JP2002086060A - マグネシウム合金製材の表面加工方法及び該方法によって形成された反射鏡 - Google Patents
マグネシウム合金製材の表面加工方法及び該方法によって形成された反射鏡Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形されたマグネシウム製材のコーテイング
層表面に膨れを発生させない表面加工方法及びこの表面
加工方法によって形成された反射鏡を提供すること。 【解決手段】 成形されたマグネシウム合金製材2の表
面に、紫外線硬化型合成樹脂によってコーティング層3
を形成し、また、このコーティング層3の硬化工程F3
の前に行われる予備乾燥工程F2では、マグネシウム合
金製材2の表面からのガスの排出によって気泡がコーテ
イング層に形成されない加温条件(温度と時間)で行う
ようにする。
層表面に膨れを発生させない表面加工方法及びこの表面
加工方法によって形成された反射鏡を提供すること。 【解決手段】 成形されたマグネシウム合金製材2の表
面に、紫外線硬化型合成樹脂によってコーティング層3
を形成し、また、このコーティング層3の硬化工程F3
の前に行われる予備乾燥工程F2では、マグネシウム合
金製材2の表面からのガスの排出によって気泡がコーテ
イング層に形成されない加温条件(温度と時間)で行う
ようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形されたマグネ
シウム合金製材の表面処理技術に関する。特に、車両用
灯具に配設される反射鏡(リフレクタ)の基材として、
成形されたマグネシウム合金製材を用いる場合におい
て、基材表面に設けられた加工層に膨れを発生させない
ように工夫した表面処理技術に関する。
シウム合金製材の表面処理技術に関する。特に、車両用
灯具に配設される反射鏡(リフレクタ)の基材として、
成形されたマグネシウム合金製材を用いる場合におい
て、基材表面に設けられた加工層に膨れを発生させない
ように工夫した表面処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウムは、一般に使用される構造
用金属材料の中で密度が1.8で最も軽量(アルミニウ
ムと比較して比重が3分の2程度)で、比較的安定した
強度・剛性を持っている。また、薄肉化も容易であるこ
とから、現在、軽量化、強度・剛性、薄肉化が要求され
ているノート型パソコンやデジタルカメラ、形態電話等
を構成する基材に利用され始めている。
用金属材料の中で密度が1.8で最も軽量(アルミニウ
ムと比較して比重が3分の2程度)で、比較的安定した
強度・剛性を持っている。また、薄肉化も容易であるこ
とから、現在、軽量化、強度・剛性、薄肉化が要求され
ているノート型パソコンやデジタルカメラ、形態電話等
を構成する基材に利用され始めている。
【0003】自動車等の車両関連分野でも、主に軽量化
の要請から、ステアリングホイールの芯材、シリンダー
ヘッド、シートフレーム、トランスミッションケース、
ドアのインサイドパネル等やプロジェクタタイプのラン
プの反射鏡基材として利用され始めている。
の要請から、ステアリングホイールの芯材、シリンダー
ヘッド、シートフレーム、トランスミッションケース、
ドアのインサイドパネル等やプロジェクタタイプのラン
プの反射鏡基材として利用され始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、成形さ
れたマグネシウム合金製材にでは、その表面加工方法に
は、重大な技術的課題が存在する。この技術的課題につ
いて説明する。まず、成形されたマグネシウム合金製材
では、離型材の熱分解成分や原料自身から発生するガス
が製材中に入り込んでしまうため、該製材中に巣孔が形
成されてしまうことを回避することが困難である。
れたマグネシウム合金製材にでは、その表面加工方法に
は、重大な技術的課題が存在する。この技術的課題につ
いて説明する。まず、成形されたマグネシウム合金製材
では、離型材の熱分解成分や原料自身から発生するガス
が製材中に入り込んでしまうため、該製材中に巣孔が形
