JP2002093363A - ランプ用電極と該電極を使用した高圧水銀ランプ - Google Patents

ランプ用電極と該電極を使用した高圧水銀ランプ

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JP2002093363A
JP2002093363A JP2000273913A JP2000273913A JP2002093363A JP 2002093363 A JP2002093363 A JP 2002093363A JP 2000273913 A JP2000273913 A JP 2000273913A JP 2000273913 A JP2000273913 A JP 2000273913A JP 2002093363 A JP2002093363 A JP 2002093363A
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lamp
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pressure mercury
lighting
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Atsuji Nakagawa
敦二 中川
Tomihiko Ikeda
富彦 池田
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Phoenix Electric Co Ltd
Original Assignee
Phoenix Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率と長寿命とフリッカーレスのいずれの
性能も満足する光源を提供する。 【解決手段】 太径の電極ヘッド(6)と、電極ヘッド(6)
から一体的に突設された細径の電極軸(7)とで構成され
たランプ用電極(E)であって、(b) 前記電極軸(7)の反
対側に位置する電極ヘッド(6)の先端部分が、先端に行
く程次第に細くなる略円錐台状に形成され且つ前記円錐
台部分(62)の先端が球面に形成されている事を特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なランプ用電
極及び該電極を使用した高圧水銀ランプに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、プロジェクター用光源として、更
なる高効率と長寿命並びにフリッカーレスを実現した高
圧水銀ランプの要求が高まってきている。この要求に対
し、高効率、長寿命及びフリッカーレスとの間には、何
れかの性能を優先して向上させると他の性能が低下する
というトレードオフの関係があり、これら3つの要求を
全て同時に満足する高圧水銀ランプは現時点では完成す
るに至っていない。
【0003】高圧水銀ランプを高効率とするために、光
源の水銀密度は0.2mg/mm3以上とされ、そのアークの輝
点温度は7500kにも達する。通常、水銀密度が0.1mg/mm
3程度の光源では、輝度温度は6000k程度である。従っ
て、輝度温度が7500k以上にも達する高効率の高圧水銀
ランプランプの電極(交流の場合は両電極、直流の場合
は陰極)の放電起点部分にかかる熱的負担は非常に過酷
なものであり、過酷なこの熱的負担により電極の放電起
点近傍が溶融し、多くのタングステンが蒸発すると同時
に放電起点近傍の形状変形、例えば尖っていた電極の先
端部分が溶けて表面張力で丸くなると言うような形状変
形を引き起こす事になる。また、蒸発した多くのタング
ステンは放電容器の内面に付着して早期の黒化を招き、
早期の光量減衰を招く。これがランプの短寿命の1つの
原因である。
【0004】まず、黒化問題については、例えば黒化防
止の目的で前述のように多量に蒸発するタングステンを
輸送するのに見合う多量のハロゲンを封入しなければな
らないが、そのハロゲン濃度は4×10-3μmol/mm3
の多量に至る。そのため点灯時、電極容器内の対流によ
るアークの揺らぎが見られ、これを原因とするフリッカ
がスクリーン上で確認される。
【0005】又、前述のように電極先端部の消耗や形状
変形が激しく、初期に設定された対向電極間の放電距離
が早期に広がると、リフレクターとの組み合わせで有効
