JP2002095930A - 乾式脱硫・脱硝装置 - Google Patents

乾式脱硫・脱硝装置

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JP2002095930A
JP2002095930A JP2000290659A JP2000290659A JP2002095930A JP 2002095930 A JP2002095930 A JP 2002095930A JP 2000290659 A JP2000290659 A JP 2000290659A JP 2000290659 A JP2000290659 A JP 2000290659A JP 2002095930 A JP2002095930 A JP 2002095930A
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Teruo Watabe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パージ槽、コンベヤ等を配設する必要がなく、
乾式脱硫・脱硝装置のコストを低くすることができるよ
うにする。 【解決手段】移動層と、被処理ガス供給室61と、被処
理ガス排出室と、移動層の上端に配設され、複数のホッ
パ室を備えた上部ホッパと、移動層より上方に配設され
た上部分配ホッパ36と、上部分配ホッパ36と各ホッ
パ室との間に配設され、上部分配ホッパ36内の媒体1
7を各ホッパ室に供給するシュート47と、上部分配ホ
ッパ36と被処理ガス供給室61及び被処理ガス排出室
のうちの少なくとも一方との間に配設されたパージ管4
1と、パージ管41に配設された開閉手段とを有する。
上部分配ホッパ36内の媒体17は、被処理ガス供給室
61及び被処理ガス排出室のうちの少なくとも一方内に
蓄えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式脱硫・脱硝装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、乾式脱硫・脱硝装置においては、
反応塔の上端から下端に向けて活性炭等の媒体を移動さ
せ、その間に被処理ガスを通すことによって脱硫と脱硝
とを同時に行い、被処理ガスから亜硫酸ガス(SO2
等の硫黄酸化物、及び窒素酸化物(NOX )を除去する
ようにしている。
【0003】図2は従来の反応塔の斜視図、図3は従来
の反応塔の断面図、図4は従来の粒度分布の測定結果を
示す図である。
【0004】図において、11は内部に互いに平行な一
対の移動層10が形成された反応塔本体であり、該反応
塔本体11は、角錐(すい)形状を有する上部ホッパ1
2、該上部ホッパ12と連結された断面が矩(く)形の
胴部13、該胴部13と連結された角錐形状を有する下
部ホッパ14を備える。そして、前記上部ホッパ12は
上端に媒体供給口15を、前記下部ホッパ14は下端に
媒体排出口16を有し、前記媒体供給口15を介して供
給された媒体17は上部ホッパ12内、移動層10内及
び下部ホッパ14内を下方に移動し、媒体排出口16か
ら外部に排出される。さらに、前記媒体排出口16を介
して排出された媒体17は、図示されない再生装置にお
いて再生させられ、再び上部ホッパ12に供給される。
【0005】前記胴部13の側壁の一方には、被処理ガ
スが供給される被処理ガス供給部18が、側壁の他方に
は、被処理ガスが排出される被処理ガス排出部20が形
成され、前記胴部13内において、前記被処理ガス供給
部18から供給された被処理ガスは左右に分流され、各
移動層10内を移動し、被処理ガス排出部20から排出
される。なお、前記反応塔本体11、被処理ガス供給部
18、被処理ガス排出部20等によって反応塔が、該反
応塔、再生装置等によって乾式脱硫・脱硝装置が構成さ
れる。
【0006】そして、前記移動層10は、前記被処理ガ
スの流れ方向における上流側に入口ルーバ10aを、下
流側に出口ルーバ10bを備える。また、移動層10の
本体部分は上下方向に延在させて配設された複数の区画
板10cによって区画され、複数の区画室が形成され
る。前記入口ルーバ10aは媒体17が落下しないよう
な開口の構造を有し、出口ルーバ10bは多孔プレート
から成り、該多孔プレートの各穴の径は前記媒体17の
粒子径より小さく設定され、いずれも被処理ガスだけを
