JP2002093681A - 電子線照射装置、アウトガス捕集方法及びガス分析方法 - Google Patents

電子線照射装置、アウトガス捕集方法及びガス分析方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子線をレジスト膜に全面に照射したときに
レジスト膜から放出されるアウトガスを捕集して分析で
きるようにする。 【解決手段】 内部が真空状態に保持されるチャンバー
10内の底部にはステージ11が設けられ、該ステージ
11は表面にレジスト膜が形成されている半導体基板1
2を保持する。チャンバー10内の頂部には電子線源1
3が設けられ、該電子線源13は電子線14を半導体基
板12の上のレジスト膜の全面に照射する。チャンバー
10の側部にはガス捕集管15が設けられ、レジスト膜
から放出されるアウトガスはガス捕集管15の活性炭に
吸着される。ガス捕集管15におけるチャンバー10の
反対側にはアウトガスを分析するガスクロマトグラフマ
ススペクトロメーター16が設けられており、ガス捕集
管15の活性炭から脱離するアウトガスの成分は定量的
又は定性的に解析される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造プ
ロセスにおける電子ビームリソグラフィ工程で用いられ
る、電子線照射装置、アウトガス捕集方法及びガス分析
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路を構成する半導体素子の
微細化に伴って、配線のパターン寸法の一層微細化が求
められており、一層微細なパターンを加工するために
は、露光光として、従来から用いられている紫外線より
も波長が短い短波長光、例えば電子線の使用が検討され
ている。
【0003】電子源から放出される電子ビームをレジス
ト膜に照射してレジストパターンを形成する技術である
電子ビームリソグラフィにおいては、スループット及び
解像性の点で優れている電子ビーム投影露光方式(例え
ば、H.C.Preiffer et al., J.Vac.Sci.Technol., B17
(6), 2840 (1999))が期待されている。この露光方式
は、通常100keV程度の高加速のエネルギーを用い
るため、電子の前方散乱の影響が少ないので、解像性に
優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電子ビーム
をレジスト膜に照射したときにレジスト膜からアウトガ
ス(レジスト膜における脱ガス現象によってレジスト膜
から放出されるガス)が発生し、該アウトガスが電子ビ
ームのエネルギーを吸収するので、電子ビームのエネル
ギーが変動するという問題がある。
【0005】ところで、F2 レーザ光を用いるリソグラ
フィにおいては、レジスト膜からのアウトガスは露光装
置の光学系にダメージを与えるため、アウトガスの測定
及び分析が行われている(例えば、R.R.Kunz et al.,
J.Vac.Sci.Technol., B17(6),3330 (1999))。
【0006】しかしながら、電子線リソグラフィにおい
ては、レジスト膜からのアウトガスの影響を定性的又は
定量的に把握する装置は存在しない。
【0007】これは、通常の電子ビーム描画装置を用い
る露光方法においては、ガスクロマトグラフィ分析を行
なうために必要なガスを捕集するためには、極めて長い
露光時間が必要になり、実用的ではないということに起
因する。また、電子ビーム描画装置においては、アウト
ガスを捕集するガス捕集管及びアウトガスを分析するガ
ス分析装置を備えることは構造上難しいので、ガス捕集
管及びガス分析装置を備えた装置は実現されていない。
【0008】ところで、本願発明の対象となる電子線照
射装置、つまり電子線をレジスト膜に全面に照射する装
置としては、電子線の照射に伴うレジスト膜の物性変化
を測定する装置は提案されているが、レジスト膜から発
生するアウトガスを捕集する装置又はアウトガスを分析
する装置を備えた電子線照射装置は現在のところ提案さ
れていない。
【0009】このため、電子線照射装置においては、レ
ジスト膜から発生するアウトガスを捕集することができ
ないと共にアウトガスを分析することもできないのが実
状である。
【0010】前記に鑑み、本発明は、電子線をレジスト
膜に全面的に照射する電子線照射装置においてレジスト
膜から発生するアウトガスを捕集できるようにすること
を第1の目的とし、レジスト膜から発生するアウトガス
を分析できるようにすることを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の第1の目的を達成
するため、本発明に係る第1の電子線照射装置は、チャ
ンバーの内部に設けられ、表面にレジスト膜が形成され
ている半導体基板を保持する基板ホルダーと、レジスト
膜の全面に電子線を照射する電子線照射手段と、チャン
バーに設けられ、電子線が照射されたときにレジスト膜
から放出されるアウトガスを捕集するガス捕集手段とを
備えている。
