JP2002090372A - 自動分析方法及び装置 - Google Patents

自動分析方法及び装置

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JP2002090372A
JP2002090372A JP2000279354A JP2000279354A JP2002090372A JP 2002090372 A JP2002090372 A JP 2002090372A JP 2000279354 A JP2000279354 A JP 2000279354A JP 2000279354 A JP2000279354 A JP 2000279354A JP 2002090372 A JP2002090372 A JP 2002090372A
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Kyuji Mutsukawa
玖治 六川
Hiroko Takayama
博子 高山
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】落ち難い汚れを防ぐとともに、長期間にわたり
反応管を清浄に保つような自動分析方法及び装置を提供
することにある。 【解決手段】被検試料を収納する被検試料収納部及び試
薬を収納する試薬収納部からそれぞれ試料及び試薬を反
応管1に分注し、反応管1内の反応液を測定後、反応液
を反応管1から廃液し、その後、pHが中性域にある洗
剤により反応管1を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動分析装置及び
方法に係り、特に、被検試料と試薬とを反応させる反応
管の洗浄に好適な自動分析方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療側の要求と自動分析装置の性
能の進歩に伴い、当該装置で測定される項目数は飛躍的
に増大してきている。更に装置の処理速度が早くなった
こともあり、反応に用いられる反応管への負担が益々大
きくなってきた。通常の自動分析装置では、複数の反応
管が円周状に配列されており、夫々の反応管は、一つの
反応・測定が終了するたびに装置内に設けられている洗
浄ユニットにより自動的に洗浄・乾燥されて次の反応に
供される。現在の多くの装置では測定項目のランダムア
クセス方式を採用しており、一つの反応管で様々な項目
の測定を行うために次々と多種類の反応が行われること
になる。
【0003】このように、一つの反応管を複数の測定項
目にわたって繰り返し使用しているため、汚れや項目間
のキャリーオーバーを防ぐためには反応管の洗浄が重要
になってくる。装置内での自動洗浄方式としては、単に
純水で洗浄する方法と洗剤と純水を組み合わせる方法が
あるが、最近は後者が一般的である。
【0004】ここで使用する洗剤としては、一般にアル
カリ性洗剤と酸性洗剤の両方またはどちらか一方が用い
られる。アルカリ性洗剤は、通常水酸化カリウムや水酸
化ナトリウムのような強アルカリをベースに界面活性剤
などの補助剤を添加して洗浄効果を得ている。これまで
アルカリ性洗剤が主として用いられてきた理由の一つ
は、血清などに多く含まれる蛋白質の溶解性を高めるこ
とにある。一方、酸性洗剤は反応液に含まれる金属イオ
ンを除去するとともに、アルカリ洗剤を中和する目的も
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、血清などの被検試料や試薬中には、カルシウムなど
の2価金属や脂質などが含まれており、これらの成分が
存在している反応管内の反応液は測定終了後に反応管よ
り吸引排出(廃液)されるが、一部の反応液はどうして
も反応管内に残留してしまう。そのような状態でアルカ
リ性の洗剤が分注されると、反応管内に残留している反
応液中の脂質と洗剤中のナトリウムやカリウムなどのア
ルカリ金属が結合して所謂石鹸が形成される。出来た石
鹸のアルカリ金属は、アルカリ条件下で共存する2価の
金属イオンと簡単に置換し、脂質と2価金属が結合した
金属石鹸が出来てしまう。この金属石鹸は水に溶けず、
反応管に付着すると通常の洗浄では除去することは困難
である。
【0006】しかも、反応管としては、ガラス製やプラ
スチック製のものがあるが、この金属石鹸が生成される
という現象は、反応管の材質に無関係に起こるものであ
る。
【0007】このような現象を防止するために、酸性洗
剤を先に分注することも考えられるが、その場合、被検
試料中の蛋白質が変性凝固したり、金属化合物の結晶が
