JP2002085991A - 精米機の精米度調整装置及び残米処理装置 - Google Patents

精米機の精米度調整装置及び残米処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精米機の精米スクリーンの排出口を所定押圧
力で閉鎖する抵抗板を前後方向に平行移動させること
で、精米度の向上を図ることである。 【解決手段】 精米スクリーン17の排出口19をその
外部から接離自在に閉鎖する抵抗板21に調圧ばね61
による押圧力を付与し、外部からのダイヤル4の操作に
より上記押圧力を変化させて精米度を調整するようにし
た精米機の精米度調整装置において、上記ダイヤル4に
ねじ結合した調圧ロール45をガイドリブ34により進
退自在にガイドし、その調圧ロール45と前記抵抗板2
1に連結されたスライド部材54との間に前記調圧ばね
61を介在させ、上記ダイヤル4の回動に伴う調圧ロー
ル45の進退により上記抵抗板21の押圧力を調整する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般家庭等にお
いて使用される簡易な精米機に関し、その精米度調整装
置及び残米処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般家庭用の簡易な精米機においては、
精米スクリーンの排出口をその外部から接離自在に閉鎖
する抵抗板に弾性体による押圧力を付与し、外部からの
操作により上記押圧力を調整するようにした精米度調整
装置が設けられる。また、その精米度調整装置に残米処
理装置が併せて設けられる。
【0003】例えば、実開昭64−8937号公報に記
載されたものは、リンクレバーの一端に抵抗板を取付
け、他端部に設けた調圧ばねにより抵抗板を精米スクリ
ーンの排出口に押し当てる一方、調整ダイヤルに連結さ
れたカムによりリンクレバーを作動させ、抵抗板による
排出口の開口度合いを調整するようにしている。また、
残米処理のために、カムに精米度調整範囲より相対的に
半径の大きい部分を設け、調整ダイヤルの操作により上
記リンクレバーの傾き角を大きくして抵抗板を排出口か
ら離し、大きく開放できるようにしている。
【0004】さらに、抵抗板を大きく開放させるため
に、精米度調整装置全体を支軸を中心に大きく上方に回
動させるようにすることも知られている(特開平11−
300219号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
精米度調整装置においては、抵抗板をリンクレバーによ
って作動させるため、抵抗板は精米スクリーンの排出口
に対し傾斜姿勢をとって精米度を調整するようになって
いた。このため、排出口に押し出される米に対する抵抗
が排出口の上下の位置によって不均一になる問題があっ
た。
【0006】また、残米処理構造については、前掲の特
開平11−300219号公報に記載されたように精米
度調整装置を大きく上方に回動させることは、精米機の
前方に回動のための空間が必要となり、コンパクト性に
欠ける問題があった。
【0007】そこで、この発明は、抵抗板を排出口に対
して平行移動させることにより精米度の均一化を図るよ
うにした精米度調整装置を提供すること、また、精米度
調整装置の回動を伴うことなく抵抗板を大きく離して残
米処理が容易できるようにした残米処理装置を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、精米度調整装置に関する発明は、精米スクリーン
の排出口をその外部から接離自在に閉鎖する抵抗板に調
圧ばねによる押圧力を付与し、外部からのダイヤル操作
により上記押圧力を変化させて精米度を調整するように
した精米機の精米度調整装置において、上記ダイヤルに
ねじ結合した調圧ロールを進退自在にガイドし、その調
圧ロールと前記抵抗板に連結されたスライド部材との間
に前記調圧ばねを介在させ、上記ダイヤルの回動に伴う
