
た。
【0004】そこで、この課題解決のために、カルマン
渦発生を検知する手段として、特開平5−172598
号公報に代表されるように磁界を用いて誘導起電力を検
知する方法が提案された。
【0005】また本発明者らも本出願に先立って、この
誘導起電力を用いた検知方式の流量測定装置を提案して
いる。そこで、この流量測定装置について以下説明す
る。図13は従来の流量測定装置の第1の断面図、図1
4は従来の流量測定装置の第1の断面と直交する第2の
断面図である。
【0006】流体が通過する管1内には、カルマン渦を
発生させる渦発生体2が設けられている。また、渦発生
体2により下流側の管1内には、電極4が一対設けられ
ている。そして、管1の外周の所定位置には、管1を挟
むように対向してS極とN極の磁石が配置された磁界発
生装置3が設けられている。この磁界発生装置3は磁界
方向が電極4に対して垂直に形成されるように設けられ
ている。なお、電極4には流体の流量を算出する演算部
7が電気的に接続される。
【0007】このような流量測定装置によると、カルマ
ン渦に伴って電極4間を横切る流体の渦運動で流速変化
が発生し、磁界下ではこれに基づいて誘導起電力に変化
が生じるので、この誘導起電力の変化による周波数を演
算部7によりカウントすれば流量の算出ができるもので
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の流量測定装置では、所定位置に設置した電
極によりカルマン渦の検知を行なうが、カルマン渦が発
生する位置及びカルマン渦の形状が安定する位置が主流
の流速の大小によって変化するという問題があった。す
なわち、低流量を測定した場合と大流量を測定した場合
とで、渦の位置が設計上の測定位置からズレてしまい、
測定値が正確な値を示さないという問題があった。
【0009】そして、設計流量以外ではこのズレによ
り、流量測定に利用する誘導起電力の検知信号にノイズ
が多く含まれるようになり、高精度な測定が困難になる
ものであった。また、同じ理由から広範囲な流量測定も
困難という問題があった。
【0010】そこで、本発明は、高い測定精度で、広い
測定範囲を有する流量測定装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の流量測定装置は、渦発生体から異なった距
離にそれぞれ設けられ、流れが磁界内を通過するときの
磁界変化で発生する誘導起電力を検出する複数の電極
と、前記複数の電極から一対の電極を選んで通電選択部
によって電気的な接続を行わせ、残りの電極についても
順次この接続を繰り返させ、各接続で発生した誘導起電
力の中で選択条件を充たす最適電極を選ぶ制御手段と、
前記最適電極で発生した誘導起電力信号の周波数から前
記流れの流量を算出する演算部を備えたことを特徴とす
る。
【0012】これにより、高い測定精度で、広い測定範
囲を有する流量測定装置を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、流路内に設置され、流れの下流側に向けてカルマン
渦を発生させる渦発生体と、前記渦発生体の下流側に設
けられ前記流路を横切って磁界を形成する磁界発生装置
と、前記渦発生体から異なった距離にそれぞれ設けら
れ、前記流れが前記磁界内を通過するときの磁界変化で
発生する誘導起電力を検出する複数の電極と、前記複数
の電極から一対の電極を選んで通電選択部によって電気
的な接続を行わせ、残りの電極についても順次この接続
を繰り返させ、各接続で発生した誘導起電力の中で選択
条件を充たす最適電極を選ぶ制御手段と、前記最適電極
で発生した誘導起電力信号の周波数から前記流れの流量
を算出する演算部を備えたことを特徴とする流量測定装
置であるから、流速によってカルマン渦の安定する位置
が変化しても、複数の電極の中から選択条件を充たした
最適な誘電起電力信号を選び、低流量から大流量まで広
い範囲にわたって高精度で流量測定をすることが可能に
なるという作用を有する。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、前記選
択条件が、誘導起電力信号のカルマン渦によって発生す
る交流成分が有する周波数のバラツキが最小となる電極
を選択することであることを特徴とする請求項1記載の
流量測定装置であるから、乱れが最小の安定したカルマ
ン渦の周波数を有する電極を選択することになり、簡易
