JP2002093354A - カラーcrt装置 - Google Patents

カラーcrt装置

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JP2002093354A
JP2002093354A JP2000320628A JP2000320628A JP2002093354A JP 2002093354 A JP2002093354 A JP 2002093354A JP 2000320628 A JP2000320628 A JP 2000320628A JP 2000320628 A JP2000320628 A JP 2000320628A JP 2002093354 A JP2002093354 A JP 2002093354A
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JP
Japan
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magnetic field
screen
electron
electron beam
quadrupole
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JP2000320628A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sakurai
浩 櫻井
Etsuji Tagami
悦司 田上
Hiromi Wakazono
弘美 若園
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーCRT装置では、R、G、B3本の電
子ビームが偏向磁界分布の調整によりスクリーン上のい
ずれの場所でも一点に交わるよう工夫されているが、画
像情報の表示密度上昇と奥行き短縮により、精度良く3
本の電子ビームの結像点を重ねることが困難になってき
た。 【解決手段】 3本の電子ビーム4、5、6が、同時刻
にはスクリーン11上で一点に重ならないものであっ
て、それぞれの電子ビームに対応する変調信号12、1
3、14に時間差を与えて位相を調整し画像をコンバー
ジェンスさせるカラーCRTにおいて、スクリーン11
をフラットとし、かつ水平偏向磁界および垂直偏向磁界
をいずれも斉一磁界分布とし、かつ電子源1、2、3か
ら放射された3本の電子ビーム4、5、6のうち両サイ
ドの電子ビーム軌道と中央の電子ビーム軌道とをほぼ平
行とし、さらに、変調信号に与える時間差をスクリーン
11の全域でほぼ一定とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーCRT装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーCRT装置は、R、G、B3色の
画像をスクリーン上で重ね合わせてカラー画像を形成し
ており、この重ね合わせすなわちコンバージェンスを精
度良く行うことが映像デバイスとしての必須条件であ
る。
【0003】従来のカラーCRTは、一般的にR、G、
B3色に対応する3つの電子源を並列配置し、それぞれ
から距離sの間隔で射出された3本の電子ビームのスク
リーン上での結像点が1点に重なるように、両サイドの
電子ビーム軌道の中央の電子ビーム軌道に対する角度
を、電子ビームの進行方向に向かって狭くなるよう設定
していた。このとき、スクリーン中央で3本の電子ビー
ムの結像点が重なるように前記角度を設定すると、スク
リーン周辺では電子銃からスクリーンまでの距離がスク
リーン中央の場合より長くなるため、スクリーン中央か
らの距離に応じて(電子ビームの偏向量に応じて)前記
内向きの度合いをやや緩める(角度を小さくする)手段
を講じてスクリーン全域で3本の電子ビームの結像点が
常に1点で重なるように工夫されている。
【0004】その具体的手段は大きく3つある。以下に
それぞれの内容を簡単に説明する。
【0005】第1の具体的手段は、セルフコンバージェ
ンス方式と呼ばれるもので、基本的に偏向磁界分布に偏
りを持たせる方法である。一般的な例としては、水平偏
向磁界をピンクッション磁界分布とし、垂直偏向磁界を
バレル磁界分布とすることで、電子銃から射出された瞬
間の3本の電子ビームの隣り合う相互の間隔は一定であ
りながら、偏向磁界の中を通過する過程でそれぞれの偏
向量に差を生ぜしめることでスクリーン全域で3本の電
子ビームの結像点が常に1点で重なるように前記磁界分
布が設計されている(例えば、NHKカラーテレビ教科
書〔上〕p267〜p271)。
【0006】第2の具体的手段は、ダイナミックコンバ
ージェンスと呼ばれるもので、電子銃のメインレンズ近
傍に前記両サイドの電子ビームの中央の電子ビームに対
する角度を動的に変化させる磁界(ダイナミックコンバ
ージェンス磁界)を設け、この磁界強度を偏向量に応じ
て変化させることでスクリーン全域で3本の電子ビーム
の結像点が常に1点で重なるように調整されている(例
えば、NHKカラーテレビ教科書〔上〕p266〜p2
67)。
【0007】第3の具体的手段は、スクリーン上で3本
の電子ビームを必ずしも一点で重ねず、両サイドの電子
ビーム軌道をやや内向きかほぼ平行に設定し、スクリー
ン上のR、G、B3色の画像の空間的ずれ量を、各電子
ビームに入力される変調信号の入力タイミングの時間的
ずれ量で補正し、見かけ上スクリーン全域で3本の電子
ビームの結像点が描く画像が重なって一致するように、
画像信号回路が構成されている(例えばUSP2,76
4,628)。このような手段を、仮に「信号位相コン
バージェンス」と呼ぶことにする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの手段のうち、
最も広く用いられてきたのが第1の具体的手段である。
しかしながら、近年になって急速に画像情報の表示密度
が上昇してきたため、前記磁界分布の設計だけでは充分