調圧ロールの進退により上記抵抗板の押圧力を調整する
ようにしたものである。
【0009】この構成によると、抵抗板は排出口に対し
て前後方向に平行移動するので、精米スクリーン内部の
精米対象の米に対し均等な抵抗が与えられる結果、精米
度が均等化する。
【0010】上記の精米度調整装置をカバーケースに収
納し、上記調圧ロール及びスライド部材の各一部に設け
た係合凹部をそれぞれ上記カバーケース内面に設けた軸
方向のガイドリブに係合させた構成を採ることができ
る。
【0011】また、上記ダイヤルと調圧ロールとのねじ
結合構造は、該ダイヤルの回転軸を筒状に形成し、その
後端面の開放部分から上記調圧ロールのねじ軸の前端部
を挿入し、上記回転軸の内面に設けた突起を上記ねじ軸
のハイリードのねじ溝に係合した構造を採ることができ
る。ねじ溝をハイリードに形成することにより、ダイヤ
ルの回動が1周以内の範囲で調圧ロールの所要の後退ス
トロークを得ることができる。
【0012】また、前記の課題を解決するために、残米
処理装置に関する発明は、精米スクリーンの排出口をそ
の外部から接離自在に閉鎖する抵抗板に調圧ばねによる
押圧力を付与し、精米度調整用のダイヤルの回動範囲を
精米度調整範囲とこれに引き続く正回転方向に残米処理
移行範囲を有するように設定した精米機の残米処理装置
において、カバーケース内に、調圧ロール、スライド部
材、ダイヤルばね、及び上記調圧ばねを同軸上に組み合
わせてなる調整装置を収納し、上記カバーケースの前端
面の挿通孔に上記ダイヤルの回転軸を回転自在に係合す
るとともに、該回転軸の一部を上記調圧ロールにねじ結
合し、上記回転軸に上記ダイヤルばねのばね力を作用さ
せて該ダイヤルを上記カバーケースから抜け出す方向に
付勢し、上記挿通孔に上記ダイヤルの残米処理移行範囲
の終点において上記回転軸が挿通孔から軸方向に抜け出
す係合解除部を設け、上記カバーケースに上記調圧ロー
ルを上記ダイヤルから後退する方向に案内する後退方向
ガイドリブと、そのガイドリブから該ダイヤルの正回転
方向に一定角度離れた位置に、上記調圧ロールを前進方
向に案内する前進方向ガイドリブを設け、上記各ガイド
リブの後端を上記ダイヤルの精米度調整範囲の回転に伴
う調圧ロールの後退ストロークの終端に一致せしめ、各
ガイドリブ間の間隔を上記ダイヤルの残米処理範囲の回
転角の大きさに設定し、上記調圧ロールと上記スライド
部材は、ダイヤルの精米度調整範囲の回転範囲において
は軸方向に自由であるが、残米処理移行範囲の回転の終
点において軸方向に相互に係合される関係にあり、該ス
ライド部材に前記抵抗板が連結され、精米度調整時にお
いて上記ダイヤルを精米度調整範囲内の適宜位置に回動
して上記調圧ロールを前記後退ストロークの一定範囲内
に設定し、残米処理時において上記ダイヤルを精米度調
整範囲を越えて残米処理移行範囲にまで回動させ、後退
方向ガイドリブの後端から離れた上記調圧ロールを上記
ダイヤルとともに相互の摩擦力により一体に回転させ、
その終点において該調圧ロールの案内を上記前進方向ガ
イドリブに移行させ、同じくその終点において上記挿通
孔との係合が解除された上記ダイヤルと共に、調圧ロー
ル、スライド部材を上記ダイヤルばねのばね力により一
体に前方に移動させることにより、上記抵抗板を排出口
から所要距離だけ前方に離すようにした。
【0013】上記の構成によると、ダイヤルが精米度調
整範囲内で回動されるときは、前述の場合と同様の作用
により精米度の調整が行われる。また、その範囲を越え
て残米処理移行範囲に回動されその終点に達すると、抵
抗板とともに調整装置全体がダイヤルばねの付勢力で前
方に一定範囲で飛び出し、抵抗板と排出口の間を大きく
開放させることができる。
【0014】この場合も、前記と同様に、上記ダイヤル
と調圧ロールとのねじ結合構造は、該ダイヤルの回転軸
を筒状に形成し、その後端面の開放部分から上記調圧ロ
ールのねじ軸の前端部を挿入し、上記回転軸の内面に設
