JP2002095085A - ステレオヘッドホン及びステレオヘッドホン再生システム - Google Patents

ステレオヘッドホン及びステレオヘッドホン再生システム

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JP2002095085A
JP2002095085A JP2000276848A JP2000276848A JP2002095085A JP 2002095085 A JP2002095085 A JP 2002095085A JP 2000276848 A JP2000276848 A JP 2000276848A JP 2000276848 A JP2000276848 A JP 2000276848A JP 2002095085 A JP2002095085 A JP 2002095085A
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Japan
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head
headphone
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Hikari Kondo
光 近藤
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前方音像定位を実現するステレオヘッドホン
を提供する。 【構成】 軸X方向の長さLの調整手段を備えた筒形の
筺体部1a、1bと、前記筺体部1a、1bの一方端面
側2に配設された振動体3と、筺体部1a、1bの他方
の端面側4に配設されたイア・パッド5と、を備えるヘ
ッドホン11を2個一組とすることを特徴とするステレ
オヘッドホン30であり、筺体部1の長さLの調整手段
によって聴取者M自身がオーディオ再生装置のDSPに
よるデジタル信号処理で耳介近傍での頭部伝達関数を付
加したステレオ再生音を聞きながら前方正面に音像定位
するように調整することができる構成のステレオヘッド
ホン再生システムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカで聴いて
いる場合と同様に音源が前方にあるように聞こえる(前
方音像定位)ステレオヘッドホン及びステレオヘッドホ
ン再生システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯型オーディオ再生装置の著し
い普及によって、ステレオヘッドホンによるステレオ再
生(所謂ステレオヘッドホン再生システム)も一般化し
ている。
【0003】ところで、人の音源位置の判定能力は頭部
の形状や耳介によって生じる両耳間のレベル差や到達時
間差を基にしている。ステレオヘッドホンを用いたオー
ディオ再生をバイノーラル再生と称するが、バイノーラ
ルではこれらの形状効果が得られないために特殊な音像
定位を示す。例えば左右どちらか一方に音像が片よって
定位するためのレベル差は左右スピーカの場合は約25
dBであるのに対して、ステレオヘッドホンでは10d
Bと少なく、左右の定位が強調され、通常のスピーカに
よるステレオ再生を前提とするステレオ音源をステレオ
ヘッドホンで再生した場合の音像は前方正面ではなく、
後頭部上方にそって頭内に定位するのが通常であり、こ
のため長時間の聴取においては独特の疲労感を伴う。
【0004】このような不自然さ、不具合を回避するた
めには、頭部模型の外耳道部にマイクロホンを埋め込ん
だダミーヘッド録音が有効であるとされている。このダ
ミーヘッド録音とバイノーラル再生の組み合わせによっ
て音像は頭外に定位するようになるが、それでも耳介な
どによる前後間がないために音場は後方に広がってしま
い、前方定位は実現されない。
【0005】そこで、スピーカ再生と同様な距離感を持
った前方音像定位のステレオ再生をステレオヘッドホン
によって行うための研究開発が各方面で盛んに行われて
いる。
【0006】これらの研究に共通する基本的な考え方
は、ステレオ音源からの音波が人の両耳(鼓膜)に到達
する経路の音響伝達特性を実測あるいはシミュレーショ
ンによって推定し、ステレオ音源信号に電気的に信号処
理を行って付加し、これをステレオヘッドホンで再生す
ることによって、頭外音像定位再生もしくは前方音像定
位再生を実現しようとするものである。
【0007】上記音響伝達特性は、音源からの音波が人
の両耳(鼓膜)に到達するまでに壁による反射や散乱に
よる影響を入れた音響伝達関数と、頭部や耳介による反
射、回折、共振等の影響を入れた頭部伝達関数とから形
成される。これらの音響伝達関数のうち音像定位の基本