な構成で様々の流速に応じた最適な誘導起電力を発生す
る電極を選ぶことができ、広い範囲にわたって高精度の
流量測定をすることができる。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、前記選
択条件が、誘導起電力信号のカルマン渦によって発生す
る交流成分が有する振幅が最大となる電極を選択するこ
とであることを特徴とする請求項1記載の流量測定装置
であるから、カルマン渦が安定して最も渦速度が大き
く、また大きさも最大の形状となる状態の電極を選択す
ることができ、信号レベルのS/N比が安定し、高精度
な流量測定を行うことができる。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明は、前記選
択条件が、誘導起電力信号の流量に比例して変化する直
流成分の変化量が最小となる電極を選択することを特徴
とする請求項1記載の流量測定装置であるから、主流で
ある流れ中の乱れがもっとも低く、この状態ではカルマ
ン渦が安定して発生しており、簡単、低コストかつ高精
度に流量測定をすることができる。
【0017】本発明の請求項5に記載の発明は、複数の
電極が、それぞれの電極間距離が異なる複数対の電極か
らなることを特徴とする請求項1に記載する流量測定装
置であるから、流量が増加し流速が大きくなるにしたが
って、渦形状が大きくなるカルマン渦に対しても、高精
度に流量測定することができる。
【0018】本発明の請求項6に記載された発明は、前
記複数対の電極間距離が、流路の下流側に向かうに従っ
て順次狭くなるよう設置されていることを特徴とする請
求項5記載の流量測定装置であるから、下流側に設置さ
れる電極が上流側に置かれた電極による流れの乱れに影
響されることなく流量測定を行なうことができ、高精度
な流量測定を可能にするという作用を有している。
【0019】本発明の請求項7に記載された発明は、前
記複数対の電極間距離が、流路の断面において中心線の
位置にあるとき最も短く、中心線から離れるに従って順
次広くなるよう設置されていることを特徴とする請求項
5記載の流量測定装置であるから、流路抵抗によって形
成される流速分布でカルマン渦の大きさが中心線から遠
ざかるに従って変化するのを、中心線以外でも最適に検
知することができる。
【0020】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1について図1から図6を用いて説明する。なお、図
1〜図6の図面において、同一の部材には同一の符号を
付しており、また、再度同じ説明をする必要が出てきた
ときには説明が重複するから詳細な説明は省略する。
【0021】図1は本発明の実施の形態1の流量測定装
置の構成を示す第1の断面図、図2は本発明の実施の形
態1の流量測定装置の構成を示す第1の断面に直交する
第2の断面図、図3は流量と誘導起電力の関係を示すグ
ラフ、図4はカルマン渦発生に伴いパルス状に変化する
誘導起電力を示すグラフ、図5は本発明の実施の形態1
の信号処理のブロック図、図6は本発明の実施の形態2
の信号処理のブロック図である。
【0022】図1および図2に示すように、たとえばφ
10mmの内径を有し、導電性の液体もしくは気体等
(以下、流体という)が流れる管1の内部には、流体中
に位置してこの流体にカルマン渦列を発生させる渦発生
体2が設置されている。管1が本実施の形態1の流路で
ある。この渦発生体2は、たとえば断面が幅2.2m
m、高さ3mmの二等辺三角形の三角柱である。しか
し、カルマン渦列を発生させることができるものであれ
ば、二等辺三角形の三角柱のほかどのような形状のもの
であってよい。
【0023】渦発生体2の下流側において、管1の外周
には、管1を挟むようにしてS極とN極の永久磁石が対
向配置された磁界発生装置3が設けられている。もちろ
ん電磁石でもよい。そして、それぞれが一対から構成さ
れる電極4a、4b、4cが、渦発生体2から異なった
距離で、磁界発生装置3で発生した磁界に対して垂直に
交差する位置に対向して設けられている。ただ、磁界が
流れと傾斜していても、磁界と流れが交差して直交成分
が存在すれば測定は可能である。この複数対設けられた
電極4a、4b、4cは、流量、設置状態、予定する検
知精度等の観点から、位置や設置数が適宜選択される。
ただ、電極対の一方の極を他の電極とで共用すれば電極
は必ずしも対であることを要せず、電極は複数あれば足