けた突起を上記ねじ軸のねじ溝に係合した構造を採るこ
とができる。
【0015】また、上記調圧ロールの後端部に係合用の
フックを有する一対の結合アームを設け、上記スライド
部材を上記カバーケースに設けたガイドリブにより軸方
向に案内し、該スライド部材に上記各フックに対向した
円弧溝を設けるとともに、該円弧溝の前記正回転方向の
終端部に上記フックとの係合部を設け、前記ダイヤルの
残米処理移行範囲の回転の終点において、上記フックを
上記係合部に係合させるようにした構成を採ることがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付
図面に基づいて説明する。図1に示すように、この精米
機は、精米機本体1と、その上に着脱自在に設置された
計量米びつ2とからなる計量米びつ付き精米機である。
【0017】精米機本体1及び計量米びつ2は、幅面よ
り側面が前後方向に長い偏平形状をなし、収納空間の有
効利用を考慮した形状になっている。精米機本体1は、
前面上部に、運転のスタート・ストップボタン3、精米
度調整用のダイヤル4を備え、下部の引き出し式の収納
ケース5の内部に米受け容器6、ぬか受け容器7が収納
されている。精米器本体1の内部においては、図2に示
すように、上部にホッパー8が設けられ、その下部に精
米機構部9が設けられる。
【0018】計量米びつ2は、上部に蓋11が被せら
れ、内底部に外部から操作可能な計量排出器12が設け
られ、その計量排出器12の下部に投入口セット13が
設けられる。投入口セット13はホッパー8の上部に臨
む。この投入口セット13は再精米時に使用されるもの
であり、図2に2点鎖線で示すように、投入用ホッパー
14を引き出せるようになっている。
【0019】精米機構部9は、駆動軸15(図1参照)
に連結された搗精ロール16に角筒状の精米スクリーン
17を被せたものである。精米スクリーン17の後端部
に前記のホッパー8に接続された供給口18が設けら
れ、またその精米スクリーン17の前端部がスクリーン
押さえ板20により押さえられ、精白米の排出口19が
スクリーン押さえ板20の前面に開放される。その排出
口19は外部から抵抗板21により接離自在に閉鎖され
る。
【0020】上記のスクリーン押さえ板20の前面に精
米度調整兼残米処理装置(以下、単に調整装置23とい
う)が取付けられる。
【0021】この調整装置23は、図3及び図4に詳細
を示すように、排出口19の前方全面をカバーするカバ
ーケース24内に収納させる。カバーケース24は前記
のスクリーン押さえ板20に取付けられる。カバーケー
ス24の内部は前端側が小径部25となり、後半部が大
径部26となっている。その大径部26の後部に取付け
部26’が設けられ、その取付け部26’の部分がスク
リーン押さえ板20に取付けられる。また、取付け部2
6’の下部に精白米の排出シュート22が着脱自在に取
付けられる。
【0022】カバーケース24の小径部25の前端面中
央部に挿通孔27が設けられ、図4、図5(a)に示す
ように、その挿通孔27の内面側の周りにおいて、一定
の始点Aから終点Bまでの約270度の範囲に菊座状の
調整用凹凸部30が形成される。その始点Aから矢印a
(図5(a)参照)の回転方向(以下、この回転方向を
正回転方向と称し、反対方向を逆回転方向と称する。)
に約90度の位置において、挿通孔27の内周に幅広の
係合解除凹部28、これと中心対称の位置、即ち、終点
Bの正回転方向に隣接して幅狭の係合解除凹部29が形
成される。幅狭の係合解除凹部29は幅広の係合解除凹
部28よりも径方向に長く形成される。
【0023】また、上記の始点Aの逆回転方向に隣接し
て前記ダイヤル4の始点位置決め突起31が設けられ、
上記の幅狭の係合解除凹部29の正回転方向に隣接して
ダイヤル4の終点位置決め突起31’が設けられる。こ
れらの位置決め突起31、31’は、ダイヤル4側に設
けられる幅広凸部28’の回転範囲よりも外方に設けら