析出したりして、別の問題を引き起こしてしまう。ま
た、反応管の汚れを効率的に除去して再利用し、安定的
なデータを得るためには洗剤の利用は必要不可欠であ
る。中性洗剤を用いる例としては、特許第300108
7号がある。ここでは、界面活性剤(非イオン系)を用
いることが開示されているが、この場合、廃水のpHが
規制範囲を超えないように洗剤のpHを考えて中性洗剤
を用いているものであり、洗浄効果についても記載があ
るが、反応管の汚れの原因が具体的に何であるか、そし
て上記のような金属石鹸が反応管に付着する、あるいは
蓄積するのを防止することについては、具体的な記載が
ない。
【0008】そこで、本発明の目的は、金属石鹸のよう
な落ち難い汚れを防ぐとともに、長期間にわたり反応管
を清浄に保つような自動分析方法及び装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、被検試料を収納する被検試料収納部及び
試薬を収納する試薬収納部からそれぞれ試料及び試薬を
反応管に分注し、反応管内の反応液を測定後、反応液を
反応管から廃液し、その後、pHが中性域にある洗剤に
より反応管を洗浄することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明を適用
した自動分析装置の概略の要部構成を示す図である。円
周上に複数個の反応管1が配列された反応ディスク2
は、ある一定のサイクルで所定の角度だけ回転して停止
する間欠的回転動作を行う。被検試料が収納された試料
容器がセットされるサンプルディスク3は、反応ディス
ク2の近傍に配置されている。
【0011】各種成分と反応する試薬が収容された試薬
容器がセットされる第1試薬庫4は、反応ディスク2の
内側に配置されている。また、第1試薬庫4と同様に試
薬容器がセットされる第2試薬庫5は、反応ディスク2
の近傍に配置されている。
【0012】サンプルディスク3、第1試薬庫4及び第
2試薬庫5は、それぞれ所定の制御によりサンプルディ
スク3にセットされた指定の試料容器または第1試薬庫
4及び第2試薬庫5にセットされた指定の試薬容器が所
定位置に位置決めされるように回転駆動される。
【0013】反応ディスク2とサンプルディスク3との
間にはサンプリングアーム6が配置され、そのサンプリ
ングアーム6は、サンプリングプローブをサンプルディ
スク2の所定位置にセットされている試料容器上に位置
させる。そして、サンプリングプローブは、その試料容
器内へ降下して、液面を検知すると、さらに所定量だけ
降下して試料容器内の被検試料を所定量だけ吸引し、こ
の吸引が終了すると上昇する。
【0014】サンプリングプローブの上昇が終了する
と、サンプリングアーム6は回動して、サンプリングプ
ローブを反応ディスク2のサンプル分注位置上へ位置さ
せる。その後、サンプリングプローブはそのサンプル分
注位置にセットされている1本あるいは複数本の反応管
1に被検試料を予め設定された量だけ分注する。
【0015】反応ディスク2の外周近傍には第1試薬分
注アーム7が配置され、その先端には第1試薬分注プロ
ーブが取り付けられている。第1試薬分注アーム7は、
第1試薬分注プローブを第1試薬庫4の所定位置にセッ
トされている試薬容器上に位置させる。第1試薬分注プ
ローブは、その試薬容器内へ降下して、液面を検知する
と、さらに所定量だけ降下して試薬を所定量だけ吸引
し、この吸引が終了すると上昇する。
【0016】第1試薬分注プローブの上昇が終了する
と、第1試薬分注アーム7は回動して、第1試薬分注プ
ローブを反応ディスク2の第1試薬分注位置上へ位置さ
せる。その後、第1試薬分注プローブは、その第1試薬
分注位置にセットされている反応管1に試薬を予め設定
された量だけ分注する。
【0017】反応ディスク2と第2試薬庫5との間には
第2試薬分注アーム8が配置され、その先端には第2試
薬分注プローブが取り付けられている。第2試薬分注ア
ーム8は、第2試薬分注プローブを第2試薬庫5の所定
位置にセットされている試薬容器上に位置させる。第2
試薬分注プローブは、その試薬容器内へ降下して、液面
を検知すると、さらに所定量だけ降下して試薬を所定量
だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0018】第2試薬分注プローブの上昇が終了する
と、第2試薬分注アーム8は回動して、第2試薬分注プ
ローブを反応ディスク2の第2試薬分注位置上へ位置さ
せる。その後、第2試薬分注プローブは、その第2試薬
分注位置にセットされている反応管1に試薬を予め設定
された量だけ分注する。