に精度良く3本の電子ビームの結像点を重ねることが困
難になってきた。一方でカラーCRT装置の奥行きの短
縮が要望されており、奥行きを短縮しようとすると偏向
角が大きくなり、電子銃からスクリーン中央までの距離
と電子銃からスクリーン周辺までの距離との差はますま
す大きくなり、精度良く3本の電子ビームの結像点を重
ねることはさらに困難になってきた。
【0009】そこで第2の具体的手段や、第1と第2の
複合的な具体的手段が用いられ始めたが、前記3つの結
像点が必ずしも直線上に並ばず、不規則なずれ方をする
ため、それを補正するシステムが複雑になりコストアッ
プを招くという欠点を有していた。
【0010】第3の具体的手段は、基本的に画像信号回
路によってコンバージェンスさせるものであり、一般的
な技術ではないが、デジタル回路の進歩と共に実現の可
能性が高くなってきている(例えば特許第254259
2号公報)。この技術では、3つの結像点のずれ量に対
し、スクリーン上の場所毎に応じて異なる時間差を回路
技術によって画像信号に与え、全域でのコンバージェン
スを実現させる。ただし、回路技術のみで実現するに
は、スクリーン上の各点の信号位相の補正量をメモリー
に記憶させるなど回路上の負担が大きくなり、回路コス
トおよびその調整コストが上昇するという欠点を有して
いた。
【0011】また第1と第3の複合的な具体的手段もい
くつか検討されている(例えば特公昭54−29227
号公報、特公平6−46812号公報)が、基本的に設
計が複雑であり、上記の表示密度の上昇や偏向角の増大
に対応するには、自ずと限界があった。
【0012】第2と第3の複合的な具体的手段も組み合
わせとして当然考えられるが、両者の欠点を併せ持つこ
とになり、あまり意味がないため検討されていない。す
なわち、ダイナミックコンバージェンスにおける補正シ
ステムの複雑さと信号位相コンバージェンスによる回路
上の負担の増大を併せ持ってしまうのである。
【0013】本発明は、基本的に上記の第2と第3の具
体的手段の要素を複合したものに改良を加え、特定の条
件を付加したものであり、これによってコストアップを
招かずに、充分に精度良く3本の電子ビームの結像点が
描く画像をスクリーン上で重ねて一致させ、画像情報の
表示密度の上昇と奥行き短縮のための偏向角増大への充
分な対応を実現することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のカラーCRT装置は、水平方向にインライ
ン状に配置されたR、G、B3色に対応する3つの電子
源から放射された3本の電子ビームが、水平偏向磁界お
よび垂直偏向磁界により偏向され、かつ、同時刻にはス
クリーン上で一点に重ならない3つの電子ビーム結像点
を形成するものであって、前記3本の電子ビームがそれ
ぞれスクリーン上の同一点を走査する時刻の時間差に応
じて各電子ビームの変調信号の入力タイミングに時間差
を与えることによりスクリーン上にカラー画像を形成す
る方式のカラーCRT装置において、前記スクリーンを
実質的にフラットとし、かつ、前記水平偏向磁界および
前記垂直偏向磁界をいずれも実質的な斉一磁界分布と
し、かつ、偏向磁界領域に入射する際の両サイドの電子
ビーム軌道と中央の電子ビーム軌道とをほぼ平行とし、
さらに、前記変調信号の前記入力タイミングに与える前
記時間差を前記スクリーン上の全域でほぼ一定とする。
【0015】このようにすることにより、3本の電子ビ
ームの結像点が描く画像をスクリーン上で重ねて容易に
一致させ、画像情報の表示密度の上昇と奥行き短縮のた
めの偏向角増大への充分な対応を実現することができ
る。
【0016】また、本発明のカラーCRT装置は、水平
方向にインライン状に配置されたR、G、B3色に対応
する3つの電子源から放射された3本の電子ビームが、
水平偏向磁界および垂直偏向磁界により偏向され、か
つ、同時刻にはスクリーン上で一点に重ならない3つの
電子ビーム結像点を形成するものであって、前記3本の
電子ビームがそれぞれスクリーン上の同一点を走査する
時刻の時間差に応じて各電子ビームの変調信号の入力タ
イミングに時間差を与えることによりスクリーン上にカ
ラー画像を形成する方式のカラーCRT装置において、
前記スクリーンをほぼフラットとし、かつ、前記水平偏
向磁界および前記垂直偏向磁界をいずれもほぼ斉一磁界
分布とし、さらに、前記垂直偏向磁界が無磁界のときに
は、偏向磁界領域に入射する際の両サイドの電子ビーム
軌道と中央の電子ビーム軌道とをほぼ平行とし、前記垂
直偏向磁界が無磁界でないときには、その磁界強度に応
じて偏向磁界領域に入射する際の両サイドの電子ビーム
軌道と中央の電子ビーム軌道との間隔を広げることで、
スクリーン上の同時刻における前記3つの電子ビーム結
像点が互いに水平方向に一定の間隔に常に保たれるよう
に調整する。
【0017】このようにすることにより、コストアップ
を招かずに、充分に精度良く3本の電子ビームの結像点
が描く画像をスクリーン上で重ねて一致させ、画像情報
の表示密度の上昇と奥行き短縮のための偏向角増大への
充分な対応を実現することができる。
【0018】また、本発明のカラーCRT装置は、電子
銃内部における3本の電子ビームの軌道が互いにほぼ平
行になるように電子銃を設計してもよい。
【0019】このようにすることにより、電子銃の特に
サイドビームのレンズ性能を向上させることができる。
【0020】あるいは、電子銃内部の3本の電子ビーム
が必ずしも平行でなくても、電子銃のメインレンズ近傍
からスクリーン側に四極磁界を設け、前記四極磁界が、
垂直偏向磁界が無磁界のときに偏向磁界領域に入射する
3本の電子ビームの軌道を互いに平行になるように静的
に調整する。
【0021】この場合は、従来の電子銃をそのまま用い
ることができる。
【0022】また、前記四極磁界は電子銃のメインレン
ズ近傍からスクリーン側に第1の四極磁界と第2の四極
磁界を順次設けたものであり、前記第1の四極磁界によ
り3本の電子ビームのうち両サイドの電子ビームの軌道
