JP2002094176A - レーザ装置 - Google Patents
レーザ装置Info
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- gain region
- gain
- region
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- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/06—Arrangements for controlling the laser output parameters, e.g. by operating on the active medium
- H01S5/065—Mode locking; Mode suppression; Mode selection ; Self pulsating
- H01S5/0657—Mode locking, i.e. generation of pulses at a frequency corresponding to a roundtrip in the cavity
-
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- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/06—Arrangements for controlling the laser output parameters, e.g. by operating on the active medium
- H01S5/062—Arrangements for controlling the laser output parameters, e.g. by operating on the active medium by varying the potential of the electrodes
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- H01S5/10—Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
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- Optics & Photonics (AREA)
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- Semiconductor Lasers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 可飽和吸収領域が不要であり、発振する条件
によらず、すべてのモードが同相でモード同期して発振
するレーザ装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 レーザ装置は、共振器1と、利得領域励
起手段としての励起源10とを備えている。共振器1
は、光励起または電流注入によって反転分布が得られる
領域である利得領域2と、レーザ発振する光に対して利
得が正でない領域である非利得領域3と、2つの反射ミ
ラー4とを含む。利得領域2は、共振器1の光軸に沿っ
た方向に沿った中央部に、共振器1の光路長の略1/2
の光路長を有するように配置されている。非利得領域3
は、利得領域2の両側にそれぞれ配置され、2つの反射
ミラー4は、非利得領域3のさらに外側にそれぞれ配置
されている。
によらず、すべてのモードが同相でモード同期して発振
するレーザ装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 レーザ装置は、共振器1と、利得領域励
起手段としての励起源10とを備えている。共振器1
は、光励起または電流注入によって反転分布が得られる
領域である利得領域2と、レーザ発振する光に対して利
得が正でない領域である非利得領域3と、2つの反射ミ
ラー4とを含む。利得領域2は、共振器1の光軸に沿っ
た方向に沿った中央部に、共振器1の光路長の略1/2
の光路長を有するように配置されている。非利得領域3
は、利得領域2の両側にそれぞれ配置され、2つの反射
ミラー4は、非利得領域3のさらに外側にそれぞれ配置
されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ装置、特に
モード同期型のレーザ装置に関するものである。
モード同期型のレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の通信総容量の急速な増大に伴っ
て、光ファイバ技術においては、超高速・超大容量光伝
送の実用化のためのアプローチのひとつとして、1波長
当たりの伝送速度を増大させることが望まれている。そ
のために、たとえば、近い将来、1波長当たり100G
bps超の速度での光伝送を実現すべく、モード同期半
導体レーザ素子(MLLD:Mode-Locked semiconducto
r Laser Diode)の研究が進められている。なお、モー
ド同期(「モードロック」ともいう。)状態には、振幅
変調モードロック(AMML:Amplitude-Modulated Mo
de Locking)と位相(周波数)変調モードロック(FM
ML:Frequency-Modulated Mode Locking)との2種類
ある。AMMLの場合、すべてのモードが同相で発振し
ているため、高い光パルスが得られる。一方、FMML
の場合は、発振しているモードのうちいくつかは逆位相
で発振しているので、高い光パルスは得られない。した
がって、高い光パルスを得るためにはAMMLでレーザ
を発振させることが望まれる。光伝送の超高速化・超大
容量化のためには、どのような繰り返し周波数が必要な
場合でもその周波数で動作するAMMLレーザ素子が望
まれる。
て、光ファイバ技術においては、超高速・超大容量光伝
送の実用化のためのアプローチのひとつとして、1波長
当たりの伝送速度を増大させることが望まれている。そ
のために、たとえば、近い将来、1波長当たり100G
bps超の速度での光伝送を実現すべく、モード同期半
導体レーザ素子(MLLD:Mode-Locked semiconducto
r Laser Diode)の研究が進められている。なお、モー
ド同期(「モードロック」ともいう。)状態には、振幅
変調モードロック(AMML:Amplitude-Modulated Mo
de Locking)と位相(周波数)変調モードロック(FM
ML:Frequency-Modulated Mode Locking)との2種類
ある。AMMLの場合、すべてのモードが同相で発振し
ているため、高い光パルスが得られる。一方、FMML
の場合は、発振しているモードのうちいくつかは逆位相
で発振しているので、高い光パルスは得られない。した
がって、高い光パルスを得るためにはAMMLでレーザ
を発振させることが望まれる。光伝送の超高速化・超大
容量化のためには、どのような繰り返し周波数が必要な
場合でもその周波数で動作するAMMLレーザ素子が望
まれる。
【0003】MLLDの研究の一例については、電子情
報通信学会「オール光化への道」シンポジウム(横山
ら)に開示されている。横山らによるMLLDは、デバ
イス内部に可飽和吸収効果を持たせることで、コヒーレ
ントパルス光源のみならず、光クロック抽出、光ゲート
およびこれらを組み合わせた光3R識別再生(3R:re
timing, reshaping, regenerating)、光学的時間分割
(光DEMUX:Demultiplexing)という基本的な光信
号処理機能が簡単な構成で実現できるとしている。
報通信学会「オール光化への道」シンポジウム(横山
ら)に開示されている。横山らによるMLLDは、デバ
イス内部に可飽和吸収効果を持たせることで、コヒーレ
ントパルス光源のみならず、光クロック抽出、光ゲート
およびこれらを組み合わせた光3R識別再生(3R:re
timing, reshaping, regenerating)、光学的時間分割
(光DEMUX:Demultiplexing)という基本的な光信
号処理機能が簡単な構成で実現できるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の横山ら
によるMLLDの技術では、レーザ装置としてのレーザ
素子の内部に可飽和吸収領域を必要とする。そのため、
電流光特性に履歴が現れるといった動作の不安定さが解
消できない。また、閾値電流も大きくなってしまう。
によるMLLDの技術では、レーザ装置としてのレーザ
素子の内部に可飽和吸収領域を必要とする。そのため、
電流光特性に履歴が現れるといった動作の不安定さが解
消できない。また、閾値電流も大きくなってしまう。
【0005】そこで、本発明では、可飽和吸収領域が不
要であり、発振する条件によらず、すべてのモードが同
相でモード同期して発振するレーザ装置、すなわち、A
MMLで発振するレーザ装置を提供することを目的とす
る。
要であり、発振する条件によらず、すべてのモードが同
相でモード同期して発振するレーザ装置、すなわち、A
MMLで発振するレーザ装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に基づくレーザ装置は、共振器と、利得領域
励起手段とを備え、上記共振器は、光励起および電流注
入からなる群から選ばれた少なくとも1つの方法によっ
て反転分布が得られる領域である利得領域と、レーザ発
振する光に対して利得が正でない領域である非利得領域
と、2つの反射ミラーとを含み、上記利得領域は、上記
共振器の光軸に沿った方向に沿った中央部に、上記共振
器の光路長の略1/2の光路長を有するように配置さ
れ、上記非利得領域は、上記共振器の光軸に沿った方向
に沿った上記利得領域の両側にそれぞれ配置され、上記
2つの反射ミラーは、上記共振器の光軸に沿った方向に
沿った上記非利得領域のさらに外側にそれぞれ配置さ
れ、上記利得領域励起手段は、上記利得領域を励起状態
とするためのものである。
め、本発明に基づくレーザ装置は、共振器と、利得領域
励起手段とを備え、上記共振器は、光励起および電流注
入からなる群から選ばれた少なくとも1つの方法によっ
て反転分布が得られる領域である利得領域と、レーザ発
振する光に対して利得が正でない領域である非利得領域
と、2つの反射ミラーとを含み、上記利得領域は、上記
共振器の光軸に沿った方向に沿った中央部に、上記共振
器の光路長の略1/2の光路長を有するように配置さ
れ、上記非利得領域は、上記共振器の光軸に沿った方向
に沿った上記利得領域の両側にそれぞれ配置され、上記
2つの反射ミラーは、上記共振器の光軸に沿った方向に
沿った上記非利得領域のさらに外側にそれぞれ配置さ
れ、上記利得領域励起手段は、上記利得領域を励起状態
とするためのものである。
【0007】上記構成を採用することにより、共振器の
内部全体を利得領域とした場合に、FMMLで発振する
ような共振器長のレーザ装置においても、AMMLでの
発振を得ることができる。
内部全体を利得領域とした場合に、FMMLで発振する
ような共振器長のレーザ装置においても、AMMLでの
発振を得ることができる。
【0008】上記発明において好ましくは、上記利得領
域が半導体を含み、上記非利得領域が誘電体を含む。あ
るいは、上記利得領域が半導体を含み、上記非利得領域
が半導体を含む。この構成を採用することにより、半導
体レーザ素子においても、AMMLでの発振が得られる
構成を容易に実現することができる。
域が半導体を含み、上記非利得領域が誘電体を含む。あ
るいは、上記利得領域が半導体を含み、上記非利得領域
が半導体を含む。この構成を採用することにより、半導
体レーザ素子においても、AMMLでの発振が得られる
構成を容易に実現することができる。
【0009】上記発明において好ましくは、上記非利得
領域にキャリアを注入することと、上記非利得領域に逆
バイアスを印加することとのうち、少なくとも一方を行
なうための非利得領域電極を備える。この構成を採用す
ることにより、非利得領域電極を用いて光導波層にキャ
リアを注入することができ、その結果、自由キャリアの
プラズマ効果により、共振器内部の屈折率が変化し、実
質的な光路長を制御することができる。あるいは逆バイ
アスを印加することによって、実質的な光路長を制御す
ることができる。したがって、モード同期光パルスの繰
返し周期を制御することができる。
領域にキャリアを注入することと、上記非利得領域に逆
バイアスを印加することとのうち、少なくとも一方を行
なうための非利得領域電極を備える。この構成を採用す
ることにより、非利得領域電極を用いて光導波層にキャ
リアを注入することができ、その結果、自由キャリアの
プラズマ効果により、共振器内部の屈折率が変化し、実
質的な光路長を制御することができる。あるいは逆バイ
アスを印加することによって、実質的な光路長を制御す
ることができる。したがって、モード同期光パルスの繰
返し周期を制御することができる。
【0010】上記発明において好ましくは、上記反射ミ
ラーのうち少なくとも一方は分布ブラッグ反射ミラーで
