JP2002094417A - マッチドフィルタを備えた受信機 - Google Patents

マッチドフィルタを備えた受信機

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JP2002094417A
JP2002094417A JP2000284272A JP2000284272A JP2002094417A JP 2002094417 A JP2002094417 A JP 2002094417A JP 2000284272 A JP2000284272 A JP 2000284272A JP 2000284272 A JP2000284272 A JP 2000284272A JP 2002094417 A JP2002094417 A JP 2002094417A
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Natsuki Nose
夏樹 野瀬
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信品質を損なうことなく消費電力の低減を
図る。 【解決手段】 マッチドフィルタ11の動作を制御する
制御部7Aを設け、この制御部7Aからゲート信号を発
生することで、マッチドフィルタ11の加算部14の動
作をマルチパスの分布範囲に対応するゲート期間のみに
設定し、かつマッチドフィルタ11の動作周期を拡散コ
ード長の2倍に設定して、スリープ信号によりゲート期
間とその直前の拡散コード長分の期間のみシフトレジス
タ11を動作させるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、符号分割多重
(CDM:Code Division Multiplex)方式により送信
された信号を受信する受信機に係わり、特に受信信号に
対する同期を確立するために使用するマッチドフィルタ
を備えた受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CDM方式を採用したディジタル
放送システムやディジタル通信システムが注目されてい
る。CDM方式を採用したシステムは、スペクトラム拡
散技術を使用するもので、例えば次のように構成され
る。
【0003】すなわち、送信側の装置は、各チャネルご
とにディジタル化された音声データや画像データを先ず
位相変調方式等のディジタル変調方式により一次変調す
る。次に、この変調された送信データを、チャネルごと
に異なる拡散コードを用いてそれぞれスペクトラム拡散
することにより広帯域の送信信号に変換し、この広帯域
送信信号を合成して無線周波数の信号に変換したのち送
信する。一方受信機は、受信した無線周波信号に対し、
希望するチャネルに対応する拡散コードを用いてスぺク
トラム逆拡散を行なう。そして、この逆拡散により分離
された受信信号に対し、位相復調方式等のディジタル復
調方式により一次復調を行なって受信データを再生す
る。
【0004】CDM方式は、スペクトラム拡散技術を用
いることで、フェージング等の無線環境の変化に対し受
信品質を高く維持し易いという利点を有する。
【0005】ところで、この種のシステムにおいて使用
されるCDM受信機は、送信局がパイロット・チャネル
等により送信している同期ワードに対する同期を確立す
ると、以後マッチドフィルタを用いてマルチパスの発生
状況を表す無線環境プロファイルを周期的に検出し、こ
の検出結果を受信データの復調処理に使用するようにし
ている。
【0006】図7は、マッチドフィルタの構成の一例を
示すものである。マッチドフィルタは、複数段のレジス
タが直列接続されたシフトレジスタ11と、乗算部12
と、拡散コード発生部13と、加算部3とから構成され
る。このマッチドフィルタの前段にはアナログ/ディジ
タル変換器(図示せず)が設けてあり、離散的に受信さ
れたスペクトラム拡散信号はこのA/D変換器において
拡散コードの整数倍のオーバサンプリングレートでサン
プリングされたのち、上記オーバサンプリングレートに
同期してシフトレジスタ11にシフト入力される。な
お、図7では拡散コードのチップレートの4倍に設定し
たオーバサンプリングレートで受信信号をマッチドフィ
ルタにシフト入力する構成を例示している。
【0007】そして、シフトレジスタ11に拡散コード
長に相当する長さの受信信号が入力されると、以後受信
信号がシフトレジスタ11に1サンプルずつシフト入力
されるごとに、当該拡散コード長分の受信信号がタップ
を有するレジスタから引き出されて、乗算部12におい
て拡散コード発生部13から発生された拡散コードと乗
算される。そして、その乗算出力が加算部14で相互に
加算され、この加算後の信号がフィルタ信号として出力
される。
【0008】すなわちマッチドフィルタは、受信信号に
含まれる同期コードと拡散コードとの相関値を検出す
る。一般的な無線環境下では、ビルや山などの障害物で
反射して受信機に届くマルチパスがある。このため、マ
ッチドフィルタでは、拡散コード長に設定された各検出
期間ごとに、例えば図8に示すように複数の相関値が相
互時間差を有して検出される。したがって、この複数の
相関値の中から最大値をとる相関出力のタイミングを検
出し、この検出タイミングに同期して受信データの復調
処理を行うことで、受信品質がもっとも良好な復調デー
タを得ることが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところがマッチドフィ
ルタは、一般に図7に示したように拡散コードのチップ
レートのオーバサンプンリングレート倍に相当するシフ
ト段数(レジスタ)を有するシフトレジスタと、拡散コ
ード長に対応する数の乗算部12とを備え、しかも図8
に示すように拡散コード長に相当する周期で常時繰り返
し動作している。このため、一般に消費電力が大きく、
これが受信機全体の消費電力の相当の割合を占めてい
た。
【0010】また、消費電力を低減するために、受信信
号のオーバサンプリングレートを低下させたり、拡散コ
ード長を短縮すると云った対策も提案されている。しか
し、これらの方式ではマルチパスの分解能の低下を招
き、無線環境によっては受信品質の劣化が避けられなか
った。
【0011】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、受信品質を損なうこと