を内側へ折り曲げ、前記第2の四極磁界により前記3本
の電子ビームの軌道を互いに平行にする。
【0023】このようにすることにより、ネックシャド
ウを現れにくくすることができる。
【0024】またさらに、前記第1の四極磁界または前
記第2の四極磁界の近傍に第3の四極磁界を設け、前記
第3の四極磁界が、両サイドの電子ビームの軌道を内側
または外側へ折り曲げる、もしくは、前記電子銃内に四
極静電レンズを設け、前記四極静電レンズが、両サイド
の電子ビームの軌道を内側または外側へ折り曲げるよう
にする。
【0025】このようにすることで、3本の電子ビーム
のレンズ結像倍率や集束作用の水平と垂直のアンバラン
スを補正できる。
【0026】また、本発明のカラーCRT装置は、電子
銃のメインレンズ近傍からスクリーン側に電磁コイルに
よる四極磁界を設け、垂直偏向磁界が無磁界でないとき
に偏向磁界領域に入射する両サイドの電子ビームの軌道
と中央の電子ビームの軌道との間隔がその磁界強度に応
じて広げられるように動的に調整する。
【0027】このようにすることにより、スクリーン上
の同時刻における前記3本の電子ビーム結像点が互いに
水平方向に一定の間隔に常に保たれるようにビーム間隔
の微調整を行うことができる。
【0028】また、本発明のカラーCRT装置は、前記
第1の四極磁界と前記第2の四極磁界との間に電磁コイ
ルによる四極磁界を設け、垂直偏向磁界が無磁界でない
ときに偏向磁界領域に入射する両サイドの電子ビームの
軌道と中央の電子ビームの軌道との間隔がその磁界強度
に応じて広げられるように動的に調整する。
【0029】これにより、ビーム間隔の微調整を行うこ
とができることに加え、第1の四極磁界と第2の四極磁
界との間隔を広く設定することができる。
【0030】また、本発明のカラーCRT装置は、カラ
ー画像のラスター歪みを、前記斉一磁界分布もしくは前
記斉一磁界分布に補助的に設けられた補助磁界によって
補正する。
【0031】このようにすることにより、コンバージェ
ンスを乱すことなくラスター歪みを補正することができ
る。
【0032】また、本発明のカラーCRT装置は、前記
電子ビームの電流量の変化に応じて、前記入力タイミン
グの時間差を調節する。
【0033】このようにすることにより、電流量の変化
に伴い電子ビーム間相互のリパルジョン(電子間斥力)
が生じておこるスクリーン上の3本の電子ビーム結像点
の相互間隔ずれを微調整することができるので、電流値
に依らずスクリーン上の同時刻における前記3つの電子
ビーム結像点を互いに所望の間隔にすることができる。
【0034】また、本発明のカラーCRT装置は、カラ
ー画像のラスターのサイズとリニアリティーを含む幾何
学的な経時変化をセンサーで検出し、その変化量に応じ
て前記入力タイミングの時間差を調節してもよい。
【0035】このようにすることにより、ラスターのサ
イズやリニアリティーの経時変化が生じても、コンバー
ジェンスを乱さないようにできる。
【0036】さらに、本発明のカラーCRT装置は、カ
ラー画像の表示データの画素数やフィールド周波数の設
定に応じて、前記入力タイミングの時間差を調節しても
よい。
【0037】このようにすることにより、カラー画像の
表示データの画素数の設定を変更しても、コンバージェ
ンスを乱さないようにできる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0039】(実施の形態1)図1は、本発明の第1の
実施の形態に係るカラーCRT装置の原理を説明する構
成図である。
【0040】本実施の形態のカラーCRT装置の原理
は、Rに対応する電子源1、Gに対応する電子源2、B
に対応する電子源3と複数の電極(図示せず)とから構
成された電子銃(全体は図示せず)、RGBのそれぞれ
に対応する電子ビーム4、5、6、結像点7、8、9、
完全斉一磁界分布の偏向磁界領域10、完全フラットな
スクリーン11、変調信号12、13、14とから構成
されており、真空容器15によって電子ビーム行路が全
て真空に保たれている。なお、電子源1、2、3はイン
ライン電子銃の3つの陰極に相当し、これらの電子源か
ら射出される電子ビーム4、5、6は、電子銃の電極の
電位差によって形成されるメインレンズ41、42、4
3によって集束されている。電子ビーム4、5、6が完
全斉一磁界分布の偏向磁界領域10によって偏向された
場合を電子ビーム4’、5’、6’、結像点7’、
8’、9’で表している。上記以外に点線で示したシャ
ドウマスク16が存在するが、原理説明上必要ないので
省略している。
【0041】まず、上記のような理想的な条件における
基本動作原理について説明する。x方向(水平)に並置
された電子源1、2、3からz方向に射出された電子ビ
ーム4、5、6は互いに距離sを保って平行であり、完
全斉一磁界分布の偏向磁界領域10の磁界がゼロの時は
偏向されずに、そのままx−y平面で構成された完全フ
ラットスクリーン11に到達し、x方向にsの間隔で結
像点7、8、9を形成する。それぞれの座標(x、y)
は、Gの結像点8を(0、0)とすると、Rの結像点7
は(s、0)、Bの結像点9は(−s、0)である。こ
のときの各結像点の輝度は、電子源1、2、3に入力さ
れる変調信号12、13、14で制御される。完全斉一
磁界分布の偏向磁界領域10に任意の水平偏向磁界およ
び垂直偏向磁界(図示せず)が発生すると、電子ビーム
4、5、6はその領域内でxおよびy方向に偏向され電
子ビーム4’、5’、6’の軌道を描き、完全フラット
スクリーン11上に結像点7’、8’、9’を形成す
る。この時のRの結像点7’の座標は以下の式で表され
る。
【0042】
【数1】
【0043】
【数2】
【0044】ここで、
【0045】
【数3】
【0046】
【数4】
【0047】
【数5】
【0048】
【数6】
【0049】eは電気素量、mは電子質量、Bxは垂直
偏向磁界の磁束密度、Byは水平偏向磁界の磁束密度、
vzは電子の偏向磁界領域10に突入するときのz方向