りるものである。そして、渦発生体2によって生じさせ
られたカルマン渦が主流にのって磁界を横切るとき、磁
界の変化が生じ、電極4a、4b、4cに、それぞれ誘
導起電力が発生する。
【0024】図1および図2に示すように、複数対設け
られた電極4a、4b、4cのそれぞれ両極には誘導起
電力が現われるが、この誘導起電力に基づいて測定に最
適な電極を選択するための制御を行う制御手段6と、こ
の制御手段6の選択制御信号によって選択を実行する通
電選択部5と、この通電選択部5の選択によって選ばれ
た電極4a、4b、4cのいずれかから管1内を流れる
流量を算出する演算部7が、電極4a、4b、4cに電
気的に接続されている。
【0025】次にこのような構成を有する流量測定装置
の動作について説明する。管1内を流れる流体は、磁界
発生装置3で発生している磁界内を通過する。このと
き、図3に示すように、ファラデーの法則に従い、電極
4a、4b、4c間には流速にしたがって流量に比例し
た誘導起電力が発生する。ところで管1には渦発生体2
が設けられているから、管1中の流れには周期的にカル
マン渦列が発生する。このカルマン渦列の渦度は主流の
流れの速度に重畳されるため、カルマン渦列が磁界発生
装置3を通過すると、図4に示すように、速度の変化が
誘導起電力の変化としてパルス状に現われる。したがっ
て、このパルス状に変化する周波数をカウントすれば、
管1内を流れる流体の流量が算出できることになる。
【0026】しかしながら、発生するカルマン渦列は、
管1内を流れる流体の速度により、安定する位置、及び
渦形状の大きさが変化する。すなわち、管1を流れる流
量が増加すると、カルマン渦列の安定する位置が渦発生
体2から下流側に離れていき、同時に渦の形状も大きく
なる。このため、電極4a、4b、4cの設置された位
置、及び各電極の対向した間隔により得られる誘導起電
力の大きさ、ノイズに各々差が生じる。そこで、このよ
うに発生する誘導起電力の中から最適な渦発生に伴う誘
導起電力信号を検知する電極を選べば、流量を精度よく
測定することができる。
【0027】本実施の形態1の流量測定装置において
は、電極4a、4b、4cの設置を渦発生体2の下流側
に、以下説明する電極間の間隔で順次設置している。電
極間の間隔a、b、cは、カルマン渦の発生する間隔が
ストローハルの研究により知られているように、設置す
る渦発生体の代表寸法の1.3倍の幅で発生すると予測
できるから、渦発生体2の代表寸法2.2mmを1.3
倍して、渦発生体2の下流側に設置する最初の電極4a
の電極間距離を2.9mmとし、その後の渦形状が大き
くなるのを想定して、電極4b、4cは2.9mmより
順次1mmごと間隔が広くなるよう設置している。ま
た、上流側の電極によって下流側へ流れの影響が出るこ
とを考慮して流路断面上、中心位置から順次下方位置へ
1mmごとシフトさせて高さを変えながら設置してい
る。この設置位置は、設定される流量値、設置される環
境、水質によりカルマン渦の発生状況が変化するため、
適宜変更されてよい。流路断面上の位置についても同様
に適宜設定するのが適当である。
【0028】なお、本実施の形態1の流量測定装置の場
合、流量検知範囲を1L/min〜7L/minに設定
しているために、磁界発生装置3には管1の中心の磁束
密度を高めるために、希土類の永久磁石を用い、管1径
の1/2の幅をもつ磁石(5mm×5mm×3mm、磁
束密度 1(T))をN極,S極の2極を用いて、電極
4a、4b、4c間にそれぞれ100mV程度の誘導起
電力を得るような設定としている。しかし、得られる誘
導起電力の大きさは設置状態によるノイズの大きさや、
回路構成により変化するから、それに伴い磁界発生装置
に使用する磁石の磁束密度を適宜設定するのがよい。
【0029】次に、このようにして得られた誘導起電力
の信号処理について図5のブロック図を用いてそれぞれ
説明する。
【0030】図5において、制御手段6からの選択制御
信号で通電選択部5が複数対の電極である電極4a、4
b、4cの中から1つ、例えば電極4aを選び電気的に
接続し、このときこの電極4aに現われる誘導起電力を
それぞれ増幅、デジタル化して、周波数計測部において
周波数fをカウントする。そして、制御手段6はこの周
波数fの検知精度を把握するため、周波数のカウントを
n回繰り返す。このn回の測定で選られた周波数f1,
f2,・・・,fi,・・・,fnに関して、制御手段6
は以下に示すバラツキ差分Dを計算する。nは適宜設定