部分を決定するのは頭部伝達関数である。したがって、
現実の音とヘッドホンによる再生音の知覚を一致させる
ためには、頭部伝達関数の精度が重要であり、鼓膜上の
音圧が聴覚系への入力として最も重要であると考えられ
て、頭の形や大きさだけでなく、耳介や外耳道の音響特
性まで忠実に似せたダミーヘッド等を利用して、鼓膜位
置での音圧を測定する(耳介や外耳道の影響まで含めた
頭部伝達関数の設定)ことや、外耳道入口での音圧を測
定する(耳介の影響まで含めた頭部伝達関数の設定)な
どで、聴取者個人の頭部伝達関数を推定するという方法
が考えられている。
【0008】例えば、図7に示す簡単な例では、右側ス
ピーカから出力されるRch音声と、左側スピーカから
出力されるLch音声が聴取者Mの左右の耳に到達する
までに付加される頭部伝達関数をそれぞれF(R1)、
F(L1)、F(R2)、F(L2)と表すと左右の耳
から聞こえる音声は、 右耳音声=Rch音声×F(R1)+Lch音声×F
(R2) 左耳音声=Rch音声×F(L1)+Lch音声×F
(L2) で表記される。これらのオーディオ特性を図8のブロッ
ク回路図に示すようにDSP(デジタル・シグナル・プ
ロセッサ)17によりデジタル信号処理して付加し、左
右の耳に装着したヘッドホン40、40により左右の音
声としてステレオ再生すれば、スピーカの位置から音が
出ているように聞こえる(頭外音像定位)という訳であ
る。上記頭部伝達関数F(R1)、F(L1)、F(R
2)、F(L2)は耳元にマイクを置いて音源と到達音
を比較することによって知ることが出来る。なお、図8
における符号39はヘッドホンアンプである。
【0009】このようにしてステレオ再生時には、上記
の測定時と同じ位置にステレオヘッドホンの振動板を配
置することにより、再生音と現実音の知覚を一致させよ
うとするのが従来の開発の狙いである。この従来の研究
開発の根底には、精度良くこれらの測定と再生ができれ
ば、理論的に必ず頭外音像定位再生、特に前方音像定位
ができるという期待があるのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1
に、聴取者Mの頭の形、大きさ、耳の位置、特に耳介と
外耳道の違いにより頭部伝達関数は異なるため、基本的
には聴取者個人個人の頭部伝達関数を具備する必要があ
り、ダミーヘッドに基づく最大公約数的な頭部伝達関数
を用いた場合には、精度を必要とするということの逆で
あるから、満足な定位は得られないことになる。実際上
も、従来のヘッドホンは頭外音像定位は実現されても前
方音像定位ではなく、頭の上方に音源が知覚される場合
が多いのが現状である。これは、不特定多数の人を対象
とする工業製品の実現にとって大きな課題となる。
【0011】換言すれば、「音源からの音波が人の両耳
(鼓膜)に到達する経路の音響伝達特性を実測あるいは
シミュレーションによって推定し、ステレオ音源信号に
電気的に信号処理を行って付加し、ステレオヘッドホン
で再生することによって、ある程度の頭外定位音像再生
が実現できるが、前方音像定位、特に前方中央音像定位
については困難である。」というのが、現在の状況と言
える。
【0012】第2に、上記従来のステレオヘッドホンシ
ステムで使用されるステレオヘッドホンは、耳孔にきっ
ちり詰める耳栓型(インナーイアタイプ)、耳介の回り
を覆う形の耳介覆い型(密閉タイプ)、耳介の回りを覆
わないが振動板が耳介に近接した形のもの(オープンエ
アタイプ等)などがあるが、どれも頭外音像定位再生に
は適さない構造的欠点を持つ。先ず、耳栓型では図6の
(a)のように鼓膜31、外耳道32とヘッドホン40
aの筺体36及び振動板35との間に新たな音響空間K
・・が生成されるため、聴取者は再生時にこの音響空間
Kの特性が付加された音を聞くことになり、頭外音像定
位再生に対しては大きな違和感を伴う。
【0013】次に、耳介覆い型または耳介の回りを覆わ
ないが振動板が耳介に近接した形のものでは、図6の
(b)のように外耳道32、耳孔34、耳介33と振動
板35(場合によってはヘッドホン40の筺体37も含
む)との間に新たな音響空間K・・が生成されるため、
聴取者は再生時にこの音響空間K・・の特性(反射、散
乱)が付加された音を聞くことになり、これも頭外音像
定位再生に対しては大きな違和感を伴う。
【0014】このように従来技術では、頭部伝達関数に
は注目されているが、ステレオヘッドホン自体の特性に
ついては何ら言及されていないのが現状である。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、音波の反射、散乱が付加されないようにするとと