ある。この構成を採用することにより、モードロックレ
ーザの発振波長を選択することができ、かつ発振スペク
トルの広がりを制限することができる。
ラーのうち少なくとも一方は分布ブラッグ反射ミラーで
ある。この構成を採用することにより、モードロックレ
ーザの発振波長を選択することができ、かつ発振スペク
トルの広がりを制限することができる。
【0011】上記発明において好ましくは、上記分布ブ
ラッグ反射ミラーの周期構造に電流を注入することと、
上記分布ブラッグ反射ミラーの周期構造に逆バイアスを
印加することとのうち、少なくとも一方を行なうことに
よって反射スペクトルを変化させるための分布ブラッグ
反射ミラー電極を備える。この構成を採用することによ
り、分布ブラッグ反射ミラー電極に電流を注入するかも
しくは逆バイアスを印加することによって、分布ブラッ
グ反射ミラーの反射スペクトルを変化させ、モード同期
光パルスの波長を変化することができる。
ラッグ反射ミラーの周期構造に電流を注入することと、
上記分布ブラッグ反射ミラーの周期構造に逆バイアスを
印加することとのうち、少なくとも一方を行なうことに
よって反射スペクトルを変化させるための分布ブラッグ
反射ミラー電極を備える。この構成を採用することによ
り、分布ブラッグ反射ミラー電極に電流を注入するかも
しくは逆バイアスを印加することによって、分布ブラッ
グ反射ミラーの反射スペクトルを変化させ、モード同期
光パルスの波長を変化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】(実施の形態1) (構成)図1を参照して、本発明に基づく実施の形態1
におけるレーザ装置の構成について説明する。このレー
ザ装置は、共振器1と利得領域励起手段としての励起源
10とを備えている。共振器1は、その光軸方向(図1
における左右方向)の両端に反射ミラー4を含んでお
り、反射ミラー4同士に挟まれた部分には、図1に示す
ように、利得領域2と、非利得領域3とが存在する。た
だし、「利得領域」とは、光励起または電流注入によっ
て反転分布が得られる領域を意味する。「非利得領域」
とは、レーザ発振する光に対して利得が正でない領域を
意味する。すなわち、非利得領域とは、レーザ発振する
光に対して、透明である領域または吸収される領域であ
る。空気の層などが介在する場合、これも非利得領域に
該当する。
におけるレーザ装置の構成について説明する。このレー
ザ装置は、共振器1と利得領域励起手段としての励起源
10とを備えている。共振器1は、その光軸方向(図1
における左右方向)の両端に反射ミラー4を含んでお
り、反射ミラー4同士に挟まれた部分には、図1に示す
ように、利得領域2と、非利得領域3とが存在する。た
だし、「利得領域」とは、光励起または電流注入によっ
て反転分布が得られる領域を意味する。「非利得領域」
とは、レーザ発振する光に対して利得が正でない領域を
意味する。すなわち、非利得領域とは、レーザ発振する
光に対して、透明である領域または吸収される領域であ
る。空気の層などが介在する場合、これも非利得領域に
該当する。
【0013】図1に示すように、中央部分が利得領域2
となっており、その両側は非利得領域3となっている。
さらにその両側には2つの反射ミラー4がそれぞれ配置
されている。利得領域2の長さは、共振器1の光軸に沿
った長さ(以下、「共振器長」という。)の少なくとも
8%以上の長さでなければならない。また、50%以下
であることが望ましい。反射ミラー4のうち少なくとも
一方は光を一部透過させることができる。利得領域2と
非利得領域3との境界での反射は、可能な限り抑制する
ことが望ましい。
となっており、その両側は非利得領域3となっている。
さらにその両側には2つの反射ミラー4がそれぞれ配置
されている。利得領域2の長さは、共振器1の光軸に沿
った長さ(以下、「共振器長」という。)の少なくとも
8%以上の長さでなければならない。また、50%以下
であることが望ましい。反射ミラー4のうち少なくとも
一方は光を一部透過させることができる。利得領域2と
非利得領域3との境界での反射は、可能な限り抑制する
ことが望ましい。
【0014】(作用・効果)仮に、共振器1の内部全体
が一様に利得領域2であったとすると、利得領域2を励
起すれば、発振に至る。その場合は、必ずモード同期状
態で発振する。反射ミラー4のうち少なくとも一方は光
を一部透過させることができるため、一方の反射ミラー
4からモード同期光パルス16が発せられる。ただし、
モード同期状態には、上述したようにAMMLとFMM
Lとの2種類あり、上述の発振は、そのどちらか一方の
モード同期状態でなされることになる。
が一様に利得領域2であったとすると、利得領域2を励
起すれば、発振に至る。その場合は、必ずモード同期状
態で発振する。反射ミラー4のうち少なくとも一方は光
を一部透過させることができるため、一方の反射ミラー
4からモード同期光パルス16が発せられる。ただし、
モード同期状態には、上述したようにAMMLとFMM
Lとの2種類あり、上述の発振は、そのどちらか一方の
モード同期状態でなされることになる。
【0015】利得領域2が共振器1の内部全体を占める
ときにFMMLで発振する場合は、利得領域2を共振器
長の1/2の長さのみとして、共振器1の中央に配置す
れば、必ず、AMMLで発振する。逆に、利得領域2が
共振器1の内部全体を占めるときにAMMLで発振する
場合は、利得領域2を共振器長の1/2の長さのみとし
て、共振器1の中央に配置すれば、必ず、FMMLで発
振する。したがって、上述のいずれの場合がAMMLで
発振するものであるかを確認して利得領域2の配置を選
択すれば、必ずAMMLで発振するレーザ装置を実現す
ることができる。
ときにFMMLで発振する場合は、利得領域2を共振器
長の1/2の長さのみとして、共振器1の中央に配置す
れば、必ず、AMMLで発振する。逆に、利得領域2が
共振器1の内部全体を占めるときにAMMLで発振する
場合は、利得領域2を共振器長の1/2の長さのみとし
て、共振器1の中央に配置すれば、必ず、FMMLで発
振する。したがって、上述のいずれの場合がAMMLで
発振するものであるかを確認して利得領域2の配置を選
択すれば、必ずAMMLで発振するレーザ装置を実現す
ることができる。
【0016】よって、本実施の形態における構成は、共
振器1の内部全体を利得領域2とした場合に、FMML
で発振するような共振器長のレーザ装置においても、A
MMLでの発振を得るための構成として提案されるもの
である。
振器1の内部全体を利得領域2とした場合に、FMML
で発振するような共振器長のレーザ装置においても、A
MMLでの発振を得るための構成として提案されるもの
である。
【0017】(実施の形態2) (構成)図2を参照して、本発明に基づく実施の形態2
におけるレーザ装置について説明する。このレーザ装置
は、基本的に実施の形態1で説明したものの構成を踏襲
しているが、共振器1として、半導体レーザ素子を備え
るものである。図2に示すように、共振器全体に渡っ
て、下面には負電極12が形成されている。負電極12
の上には、nクラッド層14が形成されており、nクラ
ッド層14の上にはpクラッド層13が形成されてい
る。利得領域2においては、nクラッド層14とpクラ
ッド層13とに挟まれた部分が活性領域15となってい
る。また、利得領域2においては、pクラッド層13の
上側に正電極11が形成されている。したがって、この
例では、利得領域2、非利得領域3とも、半導体を含む
が、非利得領域3は誘電体であってもよい。利得領域2
の長さは、共振器長の1/2の長さのみとして、共振器
1の中央に配置されている。
におけるレーザ装置について説明する。このレーザ装置
は、基本的に実施の形態1で説明したものの構成を踏襲
しているが、共振器1として、半導体レーザ素子を備え
るものである。図2に示すように、共振器全体に渡っ
て、下面には負電極12が形成されている。負電極12
の上には、nクラッド層14が形成されており、nクラ
ッド層14の上にはpクラッド層13が形成されてい
る。利得領域2においては、nクラッド層14とpクラ
ッド層13とに挟まれた部分が活性領域15となってい
る。また、利得領域2においては、pクラッド層13の
上側に正電極11が形成されている。したがって、この
例では、利得領域2、非利得領域3とも、半導体を含む
が、非利得領域3は誘電体であってもよい。利得領域2
の長さは、共振器長の1/2の長さのみとして、共振器
1の中央に配置されている。
【0018】(作用・効果)正電極11に第1の電位
を、負電極12に第1の電位より低い第2の電位を同時
に印加すれば、利得領域2が励起状態となり、レーザ発
振し、モード同期光パルス16を発する。
を、負電極12に第1の電位より低い第2の電位を同時
に印加すれば、利得領域2が励起状態となり、レーザ発
振し、モード同期光パルス16を発する。
【0019】共振器内部の全体を利得領域としたときに
FMMLで発振する性質を有する共振器長のレーザ装置
であっても、利得領域2を上述のような配置とすること
で、AMMLでの発振を得ることができる。特に、共振
器長が長い場合、共振器内部の全体を利得領域としたと
きにFMMLで発振する傾向が強まるが、利得領域2を
上述のような配置とすることで、AMMLでの発振を得
ることができる。
FMMLで発振する性質を有する共振器長のレーザ装置
であっても、利得領域2を上述のような配置とすること
で、AMMLでの発振を得ることができる。特に、共振
器長が長い場合、共振器内部の全体を利得領域としたと
きにFMMLで発振する傾向が強まるが、利得領域2を
上述のような配置とすることで、AMMLでの発振を得
ることができる。
【0020】実施の形態1,2における利得領域2の配
置が、なぜAMMLの発振をもたらすのかについては、
量子井戸半導体レーザを例として、モードロック(モー
ド同期)発生条件について数値解析を行なえば、明らか
となる。そこで、以下に、数値解析に用いた数式モデル
について述べ、それに基づく単一量子井戸レーザをモデ
ルにした数値解析結果について述べる。
置が、なぜAMMLの発振をもたらすのかについては、
量子井戸半導体レーザを例として、モードロック(モー
ド同期)発生条件について数値解析を行なえば、明らか
となる。そこで、以下に、数値解析に用いた数式モデル
について述べ、それに基づく単一量子井戸レーザをモデ
ルにした数値解析結果について述べる。
【0021】なお、ここでは、単一量子井戸レーザをモ
デルにしているが、多重量子井戸レーザでも本発明の効
果は得られる。また、ダブルへテロ接合構造の半導体レ
ーザであっても本発明の効果は得られる。
デルにしているが、多重量子井戸レーザでも本発明の効
果は得られる。また、ダブルへテロ接合構造の半導体レ
ーザであっても本発明の効果は得られる。
【0022】(数値解析)この節では、量子井戸半導体
レーザにおけるモードロック発生条件を数値的に調べ
る。モードロック発生条件を調べるためには、少なくと
も3本の隣り合ったモードが同時に発振している状況を
仮定しなければならない。ここでは、電場の3次の項ま
でを含む振幅と位相の結合モード方式を用いる。このよ
うな結合モード方式は、それぞれのモード振幅の強度は
ゆっくり変化するという仮定の下に、マックスウェル
(Maxwell)方程式から導かれる[W. E. Lamb, Jr., Ph
ys. Rev., 134, A1429 (1964), M. Sargent, III, M.
O. Scully and W. E. Lamb, Jr.,Laser Physics, (Addi
son-Wesley, Tokyo, 1974)]。マックスウェル方程式に
含まれる分極は、問題にしている半導体レーザの活性領
域における電子状態により決定される。半導体レーザの
場合、量子井戸における2D自由キャリア遷移が主な分
極の源である。半導体レーザの中では、電流注入によっ
てキャリアが励起される。励起状態では擬平衡状態が成
り立っていると考えられる。その結果、量子井戸におけ
る電子とホールの密度が定義され、それらのレート方程
式が導かれる[H. Haug and S. W. Koch, Quantum Theo
ry of the Optical and Electronic Properties of Sem
iconductors, Third Edition, (World Scientific, New
Jersey, 1998)]。このレート方程式と上述の電場の振
幅と位相の結合モード方程式が考えられる系を決定す
る。したがって、モードロック発生条件もこれらの式に
よって決定される。
レーザにおけるモードロック発生条件を数値的に調べ
る。モードロック発生条件を調べるためには、少なくと
も3本の隣り合ったモードが同時に発振している状況を
仮定しなければならない。ここでは、電場の3次の項ま
でを含む振幅と位相の結合モード方式を用いる。このよ
うな結合モード方式は、それぞれのモード振幅の強度は
ゆっくり変化するという仮定の下に、マックスウェル
(Maxwell)方程式から導かれる[W. E. Lamb, Jr., Ph
ys. Rev., 134, A1429 (1964), M. Sargent, III, M.
