JP3708417B2 - 精米機の精米度調整装置及び残米処理装置 - Google Patents
精米機の精米度調整装置及び残米処理装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般家庭等において使用される簡易な精米機に関し、その精米度調整装置及び残米処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭用の簡易な精米機においては、精米スクリーンの排出口をその外部から接離自在に閉鎖する抵抗板に弾性体による押圧力を付与し、外部からの操作により上記押圧力を調整するようにした精米度調整装置が設けられる。また、その精米度調整装置に残米処理装置が併せて設けられる。
【0003】
例えば、実開昭64−8937号公報に記載されたものは、リンクレバーの一端に抵抗板を取付け、他端部に設けた調圧ばねにより抵抗板を精米スクリーンの排出口に押し当てる一方、調整ダイヤルに連結されたカムによりリンクレバーを作動させ、抵抗板による排出口の開口度合いを調整するようにしている。また、残米処理のために、カムに精米度調整範囲より相対的に半径の大きい部分を設け、調整ダイヤルの操作により上記リンクレバーの傾き角を大きくして抵抗板を排出口から離し、大きく開放できるようにしている。
【0004】
さらに、抵抗板を大きく開放させるために、精米度調整装置全体を支軸を中心に大きく上方に回動させるようにすることも知られている(特開平11−300219号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の精米度調整装置においては、抵抗板をリンクレバーによって作動させるため、抵抗板は精米スクリーンの排出口に対し傾斜姿勢をとって精米度を調整するようになっていた。このため、排出口に押し出される米に対する抵抗が排出口の上下の位置によって不均一になる問題があった。
【0006】
また、残米処理構造については、前掲の特開平11−300219号公報に記載されたように精米度調整装置を大きく上方に回動させることは、精米機の前方に回動のための空間が必要となり、コンパクト性に欠ける問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、抵抗板を排出口に対して平行移動させることにより精米度の均一化を図るようにした精米度調整装置を提供すること、また、精米度調整装置の回動を伴うことなく抵抗板を大きく離して残米処理が容易できるようにした残米処理装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、精米度調整装置に関する発明は、精米スクリーンの排出口をその外部から接離自在に閉鎖する抵抗板に調圧ばねによる押圧力を付与し、外部からのダイヤル操作により上記押圧力を変化させて精米度を調整するようにした精米機の精米度調整装置において、上記ダイヤルにねじ結合した調圧ロールを進退自在にガイドし、その調圧ロールと前記抵抗板に連結されたスライド部材との間に前記調圧ばねを介在させ、上記ダイヤルの回動に伴う調圧ロールの進退により上記抵抗板の押圧力を調整するようにしたものである。
【0009】
この構成によると、抵抗板は排出口に対して前後方向に平行移動するので、精米スクリーン内部の精米対象の米に対し均等な抵抗が与えられる結果、精米度が均等化する。
【0010】
上記ダイヤルにねじ結合された調圧ロール、前記抵抗板に連結されたスライド部材及び上記調圧ばねを上記排出口の前方全面をカバーするカバーケース内に収納し、上記調圧ロール及びスライド部材の各一部に設けた係合凹部をそれぞれ上記カバーケース内面に設けた軸方向のガイドリブに係合させた構成を採ることができる。
【0011】