れ、ダイヤル4の回転時に相互に干渉しないようになっ
ているが、幅狭凸部29’には係合して、その回転範囲
を始点Aと終点Bの間に制限する。
【0024】上記のカバーケース24の大径部26の内
面には、前記の始点位置決め突起31と終点位置決め突
起31’との中間点において(図5(a)参照)、大径
部26の全長に渡るガイドリブ33が中心対称の2ヵ所
に設けられる。このガイドリブ33には後述のスライド
部材54が係合される。また、そのガイドリブ33から
正回転方向に所要角度離れた位置に後述の調圧ロール4
5に係合してこれを後退方向(ダイヤル4側から抵抗板
21側に至る方向)にガイドする後退方向ガイドリブ3
4が設けられ、さらに同方向に一定角度αだけ離れた位
置に、調圧ロール45を上記と逆の方向、即ち前進方向
にガイドする前進方向ガイドリブ34’が設けられる。
これらの各ガイドリブ34、34’も中心対称の2ヵ所
に設けられる。
【0025】上記の後退方向ガイドリブ34と前進方向
ガイドリブ34’の終端は、前記のガイドリブ33の長
さのほぼ半分の位置にあり、調圧ロール45の後退スト
ロークL(図3参照)の終端と一致する。
【0026】前記のダイヤル4(図3、図4参照)は、
摘まみ部35とその内面側にビス36により結合された
円筒状の軸部37とからなる。軸部37は、図7に詳細
を示すように、軸方向中間部にばね受けつば38が設け
られ、そのばね受けつば38より前方の外周面に前述の
幅広凸部28’と幅狭凸部29’が中心対称の位置に設
けられる。これらの各凸部28’、29’の先端面に前
記の菊座状の調整用凹凸部30の溝にかみ合う山形の小
突起39、39が設けられる。幅狭凸部29’は、幅広
凸部28’より径方向に長く形成され、前述の係合解除
凹部28,29にそれぞれ合致する形状である(図5
(c)参照)。
【0027】ダイヤル4は前述のように、始点Aと終点
Bとの間においては、カバーケース24の挿通孔27の
内面に係合して回動するが、図5(c)に示すように終
点Bに達して幅狭凸部28’が終点位置決め突起31’
に当たると、幅狭凸部29’が幅狭の係合解除凹部29
に合致するとともに、幅広凸部28’が幅広の係合解除
凹部28に合致するので、ダイヤル4の挿通孔27に対
する係合が解除される。
【0028】また、ダイヤル4の軸部37の後端部内面
に一対の突起41、41が中心対称の位置に設けられ
(図3参照)、後述の調圧ロール45のねじ軸47に係
合する。また、軸部37のばね受けつば38の後方外周
面にダイヤルばね42が装着され、そのダイヤルばね4
2がカバーケース24の内面に固定されたばね受け固定
板43との間で圧縮される。そのばね力により、ダイヤ
ル4はカバーケース24の前方に向けて付勢され、通常
は前記の幅広凸部28’と幅狭凸部29’の端面に形成
された各小突起39が調整用凹凸部30に対してそのば
ね力で押圧される。
【0029】なお、前記のばね受け固定板43の外周縁
には、前記のガイドリブ33、後退方向ガイドリブ3
4、前進方向ガイドリブ34’に合致する3カ所の切欠
き凹所44が設けられる。また、前記の軸部37の前端
面には摘まみ部35の位置決め突起40が設けられる
(図7(a)参照)。
【0030】前記軸部37の後端部内面に設けられた2
ヵ所の突起41、41が係合される調圧ロール45は、
図3、図4に示すように、ロールつば46の前面に中空
のねじ軸47が形成され、後面にばね収納部48が設け
られる。ねじ軸47のねじ49はハイリードであり、ね
じ49の先端部分は突起41、41との係合開始が容易
になるように部分的な切欠き51が設けられる。また、
上記のロールつば46の外周縁の対称2ヵ所に切欠きに
よる係合凹部52が設けられる。
【0031】上記のねじ軸47にダイヤル4側の前述の
突起41が係合され、また上記の係合凹部52がカバー
ケース24のガイドリブ33に係合されることにより、
調圧ロール45はダイヤル4と同軸に、かつカバーケー