通過させ、媒体17が入口ルーバ10a及び出口ルーバ
10bから外部に流出することがないようになってい
る。
【0007】前記移動層10の下端、すなわち、前記胴
部13と下部ホッパ14との間には、図示されない駆動
系によって回転させられ、移動層10のレベルを一定に
調整しながら媒体排出口16から媒体17を定量ずつ排
出するための切出装置22が配設される。したがって、
移動層10内の媒体17は、一定の速度で下方に移動さ
せられ、その間に被処理ガスと直交流で接触し、脱硫及
び脱硝を同時に行う。
【0008】ところで、前記媒体17は反応塔本体11
の上方の1箇所に形成された媒体供給口15を介して供
給されるので、移動層10の上端に所定の安息角θを有
する媒体17の山が形成される。なお、胴部13の幅を
Lとし、上部ホッパ12内に形成された媒体17の山の
高さをHとすると、前記安息角θは θ=tan-1{H/(L/2)} で表すことができる。そして、媒体17として活性炭を
使用した場合、該活性炭は、移動層10内を図4に示さ
れるような粒度分布で移動させられる。
【0009】ところで、前記移動層10において、入口
ルーバ10a、出口ルーバ10b、区画板10c等が破
損したり、各区画室内において媒体17が閉塞(そく)
したりして反応塔に何らかの異常が発生すると、脱硫及
び脱硝を円滑に行うことができなくなってしまう。そこ
で、反応塔に異常が発生すると、媒体排出口16から排
出された媒体17を前記再生装置に供給せず、図示され
ないパージ槽に供給し、該パージ槽に一時的に蓄えるよ
うにしている。したがって、その間に、入口ルーバ10
a、出口ルーバ10b、区画板10c等を補修したり、
各区画室内において閉塞した媒体17を除去したりする
ようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の乾式脱硫・脱硝装置においては、反応塔に異常が発
生したときに、媒体17を蓄えるための前記パージ槽が
必要になるだけでなく、媒体排出口16から排出された
媒体17を前記パージ槽に供給するためにコンベヤ等の
図示されない搬送手段が必要になるので、乾式脱硫・脱
硝装置のコストが高くなってしまう。
【0011】本発明は、前記従来の乾式脱硫・脱硝装置
の問題点を解決して、パージ槽、コンベヤ等を配設する
必要がなく、コストを低くすることができる乾式脱硫・
脱硝装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の乾
式脱硫・脱硝装置においては、移動層と、該移動層に隣
接させて配設され、被処理ガスを移動層に供給するため
の被処理ガス供給室と、前記移動層に隣接させて配設さ
れ、被処理ガスを移動層から排出するための被処理ガス
排出室と、前記移動層の上端に配設され、複数のホッパ
室を備えた上部ホッパと、前記移動層より上方に配設さ
れ、媒体入口を介して媒体が供給される上部分配ホッパ
と、該上部分配ホッパと各ホッパ室との間に配設され、
上部分配ホッパ内の媒体を各ホッパ室に供給するシュー
トと、前記上部分配ホッパと被処理ガス供給室及び被処
理ガス排出室のうちの少なくとも一方との間に配設され
たパージ管と、該パージ管に配設された開閉手段とを有
する。
【0013】本発明の他の乾式脱硫・脱硝装置において
は、さらに、異常が発生したかどうかを判断する異常発
生判断処理手段と、異常が発生したと判断された場合
に、前記開閉手段を開放する開放処理手段とを有する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】図1は本発明の実施の形態における乾式脱
硫・脱硝装置の要部を示す概略図、図5は本発明の実施
の形態における反応塔の要部を示す概略図、図6は本発
明の実施の形態における反応塔の平面図である。
【0016】図において、31は反応塔本体であり、該
反応塔本体31は、上部分配ホッパ36、上部ホッパ4
2、43、胴部48及び図示されない下部ホッパを備え
る。また、35は媒体供給コンベヤであり、該媒体供給
コンベヤ35によって搬送された媒体17は、上部分配
ホッパ36内に落下させられる。
【0017】該上部分配ホッパ36は、直径が約3
〔m〕のほぼ円柱形の形状を有し、上壁に媒体入口37
を備えるとともに、下壁に角度が45〔°〕の逆円錐形
の形状を有する下部逆円錐部38が形成される。該下部
逆円錐部38の斜面には、半径1〔m〕の同一円上の1