O. Scully and W. E. Lamb, Jr.,Laser Physics, (Addi
son-Wesley, Tokyo, 1974)]。マックスウェル方程式に
含まれる分極は、問題にしている半導体レーザの活性領
域における電子状態により決定される。半導体レーザの
場合、量子井戸における2D自由キャリア遷移が主な分
極の源である。半導体レーザの中では、電流注入によっ
てキャリアが励起される。励起状態では擬平衡状態が成
り立っていると考えられる。その結果、量子井戸におけ
る電子とホールの密度が定義され、それらのレート方程
式が導かれる[H. Haug and S. W. Koch, Quantum Theo
ry of the Optical and Electronic Properties of Sem
iconductors, Third Edition, (World Scientific, New
Jersey, 1998)]。このレート方程式と上述の電場の振
幅と位相の結合モード方程式が考えられる系を決定す
る。したがって、モードロック発生条件もこれらの式に
よって決定される。
【0023】特にAMML発生条件は、位相の運動方程
式から導かれる簡単な2つの不等式によって記述され
る。これは、LambとSargentなどによって導かれた二準
位系の場合と形式的に同じ表式を持つ。
式から導かれる簡単な2つの不等式によって記述され
る。これは、LambとSargentなどによって導かれた二準
位系の場合と形式的に同じ表式を持つ。
【0024】実際のレーザでは、電流によって量子井戸
に2D自由キャリアが供給される。この供給過程は、ド
リフト拡散モデルによる電流を仮定し、3Dキャリアの
連続の方程式を、ポワソン(Poisson)方程式と連立し
て解くことによって計算される。量子井戸領域において
は、3Dキャリアの2Dキャリアへのトラップ時間と2
Dキャリアの3Dキャリアへのエスケープ時間を仮定し
て、3Dキャリアの連続の方程式と2Dキャリアのレー
ト方程式とが結合される。そしてネットの2Dキャリア
密度が決定される。
に2D自由キャリアが供給される。この供給過程は、ド
リフト拡散モデルによる電流を仮定し、3Dキャリアの
連続の方程式を、ポワソン(Poisson)方程式と連立し
て解くことによって計算される。量子井戸領域において
は、3Dキャリアの2Dキャリアへのトラップ時間と2
Dキャリアの3Dキャリアへのエスケープ時間を仮定し
て、3Dキャリアの連続の方程式と2Dキャリアのレー
ト方程式とが結合される。そしてネットの2Dキャリア
密度が決定される。
【0025】ある特定の単一量子井戸レーザをモデルと
して採り上げ、上述に定式化に基づき、数値的にAMM
L発生条件を調べる。
して採り上げ、上述に定式化に基づき、数値的にAMM
L発生条件を調べる。
【0026】(A. 定式化) (A.1 マックスウェルの波動方程式)出発点となる
のは、マックスウェルの波動方程式である。半導体レー
ザの多くの場合がそうであるのでTE(Transverse Ele
ctric)モードで発振している場合に限って議論する。
なお、TM(Transverse Magnetic)モードについても
容易に拡張することができる。マックスウェルの方程式
から共振器内部でのレーザの電場εに関する次の波動方
程式が導かれる。
のは、マックスウェルの波動方程式である。半導体レー
ザの多くの場合がそうであるのでTE(Transverse Ele
ctric)モードで発振している場合に限って議論する。
なお、TM(Transverse Magnetic)モードについても
容易に拡張することができる。マックスウェルの方程式
から共振器内部でのレーザの電場εに関する次の波動方
程式が導かれる。
【0027】
【数1】
【0028】ここで、ε0は真空の誘電率、μ0は真空の
透磁率、σは共振器から外部へ電磁エネルギが散逸する
量を表わす定数である。またPは、レーザの電場εと自
己無撞着な分極である。式(1)では、簡単のためにX
方向には場は一様であると仮定している。z方向は共振
器の軸方向である。多モードで発振しているレーザの電
場を、共振器のノーマルモードで展開すれば次のように
表わすことができる。
透磁率、σは共振器から外部へ電磁エネルギが散逸する
量を表わす定数である。またPは、レーザの電場εと自
己無撞着な分極である。式(1)では、簡単のためにX
方向には場は一様であると仮定している。z方向は共振
器の軸方向である。多モードで発振しているレーザの電
場を、共振器のノーマルモードで展開すれば次のように
表わすことができる。
【0029】
【数2】
【0030】ここにYn(y)は、規格化されていない
(無次元の)導波光のy方向の電場分布である。レーザ
の屈折率分布(したがって比感受率χ(y))がわかっ
ていれば、式(1)においてP=ε0χ(y)ε,σ=
0とおいて解くことによって求められる。Zn(z)
は、規格化されていないノーマルモードのz依存性であ
り、ここでは、次のようにとる。
(無次元の)導波光のy方向の電場分布である。レーザ
の屈折率分布(したがって比感受率χ(y))がわかっ
ていれば、式(1)においてP=ε0χ(y)ε,σ=
0とおいて解くことによって求められる。Zn(z)
は、規格化されていないノーマルモードのz依存性であ
り、ここでは、次のようにとる。
【0031】
【数3】
【0032】ここにβnは、
【0033】
【数4】
【0034】同様に共振器内部の分極Pは次のように表
わされる。
わされる。
【0035】
【数5】
【0036】式(2)においてEn,Yn,Znは、リア
ルな量であるとしても一般性は失われない。したがっ
て、εはリアルであり、Pはイマジナリーである。Pの
リアル成分は、εと同相で振動し、イマジナリー成分
は、90°位相が異なる。式(2)と式(5)とを式
(1)に入れてZn(z)に射影し、電場と分極の時間
に関する2次微分より微小な項を無視する近似によっ
て、次式が得られる。
ルな量であるとしても一般性は失われない。したがっ
て、εはリアルであり、Pはイマジナリーである。Pの
リアル成分は、εと同相で振動し、イマジナリー成分
は、90°位相が異なる。式(2)と式(5)とを式
(1)に入れてZn(z)に射影し、電場と分極の時間
に関する2次微分より微小な項を無視する近似によっ
て、次式が得られる。
【0037】
【数6】
【0038】式(6)と式(7)とを導く際に、共振器
に固有の波数と周波数とを定義した。すなわち、
に固有の波数と周波数とを定義した。すなわち、
【0039】
【数7】
【0040】ここにcは光速である。また光の散逸を表
わす量として、σの代わりにクォリティファクタQn
わす量として、σの代わりにクォリティファクタQn
【0041】
【数8】
【0042】を導入した。 (A.2 活性領域における光と自由キャリアの方程
式)式(6),(7)における分極は、半導体における
自由キャリア遷移に伴う双極子モーメントが支配的であ
る。自由キャリアの状態kに対する一粒子密度行列は、
式)式(6),(7)における分極は、半導体における
自由キャリア遷移に伴う双極子モーメントが支配的であ
る。自由キャリアの状態kに対する一粒子密度行列は、
【0043】
【数9】
【0044】で表わされる。cは伝導帯を表わし、vは
価電子帯を表わす。この密度行列の各要素は、完全なk
保存を仮定して、次の運動方程式に従う。
価電子帯を表わす。この密度行列の各要素は、完全なk
保存を仮定して、次の運動方程式に従う。
【0045】
【数10】
【0046】ここにdcvkは、双極子モーメントのマト
リクス要素、ξck(ξvk)は、伝導帯(価電子帯)の状
態kへキャリアが励起される速度である。また、γck,
γvkは、伝導帯(価電子帯)の状態kからのキャリアの
減衰速度である。
リクス要素、ξck(ξvk)は、伝導帯(価電子帯)の状
態kへキャリアが励起される速度である。また、γck,
γvkは、伝導帯(価電子帯)の状態kからのキャリアの
減衰速度である。
【0047】
【数11】
【0048】とおいた。ここにγphは位相緩和定数であ
る。ωkは、遷移準位間のエネルギである。
る。ωkは、遷移準位間のエネルギである。
【0049】
【数12】
【0050】(A.3 分極)分極を、密度行列の要素
と双極子モーメントのマトリクス要素とを用いて表わす
と、
と双極子モーメントのマトリクス要素とを用いて表わす
と、
【0051】
【数13】
【0052】となる。式(18)で、Vは、レーザの活
性領域の体積である。式(18)と式(5)の対応する
複素共役成分を等しいとおき、Znに射影することによ
って、モードnの分極成分Pnについて次式が得られ
る。
性領域の体積である。式(18)と式(5)の対応する
複素共役成分を等しいとおき、Znに射影することによ
って、モードnの分極成分Pnについて次式が得られ
る。
【0053】
【数14】
【0054】ここで
【0055】
【数15】
【0056】式(19)で密度行列の要素が電場によっ
て表現できれば、これを式(7),(6)に入れること
によって電子系とコンシステントな電場と位相の運動方
程式が得られる。したがって、式(12),(13),
(14)を解くことが次の課題である。これらの式にお
いて電場εを含む項を摂動と考える。解は、電場の級数
で展開できて次のような形になる。ここでは3次の項ま
で解く。
て表現できれば、これを式(7),(6)に入れること
によって電子系とコンシステントな電場と位相の運動方
程式が得られる。したがって、式(12),(13),
(14)を解くことが次の課題である。これらの式にお
いて電場εを含む項を摂動と考える。解は、電場の級数
で展開できて次のような形になる。ここでは3次の項ま
で解く。
【0057】
【数16】
【0058】(A.4 密度行列の0次の項)ρ
(0)(t)は電場を含まない項である。相互作用が開始
されるときの電子系の初期状態を与える。式(12)に
おいて電場εを0とおいて形式的に積分すると、
(0)(t)は電場を含まない項である。相互作用が開始
されるときの電子系の初期状態を与える。式(12)に
おいて電場εを0とおいて形式的に積分すると、
【0059】
【数17】
【0060】となる。これは伝導帯におけるk状態を電
子が占める確率を表わす。今、擬熱平衡状態を考えてい
るので、これは、
子が占める確率を表わす。今、擬熱平衡状態を考えてい
るので、これは、
【0061】
【数18】
【0062】と表わすことができる。ここにμcは伝導
帯における擬フェルミエネルギであり、式(24)をす
べての準位について足し合わせたとき、伝導帯における
キャリア数を与えるよう値が定められる。すなわち、
帯における擬フェルミエネルギであり、式(24)をす
べての準位について足し合わせたとき、伝導帯における
キャリア数を与えるよう値が定められる。すなわち、
【0063】
【数19】
【0064】ここにneは伝導帯における自由電子密
度、Vは系の体積である。同様に、式(13)をε=0
の条件の下で積分して得られるρ(0) vvkは価電子帯にお
けるk状態を電子が占める確率を表わす。今、価電子帯
については、電子ではなくホールに注目することにす
る。ホールの分布関数を次のようにとると、
度、Vは系の体積である。同様に、式(13)をε=0
の条件の下で積分して得られるρ(0) vvkは価電子帯にお
けるk状態を電子が占める確率を表わす。今、価電子帯
については、電子ではなくホールに注目することにす
る。ホールの分布関数を次のようにとると、
【0065】
【数20】
【0066】ρ(0) vvkとホール密度に関する表式は次の
ようになる。
ようになる。
【0067】
【数21】
【0068】
【数22】
【0069】ここにpは価電子帯におけるホールの密度
であり、μvは価電子帯における擬フェルミエネルギで
ある。
であり、μvは価電子帯における擬フェルミエネルギで
ある。
【0070】(A.5 密度行列の1次の項)式(1
4)における(ρ(0) cck−ρ(0) vvk)に式(24),
(26)を入れ、式(2)を考慮して積分すれば、回転
波近似の下でρ(1) cvkに関する次の表式が得られる。
4)における(ρ(0) cck−ρ(0) vvk)に式(24),
(26)を入れ、式(2)を考慮して積分すれば、回転
波近似の下でρ(1) cvkに関する次の表式が得られる。
【0071】
【数23】
【0072】ここで
【0073】
【数24】
【0074】右辺は半導体レーザ単体を考えているとき
は、z,tに依存しないが、後に考えるように共振器内
部を部分的に励起する場合は、Nkはz,tに依存す
る。また、
は、z,tに依存しないが、後に考えるように共振器内
部を部分的に励起する場合は、Nkはz,tに依存す
る。また、
【0075】
【数25】
【0076】また、式(28)を導く際に、
【0077】
【数26】
【0078】は、1/γの時間の範囲ではほとんど変化
しないと考えて、積分の外に出した(レート方程式近
似)。
しないと考えて、積分の外に出した(レート方程式近
似)。
【0079】(A.6 密度行列の2次の項)式(1
2)に式(28)を入れると、
2)に式(28)を入れると、
【0080】
【数27】
【0081】を用いて、
【0082】
【数28】
【0083】が得られる。これを積分して、
【0084】
【数29】
【0085】ここで、モード振幅と位相が1/γcの間