されればよい。
【0031】 |f1−f2|=D1 |f2−f3|=D2 ・・・ |fi−fi+1|=Di ・・・ |fn-1−fn|=Dn-1 なお、本実施の形態1では前後して測定する周波数fの
近親性に着目して(n−1)個のバラツキ差分Dを計算
したが、n(n−1)/2個の組み合わせすべてについ
て行うのもよい。このバラツキ差分Dの中で最大値とな
るDiを電極4aの周波数バラツキD(a)として制御
手段6が記憶する。
【0032】続いて、制御手段6は選択制御信号を通電
選択部5に送り、電極4b、4cの中から他の1つ、例
えば電極4bを選び、以上説明した電極4aで実施した
プロセスを繰り返して、周波数バラツキD(b)を記憶
する。そして、最後に制御手段6は通電選択部5により
電極4cを選んで他の電極と同様のプロセスで周波数バ
ラツキD(c)を記憶する。このように制御手段6は選
択制御信号を通電選択部5に送り、各電極を制御手段6
に順次電気的に接続して、周波数バラツキD(a)〜D
(c)を記憶する。
【0033】次いで、制御手段6は周波数バラツキD
(a)〜D(c)を比較して、中で最小の値を示す、例
えば周波数バラツキD(b)を選択する。この最小の周
波数バラツキD(b)を示した電極4bが、カルマン渦
が良好に生成され、最も安定した形状や状態で測定する
ことができる位置の電極である。この電極4bで得られ
た周波数f1〜fnの平均値f、もしくはバラツキ差分D
iが0となる周波数fを流量算出のための入力信号とし
て演算部7に送る。実施の形態1における電極の選択条
件は、各電極ごとに最大となるバラツキ差分Diを周波
数バラツキDとして求め、この周波数バラツキDの最小
値をもつ電極を選択することである。
【0034】続いて、演算部7で行われる流量算出につ
いて説明する。流量Qの算出は以下の式によって求め
る。
【0035】カルマン渦発生の周波数と流速の関係は、
一般に周波数f(Hz)と流速v(m/s)と、渦発生
体の径d(m)、比例定数をSt(ストローハル数)と
おくと、 f=St×v/d として求められる。
【0036】ここで、レイノルズ数Reは、水の動粘性
係数ν、速度v、渦発生体の径dから、 Re=v×d/ν (ここで、νは水の動粘性係数、vは速度、dは渦発生
体の径)の関係がある。
【0037】本実施の形態1は水の流量を測定するもの
であり、水の動粘性係数ν=1.004×10-62
s(20℃、1atm)、渦発生体の径d=2.2mm、
流量Q=1〜7(L/min)である。
【0038】また、流量Q(L/min)=速度v(m
/s)×管断面積A(m2)の関係からレイノルズ数R
eを求めると、Re=v×d/ν=2.3×102
3.4×103となり、この範囲では、上記のストロー
ハル数はほとんど一定であり、St=0.2として与え
ることができる。
【0039】St=0.2 したがって、流量Qを求める式に変換すると、 Q=f×((D/2)2×π)×d/St となり、本条件を代入し、求められる流量QをQ2とお
くと、 Q2=0.05×f となる。
【0040】なお、実施の形態1では、Q=1〜7(L
/min)、ν=1.004×10 -62/sの水を用
いたが、Re=102〜105の範囲でストローハル数S
t=0.2で一定であるから、上記の共通の式を使用で
き、水であればおおむねQ=100(L/min)程度
までの測定が可能である。
【0041】さらに、上記のレイノルズ数範囲外におい
て算出する場合でも、流量Q、動粘性係数νに応じてス
トローハル数Stさえ選定すれば、さらに広範囲の測定
をすることができる。このように実施の形態1では、複
数対の電極の各電極ごとにカルマン渦の周波数fを繰り
返し測定し、バラツキ差分Diを算出し、この中で最大
値を当該電極の周波数バラツキD値として求め、この周
波数バラツキDが最小となる電極を選択条件に適った電
極として採用するものである。
【0042】このように実施の形態1の流量測定装置
は、流速によってカルマン渦の安定する位置が変化して
も、流速ごとに複数の電極の中から選択条件を充たした
最適な誘電起電力信号を発生する電極を選択することが
でき、低流量から大流量まで広い範囲にわたって高精度
で流量測定をすることが可能になるという作用を有す
る。
【0043】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2について図6に基づいて説明する。図6は本発明の