成されてしまうことを回避することが困難である。
【0005】このため、マグネシウム製材の表面加工の
過程で、熱加工工程(高温条件下の乾燥、硬化工程等)
がある場合には、マグネシウム合金製材中の巣孔にコー
ティング剤が浸透し、熱加工によって揮発成分がガス化
し、巣孔を連結する亀裂を伝わりながら表面に上昇し、
やがては外部に排出(蒸発)されるという現象が発生す
る。
過程で、熱加工工程(高温条件下の乾燥、硬化工程等)
がある場合には、マグネシウム合金製材中の巣孔にコー
ティング剤が浸透し、熱加工によって揮発成分がガス化
し、巣孔を連結する亀裂を伝わりながら表面に上昇し、
やがては外部に排出(蒸発)されるという現象が発生す
る。
【0006】例えば、図3に示すように、マグネシウム
合金製材10の表面に、熱硬化性合成樹脂を用いたコー
ティング層11を形成する工程では、先の成形過程でマ
グネシウム合金製材10中に内包されているガス13
が、巣孔14を連結する亀裂15を伝わりながら表面に
上昇し、やがては外部へ排出(蒸発)する。
合金製材10の表面に、熱硬化性合成樹脂を用いたコー
ティング層11を形成する工程では、先の成形過程でマ
グネシウム合金製材10中に内包されているガス13
が、巣孔14を連結する亀裂15を伝わりながら表面に
上昇し、やがては外部へ排出(蒸発)する。
【0007】このマグネシウム合金製材10からのガス
排出作用は、マグネシウム合金製材10の上層のコーテ
ィング層11に、気泡状の膨れ15を発生させるという
問題を引き起こす。この膨れ19が発生すると、コーテ
ィング層11の表面に多数の凹凸を形成するので、製品
の外観を悪化せしめ、製品価値の低下や製造ロスの上昇
を招き、好ましくない。
排出作用は、マグネシウム合金製材10の上層のコーテ
ィング層11に、気泡状の膨れ15を発生させるという
問題を引き起こす。この膨れ19が発生すると、コーテ
ィング層11の表面に多数の凹凸を形成するので、製品
の外観を悪化せしめ、製品価値の低下や製造ロスの上昇
を招き、好ましくない。
【0008】例えば、コーティング層11をアンダーコ
ート層として機能させ、その上層にアルミニウム蒸着層
16(及びトップコート層17)を形成することによっ
て、車両用灯具等に使用される反射鏡(リフレクタ)1
8を製造する場合がある。この場合は、コーティング層
11に膨れ19があると、アルミニウム蒸着層16の表
面に凸凹20を形成するので、正確な光反射が得られな
い、不良の反射鏡18が造り出されてしまう。
ート層として機能させ、その上層にアルミニウム蒸着層
16(及びトップコート層17)を形成することによっ
て、車両用灯具等に使用される反射鏡(リフレクタ)1
8を製造する場合がある。この場合は、コーティング層
11に膨れ19があると、アルミニウム蒸着層16の表
面に凸凹20を形成するので、正確な光反射が得られな
い、不良の反射鏡18が造り出されてしまう。
【0009】そこで、本発明は、成形されたマグネシウ
ム合金製材から発生するガスによって、コーテイング層
に気泡が形成されてしまうのを確実に防止できる、マグ
ネシウム合金製材の表面加工方法及びこの表面加工方法
によって形成された反射鏡を提供することを目的とす
る。
ム合金製材から発生するガスによって、コーテイング層
に気泡が形成されてしまうのを確実に防止できる、マグ
ネシウム合金製材の表面加工方法及びこの表面加工方法
によって形成された反射鏡を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、まず、成形されたマグネシウム合金製材
の表面に、紫外線硬化型合成樹脂(紫外線を照射すると
硬化する性質の合成樹脂)によってコーティング層を形
成するマグネシウム合金製材の表面加工方法を提供す
る。
に、本発明は、まず、成形されたマグネシウム合金製材
の表面に、紫外線硬化型合成樹脂(紫外線を照射すると
硬化する性質の合成樹脂)によってコーティング層を形
成するマグネシウム合金製材の表面加工方法を提供す
る。
【0011】まず、マグネシウム合金製材をチクソモー
ルド法により成形することによって、製材中の巣孔の形