初速度、dは偏向磁界領域10のz方向の長さ、Lは偏
向磁界領域10からスクリーン11までのz方向距離で
ある。
【0050】ここで注目すべきは、式(1)の右端の+
sの項である。この項が、結像点8’の場合は0、結像
点9’の場合は−sとなる。また、式(2)にはsの項
が含まれていない。このことは、偏向時の任意の結像点
7’、8’、9’の座標が、常に距離sの間隔でx方向
に直線状に並ぶことを意味している。その様子を模式的
に示したのが図2である。したがって、y方向のずれが
ないので、変調信号12、13、14の入力タイミング
を一定量ずらしてそれぞれの画像のx方向のずれ量sを
補正するだけで図2(b)のように簡単に制度の良いコ
ンバージェンスが実現できる。たとえば、映像信号回路
において、Rの信号を基準にとると、Gの信号をこれに
対して時間的に遅延させ、Bの信号をGの信号に対して
さらに時間的に遅延させる。信号遅延は、遅延回路を用
いてもよいし、デジタル信号処理の場合は、ラインメモ
リの読み出しクロックをずらしてもよい。特開昭55−
671号公報や特許第2542592号公報にこれら具
体的な手段が開示されている。
【0051】このような現象は、スクリーン11が完全
フラットで、かつ偏向磁界領域10の磁界分布が完全斉
一で、無偏向時の電子ビーム4、5、6の軌道が互いに
平行であるときにのみ起こり得る。これら3つの条件の
一つでも崩れると、式(1)と式(2)はsの複雑な関
数となり、偏向時の任意の結像点7’、8’、9’の位
置関係はxおよびy方向に距離を変化させる。この位置
関係の変化を図3で模式的に示すと、例えばスクリーン
11が完全フラットでないとき図3(a)のように、偏
向磁界領域10が斉一磁界分布でなく水平磁界がピンク
ッション磁界分布かつ垂直磁界がバレル磁界のとき図3
(b)のように、無偏向時の電子ビーム4、5、6の軌
道が平行でなくスクリーン11中央で交わるとき図3
(c)のようになる。これらの状態は、いずれもxおよ
びy方向に偏向に同期した動的な補正が必要であり、x
方向については回路上の負担が増大し、y方向について
は信号位相だけでは補正できないので通常のダイナミッ
クコンバージェンスに相当する複雑な補正が必要とな
る。
【0052】なお、ここで述べた完全斉一磁界とは、理
論的には、水平方向をx、垂直方向をy、管軸方向をz
とし、それぞれの方向に対応する偏向磁界強度のベクト
ル成分をBx、By、Bzとしたときに、z軸上の任意
の位置におけるx−y平面の偏向磁界強度が、3本の電
子ビーム通過位置でそれぞれのBx同士およびBy同士
が等しく、またBzがほぼゼロである状態をいう。この
とき、Bx、Byはこの条件を満たしながらz方向の変
位に対して変化してもよいし、また、前記式(1)、
(2)では、Bx、Byを定数で表しているが、これら
はzの関数であってもよい。また、厳密に完全斉一では
なくとも、画面上のあらゆる点における3本の電子ビー
ムに明らかな磁界の方向性や強度の差が見られない状態
であればこれを許容することができる。
【0053】実際には、偏向ヨークのz方向の長さは有
限であり、また、偏向ヨークを構成する対のコイルは互
いに平行ではなくスクリーン側でその間隔が開いた形状
となっているため、歪み成分が発生しやすい。例えば、
z方向の変位に対してBx、Byの大きさが変化する
と、単に偏向ヨークの形状や磁界分布を工夫するだけで
はBzをゼロとして完全斉一磁界を実現するのが難し
い。しかし、このBzをキャンセルする磁界を重畳させ
る補助磁界を用いる等すれば、結果的にほぼ完全な斉一
磁界を実現することは可能である。
【0054】以上ここまでに述べた本発明の原理は、理
想的な条件の場合である。次に実際の条件での場合を述
べる。まず電子ビームについてであるが、無偏向時の電
子ビーム4、5、6の軌道は厳密に平行でなくとも、結
像点7、8、9の間隔がs±1〔mm〕以下であれば実
用上問題ない。次に、スクリーン11は、完全フラット
でなく多少曲面であっても、曲率が1000R以上の平
坦度であれば上記原理は実用上成り立つ。ここで、1R
=(対角最大外径〔mm〕/25.4)×41である。
【0055】また、偏向磁界領域10の磁界分布につい
ては、前述のように完全斉一磁界を実現するのは難し
い。一方で、従来から斉一磁界と呼ばれている偏向磁界
分布があるが、これは、セルフコンバージェンス方式に
おける偏向磁界のように積極的に磁界分布に偏りを持た
せたものではないという意味であり、本発明においては
上述の完全斉一磁界と明確に区別するべきものなので、
この点について改めて説明する。
【0056】図4は、従来から斉一磁界と呼ばれていた
偏向磁界の磁界分布について、電子ビームが通過する偏
向磁界領域のx−y断面を示したものである。ここで、
図4(a)は垂直偏向磁界、図4(b)は水平偏向磁界
を示し、いずれも磁力線は均等な間隔を有する直線とな
っており、上記原理の理想的な条件を満たしている。す
なわち、この点においては、従来からの斉一磁界と上述
の完全斉一磁界とは同じである。
【0057】次に、図5は従来の斉一磁界分布を有する
水平偏向磁界のy−z断面の磁界分布17と、その磁界
分布17を与える水平偏向ヨーク18、および電子ビー
ム4’、5’、6’を示している。ここで、磁界の分布
を示す磁力線に着目すると、水平偏向ヨーク18の両端
部で大きく外側にふきだして歪んでいることが分かる。
これは現実の偏向コイルが有限の長さを持っているため
等の理由により発生するもので避けがたいものであるた
め、従来はこの点を特に意識せずに「斉一磁界」と呼ん
でいたものである。但し、電子ビーム4’、5’、6’
はx−z平面に並んでいるので、ここでは一本に見え
る。このため電子ビーム4’、5’、6’に与えられる
偏向磁界の影響は全て同じとなるので、このような完全
には斉一とは呼べない水平偏向磁界を通過したとして
も、y−z平面における3つの電子ビーム軌道が常に1
本に重なり、3つの電子ビームの結像点の水平方向の間
隔にばらつきは生じない。
【0058】ところが、従来の斉一磁界における垂直偏