【0012】本発明に係る第1の電子線照射装置による
と、電子線が照射されたときにレジスト膜から放出され
るアウトガスを捕集するガス捕集手段を備えているた
め、電子線照射装置によりレジスト膜の全面に電子線を
照射したときにレジスト膜から放出されるアウトガスを
ガス捕集手段により捕集することができる。
【0013】本発明に係る第1の電子線照射装置は、ガ
ス捕集手段に捕集されたアウトガスの成分を分析するガ
ス分析手段をさらに備えていることが好ましい。
【0014】このようにすると、ガス捕集手段により捕
集されたアウトガスの成分を定性分析又は定量分析する
ことができる。
【0015】前記第2の目的を達成するため、本発明に
係る第2の電子線照射装置は、チャンバーの内部に設け
られ、表面にレジスト膜が形成されている半導体基板を
保持する基板ホルダーと、レジスト膜の全面に電子線を
照射する電子線照射手段と、チャンバーに設けられ、電
子線が照射されたときにレジスト膜から放出されるアウ
トガスの成分を分析するガス分析手段とを備えている。
【0016】本発明に係る第2の電子線照射装置による
と、電子線が照射されたときにレジスト膜から放出され
るアウトガスの成分を分析するガス分析手段を備えてい
るため、電子線照射装置によりレジスト膜の全面に電子
線を照射したときにレジスト膜から放出されるアウトガ
スの成分を定性分析又は定量分析することができる。
【0017】前記第1の目的を達成するため、本発明に
係るアウトガス捕集方法は、表面にレジスト膜が形成さ
れている半導体基板をチャンバー内に保持する工程と、
レジスト膜の全面に電子線を照射する工程と、電子線が
照射されたときにレジスト膜から放出されるアウトガス
を捕集する工程とを備えている。
【0018】本発明に係る脱ガス捕集方法によると、レ
ジスト膜の全面に電子線を照射したときにレジスト膜か
ら放出されるアウトガスを捕集することができる。
【0019】前記第2の目的を達成するため、本発明に
係る第1のガス分析方法は、表面にレジスト膜が形成さ
れている半導体基板をチャンバー内に保持する工程と、
レジスト膜の全面に電子線を照射する工程と、電子線が
照射されたときにレジスト膜から放出されるアウトガス
を捕集する工程と、捕集されたアウトガスの成分を分析
する工程とを備えている。
【0020】本発明に係る第1の脱ガス分析方法による
と、電子線が照射されたときにレジスト膜から放出され
るアウトガスを捕集すると共に、捕集されたアウトガス
の成分を定性分析又は定量分析することができる。
【0021】前記第2の目的を達成するため、本発明に
係る第2の脱ガス分析方法は、表面にレジスト膜が形成
されている半導体基板をチャンバー内に保持する工程
と、レジスト膜の全面に電子線を照射する工程と、電子
線が照射されたときにレジスト膜から放出されるアウト
ガスの成分を分析する工程とを備えている。
【0022】本発明に係る第2の脱ガス分析方法による
と、電子線が照射されたときにレジスト膜から放出され
るアウトガスの成分を定性分析又は定量分析することが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態に係る、電子線照射装置、アウトガス
ガス捕集方法及びガス分析方法について、図1を参照し
ながら説明する。
【0024】図1に示すように、内部が真空状態に保持
されるチャンバー10内の底部には、基板ホルダーとし
てのステージ11が設けられており、該ステージ11
は、表面にレジスト膜が形成されている半導体基板12
を保持する。尚、レジスト膜の種類及び厚さについて
は、特に限定されないが、例えば化学増幅型レジストか
らなり0.7μmの厚さを有するレジスト膜を形成する
ことができる。
【0025】チャンバー10内の頂部、つまりステージ
11と対向する部位には、電子線照射手段としての電子
線源13が設けられており、該電子線源13は、例えば
10keVの電子線14を例えば5分間に亘って、半導
体基板12の上のレジスト膜の全面に照射する。
【0026】チャンバー10の側部には、ガス捕集手段
としてのガス捕集管15が設けられており、該ガス捕集
管15の内部には例えば活性炭が収納されている。従っ
て、電子線源13を半導体基板12の上のレジスト膜に
照射したときに、該レジスト膜から放出されるアウトガ
スはガス捕集管15の活性炭に吸着される。また、ガス
捕集管15を例えば400℃程度の温度に加熱すると、
アウトガスは活性炭から脱離する。
【0027】ガス捕集管15におけるチャンバー10の
反対側には、ガス捕集管15に捕集されたアウトガスを
分析するガス分析手段としてのガスクロマトグラフマス
スペクトロメーター(GC−MS)16が設けられてお
り、ガスクロマトグラフマススペクトロメーター16に
より、ガス捕集管15の活性炭から脱離するアウトガス
の成分、例えば主成分であるイソブテンを定量的又は定
性的に解析することができる。
【0028】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態に係る、電子線照射装置及びガス分析方法につ