にほとんど変化しないと仮定した。同様にγcck→γvvk
という置換えをすれば、
にほとんど変化しないと仮定した。同様にγcck→γvvk
という置換えをすれば、
【0086】
【数30】
【0087】が成り立つ。式(34),(35)から
【0088】
【数31】
【0089】式(36)に見られるように励起分布にモ
ード間のビートが現われている(“population pulsati
on”)。
ード間のビートが現われている(“population pulsati
on”)。
【0090】(A.7 密度行列の3次の項)式(3
6),(24),(26)を式(14)に入れて解けば
6),(24),(26)を式(14)に入れて解けば
【0091】
【数32】
【0092】が得られる。(A.8 モード分極)式
(28),(37)を式(19)に入れることによっ
て、3次までのモード分極の表式が得られる。今、Nk
が次のような空間依存性を持つと仮定する。
(28),(37)を式(19)に入れることによっ
て、3次までのモード分極の表式が得られる。今、Nk
が次のような空間依存性を持つと仮定する。
【0093】
【数33】
【0094】モード分極の1次の項は、式(28)を式
(19)に入れると、
(19)に入れると、
【0095】
【数34】
【0096】となる。ここに
【0097】
【数35】
【0098】式(39)において、n≠σならば、P
(1) n(t)は、モード間隔に相当する振動数で振動する
成分を持つ。分極と振幅は、ゆっくり変化すると仮定し
て(速い振動成分は位相の中に含める。この近似をSV
A近似(Slowly-Varying-Amplitude approximation)と
いう。)、n≠σとなる項を無視する。
(1) n(t)は、モード間隔に相当する振動数で振動する
成分を持つ。分極と振幅は、ゆっくり変化すると仮定し
て(速い振動成分は位相の中に含める。この近似をSV
A近似(Slowly-Varying-Amplitude approximation)と
いう。)、n≠σとなる項を無視する。
【0099】
【数36】
【0100】次に3次の項については、式(37)を式
(19)に入れた後、まずzに関する積分を評価する。
(19)に入れた後、まずzに関する積分を評価する。
【0101】
【数37】
【0102】やはり、SVA近似の下に
【0103】
【数38】
【0104】を満たすもののみを残すことにする。すな
わち
わち
【0105】
【数39】
【0106】その結果、式(43)のうち
【0107】
【数40】
【0108】だけが残る。したがって
【0109】
【数41】
【0110】ここに
【0111】
【数42】
【0112】式(42),(47)を結びつけて
【0113】
【数43】
【0114】式(51)を式(6),(7)に入れて求
める各モードの振幅と位相に関する運動方程式が得られ
る。
める各モードの振幅と位相に関する運動方程式が得られ
る。
【0115】(A.9 結合モード方程式)まず振幅に
関する運動方程式は、次のようになる。
関する運動方程式は、次のようになる。
【0116】
【数44】
【0117】ここで、式(52)の右辺第1項は線形な
利得、第2項は非線形な利得飽和を表わしている。同様
に位相に関する運動方程式、
利得、第2項は非線形な利得飽和を表わしている。同様
に位相に関する運動方程式、
【0118】
【数45】
【0119】が同じ手続によって求められる。右辺の第
2項は1次の分散であり、第3項は非線形分散である。
式(52),(53)の係数は、次のようになる。ま
ず、非線形の利得と分散を表わす量は、
2項は1次の分散であり、第3項は非線形分散である。
式(52),(53)の係数は、次のようになる。ま
ず、非線形の利得と分散を表わす量は、
【0120】
【数46】
【0121】式(54),(55)におけるL(ωk−
νn)は、ローレンツ関数である。
νn)は、ローレンツ関数である。
【0122】
【数47】
【0123】次に非線形項の係数は、
【0124】
【数48】
【0125】のように表わされる。 (A.10 三モード動作)モードロックが生じる上限
とモードロックが安定して継続する条件について式(5
2),(53)に基づいて検討する。そのためには最低
3本の隣接するモードを考える必要がある。なぜなら、
モードロックはモード間の位相関係が一定になる現象だ
からである。3本のモードの振幅と位相の運動方程式を
書き下すと、
とモードロックが安定して継続する条件について式(5
2),(53)に基づいて検討する。そのためには最低
3本の隣接するモードを考える必要がある。なぜなら、
モードロックはモード間の位相関係が一定になる現象だ
からである。3本のモードの振幅と位相の運動方程式を
書き下すと、
【0126】
【数49】
【0127】となる。ここに
【0128】
【数50】
【0129】以降では、モード2を中心にして低エネル
ギ側にモード1、高エネルギ側にモード3が発振してい
る状況を想定する。
ギ側にモード1、高エネルギ側にモード3が発振してい
る状況を想定する。
【0130】位相の時間変化に注目する。式(62)×
2−式(63)−式(61)を計算すると
2−式(63)−式(61)を計算すると
【0131】
【数51】
【0132】が得られる。ここに離調d
【0133】
【数52】
【0134】モードロック係数ls,lc
【0135】
【数53】
【0136】式(67)をさらに簡単に次のように書
く。
く。
【0137】
【数54】
【0138】ここに
【0139】
【数55】
【0140】式(58),(59),(60),(7
1)が3モードの運動を決定する。モードロックは、
1)が3モードの運動を決定する。モードロックは、
【0141】
【数56】
【0142】となったときに出現する。すなわち、Ψの
定義式(48)より、
定義式(48)より、
【0143】
【数57】
【0144】であり、位相φ1,φ2,φ3の間に一定の
関係が定まる。いま、Enが時間に依存しないとする
と、式(71)を式(58),(59),(60)とは
独立に考えることができる。式(71)が定常解を持つ
ためには、
関係が定まる。いま、Enが時間に依存しないとする
と、式(71)を式(58),(59),(60)とは
独立に考えることができる。式(71)が定常解を持つ
ためには、
【0145】
【数58】
【0146】が必要である(モードロック発現の条
件)。次に
件)。次に
【0147】
【数59】
【0148】となる状態の安定性の条件を調べる。今式
(74)の解をΨ(s)とし、εを安定状態からのΨの微
小な変動であると仮定する。
(74)の解をΨ(s)とし、εを安定状態からのΨの微
小な変動であると仮定する。
【0149】
【数60】
【0150】を式(71)に入れて、εの2次以上の高
次の項を無視すると
次の項を無視すると
【0151】
【数61】
【0152】となる。これを積分して、
【0153】
【数62】
【0154】したがって
【0155】
【数63】
【0156】ならばt→∞のときε→0となることがわ
かる(モードロック安定化の条件)。実際の半導体レー
ザについてモードロック出現の条件(76)と安定化の
条件(80)とを定量的に評価することがこの節の目的
である。
かる(モードロック安定化の条件)。実際の半導体レー
ザについてモードロック出現の条件(76)と安定化の
条件(80)とを定量的に評価することがこの節の目的
である。
【0157】まず、モードロック安定化の条件をもう少
しブレークダウンする。式(74)が成り立つとき、式
(71)は次のような解を持つ。
しブレークダウンする。式(74)が成り立つとき、式
(71)は次のような解を持つ。
【0158】
【数64】
【0159】式(81)が成り立つとき、時間軸をφ1
=φ2となるようにとると、
=φ2となるようにとると、
【0160】
【数65】
【0161】となる。
【0162】
【数66】
【0163】すなわち、
【0164】
【数67】
【0165】ならば、3本のモードの位相が同一になる
のでピークですべてのモードが強め合うモードロックが
得られる。この場合、
のでピークですべてのモードが強め合うモードロックが
得られる。この場合、
【0166】
【数68】
【0167】なので、条件(80)は
【0168】
【数69】
【0169】である。また同じことだが
【0170】
【数70】
【0171】である。これが振幅モードロック発生の条
件である。他方、条件(82)が成り立つとき、位相関
係は
件である。他方、条件(82)が成り立つとき、位相関
係は
【0172】
【数71】
【0173】となる。この場合、たとえ式(85)が成
り立っていても、モード1とモード2が強め合うのに対
してモード3がそれを打ち消す方向に重なるため、モー
ドロックパルスの信号強度が小さくなる。この場合、c
os(Ψ(s)−Ψ0)<0なので、条件(80)はls>
0である。これが、位相モードロック発生の条件であ
る。
り立っていても、モード1とモード2が強め合うのに対
してモード3がそれを打ち消す方向に重なるため、モー
ドロックパルスの信号強度が小さくなる。この場合、c
os(Ψ(s)−Ψ0)<0なので、条件(80)はls>
0である。これが、位相モードロック発生の条件であ
る。
【0174】モードロック発現の条件(76)とAMモ
ードロック条件(88)、あるいは、FMモードロック
条件(ls>0)のいずれかが成立するまではレーザの
各モードの位相が変動する。そして一旦いずれかの条件
が満たされればそこで安定に発振が持続することにな
る。通常、多モード発振しているファブリ・ペロー(Fa
bry-Perot)構造のレーザは、AMもしくはFMいずれ
かの状態で発振していることになる。したがって、ここ
での目的は、AMモードロック発生条件(すなわち|d
/l|<1,l<0となる条件)を探すことである。
ードロック条件(88)、あるいは、FMモードロック
条件(ls>0)のいずれかが成立するまではレーザの
各モードの位相が変動する。そして一旦いずれかの条件
が満たされればそこで安定に発振が持続することにな
る。通常、多モード発振しているファブリ・ペロー(Fa
bry-Perot)構造のレーザは、AMもしくはFMいずれ
かの状態で発振していることになる。したがって、ここ
での目的は、AMモードロック発生条件(すなわち|d
/l|<1,l<0となる条件)を探すことである。
【0175】(A.11 量子井戸におけるキャリアの
レート方程式)量子井戸におけるキャリアのレート方程
式は、式(33)から次のように導かれる。式(33)
でkに関する和をとって量子井戸の体積で割ると
レート方程式)量子井戸におけるキャリアのレート方程
式は、式(33)から次のように導かれる。式(33)
でkに関する和をとって量子井戸の体積で割ると
【0176】
【数72】
【0177】となる。式(90)の右辺第3項は、誘導
放出によるキャリア変化の割合を表わす。この項は、明
らかに時間的・空間的に変化する。実際の計算では、電
場とキャリア密度とを空間的に平均化することによっ
て、共振器内部で一様であるとみなす。すなわち、この
結果、誘導放出の割合自体も空間的に一様になる。さら
に、本実施の形態では、z方向の励起が、FP共振器全
体にわたってなされる場合と、共振器の中心部の領域を
共振器の長さの1/2に限って励起する場合に注目す
る。この2つのいずれの場合も、共振器の長さの方向の
平均化を行なうとZの直交性のために、異なるモードの
組合せは、式(90)から消える。その結果、第3項の
速い時間変化も消失する。この近似は、光のラウンド・
トリップ(round trip)時間の間は振幅がほとんど変化
しないという近似(SVA近似)と照応する。次に、n
2Dが定義される量子井戸の内部では、光の電場はほとん
ど一定と考えてよいので、光の電場を量子井戸内でy方
向に平均化することは良い近似であろう。式(38)を
用いて式(90)を書き換えると
放出によるキャリア変化の割合を表わす。この項は、明
らかに時間的・空間的に変化する。実際の計算では、電
場とキャリア密度とを空間的に平均化することによっ
て、共振器内部で一様であるとみなす。すなわち、この
結果、誘導放出の割合自体も空間的に一様になる。さら
に、本実施の形態では、z方向の励起が、FP共振器全
体にわたってなされる場合と、共振器の中心部の領域を
共振器の長さの1/2に限って励起する場合に注目す
る。この2つのいずれの場合も、共振器の長さの方向の
平均化を行なうとZの直交性のために、異なるモードの
組合せは、式(90)から消える。その結果、第3項の
速い時間変化も消失する。この近似は、光のラウンド・
トリップ(round trip)時間の間は振幅がほとんど変化
しないという近似(SVA近似)と照応する。次に、n
2Dが定義される量子井戸の内部では、光の電場はほとん
ど一定と考えてよいので、光の電場を量子井戸内でy方
向に平均化することは良い近似であろう。式(38)を
用いて式(90)を書き換えると
【0178】
【数73】
【0179】が得られる。ここに、
【0180】
【数74】
【0181】である。式(91)におけるΞcは活性領
域へのキャリアの注入を表わしている。この量は、ミク
ロ的には、3次元的なキャリアn3Dの輸送によって決ま
る。
域へのキャリアの注入を表わしている。この量は、ミク
ロ的には、3次元的なキャリアn3Dの輸送によって決ま