ス24に対して進退自在に支持される。
【0032】上記の調圧ロール45の後部に設けられた
ばね収納部48の後端の中心対称2ヵ所にフック53’
を有する係合アーム53が設けられる。この係合アーム
53を含み、調圧ロール45のばね収納部48の周り
に、スライド部材54が相対的に前後動可能に嵌合され
る。スライド部材54は、図4に示すように、環状の部
材の後端面を閉塞したものであり、その外周面に設けた
小突起間の係合凹部55を前記のカバーケース24のガ
イドリブ33に係合させることにより、前後方向にスラ
イド可能となっている。このスライド部材54の後端の
閉塞面の中心対称の2ヵ所に円弧溝56、56が設けら
れ、各円弧溝56の正回転方向の端部前面に係合部57
が設けられる。また、閉塞面の中心部前面にばね受け突
起58が設けられ、その反対の後面中心部に抵抗板21
の固定用の固定軸部59が設けられる。
【0033】調圧ロール45のばね収納部48の中心部
に設けられたばね受け突起58(図3参照)と、スライ
ド部材54のばね受け突起58との間に調圧ばね61が
介在する。
【0034】上記のスライド部材54の後方においてカ
バーケース24の後部開口が閉塞板62により閉塞さ
れ、その閉塞板62はビス63でカバーケース24に固
定される。前記の固定軸部59は、その閉塞板62の中
心孔64から後方に突き出され、その先端に前記の抵抗
板21がスペーサ65を介してビス66により取付けら
れる。
【0035】前述のように、調圧ロール45の係合凹部
52は、通常の状態ではカバーケース24の後退用ガイ
ドリブ34に係合されている。図6(a)はその状態を
示すために、カバーケース24内の構造を、閉塞板6
2、スライド部材54を除いてその後方から見た図であ
る。同図(b)は、スライド部材54を組み合わせた状
態である。スライド部材54の係合凹部55がガイドリ
ブ33に係合し、調圧ロール45の係合アーム53の先
端部が円弧溝56の部分に臨んでいる。
【0036】精米機の調整装置23の構造は以上のよう
なものであり、次にその作用について説明する。
【0037】図8(a)は、精米度が最も低い状態、即
ち、調圧ばね61の抵抗板21に対する押圧力が最も小
さい状態を示し、同図(b)は、精米度が最も高い状
態、即ち、調圧ばね61の抵抗板21に対する押圧力が
最も大きい状態を示している。また、同図(c)は、残
米処理処理状態を示している。
【0038】先ず、図8(a)の状態において、ダイヤ
ル4は、その幅狭凸部29’が、始点位置決め突起31
に当接した始点Aにある(図5(a)参照)。この状態
で、調圧ロール45のねじ軸47とダイヤル4の係合が
最も深く、従って調圧ロール45は最もダイヤル4側に
接近した前進状態にある。このため、調圧ばね61も伸
び、抵抗板21に対する押圧力が最も小さい状態にあ
る。このため、精米度は最も低い。
【0039】ダイヤル4を操作して正回転Aの方向(図
4、図5参照)に回転させると、調圧ロール45が後退
方向ガイドリブ34にガイドされながら後退し、調圧ば
ね61を圧縮し、抵抗板21に対する押圧力を増大させ
る。図8(b)の状態になると、調圧ロール45は最も
後退し、調圧ばね61が最も圧縮されて最高の精米度に
達する。この状態で係合凹部52は後退方向ガイドリブ
34の後端から外れ、また、係合アーム53のフック5
3’が円弧溝56内に進出する。
【0040】上記のようにダイヤル4は角度Xの範囲に
おいて適宜な角度に回動され、所望の精米度に設定され
る。ダイヤル4の角度Xの回転範囲を「精米度調整範
囲」と称する。
【0041】なお、ダイヤル4の回動に伴い、その小突
起39が、菊座状の調整用凹凸部30上面をクリック感
をもって移動するが、各小突起39は各調整用凹凸部3
0の溝に対して面接触する(図7(b)(c)参照)の
で、確実で安定したクリック感が得られる。
【0042】上記の角度Xの範囲内の一定角度に設定し
て精米を完了したのち残米処理を行うには、ダイヤル4