利用できる光量が極端に減り、前述同様早期の光量減衰
を招く事にもなる。更に詳述すれば、ある種の光学機器
では、LCDパネルと呼ばれる光が通過する開口部があ
り、LCDパネルの画像がスクリーン上に映し出され
る。従って、光源から出た光の内、有効利用される光は
LCDパネルの開口部を通過するものだけであり、それ
以外の光はLCDパネルの開口部を通過せず、スクリー
ン上に到達しないので、無意味になる。前述のように放
電距離が広がるとLCDパネルの開口部を通過しない光
が増加し、スクリーンが暗くなる現象である。
【0006】また、電極消耗問題については、図6に示
すように電極(e)の細い電極棒(26)の先端に巻着された
ヒートシンクとしての働きをなすタングステンコイル(2
6a)を大きくして熱容量を多く取り、タングステン蒸発
を少なくする対策も取られている。しかしこの対策では
放電開始初期段階において、エッジを有し、質量の小さ
いコイルの巻き開始或いは巻き終わり端部(26b)からの
放電開始が特に見られる。このことはタングステンコイ
ル(26a)の当該部分(26b)のタングステン蒸発を促進する
ことになり、コイル巻きによる対策は、放電容器の黒化
問題の解決策としては決定的なものとはならなかった。
【0007】電極消耗問題に対するその他の試みについ
ては、図7のように電極ヘッド(36)のみ直径を大きく
し、電極ヘッド(36)を太径の円柱状とする方法も取られ
て来たが、電極ヘッド(36)の対向面が平面であるため放
電起点(37)が常に大きな対向平面(38)上を動き回り、こ
れがアークの揺らぎとなりスクリーン上のチラツキとな
って現れ、この場合も好ましい対策といえなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の解決課
題は、高効率と長寿命とフリッカーレスのいずれの性能
も同時に満足するような高圧水銀ランプ用の新規な電極
を開発する事にあり、第2の解決課題は該電極を使用す
る事で高効率と長寿命とフリッカーレスのいずれの性能
も同時に満足する高圧水銀ランプを開発する事である。
【0009】
【課題を解決するための手段】「請求項1」は、本発明
にかかるランプ用電極(E)の基本形で、「(a) 太径の電
極ヘッド(6)と、電極ヘッド(6)から一体的に突設された
細径の電極軸(7)とで構成されたランプ用電極(E)であっ
て、(b) 前記電極軸(7)の反対側に位置する電極ヘッド
(6)の先端部分が、先端に行く程次第に細くなる略円錐
台状に形成され且つ前記円錐台部分(62)の先端が球面に
形成されている」事を特徴とする。
【0010】電極ヘッド(6)の先端部分が略円錐台状に
形成されておれば、電極ヘッド(6)はヒートシンクとし
て十分な質量を保持しつつ先端の円錐台部分(62)によっ
てアークの放電起点(11)が位置する円錐台部分(62)の先
端の球面部分(63)の面積が絞られ且つ発生起点(11)が球
面部分(63)に限定されやすくなりアークが安定する事に
なる。なお、球面部分(63)の形状としては、例えば、成
形状態によって図3のように先端の球面部分(63)が球又
は回転楕円体の一部のような場合、図4のように半球の
場合、図5のように球体部分が飛び出し基部(64)が絞ら
れて一部が円錐台部分(62)に一体的に接続しているよう
な場合がある。勿論、それ以外の場合も含む。球面部分
(63)の熱伝達の面から考えると図3,4の場合が好まし
い。
【0011】「請求項2」は、請求項1の円錐台部分(6
2)のテーパ角度(θ)に関し、「前記円錐台部分(62)のテ
ーパ角度(θ)が20°〜60°となっている」事を特徴とす
る。テーパ角度(θ)が20°以下の場合、円錐台部分(62)
が細長くなり過ぎ点灯中に円錐台部分(62)の先端部分が
溶けて電極間距離が拡大する。逆に、テーパ角度(θ)が
60°以上の場合、円錐台部分(62)が短すぎ、円錐台部分
(62)にアークが飛ぶ事があり、アークの安定性に問題が
生じる。テーパ角度(θ)が前記範囲にある場合、アーク
はがほぼ球面部分(63)に安定して発生する。前記範囲に
する事で電極ヘッド(6)の円錐台部分(62)の溶融や蒸発
が抑制され、安定した点灯状態が得られる。
【0012】「請求項3」は、請求項1又は2の球面部
分の最大直径とランプ電力との関係に関し「前記関係
が、0.0015≦(d1)/(W)≦0.005である」事を特徴とす