実施の形態2の信号処理のブロック図である。実施の形
態1とは電極の選択条件が異なるだけであり、選択条件
の説明以外のところの説明は実施の形態1に譲って詳細
な説明は省略する。
【0044】実施の形態1と同様に、制御手段6からの
選択制御信号で通電選択部5が複数対の電極である電極
4a、4b、4cの中から1つ、例えば電極4aを選び
電気的に接続し、このときこの電極4aに現われる誘導
起電力をそれぞれ増幅、デジタル化し、さらに周波数計
測部において検出した周波数fを周波数データとして制
御手段6に記憶する。また、誘導起電力は増幅されると
きピークホールド回路部、A/D変換器を経て、交流成
分の振幅Aを抽出し、制御手段6に交流成分の振幅デー
タA(a)として記憶する。
【0045】続いて、制御手段6は選択制御信号を通電
選択部5に送り、電極4b、4cの中から他の1つ、例
えば電極4bを選び、以上説明した電極4aで実施した
同じプロセスを繰り返し、この場合の周波数fと振幅デ
ータA(b)を記憶する。そして、最後に制御手段6は
通電選択部5により電極4cを選んで他の電極と同じプ
ロセスで周波数fと振幅データA(c)を記憶する。こ
のように制御手段6は次々と選択制御信号を通電選択部
5に送り、各電極を1つずつ制御手段6に順次電気的に
接続して、周波数fと振幅データAを記憶する。電極の
数が3より多くても同様である。
【0046】このようにして得られた振幅データAの中
から、制御手段6は最大値を抽出する。例えば電極4
a、4b、4cの3対の電極の場合で、振幅データA
(b)が最大値であったとすると、渦度が強く、大きな
回転速度を有し、強い交流成分が形成されているカルマ
ン渦の状態が最良のカルマン渦と考えられるから、電極
4bがカルマン渦の状態を最も良好に検出する電極であ
ると判断される。このような理由から制御手段6は振幅
データA(b)を最大値として選び、電極4bが最も好
適位置にある電極であると判断し、振幅データA(b)
に対応した周波数fを演算部7に送り、実施の形態1で
行ったと同じ計算を行い、流量を算出する。この計算の
詳細は実施の形態1に譲る。
【0047】このように実施の形態2では、複数対の電
極の各電極ごとにカルマン渦の周波数fと振幅データA
を繰り返し測定し、この振幅データAが最大となる電極
を選ぶということが最適電極を選ぶ選択条件である。こ
の選択条件の場合、カルマン渦が安定して最も渦度が大
きく、また最大の形状となる状態の電極を選択すること
ができ、これにより信号レベルのS/N比が安定し、高
精度な流量測定を行うことができる。これにより簡易な
構成で様々の流速に対応した最適な電極を選ぶことがで
き、広い範囲にわたって高精度の流量測定をすることが
できる。
【0048】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
ついて、図7に基づいて説明する。図7は本発明の実施
の形態3の信号処理を示すブロック図である。実施の形
態2と同様、実施の形態1とは電極の選択条件が異なる
だけであり、選択条件の説明以外のところの説明は実施
の形態1に譲って詳細な説明は省略する。
【0049】実施の形態1、2と同様に、制御手段6か
らの選択制御信号で通電選択部5が複数対の電極である
電極4a、4b、4cの中から1つ、例えば電極4aを
選び電気的に接続し、このときこの電極4aに現われる
誘導起電力を入力信号として処理するが、実施の形態
1,2と異なり、周波数成分である交流成分と直流成分
とに分けられて処理される。この周波数成分である交流
成分は、増幅された後、デジタル化され、周波数計測部
においてカルマン渦の発生周波数を示す周波数fをカウ
ントされる。これに対し、直流成分は、平滑化とA/D
変換を経て、主流の誘電起電力値Vとして抽出され、制
御手段6に電極4aが検知した主流の誘電起電力値V
(a)として記憶される。
【0050】続いて、制御手段6は選択制御信号を通電
選択部5に送り、電極4b、4cの中から他の1つ、例
えば電極4bを選び、以上説明した電極4aで実施した
同じプロセスを繰り返し、この場合の周波数fと主流の
誘電起電力値V(b)を記憶する。そして、最後に制御
手段6は通電選択部5により電極4cを選んで他の電極
と同じプロセスで周波数fと主流の誘電起電力値V
(c)を記憶する。このように制御手段6は選択制御信
号を通電選択部5に送り、各電極を1つずつ制御手段6
に順次電気的に接続して、それぞれ周波数fと主流の誘