を正回転方向に回転させて、前記の最大精米度の状態に
調圧ロール45を後退させる。そうすると、前述のよう
に調圧ロール45の係合凹部52が後退方向ガイドリブ
34の後端から外れて自由になり、また係合アーム53
のフック53’が円弧溝56内に進出する。
【0043】ダイヤル4が引き続き正回転方向に角度Y
だけ回動されると、突起41とねじ軸47の摩擦によっ
てダイヤル4と調圧ロール45が一体に回動し、図5
(b)に示すように、幅狭凸部29’が終点位置決め突
起31’に当接し、その幅狭凸部29’が幅狭の係合解
除凹部29に、また幅広凸部28’が幅広の係合解除凹
部28にそれぞれ合致する。これと同時に、調圧ロール
45の係合凹部52が前記の角度α(=Y)だけ回転し
て前進用ガイドリブ34’の後端に臨み、、さらに係合
アーム53のフック53’が円弧溝56の一端部に移動
して係合部57の後面に係合する(図6(b)参照)。
【0044】このため、ダイヤル4の挿通孔27に対す
る係合が解除され、同時に調圧ロール45の前進が可能
となるため、ダイヤルばね42の付勢力により、前進方
向ガイドリブ34’に移行した調圧ロール45、これと
一体化されたダイヤル4、係合アーム53のフック5
3’に係合されたスライド部材54、抵抗板21及び調
圧ばね61が一体となって前方に飛び出し、図8(c)
に示すように、ダイヤル4のばね受けつば38がカバー
ケース24の前端内面に当たるまで、或いは調圧ロール
45のロールつば46がばね受け固定板43に当たるま
で一気に前進し、抵抗板21が精米スクリーン17の排
出口19の前方を大きく開放した残米処理状態となる。
【0045】上記の角度Yの回動範囲は、精米度調整範
囲を越えたのち、残米処理状態に移行するに必要な回転
角度であるから、「残米処理移行範囲」と称する。
【0046】なお、ダイヤル4が上記のようにして前方
に押し出され、そのばね受けつば38がカバーケース2
4の前端面に押し当てられたとき、その前端面の突設さ
れた始点位置決め突起31、終点位置決め突起31’に
当たることを防ぐため、ばね受けつば38の外周縁に2
ヵ所の切欠き凹部67(図7(a)参照)が設けられ
る。
【0047】残米処理は、上記のように抵抗板21が排
出口19を大きく開放した状態で、搗精ロール16を駆
動させることにより行われる。搗精ロール16の駆動に
より、精米スクリーン17内に残留していた未精米の残
米が排出口19から排出され、排出シュート22から下
方に排出される。また、抵抗板21及びその近辺の清掃
は、カバーケース24の取付け部26’上部の開口部か
ら、又は調整装置23を取り外して行う。
【0048】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る精米機の
精米度調整装置は、ダイヤル操作により抵抗板が精白米
の排出口に対して前後方向に平行移動するので、均一な
精米度が得られる。
【0049】また、残米処理装置は、抵抗板を含む調整
装置全体が前方に一定範囲だけ飛び出して排出口を大き
く開放させるので、残米の排出はもとより、排出口や抵
抗板等の手入れを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の精米機の斜視図
【図2】同上の一部省略断面図
【図3】同上の一部省略断面図
【図4】同上の調整装置の分解斜視図
【図5】(a)図3のV −V 線の拡大断面図 (b)(a)図のb−b線の拡大断面図 (a)図3のV −V 線の残米処理時の拡大断面図
【図6】(a)調整装置のスライド部材を除去した状態
の背面図 (b)(a)図にスライド部材を追加した状態の背面図
【図7】(a)ダイヤルの回転軸の拡大斜視図 (b)(c)上記回転軸の小突起と調整用凹凸部との係
合状態の断面図
【図8】(a)から(c)調整装置の作用説明図
【符号の説明】