【0019】また、反応ディスク2の外周近傍には、撹
拌アーム9が配置され、先端には撹拌子が取り付けられ
ている。この撹拌アーム9は、反応ディスク2の撹拌位
置にセットされている反応管1内の溶液(被検試料及び
試薬)を撹拌子によって撹拌するようになっている。
【0020】さらに、反応ディスク2の外周近傍には、
洗浄ユニット10が配置され、この洗浄ユニット10に
は、複数本の洗浄ノズルと、乾燥ノズルが取り付けられ
ている。この洗浄ユニット10は、反応ディスク2の洗
浄位置にセットされている各反応管1に対してそれぞれ
洗浄ノズルまたは乾燥ノズルにより洗浄または乾燥を行
うようになっている。この洗浄ユニット10による洗浄
では、洗剤を用いて洗浄することができる。
【0021】また、反応ディスク2の外周近傍には、電
極11が配置可能になっており、この電極11は、反応
ディスク2の電解質測定位置にセットされている反応管
1内の溶液の電解質分析を行うことができる。
【0022】そして、反応ディスク2には、測光部12
が設けられている。この測光部12は、発光部を備え、
発光部からの光を反応ディスク2の測光位置にセットさ
れている反応管1に照射し、その透過光の光量を測定し
て、反応管1内の被検試料の試薬による変化を測定する
ようになっている。その変化を測定することによって、
被検試料の測定項目に対する成分分析が行える。
【0023】このような構成の自動分析装置による具体
的な反応管の洗浄処理動作について説明する。測光部1
2による測定が終了した反応管1内の反応液は、図示し
ない真空ポンプにより廃液管を通して吸引排出される。
そして、その反応管1内の洗浄が開始される。洗浄ユニ
ット10に取り付けられた洗浄ノズルにより洗剤を反応
管1に分注する。その後、すすぎが洗浄ユニット10に
より行われた後、その反応管1は洗浄ユニット10の乾
燥ノズルにより乾燥処理されて、次の分析に再利用され
る。
【0024】洗浄ユニット10による洗浄に使用される
洗剤として、pHが中性域にある洗剤を用いられる。p
Hが中性域にある洗剤としては、具体的には、pHの値
が5から9の範囲の洗剤が考えられるが、7から8付近
がより洗浄に適している。さらに、出来るだけ泡立ちが
少なく、しかも泡切れのよいものを用いるとよい。
【0025】図2は、洗剤としてアルカリ性洗剤を長期
間使用してルーチン検査を行った場合の反応管の状態を
示す図である。具体的には、上記したような構成の自動
分析装置にて洗浄にアルカリ洗剤を2年間使い続けた場
合の反応管(ガラスセル)の状態を示している。この反
応管を使用して検査を行った場合でも、実際の項目測定
自体には特に問題は無かったが、乾燥させると図2に示
すように、反応管の内側の壁には汚れによる白濁がはっ
きりと観察された。この反応管に付着した落ち難い白濁
のもととなっている汚れを分析した結果、2価の金属イ
オンの他、カルシウム、マグネシウム、鉄などが検出さ
れた。さらに、この汚れを赤外分光測定にて分析を行っ
たところ、脂質成分の存在と、脂質とカルシウムの結合
に特有なシグナルが検出された。このことから、この頑
固な汚れの成分は金属石鹸であることが推察される。
【0026】図3は、金属石鹸の生成モデル実験による
反応管の状態を示す図である。まず、浴用石鹸を水に溶
解させ、その石鹸液に塩化カルシウム液を加えると白濁
し白い沈殿物が生じる。その沈殿物が、水に溶解しない
金属石鹸である。次に、脱イオン水で2倍に希釈した血
清Aに塩化カルシウム液を加えても、色の変化は生じず
(白濁せず)、沈殿物も発生しなかった。つまり、金属
石鹸の沈殿は生じなかった。血清AはpHが中性域であ
るので、金属石鹸は生じなかったのである。一方、1N
NaOHで2倍に希釈した血清Bに塩化カルシウム液を
加えると、石鹸液同様に白濁し白い沈殿物が生じた。即
ち、血清とアルカリ性溶液の混合液にカルシウム液を加
えれば、金属石鹸が生じることがわかった。
【0027】このように、自動分析装置によるルーチン
検査によって実際に反応管に付着した汚れの分析結果と
生成モデル実験の結果を考えれば、アルカリ性洗剤を洗
浄に使用し続けた結果、反応管に付着した白濁の汚れの
原因は金属石鹸であることがわかった。しがって、この
ままアルカリ性洗剤を使用して洗浄を続けると、反応管
に付着する金属石鹸はさらに蓄積され、項目測定自体に
影響を及ぼす恐れが高くなる。
【0028】次に、金属石鹸生成モデル実験にて、金属
石鹸を生じさせなかった中性域の洗剤の汚れに対する効
果を試す実験を考える。上記の金属石鹸生成モデル実験
でも用いた脱イオン水で2倍に希釈した血清Aと1NN