電起電力値Vを記憶する。電極の数が多くても同様であ
る。
【0051】このようにして得られた誘導起電力値V
(a)、V(b)、V(c)の中から、制御手段6は最
大値を抽出する。例えば電極4a、4b、4cの3対の
電極の場合に、誘導起電力値V(b)が最大値であった
とすると、電極4bが主流の乱れ成分のもっとも少ない
状態で安定した良好なカルマン渦を検出していると考え
られる。そこで、制御手段6は電極4bが最も好適位置
にある電極であると判断し、誘導起電力値V(b)に対
応した周波数fを演算部7に送り、実施の形態1で行っ
たと同じ計算を行い、流量を算出する。この計算の詳細
は実施の形態1に譲る。
【0052】このように実施の形態3の選択条件は、複
数対の電極の各電極ごとにカルマン渦の周波数fと主流
の誘導起電力値Vを繰り返し測定し、この誘導起電力値
Vが最大となる電極を選ぶということである。この選択
条件は、主流である流れの乱れが最小となる電極を検出
するので、この状態ではカルマン渦が安定して発生して
いると予想され、カルマン渦をノイズ少なく検出でき、
高精度の流量測定ができる。また、ノイズ対策のための
回路が不要となるので、低コストの流量測定装置が可能
となる。さらに、低流量から、大流量まで検知精度が向
上するので、流量範囲を拡大させることができる。
【0053】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4について図8及び図9を用いて説明する。
【0054】図8は本発明の実施の形態4の流量測定装
置の構成を示す第1の断面図、図9は本発明の実施の形
態4の流量測定装置の構成を示す第1の断面に直交する
第2の断面図である。なお、実施の形態1の符号と同一
の部材には同一の内容であるから、重複する説明は省略
する。
【0055】実施の形態4は、実施の形態1の流量測定
装置の構成において、電極4a、4b、4cの設置位置
が流れ方向に沿って(流線上)一列に設置され、さらに
各電極間の距離a、b、cが下流に向かうにしたがって
狭くなるように設けられている(a>b>c)。
【0056】この実施の形態4の流量測定装置によれ
ば、渦発生体2により発生したカルマン渦列は、上流側
の電極の周りに発生する流れの乱れの影響を受けること
なく、誘導起電力の信号を得ることができるので、より
高精度の流量測定をすることができる。
【0057】(実施の形態5)実施の形態5について図
10、図11及び図12を用いて説明する。
【0058】図10は本発明の実施の形態5の流量測定
装置の構成を示す第1の断面図、図11は本発明の実施
の形態5の流量測定装置の構成を示す第1の断面に直交
する第2の断面図、図12は管内の流速分布を示した断
面模式図である。なお、実施の形態1の符号と同一の部
材は同一の内容であるから、重複する説明は省略する。
【0059】本実施の形態5は、実施の形態1の流量測
定装置において、電極4a、4b、4cの設置位置が流
れ方向に対して垂直方向に設置され、さらに各電極間の
距離a、b、cが管1の流路断面上の中心線上が最も短
く、中心線から離れるにしたがって順次広くなるよう設
置されている(a<b<c)。
【0060】管1を流れる流れの流速分布は、図12に
示すように管壁の影響を受け、中心線上が最も大きく、
中心線から遠くなるにしたがって次第に小さくなる分布
となっている。この流速分布にしたがい、発生するカル
マン渦列の形状も同様に中心線上が最も大きく、中心線
から離れるにしたがって小さくなる。また、流量の増大
に伴い、カルマン渦列の形状は大きくなり、管壁の影響
や、流れの乱れの影響を大きく受け、信号レベルの低下
が発生する。
【0061】実施の形態5によれば、低流量時には中心
線を含む線上に存在する電極による測定を行い、流速の
増大とともに、中心線上で信号レベルが低下するため、
中心線から離れた電極で検知することで信号レベルの低
下もなく有効な測定が可能になる。このように本実施の
形態5の流量測定装置は、カルマン渦列の形状の拡大に
よる流れの乱れによる影響を受けることなく、低流量か
ら大流量まで誘導起電力の信号を得ることができ、より
高い精度の流量測定をすることができる。また、下流側
への設置スペースを要しないので省スペース化が可能と
なる。さらに、流路抵抗によって形成される流速分布で
カルマン渦の大きさが中心線から遠ざかるに従って変化
するのを、中心線上以外でも最適に測定することができ