1 精米機本体 2 計量米びつ 3 スタート・ストップボタン 4 精米度調整ダイヤル 5 収納ケース 6 米受け容器 7 ぬか受け容器 8 ホッパー 9 精米機構部 11 蓋 12 計量排出器 13 投入口セット 14 投入用ホッパー 15 駆動軸 16 搗精ロール 17 精米スクリーン 18 供給口 19 排出口 20 スクリーン押さえ板 21 抵抗板 22 排出シュート 23 調整装置 24 カバーケース 25 小径部 26 大径部 26’ 取付け部 27 挿通孔 28 係合解除凹部 28’ 幅広凸部 29 係合解除凹部 29’ 幅狭凸部 30 調整用凹凸部 31 始点位置決め突起 31’ 終点位置決め突起 33 ガイドリブ 34 後退方向ガイドリブ 34’ 前進方向ガイドリブ 35 摘まみ部 36 ビス 37 軸部 38 ばね受けつば 39 小突起 40 位置決め突起 41 突起 42 ダイヤルばね 43 ばね受け固定板 44 切欠き凹所 45 調圧ロール 46 ロールつば 47 ねじ軸 48 ばね収納部 49 ねじ 51 切欠き 52 係合凹部 53 係合アーム 53’ フック 54 スライド部材 55 係合凹部 56 円弧溝 57 係合部 58 ばね受け突起 59 固定軸部 61 調圧ばね 62 閉塞板 63 ビス 64 中心孔 65 スペーサ 66 ビス 67 切欠き凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大滝 恭子 東京都港区西麻布2−24−11 麻布ウェス トビル 日本タッパーウェア株式会社内 (72)発明者 芝 健治 大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホ ービン株式会社内 (72)発明者 山本 丈郎 大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホ ービン株式会社内 (72)発明者 森本 順治 大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホ ービン株式会社内 Fターム(参考) 4D043 HA02 HB09 MA07 MA26 MB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精米スクリーンの排出口をその外部から
    接離自在に閉鎖する抵抗板に調圧ばねによる押圧力を付
    与し、外部からのダイヤル操作により上記押圧力を変化
    させて精米度を調整するようにした精米機の精米度調整
    装置において、上記ダイヤルにねじ結合した調圧ロール
    を進退自在にガイドし、その調圧ロールと前記抵抗板に
    連結されたスライド部材との間に前記調圧ばねを介在さ
    せ、上記ダイヤルの回動に伴う調圧ロールの進退により
    上記抵抗板の押圧力を調整するようにしたことを特徴と
    する精米機の精米度調整装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の精米度調整装置をカバ
    ーケースに収納し、上記調圧ロール及びスライド部材の
    各一部に設けた係合凹部をそれぞれ上記カバーケース内
    面に設けた軸方向のガイドリブに係合させたことを特徴
    とする精米機の精米度調整装置。
  3. 【請求項3】 上記ダイヤルと調圧ロールとのねじ結合
    構造は、該ダイヤルの回転軸を筒状に形成し、その後端
    面の開放部分から上記調圧ロールのねじ軸の前端部を挿
    入し、上記回転軸の内面に設けた突起を上記ねじ軸のハ
    イリードのねじ溝に係合した構造であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の精米機の精米度調整装置。
  4. 【請求項4】 精米スクリーンの排出口をその外部から
    接離自在に閉鎖する抵抗板に調圧ばねによる押圧力を付
    与し、精米度調整用のダイヤルの回動範囲を精米度調整
    範囲とこれに引き続く正回転方向に残米処理移行範囲を