aOHで2倍に希釈した血清Bのそれぞれにガラス板を
浸漬したまま室温で一晩放置した後、各々のガラス板を
取り出し、十分に流水洗浄を行う。こうして処理した各
々のガラス板の表面電位を測定した。尚、このガラス板
の材質は、自動分析装置に使われる反応管の材質と同じ
ものである。また、この表面電位を測定することによっ
て、ガラス板の表面の状態を知ることができる。その表
面電位の測定結果を図4に示す。
【0029】この結果によると、中性である血清Aに浸
漬させたガラス板の表面電位は−7.9mVであり、対
照(無処理のガラス板)の表面電位−40.0mVに比
べて、値がプラス側にシフトしていることがわかる。一
方、アルカリ性である血清Bに浸漬させたガラス板の表
面電位は−67.3mVであり、対照の表面電位−4
0.0mVに比べて、値がマイナス側にシフトしている
ことがわかる。このことから、中性である血清Aに浸漬
させたガラス板の表面とアルカリ性である血清Bに浸漬
させたガラス板の表面では、明らかに性状の異なる物質
がガラス板の表面に吸着していることがわかる。
【0030】その後、それらのガラス板をアニオン系中
性界面活性剤(例えば、アルキルサルフェート、エトキ
シサルフェート、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウ
ム、高分子型アニオン性分散剤など)を主体とした中性
洗剤にて洗浄処理した後に表面電位を測定した結果、血
清Aに浸漬させたガラス板の表面電位は対照の表面電位
に近づいたのに対して、血清Bに浸漬させたガラス板の
表面電位は変化し難く、洗浄処理前の値とほとんど変わ
らなかった。
【0031】このことから、血清Aに浸漬させたガラス
板の表面に吸着している物質の方が、血清Bに浸漬させ
たガラス板の表面に吸着している物質に比べて、落とし
やすい(洗い流されやすい)がわかる。つまり、中性の
洗剤を使って洗浄を続けたほうが、アルカリ性の洗剤を
使って洗浄を続けるよりも、反応管に付着した汚れが落
ちやすい(長期間反応管を使用しつづけても汚れの蓄積
が少ない、汚れがつきにくい状態を保つ)ということが
わかる。そして、アルカリ性の洗剤で洗浄を続けても、
1回の洗浄の際に反応管に付着した汚れの落ちの程度が
小さく、長期間反応管を使用し続ければ、汚れが蓄積し
ていくことになる。
【0032】さらに、中性域の洗剤の効果を確認するた
めに、上記のような構成の自動分析装置において、中性
化された洗剤を搭載して約10ヶ月間連続して使用しつ
づけた場合と、従来の洗剤(アルカリ性の洗剤)を搭載
して同じ期間連続して使用しつづけた場合の反応管の状
態を比較した。図5は、その比較を示す図である。
【0033】図5をみれば明らかなように、中性化され
た洗剤を搭載して自動分析装置を長期間連続運転させた
ほうの反応管は、ほとんど汚れが付着しておらず、十分
にきれいな状態(清潔な状態)を保っている。一方、従
来の洗剤を搭載して運転させたほうの反応管は、白濁し
た汚れが反応管全体に広がっており、きれいな状態(清
潔な状態)とは言い難い。
【0034】さらに、中性化された洗剤を搭載して自動
分析装置を長期間連続運転させても、その間に測定項目
の精度管理データは安定しており、測定に関しては洗剤
の影響がないこともわかった。
【0035】以上のように、洗剤を中性化する(中性域
の洗剤を用いる)ことにより、反応管内での金属石鹸の
生成を防止することができ、同一反応管を長期間使用し
ても反応管への不溶性の汚れの蓄積も防止できる。しか
も、反応管の材質に無関係にそれらを防止できる。
【0036】また、中性化された洗剤を搭載して自動分
析装置を長期間連続運転させても、キャリーオーバーの
増加も認められず、装置の保守管理も容易となる。さら
に、中性化された洗剤を用いることにより、測定項目の
拡大や装置の処理能力の増加に伴って反応管の負担が増
しても、測定に影響が出ない自動分析装置を提供するこ
とができる。
【0037】尚、一般に中性洗剤は多く市販されている
が、そのほとんどのものは、洗浄効果を界面活性剤に依
存している。洗剤を用いる主目的は汚れを除去すること
にあるから、アルカリ性の洗剤での蛋白質などの変性あ
るいは可溶性ができない以上、界面活性剤への依存が高
くなるのは必然のことである。
【0038】しかしながら、装置内で洗剤を用いる場
合、かなり希釈されて使われるとはいえ、反応管内に分
注されたときに泡立つとかえって周辺を汚してしまう。
さらに、使用済みの洗浄剤は、反応管から真空ポンプで
排出されるので、廃液ライン内での泡立ちが問題とな
る。硬く消え難い泡が廃液ライン内に生じると、廃液管