る。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば高い精度
で流量測定をすることが可能になるという顕著な効果が
得られる。
【0063】また、本発明によれば、ノイズ対策のため
の回路を別途設ける必要がなく、低コストで高精度の流
量測定をすることが可能になる。
【0064】そして、本発明によればカルマン渦列の安
定する位置での検知が可能となるので、低流量から大流
量まで高精度な検知が可能となり、広範囲にわたって流
量測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の流量測定装置の構成を
示す第1の断面図
【図2】本発明の実施の形態1の流量測定装置の構成を
示す第1の断面に直交する第2の断面図
【図3】流量と誘導起電力の関係を示すグラフ
【図4】カルマン渦発生に伴いパルス状に変化する誘導
起電力を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態1の信号処理のブロック図
【図6】本発明の実施の形態2の信号処理のブロック図
【図7】本発明の実施の形態3の信号処理のブロック図
【図8】本発明の実施の形態4の流量測定装置の構成を
示す第1の断面図
【図9】本発明の実施の形態4の流量測定装置の構成を
示す第1の断面に直交する第2の断面図
【図10】本発明の実施の形態5の流量測定装置の構成
を示す第1の断面図
【図11】本発明の実施の形態5の流量測定装置の構成
を示す第1の断面に直交する第2の断面図
【図12】管内の流速分布を示した断面模式図
【図13】従来の流量測定装置の第1の断面図
【図14】従来の流量測定装置の第1の断面と直交する
第2の断面図
【符号の説明】
1 管 2 渦発生体 3 磁界発生装置 4a,4b,4c 電極 5 通電選択部 6 制御手段 7 演算部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流路内に設置され、流れの下流側に向けて
    カルマン渦を発生させる渦発生体と、 前記渦発生体の下流側に設けられ前記流路を横切って磁
    界を形成する磁界発生装置と、 前記渦発生体から異なった距離にそれぞれ設けられ、前
    記流れが前記磁界内を通過するときの磁界変化で発生す
    る誘導起電力を検出する複数の電極と、 前記複数の電極から一対の電極を選んで通電選択部によ
    って電気的な接続を行わせ、残りの電極についても順次
    この接続を繰り返させ、各接続で発生した誘導起電力の
    中で選択条件を充たす最適電極を選ぶ制御手段と、 前記最適電極で発生した誘導起電力信号の周波数から前
    記流れの流量を算出する演算部を備えたことを特徴とす
    る流量測定装置。
  2. 【請求項2】前記選択条件が、誘導起電力信号のカルマ
    ン渦によって発生する交流成分が有する周波数のバラツ
    キが最小となる電極を選択することであることを特徴と
    する請求項1記載の流量測定装置。
  3. 【請求項3】前記選択条件が、誘導起電力信号のカルマ
    ン渦によって発生する交流成分が有する振幅が最大とな
    る電極を選択することであることを特徴とする請求項1
    記載の流量測定装置。
  4. 【請求項4】前記選択条件が、誘導起電力信号の流量に
    比例して変化する直流成分の変化量が最小となる電極を
    選択することを特徴とする請求項1記載の流量測定装
    置。
  5. 【請求項5】複数の電極が、それぞれの電極間距離が異
    なる複数対の電極からなることを特徴とする請求項1に
    記載する流量測定装置。
  6. 【請求項6】前記複数対の電極間距離が、流路の下流側
    に向かうに従って順次狭くなるよう設置されていること
    を特徴とする請求項5記載の流量測定装置。
  7. 【請求項7】前記複数対の電極間距離が、流路の断面に
    おいて中心線の位置にあるとき最も短く、中心線から離
    れるに従って順次広くなるよう設置されていることを特
    徴とする請求項5記載の流量測定装置。