6箇所にシュート入口39が形成される。また、下部逆
円錐部38の最下部には、1個のパージ穴40が形成さ
れ、該パージ穴40に鉄製パイプから成るパージ管41
が接続される。
【0018】前記胴部48は、一対の移動層55、各移
動層55間において移動層55に隣接させて配設され、
被処理ガスを各移動層55に供給するための被処理ガス
供給室61、及び前記各移動層55の外側において移動
層55に隣接させて配設され、被処理ガスを各移動層5
5から排出するための一対の被処理ガス排出室62、6
3を備え、前記被処理ガス供給室61に被処理ガス入口
65が、前記被処理ガス排出室62、63にそれぞれ被
処理ガス出口66、67が形成される。なお、前記上部
分配ホッパ36は各移動層55より上方に配設される。
また、前記反応塔本体31、被処理ガス入口65、被処
理ガス出口66、67等によって反応塔が構成される。
【0019】そして、前記各移動層55は、被処理ガス
供給室61に面する側に入口ルーバ71を、被処理ガス
排出室62、63に面する側に図示されない出口ルーバ
を備えるとともに、それぞれ上端に上部ホッパ42、4
3を、下端に前記下部ホッパを備え、該各上部ホッパ4
2、43はそれぞれ8個の角錐形の形状を有するホッパ
室45を備える。前記入口ルーバ71は媒体17が落下
しないような開口の構造を有し、出口ルーバは多孔プレ
ートから成り、該多孔プレートの各穴の径は前記媒体1
7の粒子径より小さく設定され、いずれも被処理ガスだ
けを通過させることができ、媒体17が入口ルーバ71
及び出口ルーバから外部に流出することがないようにな
っている。
【0020】そして、前記上部分配ホッパ36と各ホッ
パ室45との間に、直径が200〜300〔mm〕の鉄
製パイプから成るシュート47が配設され、各シュート
47によって、上部分配ホッパ36内の媒体17が各ホ
ッパ室45に供給される。また、前記パージ穴40と被
処理ガス供給室61との間に前記パージ管41が配設さ
れ、該パージ管41を介して、必要に応じて上部分配ホ
ッパ36内の媒体17が被処理ガス供給室61に供給さ
れる。そして、前記各移動層55は7個の区画板49に
よって区画され、前記各ホッパ室45に対応させて8個
の区画室50が形成される。
【0021】前記下部ホッパは角錐形状の形状を有し、
下部ホッパの下端に媒体排出口が形成される。また、前
記各移動層55の下端、すなわち、前記胴部48と下部
ホッパとの間には、図示されない駆動系によって回転さ
せられ、移動層55のレベルを一定に調整しながら媒体
排出口から媒体17を定量ずつ排出するための図示され
ない切出装置が配設される。したがって、各移動層55
内の媒体17は、一定の速度で下方に移動させられ、そ
の間に被処理ガスと接触し、脱硫及び脱硝を同時に行
う。
【0022】前記構成の反応塔において、被処理ガス入
口65から図6における矢印方向に供給された被処理ガ
スは、被処理ガス供給室61において左右(図6におけ
る上下)に分流され、各移動層55内を通過して被処理
ガス排出室62、63に送られ、被処理ガス出口66、
67から図6における矢印方向に排出される。
【0023】また、媒体供給コンベヤ35によって搬送
された媒体17は媒体入口37を介して上部分配ホッパ
36に供給される。このとき、前記媒体17は、上部分
配ホッパ36内の中心部に落下し、粒径の大きな媒体1
7は、山の斜面に沿って落下して上部分配ホッパ36内
の周辺部に集まり、粒径の小さな媒体17は、上部分配
ホッパ36内の中央部に集まるが、円周方向において
は、同じ粒度分布で集まる。したがって、同じ粒径の媒
体17が、各シュート47を通り、上部ホッパ42、4
3の各ホッパ室45に供給される。
【0024】そして、該各ホッパ室45の媒体17は、
それぞれ各区画室50に供給され、区画室50内を下方
に移動させられるが、その間に被処理ガス供給室61か
ら供給された被処理ガスと直交流で接触し、被処理ガス
中の亜硫酸ガス等の硫黄酸化物を吸着するとともに、窒
素酸化物を無害な窒素(N2 )と水(H2 O)とに分解
する。このようにして脱硫及び脱硝が同時に行われる。
【0025】そして、各区画室50から下部ホッパに供
給された媒体17は、前記媒体排出口から排出されて図
示されない再生装置に送られ、該再生装置において再生
させられ、再び上部分配ホッパ36に供給される。な
お、前記反応塔、再生装置等によって乾式脱硫・脱硝装
置が構成される。
