JP2002096283A - 移動ロボットの関節制御装置 - Google Patents
移動ロボットの関節制御装置Info
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Abstract
モータへの供給電流値を減少させ、簡単且つ安価にして
省エネを図ることにある。 【解決手段】第1のリンクと第2のリンクとを相対回転
運動可能に結合した少なくとも1つの関節を備えた移動
ロボットにおいて、前記関節の角度の目標値と現在値と
の差分を検知する差分検知手段と、この差分検知手段の
出力に関連したエネルギーが供給されて前記関節に前記
相対回転運動を促すトルクを発生するモータと、前記関
節が静止状態にあることを検知する静止状態検知手段
と、この静止状態検知手段の出力に関連付けて前記エネ
ルギーの量を調節する調節手段とを備える。
Description
節を制御する制御装置において、特にロボットが静止状
態に保っているとき、関節が消費するエネルギーの量を
節約できるように制御する移動ロボットの関節制御装置
に関する。
る間でも自分の体重を支えるのに少なからずエネルギー
を消費するという動物に似た特徴を持っている。この移
動ロボットは、車輪式の移動ロボットが静止している間
はエネルギーを消費しないのに比べて、上記特徴は大き
な欠点であり、段階や段差があっても移動できる脚式の
利点はあるものの、その実用化を阻む原因の一つになっ
ている。
外部にしている仕事は零なので、これらのエネルギーは
本来消費する必要がないものであり、何らかの改善が求
められていた。
は、例えば特許公報第2592340号公報に開示され
ているような関節構造がある。この脚式歩行ロボットの
関節には、電動モータとその出力を減速増力可能な減速
機が組合わされて使われている。
では、ロボットが起立しているときに関節の起立位置が
物理的に不安定な点になっているために、自分の体重を
支えるべく脚関節のモータに電流を流し続ける所謂サー
ボロックをかけておく必要がある。
は目標値)である目標関節角度に対して現在の関節角度
が一致していれば、モータに供給する電流値は0になる
が、上述したように起立姿勢時の関節角度は元々が不安
定なため、両者が一致することはあり得ず、両者の差分
に決められた比例定数を乗じた量の電流値が増幅器から
モータに供給され、これが消費エネルギーの元になって
いた。
を調べてみると、移動そのものに使うエネルギーと、立
ち止まっている間に使うエネルギーの2つがあることが
分かる。ロボットを移動させる目的の多くが移動した先
で何らかの作業をさせることにあり、その作業を遂行し
ている間の姿勢は起立姿勢とする場合が多いことから、
歩行中のエネルギーを削減すると共に、起立静止時のエ
ネルギーを削減することは非常に重要な課題である。
と言えどもしばしば立ち止まって、自分がいる現在地を
確認するのに長時間を要することから、作業遂行の全時
間の占める起立姿勢の時間は相当に長いものとなる。従
って、静止起立時のエネルギーの節約が大切である理由
がそこにある。
に多くの関節があり、例えば本発明者等が先に開示した
特開平8−197467号公報には関節の配置構成が概
念的に示されている。因みに、この公開公報の図1には
肘の関節がb(i)の記号で示されている。
ルギーを節約する立場から言えば腕を真っ直ぐ下ろした
姿勢で保持されることが理想であるが、腕の表面全体に
感触を持つ人間とは違い、現在のロボットのセンサは貧
弱であり、歩行中に腕が同じ環境下にある他の物体と干
渉することを避けるため、通常腕は肘で曲げられた状態
で保持され、歩行を行なっている。
も、極めて多くのエネルギーを消費している。
した状態で歩行することが可能になったとしても、従来
技術では加減速に伴う加速度Gに対応してその姿勢を維
持するのにサーボロックを行なうことから、エネルギー
消費が基本的に必要である。
ックをせずに脚関節を所望の位置に固定する技術も他の
先行技術の中に見ることができる。例えば脚関節を駆動
するのにモータの出力を直動型のネジを介して関節に伝
えて駆動する方法である。この方法は、ロボットの体重
による外力ではネジがセルフロック状態になって変位を
許さず、結局ロボットはエネルギーの供給を受けること
なく静止姿勢を保つことができる。
は、ネジの伝達効率が極めて悪く、肝心の歩行時に消費