向磁界の場合は問題が生じる。
【0059】図6は、従来の斉一磁界における垂直偏向
磁界のx−z断面の磁界分布19、および、その磁界分
布19を与える垂直偏向ヨーク20、電子ビーム4’、
5’、6’、スクリーン11、および結像点7’、
8’、9’を示すものである。ここでも図5に示した水
平偏向磁界と同じく、磁界に歪みが生じる。すなわち、
電子ビーム4’、5’、6’がx−z平面に並んでいる
ため、それぞれの電子ビームが垂直偏向磁界に対して
は、磁界のふきだしによって磁界分布19の方向性が異
なる部分を通過することになるのである。
【0060】この場合、磁界分布19の中央を通過する
電子ビーム5’は、ほぼ斉一な磁界分布を通過するが、
両サイドの電子ビーム4’、6’は、磁界分布がそれぞ
れ対称に湾曲している領域を通過するため、磁界歪みの
レンズ効果でその軌道がわずかに内側に屈折する。その
結果、結像点7’、8’、9’の間隔s’はsより小さ
くなり、垂直偏向量が大きいほど、すなわちスクリーン
11の中央に対し上下方向に向かうほどこの傾向が顕著
になってしまうのである。
【0061】そこで、このような場合には、上記原理を
できるだけこれ以上乱さないように、ずれ量Δs=s−
s’を補正する必要がある。変調信号12、13、14
の入力タイミングのずれ量Δtを垂直偏向に同期させて
変調する方法も考えられるが、この方法では回路上の負
担が大きくなるので好ましくない。また、垂直偏向をバ
レル磁界分布にして補正する方法もあるが、この方法で
は偏向ヨークの設計が複雑になる上に磁界をさらに歪ま
せてしまうので原理的に好ましくない。
【0062】もう一つの方法は、いわゆるYH補正と呼
ばれる簡易的なダイナミックコンバージェンスを施す方
法である。具体的には図7のようにメインレンズ41、
42、43の近傍に両サイドの電子ビーム4、6の軌道
を外側へ傾かせるコンバージェンス磁界作用21、22
を垂直偏向に応じて強めるように設定する。これによっ
て、実用上は上記原理を乱すことなくスクリーン11上
のあらゆる領域で、結像点7’、8’、9’の間隔をs
に修正することができ、変調信号12、13、14の入
力タイミングのずれ量Δtは一定のままで、精度よく信
号位相コンバージェンスをさせることができる。
【0063】このようなコンバージェンス磁界作用の変
調は、垂直偏向ヨーク20に与える偏向電流の一部を整
流してコンバージェンスコイルに流すだけで良い。この
簡易的なダイナミックコンバージェンスを採用した場合
のコスト上昇分は実用上問題ないレベルである。もちろ
ん、製造上のばらつきを吸収する等の目的で、上記YH
補正に加えてΔtを動的に微調整することも可能であ
る。
【0064】偏向磁界領域に入射する3本の電子ビーム
の軌道を垂直偏向磁界の無偏向時に平行にする具体的手
段としては、電子銃内部における3本の電子ビームの軌
道が互いにほぼ平行になるように電子銃そのものを設計
してもよいが、その他の手段としては、電子銃のメイン
レンズ近傍からスクリーン側に四極磁界を設け、垂直偏
向磁界が無磁界のときに偏向磁界領域に入射する3本の
電子ビームの軌道が互いに平行になるように静的に調整
してもよい。さらに具体的に説明すると、従来の電子銃
のように3本の電子ビームのうち両サイドのビームの軌
道が内側へ向かって射出されているものにおいて、図8
に示すように、メインレンズ41、42、43の近傍か
らスクリーン側でネック部の外側に四極マグネット23
を配置する。これをネック部の断面モデル図を用いて示
すと図9のようになり、ここでは、環状部材の対角上に
マグネット23a、23b、23c、23dを配置して
形成したものを四極マグネット23として用い、これに
よって四極磁界24を発生させ、両サイドの電子ビーム
B、Rに外向きの力Fを与えることで3本の電子ビーム
の軌道をほぼ平行にする。
【0065】但し、このように内側へ向いていた3本の
電子ビームの軌道を四極磁界により平行にすると、四極
磁界を設けない場合に比べて中央の電子ビームGとサイ
ドの電子ビームB、Rとの間隔sが拡がり、両サイドの
電子ビームB、Rはファンネル内面により近い箇所を通
過することになるので、電子ビームが偏向される際、フ
ァンネル内面にサイドの電子ビームが当たって画面上に
ネックシャドウと呼ばれる暗い影を形成してしまうこと
がある。
【0066】このネックシャドウを回避し得るよりよい
手段として、メインレンズからスクリーン側で四極磁界
を管軸方向に二つ並べて設けることが考えられる。図1
0に示すように、まず、メインレンズ41、42、43
の近傍に第1の四極磁界を発生する四極マグネット25
を設け、さらにそのスクリーン側に第2の四極磁界を発
生する四極マグネット23を配置する。図11のよう
に、環状部材の対角上にマグネット25a、25b、2
5c、25dを配置した四極マグネット25により、第
1の四極磁界26が発生し、これが両サイドの電子ビー
ムB、Rに内向きの力F’を与え、3本の電子ビームを
予め内向きに設定された分量よりさらに内側へ折り曲げ
る。そして、第2の四極磁界を発生する四極マグネット
23により、前述した図9に示されるような四極磁界2
4を発生させて、両サイドの電子ビームB、Rに外向き
の力Fを与え、3本の電子ビームをほぼ平行にする。こ
のようにすると、両サイドの電子ビームの位置が第1の
四極磁界によって内側寄りになるので、その後第2の四
極磁界によって3本の電子ビームの軌道が平行になって
も3本の電子ビームの間隔sは小さくなり、電子ビーム
が偏向される際に両サイドの電子ビームがファンネル内
面にぶつかってネックシャドウが生じるようなことがな
い。従って、ネックシャドウ裕度に余裕ができるので、
ネックシャドウの発生を心配することなくファンネル径
や偏向ヨークのコイル径をある程度小さく設計すること
ができ、省電力化を図ることができる。または、ネック
シャドウの発生を心配することなく、電子ビームの偏向
角を増大して広角化することができるので、カラーCR