成を極力抑制するとともに、マグネシウム合金製材表面
に対するコーティング層の形成を、従来から広く普及し
ている熱硬化性合成樹脂(例えば、二液エポキシ系熱硬
化性樹脂)を用いるのではなく、紫外線硬化型合成樹脂
を新規に採用する。
ルド法により成形することによって、製材中の巣孔の形
成を極力抑制するとともに、マグネシウム合金製材表面
に対するコーティング層の形成を、従来から広く普及し
ている熱硬化性合成樹脂(例えば、二液エポキシ系熱硬
化性樹脂)を用いるのではなく、紫外線硬化型合成樹脂
を新規に採用する。
【0012】この構成によって、コーテイング層の硬化
工程にマグネシウム合金製材からのガス排出により、コ
ーテイング層に気泡が形成されて硬化してしまうのを回
避できる。即ち、マグネシウム合金製材表面のコーティ
ング層に膨れが形成されてしまうことがなくなり、表面
平滑性を確保することができる。
工程にマグネシウム合金製材からのガス排出により、コ
ーテイング層に気泡が形成されて硬化してしまうのを回
避できる。即ち、マグネシウム合金製材表面のコーティ
ング層に膨れが形成されてしまうことがなくなり、表面
平滑性を確保することができる。
【0013】また、紫外線照射によって行われる前記コ
ーティング層の硬化工程の前に、予備乾燥工程を設ける
ことによって、紫外線硬化型合成樹脂の硬化作業を迅速
に行うことができるという効果が期待できる。しかし、
この予備乾燥工程を、高温又は長時間の条件で行ったの
では、ガスの排出により気泡が形成されてしまう可能性
があるので、本発明において、紫外線硬化型合成樹脂を
採用して加熱硬化工程を省略した意味が無くなってしま
うことになる。
ーティング層の硬化工程の前に、予備乾燥工程を設ける
ことによって、紫外線硬化型合成樹脂の硬化作業を迅速
に行うことができるという効果が期待できる。しかし、
この予備乾燥工程を、高温又は長時間の条件で行ったの
では、ガスの排出により気泡が形成されてしまう可能性
があるので、本発明において、紫外線硬化型合成樹脂を
採用して加熱硬化工程を省略した意味が無くなってしま
うことになる。
【0014】そこで、一方法として、予備乾燥工程を、
マグネシウム合金製材表面からガスを排出させない条件
で行うように工夫した。具体的には、予備乾燥工程を、
130℃以下の温度条件、処理時間を10分以内の加温
条件で行うことによって、確実にガス排出作用を発生さ
せないようにした。
マグネシウム合金製材表面からガスを排出させない条件
で行うように工夫した。具体的には、予備乾燥工程を、
130℃以下の温度条件、処理時間を10分以内の加温
条件で行うことによって、確実にガス排出作用を発生さ
せないようにした。
【0015】上記した手段によって形成したコーティン
グ層には、膨れが形成されることがない。このため、こ
のコーティング層の上層に反射鏡として機能するアルミ
ニウム蒸着層を形成した場合でも、このアルミニウム蒸
着層の表面平滑性を確保することができるので好適であ
る。即ち、本発明に係る表面加工手段によって形成され
たコーティング層は、アルミニウム蒸着層の表面平滑性
を確保するためのアンダーコート層として、確実に機能
させることができる。
グ層には、膨れが形成されることがない。このため、こ
のコーティング層の上層に反射鏡として機能するアルミ
ニウム蒸着層を形成した場合でも、このアルミニウム蒸
着層の表面平滑性を確保することができるので好適であ
る。即ち、本発明に係る表面加工手段によって形成され
たコーティング層は、アルミニウム蒸着層の表面平滑性
を確保するためのアンダーコート層として、確実に機能
させることができる。
【0016】本発明に係るマグネシウム合金製材の表面
加工方法に基づいて形成された反射鏡は、高精度の反射
性能が要求される車両用灯具のリフレクタ等として好適
であり、特に強度・剛性が要求されるプロジェクタタイ
プの車両用灯具等には最適である。
加工方法に基づいて形成された反射鏡は、高精度の反射
性能が要求される車両用灯具のリフレクタ等として好適
であり、特に強度・剛性が要求されるプロジェクタタイ
プの車両用灯具等には最適である。