もに、特にステレオヘッドホン装着者(聴取者M)の各
人に最適の前方音像定位になるように音響特性を調整で
きるようにしたステレオヘッドホンとステレオヘッドホ
ン再生システムを実現するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 (1)軸X方向の長さLが5〜50mmの筒形の筺体部
1と、前記筺体部1の一方端面側2に配設された振動体
3と、筺体部1の他方の端面側4に配設されたイア・パ
ッド5と、を備えるヘッドホン10を2個一組とするこ
とを特徴とするステレオヘッドホン20を提供する。 (2)軸X方向の長さLの調整手段を備えた筒形の筺体
部1a、1bと、前記筺体部1a、1bの一方端面側2
に配設された振動体3と、筺体部1a、1bの他方の端
面側4に配設されたイア・パッド5と、を備えるヘッド
ホン11を2個一組とすることを特徴とするステレオヘ
ッドホン30を提供する。 (3)振動体3′の振動面が装着者Mの耳介33近傍に
頭部垂直軸Zから開き角度θが30°〜60°上方に傾
斜した状態で装着される装着手段を備えたヘッドホン2
2を2個一組とすることを特徴とするステレオヘッドホ
ンを提供する。 (4)ステレオ録音された音源の音声信号に対しスピー
カによるステレオ再生と同様の距離感を持った音像の知
覚ができるように耳介近傍における頭部伝達関数を付加
するデジタル信号処理(DSPによる信号処理)を行う
処理手段を具備するオーディオ再生装置と、上記(1)
または(2)または(3)に記載のステレオヘッドホン
20、30等と、から構成されることを特徴とするステ
レオヘッドホン再生システムを提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係るステレオヘッドホン
及びステレオヘッドホンシステムについて図面を基に詳
述する。
【0018】図1は本発明の請求項1に係るヘッドホン
の構造を説明する図であり、図2は請求項2に係るヘッ
ドホンの構造を説明する図である。図3は本発明の請求
項1または請求項2に係るステレオヘッドホンの実施の
形態を説明する図である。図4は本発明の請求項3に係
るヘッドホンの原理を説明する図である。図5は請求項
3に係るヘッドホンの他の形態を説明する図である。
【0019】本願発明の要諦は、ステレオヘッドホンに
よる音響再生について、再生システムにおける信号処理
で用いる頭部伝達関数は頭部や耳の寸法形状の個人差の
影響が少ないように設定する点、換言すれば、聴取者の
誰にでも該当するような共通の音響特性を持たせるよう
に、マイク位置を外耳道や鼓膜の辺りでなく、耳介近傍
(耳孔の辺りまたは耳孔より0.5〜5cm外に離した
所)に設定する点。且つ頭部や耳の形状寸法等の個人差
の現れる領域についてはヘッドホン側で個人差を吸収し
て各人が最適に選べるようにする点。及び、反射・散乱
の影響を低減して振動板の音波がそのまま伝達するよう
にヘッドホンの振動板に傾きを与えたり、筒状の筺体部
を備える点に存する。
【0020】先ず、本発明に係る第1の実施形態のヘッ
ドホン10の構造を図1で説明すると、ヘッドホン10
は軸X方向の長さLが5〜50mm(より好ましくは1
0〜50mm)の筒形の筺体部1(Lは固定)と、前記
筺体部1の一方端面側2に配設された圧電振動体等の振
動体3と、前記筺体部1の他方の端面側4に配設された
イア・パッド5と、を備える構造であり、例えば図3に
示されるように前記ヘッドホン10を2個一組として、
両者をバネ性を持たせたヘッドバンド部12で連結し、
ヘッドホン10、10の上下位置調整のためのスライダ
14、装着性を高めるための自由回動機構のハンガー1
5、渡りコード13を具備する構造のステレオヘッドホ
ン20となっている。
【0021】上記ヘッドホン10の特徴的な構成要素で
ある筒形の筺体部1はその内径φが7〜20mm、好ま
しくは15mm程度であり、好ましくは軸X方向の長さ
Lが20mm程度の円筒形が良好である。そして、上記
筺体部1の長さLは予め良好な前方音像定位となるよう
に設計してあり、且つ長さLの異なるヘッドホンを数種
類用意して、聴取者が実際に聞き比べて最適の前方正面
の音像定位が得られるものを選択できるようにする。な
お、イア・パッド5は耳孔34の辺りに当てられる。
【0022】そして、前述の図8で説明したような耳介
近傍における頭部伝達関数F(R1)、F(L1)、F
(R2)、F(L2)を付加するデジタル信号処理を行
うDSP等による処理手段を具備するオーディオ再生装
置によって再生された音声信号を上記ステレオヘッドホ
ン20で再生する。その結果、振動体3の再生出力信号
は耳介33の近傍に音場を生成し、反射、散乱を受けず