    有するように設定した精米機の残米処理装置において、
    カバーケース内に、調圧ロール、スライド部材、ダイヤ
    ルばね、及び上記調圧ばねを同軸上に組み合わせてなる
    調整装置を収納し、上記カバーケースの前端面の挿通孔
    に上記ダイヤルの回転軸を回転自在に係合するととも
    に、該回転軸の一部を上記調圧ロールにねじ結合し、上
    記回転軸に上記ダイヤルばねのばね力を作用させて該ダ
    イヤルを上記カバーケースから抜け出す方向に付勢し、
    上記挿通孔に上記ダイヤルの残米処理移行範囲の終点に
    おいて上記回転軸が挿通孔から軸方向に抜け出す係合解
    除部を設け、上記カバーケースに上記調圧ロールを上記
    ダイヤルから後退する方向に案内する後退方向ガイドリ
    ブと、そのガイドリブから該ダイヤルの正回転方向に一
    定角度離れた位置に、上記調圧ロールを前進方向に案内
    する前進方向ガイドリブを設け、上記各ガイドリブの後
    端を上記ダイヤルの精米度調整範囲の回転に伴う調圧ロ
    ールの後退ストロークの終端に一致せしめ、各ガイドリ
    ブ間の間隔を上記ダイヤルの残米処理範囲の回転角の大
    きさに設定し、上記調圧ロールと上記スライド部材は、
    ダイヤルの精米度調整範囲の回転範囲においては軸方向
    に自由であるが、残米処理移行範囲の回転の終点におい
    て軸方向に相互に係合される関係にあり、該スライド部
    材に前記抵抗板が連結され、 精米度調整時において、上記ダイヤルを精米度調整範囲
    内の適宜位置に回動して上記調圧ロールを上記後退スト
    ロークの一定範囲内に設定し、 残米処理時において、上記ダイヤルを精米度調整範囲を
    越えて残米処理移行範囲にまで回動させ、後退方向ガイ
    ドリブの後端から離れた上記調圧ロールを上記ダイヤル
    とともに相互の摩擦力により一体に回転させ、その終点
    において該調圧ロールの案内を上記前進方向ガイドリブ
    に移行させ、同じくその終点において上記挿通孔との係
    合が解除された上記ダイヤルと共に、調圧ロール、スラ
    イド部材を上記ダイヤルばねのばね力により一体に前方
    に移動させることにより、上記抵抗板を排出口から所要
    距離だけ前方に離すようにしたことを特徴とする精米機
    の残米処理装置。
  5. 【請求項5】 上記ダイヤルと調圧ロールとのねじ結合
    構造は、該ダイヤルの回転軸を筒状に形成し、その後端
    面の開放部分から上記調圧ロールのねじ軸の前端部を挿
    入し、上記回転軸の内面に設けた突起を上記ねじ軸のね
    じ溝に係合した構造であることを特徴とする請求項4に
    記載の精米機の残米処理装置。
  6. 【請求項6】 上記調圧ロールの後端部に係合用のフッ
    クを有する一対の結合アームを設け、上記スライド部材
    を上記カバーケースに設けたガイドリブにより軸方向に
    案内し、該スライド部材に上記各フックに対向した円弧
    溝を設けるとともに、該円弧溝の前記正回転方向の終端
    部に上記フックとの係合部を設け、前記ダイヤルの残米
    処理移行範囲の回転の終点において、上記フックを上記
    係合部に係合させるようにしたことを特徴とする請求項
    4又は5に記載の精米機の残米処理装置。
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CN107262193A (zh) * 2017-07-28 2017-10-20 贵州省湄潭县富通米业有限公司 大米用抛光机
CN112387329A (zh) * 2020-11-12 2021-02-23 袁莉莉 一种通过二次辗米去除筋膜的大米加工设备

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