なく消費電力の低減を図り得るマッチドフィルタを備え
た受信機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、離散的に受信されるスペクトラム拡散
信号をマッチドフィルタに入力し、このマッチドフィル
タで上記離散的なスペクトラム拡散信号と拡散コードと
の相関値をそれぞれ検出して、その検出出力をもとに上
記受信信号の復調処理を行う受信機において、上記マッ
チドフィルタの動作を制御する制御部を設ける。そし
て、この制御部に、上記拡散コード長以上に設定される
周期で上記マッチドフィルタを繰り返し動作させる動作
制御手段と、その動作停止制御手段とを備え、上記マッ
チドフィルタの検出出力をもとに上記離散的なスペクト
ラム拡散信号の受信分布範囲に対応するゲート期間を設
定し、上記動作制御手段により繰り返される各動作期間
中の上記ゲート期間に相当する期間を除いた期間に、上
記マッチドフィルタの動作を部分的に停止させるように
したものである。
【0013】したがってこの発明によれば、マッチドフ
ィルタは離散的なスペクトラム拡散信号の受信分布範囲
に相当する期間のみフルに動作し、その他の期間では一
部の回路を除いて動作が停止される。このため、マッチ
ドフィルタを常時フルに動作させるようにしていた従来
に比べ、マッチドフィルタの消費電力を低減し、これに
より受信機の消費電力を低減することができる。
【0014】また第2の発明は、マッチドフィルタの動
作を制御する制御部に、上記拡散コード長以上に設定さ
れる周期でマッチドフィルタを繰り返し動作させる動作
制御手段と、この動作制御手段により設定される周期を
可変設定する周期可変制御手段と、動作停止制御手段と
を備える。そして、この動作停止制御手段において、上
記周期可変制御手段により可変設定された周期が、上記
マッチドフィルタで離散的なスペクトラム拡散信号と拡
散コードとの相関値を検出するに必要な期間より長い場
合には、上記周期に相当する動作期間のうち当該必要期
間を除いた期間にマッチドフィルタの動作を停止させる
ようにしたものである。
【0015】したがってこの発明によれば、周期的に相
関値の検出動作が実行される各動作期間において、マッ
チドフィルタは相関値を検出するに必要な期間のみ動作
し、その他の期間は動作停止状態に設定される。このた
め、動作期間中常時動作させるようにしていた従来の受
信機に比べマッチドフィルタの消費電力を低減すること
ができ、これにより受信機の消費電力を低減することが
できる。
【0016】上記周期可変制御手段としては次の2通り
の構成が考えられる。第1の構成は、受信機が、受信品
質を優先した高品質受信モードと省電力を優先した省電
力受信モードとをユーザが選択的に指定入力する受信モ
ード指定手段を有している場合に、この受信モード指定
手段により指定入力された受信モードに応じて周期を可
変設定するものである。
【0017】第2の構成は、受信機が、離散的なスペク
トラム拡散信号の受信状態の時間変動を検出する受信状
態検出手段を有している場合に、この受信状態検出手段
による受信状態の検出結果に応じて周期を適応的に可変
設定するものである。
【0018】第1の構成には、ユーザが希望する受信形
態に応じて最適な周期を設定できる利点がある。例え
ば、ユーザが高い受信特性が要求されるチャネル(コン
テンツ)を受信するために高品質受信モードを選択指定
すれば、マッチドフィルタの動作周期は短い値(拡散コ
ード長)に設定され、これにより常に高品質の受信が可
能となる。これに対し、高い受信特性を必要としないチ
ャネル(コンテンツ)を受信する場合や、郊外又は田園
地帯のようにマルチパスの発生状況がそれほど変化しな
い場所で長期間使用する場合には、省電力モードを選択
指定する。この場合マッチドフィルタは、先に述べたよ
うに必要期間のみ動作してそれ以外の期間には動作停止
するので、受信機の消費電力を低減してバッテリ寿命を
延長することができる。
【0019】一方、第2の構成によれば、離散的なスペ
クトラム拡散信号の受信状態の時間変動が検出され、そ
の検出結果に応じてマッチドフィルタの動作周期が適応
的に可変設定される。例えば、マルチパスの時間変動が
大きいときには、拡散コード長の周期で頻繁に最新の相
関値が検出され、これをもとに復調が行われるのでマル
チパスの時間変動の影響を軽減して受信品質を高く保つ
ことができる。これに対し、マルチパスの受信状況の時
間変動が小さいときには相関値検出結果の時間的な変動
も小さい。このような場合には、必ずしも拡散コード長
の周期で相関値出力を算出しなくても、前回の相関値検
出結果を用いて復調を行うことで受信品質をそれほど劣
化させることなく復調を行うことが可能である。また、
ユーザがその都度意識して受信モードを設定し直す必要
もない。
【0020】また第3の発明は、相関値の検出に供する
可変コード長を可変設定する拡散コード長設定手段をさ
らに具備し、マッチドフィルタに、上記拡散コード長設
定手段により長さが設定された拡散コードに対応して、
離散的に受信されたスペクトラム拡散信号を間引いて入
力する間引き入力手段とを備え、この間引き入力手段に
より入力された間引き後のスペクトラム拡散信号と、上
記可変コード長設定手段により長さが設定された拡散コ
ードとの相関値を検出し出力するようにしたものであ
る。
【0021】上記拡散コード長設定手段としては次の2
つの構成が考えられる。すなわち、第1の構成は、受信
機が、受信品質を優先した高品質受信モードと省電力を
優先した省電力受信モードとをユーザが選択的に指定入
力するためのモード指定手段を備えている場合に、この
モード指定手段により指定入力されたモードに応じて相
関値の検出に供する拡散コードの長さを可変設定するも
のである。
【0022】一方第2の構成は、受信機が、マッチドフ
ィルタの相関検出結果、復調処理結果及び受信機の移動
速度検出結果のうちの少なくとも一つに基づいて、受信
機の受信品質を判定する受信品質判定手段をさらに備え
ている場合に、上記拡散コード長設定手段において、上
記受信品質判定手段により判定された受信品質に応じ
て、上記相関値の検出に供する拡散コード長を可変設定
するものである。
【0023】したがって第3の発明によれば、例えばユ
ーザにより省電力受信モードが入力指定された場合や受