Tの全長を短縮することもできる。
【0067】さらに、このように第1および第2の四極
磁界を設ける際に、第1または第2の四極磁界の近傍に
第3の四極磁界を設けるとなおよい。この第3の四極磁
界は、第1および第2の四極磁界を設ける場合とほぼ同
様に四極マグネットをネック部外周に配置することで形
成される。第3の四極磁界を発生する四極マグネットの
位置は、図10において、第1の四極磁界を発生する四
極マグネット25のメインレンズ側でも、第2の四極磁
界を発生する四極マグネット23のスクリーン側でもよ
く、また、四極マグネット23と四極マグネット25と
の間であってもよい。
【0068】このように第3の四極磁界を設けることに
より、第1および第2の四極磁界によって生じる、レン
ズ結像倍率や集束作用の水平と垂直のアンバランスを補
正することができるので、これによってスポット形状の
歪みを抑制し解像度を向上させることができる。なお、
このときの第3の四極磁界の方向は、スポット形状の歪
みに対する必要な補正量に応じて適宜異なる。
【0069】また、第3の四極磁界を設ける代わりに、
電子銃内部に四極静電レンズを発生させるような電極構
造の電子銃としてもよく、この場合も同様にスポット形
状の歪みを抑制することができる。
【0070】ダイナミックコンバージェンス磁界作用を
発生させる具体的手段としては、電磁コイルによる四極
磁界で構成されたダイナミックコンバージェンス磁界発
生器を、電子銃のメインレンズ近傍からスクリーン側に
設け、垂直偏向磁界が無磁界でないときに偏向磁界領域
に入射する両サイドの電子ビーム軌道と中央の電子ビー
ム軌道との間隔をその磁界強度に応じて広げられるよう
に動的に調整すればよい。
【0071】また、この電磁コイルによるダイナミック
コンバージェンス磁界発生器を第1の四極磁界と第2の
四極磁界との間に配置することがより好ましい。この電
磁コイルにより、動的に電子ビームの間隔を微調整で
き、さらに、このような電磁コイルを第1の四極磁界と
第2の四極磁界との間に配置することにより、第1の四
極磁界と第2の四極磁界との間隔を広くすることができ
る。このため、第1の四極磁界による電子ビームの軌道
の内側への折り曲げを小さい角度で行え、また、当然な
がらこの第1の四極磁界で内側へ曲げられた電子ビーム
の軌道を第2の四極磁界によって外側へ曲げるのも小さ
い角度で行うことができるので、第1の四極磁界および
第2の四極磁界をさほど強い設定とする必要がない。こ
のことによって、これらの四極磁界による偏向磁界やレ
ンズ作用への悪影響を抑えることができる。
【0072】(実施の形態2)次に、本発明の第2の実
施の形態について説明する。
【0073】本実施の形態では、第1の実施の形態にお
いて課題となるラスター歪みを解消する。
【0074】第1の実施の形態では、斉一磁界分布かつ
完全フラットスクリーンを用いるので、ラスターは原理
的に図12のようにピンクッション状のラスター歪み2
7を生じる。この歪みを第1の実施の形態の原理を乱さ
ずに補正するには、補正磁界も斉一磁界分布でなければ
ならない。逆に、偏向磁界が斉一磁界分布であるからこ
そ補正磁界として斉一磁界を単純に重畳する事が可能に
成る。
【0075】ラスター上下のへこみの補正は、斉一磁界
分布による補助的な垂直偏向磁界を発生させて行う。こ
の補助的な垂直偏向磁界を発生させる補正電流28は、
図13に示すように水平偏向期間1Hを1周期として繰
り返す曲線の振幅が1フィールドに渡って本偏向の垂直
偏向電流で変調されたものを用いる。このようにするこ
とにより、本偏向がスクリーンのx方向の中央部を走査
する際には垂直偏向量に応じて前記曲線の振幅が増大
し、ラスター上下のへこみ部分の偏向量の不足が補われ
る。この補正電流は、垂直偏向ヨークに流す垂直偏向電
流に重畳してもよいし、垂直偏向ヨークとは別に設けた
斉一磁界分布を発生させる垂直磁界補正装置に与えても
良い。
【0076】ラスター左右のへこみの補正は、水平偏向
ヨークに流す水平偏向電流そのものを、図14に示す補
正した電流29とする。すなわち、1フィールドを1周
期とした曲線状に振幅変調し、ラスター左右のへこみ部
分の偏向量の不足を補う。
【0077】このようにすることにより、第1の実施の
形態の原理を乱さずにピンクッション状のラスター歪み
を補正することができる。あくまでも斉一磁界を重畳す
るので、Bxの大きさが変わるだけで、式(1)、
(2)の形は変わらないから、コンバージェンスには影
響しない。
【0078】(実施の形態3)次に、本発明の第3の実
施の形態について説明する。
【0079】本実施の形態では、第1の実施の形態にお
いて、ラスターがそのサイズとリニアリティーを含む幾
何学的な経時変化を生じたとき、スクリーン上のR、
G、B3色の位相コンバージェンスの精度が低下すると
いう問題を解決する。
【0080】第1の実施の形態の原理は、ラスターのサ
イズやリニアリティーに対するsの大きさの比率が一定
の時成り立つ。従って、ラスターのサイズやリニアリテ
ィーなどの幾何学的形状のバラツキや変形を含んだ初期
状態において、変調信号12、13、14の入力タイミ
ングのずれ量Δtを調整して、スクリーン上の各点での
R、G、B3色の位相コンバージェンスを調整しておく
必要がある。しかし、このような調整後も、偏向ヨーク
の温度特性などによってラスターのサイズやリニアリテ
ィーは経時変化を生じる可能性がある。このような現象
が生じると、ラスターのサイズや局所的なサイズを左右
するリニアリティーに対するビーム結像点の間隔sの大
きさの比率が変化してしまい、第1の実施の形態の原理
が損なわれる。そこで、このような場合には、何らかの
形でラスターの水平方向の幾何学的な変化量を感知し、
変調信号12、13、14の入力タイミングのずれ量Δ
tにフィードバックすればよい。
【0081】このラスターの幾何学的な変化量を検出し
Δtにフィードバックする手段の具体的な一例を図15
に示す。真空容器15内部のスクリーン11にほぼ平行