するエネルギーが増大するという欠点があり、一連の作
業行為を遂行すると言う視点から見ると省エネには向か
ない。
レーキをかけてロックする技術がある。産業用ロボット
では、電源が切れたときにロボットの落下により人身事
故になることを防止する目的で、関節構造と並列に電磁
クラッチを設けている。通常は電流を流して電磁クラッ
チを切っておき、停電などで電源が故障したときには電
磁クラッチがバネの力で関節をロックする、と言う概念
である。
て使えないことは、正常時に無駄な電流を流して置かな
ければならないことや、電磁クラッチそのものが非常に
重たいこと等を想起すれば自明のことである。
エネルギーの削減と言ったテーマには不向きであり、そ
の制御方法についても搭載エネルギーを節約すると言う
視点が欠落していた。
は、目標関節角度と現在の関節角度の差分を計算し、そ
の差分に一定の比例定数を乗じて操作量とし、その比例
定数を最大の負荷が加わる場合にも良好な追従性を保証
するように大きめに設定するようにしていた。
ルギーの量はこの操作量によって決まり、同時にそれは
関節に加わる外部からの負荷モーメントに応じたモータ
トルクを生ずるための電流値に等しい筈である。
例定数を大きく設定すると、目標関節角度と現在の関節
角度との差分が小さくなり、また逆に小さく設定すると
当該差分は大きくなって、結果的には消費するエネルギ
ー(モータへ供給する電流値)は変わらないことにな
る。つまり、比例定数を変えても消費エネルギーは理論
的に変わらないことになっている。
想的な関節を想定したものであるが、現実の関節には無
視できない摩擦がある。しかもこの摩擦は比較的少ない
と言われているハーモニック減速機でも相当に大きな摩
擦量を示している。
材による摩擦や軸受による摩擦もあるので、関節全体と
しては相当に大きな摩擦を持っている。
ネルギーを考察して見る。
目標値に近付くべく駆動されるが、実際の関節角度が目
標値に近付くにつれて、上記操作量も減少し、結果的に
モータへ供給される電流値も減少し、モータトルクは低
下する。
摩擦に対抗できず、静止姿勢では目標値と現在値との間
には摩擦に応じた差分が制御偏差として残る。この制御
偏差は摩擦が大きいほど大きくなる。この偏差を小さく
するには、上記の比例定数を更に大きな量として、モー
タトルクを増大しなければならない。このように摩擦力
は消費エネルギーを増大させる要因にもなっていた。
止している状態から考えて見る。摩擦が大きければ、重
量が関節を座屈させようとして働く外部の負荷モーメン
ト(これはほぼ一定値である)の一部が摩擦力で拮抗し
ているので、モータが負担するモーメント(換言すれば
モータトルク)はその分少なくしても、関節が座屈する
ことなく静止状態を維持できる。
であった摩擦は省エネのための貴重な保持トルクになり
得る。摩擦が大きい関節ほど、静止のときには少ないエ
ネルギーで姿勢を維持できると言うことになる。前述の
ネジを減速機に利用した関節では、この摩擦力が非常に
大きいので、静止時に使うエネルギーが0となる。
大きい用途のロボットならば、関節の構造は摩擦が多少
あっても、総合的には省エネ向きの構成となり得る場合
がある。
摩擦力を利用して静止姿勢を維持する力の一部とし、そ
れに見合ってモータへの供給電流値を低下させることに
より、簡単且つ安価にして省エネを図ることができる移
動ロボットの関節制御装置を提供することを目的とす
る。
成するため、次のような手段により移動ロボットの関節
制御を行うものである。
節角度の目標値と現在値との差分に比例定数を乗じて決
める制御系において、当該比例定数を一定値とするので
はなく、関節が静止しているときは、より小さな比例定
数に変えることで、モータへの供給電流値を減らし、関
節に内在する摩擦力を関節角度維持力の一部に利用す
る。
御装置によれば、関節に存する摩擦力を利用して静止姿
勢を維持する力の一部とすることで、これに見合う分だ
けモータへの供給電流値を低下させることが可能とな
り、省エネを図ることができる。
御装置において、当該関節が静止状態に入ったときから
の時間に関連づけて前記比例定数を減少させていき、急
激な関節角度維持力の激変を回避する。
御装置によれば、モータへの電流値を下げる場合、低下
したモータ電流値で関節角度を維持するのに十分なトル
クを発生するか否かを確認ができる。
トの関節制御装置において、当該関節が静止状態に入っ