信品質が良好なときには、相関検出に供される拡散コー
ド長が短い値に設定される。このため、マッチドフィル
タは上記拡散コード長に対応する部分のみが動作すれば
よいことになり、これによりマッチドフィルタ及び受信
機の消費電力は低減される。
【0024】これに対し、ユーザが高品質受信モードを
指定入力した場合や受信品質が劣化しているときには、
相関検出に供される拡散コード長は長い値、例えば拡散
コードの最大長に設定される。このため、マッチドフィ
ルタは上記全拡散コード長に対応するすべての部分がフ
ルに動作して相関検出を行うことになり、これにより高
精度の相関検出値を得ることができる。
【0025】さらに第4の発明は、離散的に受信される
スペクトラム拡散信号を、拡散コードのチップレートの
整数倍のサンプリングレートでオーバサンプリングした
のち、このサンプリングレートに同期してマッチドフィ
ルタにシフト入力し、シフトするごとにマッチドフィル
タで上記離散的なスペクトラム拡散信号と拡散コードと
の相関値をそれぞれ検出して、その検出出力をもとに受
信信号の復調処理を行う受信機において、上記オーバサ
ンプリングレートを可変設定するサンプリングレート可
変手段と、シフト動作制御手段とを備え、このシフト動
作制御手段において、上記サンプリングレート可変手段
により設定されたオーバサンプリングレートに応じて上
記マッチドフィルタにおけるスペクトラム拡散信号のシ
フト動作をスキップ制御するようにしたものである。
【0026】上記サンプリングレート可変手段としても
次の2つの構成が考えられる。すなわち、第1の構成
は、受信機が、受信品質を優先した高品質受信モードと
省電力を優先した省電力受信モードとをユーザが選択的
に指定入力する受信モード指定手段をさらに備えている
場合に、上記サンプリングレート可変手段において、上
記受信モード指定手段により指定入力された受信モード
に応じて上記オーバサンプリングレートを可変設定する
もものである。
【0027】第2の構成は、受信機が、マッチドフィル
タの相関検出結果、復調処理結果及び受信機の移動速度
検出結果のうちの少なくとも一つに基づいて受信機の受
信品質を判定する受信品質判定手段をさらに備えている
場合に、上記サンプリングレート可変手段において、上
記受信品質判定手段により判定された受信品質に応じて
上記オーバサンプリングレートを可変設定するものであ
る。
【0028】したがって第4の発明によれば、例えばユ
ーザにより省電力受信モードが入力指定された場合や受
信品質が良好なときには、オーバサンプリングレートが
低い値、例えば拡散コードのチップレートに設定され、
これに応じてマッチドフィルタでは上記低レートのオー
バサンプリングレートに対応する速度でスキップシフト
動作が行われることになる。このため、マッチドフィル
タ及び受信機の消費電力は低減される。
【0029】これに対し、ユーザが高品質受信モードを
指定入力した場合や受信品質が劣化しているときには、
オーバサンプリングレートが高い値、例えば拡散コード
のチップレートの4倍に設定され、これによりマッチド
フィルタでは上記高レートのオーバサンプリングレート
に同期して相関検出動作が行われることになる。このた
め、高精度の相関検出値を得ることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、この
発明の第1の実施形態に係わるマッチドフィルタを備え
た受信機の構成を示す回路ブロック図である。同図にお
いて、図示しない送信局から送信されたスペクトラム拡
散無線信号は、アンテナ1で受信されたのち無線部(R
F部)2に入力され、ここで高周波増幅されかつ帯域外
成分が排除されたのち中間周波数又はベースバンド周波
数に周波数変換される。そして、この周波数変換後の受
信信号は、アナログ/ディジタル変換部(AD部)3に
おいて、例えば拡散コードのチップレートの4倍に設定
したオーバサンプリングレートによりサンプリングされ
たのち、マッチドフィルタ4A及び復調部6にそれぞれ
入力される。
【0031】マッチドフィルタ4Aは、前記図7に示し
たようにシフトレジスタ11と、乗算部12と、拡散コ
ード発生部13と、加算部14とから構成される。シフ
トレジスタ11は、拡散コード長の上記オーバサンプリ
ング倍(4倍)に相当する段数のレジスタを直列接続し
たもので、AD変換部3から出力された受信信号をその
オーバサンプリングタイミングに同期して直列にシフト
入力する。そして、1シフトするごとに、4段に1個の
割合で設けられたタップ付の各レジスタから受信信号を
並列出力する。
【0032】乗算部12は、拡散コード長に対応する数
だけ設けられている。そして、上記シフトレジスタ11
から拡散コード長分の受信信号から出力されるごとに、
この拡散コード長分の受信信号を拡散コード発生部13
から発生された拡散コードと乗算する。加算部14は、
上記乗算部12から拡散コード長分の乗算値が出力され
るごとにこれらの乗算値を相互に加算し、その加算値を
出力する。この加算値は上記受信信号と拡散コードとの
相関検出値を表すもので、記憶部5に一旦記憶されたの
ち復調部6に与えられる。
【0033】ところで、本実施形態の受信機は、マッチ
ドフィルタ4Aの動作を制御するために制御部7Aを備
えている。この制御部7Aは、ゲート信号とスリープ信
号と云う2つの制御信号を発生する。
【0034】このうちゲート信号は、マッチドフィルタ
4Aの加算部14の動作をオンオフ制御するために使用
するもので、マッチドフィルタ4Aの各動作期間ごと
に、予め設定されたゲート期間にのみ“H”レベルとな
りその他の期間は“L”レベルとなるように設定され
る。ゲート期間は、マルチパスのディレスブレッドをも
とに予め決定されるもので、例えば拡散コード長の1/
4に設定される。
【0035】スリープ信号は、マッチドフィルタ4Aの
シフトレジスタ11の動作をオンオフするために使用す
るもので、入力部8により指定入力された受信モードに
応じて、マッチドフィルタ4Aの動作周期が拡散コード
長の2倍以上に設定された場合に、この動作期間のうち
マッチドフィルタ4Aが相関値を検出するために必要な
時間のみ“H”レベルとなり、その他の期間は“L”レ
ベルとなるように設定される。
【0036】次に、以上のように構成された受信機の動
作を説明する。受信に先立ち、例えばユーザが入力部8
において高品質受信モードを指定したとする。そうする