にそのまま耳孔34から外耳道32を経て鼓膜31に達
するので良好な頭外音像定位が実現され、且つ個人差に
よる音像定位の影響は筺体部1の長さLの選択によって
吸収され、極めて良好な前方音像定位が実現することに
なる。つまり、問題となるような新たな音響空間が生じ
ないので、ヘッドホンから再生された音は、よけいな音
響空間の特性が付加されることなく筒形の筺体部1を通
して耳孔に到達する。この結果、聴取者Mは既に測定さ
れた頭部伝達関数F(R1)、F(L1)、F(R
2)、F(L2)を付加された再生音をそのまま聞くこ
ととなり、頭外の前方位置に再生音源があるように正し
く知覚する。
【0023】上記のようなステレオヘッドホン20でも
前方音像定位再生にかなりの前進が見られるが、より一
層、前方音像定位再生を聴取者毎に最適にするために
は、聴取者Mの耳介、外耳道の寸法形状等の個人差によ
って生じる音像定位への影響を適宜に自ら調整できるよ
うな調整機能を備えることが望ましい。このようなもの
として図2に示されるヘッドホン11では、筺体部1を
スライドする2段に分けた筒形の筺体部1a,1bから
なる構成として軸X方向の長さLの調整手段を設けてい
る。上記ヘッドホン11の特徴的な構成要素である筒形
の2段の筺体部1a、1bは内径φ=7〜20mmで好
ましくは15mm程度であり、長さLは20mmを中心
として±10mm程度のスライド調整できる円筒形が良
好である。
【0024】このヘッドホン11を2個一組とする図3
に示されるステレオヘッドホン30は、筺体部1の長さ
Lの調整手段によって聴取者M自身がステレオ再生音を
聞きながら前方正面に音像定位するように調整すること
ができる。換言すれば、聴取者M自ら自己の頭部伝達関
数の微調整を行っている訳である。
【0025】以上のヘッドホン10、11は振動体3が
比較的小さいタイプ(インナーイアタイプ)の場合であ
るが、耳介を覆うような密閉タイプ等の振動板の直径が
大きなタイプでは、筒形の筺体部1の口径が大きくな
り、耳孔34の辺りに当てる訳にはいかない。そこで、
図4に示されるような直径が40〜50mmといった大
きな振動体3の振動面を備えるステレオヘッドホンにお
いて、耳介33近傍に再生音源の振動体3′を配置する
とともにその再生音が耳介33や頭部で反射・散乱して
再度外耳道に入らずに上方に矢印Sのように抜けるよう
に装着者Mの頭部垂直軸Zからθ=30°〜60°上方
に傾斜した状態で装着される装着手段を備えたヘッドホ
ン21を2個一組とするステレオヘッドホン構成として
前方音像定位再生を実現する。この振動体3′の開き角
度θは基本的にはどの方向でも良く、固定でもよいし角
度調整可能にしてもよい。実験的には開き角度θについ
ては、基本は45度以上であるが、実用的には30度程
度から十分に効果がある。
【0026】次に、振動体3′の装着手段としては、従
来のステレオヘッドホンにおけるヘッドバンド部12、
スライダ14、自由回動機構のハンガー15等の機構
(図3参照)に加えて、振動体3′を耳介から離すため
に耳介以外の頭部側面、例えば頭部両側面の耳の上方
(こめかみの後方)にてヘッドバンド部12に設けた支
持部が当たる構成とする。このステレオヘッドホンでは
振動体3′の回りには問題となる新たな音響空間が生成
されないので、極めて良好な頭外音像定位が形成され、
且つ開き角度θを適宜調整することで、聴取者Mにとっ
て最適の前方音像定位が実現することになる。
【0027】ところで、上記振動体3′の振動面を傾け
たヘッドホン21を2個一組とするステレオヘッドホン
では、不都合な派生問題点として、振動体3′を傾ける
と開いた空間ができるために低音が再生されなくなる。
即ち、低音の振動に対しては空気が逃げる(音響負荷が
減る)ため、効率よく低音振動が耳に届かない。この対
策として、図5に示されるヘッドホン22、22では、
低音に対してこの開いた空間を閉じるカバー8を設けた
構成とする。このカバー8は、外側には機密性の材料で
低音が逃げるのを防止し、内側には中高音を反射しない
よう柔らかい材料を使用する。この構造によって、ヘッ
ドホン22を2個一組とするステレオヘッドホンでは、
低音部の再生音量が十分得られるようになる。また、低
音部は方向感がないので、空間内部で反射等あっても音
像定位に対して影響を与えないので、総合的に十分な再
生周波数特性と頭外前方音像定位が得られることにな
る。
【0028】以上説明したステレオヘッドホン20、3
0等を聴取者Mが装着し、ステレオ録音された音源の音
声信号に対し、スピーカによるステレオ再生と同様の距
離感を持った音像の知覚ができるように耳介近傍におけ
る頭部伝達関数を付加するデジタル信号処理を行うDS
Pによる処理手段を具備するオーディオ再生装置(頭部