る。
【0182】(A.12 3次元的なキャリアn3Dの輸
送)3次元的なキャリアn3Dの輸送は、次のポワソン方
程式と、連続の方程式によって支配される。
送)3次元的なキャリアn3Dの輸送は、次のポワソン方
程式と、連続の方程式によって支配される。
【0183】
【数75】
【0184】式(94)においてρ(y)は電荷の空間
分布を表わしている。また、式(95)において、G
は、熱平衡状態を生み出すキャリアの生成消滅を表わす
項である。量子井戸の領域では、上式によって輸送され
てきた3Dキャリアは、2D状態へ散乱され、閉じ込め
られるであろう。また、逆に2Dキャリアも、ある確率
で3Dキャリアへ散乱され、閉じ込め状態から脱出する
ことになるであろう。この2つの散乱確率を計算するこ
とは、それ自体大きな問題である。ここでは、それぞれ
の確率を、2つの時間、すなわち、トラップ時間τtrap
と、エスケープ時間τescapeとによって、表わすことに
する。すると、式(91)と式(95)は、量子井戸の
領域では、次のようになる。
分布を表わしている。また、式(95)において、G
は、熱平衡状態を生み出すキャリアの生成消滅を表わす
項である。量子井戸の領域では、上式によって輸送され
てきた3Dキャリアは、2D状態へ散乱され、閉じ込め
られるであろう。また、逆に2Dキャリアも、ある確率
で3Dキャリアへ散乱され、閉じ込め状態から脱出する
ことになるであろう。この2つの散乱確率を計算するこ
とは、それ自体大きな問題である。ここでは、それぞれ
の確率を、2つの時間、すなわち、トラップ時間τtrap
と、エスケープ時間τescapeとによって、表わすことに
する。すると、式(91)と式(95)は、量子井戸の
領域では、次のようになる。
【0185】
【数76】
【0186】ドリフト拡散モデルによる電流は次のよう
に表わされる。
に表わされる。
【0187】
【数77】
【0188】電流の式(99)においてDは拡散係数で
あり、アインシュタイン(Einstein)の関係D=μkT
/qが成り立っているものとする。また、本実施の形態
では、電子の電荷は−1ととっている。これまで電子に
ついての表式を示してきたが、ホールについても同様な
式が成り立つ。
あり、アインシュタイン(Einstein)の関係D=μkT
/qが成り立っているものとする。また、本実施の形態
では、電子の電荷は−1ととっている。これまで電子に
ついての表式を示してきたが、ホールについても同様な
式が成り立つ。
【0189】以下では、3本のモードの振幅と位相の運
動方程式、式(58)〜(63)を電子系の連続の方程
式(96),(97)とゆっくりとした電場の変化(9
4)を連立して数値的に解くことによって、AMMLが
安定して発生する条件(87),(86)を調べる。
動方程式、式(58)〜(63)を電子系の連続の方程
式(96),(97)とゆっくりとした電場の変化(9
4)を連立して数値的に解くことによって、AMMLが
安定して発生する条件(87),(86)を調べる。
【0190】(B. 計算) (B.1 モデル) −− 計算で想定したレーザ構造 −− 計算で想定したレーザは、InP基板に格子整合するI
nGaAsP/InPヘテロ接合構造からなる単一量子
井戸のSCH構造である(表1参照)。1.55μm帯
の波長で発振する。砒素組成とバンドギャップなどの関
係は[G. P. Agrawal and N. K. Dutta, Long-Waveleng
th Semiconductor Lasers, (VAN NORSTRAND REINHOLD C
OMPANY, New York, 1986)]に従った。
nGaAsP/InPヘテロ接合構造からなる単一量子
井戸のSCH構造である(表1参照)。1.55μm帯
の波長で発振する。砒素組成とバンドギャップなどの関
係は[G. P. Agrawal and N. K. Dutta, Long-Waveleng
th Semiconductor Lasers, (VAN NORSTRAND REINHOLD C
OMPANY, New York, 1986)]に従った。
【0191】
【表1】
【0192】−−― 計算で使用したパラメータの値
−− モードロック条件に直接影響するパラメータのうち、位
相緩和定数γは、この計算では一定の値30(ps-1)
を持つとした[W. W. Chow, A. Knorr, S. Hughes, A.
Girndt, and S. W. Koch, IEEE J. Selected Topics in
Quantum Electron., 3, 136 (1977)]。キャリア密
度,n2D,γcなどは動作条件によって変化する。γcは
自然輻射係数Bを用いて、
−− モードロック条件に直接影響するパラメータのうち、位
相緩和定数γは、この計算では一定の値30(ps-1)
を持つとした[W. W. Chow, A. Knorr, S. Hughes, A.
Girndt, and S. W. Koch, IEEE J. Selected Topics in
Quantum Electron., 3, 136 (1977)]。キャリア密
度,n2D,γcなどは動作条件によって変化する。γcは
自然輻射係数Bを用いて、
【0193】
【数78】
【0194】で表わされるとした。計算に用いたτcap
の値は、0.1psとした。τescapeは電子とホールに
ついて、それぞれ0.167ps,0.128psとし
た。これらの値は、実験で観測されたスペクトルを印加
電圧を変えることによって再現できるように選んだ(図
7(a)〜(d)参照)。これらの値を、表2にまとめ
た。
の値は、0.1psとした。τescapeは電子とホールに
ついて、それぞれ0.167ps,0.128psとし
た。これらの値は、実験で観測されたスペクトルを印加
電圧を変えることによって再現できるように選んだ(図
7(a)〜(d)参照)。これらの値を、表2にまとめ
た。
【0195】
【表2】
【0196】(B.2 典型的な計算結果例)図3〜図
6は、共振器長300μmの半導体レーザについて、両
端の印加電圧VB=1.1Vとしたときの方程式系(5
8)〜(63),(96),(97),(94)の数値
解の一例である。図3は、活性領域におけるポテンシャ
ルと擬フェルミエネルギの空間分布である。このとき量
子井戸におけるキャリア密度は√(np)=5.25×
1018cm-3である。図4は、1次の利得と分散のスペ
クトルである。図5は、離調項とロッキング係数の比d
/lのスペクトルである。0.8007eV近傍で|d
/l|<1となることがわかる。レーザは|d/l|<
1となるスペクトル範囲内で発振するとき、振幅と位相
の時間変動が小さく定常的となる。この数値解では、
6は、共振器長300μmの半導体レーザについて、両
端の印加電圧VB=1.1Vとしたときの方程式系(5
8)〜(63),(96),(97),(94)の数値
解の一例である。図3は、活性領域におけるポテンシャ
ルと擬フェルミエネルギの空間分布である。このとき量
子井戸におけるキャリア密度は√(np)=5.25×
1018cm-3である。図4は、1次の利得と分散のスペ
クトルである。図5は、離調項とロッキング係数の比d
/lのスペクトルである。0.8007eV近傍で|d
/l|<1となることがわかる。レーザは|d/l|<
1となるスペクトル範囲内で発振するとき、振幅と位相
の時間変動が小さく定常的となる。この数値解では、
【0197】
【数79】
【0198】で発振している。このエネルギ近傍では、
振幅が一定と考えられるので、
振幅が一定と考えられるので、
【0199】
【数80】
【0200】での振幅を用いて|d/l|のスペクトル
を描いたものが図5である(“decoupled approximatio
n”)。図6はロッキング係数lのスペクトルを示して
いる。このスペクトルも定量的には0.8007eV近
傍で正しい。発振エネルギ位置
を描いたものが図5である(“decoupled approximatio
n”)。図6はロッキング係数lのスペクトルを示して
いる。このスペクトルも定量的には0.8007eV近
傍で正しい。発振エネルギ位置
【0201】
【数81】
【0202】では、|d/l|<1,l<0となる。つ
まり、この解(発振エネルギと図3〜図6)の場合は、
AMMLが発生する。
まり、この解(発振エネルギと図3〜図6)の場合は、
AMMLが発生する。
【0203】“decoupled approximation”の下での図
5、図6の曲線は、意味がある。|d/l|<1が満た
されるスペクトル範囲は狭く、その領域で振幅は、大き
く変わらないとする仮定は妥当であろう。また、図6に
おける曲線は、l<0となる領域を示すことが重要であ
り、lの正負は、振幅の大きさによらないことはその表
式(69)から明らかである。
5、図6の曲線は、意味がある。|d/l|<1が満た
されるスペクトル範囲は狭く、その領域で振幅は、大き
く変わらないとする仮定は妥当であろう。また、図6に
おける曲線は、l<0となる領域を示すことが重要であ
り、lの正負は、振幅の大きさによらないことはその表
式(69)から明らかである。
【0204】図7(b)は、得られた計算結果の3本の
モードのスペクトルを示したものである。図7(a)
は、共振器長300μmの半導体レーザを41kA/c
m2の電流密度でパルス駆動したときのスペクトルであ
る。後に示すように、実験では、このとき明瞭なAMM
Lパルスが観測された。図7(c),(d)のスペクト
ルは、600μmの共振器長のレーザに関する実験結果
(20.5kA/cm2)と計算結果である。表2のτ
esc の値は、計算上印加電圧VBを選ぶことによっ
て、図7(a),(c)の中心周波数をカバーできるよ
うに選んだ。
モードのスペクトルを示したものである。図7(a)
は、共振器長300μmの半導体レーザを41kA/c
m2の電流密度でパルス駆動したときのスペクトルであ
る。後に示すように、実験では、このとき明瞭なAMM
Lパルスが観測された。図7(c),(d)のスペクト
ルは、600μmの共振器長のレーザに関する実験結果
(20.5kA/cm2)と計算結果である。表2のτ
esc の値は、計算上印加電圧VBを選ぶことによっ
て、図7(a),(c)の中心周波数をカバーできるよ
うに選んだ。
【0205】(B.3 AMMLが得られる条件:共振
器長(モード間隔)とキャリア密度に対する条件)共振
器長が300,400,500,600μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を図8
(a)〜(d)に示す。この関係は、VBを0.79V
から1.1Vまで変化させたときの方程式系(58)〜
(63),(96),(97),(94)の解に基づい
て得たものである。共振器長が、300〜500μmの
範囲では、各々のキャリア密度において|d/l|<1
となるスペクトル範囲は、l<0となるスペクトル範囲
にほぼ含まれており、AMMLが得られる。ところが、
600μmの場合には、キャリア密度が高くなると|d
/l|<1とl<0となるスペクトル領域が分離する。
この場合FMMLとなる。
器長(モード間隔)とキャリア密度に対する条件)共振
器長が300,400,500,600μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を図8
(a)〜(d)に示す。この関係は、VBを0.79V
から1.1Vまで変化させたときの方程式系(58)〜
(63),(96),(97),(94)の解に基づい
て得たものである。共振器長が、300〜500μmの
範囲では、各々のキャリア密度において|d/l|<1
となるスペクトル範囲は、l<0となるスペクトル範囲
にほぼ含まれており、AMMLが得られる。ところが、
600μmの場合には、キャリア密度が高くなると|d
/l|<1とl<0となるスペクトル領域が分離する。
この場合FMMLとなる。
【0206】このようにAMMLが得られる条件は、キ
ャリア密度と共振器長(モード間隔)に依存する。共振
器長が長くなると、AMMLが得にくくなる。また、キ
ャリア密度が高くなると、AMMLが得にくくなる。こ
の事情は、AMMLが発生するためには、
ャリア密度と共振器長(モード間隔)に依存する。共振
器長が長くなると、AMMLが得にくくなる。また、キ
ャリア密度が高くなると、AMMLが得にくくなる。こ
の事情は、AMMLが発生するためには、
【0207】
【数82】
【0208】でなければならないと言い表わすことがで
きる。これはシミュレーションによる経験則である。ま
た、不等式(100)は必要条件であって十分条件では
ない。数値計算によると、共振器長が1083.6μm
とさらに長くなると図9(b)に示すように、FMML
しか得られなくなる。しかし、この場合でも図2に示し
たように共振器の長さ方向に沿って中心の領域のみを共
振器の長さの1/2の長さに限って励起を行なうことに
より、図9(a)に示すようにAMMLが得られるよう
になる。このように共振器の一定の領域のみを励起する
ことを、以下「不均一励起」というものとする。
きる。これはシミュレーションによる経験則である。ま
た、不等式(100)は必要条件であって十分条件では
ない。数値計算によると、共振器長が1083.6μm
とさらに長くなると図9(b)に示すように、FMML