JP10317399A 1998-11-09 1998-11-09 流量測定装置 Pending JP2000146641A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10317399A JP2000146641A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 流量測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10317399A JP2000146641A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 流量測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000146641A true JP2000146641A (ja) 2000-05-26

Family

ID=18087819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10317399A Pending JP2000146641A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 流量測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000146641A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010064713A1 (ja) 2008-12-04 2010-06-10 日本電気株式会社 発電装置、流体用センサ及び流体用センサ網

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010064713A1 (ja) 2008-12-04 2010-06-10 日本電気株式会社 発電装置、流体用センサ及び流体用センサ網
US8499627B2 (en) 2008-12-04 2013-08-06 Nec Corporation Power generator, fluid sensor, and fluid sensor net

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR930007156B1 (ko) 전자 유량계(electromagnetic flowmeter)
JPH10253412A (ja) 液体、特に水の流速を測定する方法及び装置
JP3188462B2 (ja) 同心状に配置された電磁界を有する流量計
US6435036B1 (en) Vortex flow meter
JP2793178B2 (ja) 電磁流量計
CN114829883A (zh) 操作磁感应流量计的方法
RU2654966C1 (ru) Электромагнитный способ измерения расхода жидкого металла
RU2431118C2 (ru) Электромагнитный расходомер жидких металлов
JP2000146641A (ja) 流量測定装置
US20060144160A1 (en) Inductive flow meter for electrically conductive liquids
JP2000241211A (ja) 流量測定装置
RU2716601C2 (ru) Электромагнитный способ измерения расхода жидкого металла
RU2310816C2 (ru) Вихревой электромагнитный преобразователь расхода жидкого металла
JP2000028408A (ja) 電磁流量計
JP3736139B2 (ja) 流量測定装置
JPH05172598A (ja) 渦流量計
CA1049095A (en) Electromagnetic flowmeter characterized by zero quadrature signal
KR100467314B1 (ko) 전자기 유량계
JP2001272257A (ja) 流量測定装置
JP3965130B2 (ja) 磁気誘導流量測定方法
JPH06160134A (ja) 流体振動式流量計
JP4438119B2 (ja) 流量測定装置
JPH05273015A (ja) 堰式電磁流量計
CN112146715B (zh) 一种具有符合权重分布磁场的电磁流量计的励磁方法
RU2146041C1 (ru) Электромагнитный расходомер