【0026】ところで、前記上部分配ホッパ36の内径
をD1 とし、各シュート入口39の中心を通る円の直径
をD2 とし、シュート47の直径をD3 とし、上部ホッ
パ42、43の分割数、すなわち、各上部ホッパ42、
43におけるホッパ室45の数をnとし、各シュート入
口39間のピッチをPとすると、 D2 =(2n・D3 +2n・P)/π の関係になる。
【0027】そして、 D2 /D1 =2/3 とし、また、媒体17の直径をD4 としたとき、各シュ
ート47の直径D3 を、 D3 =K1 ・D4 (K1 :10〜30) とする。なお、通常は、 D4 =10〔mm〕 n=8〜12 P=50〜100〔mm〕 であるので、 D1 =2〜3〔m〕 D2 =1.3〜2〔m〕 程度とするのが好ましい。
【0028】そして、前記上部分配ホッパ36の高さを
Hとし、上部分配ホッパ36の上壁から上部分配ホッパ
36内に形成される媒体17の山の頂上までの高さをh
1 とし、山の頂上から山の麓(ふもと)までの高さをh
2 とし、山の麓から上部分配ホッパ36の下壁までの高
さをh3 とすると、 H=h1 +h2 +h3 になり、 h1 ≒h2 ≒h3 になる。
【0029】また、媒体17の山の安息角θは、 θ=tan-1{h2 /(D1 /2)} になり、通常、35〔°〕程度である。
【0030】そして、各シュート47と各上部ホッパ4
2、43とが連結される部分の傾き角をθ1 〜θ8 とす
ると、傾き角θ1 〜θ8 は、 θ1 =θ8 <θ2 =θ7 <θ3 =θ6 <θ4 =θ5 になるように設定される。通常、傾き角θ1 は45
〔°〕以上にするのが好ましい。さらに、各移動層55
の幅をLとし、各ホッパ室45の底部の幅をL1 〜L 8
とし、各ホッパ室45の高さをh4 とすると、 L=K2 ・L1 (K2 :4〜10) L1 =L2 =L3 =L4 =L5 =L6 =L7 =L8 であり、各ホッパ室45の角錐の角度θ′は、 θ′=tan-1{h4 /(L1 /2)} で表すことができ、稜(りょう)角で40〔°〕とする
のが好ましい。
【0031】また、各移動層55の層厚w1 は、脱硝率
によって左右され、 w1 =1〜2〔m〕 とするのが好ましく、また、移動層55間の距離w
2 は、 w2 =K3 ・w1 (K3 :1〜3) である。
【0032】なお、本実施の形態においては、 0.6<L1 /w1 ≦1.0 である。
【0033】このように、同じ粒径の媒体17が、各ホ
ッパ室45に供給され、各区画室50内を下方に移動さ
せられるので、被処理ガスは、移動層55内を均一に流
れるようになる。したがって、ガス偏流が発生するのを
防止することができるので、脱硫率及び脱硝率を高くす
ることができる。
【0034】ところで、前記各移動層55において、入
口ルーバ71、出口ルーバ、区画板49等が破損した
り、各区画室50内において媒体17が閉塞したりして
反応塔に何らかの異常が発生すると、脱硫及び脱硝を円
滑に行うことができなくなってしまう。そこで、反応塔
に異常が発生すると、上部分配ホッパ36内の媒体17
を、前記上部ホッパ42、43に供給せず、パージ管4
1を介して被処理ガス供給室61に供給し、該被処理ガ
ス供給室61に一時的に蓄えるようにしている。したが
って、その間に、入口ルーバ71、出口ルーバ、区画板
49等を補修したり、各区画室50内において閉塞した
媒体17を除去したりするようにしている。
【0035】そのために、前記パージ管41の所定の位
置に開閉手段としての弁72が配設され、駆動手段とし
てのアクチュエータ73を駆動することによって弁72
を開閉させることができる。この場合、前記弁72とし
て開閉弁、スライドゲート等を、アクチュエータ73と
してモータ、エアシリンダ等を使用することができる。
【0036】また、前記上部分配ホッパ36内の所定の
位置にレベルセンサ75が配設され、該レベルセンサ7
5によって上部分配ホッパ36内の媒体17の高さhが
検出され、検出された高さhが制御部74に送られる。
なお、本実施の形態においては、レベルセンサ75は媒
体17の山の頂上の近傍に配設されるようになっている
が、山の頂上に配設したり、山の麓の近傍に配設したり
することもできる。また、前記レベルセンサ75として
は、静電容量の変化に基づいて媒体17の高さhを検出
するレベル指示計を使用することができる。
【0037】そして、前記被処理ガス入口65に第1の