しか得られなくなる。しかし、この場合でも図2に示し
たように共振器の長さ方向に沿って中心の領域のみを共
振器の長さの1/2の長さに限って励起を行なうことに
より、図9(a)に示すようにAMMLが得られるよう
になる。このように共振器の一定の領域のみを励起する
ことを、以下「不均一励起」というものとする。
【0209】不均一励起による上述のAMMLの回復
は、式(69)を見ることによって理解できる。lsに
含まれる係数は、Imθ2123,Imθ2321,Im
θ1232,Imθ3212に限られる。これらの添え字に対し
て一様励起の場合は、cosを積分する項が必ず0にな
るので、式(50)は必ず正になる。それに対し、共振
器の中央部(共振器の長さの1/2領域)だけを励起し
て、他の領域は透明の状態とすると(すなわちこの領域
でNk(y,z)=0)、2つのcosの積分は、足し
合わせると絶対値が1より大きな負の値を持ち、式(3
8)の値は必ず負となる。したがって、FPレーザの共
振器全体を一様に励起することによってFMMLとなる
場合は、共振器の中央部(共振器の長さの1/2の領
域)だけを励起することによって必ずAMMLが得られ
るようになる。
は、式(69)を見ることによって理解できる。lsに
含まれる係数は、Imθ2123,Imθ2321,Im
θ1232,Imθ3212に限られる。これらの添え字に対し
て一様励起の場合は、cosを積分する項が必ず0にな
るので、式(50)は必ず正になる。それに対し、共振
器の中央部(共振器の長さの1/2領域)だけを励起し
て、他の領域は透明の状態とすると(すなわちこの領域
でNk(y,z)=0)、2つのcosの積分は、足し
合わせると絶対値が1より大きな負の値を持ち、式(3
8)の値は必ず負となる。したがって、FPレーザの共
振器全体を一様に励起することによってFMMLとなる
場合は、共振器の中央部(共振器の長さの1/2の領
域)だけを励起することによって必ずAMMLが得られ
るようになる。
【0210】上述の説明では、利得のない領域を透明領
域としたが、その部分にわずかな吸収を持たせても(す
なわちこの領域でNk(y,z)≦0)、AMMLが得
られるという意味では効果は同じである。
域としたが、その部分にわずかな吸収を持たせても(す
なわちこの領域でNk(y,z)≦0)、AMMLが得
られるという意味では効果は同じである。
【0211】図8(a),(b)からわかるもう1つの
点としては、AMML条件が、広いスペクトル範囲で得
られる300ないし400μmの共振器長の場合には、
発振状態でのキャリア密度(したがって振幅)が増大す
るに従って、|d/l|<1となるスペクトル範囲が広
がっている。これは、線形部分の離調が振幅によらない
のに対してモードロック係数lsは、振幅の増大ととも
に大きくなるためである。この広い範囲でモードが同期
して発振する可能性がある。その場合、モードロックパ
ルスの時間幅は次第に短くなることが期待できる。これ
は実験で観測される。
点としては、AMML条件が、広いスペクトル範囲で得
られる300ないし400μmの共振器長の場合には、
発振状態でのキャリア密度(したがって振幅)が増大す
るに従って、|d/l|<1となるスペクトル範囲が広
がっている。これは、線形部分の離調が振幅によらない
のに対してモードロック係数lsは、振幅の増大ととも
に大きくなるためである。この広い範囲でモードが同期
して発振する可能性がある。その場合、モードロックパ
ルスの時間幅は次第に短くなることが期待できる。これ
は実験で観測される。
【0212】さらに、|d/l|の大きさは、モード間
の位相差(84)に相当するので、キャリア密度の増大
とともに位相差が減少することが期待できる。これは、
モード同期光パルスの消光比の向上に寄与する。
の位相差(84)に相当するので、キャリア密度の増大
とともに位相差が減少することが期待できる。これは、
モード同期光パルスの消光比の向上に寄与する。
【0213】(B.4 モード間隔)図10に計算の結
果得られたモード間隔のキャリア密度依存性を、各共振
器長についてプロットした。総じてキャリア密度が上昇
するにつれてモード間隔が増大する。重要な点は、この
曲線がピークを持つように見えることである。たとえ
ば、共振器長が300μmの場合には、5.2×1018
cm-3にそのピークがある。このピークの位置では、キ
ャリア密度の揺らぎによるビートパルスの繰返し周波数
の変動(ジッタ)が最小になることが期待できる。
果得られたモード間隔のキャリア密度依存性を、各共振
器長についてプロットした。総じてキャリア密度が上昇
するにつれてモード間隔が増大する。重要な点は、この
曲線がピークを持つように見えることである。たとえ
ば、共振器長が300μmの場合には、5.2×1018
cm-3にそのピークがある。このピークの位置では、キ
ャリア密度の揺らぎによるビートパルスの繰返し周波数
の変動(ジッタ)が最小になることが期待できる。
【0214】(実施の形態3) (構成)図11を参照して、本発明に基づく実施の形態
3におけるレーザ装置の構成について説明する。このレ
ーザ装置は、基本的に実施の形態2で説明したものの構
成を踏襲しているが、非利得領域3にキャリアを注入す
るための電極である非利得領域電極5を備えている。
3におけるレーザ装置の構成について説明する。このレ
ーザ装置は、基本的に実施の形態2で説明したものの構
成を踏襲しているが、非利得領域3にキャリアを注入す
るための電極である非利得領域電極5を備えている。
【0215】(作用・効果)本実施の形態におけるレー
ザ装置においては、非利得領域電極5を用いて光導波層
にキャリアを注入することができる。キャリアの注入に
伴う自由キャリアのプラズマ効果により、共振器1内部
の屈折率が変化し、実質的な光路長を制御することがで
きる。
ザ装置においては、非利得領域電極5を用いて光導波層
にキャリアを注入することができる。キャリアの注入に
伴う自由キャリアのプラズマ効果により、共振器1内部
の屈折率が変化し、実質的な光路長を制御することがで
きる。
【0216】その結果、モード同期光パルス16の繰返
し周期を制御することができる。 (実施の形態4) (構成)図12を参照して、本発明に基づく実施の形態
4におけるレーザ装置の構成について説明する。このレ
ーザ装置は、基本的に実施の形態2で説明したものの構
成を踏襲しているが、反射ミラー4が、単なるミラーで
はなく、回折格子からなる分布ブラッグ反射ミラー4a
となっている。これらの分布ブラッグ反射ミラー4aの
上面においては、回折格子にキャリアを注入するための
電極である分布ブラッグ反射ミラー電極6が設けられて
いる。
し周期を制御することができる。 (実施の形態4) (構成)図12を参照して、本発明に基づく実施の形態
4におけるレーザ装置の構成について説明する。このレ
ーザ装置は、基本的に実施の形態2で説明したものの構
成を踏襲しているが、反射ミラー4が、単なるミラーで
はなく、回折格子からなる分布ブラッグ反射ミラー4a
となっている。これらの分布ブラッグ反射ミラー4aの
上面においては、回折格子にキャリアを注入するための
電極である分布ブラッグ反射ミラー電極6が設けられて
いる。
【0217】(作用・効果)本実施の形態におけるレー
ザ装置においては、分布ブラッグ反射ミラーの回折格子
4aの繰返し周期を選ぶことによりモード同期光パルス
の得られる波長を制御することができる。また、レーザ
装置の発光スペクトルを必要に応じて狭くすることがで
きる。さらに、分布ブラッグ反射ミラー電極6と負電極
12との間に順方向または逆方向のバイアスを印加する
ことにより、回折格子の反射スペクトルを変えることが
できるため、モード同期光パルスの得られる波長を必要
に応じて変えることができる。
ザ装置においては、分布ブラッグ反射ミラーの回折格子
4aの繰返し周期を選ぶことによりモード同期光パルス
の得られる波長を制御することができる。また、レーザ
装置の発光スペクトルを必要に応じて狭くすることがで
きる。さらに、分布ブラッグ反射ミラー電極6と負電極
12との間に順方向または逆方向のバイアスを印加する
ことにより、回折格子の反射スペクトルを変えることが
できるため、モード同期光パルスの得られる波長を必要
に応じて変えることができる。
【0218】実施の形態3,4において半導体を含む非
利得領域3に非利得領域電極5を設けることによって屈
折率を変化させること、実施の形態4における回折格子
の役割、および、実施の形態4において回折格子に分布
ブラッグ反射ミラー電極6を設けてキャリア注入により
屈折率を変えることによる効果について説明する。
利得領域3に非利得領域電極5を設けることによって屈
折率を変化させること、実施の形態4における回折格子
の役割、および、実施の形態4において回折格子に分布
ブラッグ反射ミラー電極6を設けてキャリア注入により
屈折率を変えることによる効果について説明する。
【0219】共振器長が長い場合、モード同期を得るた
めには、共振器の光軸方向の中央部に利得領域を限定す
ることが有効であることは、実施の形態2で示した。一
方、レーザのモード同期は、3次の光学的非線形性のた
めにファブリ・ペローモード間隔が一定となる現象であ
る。したがって、異なる光学的特性の媒質同士の境界が
共振器1内部に存在することで、各モードの同等性が損
なわれると、モード同期が発生しなくなるおそれがあ
る。以下では、この点について数値解析を行なって調べ
る。
めには、共振器の光軸方向の中央部に利得領域を限定す
ることが有効であることは、実施の形態2で示した。一
方、レーザのモード同期は、3次の光学的非線形性のた
めにファブリ・ペローモード間隔が一定となる現象であ
る。したがって、異なる光学的特性の媒質同士の境界が
共振器1内部に存在することで、各モードの同等性が損
なわれると、モード同期が発生しなくなるおそれがあ
る。以下では、この点について数値解析を行なって調べ
る。
【0220】半導体モード同期レーザを自由に作動させ
ると、注入電流を増加させるに従って、スペクトル幅が
広がり、パルス時間幅が数百フェムト秒のオーダーにな
る[Y. Nomura et al., Technical Report of IEICE (i
n Japanese), LQE99-8, 45 (1999); Y. Nomura, et a
l., in Abstracts in The 6th Internatiobal Workshop
on Femtosecond Technology, Chiba, July 1999]。モ
ード同期光パルスを、光ファイバに通すことで伝送する
ためには、分散によるパルスの時間幅の広がりを最小限
にするために、このスペクトルをより狭くする必要があ
る。そのために、分布ブラッグ反射ミラー(DBR:Di
stributed Bragg Reflector)4aを共振器1の両端に
組み込むことが有効である。
ると、注入電流を増加させるに従って、スペクトル幅が
広がり、パルス時間幅が数百フェムト秒のオーダーにな
る[Y. Nomura et al., Technical Report of IEICE (i
n Japanese), LQE99-8, 45 (1999); Y. Nomura, et a
l., in Abstracts in The 6th Internatiobal Workshop
on Femtosecond Technology, Chiba, July 1999]。モ
ード同期光パルスを、光ファイバに通すことで伝送する
ためには、分散によるパルスの時間幅の広がりを最小限
にするために、このスペクトルをより狭くする必要があ
る。そのために、分布ブラッグ反射ミラー(DBR:Di
stributed Bragg Reflector)4aを共振器1の両端に
組み込むことが有効である。
【0221】(計算)ファブリ・ペロー共振器構造が与
えられたとき、入射端から白色光を入射させると、その
透過率、反射率のスペクトルには、よく知られた周期構
造が現われる[M. Born and E. Wolf, Principles of O
ptics, Fourth Edition (Pergamon Press, New York, 1
970)]。長共振器のモードロックレーザを得るために、
区画された利得領域と、非利得領域としての透明領域と
を共振器の中に挿入したとき、透過率、反射率スペクト
ルがファブリ・ペロー構造の場合と比べて、どのように
異なるかを見ることによって誘電体の境界がモードに及
ぼす影響を調べることができる。
えられたとき、入射端から白色光を入射させると、その
透過率、反射率のスペクトルには、よく知られた周期構
造が現われる[M. Born and E. Wolf, Principles of O
ptics, Fourth Edition (Pergamon Press, New York, 1
970)]。長共振器のモードロックレーザを得るために、
区画された利得領域と、非利得領域としての透明領域と
を共振器の中に挿入したとき、透過率、反射率スペクト
ルがファブリ・ペロー構造の場合と比べて、どのように
異なるかを見ることによって誘電体の境界がモードに及
ぼす影響を調べることができる。
【0222】屈折率の異なる多層膜構造の場合、特性マ
トリクスを用いることによって透過率スペクトル、反射
率スペクトルを計算することができる[M. Born and E.