内が泡で充満し、廃液自体が阻害され、廃液の逆流が起
きてしまうことが想定される。
【0039】したがって、自動分析装置で使用される洗
剤の条件としては、できるだけ泡立ちが少なく、しかも
泡切れのよいものを用いる必要がある。
【0040】さらに、洗剤に対する他の重要な条件とし
ては、測定する種々の反応に影響を与えないことは言う
までもない。通常、洗剤洗浄された後、反応管は純水で
洗浄され洗剤を除去するが、反応管材質への吸着性の高
い成分が洗剤に入っていると、純水では除去しきれずに
反応管内に残ってしまい、項目測定自体に影響を与える
ことも考えられる。
【0041】さらには、反応管に付いた汚れを除去する
のみならず、反応管自体に汚れ成分が付きにくくする方
法もある。物質の吸着は、電気的吸引、水素結合、疎水
的相互作用など多数の要因があるが、反応管なども場合
には相互の電気的吸引が引き金になる可能性が高い。
【0042】したがって、反応管の内面の表面電位をで
きるだけ小さくすることで、汚染原因物質の反応管への
吸着を防止することも可能となる。これら洗剤の成分と
なる物質、組成及び配合は、洗剤メーカのノウハウに当
たり一般に公開されない。したがって、自動分析装置用
の洗剤を開発する場合は、上記の洗剤に対する要件を考
慮して、それら要件に合った配合になるように、洗剤メ
ーカと協力して検討する必要がある。
【0043】以上述べたような工夫をすることにより、
長期間使用しても反応管の汚染は防止され、安定したデ
ータを供給する自動分析装置が提供可能となる。
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、落ち難い汚れを防ぐとともに、長期間にわたり反
応管を清浄に保つような自動分析方法及び装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動分析装置の概略の要部構
成を示す図である。
【図2】アルカリ性洗剤を長期間使用した場合の反応管
の状態を示す図である。
【図3】金属石鹸の生成モデル実験を示す図である。
【図4】本発明を適用した洗浄による効果を示す図であ
る。
【図5】本発明を適用した洗浄による反応管の状態と従
来の洗浄による反応管の状態の比較を示す図である。
【符号の説明】
1 反応管 2 反応ディスク 3 サンプルディスク 4 第1試薬庫 5 第2試薬庫 6 サンプリングアーム 7 第1試薬分注アーム 8 第2試薬分注アーム 9 撹拌アーム 10 洗浄ユニット 11 電極 12 測光部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検試料を収納する被検試料収納部及び試
    薬を収納する試薬収納部からそれぞれ試料及び試薬を反
    応管に分注すること、前記反応管内の反応液を測定する
    こと、前記測定後、反応液を該反応管から廃液するこ
    と、前記廃液後、pHが中性域にある洗剤により該反応
    管を洗浄することからなることを特徴とする自動分析方
    法。
  2. 【請求項2】被検試料を収納する被検試料収納部と、試
    薬を収納する試薬収納部と、被検試料と試薬を反応させ
    るための反応管と、前記被検試料収納部から前記反応管
    へ被検試料を分注する被検試料分注手段と、前記試薬収
    納部から前記反応管へ試薬を分注する試薬分注手段と、
    前記反応管内の反応液を測定する測定手段と、前記測定
    後、反応液を該反応管から廃液する廃液手段と、前記廃
    液後、該反応管を洗浄する洗浄手段とを備え、前記洗浄
    手段は、pHが中性域にある洗剤により前記反応管を洗
    浄することを特徴とする自動分析装置。
  3. 【請求項3】前記pHが中性域にある洗剤は、pHが5
    乃至9にある洗剤であることを特徴とする請求項1記載
    の自動分析方法または請求項2記載の自動分析装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7820114B2 (en) 2003-09-01 2010-10-26 Hitachi, Ltd. Reaction container for chemical analysis with the controlled surface property
JP2010537660A (ja) * 2007-09-07 2010-12-09 アールト・ユニバーシティ・ファウンデイション アルコールからの脂肪の生産

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