また、上記ダイヤルと調圧ロールとのねじ結合構造は、該ダイヤルの回転軸を筒状に形成し、その後端面の開放部分から上記調圧ロールのねじ軸の前端部を挿入し、上記回転軸の内面に設けた突起を上記ねじ軸のハイリードのねじ溝に係合した構造を採ることができる。ねじ溝をハイリードに形成することにより、ダイヤルの回動が1周以内の範囲で調圧ロールの所要の後退ストロークを得ることができる。
【0012】
また、前記の課題を解決するために、残米処理装置に関する発明は、精米スクリーンの排出口をその外部から接離自在に閉鎖する抵抗板に調圧ばねによる押圧力を付与し、精米度調整用のダイヤルの回動範囲を精米度調整範囲とこれに引き続く正回転方向に残米処理移行範囲を有するように設定した精米機の残米処理装置において、カバーケース内に、調圧ロール、スライド部材、ダイヤルばね、及び上記調圧ばねを同軸上に組み合わせてなる調整装置を収納し、上記カバーケースの前端面の挿通孔に上記ダイヤルの回転軸を回転自在に係合するとともに、該回転軸の一部を上記調圧ロールにねじ結合し、上記回転軸に上記ダイヤルばねのばね力を作用させて該ダイヤルを上記カバーケースから抜け出す方向に付勢し、上記挿通孔に上記ダイヤルの残米処理移行範囲の終点において上記回転軸が挿通孔から軸方向に抜け出す係合解除部を設け、上記カバーケースに上記調圧ロールを上記ダイヤルから後退する方向に案内する後退方向ガイドリブと、そのガイドリブから該ダイヤルの正回転方向に一定角度離れた位置に、上記調圧ロールを前進方向に案内する前進方向ガイドリブを設け、上記各ガイドリブの後端を上記ダイヤルの精米度調整範囲の回転に伴う調圧ロールの後退ストロークの終端に一致せしめ、各ガイドリブ間の間隔を上記ダイヤルの残米処理範囲の回転角の大きさに設定し、上記調圧ロールと上記スライド部材は、ダイヤルの精米度調整範囲の回転範囲においては軸方向に自由であるが、残米処理移行範囲の回転の終点において軸方向に相互に係合される関係にあり、該スライド部材に前記抵抗板が連結され、精米度調整時において上記ダイヤルを精米度調整範囲内の適宜位置に回動して上記調圧ロールを前記後退ストロークの一定範囲内に設定し、残米処理時において上記ダイヤルを精米度調整範囲を越えて残米処理移行範囲にまで回動させ、後退方向ガイドリブの後端から離れた上記調圧ロールを上記ダイヤルとともに相互の摩擦力により一体に回転させ、その終点において該調圧ロールの案内を上記前進方向ガイドリブに移行させ、同じくその終点において上記挿通孔との係合が解除された上記ダイヤルと共に、調圧ロール、スライド部材を上記ダイヤルばねのばね力により一体に前方に移動させることにより、上記抵抗板を排出口から所要距離だけ前方に離すようにした。
【0013】
上記の構成によると、ダイヤルが精米度調整範囲内で回動されるときは、前述の場合と同様の作用により精米度の調整が行われる。また、その範囲を越えて残米処理移行範囲に回動されその終点に達すると、抵抗板とともに調整装置全体がダイヤルばねの付勢力で前方に一定範囲で飛び出し、抵抗板と排出口の間を大きく開放させることができる。
【0014】
この場合も、前記と同様に、上記ダイヤルと調圧ロールとのねじ結合構造は、該ダイヤルの回転軸を筒状に形成し、その後端面の開放部分から上記調圧ロールのねじ軸の前端部を挿入し、上記回転軸の内面に設けた突起を上記ねじ軸のねじ溝に係合した構造を採ることができる。
【0015】
また、上記調圧ロールの後端部に係合用のフックを有する一対の結合アームを設け、上記スライド部材を上記カバーケースに設けたガイドリブにより軸方向に案内し、該スライド部材に上記各フックに対向した円弧溝を設けるとともに、該円弧溝の前記正回転方向の終端部に上記フックとの係合部を設け、前記ダイヤルの残米処理移行範囲の回転の終点において、上記フックを上記係合部に係合させるようにした構成を採ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、この精米機は、精米機本体1と、その上に着脱自在に設置された計量米びつ2とからなる計量米びつ付き精米機である。