る。球面部分(63)の最大直径(d1)とランプ電力(W)の関
係は、ランプ電力(W)に対して球面部分(63)の最大直径
(d1)が過小であると、点灯時、球面部分(63)が溶けて電
極間距離が大きくなりアークが不安定になったり、電極
構成物質の蒸発量が増大して黒化を招くなどの問題が発
生する。一方、ランプ電力(W)に対して球面部分(63)の
最大直径(d1)が過大であると、アークの発生起点(11)が
一定せず球面部分(63)を移動し、チラツキの原因にな
る。「(d1)/(W)」が前記範囲にある場合、アークが安
定し且つ電極ヘッド(6)の円錐台部分(62)の溶融や蒸発
が抑制され、安定した点灯状態が得られる。
【0013】「請求項4」は、前記ランプ用電極(E)を
使用した交流点灯用高圧水銀ランプ(A1)に関し「図1参
照」、放電容器(2)の両端に封止部(3)(4)を有する外囲
器(1)と、前記放電容器(2)の内部に電極ヘッド(6)が対
向するように配設され、前記電極ヘッド(6)から一体的
に導出され、封止部(3)(4)に埋入された細径の電極軸
(7)とで構成された請求項1乃至3の何れかに記載のラ
ンプ用電極(E)とを有する交流点灯用高圧水銀ランプ(A
1)であって、前記放電容器(2)には0.2mg/mm3以上の水
銀、必要ガス及び、1.1×10-4以上3.2×10-3μmol/mm3
以下のハロゲンとが封入されている事を特徴とする。
【0014】水銀量が0.152mg/mm3以下の場合、輝度と
演色性が不十分であり、水銀量を0.2mg/mm3より多くす
ることで、高い輝度と演色性とを確保する事が出来る。
高輝度と演色性とを得るために、このような高い水銀量
を放電容器(2)に封入するとアーク温度は7500kにも到
達し、電極(-E)(+E)にかかる熱的負担が大きくなり、電
極構成物質(タングステン)の蒸発量が多くなり、これ
が放電容器(2)の内面に付着して黒化を招くことになる
が、黒化防止のため蒸発物質の輸送に必要な適正ハロゲ
ン濃度が前記の範囲と言うことになる。
【0015】即ち、ハロゲン濃度が1.1×10-4μmol/mm
3以下の場合、蒸発物質の輸送量が過小で正常なハロゲ
ンサイクルが阻害されて黒化を防止出来ず、ランプ寿命
が短くなる。逆に、ハロゲン濃度が3.2×10-3μmol/mm3
以上の場合は電極(E)を腐食し、甚だしい場合には電極
軸(7)の折損を発生させる事になるし、放電容器(2)内で
の激しい対流発生によるアークの揺らぎを引き起こし、
点灯中のフリッカーを生じさせる事になる。そして、ア
ークの揺らぎの大きさはハロゲン濃度の増加と共に大き
くなる。3.3×10-4μmol/mm3では500時間ではっきりス
クリーン上で確認でき、また7×10-3μmol/mm3ではわ
ずか100時間にて確認できた。これはスクリーン上の
イメージを悪化させる。なお、必要ガスとしては、アル
ゴンガス、クセノンガス或いはこれらの混合ガスなどが
必要に応じて使用される。
【0016】次に、水銀量及びハロゲン濃度と電極ヘッ
ド(6)との関係であるが、電極ヘッド(6)の太径部分(61)
は、十分な質量を有しているのでヒートシンクとしての
働きを十分に果たし、高水銀量による7500kにも到達す
る輝点温度に十分耐え電極構成物質の蒸発を抑制する事
が出来、且つその先端形状が略円錐台状に絞られ更にそ
の先端が球面に形成されているので、前述のようにアー
クの発生起点(11)が球面部分(63)に限定されやすくなり
アークが安定する事になる。これにより前述の高水銀量
下での過酷な点灯条件に耐え、長寿命を得る事が出来
る。
【0017】「請求項5」は、請求項4の交流点灯用高
圧水銀ランプ(A1)を更に限定したもので、「管電流をI
アンペア、電極ヘッド(6)の最大外径をD、電極ヘッド
(6)の長さをLとしたとき、0.75×I≦D×L≦2.9×I
の関係が成立する」ことを特徴とする。
【0018】前記「D×L」は、電極ヘッド(6)の大き
さを示すもので、電極ヘッド(6)に対して管電流に対し
て電極ヘッド(6)の大きさが過大であると電極ヘッド(6)
の温度が下がりすぎてアークの立ち消えが生じ、過小で
あると熱容量が不十分で点灯時の電極構成物質の蒸発量
が増大する。「D×L」が前記範囲にあれば、アークの
立ち消えもなく電極構成物質の蒸発量も抑制する事が出
来る。
【0019】「請求項6」は、前記ランプ用電極(E)を