たときからロボットの姿勢が安定期に入るまでの時間内
は、前記比例定数を減少させないようにする。
御装置によれば、ロボットの姿勢が崩れたり、運動中に
極く短い間関節角度を同じ角度に保つようなことがあっ
ても、運転時の追従性が損なわれることがない。
御装置において、当該関節が静止状態に入ったときから
の時間に関連づけて前記比例定数を減少させていくとき
に、関節角度が設計上は静止しているにも関わらず動き
がある場合には、比例定数が小さくなり過ぎたと判断し
て、比例定数を増大させるようにする。
御装置によれば、ロボットの姿勢が維持できなくなる
と、モータへの供給電流値を回復させ、ロボットの姿勢
の安定化に寄与する。
御装置において、当該関節が静止状態に入ったときから
の時間に関連づけて前記比例定数を減少させていくとき
に、関節角度が設計上静止しているにも関わらず動きが
ある場合には、比例定数を増大するとともに、増大した
比例定数を下限値に指定し、それ以後はこの下限値以下
にならないように構成する。
御装置によれば、モータへの供給電流値が増大した時点
で、この電流値がロボットの姿勢を維持する最低限の電
流である筈だから、このときの比例定数で決まる電流値
に下限値が固定されるので、以後はモータへの供給電流
値の低下動作がなく、ロボットの姿勢が安定化する。
移動ロボットの関節制御装置において、当該関節にこれ
とは別に関節角度が所定角度になるように付勢する付勢
手段を付加し、当該付勢手段の付勢力と摩擦力の和が当
該関節を所定角度に保持する保持力として働き、何らか
の理由から前記偏差が増大するようなことが生じたとき
に付勢手段の付勢力が偏差に応じて増大する性質を利用
することでモータへの供給電流値を大幅に低減できるよ
うに構成する。
御装置によれば、付勢手段の付勢力と摩擦力とを関節角
度の維持力の一部に当てることができるので、関節の消
費エネルギーを合理的に且つ大幅に削減し、もって所定
の搭載エネルギーで従来よりも長時間の作業遂行能力を
ロボットに与えることができる。
参照して説明する。
て2足歩行ロボットの概略構成を示す骨格図である。
右それぞれの脚に6個の関節軸を備えている。これら6
個の関節軸は、図示上方から順に、脚部回転用の関節軸
10、股部のピッチ方向の関節軸12、同ロール方向の
関節軸14、膝部のピッチ方向の関節軸16、足首部の
ピッチ方向の関節軸18、同ロール方向の関節軸20か
らなり、その下部には6軸力センサ22を介して足部2
4が備えられている。
り、対称形状であることから、各々の符合に付されてい
るR,Lは右、左を意味している。
板リンク26が用意されている。この腰板リンク26に
は関節の制御に必要な図示しない電源やアンプ及び歩行
空間に対するロボットの傾斜を検知して電気信号として
出力する傾斜計28などが搭載されている。
0,12,14から構成されており、足関節と膝関節と
の結合には大腿リンク30が使用されている。また、足
関節も図示するように2つの関節軸18,20から構成
されており、足関節と膝関節との結合にはスネリンク3
2が使用されている。
垂直方向成分Fz、横方向成分Fy及び床反力によって
生ずるモーメントNの垂直方向成分Nz、進行方向成分
Nx、横方向成分Nyを各々独立に分離して検出できる
6軸力センサ22が設けられる。
部と足関節との間に装着することも公知であるから、こ
こではその説明を省略する。
た膝関節の側面を概念図として示したものである。膝関
節が起立姿勢をとるとき、大腿リンク230とスネリン
ク232とは概ね図示のように一直線となる位置を占め
ている。二つのリンクは適切な軸受によって互いに回転
可能に結合されており、図示しないモータによって回転
駆動されるものとする。
Gとすれば、重心は一般に回転軸216の真上に位置す
ることはなく、膝関節の回転中心216よりも進行方向
前方Lだけ離れた位置にある。従って、重力は絶えずス
ネリンク232に対して大腿リンク230を図示のモー
メントMの方向に回転させようと働いている。その負荷
モーメントの大きさは、 M=mg×L で与えられる。ロボットの静止状態を考えれば、慣性力
はないから、関節にかかる負荷はこのモーメントだけで
ある。
ば、モータはこのモーメントMに対抗して図示位置を維
持するトルクを発生することで、ロボットは起立姿勢を
保つ。
出した状態の様子を概念図として示すものである。この