【0017】以上のように、本発明は、マグネシウム合
金製材の表面加工方法における、ガス排出作用が原因で
発生するコーティング層の膨れを無くすという技術的課
題を解決して、表面平滑性に優れたマグネシウム合金製
品を提供することが可能となるため、マグネシウム合金
製材の普及を促進するという技術的意義を有している。
金製材の表面加工方法における、ガス排出作用が原因で
発生するコーティング層の膨れを無くすという技術的課
題を解決して、表面平滑性に優れたマグネシウム合金製
品を提供することが可能となるため、マグネシウム合金
製材の普及を促進するという技術的意義を有している。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本
発明に係るマグネシウム合金製材の表面加工方法Fの簡
略な工程フロー図であって、車両用灯具に用いられる反
射鏡(リフレクタ)1を形成する工程を実施例としたも
のである。図2は、本表面加工方法Fによって形成され
た反射鏡1の一部を拡大した断面図である。以下、図1
において符号によって示された各工程を、図2で示され
た反射鏡1の構成を参照しながら、順に説明していくこ
とにする。
ついて、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本
発明に係るマグネシウム合金製材の表面加工方法Fの簡
略な工程フロー図であって、車両用灯具に用いられる反
射鏡(リフレクタ)1を形成する工程を実施例としたも
のである。図2は、本表面加工方法Fによって形成され
た反射鏡1の一部を拡大した断面図である。以下、図1
において符号によって示された各工程を、図2で示され
た反射鏡1の構成を参照しながら、順に説明していくこ
とにする。
【0019】まず、符号Mで示された工程は、図2中符
号2で示された反射鏡基材を、例えば、チクソモールド
法によって成形する工程である。この成形工程Mにおい
て、所定形状(例えば、ドーム状)に成形されたマグネ
シウム合成製材である反射鏡基材2は、次の符号Rで示
された防錆処理工程に移送される。
号2で示された反射鏡基材を、例えば、チクソモールド
法によって成形する工程である。この成形工程Mにおい
て、所定形状(例えば、ドーム状)に成形されたマグネ
シウム合成製材である反射鏡基材2は、次の符号Rで示
された防錆処理工程に移送される。
【0020】防錆処理工程Rは、アルミダイカスト工法
において利用されている陽極酸化法ではなく、処理コス
トが低い化成処理によって行うのが望ましい。防錆処理
工程Rを経て、反射鏡基材2は、後続の表面加工工程F
に移行する。
において利用されている陽極酸化法ではなく、処理コス
トが低い化成処理によって行うのが望ましい。防錆処理
工程Rを経て、反射鏡基材2は、後続の表面加工工程F
に移行する。
【0021】次に、表面加工工程Fは、本実施例におい
ては、F1〜F6の計6工程に分かれている。まず、符号
F1で示す最初の表面加工工程は、アンダーコート塗装
工程であって、粗面状態の反射鏡基材2の表面に、紫外
線硬化型蒸着ベースコート剤(例えば、フジハードVB
7654U−N8)を塗装する工程である。なお、従来
は、このアンダーコート塗装工程F1は、熱硬化性樹脂
を用いて行われていた(既述)。
ては、F1〜F6の計6工程に分かれている。まず、符号
F1で示す最初の表面加工工程は、アンダーコート塗装
工程であって、粗面状態の反射鏡基材2の表面に、紫外
線硬化型蒸着ベースコート剤(例えば、フジハードVB
7654U−N8)を塗装する工程である。なお、従来
は、このアンダーコート塗装工程F1は、熱硬化性樹脂
を用いて行われていた(既述)。
【0022】ここで、このアンダーコート塗装工程F1
は、反射鏡基材2の表面に、直接アルミ蒸着層4を形成
すると、アルミ蒸着層4の表面が粗くなって、反射性能
に支障をきたすことになることから、アルミ蒸着層4の
表面平滑性を担保するために、表面が平滑な下地(アン
ダーコート層3)を形成する工程である。
は、反射鏡基材2の表面に、直接アルミ蒸着層4を形成
すると、アルミ蒸着層4の表面が粗くなって、反射性能
に支障をきたすことになることから、アルミ蒸着層4の