と、制御部7Aはマッチドフィルタ4Aの動作周期とし
て拡散コード長を設定する。
【0037】さて、この状態でパイロット信号に対する
拡散コード同期が確立され、放送信号又は下り通信信号
の受信動作が開始されると、マッチドフィルタ4Aは図
2に示すように拡散コード長の周期で相関値の検出動作
を繰り返し実行する。
【0038】ところで、このときゲート期間が例えば拡
散コード長の1/4に設定されているものとすると、制
御部7Aからは各繰り返し動作期間ごとに、図2に示す
ように上記ゲート期間のみ“H”レベルとなり他の期間
は“L”レベルとなるゲート信号が出力される。このた
め、マッチドフィルタ4Aの加算部14は、上記ゲート
信号が“H”レベルとなっている期間のみ動作し、
“L”レベルの期間は動作を停止する。このため、加算
部14において消費される電力は、繰り返し動作期間中
に常時加算部14を動作させる場合に比べ1/4とな
り、これによりマッチドフィルタ4Aの消費電力は低減
される。
【0039】一方、いまマッチドフィルタ4Aは先に述
べたように拡散コード長の周期で動作している。このた
め、制御部7Aはスリープ信号を全期間“H”に設定す
る。その理由は、マッチドフィルタ4Aにおいてある時
点での有効な相関値出力を得ようとすると、その直前の
拡散コード長に相当する期間の受信信号がシフトレジス
タ11にシフト入力されている必要があり、そのために
は各繰り返し動作期間ごとに、シフトレジスタ11を上
記ゲート期間に先立ち拡散コード長以上動作させてお
く、つまり少なくとも拡散コード長の期間とゲート期間
との合計期間だけ動作状態に設定する必要があるからで
ある。
【0040】したがって、受信モードとして高品質受信
モードが指定されている場合には、シフトレジスタ11
は常時動作することになり、このためシフトレジスタ1
1における省電力は図れない。
【0041】次に、ユーザが入力部8において省電力モ
ードを入力指定したとする。そうすると、制御部7Aは
マッチドフィルタ4Aの動作周期を拡散コード長の整数
倍、例えば2倍に設定する。
【0042】この場合制御部7Aからは、上記拡散コー
ド長の2倍に相当する動作期間ごとに、図3に示すよう
にゲート期間のみ“H”レベルとなり他の期間は“L”
レベルとなるゲート信号が出力される。このため、マッ
チドフィルタ4Aの加算部14は、上記ゲート信号が
“H”レベルとなっている期間のみ動作し、この期間に
相関値を出力する。すなわち、マッチドフィルタ4Aか
らは拡散コード長の2倍の周期で相関値出力が得られる
ことになる。したがって、加算器14の動作期間は、拡
散コード長の2倍の期間のうちの拡散コード長の1/4
の期間のみとなり、これにより加算器14により消費さ
れる電力はさらに低減される。
【0043】一方、この場合マッチドフィルタ4Aの動
作周期は拡散コード長の2倍であり、この期間の長さは
マッチドフィルタ4Aが有効な相関値を出力するに必要
な最低期間、つまり拡散コード長の期間とゲート期間と
の合計期間よりも長い。そこで制御部7Aは、図3に示
すようにゲート期間とその直前の拡散コード長分の期間
のみ“H”レベルとし、その他の期間は“L”レベルと
したスリープ信号を出力する。このため、マッチドフィ
ルタ4Aのシフトレジスタ11は、上記スリープ信号に
従い間欠的にオンオフ動作することになり、この結果常
時動作させる場合に比べ、シフトレジスタ11によって
消費される電力は低減される。
【0044】なお、マッチドフィルタ4Aから出力され
た相関値は次のゲート期間において新たな相関値が得ら
れるまで記憶部5に記憶され、補間のために復調部6に
与えられる。このため、復調部6では上記補間用として
与えられた相関値を用いて、拡散コード長の周期での復
調処理を行うことができる。
【0045】この場合、上記復調処理において使用した
補間用の相関値は、実際の相関値と一致するとは限らな
い。しかし、郊外や田園地帯等のようにマルチパスの受
信状況が時間的に大きく変動しない場合や、受信機の移
動速度が十分小さい場合には、相関値の時間的な変動も
小さいと考えられる。したがって、上記のように1拡散
コード長前に得られた相関値出力を使用して復調処理を
行っても、受信品質が大幅に劣化する心配はない。
【0046】以上述べたように第1の実施形態では、マ
ッチドフィルタ11の動作を制御する制御部7Aを設
け、この制御部7Aからゲート信号を発生することで、
マッチドフィルタ11の加算部14の動作をマルチパス
の分布範囲に対応するゲート期間のみに設定し、かつマ
ッチドフィルタ11の動作周期を拡散コード長の2倍に
設定して、スリープ信号によりゲート期間とその直前の
拡散コード長分の期間のみシフトレジスタ11を動作さ
せるようにしている。
【0047】従ってこの実施形態によれば、マッチドフ
ィルタ4Aによる消費電力を、常時動作させる場合に比
べ、大幅に低減して受信機の省電力化延いてはバッテリ
寿命の延長を図ることが可能となる。
【0048】(第2の実施形態)この発明の第2の実施
形態は、マッチドフィルタにおいて、ユーザが設定した
受信モードに応じて、受信信号を入力するシフトレジス
タの長さ(領域)を切り替えるようにし、この領域にシ
フト入力された受信信号と拡散コードの対応する部分と
の部分相関を検出して出力するようにしたものである。
【0049】図4は、この第2の実施形態に係わるマッ
チドフィルタの構成を示す回路ブロック図である。な
お、同図において前記図7と同一部分には同一符号を付
して詳しい説明は省略する。また、受信機の構成は前記
図1と基本的に同一なので、図1を用いて説明を行う。
【0050】シフトレジスタ11Aを構成する複数のレ
ジスタ111のうち、最後尾のレジスタの入力側にはセ
レクタ(SEL)112が設けてある。このセレクタ1
12は、図示しない制御部から発生される選択制御信号
により動作するもので、シフトレジスタ11Aに対する
受信信号(入力データ)の入力位置を、最後尾のレジス
タとするか、シフトレジスタ11Aの中間に位置するレ
ジスタにするかを切り替える。
【0051】このような構成であるから、例えば繁華街
や高速移動中の車内で使用するか、又は緊急情報等の重
要情報を放送しているチャネルを受信する目的で、ユー
ザが入力部8において高品質受信モードを指定入力した
とする。そうすると制御部7Aは、マッチドフィルタ4