いて、図2を参照しながら説明する。
【0029】図2に示すように、内部が真空状態に保持
されるチャンバー20内の底部には、基板ホルダーとし
てのステージ21が設けられており、該ステージ21
は、表面にレジスト膜が形成されている半導体基板22
を保持する。尚、レジスト膜の種類及び厚さについて
は、特に限定されないが、例えば化学増幅型レジストか
らなり0.7μmの厚さを有するレジスト膜を形成する
ことができる。
【0030】チャンバー20内の頂部、つまりステージ
21と対向する部位には、電子線照射手段としての電子
線源23が設けられており、該電子線源23は、例えば
10keVの電子線24を例えば5分間に亘って、半導
体基板22の上のレジスト膜の全面に照射する。
【0031】チャンバー20の側部には、電子線源23
を半導体基板22の上のレジスト膜に照射したときに該
レジスト膜から放出されるアウトガスを分析するガス分
析手段としてのガスクロマトグラフマススペクトロメー
ター(GC−MS)25が設けられており、ガスクロマ
トグラフマススペクトロメーター25により、レジスト
膜から放出されるアウトガスの成分、例えば主成分であ
るイソブテンを定量的又は定性的に解析することができ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る第1の電子線照射装置又は
本発明に係るアウトガス捕集方法によると、電子線をレ
ジスト膜の全面に照射したときにレジスト膜から放出さ
れるアウトガスを確実に捕集することができる。
【0033】本発明に係る第2の電子線照射装置又は本
発明に係る第1若しくは第2のガス分析方法によると、
電子線が照射されたときにレジスト膜から放出されるア
ウトガスの成分を確実に分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子線照射装置
の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る電子線照射装置
の断面図である。
【符号の説明】
10 チャンバー 11 ステージ(基板ホルダー) 12 半導体基板 13 電子線源(電子線照射手段) 14 電子線 15 ガス捕集管(ガス捕集手段) 16 ガスクロマトグラフマススペクトロメーター(ガ
ス分析手段) 20 チャンバー 21 ステージ(基板ホルダー) 22 半導体基板 23 電子線源(電子線照射手段) 24 電子線 26 ガスクロマトグラフマススペクトロメーター(ガ
ス分析手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバーの内部に設けられ、表面にレ
    ジスト膜が形成されている半導体基板を保持する基板ホ
    ルダーと、 前記レジスト膜の全面に電子線を照射する電子線照射手
    段と、 前記チャンバーに設けられ、前記電子線が照射されたと
    きに前記レジスト膜から放出されるアウトガスを捕集す
    るガス捕集手段とを備えていることを特徴とする電子線
    照射装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス捕集手段に捕集された前記アウ
    トガスの成分を分析するガス分析手段をさらに備えてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子線照射装置。
  3. 【請求項3】 チャンバーの内部に設けられ、表面にレ
    ジスト膜が形成されている半導体基板を保持する基板ホ
    ルダーと、 前記レジスト膜の全面に電子線を照射する電子線照射手
    段と、 前記チャンバーに設けられ、前記電子線が照射されたと
    きに前記レジスト膜から放出されるアウトガスの成分を
    分析するガス分析手段とを備えていることを特徴とする
    電子線照射装置。
  4. 【請求項4】 表面にレジスト膜が形成されている半導
    体基板をチャンバー内に保持する工程と、 前記レジスト膜の全面に電子線を照射する工程と、 前記電子線が照射されたときに前記レジスト膜から放出
    されるアウトガスを捕集する工程とを備えていることを
    特徴とするアウトガス捕集方法。
  5. 【請求項5】 表面にレジスト膜が形成されている半導
    体基板をチャンバー内に保持する工程と、 前記レジスト膜の全面に電子線を照射する工程と、 前記電子線が照射されたときに前記レジスト膜から放出
    されるアウトガスを捕集する工程と、 捕集された前記アウトガスの成分を分析する工程とを備
    えていることを特徴とする脱ガス分析方法。
  6. 【請求項6】 表面にレジスト膜が形成されている半導
    体基板をチャンバー内に保持する工程と、 前記レジスト膜の全面に電子線を照射する工程と、 前記電子線が照射されたときに前記レジスト膜から放出
    されるアウトガスの成分を分析する工程とを備えている
    ことを特徴とする脱ガス分析方法。
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