【0017】
精米機本体1及び計量米びつ2は、幅面より側面が前後方向に長い偏平形状をなし、収納空間の有効利用を考慮した形状になっている。精米機本体1は、前面上部に、運転のスタート・ストップボタン3、精米度調整用のダイヤル4を備え、下部の引き出し式の収納ケース5の内部に米受け容器6、ぬか受け容器7が収納されている。精米器本体1の内部においては、図2に示すように、上部にホッパー8が設けられ、その下部に精米機構部9が設けられる。
【0018】
計量米びつ2は、上部に蓋11が被せられ、内底部に外部から操作可能な計量排出器12が設けられ、その計量排出器12の下部に投入口セット13が設けられる。投入口セット13はホッパー8の上部に臨む。この投入口セット13は再精米時に使用されるものであり、図2に2点鎖線で示すように、投入用ホッパー14を引き出せるようになっている。
【0019】
精米機構部9は、駆動軸15(図1参照)に連結された搗精ロール16に角筒状の精米スクリーン17を被せたものである。精米スクリーン17の後端部に前記のホッパー8に接続された供給口18が設けられ、またその精米スクリーン17の前端部がスクリーン押さえ板20により押さえられ、精白米の排出口19がスクリーン押さえ板20の前面に開放される。その排出口19は外部から抵抗板21により接離自在に閉鎖される。
【0020】
上記のスクリーン押さえ板20の前面に精米度調整兼残米処理装置(以下、単に調整装置23という)が取付けられる。
【0021】
この調整装置23は、図3及び図4に詳細を示すように、排出口19の前方全面をカバーするカバーケース24内に収納させる。カバーケース24は前記のスクリーン押さえ板20に取付けられる。カバーケース24の内部は前端側が小径部25となり、後半部が大径部26となっている。その大径部26の後部に取付け部26’が設けられ、その取付け部26’の部分がスクリーン押さえ板20に取付けられる。また、取付け部26’の下部に精白米の排出シュート22が着脱自在に取付けられる。
【0022】
カバーケース24の小径部25の前端面中央部に挿通孔27が設けられ、図4、図5(a)に示すように、その挿通孔27の内面側の周りにおいて、一定の始点Aから終点Bまでの約270度の範囲に菊座状の調整用凹凸部30が形成される。その始点Aから矢印a(図5(a)参照)の回転方向(以下、この回転方向を正回転方向と称し、反対方向を逆回転方向と称する。)に約90度の位置において、挿通孔27の内周に幅広の係合解除凹部28、これと中心対称の位置、即ち、終点Bの正回転方向に隣接して幅狭の係合解除凹部29が形成される。幅狭の係合解除凹部29は幅広の係合解除凹部28よりも径方向に長く形成される。
【0023】
また、上記の始点Aの逆回転方向に隣接して前記ダイヤル4の始点位置決め突起31が設けられ、上記の幅狭の係合解除凹部29の正回転方向に隣接してダイヤル4の終点位置決め突起31’が設けられる。これらの位置決め突起31、31’は、ダイヤル4側に設けられる幅広凸部28’の回転範囲よりも外方に設けられ、ダイヤル4の回転時に相互に干渉しないようになっているが、幅狭凸部29’には係合して、その回転範囲を始点Aと終点Bの間に制限する。
【0024】
上記のカバーケース24の大径部26の内面には、前記の始点位置決め突起31と終点位置決め突起31’との中間点において(図5(a)参照)、大径部26の全長に渡るガイドリブ33が中心対称の2ヵ所に設けられる。このガイドリブ33には後述のスライド部材54が係合される。また、そのガイドリブ33から正回転方向に所要角度離れた位置に後述の調圧ロール45に係合してこれを後退方向(ダイヤル4側から抵抗板21側に至る方向)にガイドする後退方向ガイドリブ34が設けられ、さらに同方向に一定角度αだけ離れた位置に、調圧ロール45を上記と逆の方向、即ち前進方向にガイドする前進方向ガイドリブ34’が設けられる。これらの各ガイドリブ34、34’も中心対称の2ヵ所に設けられる。