Aのセレクタ112に対し選択制御信号を与えて、シフ
トレジスタ11Aに対する受信信号の入力位置を最後尾
のレジスタとなるように設定する。
【0052】このため受信動作が開始されると、AD部
3から出力された受信信号はセレクタ112を介して最
後尾のレジスタにシフト入力される。そして、1拡散コ
ード長分の受信信号がシフトレジスタ11Aにシフト入
力されると、以後各シフトタイミングごとにこのシフト
レジスタ11Aのタップ付レジスタから並列出力される
1拡散コード長分の受信信号と拡散コードの全長とが乗
算部12で乗算される。そして、その各乗算値が加算器
14で相互に加算され、相関検出値として出力される。
【0053】すなわち、この場合マッチドフィルタ4A
では、拡散コードの全長を使用した相関値検出処理が行
われる。従って、マルチパスが多く多重されている場合
でも、十分な分離能力を発揮することができ、これによ
りマルチパスを高精度に検出して高品質の受信が可能と
なる。
【0054】一方、郊外や田園地帯で使用するか又は一
般チャネルを受信する目的で、ユーザが入力部8におい
て省電力受信モードを指定入力したとする。そうすると
制御部7Aは、マッチドフィルタ4Aのセレクタ112
に対し選択制御信号を出力して、シフトレジスタ11A
に対する受信信号の入力位置を中間位置のレジスタとな
るように設定する。
【0055】このため受信動作が開始されると、AD部
3から出力された受信信号はセレクタ112を介して中
間位置のレジスタにシフト入力される。そして、拡散コ
ード長の1/2相当の受信信号がシフトレジスタ11A
の前半部分にシフト入力されると、以後各シフトタイミ
ングごとにこのシフトレジスタ11Aの前半部のタップ
付レジスタから並列出力される拡散コード長の1/2相
当の受信信号と、拡散コードの前半部分とが乗算部12
で乗算される。そして、その各乗算値が加算器14で相
互に加算され、相関検出値として出力される。
【0056】すなわち、この場合マッチドフィルタ4A
では、拡散コードの前半部分を使用した部分相関検出処
理が行われる。従って、シフトレジスタ11Aの後半部
分はシフト動作を停止することができ、これによりシフ
トレジスタ11Aによる消費電力は半減されて、マッチ
ドフィルタの消費電力を低減することができる。
【0057】なお、相関値の検出に使用する拡散コード
を前半部のみにすると、先に述べた拡散コードの全長を
使用して相関値検出行う場合に比べて、マルチパスの分
離能力が低下する。しかし、郊外や田園地帯で使用する
場合や移動速度が小さい状態であれば、マルチパスの発
生がそれほど多くないため実用上支障を来さない。
【0058】以上のように第2の実施形態では、ユーザ
が指定した受信モードに応じて、相関値検出に使用する
拡散コード長(領域)を切り替えるようにし、これに応
じてシフトレジスタ11Aの使用部分を選択的に切り替
えるようにしている。
【0059】したがって、省電力受信モードを指定すれ
ば、シフトレジスタ11Aによる消費電力を低減して、
マッチドフィルタ延いては受信機の低消費電力化を図る
ことができる。一方、高品質受信モードを指定すれば、
拡散コードの全長を使用して相関値の検出を行うことが
でき、これによりマルチパスが多く多重されている場合
でも、十分な分離能力を発揮してマルチパスを高精度に
検出することができ、その検出結果をもとに高品質の受
信を行い得る。
【0060】なお、以上の説明では、拡散コードの全長
を使用する場合と半分を使用する場合とを切り替えるよ
うにしたが、拡散コード長を3以上に分割してこれらを
選択的に切り替えて使用するようにしてもよい。また、
拡散コードのうちの任意の部分のみを使用して相関値検
出を行うようにしてもよい。
【0061】(第3の実施形態)この発明の第3の実施
形態は、ユーザが設定した受信モードに応じて、マッチ
ドフィルタの前段に設けられているAD部のサンプリン
グレートを、拡散コードのチップレートにするかその4
倍のレートにするかを切り替えるようにし、この切替え
に応じてマッチドフィルタのシフトレジスタにおける受
信信号のシフト位置をスキップさせるようにしたもので
ある。
【0062】図5は、この発明の第3の実施形態におけ
るマッチドフィルタの構成を示す回路ブロック図であ
る。なお、同図において前記図7と同一部分には同一符
号を付して詳しい説明は省略する。また、受信機の構成
は前記図1と基本的に同一なので、図1を用いて説明を
行う。
【0063】シフトレジスタ11Bには、レジスタ4個
おきにセレクタ(SEL)113が介挿してある。これ
らのセレクタ113は、図示しない制御部から発生され
る選択制御信号により動作するもので、それぞれ入力デ
ータを次段に位置するレジスタに入力するか、レジスタ
を1段スキップして2段先に位置するタップ付のレジス
タに入力するかを切り替える。
【0064】このような構成であるから、例えば繁華街
や高速移動中の車内で使用するか、又は緊急情報等の重
要情報を放送しているチャネルを受信する目的で、ユー
ザが入力部8において高品質受信モードを指定入力した
とする。そうすると制御部7Aは、AD部3に対しレー
ト制御信号を与えて、AD部3のサンプリングレートを
拡散コードのチップレートの4倍に設定する。またそれ
と共に、シフトレジスタ11B中の各セレクタ113に
対し選択制御信号を与えて、それぞれ入力データを次段
に位置するレジスタに入力させるように設定する。した
がって、この場合シフトレジスタ11Bは全レジスタが
動作する状態となる。
【0065】この状態で受信動作が開始されると、AD
部3から出力された受信信号はシフトレジスタ11Bの
全レジスタを対象に順次シフト入力される。そして、1
拡散コード長分の受信信号がシフトレジスタ11Bにシ
フト入力されると、以後各シフトタイミングごとにこの
シフトレジスタ11Bのタップ付レジスタから並列出力
される1拡散コード長分の受信信号と拡散コードの全長
とが乗算部12で乗算される。そして、その各乗算値が
加算器14で相互に加算され、相関検出値として出力さ
れる。
【0066】すなわち、この場合マッチドフィルタ4A
では、AD部3により拡散コードの4倍のオーバサンプ
リングレートでサンプリングされた受信信号がもれなく
シフトレジスタ11Bにシフト入力され、相関値の検出
処理が行われる。従って、マルチパスが多く多重されて
いる場合でも、十分な分離能力を発揮することができ、