圧力センサ76が、被処理ガス出口66に第2の圧力セ
ンサ77が配設され、前記第1の圧力センサ76によっ
て被処理ガス入口65側の被処理ガスの圧力P1が検出
され、前記第2の圧力センサ77によって被処理ガス出
口66側の被処理ガスの圧力P2が検出され、検出され
た圧力P1、P2が制御部74に送られる。なお、必要
に応じて被処理ガス出口67に第3の圧力センサを配設
し、該第3の圧力センサによって被処理ガス出口67側
の被処理ガスの圧力を検出し、検出された圧力を制御部
74に送ることもできる。
【0038】そして、前記制御部74の図示されない異
常発生判断処理手段は、前記高さhを受けると、該高さ
hとあらかじめ設定された上限値hmaxとを比較する
ことによって、第1の異常判定条件が成立するかどうか
を判断し、前記高さhが上限値hmax以上である場
合、第1の異常判定条件が成立すると判断し、前記高さ
hが上限値hmaxより低い場合、第1の異常判定条件
が成立しないと判断する。
【0039】また、前記異常発生判断処理手段は、前記
高さhとあかじめ設定された下限値hminとを比較す
ることによって、第2の異常判定条件が成立するかどう
かを判断し、前記高さhが下限値hmin以下である場
合、第2の異常判定条件が成立すると判断し、前記高さ
hが下限値hminより高い場合、第2の異常判定条件
が成立しないと判断する。この場合、前記上限値hma
x及び下限値hminは、レベルセンサ75が配設され
る位置に対応させて設定される。
【0040】さらに、前記異常発生判断処理手段は、前
記圧力P1、P2を受けると、圧力差ΔP ΔP=P1−P2 を算出するとともに、該圧力差ΔPとあらかじめ設定さ
れた閾(しきい)値Pthとを比較することによって、
異常判定付加条件が成立するかどうかを判断し、前記圧
力差ΔPが閾値Pth以上である場合、異常判定付加条
件が成立すると判断し、前記圧力差ΔPが閾値Pthよ
り小さい場合、異常判定付加条件が成立しないと判断す
る。
【0041】次に、前記異常発生判断処理手段は、第
1、第2の異常判定条件及び異常判定付加条件が成立す
るかどうかによって反応塔に異常が発生しているかどう
かを判断する。すなわち、前記異常発生判断処理手段
は、第1の異常判定条件が成立し、かつ、異常判定付加
条件が成立する場合、及び第2の異常判定条件が成立
し、かつ、異常判定付加条件が成立しない場合には、反
応塔に異常が発生したと判断し、第1、第2の異常判定
条件がいずれも成立しない場合には、前記異常判定付加
条件が成立するしないにかかわらず、反応塔に異常が発
生していないと判断する。
【0042】なお、本実施の形態においては、第1、第
2の異常判定条件及び異常判定付加条件が成立するかど
うかによって反応塔に異常が発生したかどうかを判断す
るようになっているが、第1、第2の異常判定条件が成
立するかどうかによって反応塔に異常が発生したかどう
かを判断することもできる。そのために、前記異常発生
判断処理手段は、第1、第2の異常判定条件のうちのい
ずれか一方が成立する場合、反応塔に異常が発生したと
判断し、第1、第2の異常判定条件がいずれも成立しな
い場合、反応塔に異常が発生していないと判断する。
【0043】このようにして、異常発生判断処理が行わ
れ、異常が発生していると判断されると、前記制御部7
4の図示されない警報処理手段は図示されない警報器、
表示装置等によってアラームを発生させる。また、前記
制御部74の図示されない開放処理手段は、前記アクチ
ュエータ73を駆動して弁72を開放する。この場合、
上部分配ホッパ36内の媒体17は、各移動層55には
送られず、パージ管41を介して被処理ガス供給室61
内に送られ、一時的に蓄えられる。したがって、各移動
層55内から媒体17を除去することができるので、そ
の間に、入口ルーバ71、出口ルーバ、区画板49等を
補修したり、各区画室50内において閉塞した媒体17
を除去したりすることができる。なお、前記被処理ガス
供給室61の底部に前記媒体17を排出するための媒体
出口81が形成され、前記被処理ガス供給室61内に蓄
えられた媒体17を排出することができるようになって
いる。そのために、前記被処理ガス供給室61の底部は
傾斜させられ、媒体17は自重で排出される。
【0044】このように、媒体17を蓄えるためのパー
ジ槽を別に配設する必要がなくなるだけでなく、媒体1
7を前記パージ槽に供給するためのコンベヤ等の搬送手