姿勢では前腕の質量m´がその重心に重力として働き、
重心から肘関節までの距離をL´とおけば、重力による
モーメントM´が前腕を反時計方向に回そうとして働
き、そのモーメントM´の大きさは、 M´=m´g×L´ で示される。肘関節のモータに必要なトルクは、摩擦力
がなければこのモーメントに対抗する大きさである。
るのに必要なモータのトルクがどれだけ必要なのかが明
らかである。モータのトルクと流す電流値との間には比
例関係があり、このときの比例定数をトルク定数と呼
ぶ。
機の速度比が大きく関与する。速度比が大きければモー
タのトルクはそれだけ小さくて済むが、速度比は運動条
件を考慮して決めるので、静止時の条件だけで決めるわ
けではない。本発明は速度比とは関係なく省エネを図る
点に特徴がある。
のトルク発生をモータに強いている理由を述べる。
の内部摩擦力がその大部分を占めている。関節角度を所
望の角度にしたいとき、公知の制御技術では次のように
モータ供給電流値を決めている。
な関節制御システムを示す構成図である。
法が提案されているが、ここでは説明を簡潔にするた
め、予め歩行に適した関節角度を時系列データとして計
算し、メモリに蓄えておく方法について説明する。
は左右6関節づつ合計12の関節があることから、j番
目の関節に関する量にはjの添字を付けて区別すること
にする。また、コンピュータは決められたサイクル毎に
起動して所定のプログラムをこなし、その結果をモータ
の増幅器に出力するので、時刻tのときの量にはtとい
う添字を付けて他のサイクルとは区別することにする。
て与える指令値にはDの添字を付け、現在値にはRの添
字を付けてある。そして、関節角度をθ、角度を時間で
微分した角速度をωとする。また、モータへ供給する電
流をiとし、その結果モータが出力するトルクをτとす
る。
に必要な目標関節角度の時系列データが格納されている
ものとする。コンピュータ(CPU)312は、メモリ
装置310からこの時系列データを取込んで、時刻tの
ときの12個の目標関節角度データDθjを読取るもの
とする。
字tを省略してある。
jを関節駆動用のモータ314と同軸に結合されている
角度計316から、出力信号として受取る。両者の差分
を計算して、その差分に比例定数Kを乗じた量を増幅器
318に角速度指令値Dωjとして出力する。すなわ
ち、D ωj=K×(Dθj−Rθj) 同図で、増幅器318は速度型の増幅器であり、コンピ
ュータの出力である目標角速度Dωjが入力されると同
時に角度計316で求められた実際の角速度Rωjが入
力されると、両者の間に存在する差分に比例した電流値
ijをモータ314に与える。このときの比例定数をA
とすると、 ij=A×(Dωj−Rωj) で表される。
れると、回転トルクτjを発生してそのときの負荷に応
じた角速度Rωjで回転し、このモータ314に結合さ
れたリンク320を回わす。従って、リンク320は目
標関節角度Dθjに追従して回転することになる。
信号を入力する入力装置322及びコンピュータ(CP
U)312からシステムの現状を把握するための情報を
取込んで表示する表示装置324が設けられている。
より検出された外界情報をコンピュータ(CPU)31
2に取込んでロボットの行動を自律的に変えられるよう
にしてもよい。この場合、外界センサとしては前述の傾
斜計や6軸力センサなどがある。
図である。
報量をラプラス変換した後の量で表示するのが決まりな
ので、ここでもその決まりに従って表してある。即ち、
ラプラス変換前の量を小文字で表示し、またラプラス変
換後の量を大文字で表示している。例えば関節角度がθ
ならば、ラプラス変換後はΘとして表示している。
Θjと現在の関節角度RΘjとの差分を計算して、その
差分に比例定数Kを乗じた量を改めて関節の角度指令値
DΩjとして出力する。
Ωjが実現するように現在の角速度 RΩjを参照して両
者の差分(DΩj−RΩj)に比例定数Aを乗じた電流
Ijをモータ314に入力する。
ク定数を掛けたモータトルクを発生して回転し、モータ
の出力軸は負荷の慣性モーメントや粘性抵抗などで決ま
る角速度RΩjで回転し、目標角度DΩjに追従する運
動を始める。
るかどうかを調べ、もし不足していればさらに電流値を
高めるべく、モータの出力軸の回転速度RΩjは増幅器
318にフィードバックされて、確実性を増す。