これによりマルチパスを高精度に検出して高品質の受信
が可能となる。
【0067】一方、郊外や田園地帯で使用するか又は一
般チャネルを受信する目的で、ユーザが入力部8におい
て省電力受信モードを指定入力したとする。そうすると
制御部7Aは、マッチドフィルタ11Bのセレクタ11
3に対し選択制御信号を与えて、AD部3のサンプリン
グレートを拡散コードのチップレートの2倍に設定す
る。またそれと共に、シフトレジスタ11B中の各セレ
クタ113に対し選択制御信号を与えて、それぞれ入力
データをレジスタを1段スキップして2段先に位置する
タップ付のレジスタに入力させるように設定する。した
がって、この場合シフトレジスタ11Bは全レジスタの
うちのタップ付のレジスタのみが、つまり全レジスタの
うちの1/2のみが動作する状態となる。
【0068】このため受信動作が開始されると、AD部
3により拡散コードのチップレートでサンプリングされ
た受信信号は、シフトレジスタ11Bに入力されると、
セレクタ113によりレジスタを1段ずつスキップして
2段先のタップ付レジスタに入力される。そして、拡散
コード長相当の受信信号がシフトレジスタ11Bに入力
されると、以後各シフトタイミングごとに、このシフト
レジスタ11Bのタップ付レジスタから並列出力される
受信信号と、拡散コード発生部13から発生される拡散
コードとが乗算部12で乗算される。そして、その各乗
算値が加算器14で相互に加算され、相関検出値として
出力される。
【0069】すなわち、この場合マッチドフィルタ4A
では、拡散コードの2倍のサンプリングレートでサンプ
リングされた受信信号をもとに、相関検出処理が行われ
る。これによりシフトレジスタ11Bによる消費電力は
1/2に低減されて、マッチドフィルタの消費電力は大
幅に減少する。
【0070】なお、相関値の検出に供する受信信号のオ
ーバサンプリングレートを拡散コードのチップレートの
2倍に設定すると、先に述べたようにオーバサンプリン
グレートを拡散コードのチップレートの4倍に設定した
場合に比べて、マルチパスの分離能力が低下する。しか
し、郊外や田園地帯で使用する場合や移動速度が小さい
状態であれば、マルチパスの発生がそれほど多くないた
め実用上支障を来さす心配はない。
【0071】なお、以上説明した例では、オーバサンプ
リングレートを拡散コードのチップレートの2倍と4倍
との間で切り替えるようにしたが、オーバサンプリング
レートの種類として拡散コードのチップレートの2倍、
4倍、8倍等を設定し、受信モードに応じてこれらを選
択的に切り替えるようにしてもよい。
【0072】(第4の実施形態)この発明の第4の実施
形態は、受信機にパス解析部及び同期検出部を設ける
か、或いは既存のパス解析部及び同期検出部を使用し
て、受信中にマルチパスの受信状況及び復調データの受
信品質を検出する。そして、これらの検出結果と、ユー
ザが入力指定した受信モードとに基づいて、第1の実施
形態で述べたマッチドフィルタの動作周期、第2の実施
形態で述べたシフトレジスタの動作長(動作領域)、或
いは第3の実施形態で述べたAD部のサンプリングレー
トとシフトレジスタのスキップ量を適応的に可変制御す
るようにしたものである。
【0073】図6は、この発明の第4の実施形態に係わ
るマッチドフィルタを備えた受信機の機能構成を示すブ
ロック図である。なお、同図において前記図1と同一部
分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0074】本実施形態に係わる受信機は、パス解析部
9及び同期検出部10を備えている。パス解析部9は、
マッチドフィルタ4Bから出力された相関検出値をもと
にマルチパスの受信状況を判定し、その判定結果を制御
部7Bに与える。受信状況の判定は、例えば所定レベル
以上の相関値の数をしきい値と比較することでなされ
る。
【0075】同期検出部10は、復調部6から出力され
た復調データをもとに受信品質を判定し、その判定結果
を制御部7Bに与える。具体的には、送信局において送
信データ中に既知のパターン(ユニークワード等)を挿
入して送信し、同期検出部10でこのユニークワードの
誤りビット数を検出してこの検出値をしきい値と比較す
ることで受信品質を判定する。
【0076】制御部7Bは、入力部8においてユーザが
受信モードを指定している場合には、この受信モードに
応じてマッチドフィルタの動作周期、シフトレジスタの
動作長(動作領域)、或いはAD部のサンプリングレー
トとシフトレジスタのスキップ量を切替制御する。一
方、入力部8においてユーザが自動モードを設定した場
合には、前記パス解析部9によるマルチパス受信状況の
判定結果、及び復調データの受信品質判定結果をもと
に、上記マッチドフィルタの動作周期、シフトレジスタ
の動作長(動作領域)、或いはAD部のサンプリングレ
ートとシフトレジスタのスキップ量を適応的に可変制御
する。
【0077】このような構成であるから、ユーザが希望
する受信モードを指定入力したときには、制御部7Bに
より、この指定された受信モードに応じてマッチドフィ
ルタの動作周期、シフトレジスタの動作長(動作領
域)、或いはAD部のサンプリングレートとシフトレジ
スタのスキップ量を切替制御される。すなわち、先に述
べた第1、第2及び第3の実施形態と同様の切替制御が
行われる。
【0078】一方、ユーザが入力部8により自動モード
を指定入力したとする。この場合制御部7Bは、受信中
にパス解析部9において求められたマルチパス受信状況
の判定結果と、同期検出部10において復調データから
求められた受信品質の判定結果とに基づいて、上記マッ
チドフィルタの動作周期、シフトレジスタの動作長(動
作領域)、或いはAD部のサンプリングレートとシフト
レジスタのスキップ量を適応的に可変制御する。
【0079】例えば、受信機を搭載した車両が停止して
いる状態では、マルチパスの受信状況の時間変動は小さ
い。このため、制御部7Bはこのときのマルチパスの解
析判定結果をもとにマッチドフィルタ4Bの動作周期を
例えば拡散コード長の2倍に設定する。従って、このと
きマッチドフィルタ4Bのシフトレジスタは、図3に例
示したように間欠的に動作することになり、これにより
シフトレジスタの消費電力は低減される。
【0080】そして、この状態で車両が高速移動を開始
すると、マルチパスの時間変動が所定値より大きくな