【0025】
上記の後退方向ガイドリブ34と前進方向ガイドリブ34’の終端は、前記のガイドリブ33の長さのほぼ半分の位置にあり、調圧ロール45の後退ストロークL(図3参照)の終端と一致する。
【0026】
前記のダイヤル4(図3、図4参照)は、摘まみ部35とその内面側にビス36により結合された円筒状の軸部37とからなる。軸部37は、図7に詳細を示すように、軸方向中間部にばね受けつば38が設けられ、そのばね受けつば38より前方の外周面に前述の幅広凸部28’と幅狭凸部29’が中心対称の位置に設けられる。これらの各凸部28’、29’の先端面に前記の菊座状の調整用凹凸部30の溝にかみ合う山形の小突起39、39が設けられる。幅狭凸部29’は、幅広凸部28’より径方向に長く形成され、前述の係合解除凹部28,29にそれぞれ合致する形状である(図5(c)参照)。
【0027】
ダイヤル4は前述のように、始点Aと終点Bとの間においては、カバーケース24の挿通孔27の内面に係合して回動するが、図5(c)に示すように終点Bに達して幅狭凸部28’が終点位置決め突起31’に当たると、幅狭凸部29’が幅狭の係合解除凹部29に合致するとともに、幅広凸部28’が幅広の係合解除凹部28に合致するので、ダイヤル4の挿通孔27に対する係合が解除される。
【0028】
また、ダイヤル4の軸部37の後端部内面に一対の突起41、41が中心対称の位置に設けられ(図3参照)、後述の調圧ロール45のねじ軸47に係合する。また、軸部37のばね受けつば38の後方外周面にダイヤルばね42が装着され、そのダイヤルばね42がカバーケース24の内面に固定されたばね受け固定板43との間で圧縮される。そのばね力により、ダイヤル4はカバーケース24の前方に向けて付勢され、通常は前記の幅広凸部28’と幅狭凸部29’の端面に形成された各小突起39が調整用凹凸部30に対してそのばね力で押圧される。
【0029】
なお、前記のばね受け固定板43の外周縁には、前記のガイドリブ33、後退方向ガイドリブ34、前進方向ガイドリブ34’に合致する3カ所の切欠き凹所44が設けられる。また、前記の軸部37の前端面には摘まみ部35の位置決め突起40が設けられる(図7(a)参照)。
【0030】
前記軸部37の後端部内面に設けられた2ヵ所の突起41、41が係合される調圧ロール45は、図3、図4に示すように、ロールつば46の前面に中空のねじ軸47が形成され、後面にばね収納部48が設けられる。ねじ軸47のねじ49はハイリードであり、ねじ49の先端部分は突起41、41との係合開始が容易になるように部分的な切欠き51が設けられる。また、上記のロールつば46の外周縁の対称2ヵ所に切欠きによる係合凹部52が設けられる。
【0031】
上記のねじ軸47にダイヤル4側の前述の突起41が係合され、また上記の係合凹部52がカバーケース24のガイドリブ33に係合されることにより、調圧ロール45はダイヤル4と同軸に、かつカバーケース24に対して進退自在に支持される。
【0032】
上記の調圧ロール45の後部に設けられたばね収納部48の後端の中心対称2ヵ所にフック53’を有する係合アーム53が設けられる。この係合アーム53を含み、調圧ロール45のばね収納部48の周りに、スライド部材54が相対的に前後動可能に嵌合される。スライド部材54は、図4に示すように、環状の部材の後端面を閉塞したものであり、その外周面に設けた小突起間の係合凹部55を前記のカバーケース24のガイドリブ33に係合させることにより、前後方向にスライド可能となっている。このスライド部材54の後端の閉塞面の中心対称の2ヵ所に円弧溝56、56が設けられ、各円弧溝56の正回転方向の端部前面に係合部57が設けられる。また、閉塞面の中心部前面にばね受け突起58が設けられ、その反対の後面中心部に抵抗板21の固定用の固定軸部59が設けられる。
【0033】