Wolf, Principles of Optics, Fourth Edition (Perga
mon Press, New York, 1970)]。いま、問題になるの
は、半導体レーザの導波光に対する透過率、反射率なの
で、導波光に対して特性マトリクス法を適用するため
に、まず、利得領域と透明領域における導波モードの実
効屈折率を計算する。この実効屈折率を多層薄膜の屈折
率と見なすことによって、特性マトリクス法を導波光に
適用する。このような取扱いは、光の電場の空間依存性
が進行方向とそれに直交する成分とに分離できるので正
当化できる。
トリクスを用いることによって透過率スペクトル、反射
率スペクトルを計算することができる[M. Born and E.
Wolf, Principles of Optics, Fourth Edition (Perga
mon Press, New York, 1970)]。いま、問題になるの
は、半導体レーザの導波光に対する透過率、反射率なの
で、導波光に対して特性マトリクス法を適用するため
に、まず、利得領域と透明領域における導波モードの実
効屈折率を計算する。この実効屈折率を多層薄膜の屈折
率と見なすことによって、特性マトリクス法を導波光に
適用する。このような取扱いは、光の電場の空間依存性
が進行方向とそれに直交する成分とに分離できるので正
当化できる。
【0223】DBRの構造も同様に、2種類の導波構造
に対する実効屈折率を予め波動方程式を解くことによっ
て求めておき、その2種類の屈折率薄膜の多層積層構造
と見なして特性マトリクスを計算する。
に対する実効屈折率を予め波動方程式を解くことによっ
て求めておき、その2種類の屈折率薄膜の多層積層構造
と見なして特性マトリクスを計算する。
【0224】(A. 定式化) (A.1 波動方程式)上記いずれの場合も想定してい
る光のエネルギに対して吸収は小さいので、屈折率は実
であると仮定する。導波光は、次の波動方程式を満た
す。
る光のエネルギに対して吸収は小さいので、屈折率は実
であると仮定する。導波光は、次の波動方程式を満た
す。
【0225】
【数83】
【0226】式(101)においてκ(y)は導波路構
造の比誘電率である。光はz方向に伝播するものとす
る。簡単のためにx方向には、場は一様であると仮定す
る。
造の比誘電率である。光はz方向に伝播するものとす
る。簡単のためにx方向には、場は一様であると仮定す
る。
【0227】(A.2 特性マトリクス)媒質2からな
る薄膜の屈折率をn2、厚さをh2とすると、垂直入射の
場合、その特性マトリクスM2は次のようになる。
る薄膜の屈折率をn2、厚さをh2とすると、垂直入射の
場合、その特性マトリクスM2は次のようになる。
【0228】
【数84】
【0229】ただし、
【0230】
【数85】
【0231】λは真空中での光の波長。多くの種類の媒
質からなる積層薄膜の特性マトリクスは、それぞれの特
性マトリクスの積によって得られる。
質からなる積層薄膜の特性マトリクスは、それぞれの特
性マトリクスの積によって得られる。
【0232】
【数86】
【0233】媒質2と媒質3からなる積層構造をさらに
N対積層したときの特性マトリクスの各要素は次のよう
になる。
N対積層したときの特性マトリクスの各要素は次のよう
になる。
【0234】
【数87】
【0235】ここにUN(a)は、第2種のチェビショ
フ(Chebyshev)多項式であり、
フ(Chebyshev)多項式であり、
【0236】
【数88】
【0237】となる。 (A.3 反射率と透過率)任意の光学的多層構造につ
いて、特性マトリクス
いて、特性マトリクス
【0238】
【数89】
【0239】が与えられたとき、その反射係数rと透過
係数tは次のようになる。
係数tは次のようになる。
【0240】
【数90】
【0241】ここにn1,nl(前者の添え字は算用数字
1であり、後者の添え字は筆記体小文字エルである。)
は、考えている多層構造の両端に接する半無限空間の屈
折率である。反射率Rと透過率Tとは、それぞれ
1であり、後者の添え字は筆記体小文字エルである。)
は、考えている多層構造の両端に接する半無限空間の屈
折率である。反射率Rと透過率Tとは、それぞれ
【0242】
【数91】
【0243】となる。 (B. 計算結果) (B.1 素子のヘテロ接合構造)計算で想定したレー
ザは、InP基板に格子整合するInGaAsP/In
Pヘテロ接合構造からなる多重量子井戸のSCH構造で
あって(表3:A利得領域)、1.55μm帯の波長で
発振する。砒素組成と屈折率との関係は[G. P. Agrawa
l and N. K. Dutta, Long-Wavelength Semiconductor L
asers, Van Nortstrand Reinhold Company, New York,
(1986)]に従った。透明領域は、利得領域構造において
多重量子井戸を、As組成が0.6431のInGaA
sPに置き換えたものである(表3:C透明領域)。D
BRは、透明領域(C)とそれに高屈折率層を装荷した
構造(表3:B透明領域)を共振器軸方向に周期的に配
置することによって構成する。作製プロセスによって
は、透明領域として表3のB透明領域を用いる方が簡単
である。以下の計算では、この場合を想定する。
ザは、InP基板に格子整合するInGaAsP/In
Pヘテロ接合構造からなる多重量子井戸のSCH構造で
あって(表3:A利得領域)、1.55μm帯の波長で
発振する。砒素組成と屈折率との関係は[G. P. Agrawa
l and N. K. Dutta, Long-Wavelength Semiconductor L
asers, Van Nortstrand Reinhold Company, New York,
(1986)]に従った。透明領域は、利得領域構造において
多重量子井戸を、As組成が0.6431のInGaA
sPに置き換えたものである(表3:C透明領域)。D
BRは、透明領域(C)とそれに高屈折率層を装荷した
構造(表3:B透明領域)を共振器軸方向に周期的に配
置することによって構成する。作製プロセスによって
は、透明領域として表3のB透明領域を用いる方が簡単
である。以下の計算では、この場合を想定する。
【0244】表に示した構造、A,B,C透明領域につ
いて、それぞれ式(101)を解いて実効屈折率を求め
ると、A:3.4284,B:3.4281,C:3.
4259となった。
いて、それぞれ式(101)を解いて実効屈折率を求め
ると、A:3.4284,B:3.4281,C:3.
4259となった。
【0245】(B.2 「1000μmの利得領域
(A)」からなる共振器の反射・透過スペクトル)図1
3(a),(b)に「1000μmの長さの利得領域
(表3:A利得領域)」からなる共振器の反射スペクト
ル、透過スペクトルをそれぞれ示す。波長が1.55μ
mの近傍では、すべてのモードに対する反射率と透過率
とがそれぞれほとんど同じで典型的なファブリ・ペロー
共振器のスペクトル形状を示している。反射率スペクト
ルと透過率スペクトルはR+T=1の関係にあるので、
以降反射スペクトルだけを示す。
(A)」からなる共振器の反射・透過スペクトル)図1
3(a),(b)に「1000μmの長さの利得領域
(表3:A利得領域)」からなる共振器の反射スペクト
ル、透過スペクトルをそれぞれ示す。波長が1.55μ
mの近傍では、すべてのモードに対する反射率と透過率
とがそれぞれほとんど同じで典型的なファブリ・ペロー
共振器のスペクトル形状を示している。反射率スペクト
ルと透過率スペクトルはR+T=1の関係にあるので、
以降反射スペクトルだけを示す。
【0246】(B.3 「250μmの透明領域(B)
+500μmの利得領域(A)+250μm(B)の透
明領域」からなる共振器の反射スペクトル)図14に
「250μmの透明領域(B)+500μmの利得領域
(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振器
の反射スペクトルを示す。光路長がわずかに異なること
による相違を除くと、このスペクトルは、図13(a)
の反射スペクトルと基本的に同じである。
+500μmの利得領域(A)+250μm(B)の透
明領域」からなる共振器の反射スペクトル)図14に
「250μmの透明領域(B)+500μmの利得領域
(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振器
の反射スペクトルを示す。光路長がわずかに異なること
による相違を除くと、このスペクトルは、図13(a)
の反射スペクトルと基本的に同じである。
【0247】
【表3】
【0248】(B.4 「270μmの透明領域(B)
+500μmの利得領域(A)+250μm(B)の透
明領域」からなる共振器の反射スペクトル)図15に
「270μmの透明領域(B)+500μmの利得領域
(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振器
の反射スペクトルを示す。これは、図14の場合に比べ
て、一方の透明領域が20μmだけ長くなった場合に相
当する。レーザを作製する際に、劈開によって切出すと
すると、共振器長にこの程度の不確定さが生じることは
避けられない。図15で、反射率の最小値、したがって
透過率の最大値が10%程度変動していることが見て取
れる。このような変動は、もちろんない方が好ましい
が、変動の大きさが10%の範囲内なら後に述べるよう
にDBR構造による反射率変化より十分小さいので、問
題にならないと判断できる。
+500μmの利得領域(A)+250μm(B)の透
明領域」からなる共振器の反射スペクトル)図15に
「270μmの透明領域(B)+500μmの利得領域
(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振器
の反射スペクトルを示す。これは、図14の場合に比べ
て、一方の透明領域が20μmだけ長くなった場合に相
当する。レーザを作製する際に、劈開によって切出すと
すると、共振器長にこの程度の不確定さが生じることは
避けられない。図15で、反射率の最小値、したがって
透過率の最大値が10%程度変動していることが見て取
れる。このような変動は、もちろんない方が好ましい
が、変動の大きさが10%の範囲内なら後に述べるよう
にDBR構造による反射率変化より十分小さいので、問
題にならないと判断できる。
【0249】(B.5 「透明領域(B)と透明領域
(C)との周期構造からなるDBR+250μmの透明
領域(B)+500μmの利得領域(A)+250μm
(B)の透明領域」からなる共振器の反射スペクトル)
図16〜図20に「透明領域(B)と透明領域(C)と
の周期構造からなるDBR+250μmの透明領域
(B)+500μmの利得領域(A)+250μm
(B)の透明領域」からなる共振器の反射スペクトルを
示す。それぞれDBRの対数が、(A)40,(B)5
00,(C)1000,(D)2000,(E)500
0の場合である。図21は、DBRの対数は2000対
であるが、一方の透明領域の長さが270μmとなった
場合の反射スペクトルである。
(C)との周期構造からなるDBR+250μmの透明
領域(B)+500μmの利得領域(A)+250μm
(B)の透明領域」からなる共振器の反射スペクトル)
図16〜図20に「透明領域(B)と透明領域(C)と
の周期構造からなるDBR+250μmの透明領域
(B)+500μmの利得領域(A)+250μm
(B)の透明領域」からなる共振器の反射スペクトルを
示す。それぞれDBRの対数が、(A)40,(B)5
00,(C)1000,(D)2000,(E)500
0の場合である。図21は、DBRの対数は2000対
であるが、一方の透明領域の長さが270μmとなった
場合の反射スペクトルである。
【0250】図16〜図20を参照すれば、対数が増す
につれて、反射スペクトルがピークを持ち、次第にその
高さが高くなるとともにその幅が狭くなることがわか
る。対数が2000対(図19参照)までは、ファブリ
・ペロー・モードが区別できるが、5000対(図20
参照)では、いわゆるストップ・バンドの中には、ファ
ブリ・ペロー・モードはない。2000対がファブリ・
ペローモードが区別できる対数の上限に近い。この場
合、3本のファブリーペロモードが同時に発振すること
が予想できる。これらがモード同期して発振するとすれ
ば、TL(TransferLimit)限界(δtδf≦0.3
6)を仮定すると4.8psのパルス幅となる。
につれて、反射スペクトルがピークを持ち、次第にその
高さが高くなるとともにその幅が狭くなることがわか
る。対数が2000対(図19参照)までは、ファブリ
・ペロー・モードが区別できるが、5000対(図20
参照)では、いわゆるストップ・バンドの中には、ファ
ブリ・ペロー・モードはない。2000対がファブリ・
ペローモードが区別できる対数の上限に近い。この場
合、3本のファブリーペロモードが同時に発振すること
が予想できる。これらがモード同期して発振するとすれ
ば、TL(TransferLimit)限界(δtδf≦0.3
6)を仮定すると4.8psのパルス幅となる。
【0251】図21では、図19と同様に3本のモード
が高反射率を持つが、反射率の高さが対称ではない。透
明領域の長さの非対称性のためである。透明領域にキャ
リアを注入することによって、
が高反射率を持つが、反射率の高さが対称ではない。透
明領域の長さの非対称性のためである。透明領域にキャ
リアを注入することによって、
【0252】
【数92】
【0253】の位相補償が可能である。ここにdは、B
領域の長さ、
領域の長さ、
【0254】
【数93】
【0255】はキャリア注入による屈折率変化である。
キャリア注入によって、
キャリア注入によって、
【0256】
【数94】
【0257】の屈折率変化が可能ならば、完全な位相補
償が実現する。なお、今回開示した上記実施の形態はす
べての点で例示であって制限的なものではない。本発明
の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によっ
て示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内で
のすべての変更を含むものである。
償が実現する。なお、今回開示した上記実施の形態はす
べての点で例示であって制限的なものではない。本発明
の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によっ
て示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内で
のすべての変更を含むものである。
【0258】
【発明の効果】本発明によれば、数値解析によっても裏
付けられているように、共振器の内部全体を利得領域と
した場合に、FMMLで発振するような共振器長のレー
ザ装置においても、AMMLでの発振を得ることができ