ルス数に変換されていることから、このパルス数をカウ
ンターで数えることで、関節角度RΘjに変換され、こ
の関節角度RΘjに変換され、この関節角度RΘjもフ
ィードバックされてコンピューに戻される。
ので、実際の関節制御では摩擦力を考慮した電流値を供
給する必要がある。目標角度DΘjが変化して追従運動
が起きるとき、現実の角度RΘjがある程度目標角度D
Θjに近付くと、目標角速度 DΩjも小さくなり、従っ
て実際の角速度RΩjとの差分も縮まるようになる。
で、その電流値で発生するモータトルクも小さくなり、
やがて摩擦力の方が大きくなる。従って、制御偏差(D
Θj−RΘj)を残したまま、関節角度は静止し、目標
関節角度と実際の関節角度とは一致しない。
ンKまたは増幅器の増幅度Aを大きく設定し、僅かな偏
差でも大きなモータトルクを発生して(消費エネルギー
を増加させて)偏差を少なくするしかない。このように
すれば、追従性は向上するものの、それでも偏差を零に
することはできない。
ているときのエネルギー消費の内訳を説明すると、前記
重力による負荷モーメントに対抗するモータトルクと、
この摩擦力に抗して偏差を解消する方向に出力するトル
クの二つに分かれる。つまり、静止しているときでも、
重力モーメントに対抗する電流値以外に、この摩擦力を
克服するための電流値が余計に必要となる。
には目標角度と実際の角度との間に偏差の存在を是認
し、モータトルクを減少させていくと、摩擦力は絶えず
運動の方向とは逆向きに作用する性質があるため、今度
は摩擦力の方向が逆向きに変わって、負荷モーメントに
対抗する方向に働き出す。
値を増大させてきた従来の考え方を改め、静止姿勢をと
るときには逆に摩擦力を利用して省エネ化を図ろうとす
るものである。
定数Kの特性を決定する特性図に基いて説明する。
目標関節角度DΘjと現在の関節角度Rθjとの差分を
計算し、その差分に定数Kを乗じた量を求めて関節角速
度指令値DΩjとして増幅器に出力する。
定数としていたが、本発明ではこれを次のような規則で
変更可能な可変定数とするもので、増幅器以降の制御系
は従来と同様である。
いて、横軸に関節が静止したときからの時間tを、また
縦軸にはαをプロットしている。
るときは、αを1とする。関節が静止してから微小な時
間t1まではαも変化させない。この時間t1は例えば
0.5秒などと設定する。
は時刻t1までは一定値kを示すが、その後は徐々に低
下して行き、時刻t2以降はα0kと言う低い値に固定
するすることが分かる。
装置の作用を説明する。
1の例を示すものである。
れ、図6に示されたプロセスを処理するものとする。こ
こでは、所定の時間2ミリ秒として説明する。
に立ち上げるときに初期化を行い、その初期化の段階で
制御に必要な各種のパラメータを設定できるものとす
る。パラメータとしては、α=1,α0,Flag−E
S=0,Flag−WT=0,Ct=0,k=k等があ
る。
と、コンピュータはSTEP-112でメモリから関節データを
読込み、これらを関節角度の目標値と定める。例えば脚
部について言えば、12個の関節目標値が決まる。次に
関節角度計の示す現在の角度をSTEP-113で読取り、STEP
-114に進む。STEP-114では計画上の角速度の計算を次の
式に基いて行う。
うち、一回前の時刻の角度から今回の角度をどれだけ増
やすべきかを表す量である。コンピュータの起動時間が
2ミリ秒と定めていることから、この量は関節角速度と
見なし得る。初回の場合にはDθj(t−1)=Dθj
tとして扱う。
0かどうかを判定する。つまり、計画上で関節が静止し
ている状態なのかどうかの判別を行っている。初回の場
合、δθjpは0である。
-116に進んで、Flag-ESのビットを0とし、更にSTEP-11
7に進んでFlag-Wtのビットも0にしておく。STEP-118に
進み、αの値を1と決め、STEP-150に進む。
EP-120に進み、Flag-ESが1か否かを判定する。初回はF
lag-ESが0なのでNoに進み、STEP-121で今度はFlag-W
tが1か否かを判定する。
み、STEP-122でこのビットを1に変更する。これから時
間t1のカウントを開始するため、STEP-123でカウンタ
ーの設定値Ctを250に設定する。2ミリ秒ごとに起
動されるためにCtの250は0.5秒に相当する。そ
の後はSTEP-118に進み、αの値を1に決める。