伝達関数の測定とステレオ音源信号に対する処理、すな
わちステレオヘッドホンに加える音声信号を生成するま
での過程は、基本的に第8図の従来技術と同じであるか
ら、その説明は省略する。)との組み合わせから構成さ
れるステレオヘッドホン再生システムによって、単なる
頭外定位を超えた、従来、実現されていないステレオヘ
ッドホン20または30等による前方音像定位再生が可
能となる。
【0029】
【発明の効果】本発明に係るステレオヘッドホン及びス
テレオヘッドホンシステムは、上述の実施の形態から判
るように、以下に記載するような効果を有する。 (1)聴取者の耳介や外耳道の個人差によって大きく異
なる部分の伝達関数を含んだ信号処理は必要が無く、比
較的平均的な最大公約数的な頭部の外形による伝達関数
のみ考慮すればよいので、不特定多数の人を対象とした
工業製品として頭外音像定位再生、特に前方音像定位再
生するステレオヘッドホンが容易に実現できる。 (2)ヘッドホンを構成する部品は、従来型ヘッドホン
のものと同等でよく安価に実現できる。 (3)スピーカーによる受聴と同等の受聴感覚が得られ
るので、昼夜を問わず他人の迷惑になることなく十分な
音量で楽しむことができるうえ、一般的なヘッドホンで
の受聴による疲労感がない。 (4)スピーカによる再生の場合には、部屋の音響特性
に影響された再生音を聞くことになるが、本案の場合に
は、その影響がないので、どんな部屋でも、最良の状態
で再生音を享受できる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係るヘッドホンの構造を説
明する図である。
【図2】本発明の請求項2に係るヘッドホンの構造を説
明する図である。
【図3】本発明の請求項1または請求項2に係るステレ
オヘッドホンの実施の形態を説明する図である。
【図4】本発明の請求項3に係るヘッドホンの原理を説
明する図である。
【図5】本発明の請求項3に係るヘッドホンの他の形態
を説明する図である。
【図6】 従来のヘッドホン構造を説明する図である。
【図7】 頭部伝達関数の原理を説明する図である。
【図8】 DSPによるデジタル信号処理で頭部伝達関
数を付加してステレオ再生するブロック回路図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 筒形の筺体部 3、3′ 振動体 5 イア・パッド 8 カバー 10、11、21、22、40a、40b ヘッドホ
ン 12 ヘッドバンド部 13 渡りコード 14 スライダ 15 ハンガー 20、30 ステレオヘッドホン 31 鼓膜 32 外耳道 33 耳介 34 耳孔 35 振動板 36、37 筺体 39 ヘッドアンプ 17 DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ) F(R1)、F(L1)、F(R2)、F(L2)
頭部伝達関数 K 音響空間 L 筒形の筺体部の長さ M 聴取者 φ 筺体部の内径 θ 開き角度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向の長さが5〜50mmの筒形の筺体
    部と、前記筺体部の一方端面側に配設された振動体と、
    筺体部の他方の端面側に配設されたイア・パッドと、を
    備えるヘッドホンを2個一組とすることを特徴とするス
    テレオヘッドホン。
  2. 【請求項2】軸方向の長さ調整手段を備えた筒形の筺体
    部と、前記筺体部の一方端面側に配設された振動体と、
    筺体部の他方の端面側に配設されたイア・パッドと、を
    備えるヘッドホンを2個一組とすることを特徴とするス
    テレオヘッドホン。
  3. 【請求項3】振動体の振動面が装着者の耳介近傍に頭部
    垂直軸から30°〜60°上方に傾斜した状態で装着さ
    れる装着手段を備えたヘッドホンを2個一組とすること
    を特徴とするステレオヘッドホン。
  4. 【請求項4】ステレオ録音された音源の音声信号に対し
    スピーカによるステレオ再生と同様の距離感を持った音
    像の知覚ができるように耳介近傍における頭部伝達関数
    を付加するデジタル信号処理を行う処理手段を具備する
    オーディオ再生装置と、請求項1または請求項2または
    請求項3に記載のステレオヘッドホンと、から構成され
    ることを特徴とするステレオヘッドホン再生システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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