表面平滑性を担保するために、表面が平滑な下地(アン
ダーコート層3)を形成する工程である。
【0023】続く符号F2で示す工程は、予備乾燥工程
である。塗装された紫外線硬化型合成樹脂を、迅速かつ
確実に硬化させるために行われる前処理工程である。こ
こで、本願発明者らが、鋭意研究を重ねたところ、この
予備乾燥工程F2の温度は、130℃以下、更には12
0℃以下の条件が好適であることが判明した。130℃
を超えると、反射鏡基材2の表面からのガスの排出(蒸
発)が起こり易くなり、アンダーコート層3に膨れ(図
3参照)を発生する可能性が顕著に高まる。
である。塗装された紫外線硬化型合成樹脂を、迅速かつ
確実に硬化させるために行われる前処理工程である。こ
こで、本願発明者らが、鋭意研究を重ねたところ、この
予備乾燥工程F2の温度は、130℃以下、更には12
0℃以下の条件が好適であることが判明した。130℃
を超えると、反射鏡基材2の表面からのガスの排出(蒸
発)が起こり易くなり、アンダーコート層3に膨れ(図
3参照)を発生する可能性が顕著に高まる。
【0024】また、加温時間は、10分以内が望ましい
ことも判明した。加温時間が10分を超えると、次第に
上昇して、反射鏡基材2の表面近くに接近していたガス
が、排出され始めてしまうからである。以上から、予備
乾燥工程F2の好適な処理条件は、温度130℃以下で
10分以内、更には温度120℃以下で10分以内とい
うことになる。
ことも判明した。加温時間が10分を超えると、次第に
上昇して、反射鏡基材2の表面近くに接近していたガス
が、排出され始めてしまうからである。以上から、予備
乾燥工程F2の好適な処理条件は、温度130℃以下で
10分以内、更には温度120℃以下で10分以内とい
うことになる。
【0025】なお、本予備乾燥工程F2は、アンダーコ
ート層3を形成する必須の工程ではなく、省略すること
も可能であるが、迅速かつ確実にアンダーコート層3を
硬化する上で、導入した方が望ましい。
ート層3を形成する必須の工程ではなく、省略すること
も可能であるが、迅速かつ確実にアンダーコート層3を
硬化する上で、導入した方が望ましい。
【0026】続いて、符号F3で示す工程は、樹脂硬化
工程である。本発明では、紫外線硬化型合成樹脂を用い
ていることから、本樹脂硬化工程F3は、紫外線(U
V)を照射することによって行われる。従って、反射鏡
基材2を高温の環境に曝すことがないため、反射鏡基材
2からガスを排出させるという心配がない。
工程である。本発明では、紫外線硬化型合成樹脂を用い
ていることから、本樹脂硬化工程F3は、紫外線(U
V)を照射することによって行われる。従って、反射鏡
基材2を高温の環境に曝すことがないため、反射鏡基材
2からガスを排出させるという心配がない。
【0027】なお、従来採用されていた熱硬化性樹脂に
対する樹脂硬化工程は、190℃の温度条件下で、30
分間にも及ぶ乾燥処理によって行われていた結果、反射
鏡基材2からガスが排出され、熱硬化性樹脂層(アンダ
ーコート層)に、膨れを多数形成させてしまっていた。
対する樹脂硬化工程は、190℃の温度条件下で、30
分間にも及ぶ乾燥処理によって行われていた結果、反射
鏡基材2からガスが排出され、熱硬化性樹脂層(アンダ
ーコート層)に、膨れを多数形成させてしまっていた。
【0028】符号F4は、アルミニウム蒸着工程であ
る。膨れがなく表面が平滑なアンダーコート層3が上記
F1〜F3の工程を経て反射鏡基材2に形成され、本工程
F4に移送されてくる。本工程F4は、このアンダーコー
ト層3の上層に、アルミニウムの小片を高真空中で加熱
蒸発させて、数ミクロンのアルミニウム蒸着膜4を形成
することによって、反射鏡面4aを形成することを目的
とする。
る。膨れがなく表面が平滑なアンダーコート層3が上記
F1〜F3の工程を経て反射鏡基材2に形成され、本工程
F4に移送されてくる。本工程F4は、このアンダーコー
ト層3の上層に、アルミニウムの小片を高真空中で加熱
蒸発させて、数ミクロンのアルミニウム蒸着膜4を形成
することによって、反射鏡面4aを形成することを目的
とする。