使用した直流点灯用高圧水銀ランプ(A2)に関し、「 放
電容器(2)の両端に封止部(3)(4)を有する外囲器(1)並び
に前記放電容器(2)の内部に、先端が球面状に形成され
た陽極(+E)の電極ヘッド(6)と請求項1乃至3の何れか
に記載の陰極(-E)の電極ヘッド(6)とが対向するように
配設され、前記両電極ヘッド(6)から一体的に導出さ
れ、封止部(3)(4)に埋入された細径の電極軸(7)とで構
成されたランプ用電極(-E)(+E)を有する直流点灯用高圧
水銀ランプ(A2)であって、前記放電容器(2)には0.2mg/m
m3以上の水銀と、必要ガスと、1.1×10-4以上3.2×10
-3μmol/mm3以下のハロゲンとが封入されている」事を
特徴とする。
【0020】この場合は、陰極(-E)と陽極(+E)の形状及
び通電条件が相違するだけで、基本的構成は前記交流用
と同じである。従って、水銀量、必要ガス及びハロゲン
濃度などは同じであり、その作用も同じである。陰極(-
E)には請求項1〜3に記載のランプ電極(E)が使用され
るが、陽極(+E)はアークの受け側であるから請求項1〜
3に記載のランプ電極(E)を使用してもよいが、別段こ
れを使用する必要はなく、円錐台部分(62)の部分がな
く、電極ヘッド(6)の太径部分(61)の先端が球面状にな
っているものでもよい。後述する本実施例では後者が使
用されている。
【0021】なお、直流点灯用高圧水銀ランプ(A2)では
陰極(-E)と陽極(+E)とは異なる形状であるから、電極を
表す符号である(E)に(+)(-)を付して陽極と陰極とを区
別する。
【0022】「請求項7」は、請求項6の直流点灯用高
圧水銀ランプ(A2)の更なる限定で、「管電流をIアンペ
ア、陰極(-E)の電極ヘッド(6)の最大外径をD1、陰極(-
E)の電極ヘッド(6)の長さをL1、陽極(+E)の電極ヘッド
(6)の最大外径をD2、陽極(+H)の電極ヘッド(6)の長さ
をL2とした時、0.75×I≦D1×L1≦2.9×I及び3×
I≦D2×L2≦5×Iの関係が成立する」事を特徴とす
る。
【0023】前記「D1×L1」及び「D2×L2」は、前
述同様それぞれの電極ヘッド(6)の大きさを示すもの
で、電極ヘッド(6)に対する管電流の関係も前述の通り
である。即ち、管電流に対して電極ヘッド(6)の大きさ
が過大であると電極ヘッド(6)の温度が下がりすぎてア
ークの立ち消えが生じ、過小であると熱容量が不十分で
点灯時の電極構成物質の蒸発量が増大する。「D1×
1」及び「D2×L2」が前記範囲にあれば、アークの
立ち消えもなく電極構成物質の蒸発量も抑制する事が出
来る。なお、直流用の場合は、「D」「L」に添え数字
1」「2」を付して極性を区別した。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適な実施例を用
いて説明する。図1は本実施例に係る交流用高圧水銀ラ
ンプ(A1)を示した図である。外囲器(1)は、アルゴンガ
ス或いはクセノンガス又はこれらの混合ガスなどの必要
ガス、水銀、ハロゲン(金属ハロゲンの形で封入された
り、ハロゲン化水銀或いは臭化メチレンのような形でで
封入される。)などが封入された放電容器(2)とその両端
から突出した細長の封止部(3)(4)とで構成される。
【0025】放電容器(2)の中には対向する一対のタン
グステン製の電極(E)が配置されており、電極(E)の細径
電極軸(7)はモリブデン箔(8)の一端部に溶接されてい
る。そして、前記モリブデン箔(8)の他端部には外部リ
ード(9)が溶接され、封止部(3)(4)から導出されてい
る。本発明のタングステン電極(E)は、太径のタングス
テン棒から電極軸(7)を削りだした1本もので、電極軸
(7)の直径は電極ヘッド(6)の太径部分(61)の50%〜30%
程度となっている。なお、交流用高圧水銀ランプ(A1)の
電極(E)は、通常同一形状のものが使用されるので、同
一番号を付して表した。
【0026】前記交流用高圧水銀ランプ(A1)の電極(E)
の例を図3〜5に示す。これらは球面部分(63)の形状か
せ若干相違するものの、基本的には太径の電極ヘッド
(6)と電極ヘッド(6)から一体的に突設された細径の電極
軸(7)とで構成されている。そして、前記電極軸(7)の反
対側に位置する電極ヘッド(6)の先端部分が、先端に行
く程次第に細くなる略円錐台状に形成され且つ前記円錐