り、これに応じて制御部7Bはマッチドフィルタ4Bの
動作周期を拡散コード長に設定する。従って、このとき
マッチドフィルタ4Bでは、図2に示したように拡散コ
ード長からなる各動作期間ごとにそれぞれ相関値検出が
行われることになる。このため、移動速度の増加に伴い
マルチパスの時間変動が大きくなっても、復調部6では
上記拡散コード長の周期で頻繁に検出される相関値をも
とに高品質の復調処理を行うことができる。
【0081】また、受信機が郊外や田園地帯で使用され
ているときには、マルチパスは少ない。従ってこの場合
制御部7Bは、パス解析部9によるマルチパスの解析判
定結果及び同期検出部10による受信品質の判定結果を
もとに、シフトレジスタの動作長(動作領域)を例えば
図4に示したように前半部分に限定する。このようにす
ると、マッチドフィルタ4Bでは拡散コードの前半部分
を使用した部分相関値検出処理が行われる。従って、こ
のときシフトレジスタの後半部分はシフト動作を停止す
ることができ、これによりシフトレジスタによる消費電
力は半減されて、マッチドフィルタの消費電力を低減す
ることができる。
【0082】一方、受信機がオフィス街や繁華街等のよ
うなマルチパスが多く発生する場所に移動したとする。
この場合マルチパスの受信状況及び受信品質は劣化す
る。従って制御部Bは、パス解析部9によるマルチパス
の解析判定結果及び同期検出部10による受信品質判定
結果をもとに、シフトレジスタの動作長(動作領域)を
全部に設定する。このようにすると、マッチドフィルタ
4Aでは、拡散コードの全長を使用した相関値検出処理
が行われる。従って、マルチパスが多く多重されている
場合でも、十分な分離能力を発揮することができ、これ
によりマルチパスを高精度に検出して高品質の受信が可
能となる。
【0083】なお、上記シフトレジスタの動作長(動作
領域)を可変制御する代わりに、受信信号のオーバサン
プリングレートとシフトレジスタのスキップ量を可変設
定することも可能である。この場合のマッチドフィルタ
の構成は前記図5に示したものをそのまま使用すること
ができる。
【0084】以上述べたように第4の実施形態では、自
動受信モードが設定されている状態で、パス解析部9及
び同期検出部10により受信中にマルチパスの受信状況
及び復調データの受信品質を検出する。そして、これら
の検出結果に基づいて、マッチドフィルタの動作周期、
シフトレジスタの動作長(動作領域)、或いはAD部3
のサンプリングレートとシフトレジスタのスキップ量を
適応的に可変制御するようにしている。
【0085】したがって、マルチパスの受信状況及び復
調データの受信品質の変化に応動して、その時々で最適
なマッチドフィルタの動作周期、シフトレジスタの動作
長(動作領域)、或いはAD部3のサンプリングレート
とシフトレジスタのスキップ量が設定される。このた
め、受信品質を良好に確保しつつマッチドフィルタの消
費電力を効果的に低減して受信機の省電力化を図ること
ができる。
【0086】なお、この発明は上記各実施形態に限定さ
れるものではなく、例えば受信機の種類やその構成、マ
ッチドフィルタの回路構成、相関値の検出に供する拡散
コード及び受信信号の間引きの形態や量等については、
この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施で
きる。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明では、マッ
チドフィルタを離散的なスペクトラム拡散信号の受信分
布範囲に相当する期間のみフルに動作させてその他の期
間では一部の回路を除いて動作を停止させるように制御
したり、マッチドフィルタの動作周期を可変設定できる
ようにして、動作周期が拡散コード長より長い値に設定
された場合には、マッチドフィルタを相関値の検出する
に必要な期間のみ動作させてその他の期間は停止させる
ようにしている。また、相関値の検出に使用する拡散コ
ード長を可変設定できるようにして、マッチドフィルタ
の全回路のうちこの拡散コード長に対応する部分のみ動
作させるようにしたり、マッチドフィルタにシフト入力
する離散的な受信スペクトラム拡散信号のオーバサンプ
リングレートを可変設定できるようにして、このオーバ
サンプリングレートに応じてマッチドフィルタにおける
受信スペクトラム拡散信号のシフト動作をスキップ制御
するようにしている。
【0088】したがってこの発明によれば、受信品質を
良好に保持した上で消費電力の低減を図り得るマッチド
フィルタを備えた受信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態に係わるマッチド
フィルタを備えた受信機のブロック構成図。
【図2】 図1に示した受信機におけるマッチドフィル
タの第1の動作を説明するためのタイミング図。
【図3】 図1に示した受信機におけるマッチドフィル
タの第2の動作を説明するためのタイミング図。
【図4】 この発明の第2の実施形態に係わるマッチド
フィルタの回路構成図。
【図5】 この発明の第3の実施形態に係わるマッチド
フィルタの回路構成図。
【図6】 この発明の第4の実施形態に係わるマッチド
フィルタを備えた受信機のブロック構成図。
【図7】 マッチドフィルタの構成の一例を示す回路ブ
ロック図。
【図8】 マッチドフィルタによるマルチパスの検出例
を示す図。
【符号の説明】
1…アンテナ 2…無線部(RF部) 3…アナログ/ディジタル変換部(AD部) 4A,4B…マッチドフィルタ 5…記憶部 6…復調部 7A,7B…制御部 8…入力部 9…パス解析部 10…同期検出部 11,11A,11B…シフトレジスタ 12…乗算部 13…拡散コード発生部 14…加算部 111…レジスタ 112,113…セレクタ(SEL)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離散的に受信されるスペクトラム拡散信
    号をマッチドフィルタに入力し、このマッチドフィルタ
    で上記離散的なスペクトラム拡散信号と拡散コードとの
    相関値をそれぞれ検出して、その検出出力をもとに受信
    信号の復調処理を行う受信機において、 前記マッチドフィルタの動作を制御する制御部を具備
    し、 この制御部は、 前記拡散コード長以上に設定される周期で前記マッチド