【0029】この反射鏡面4aは、図示しない光源バル
ブから出射された光P1を反射して、図示しない前面レ
ンズを透過して外部に照射される外部照射光P2を形成
する役割を果たすものであるから、所定の反射精度が要
求される。従って、アンダーコート層3の表面平滑性の
程度が重要である。
ブから出射された光P1を反射して、図示しない前面レ
ンズを透過して外部に照射される外部照射光P2を形成
する役割を果たすものであるから、所定の反射精度が要
求される。従って、アンダーコート層3の表面平滑性の
程度が重要である。
【0030】仮にアンダーコート層3に膨れがあると、
反射鏡面4aにも凹凸が形成され、反射精度の悪化に直
結してしまうので好ましくない。この点、本発明では、
アンダーコート層3の表面が平滑であるので、このよう
な問題がなく、好適である。
反射鏡面4aにも凹凸が形成され、反射精度の悪化に直
結してしまうので好ましくない。この点、本発明では、
アンダーコート層3の表面が平滑であるので、このよう
な問題がなく、好適である。
【0031】符号F5は、保護膜形成工程である。前記
アルミ蒸着工程F4で形成された反射鏡面4aの上層に
光透過性の透明樹脂を塗装等して、反射鏡面4aが損傷
等することを防止する役割を果たすトップコート層5を
形成する工程である。なお、この保護膜形成工程F5の
具体的な方法は、適宜選択可能である。
アルミ蒸着工程F4で形成された反射鏡面4aの上層に
光透過性の透明樹脂を塗装等して、反射鏡面4aが損傷
等することを防止する役割を果たすトップコート層5を
形成する工程である。なお、この保護膜形成工程F5の
具体的な方法は、適宜選択可能である。
【0032】符号F6は、トップコート層5の乾燥工程
である。ここで、トップコート層5を、熱硬化性樹脂
(例えば、1液シリコン系熱硬化性樹脂)を用いて形成
した場合は、本乾燥工程F6では、温度190℃の条件
で、20分程度の熱乾燥処理する必要が生じる。しか
し、既に、アンダーコート層3は完全に硬化しているた
め、もはや膨れの問題は生じ得ない。
である。ここで、トップコート層5を、熱硬化性樹脂
(例えば、1液シリコン系熱硬化性樹脂)を用いて形成
した場合は、本乾燥工程F6では、温度190℃の条件
で、20分程度の熱乾燥処理する必要が生じる。しか
し、既に、アンダーコート層3は完全に硬化しているた
め、もはや膨れの問題は生じ得ない。
【0033】以上説明した本発明に係るマグネシウム合
金製材の表面加工方法は、車両用灯具の反射鏡の形成に
特に好適なものと言えるが、その他の量産自動車部品や
パソコン関連部品、携帯電話部品等にも適用できること
は言うまでもない。
金製材の表面加工方法は、車両用灯具の反射鏡の形成に
特に好適なものと言えるが、その他の量産自動車部品や
パソコン関連部品、携帯電話部品等にも適用できること
は言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】本発明によって奏される主な効果は、以
下の通りである (1)マグネシウム合金製材の表面加工工程において
は、高温条件下の熱乾燥工程を必要としない紫外線硬化
型の合成樹脂によってコーティングするようにしたた
め、マグネシウム合金製材表面からのガスの排出による
気泡の形成を確実に防止できる。この結果、製材表面の
コーティング層に膨れが形成されることがなくなり、製
品の表面の平滑性を確保することができる。
下の通りである (1)マグネシウム合金製材の表面加工工程において
は、高温条件下の熱乾燥工程を必要としない紫外線硬化
型の合成樹脂によってコーティングするようにしたた
め、マグネシウム合金製材表面からのガスの排出による
気泡の形成を確実に防止できる。この結果、製材表面の
コーティング層に膨れが形成されることがなくなり、製
品の表面の平滑性を確保することができる。
【0035】(2)本発明によって形成されたコーティ
ング層には膨れが形成されることがないことから、この
コーティング層の上層にアルミニウム蒸着層を形成した
場合でも、このアルミニウム蒸着層の表面平滑性を確保
できるので、高精度な光反射機能を備えた反射鏡(リフ