段が不要になるので、乾式脱硫・脱硝装置のコストを低
くすることができる。
【0045】なお、本実施の形態においては、上部分配
ホッパ36と被処理ガス供給室61とをパージ管41に
よって接続し、上部分配ホッパ36内の媒体17を被処
理ガス供給室61に供給するようになっているが、上部
分配ホッパ36と被処理ガス排出室62、63とをパー
ジ管によって接続し、上部分配ホッパ36内の媒体17
を被処理ガス排出室62、63に供給することもでき
る。
【0046】また、本実施の形態において、弁72はア
クチュエータ73を駆動することによって開放するよう
になっているが、前記警報器、表示装置等によるアラー
ムに従って手動で開放することもできる。
【0047】次に、従来の乾式脱硫・脱硝装置と本発明
の乾式脱硫・脱硝装置との粒度分布の差について説明す
る。
【0048】図7は従来の乾式脱硫・脱硝装置における
粒度分布を示す図、図8は本発明の実施の形態における
乾式脱硫・脱硝装置の粒度分布を示す図である。
【0049】この場合、媒体17(図1)の全体(触媒
全体)及び各区画室#1〜#8に供給された媒体17の
粒度分布を示している。
【0050】図7に示されるように、従来の乾式脱硫・
脱硝装置においては、粒径の大きな媒体17は移動層1
0(図3参照)の幅L方向における周辺部の区画室#
1、#8に集まり、粒径の小さな媒体17は移動層10
の幅L方向における中央部の区画室#4、#5に集まっ
てしまう。この場合、粒径のばらつきを示す標準偏差σ
は14.74である。
【0051】これに対して、図8に示されるように、本
発明の乾式脱硫・脱硝装置においては、粒径の大きな媒
体17も粒径の小さな媒体17も、移動層55(図5)
の幅L方向における全体にほぼ均一に供給される。この
場合、標準偏差σは2.99である。
【0052】次に、本実施の形態における脱硝率、空間
速度及び媒体17の粒径の関係について説明する。
【0053】図9は本発明の実施の形態における脱硝
率、空間速度及び粒径の関係を示した図である。なお、
図において、横軸に空間速度svを、縦軸に脱硝率を採
ってある。
【0054】ここで、空間速度svとは、被処理ガスの
量を媒体17(図1)の量で割って得られる値であり、
一定量の媒体17によって処理を行うことができる被処
理ガスの量を示す。
【0055】図に示されるように、空間速度svが低く
なると、脱硝率が高くなり、また、粒径が小さいほど脱
硝率が高くなる。
【0056】前述されたように、前記移動層55(図
5)の幅L方向において粒度分布は均一になるので、被
処理ガスに偏流が発生することはない。したがって、空
間速度svを一様に低くすることができ、脱硝率を高く
することができる。
【0057】図10は各区画室ごとの脱硝率について、
従来の乾式脱硫・脱硝装置と本発明の乾式脱硫・脱硝装
置とを比較した図、図11は各区画室ごとの空間速度に
ついて、従来の乾式脱硫・脱硝装置と本発明の乾式脱硫
・脱硝装置とを比較した図である。
【0058】図から分かるように、本発明の乾式脱硫・
脱硝装置においては、脱硝率及び空間速度svのいずれ
も各区画室#1〜#8にわたって平均的な値を有するこ
とができるので、乾式脱硫・脱硝装置の全体で脱硝率を
約1.2〔%〕高くすることができる。
【0059】なお、本実施の形態においては、乾式脱硫
・脱硝装置の反応塔について説明しているが、本発明を
媒体補給槽、脱離塔等に適用することもできる。
【0060】また、媒体17(図1)としては、活性炭
のほかに、金属系脱硝媒体等の一般的な媒体を使用する
こともできる。
【0061】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0062】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、乾式脱硫・脱硝装置においては、移動層と、該移
動層に隣接させて配設され、被処理ガスを移動層に供給
するための被処理ガス供給室と、前記移動層に隣接させ
て配設され、被処理ガスを移動槽から排出するための被
処理ガス排出室と、前記移動層の上端に配設され、複数
のホッパ室を備えた上部ホッパと、前記移動層より上方
に配設され、媒体入口を介して媒体が供給される上部分
配ホッパと、該上部分配ホッパと各ホッパ室との間に配
設され、上部分配ホッパ内の媒体を各ホッパ室に供給す
るシュートと、前記上部分配ホッパと被処理ガス供給室