    フィルタを繰り返し動作させる動作制御手段と、 前記マッチドフィルタの検出出力をもとに前記離散的な
    スペクトラム拡散信号の受信分布範囲に対応するゲート
    期間を設定し、前記動作制御手段により繰り返される各
    動作期間中の前記ゲート期間に相当する期間を除いた期
    間に、前記マッチドフィルタの動作を部分的に停止させ
    る停止制御手段とを備えたことを特徴とするマッチドフ
    ィルタを備えた受信機。
  2. 【請求項2】 離散的に受信されるスペクトラム拡散信
    号をマッチドフィルタに入力し、このマッチドフィルタ
    で上記離散的なスペクトラム拡散信号と拡散コードとの
    相関値をそれぞれ検出して、その検出出力をもとに受信
    信号の復調処理を行う受信機において、 前記マッチドフィルタの動作を制御する制御部を具備
    し、 この制御部は、 前記拡散コード長以上に設定される周期で前記マッチド
    フィルタを繰り返し動作させる動作制御手段と、 この動作制御手段により設定される周期を可変設定する
    周期可変制御手段と、 この周期可変制御手段により可変設定された周期が、前
    記マッチドフィルタで離散的なスペクトラム拡散信号と
    拡散コードとの相関値を検出するに必要な期間より長い
    場合に、前記周期に相当する動作期間のうち当該必要期
    間を除いた期間にマッチドフィルタの動作を停止させる
    停止制御手段とを備えたことを特徴とするマッチドフィ
    ルタを備えた受信機。
  3. 【請求項3】 受信品質を優先した高品質受信モード
    と、省電力を優先した省電力受信モードとを、ユーザが
    選択的に指定入力するための受信モード指定手段をさら
    に具備し、 前記周期可変制御手段は、前記受信モード指定手段によ
    り指定入力された受信モードに応じて前記周期を可変設
    定することを特徴とする請求項2記載のマッチドフィル
    タを備えた受信機。
  4. 【請求項4】 前記離散的なスペクトラム拡散信号の受
    信状態の時間変動を検出する受信状態検出手段をさらに
    具備し、 前記周期可変制御手段は、前記受信状態検出手段による
    受信状態の検出結果に応じて前記周期を適応的に可変設
    定することを特徴とする請求項2記載のマッチドフィル
    タを備えた受信機。
  5. 【請求項5】 離散的に受信されるスペクトラム拡散信
    号をマッチドフィルタに入力し、このマッチドフィルタ
    で上記離散的なスペクトラム拡散信号と拡散コードとの
    相関値をそれぞれ検出して、その検出出力をもとに受信
    信号の復調処理を行う受信機において、 相関値の検出に供する可変コード長を可変設定する拡散
    コード長設定手段をさらに具備し、 前記マッチドフィルタは、 前記拡散コード長設定手段により長さが設定された拡散
    コードに対応して、前記離散的に受信されたスペクトラ
    ム拡散信号を間欠的に間引いて入力する間引き入力手段
    と、 この間引き入力手段により入力された間引き後のスペク
    トラム拡散信号と、前記可変コード長設定手段により長
    さが設定された拡散コードとの相関値を検出し出力する
    相関検出手段とを備えたことを特徴とするマッチドフィ
    ルタを備えた受信機。
  6. 【請求項6】 受信品質を優先した高品質受信モード
    と、省電力を優先した省電力受信モードとを、ユーザが
    選択的に指定入力するためのモード指定手段をさらに具
    備し、 前記拡散コード長設定手段は、前記モード指定手段によ
    り指定入力されたモードに応じて前記相関値の検出に供
    する拡散コードの長さを可変設定することを特徴とする
    請求項5記載のマッチドフィルタを備えた受信機。
  7. 【請求項7】 前記マッチドフィルタの相関検出結果、
    前記復調処理結果及び受信機の移動速度検出結果のうち
    の少なくとも一つに基づいて、受信機の受信品質を判定
    する受信品質判定手段をさらに具備し、 前記前記拡散コード長設定手段は、前記受信品質判定手
    段により判定された受信品質に応じて、前記相関値の検
    出に供する拡散コード長を可変設定することを特徴とす
    る請求項5記載のマッチドフィルタを備えた受信機。
  8. 【請求項8】 離散的に受信されるスペクトラム拡散信
    号を、拡散コードのチップレートの整数倍のサンプリン
    グレートでオーバサンプリングしたのち、このサンプリ
    ングレートに同期してマッチドフィルタにシフト入力
    し、シフトするごとにマッチドフィルタで上記離散的な
    スペクトラム拡散信号と拡散コードとの相関値をそれぞ
    れ検出して、その検出出力をもとに受信信号の復調処理
    を行う受信機において、 前記オーバサンプリングレートを可変設定するサンプリ
    ングレート可変手段と、 このサンプリングレート可変手段により設定されたオー
    バサンプリングレートに応じて、前記マッチドフィルタ
    における受信スペクトラム拡散信号のシフト動作をスキ
    ップ制御するシフト動作制御手段とを具備したことを特
    徴とするマッチドフィルタを備えた受信機。
  9. 【請求項9】 受信品質を優先した高品質受信モード
    と、省電力を優先した省電力受信モードとを、ユーザが
    選択的に指定入力するための受信モード指定手段をさら
    に具備し、 前記サンプリングレート可変手段は、前記受信モード指
    定手段により指定入力された受信モードに応じて前記オ
    ーバサンプリングレートを可変設定することを特徴とす
    る請求項8記載のマッチドフィルタを備えた受信機。
  10. 【請求項10】 前記マッチドフィルタの相関検出結
    果、前記復調処理結果及び受信機の移動速度検出結果の
    うちの少なくとも一つに基づいて受信機の受信品質を判
    定する受信品質判定手段をさらに具備し、 前記サンプリングレート可変手段は、前記受信品質判定
    手段により判定された受信品質に応じて前記オーバサン
    プリングレートを可変設定することを特徴とする請求項
    8記載のマッチドフィルタを備えた受信機。
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