レクタ)を提供できる。
ング層には膨れが形成されることがないことから、この
コーティング層の上層にアルミニウム蒸着層を形成した
場合でも、このアルミニウム蒸着層の表面平滑性を確保
できるので、高精度な光反射機能を備えた反射鏡(リフ
レクタ)を提供できる。
【図1】本発明に係るマグネシウム合金製材(2)の表
面加工方法の簡略な工程フロー図
面加工方法の簡略な工程フロー図
【図2】同表面加工方法によって形成された反射鏡
(1)の一部断面図
(1)の一部断面図
【図3】従来からの技術的課題である、マグネシウム合
金製材表面からのガス排出の様子を簡略に示す図
金製材表面からのガス排出の様子を簡略に示す図
1 反射鏡 2 マグネシウム合金製材 3 コーティング層(アンダーコーティング層) 4 アルミニウム蒸着層 F 表面加工工程 F2 予備乾燥工程 F3 硬化工程(樹脂硬化工程) M チクソモールド法による成形工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/08 G02B 5/08 A C Fターム(参考) 2H042 DA02 DA10 DA14 DA17 DC02 DC08 DE01 4D075 BB25Z BB42Z BB46Z BB85Z CB04 DA23 DB01 DC24 EA21
Claims (4)
- 【請求項1】 成形されたマグネシウム合金製材の表面
に、紫外線硬化型合成樹脂によってコーティング層を形
成することを特徴とするマグネシウム合金製材の表面加
工方法。 - 【請求項2】 紫外線照射によって行われる前記コーテ
ィング層の硬化工程の前に予備乾燥工程を設けることに
より、 前記硬化工程時にマグネシウム合金製材から排出される
ガスによって前記コーティング層に気泡が形成されない
ようにしたことを特徴とする請求項1記載のマグネシウ
ム合金製材の表面加工方法。 - 【請求項3】 前記コーティング層の上層に、アルミニ
ウム蒸着層を形成することを特徴とする請求項1又は2
記載のマグネシウム合金製材の表面加工方法。 - 【請求項4】 請求項3記載のマグネシウム合金製材の
表面加工方法によって形成されたことを特徴とする反射
鏡。
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JP2000275616A JP2002086060A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | マグネシウム合金製材の表面加工方法及び該方法によって形成された反射鏡 |
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JP2000275616A JP2002086060A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | マグネシウム合金製材の表面加工方法及び該方法によって形成された反射鏡 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005296841A (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Fukuda Corporation:Kk | 樹脂基材又は金属基材の加飾方法 |
-
2000
- 2000-09-11 JP JP2000275616A patent/JP2002086060A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005296841A (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Fukuda Corporation:Kk | 樹脂基材又は金属基材の加飾方法 |
JP4538720B2 (ja) * | 2004-04-13 | 2010-09-08 | 株式会社フクダコーポレーション | 樹脂基材又は金属基材の加飾方法 |
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