調圧ロール45のばね収納部48の中心部に設けられたばね受け突起60(図3参照)と、スライド部材54のばね受け突起58との間に調圧ばね61が介在する。
【0034】
上記のスライド部材54の後方においてカバーケース24の後部開口が閉塞板62により閉塞され、その閉塞板62はビス63でカバーケース24に固定される。前記の固定軸部59は、その閉塞板62の中心孔64から後方に突き出され、その先端に前記の抵抗板21がスペーサ65を介してビス66により取付けられる。
【0035】
前述のように、調圧ロール45の係合凹部52は、通常の状態ではカバーケース24の後退用ガイドリブ34に係合されている。図6(a)はその状態を示すために、カバーケース24内の構造を、閉塞板62、スライド部材54を除いてその後方から見た図である。同図(b)は、スライド部材54を組み合わせた状態である。スライド部材54の係合凹部55がガイドリブ33に係合し、調圧ロール45の係合アーム53の先端部が円弧溝56の部分に臨んでいる。
【0036】
精米機の調整装置23の構造は以上のようなものであり、次にその作用について説明する。
【0037】
図8(a)は、精米度が最も低い状態、即ち、調圧ばね61の抵抗板21に対する押圧力が最も小さい状態を示し、同図(b)は、精米度が最も高い状態、即ち、調圧ばね61の抵抗板21に対する押圧力が最も大きい状態を示している。また、同図(c)は、残米処理処理状態を示している。
【0038】
先ず、図8(a)の状態において、ダイヤル4は、その幅狭凸部29’が、始点位置決め突起31に当接した始点Aにある(図5(a)参照)。この状態で、調圧ロール45のねじ軸47とダイヤル4の係合が最も深く、従って調圧ロール45は最もダイヤル4側に接近した前進状態にある。このため、調圧ばね61も伸び、抵抗板21に対する押圧力が最も小さい状態にある。このため、精米度は最も低い。
【0039】
ダイヤル4を操作して正回転の方向(図5(a)の矢印a参照)に回転させると、調圧ロール45が後退方向ガイドリブ34にガイドされながら後退し、調圧ばね61を圧縮し、抵抗板21に対する押圧力を増大させる。図8(b)の状態になると、調圧ロール45は最も後退し、調圧ばね61が最も圧縮されて最高の精米度に達する。この状態で係合凹部52は後退方向ガイドリブ34の後端から外れ、また、係合アーム53のフック53’が円弧溝56内に進出する。
【0040】
上記のようにダイヤル4は角度Xの範囲において適宜な角度に回動され、所望の精米度に設定される。ダイヤル4の角度Xの回転範囲を「精米度調整範囲」と称する。
【0041】
なお、ダイヤル4の回動に伴い、その小突起39が、菊座状の調整用凹凸部30上面をクリック感をもって移動するが、各小突起39は各調整用凹凸部30の溝に対して面接触する(図7(b)(c)参照)ので、確実で安定したクリック感が得られる。
【0042】
上記の角度Xの範囲内の一定角度に設定して精米を完了したのち残米処理を行うには、ダイヤル4を正回転方向に回転させて、前記の最大精米度の状態に調圧ロール45を後退させる。そうすると、前述のように調圧ロール45の係合凹部52が後退方向ガイドリブ34の後端から外れて自由になり、また係合アーム53のフック53’が円弧溝56内に進出する。
【0043】
ダイヤル4が引き続き正回転方向に角度Yだけ回動されると、突起41とねじ軸47の摩擦によってダイヤル4と調圧ロール45が一体に回動し、図5(b)に示すように、幅狭凸部29’が終点位置決め突起31’に当接し、その幅狭凸部29’が幅狭の係合解除凹部29に、また幅広凸部28’が幅広の係合解除凹部28にそれぞれ合致する。これと同時に、調圧ロール45の係合凹部52が前記の角度α(=Y)だけ回転して前進用ガイドリブ34’の後端に臨み、、さらに係合アーム53のフック53’が円弧溝56の一端部に移動して係合部57の後面に係合する(図6(b)参照)。
【0044】