台部分(62)の先端が球面に形成されている。円錐台部分
(62)のテーパ角度(θ)は、テーパ角度(θ)が20°〜60°
である。なお、円錐台部分(62)の斜面は直線に限られ
ず、その母線が凹曲線或いは凸曲線を描いていてもよ
い。
【0027】前記円錐台部分(62)の先端部分の球面部分
(63)は、例えば電極ヘッド(6)の先端部分を円錐状に切
削加工し、その円錐部分(65)の先端を溶融し、その表面
張力で球面状にする事で形成される。この場合、円錐部
分(65)のテーパー角度(θ)と溶融量の違いによってその
形状が相違する。図3は先端の溶融量が少なく球面部分
(63)が球体又は回転楕円体の一部のような場合であり、
図4は先端の溶融量が適正で半球の場合、図5は先端の
溶融量が多すぎて球面部分(63)が飛び出した状態で、基
部(64)が若干くびれており、球面部分(63)の一部が円錐
台部分(62)に一体的に接続しているような場合である。
即ち、基部(64)の直径(d2)<最大直径(d1)となる。勿
論、球面部分(63)の形状はこれに限られず、例えば円錐
台部分(62)の先端に一体的に連なる基部(64)の部分に円
柱状部分(図示せず)があり、その先端が球面に形成され
ている場合も含む。前記球面部分(63)の形状は当然真円
である必要はなく、表面に凹凸があってもよい事は言う
までもない。
【0028】前記球面部分(63)とランプ電力(W)との間
には、球面部分(63)の適正値を決定する「0.0015≦(d1)
/(W)≦0.005」なる関係が実験的に導き出されてい
る。より好ましくは「0.0025≦(d1)/(W)≦0.0035」で
ある。ここで、(d1)は球面部分(63)の最大直径である。
ランプ電力(W)の単位はワットである。また、管電流と
電極ヘッド(6)の大きさとの間にも、電極ヘッド(6)の適
正な大きさを決定する関係が実験的に導き出されてい
る。この関係は最大外径をD、電極ヘッド(6)の長さを
Lとしたとき、「0.75×I≦D×L≦2.9×I」の範囲
にあることが好ましいと実験的に確かめられている。
【0029】前記放電容器(2)に封入される水銀量は、
0.2mg/mm3以上であり、ハロゲン濃度は1.1×10-4以上
3.2×10-3μmol/mm3以下である。ハロゲン濃度はイオン
濃度で表される。
【0030】次に、交流点灯時の作用に付いて説明す
る。一対の外部リード棒(9)を交流電圧を印加すると対
向電極(E)間で交互にアークが飛び点弧される。アーク
はマイナスに印加された電極(E)の先端の球面部分(63)
からプラスに印加された電極(E)に向かって飛ぶが、ア
ークは一般的に両対向電極(E)の先端の球面部分(63)の
最も近い部分間で飛ぶ。両対向電極(E)の先端部分には
円錐台部分(62)が形成されているので先端部分は絞られ
ており且つその先端には球面部分(63)が形成されている
ので、アークは球面部分(63)間に略限定されて安定して
飛ぶ事になる。その結果アークは安定し、チラツキが解
消される。
【0031】アークが球面部分(63)間で飛ぶと、球面部
分(63)を始め電極ベッド(6)はアークの熱で急速に加熱
され、0.2mg/mm3以上の水銀量が封入された放電容器(2)
にあってはアークの輝点温度は7500kにも達する。その
結果、アークの輝点(10)に近い球面部分(63)はその高熱
に曝されて高温になるが、球面部分(63)の熱は、十分な
質量を持ちヒートシンクとして十分な作用をする電極ヘ
ッド(6)、特に太径部分(61)に伝達され、球面部分(63)
の温度上昇を抑制する。高温に曝された前記球面部分(6
3)は、点灯中たとえその表面が若干溶融しても本来の形
状が球面状であるので、その形状が大きく変化すること
がない。(例えば、先端が三角錐状の電極であれば、三
角錐の部分が溶けることによって先端が丸くなり、先端
形状が大幅に変化する。)従って、点灯中に球面部分(6
3)の表面が若干溶融しても電極間距離が変わるようなこ
とがなく、安定なアーク発生が維持される。
【0032】ここで、図3のように球面部分(63)が球体
又は回転楕円体の一部のような形状である場合或いは図
4のように半球状或いは半回転楕円体状である場合、球
面部分(63)から円錐台部分(62)を通ってヒートシンクと
しての主要な働きをなす太径部分(61)への熱の移動がス
ムーズに行われ、球面部分(63)の過熱を回避しやすい。