ている筈なので、STEP-121の判定結果はYesになって
STEP-124に進み、ここでカウンターの値を1だけ減じて
STEP-126に進む。
の値が0になったか否かを判定する。最初の内はカウン
ターの値は0にはならないため、Noであり、STEP-118
でαを1とする。しかし、250回カウンター値の減少
が続いたときは(0.5秒経過したときは)、STEP-126
の結果が0になるので、STEP-127に進み、Flag-ESのビ
ットを1にしてαの減少モードに入る。
esになる筈なのでSTEP-130に進み、ここで実際の角速
度δθjRの算出を次式により行う。
したのと同じ理由である。
に関節は動いていないか否かを判定する。その判定結果
がYesならばSTEP-132に進み、前回のαの値α(t−
1)から微小量δαだけ減じた量αtを算出する。な
お、初回のときはα(t−1)=1である。
αtが最小値α0を割り込んでいないかどうかを判定す
る。初回はあり得ないからNoに進みSTEP-134に進んで
このαtをもってαと定義し、STEP-150に進む。
もΔαづつ減少していくので、何時かはSTEP-133の判定
結果がYesになるときがくる。その時はSTEP-134に進
み、α0をもってαと定義する。
きは計画上の角速度が0であるにも関わらず現実の角速
度が生じているので、モータトルクを低下し過ぎている
わけで、このときはSTEP-140に進んでαtを緊急避難的
に増大する。この例ではΔαの4倍の量を前回のαに加
えてαtとしている。
-151に進み、角速度指令値を算出する。STEP-152ではそ
の角速度指令値を増幅器に出力し、次のSTEP-153に進
む。
のプロセスを終え、STEP-154で元に戻してタイマーの割
込みを待つ。
ットの関節制御を行うことにより、次のような作用効果
を得ることができる。
小さくなるので、従来よりも当該関節での消費エネルギ
ーを節約できる。脚部について言えば、起立姿勢の関節
角度は元々負荷モーメントが小さくなる角度であるか
ら、摩擦力でも負荷モーメントの相当な部分を担えるこ
とになる。
間続かなければ始まらないようにしている。このことは
極めて短い時間関節が所定の角度に止どまるようなこと
があっても、それは無視してKを低下させないことにな
る。
急停止をかけると急停止直後はロボットの姿勢が安定し
ていないので、モータへの供給電流値を低下させること
は良くないが、この短時間の猶予であればその問題を解
消できる。
を保持するようなことがあっても、モータへの供給電流
値は低下しないので、引き続き追従性の高い運動を継続
することができる。
テムと異ならないため、製作コストを上昇させることな
く、経済的に有利であるなどの優れた利点がある。
に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の応用
が可能である。例えば図5ではαの特性を直線的に変化
させているが、これに限定されるものではなく、曲線的
に変化させても良いことは言うまでもない。また、図5
の時間t1を設けることも必要条件ではなく、この時間
帯を省いても何ら発明の本質を損なうものではない。さ
らに、図6のSTEP-131ではδθjRが0か否かを判別す
るようにしたが、角度の目標値と実角度との差分が縮ま
る方向ならδθjRは0でなくても良い。
2の例を示すもので、図6と同一処理部分には同一符合
を付してその説明を省略し、ここでは特徴のある処理部
についてのみ述べる。
tを緊急避難的に増大させているが、その後現実の関節
角速度が静止したとしても、次のサイクルタイムが来れ
ば同じようにαを低減するルーチンに入り、やがて現実
の角速度は有意の量として観測され、再度緊急避難的に
αを増大させなければならない。
ようなことが起こり、ロボットの関節が静止したり、動
いたりのハンチング現象を繰返す。
STEP-140とSTEP-134との間に図示点線で囲んで示すSTEP
-210を設け、このSTEP-210によりαの最小値α0の値を
このときのαtとする処理を行うものである。これ以外
はすべて第1の例と同じである。
らはαを低減するルーチンに入ったとしても、STEP-132
を経てSTEP-133に進んだとき、Yesに進むようにな
り、αは新しいα0に固定され、上記の欠点である現象
が避けられる。
関節として、付勢手段が付加された膝関節の構成を模式