に設けられたシャドウマスク16の電子源1、2、3の
側の表面上に、電子ビームが当たると可視光または紫外
光などの不可視光30を発する蛍光体31を垂直に線状
に塗布し、この蛍光体発光を感知するフォトマルチプラ
イヤーなどの光センサー32を真空容器の内面または外
面に設ける。水平走査時の電子ビーム4’、5’、6’
が時間差Δtでこの蛍光体31の上を通過するとき、Δ
tの時間差で蛍光体発光が光センサー32にキャッチさ
れ、このΔtを基準に変調信号の入力タイミングを決め
るようにする。蛍光体31と光センサー32の対の設置
個所が多いほどスクリーン11上の場所ごとの細やかな
調整が可能になる。
【0082】このようにすることで、ラスターのサイズ
やリニアリティーの経時変化をΔtにフィードバックす
ることができ、信号位相コンバージェンスの精度を常に
一定に保つことができる。
【0083】(実施の形態4)次に、本発明の第4の実
施の形態について説明する。
【0084】本実施の形態では、第1の実施の形態にお
いて、表示データの画素数やフィールド周波数の設定を
変更した場合の、Δtの再設定を自動的に行う手段を示
す。例えばコンピュータモニタの場合であれば、表示デ
ータの画素数(水平ドット数×垂直ドット数)の設定
(表示モード)が、ユーザー側でSVGA(800×6
00)からUXGA(1600×1200)に変更され
た場合、フィールド周波数(インターレースしない場合
はフレーム周波数)が一定の場合は水平走査線が2倍つ
まり水平走査速度が2倍になるので、適切な信号位相コ
ンバージェンスに要するΔtの値は1/2になる。これ
は実施の形態3のような手段で自動的にフィードバック
をかけることも可能であるが、Δtの変化が大きいので
あらかじめ設定上で対応することが好ましい。そこで、
本実施の形態では、上記表示モードの再設定がソフト上
で入力されたとき、例えばグラフィックボードのドライ
バーソフトを書き換えるなどの手段で、その入力に対応
してΔtの値を再設定するようにする。
【0085】このようにすることで、表示データの画素
数やフィールド周波数の設定を変更した場合の、Δtの
再設定が自動的に行え、信号位相コンバージェンスの精
度を常に一定に保つことができる。
【0086】なお、以上述べた実施の形態では、電子ビ
ームの走査がスクリーンの水平方向に向かうカラーCR
T装置を用いた例としたが、例えば、スクリーンの垂直
方向に走査するカラーCRT装置を用いた場合でも、水
平と垂直の項目を入れ替えることによって、本発明は適
用され得る。
【0087】
【発明の効果】以上説明した通り、本実施の形態にかか
るカラーCRT装置は、コストアップを招かずに、充分
に精度良く3本の電子ビームの結像点が描く画像をスク
リーン上で重ねて一致させ、画像情報の表示密度の向上
と奥行き短縮のための偏向角増大への充分な対応を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカラーCRT
装置の構成図
【図2】同実施の形態に係るカラーCRT装置のスクリ
ーン上の電子ビーム結像点を示す図
【図3】同実施の形態の原理条件を満たさない場合のス
クリーン上の電子ビーム結像点を示す図
【図4】同実施の形態の偏向領域のx−y断面の磁界分
布を示す図
【図5】同実施の形態の偏向領域のy−z断面の磁界分
布と電子ビーム軌道を示す図
【図6】同実施の形態の斉一磁界分布が不完全な場合の
偏向領域のx−z断面磁界分布と電子ビーム軌道を示す
【図7】同実施の形態に係るカラーCRT装置で、簡易
的にダイナミックコンバージェンスを用いた場合の、偏
向領域のx−z断面の磁界分布と電子ビーム軌道を示す
【図8】同実施の形態に係るカラーCRT装置で、両サ
イドの電子ビームに外向きの力を与える四極磁界を発生
する四極マグネットの配置を示す図
【図9】同実施の形態に係るカラーCRT装置で、両サ
イドの電子ビームに外向きの力を与える四極磁界と電子
ビームとの位置関係を示すネック部断面モデル図
【図10】同実施の形態に係るカラーCRT装置で、両
サイドの電子ビームに内向きの力を与える四極磁界を発
生する四極マグネットの配置を示す図
【図11】同実施の形態に係るカラーCRT装置で、両
サイドの電子ビームに内向きの力を与える四極磁界と電
子ビームとの位置関係を示すネック部断面モデル図
【図12】カラーCRT装置において斉一磁界分布で偏
向した場合のラスター形状を示す図
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るカラーCR
T装置の垂直方向の補正磁界の電流波形図
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るカラーCR
T装置の補正された水平偏向電流波形図
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るカラーCR
T装置の構成図
【符号の説明】
1、2、3 それぞれ、R、G、Bに対応する電子源 4、5、6 それぞれ、R、G、Bに対応する電子ビー
ム 7、8、9 それぞれ、R、G、Bに対応する電子ビー
ム結像点 10 偏向磁界領域 11 スクリーン 12、13、14 それぞれ、R、G、Bに対応する変
調信号 15 真空容器 16 シャドウマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若園 弘美 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 Fターム(参考) 5C042 GG07 GG12 HH01 HH03 HH12 5C060 BD05 CA04 CE03 CF03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向にインライン状に配置された
    R、G、B3色に対応する3つの電子源から放射された
    3本の電子ビームが、水平偏向磁界および垂直偏向磁界
    により偏向され、かつ、同時刻にはスクリーン上で一点