その反面、図5のように球面部分(63)が円錐台部分(62)
から突き出した状態となっていないので、アークがプラ
ス側の電極(E)の円錐台部分(62)に飛ぶ確率は図5の場
合より若干多いと考えられる。
【0033】一方、図5の場合は球面部分(63)が円錐台
部分(62)から突き出したような状態であるので、図3、
4の場合に比べてアークが飛ぶ球面部分(63)の面積が大
きい事、球面部分(63)が円錐台部分(62)から突き出して
いるので、円錐台部分(62)に比べて対向した球面部分(6
3)同士がより接近した状態になる事から、球面部分(63)
間でアークがより飛びやすくなる。その反面、球面部分
(63)の基部(64)が絞られた状態となるので、基部(64)が
ネックとなり太径部分(61)への熱の移動が図3、4に比
べて若干遅れる事になり、球面部分(63)が若干過熱され
やすくなる傾向にある。いずれにしても図3〜5の電極
(E)の球面部分(63)の本来の形状が球面状であるので、
その形状が大きく変化することがなく、点灯中の電極間
距離の変化は非常に小さいものとなる。
【0034】次に、直流用用高圧水銀ランプ(A2)を図2
に従って説明する。説明の煩雑さを避けるため交流用高
圧水銀ランプ(A1)と同じ部分は同一の符号を付し、異な
る部分を中心に説明する。異なる部分は、電極(-E)(+E)
の形状が交流用高圧水銀ランプ(A1)のそれと異なるこ
と、電子の流れが陰極(-E)から陽極(+E)に連続して流れ
る点だけである。その他の点は交流用高圧水銀ランプ(A
1)と同じである。
【0035】陰極(-E)は、交流用と同じものが使用され
るが、陽極(+E)は点灯中、常時、熱電子が陽極(+E)の対
向面(12)に衝突して陽極(+E)を過熱するため陰極(-E)に
比べて質量の大きいものが用意される。一方、陰極(-E)
の球面部分(63)の近傍に高温の輝点(10)が現れ、球面部
分(63)を加熱するが、局部加熱になるので陽極(+E)より
小さい質量のもので足る。
【0036】陽極(+E)の形状は、前述のように交流用と
同じ形状のものでもよいが、直流の場合は連続的に熱電
子を受けるだけであるので、円錐台部分(62)がなく太径
部分(61)の先端に直接球面部分(63)が形成されているよ
うな電極(6a)でもよい。図2の場合は、後者の電極ヘッ
ド(6a)を採用している。
【0037】次に、直流点灯時の作用に付いて説明す
る。一対の外部リード棒(9)を印加すると陽極側(-E)か
ら陰極(+E)側にアークが飛び点弧される。この場合もア
ークは一般的に両対向電極(-E)(+E)の先端の球面部分(6
3)(12)間の最も近い部分で飛ぶ。陰極(-E)の先端部分は
前述のように円錐台部分(62)が形成されてその先端部分
が絞られており且つその先端には球面部分(63)が形成さ
れているので、アークの起点(11)は球面部分(63)内で安
定的に発生し、アークの移動が解消される。
【0038】交流の場合と同様に球面部分(63)は0.2mg/
mm3以上の水銀量が封入されているので、アークが球面
部分(63)上で発生すると、高温の輝点(10)によって陰極
(-E)の球面部分(63)は加熱される。しかしながら球面部
分(63)の熱は、十分な質量を持ちヒートシンクとして十
分な作用をする電極ヘッド(6)、特に太径部分(61)に伝
達され、球面部分(63)の温度上昇は抑制される。そして
交流の場合と同様に高温に曝された前記球面部分(63)
は、点灯中たとえその表面が若干溶融しても本来の形状
が球面状であるので、その形状が大きく変化することが
ない。
【0039】一方、陽極(+E)側では、電極ヘッド(6a)の
対向先端面(12)は球面に形成されているので、概ねアー
クは対向先端面(12)の頂部に向かって安定的に飛ぶ。こ
のように、円錐台部分(62)とその対向先端部に球面部分
(63)を有する陰極(+E)と、球面部(12)を持つ陽極(+E)の
協働作用によりアークは安定して発生する。また、点灯
中の電極間距離の変化も交流の場合と同様非常に小さい
ものとなる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明により、高効率
と長寿命とフリッカーレスのいずれの性能も満足する光
源を提供することができた。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における交流用高圧水銀ランプの実施例