的に示す側面図である。
のリンクが所定の角度をとるようにするためのもので、
この付勢手段については本出願人が先に出願した特許
(特願平2000−220936号)と同じなので、こ
こではその要点だけを簡潔に述べる。
832をスネリンクとする。スネリンクの一部には凹所
834が存し、この凹所834に図示の起立姿勢の一で
バネ836で押圧されるボール838が設けられてい
る。このバネとボールは大腿リンク側に設けられ、適切
なガイドにより図示横方向に移動できないようにその動
きを規制するものである。
向に回転を始めるとボールはバネの力に抗して上方に持
上げられ、スネリンクを図示位置に戻そうとするトルク
を発生することになる。
すれば、その角度を保持するモータのトルクはバネで生
じたトルクの分だけ小さなトルクで済むことになる。従
って、モータの消費するエネルギーを小さく設定するこ
とが可能となる。
び第2の例の関節制御と同じく関節には摩擦力が存在
し、この摩擦力と前記バネによる付勢力とが関節角度を
目標関節角度の近辺に保持していることである。敢えて
近辺にと述べたのは、摩擦力のために目標関節角度と実
際の関節角度との間には前述のように制御偏差があって
一致しないためである。
度の近辺から、関節角度が上記偏差を増やす方向に動い
た場合、モータへの供給電流値も制御系から増えるし、
付勢力もバネが押し縮められて増えることから、再び重
力によるモーメントと保持力とが釣り合い、安定するこ
とである。
し、関節が重力に耐えきれなくなって動き始めても、付
勢力が増える分、モータへの供給電流値をそれほど増や
す必要がないことを示し、また動きが少なければ、放置
しておいてもロボットが倒れることはない。従って、前
述の付勢手段を備えた関節では、更に一層のモータ電流
値の低減を行うことができることになる。
るための本発明に基く制御アルゴリズムの第3の例を示
すもので、図6と同一処理部分には同一符合を付してそ
の説明を省略し、ここでは特徴のある処理部についての
み述べる。
計算し、STEP-131ではその速度が静止しているか否かを
判定するが、その判定結果がNoであればSTEP-305に進
み、関節角度の目標値に対する現在の角度の差分が微小
な角度Δθを超えているか否かを判定する。もし超えて
いなければNoに進み、STEP-132で引き続きαの値を微
小量Δαだけ減少させる。
αの値が下げ過ぎなので、前述した第1の例及び第2の
例と同様にSTEP-140で緊急避難的にαを増大する。この
ときはSTEP-310で第2の例と同じく、αの下限値(最小
値)α0をこの時αtに書換えて、今後はこの新しいα
0以下にならないようにする。
において、付勢手段の付勢力は関節角度の目標値が静止
角度である場合、その目標値に追従制御が行われている
ときは、関節の摩擦力に対抗して目標値と現在値とが一
致する方向に作用する。従って、上記の制御偏差は一層
小さくなり、静止姿勢における関節角度は目標関節角度
により近付くことになる。
に供給するシステムの特性から、モータの消費するエネ
ルギーが削減されることになる。ここまでは付勢手段の
効果である。
節の摩擦力に加担して、関節角度を現在の静止姿勢の角
度に保持すべく作用する。外部からの負荷モーメントが
何らかの理由で増加し、現在の関節角度が維持できなく
なり、関節が多少動いたとする。
流値をモータに送り、偏差が縮小されるように制御す
る。また付勢手段も付勢力を増やすので、偏差が止めど
もなく拡大することはない。
ことなく、一定の場合を考える。αの値を小さくすると
モータへの供給電流値が小さくなり、摩擦力と付勢力と
モータトルクとの3つの量の和が負荷モーメントより小
さくなると、関節角度が微小量増大し、その結果モータ
への供給電流値が増えると共に、付勢力も増大するの
で、偏差の拡大が阻止され、偏差がある程度増加した時
点で釣り合うことになる。このときロボットは決められ
た静止姿勢がほんの僅か崩れるが、実害はない。
えば起立時の膝関節角度)と、付勢手段が機械的に決め
ている起立位置とが、完全に一致することはあり得ず、
角度にして数秒〜数十秒程度の食い違いがおきることが
考えられる。
この食い違いを制御偏差として捉え、偏差量に見合った
電流値を流し続けることになるが、第3の例ではこのよ
うな起立時の食い違いに対して電流値を下げるようにし