る。特に共振器長が長い場合には、共振器の内部全体を
利得領域とした場合に、FMMLで発振する傾向がある
ため、本発明を適用することによってAMMLの状態を
得ることの効果は大きい。AMMLの状態とすることに
よって高い光パルスを得ることができ、光伝送の超高速
化・超大容量化に大いに貢献することができる。
付けられているように、共振器の内部全体を利得領域と
した場合に、FMMLで発振するような共振器長のレー
ザ装置においても、AMMLでの発振を得ることができ
る。特に共振器長が長い場合には、共振器の内部全体を
利得領域とした場合に、FMMLで発振する傾向がある
ため、本発明を適用することによってAMMLの状態を
得ることの効果は大きい。AMMLの状態とすることに
よって高い光パルスを得ることができ、光伝送の超高速
化・超大容量化に大いに貢献することができる。
【図1】 本発明に基づく実施の形態1におけるレーザ
装置の概念図である。
装置の概念図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態2におけるレーザ
装置の断面図である。
装置の断面図である。
【図3】 本発明に基づく実施の形態2における、活性
領域でのポテンシャルと擬フェルミエネルギの空間分布
を示すグラフである。
領域でのポテンシャルと擬フェルミエネルギの空間分布
を示すグラフである。
【図4】 本発明に基づく実施の形態2における、1次
の利得と分散のスペクトルを示すグラフである。
の利得と分散のスペクトルを示すグラフである。
【図5】 本発明に基づく実施の形態2における、離調
項とロッキング係数の比d/lのスペクトルを示すグラ
フである。
項とロッキング係数の比d/lのスペクトルを示すグラ
フである。
【図6】 本発明に基づく実施の形態2における、ロッ
キング係数lのスペクトルを示すグラフである。
キング係数lのスペクトルを示すグラフである。
【図7】 (a)は、共振器長300μmの半導体レー
ザを41kA/cm 2の電流密度でパルス駆動したとき
のスペクトルを示すグラフである。(b)は、得られた
計算結果の3本のモードのスペクトルを示すグラフであ
る。(c)は、600μmの共振器長のレーザに関する
実験結果を示すグラフである。(d)は、600μmの
共振器長のレーザに関する計算結果を示すグラフであ
る。
ザを41kA/cm 2の電流密度でパルス駆動したとき
のスペクトルを示すグラフである。(b)は、得られた
計算結果の3本のモードのスペクトルを示すグラフであ
る。(c)は、600μmの共振器長のレーザに関する
実験結果を示すグラフである。(d)は、600μmの
共振器長のレーザに関する計算結果を示すグラフであ
る。
【図8】 (a)は、共振器長が300μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示すグラ
フである。(b)は、共振器長が400μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示すグラ
フである。(c)は、共振器長が500μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示すグラ
フである。(d)は、共振器長が600μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示すグラ
フである。
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示すグラ
フである。(b)は、共振器長が400μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示すグラ
フである。(c)は、共振器長が500μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示すグラ
フである。(d)は、共振器長が600μmの場合につ
いて、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d/l
|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示すグラ
フである。
【図9】 (a)は、共振器長が1083.6μmであ
って、不均一励起構造とした場合の、デバイスの定常発
振時のキャリア密度と|d/l|<1,l<0となるス
ペクトル範囲の関係を示すグラフである。(b)は、共
振器長が1083.6μmであって、均一励起構造とし
た場合の、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d
/l|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示す
グラフである。
って、不均一励起構造とした場合の、デバイスの定常発
振時のキャリア密度と|d/l|<1,l<0となるス
ペクトル範囲の関係を示すグラフである。(b)は、共
振器長が1083.6μmであって、均一励起構造とし
た場合の、デバイスの定常発振時のキャリア密度と|d
/l|<1,l<0となるスペクトル範囲の関係を示す
グラフである。
【図10】 (a)〜(f)は、計算の結果得られたモ
ード間隔のキャリア密度依存性をそれぞれ示すグラフで
ある。
ード間隔のキャリア密度依存性をそれぞれ示すグラフで
ある。
【図11】 本発明に基づく実施の形態3におけるレー
ザ装置の断面図である。
ザ装置の断面図である。
【図12】 本発明に基づく実施の形態4におけるレー
ザ装置の断面図である。
ザ装置の断面図である。
【図13】 (a)は、1000μmの長さの利得領域
(表3:A利得領域)からなる共振器の反射スペクトル
を示すグラフである。(b)は、1000μmの長さの
利得領域(表3:A利得領域)からなる共振器の透過ス
ペクトルを示すグラフである。
(表3:A利得領域)からなる共振器の反射スペクトル
を示すグラフである。(b)は、1000μmの長さの
利得領域(表3:A利得領域)からなる共振器の透過ス
ペクトルを示すグラフである。
【図14】 「250μmの透明領域(B)+500μ
mの利得領域(A)+250μm(B)の透明領域」か
らなる共振器の反射スペクトルを示すグラフである。
mの利得領域(A)+250μm(B)の透明領域」か
らなる共振器の反射スペクトルを示すグラフである。
【図15】 「270μmの透明領域(B)+500μ
mの利得領域(A)+250μm(B)の透明領域」か
らなる共振器の反射スペクトルを示すグラフである。
mの利得領域(A)+250μm(B)の透明領域」か
らなる共振器の反射スペクトルを示すグラフである。
【図16】 DBRの対数が40対の場合の「透明領域
(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDBR+
250μmの透明領域(B)+500μmの利得領域
(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振器
の反射スペクトルを示すグラフである。
(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDBR+
250μmの透明領域(B)+500μmの利得領域
(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振器
の反射スペクトルを示すグラフである。
【図17】 DBRの対数が500対の場合の「透明領
域(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDBR
+250μmの透明領域(B)+500μmの利得領域
(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振器
の反射スペクトルを示すグラフである。
域(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDBR
+250μmの透明領域(B)+500μmの利得領域
(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振器
の反射スペクトルを示すグラフである。
【図18】 DBRの対数が1000対の場合の「透明
領域(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDB
R+250μmの透明領域(B)+500μmの利得領
域(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振
器の反射スペクトルを示すグラフである。
領域(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDB
R+250μmの透明領域(B)+500μmの利得領
域(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振
器の反射スペクトルを示すグラフである。
【図19】 DBRの対数が2000対の場合の「透明
領域(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDB
R+250μmの透明領域(B)+500μmの利得領
域(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振
器の反射スペクトルを示すグラフである。
領域(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDB
R+250μmの透明領域(B)+500μmの利得領
域(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振
器の反射スペクトルを示すグラフである。
【図20】 DBRの対数が5000対の場合の「透明
領域(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDB
R+250μmの透明領域(B)+500μmの利得領
域(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振
器の反射スペクトルを示すグラフである。
領域(B)と透明領域(C)との周期構造からなるDB
R+250μmの透明領域(B)+500μmの利得領
域(A)+250μm(B)の透明領域」からなる共振
器の反射スペクトルを示すグラフである。
【図21】 DBRの対数が2000対であって、一方
の透明領域の長さが270μmとなった場合の反射スペ
クトルを示すグラフである。
の透明領域の長さが270μmとなった場合の反射スペ
クトルを示すグラフである。
1 共振器、2 利得領域、3 非利得領域、4 反射
ミラー、4a 分布ブラッグ反射ミラー、5 非利得領
域電極、6 分布ブラッグ反射ミラー電極、10 励起
源、11 正電極、12 負電極、13 pクラッド
層、14 nクラッド層、15 活性領域、16 モー
ド同期光パルス。
ミラー、4a 分布ブラッグ反射ミラー、5 非利得領
域電極、6 分布ブラッグ反射ミラー電極、10 励起
源、11 正電極、12 負電極、13 pクラッド
層、14 nクラッド層、15 活性領域、16 モー
ド同期光パルス。
Claims (6)
- 【請求項1】 共振器と、 利得領域励起手段とを備え、 前記共振器は、 光励起および電流注入からなる群から選ばれた少なくと
も1つの方法によって反転分布が得られる領域である利
得領域と、 レーザ発振する光に対して利得が正でない領域である非
利得領域と、 2つの反射ミラーとを含み、 前記利得領域は、前記共振器の光軸に沿った方向に沿っ
た中央部に、前記共振器の光路長の略1/2の光路長を
有するように配置され、 前記非利得領域は、前記共振器の光軸に沿った方向に沿
った前記利得領域の両側にそれぞれ配置され、 前記2つの反射ミラーは、前記共振器の光軸に沿った方
向に沿った前記非利得領域のさらに外側にそれぞれ配置
され、 前記利得領域励起手段は、前記利得領域を励起状態とす
るためのものである、レーザ装置。 - 【請求項2】 前記利得領域が半導体を含み、前記非利
得領域が誘電体を含む、請求項1に記載のレーザ装置。 - 【請求項3】 前記利得領域が半導体を含み、前記非利
得領域が半導体を含む、請求項1に記載のレーザ装置。 - 【請求項4】 前記非利得領域にキャリアを注入するこ
とと、前記非利得領域に逆バイアスを印加することとの
うち、少なくとも一方を行なうための非利得領域電極を
備えた、請求項3に記載のレーザ装置。 - 【請求項5】 前記反射ミラーのうち少なくとも一方は
分布ブラッグ反射ミラーである、請求項1から4のいず
れかに記載のレーザ装置。 - 【請求項6】 前記分布ブラッグ反射ミラーの周期構造
に電流を注入することと、前記分布ブラッグ反射ミラー
の周期構造に逆バイアスを印加することとのうち、少な
くとも一方を行なうことによって反射スペクトルを変化
させるための分布ブラッグ反射ミラー電極を備える、請
求項5に記載のレーザ装置。
Priority Applications (2)
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JP2000279529A JP2002094176A (ja) | 2000-09-14 | 2000-09-14 | レーザ装置 |
US09/864,331 US6614817B2 (en) | 2000-09-14 | 2001-05-25 | Laser apparatus |
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JP2000279529A JP2002094176A (ja) | 2000-09-14 | 2000-09-14 | レーザ装置 |
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JP2000279529A Withdrawn JP2002094176A (ja) | 2000-09-14 | 2000-09-14 | レーザ装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2002094176A (ja) |
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-
2000
- 2000-09-14 JP JP2000279529A patent/JP2002094176A/ja not_active Withdrawn
-
2001
- 2001-05-25 US US09/864,331 patent/US6614817B2/en not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
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