の断面図。
【図2】本発明における直流用高圧水銀ランプの実施例
の断面図。
【図3】本発明に使用される電極の第1実施例の正面
図。
【図4】本発明に使用される電極の第2実施例の正面
図。
【図5】本発明に使用される電極の第3実施例の正面
図。
【図6】従来例1の断面図。
【図7】従来例2の断面図。
【符号の説明】
(E) ランプ用電極 (1) 外囲器 (2) 放電容器 (3)(4) 封止部 (6) 電極ヘッド (7) 電極軸 (61) 太径部分 (62) 円錐台部分 (63) 球面部分

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太径の電極ヘッドと、電極ヘッドから一
    体的に突設された細径の電極軸とで構成されたランプ用
    電極において、 前記電極軸の反対側に位置する電極ヘッドの先端部分
    が、先端に行く程次第に細くなる略円錐台状に形成され
    且つ前記円錐台部分の先端が球面に形成されている事を
    特徴とするランプ用電極。
  2. 【請求項2】 請求項1の円錐台部分のテーパ角度が20
    °〜60°となっている事を特徴とするランプ用電極。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の球面部分の最大直径と
    ランプ電力との関係が、0.0015≦d/W≦0.005である事
    を特徴とするランプ用電極。
  4. 【請求項4】 放電容器の両端に封止部を有する外囲器
    と、前記放電容器の内部に電極ヘッドが対向するように
    配設され、前記電極ヘッドから一体的に導出され、封止
    部に埋入された細径の電極軸とで構成された請求項1乃
    至3の何れかに記載のランプ用電極とを有する交流点灯
    用高圧水銀ランプにおいて、 前記放電容器には0.2mg/mm3以上の水銀、 必要ガス及び、 1.1×10-4以上3.2×10-3μmol/mm3以下のハロゲンとが
    封入されている事を特徴とする交流点灯用高圧水銀ラン
    プ。
  5. 【請求項5】 請求項4の交流点灯用高圧水銀ランプに
    おいて、 管電流をIアンペア、電極ヘッドの最大外径をD、電極
    ヘッドの長さをLとしたとき、0.75×I≦D×L≦2.9
    ×Iの関係が成立することを特徴とする交流点灯用高圧
    水銀ランプ。
  6. 【請求項6】 放電容器の両端に封止部を有する外囲器
    並びに前記放電容器の内部に、先端が球面状に形成され
    た陽極の電極ヘッドと請求項1乃至3の何れかに記載の
    陰極の電極ヘッドとが対向するように配設され、前記両
    電極ヘッドから一体的に導出され、封止部に埋入された
    細径の電極軸とで構成されたランプ用電極を有する直流
    点灯用高圧水銀ランプであって、 前記放電容器には0.2mg/mm3以上の水銀と、 必要ガスと、 1.1×10-4以上3.2×10-3μmol/mm3以下のハロゲンとが
    封入されている事を特徴とする直流点灯用高圧水銀ラン
    プ。
  7. 【請求項7】 請求項6の直流点灯用高圧水銀ランプに
    おいて、 管電流をIアンペア、陰極の電極ヘッドの最大外径をD
    1、陰極の電極ヘッドの長さをL1、陽極の電極ヘッドの
    最大外径をD2、陽極の電極ヘッドの長さをL2とした
    時、0.75×I≦D1×L1≦2.9×I及び3×I≦D2×L
    2≦5×Iの関係が成立する事を特徴とする直流点灯用
    高圧水銀ランプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8648549B2 (en) 2007-08-31 2014-02-11 Panasonic Corporation Lighting method and lighting apparatus for a high pressure discharge lamp, a high pressure discharge lamp apparatus, and a projection-type image display apparatus

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