    に重ならない3つの電子ビーム結像点を形成するもので
    あって、前記3本の電子ビームがそれぞれスクリーン上
    の同一点を走査する時刻の時間差に応じて各電子ビーム
    の変調信号の入力タイミングに時間差を与えることによ
    りスクリーン上にカラー画像を形成する方式のカラーC
    RT装置において、前記スクリーンを実質的にフラット
    とし、かつ、前記水平偏向磁界および前記垂直偏向磁界
    をいずれも実質的な斉一磁界分布とし、かつ、偏向磁界
    領域に入射する際の両サイドの電子ビーム軌道と中央の
    電子ビーム軌道とをほぼ平行とし、さらに、前記変調信
    号の前記入力タイミングに与える前記時間差を前記スク
    リーン上の全域でほぼ一定とすることを特徴とするカラ
    ーCRT装置。
  2. 【請求項2】 水平方向にインライン状に配置された
    R、G、B3色に対応する3つの電子源から放射された
    3本の電子ビームが、水平偏向磁界および垂直偏向磁界
    により偏向され、かつ、同時刻にはスクリーン上で一点
    に重ならない3つの電子ビーム結像点を形成するもので
    あって、前記3本の電子ビームがそれぞれスクリーン上
    の同一点を走査する時刻の時間差に応じて各電子ビーム
    の変調信号の入力タイミングに時間差を与えることによ
    りスクリーン上にカラー画像を形成する方式のカラーC
    RT装置において、前記スクリーンをほぼフラットと
    し、かつ、前記水平偏向磁界および前記垂直偏向磁界を
    いずれもほぼ斉一磁界分布とし、さらに、前記垂直偏向
    磁界が無磁界のときには、偏向磁界領域に入射する際の
    両サイドの電子ビーム軌道と中央の電子ビーム軌道とを
    ほぼ平行とし、前記垂直偏向磁界が無磁界でないときに
    は、その磁界強度に応じて偏向磁界領域に入射する際の
    両サイドの電子ビーム軌道と中央の電子ビーム軌道との
    間隔を広げることで、スクリーン上の同時刻における前
    記3つの電子ビーム結像点が互いに水平方向に一定の間
    隔に常に保たれるように調整することを特徴とするカラ
    ーCRT装置。
  3. 【請求項3】 電子銃内部における3本の電子ビームの
    軌道が互いにほぼ平行であることを特徴とする請求項1
    〜2記載のカラーCRT装置。
  4. 【請求項4】 電子銃のメインレンズ近傍からスクリー
    ン側に四極磁界を設け、前記四極磁界が、前記垂直偏向
    磁界が無磁界のときに偏向磁界領域に入射する3本の電
    子ビームの軌道を互いに平行になるように静的に調整す
    ることを特徴とする請求項2〜3記載のカラーCRT装
    置。
  5. 【請求項5】 前記四極磁界は電子銃のメインレンズ近
    傍からスクリーン側に第1の四極磁界と第2の四極磁界
    を順次設けたものであり、前記第1の四極磁界により3
    本の電子ビームのうち両サイドの電子ビームの軌道を内
    側へ折り曲げ、前記第2の四極磁界により前記3本の電
    子ビームの軌道を互いに平行にすることを特徴とする請
    求項4記載のカラーCRT装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の四極磁界または前記第2の四
    極磁界の近傍に第3の四極磁界を設け、前記第3の四極
    磁界が、両サイドの電子ビームの軌道を内側または外側
    へ折り曲げることを特徴とする請求項5記載のカラーC
    RT装置。
  7. 【請求項7】 前記電子銃内に四極静電レンズを設け、
    前記四極静電レンズが、両サイドの電子ビームの軌道を
    内側または外側へ折り曲げることを特徴とする請求項5
    記載のカラーCRT装置。
  8. 【請求項8】 電子銃のメインレンズ近傍からスクリー
    ン側に電磁コイルによる四極磁界を設け、垂直偏向磁界
    が無磁界でないときに、偏向磁界領域に入射する両サイ
    ドの電子ビームの軌道と中央の電子ビームの軌道との間
    隔がその磁界強度に応じて広げられるように動的に調整
    することを特徴とする請求項2〜7記載のカラーCRT
    装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の四極磁界と前記第2の四極磁
    界との間に電磁コイルによる四極磁界を設け、垂直偏向
    磁界が無磁界でないときに、偏向磁界領域に入射する両
    サイドの電子ビームの軌道と中央の電子ビームの軌道と
    の間隔がその磁界強度に応じて広げられるように動的に
    調整することを特徴とする請求項5〜7記載のカラーC
    RT装置。
  10. 【請求項10】 前記カラー画像のラスター歪みを、前
    記斉一磁界分布もしくは前記斉一磁界分布に補助的に設
    けられた補助磁界によって補正することを特徴とする請
    求項1〜9記載のカラーCRT装置。
  11. 【請求項11】 前記電子ビームの電流量の変化に応じ
    て、前記入力タイミングの時間差を調節することを特徴
    とする請求項1〜10記載のカラーCRT装置。
  12. 【請求項12】 前記カラー画像の幾何学的な経時変化
    をセンサーで検出し、その変化量に応じて前記入力タイ
    ミングの時間差を調節することを特徴とする請求項1〜
    11記載のカラーCRT装置。
  13. 【請求項13】 前記カラー画像の表示データの画素数
    やフィールド周波数の設定に応じて、前記入力タイミン
    グの時間差を調節することを特徴とする請求項1〜12
    記載のカラーCRT装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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