ているので、モータへ流す電流値が合理的に低減され、
エネルギーの浪費を抑制できる。
の形態に限定されるものではなく、例えばファジー理論
を用いても前述と同様に移動ロボットの関節制御を行う
ことができる等、その要旨を変更しない範囲で種々変形
して実施できることは言うまでもない。
ロボットの関節に内在する摩擦力を利用して静止姿勢を
維持する力の一部とし、それに見合ってモータへの供給
電流値を低下させるようにしたので、簡単且つ安価にし
て省エネを図ることができる移動ロボットの関節制御装
置を提供できる。
略構成図。
概念図、(b)は肘関節が前腕を前に出した状態の様子
を示す概念図。
実施の形態を示すシステム構成図。
を決定する特性図。
Uの処理内容の第1の例を示す制御アルゴリズム。
Uの処理内容の第2の例を示す制御アルゴリズム。
れた膝関節の構成を模式的に示す側面図。
るCPUの処理内容の第3の例を示すアルゴリズム。
Claims (6)
- 【請求項1】 第1のリンクと第2のリンクとを相対回
転運動可能に結合した少なくとも1つの関節を備えた移
動ロボットにおいて、 前記関節の角度の目標値と現在値との差分を検知する差
分検知手段と、 この差分検知手段の出力に関連したエネルギーが供給さ
れて前記関節に前記相対回転運動を促すトルクを発生す
るモータと、 前記関節が静止状態にあることを検知する静止状態検知
手段と、 この静止状態検知手段の出力に関連付けて前記エネルギ
ーの量を調節する調節手段と、を備えたことを特徴とす
る移動ロボットの関節制御装置。 - 【請求項2】 請求項2記載の移動ロボットの関節制御
装置において、 前記調節手段は、前記静止状態検知手段が関節の静止状
態を検知し始めたときからの時間に関連付けて、前記エ
ネルギーの量を所定値に調整するように構成されたこと
を特徴とする移動ロボットの関節制御装置。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の移動ロボッ
トの関節制御装置において、 前記調節手段は、前記静止状態検知手段が関節の静止状
態を検知したときから所定時間前記エネルギーの量の調
節を抑制するように構成されたことを特徴とする移動ロ
ボットの関節制御装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の移動ロボットの関節制御
装置において、 前記移動ロボットには関節の動きを停止状態に指定する
停止状態指定手段を備え、この停止状態指定手段が関節
の動きを停止状態に指定しているにも関わらず、前記停
止状態指定手段が関節の動きを検知したとき、前記調節
手段は前記エネルギーの量を増加させるように構成した
ことを特徴とする移動ロボットの関節制御装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の移動ロボットの関節制御
装置において、 前記調節手段の調節可能な調節量に下限値を設け、且つ
前記停止状態指定手段が関節の動きを停止状態に指定し
ているにも関わらず、前記停止状態検知手段が関節の動
きを検知したとき、前記下限値をより大きな量に変更可
能に構成したことを特徴とする移動ロボットの関節制御
装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかの項に
記載の移動ロボットの関節制御装置において、 前記2つのリンクを特定の相対角度となる方向に付勢す
る付勢手段を関節に設けると共に、前記調節手段がエネ
ルギーの調節を行なっているときに前記静止状態検知手
段が関節の動きを検知しても、前記差分検知手段の出力
に関連付けて前記エネルギーの量を調節するように構成
したことを特徴とする移動ロボットの関節制御装置。
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Publication Number | Publication Date |
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- 2000-09-19 JP JP2000284080A patent/JP4625910B2/ja not_active Expired - Fee Related
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