及び被処理ガス排出室のうちの少なくとも一方との間に
配設されたパージ管と、該パージ管に配設された開閉手
段とを有する。
【0063】この場合、前記上部分配ホッパと被処理ガ
ス供給室及び被処理ガス排出室のうちの少なくとも一方
との間にパージ管が配設され、開閉手段の開放に伴っ
て、上部分配ホッパ内の媒体がパージ管を介して前記被
処理ガス供給室及び被処理ガス排出室のうちの少なくと
も一方に供給される。
【0064】したがって、上部分配ホッパ内の媒体は、
移動層には送られず、被処理ガス供給室及び被処理ガス
排出室のうちの少なくとも一方内に一時的に蓄えられ
る。その結果、移動層内から媒体を除去することができ
るので、その間に、入口ルーバ、出口ルーバ、区画板等
を補修したり、各区画室内において閉塞した媒体を除去
したりすることができる。
【0065】また、媒体を蓄えるためのパージ槽を別に
配設する必要がなくなるだけでなく、媒体を前記パージ
槽に供給するためのコンベヤ等の搬送手段が不要になる
ので、乾式脱硫・脱硝装置のコストを低くすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における乾式脱硫・脱硝装
置の要部を示す概略図である。
【図2】従来の反応塔の斜視図である。
【図3】従来の反応塔の断面図である。
【図4】従来の粒度分布の測定結果を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における反応塔の要部を示
す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態における反応塔の平面図で
ある。
【図7】従来の乾式脱硫・脱硝装置における粒度分布を
示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における乾式脱硫・脱硝装
置の粒度分布を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における脱硝率、空間速度
及び粒径の関係を示した図である。
【図10】各区画室ごとの脱硝率について、従来の乾式
脱硫・脱硝装置と本発明の乾式脱硫・脱硝装置とを比較
した図である。
【図11】各区画室ごとの空間速度について、従来の乾
式脱硫・脱硝装置と本発明の乾式脱硫・脱硝装置とを比
較した図である。
【符号の説明】
17 媒体 36 上部分配ホッパ 37 媒体入口 41 パージ管 42、43 上部ホッパ 45 ホッパ室 47 シュート 55 移動層 61 被処理ガス供給室 62、63 被処理ガス排出室 72 弁 74 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D002 AA02 AA12 BA04 BA06 CA08 DA41 EA03 FA10 GA02 GA03 GB04 GB20 HA10 4D048 AA02 AA06 AB03 BB01 CB01 CD10 EA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)移動層と、(b)該移動層に隣接
    させて配設され、被処理ガスを移動層に供給するための
    被処理ガス供給室と、(c)前記移動層に隣接させて配
    設され、被処理ガスを移動層から排出するための被処理
    ガス排出室と、(d)前記移動層の上端に配設され、複
    数のホッパ室を備えた上部ホッパと、(e)前記移動層
    より上方に配設され、媒体入口を介して媒体が供給され
    る上部分配ホッパと、(f)該上部分配ホッパと各ホッ
    パ室との間に配設され、上部分配ホッパ内の媒体を各ホ
    ッパ室に供給するシュートと、(g)前記上部分配ホッ
    パと被処理ガス供給室及び被処理ガス排出室のうちの少
    なくとも一方との間に配設されたパージ管と、(h)該
    パージ管に配設された開閉手段とを有することを特徴と
    する乾式脱硫・脱硝装置。
  2. 【請求項2】 (a)異常が発生したかどうかを判断す
    る異常発生判断処理手段と、(b)異常が発生したと判
    断された場合に、前記開閉手段を開放する開放処理手段
    とを有する請求項1に記載の乾式脱硫・脱硝装置。
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