このため、ダイヤル4の挿通孔27に対する係合が解除され、同時に調圧ロール45の前進が可能となるため、ダイヤルばね42の付勢力により、前進方向ガイドリブ34’に移行した調圧ロール45、これと一体化されたダイヤル4、係合アーム53のフック53’に係合されたスライド部材54、抵抗板21及び調圧ばね61が一体となって前方に飛び出し、図8(c)に示すように、ダイヤル4のばね受けつば38がカバーケース24の前端内面に当たるまで、或いは調圧ロール45のロールつば46がばね受け固定板43に当たるまで一気に前進し、抵抗板21が精米スクリーン17の排出口19の前方を大きく開放した残米処理状態となる。
【0045】
上記の角度Yの回動範囲は、精米度調整範囲を越えたのち、残米処理状態に移行するに必要な回転角度であるから、「残米処理移行範囲」と称する。
【0046】
なお、ダイヤル4が上記のようにして前方に押し出され、そのばね受けつば38がカバーケース24の前端面に押し当てられたとき、その前端面の突設された始点位置決め突起31、終点位置決め突起31’に当たることを防ぐため、ばね受けつば38の外周縁に2ヵ所の切欠き凹部67(図7(a)参照)が設けられる。
【0047】
残米処理は、上記のように抵抗板21が排出口19を大きく開放した状態で、搗精ロール16を駆動させることにより行われる。搗精ロール16の駆動により、精米スクリーン17内に残留していた未精米の残米が排出口19から排出され、排出シュート22から下方に排出される。また、抵抗板21及びその近辺の清掃は、カバーケース24の取付け部26’上部の開口部から、又は調整装置23を取り外して行う。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る精米機の精米度調整装置は、ダイヤル操作により抵抗板が精白米の排出口に対して前後方向に平行移動するので、均一な精米度が得られる。
【0049】
また、残米処理装置は、抵抗板を含む調整装置全体が前方に一定範囲だけ飛び出して排出口を大きく開放させるので、残米の排出はもとより、排出口や抵抗板等の手入れを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の精米機の斜視図
【図2】同上の一部省略断面図
【図3】同上の一部省略断面図
【図4】同上の調整装置の分解斜視図
【図5】(a)図3のV −V 線の拡大断面図
(b)(a)図のb−b線の拡大断面図
(a)図3のV −V 線の残米処理時の拡大断面図
【図6】(a)調整装置のスライド部材を除去した状態の背面図
(b)(a)図にスライド部材を追加した状態の背面図
【図7】(a)ダイヤルの回転軸の拡大斜視図
(b)(c)上記回転軸の小突起と調整用凹凸部との係合状態の断面図
【図8】(a)から(c)調整装置の作用説明図
【符号の説明】
1 精米機本体
2 計量米びつ
3 スタート・ストップボタン
4 ダイヤル
5 収納ケース
6 米受け容器
7 ぬか受け容器
8 ホッパー
9 精米機構部
11 蓋
12 計量排出器
13 投入口セット
14 投入用ホッパー
15 駆動軸
16 搗精ロール
17 精米スクリーン
18 供給口
19 排出口
20 スクリーン押さえ板
21 抵抗板
22 排出シュート
23 調整装置
24 カバーケース
25 小径部
26 大径部
26’ 取付け部
27 挿通孔
28 係合解除凹部
28’ 幅広凸部
29 係合解除凹部
29’ 幅狭凸部
30 調整用凹凸部
31 始点位置決め突起
31’ 終点位置決め突起
33 ガイドリブ
34 後退方向ガイドリブ
34’ 前進方向ガイドリブ
35 摘まみ部
36 ビス
37 軸部
38 ばね受けつば
39 小突起
40 位置決め突起
41 突起
42 ダイヤルばね
43 ばね受け固定板
44 切欠き凹所
45 調圧ロール
46 ロールつば
47 ねじ軸
48 ばね収納部
49 ねじ
51 切欠き
52 係合凹部
53 係合アーム
53’ フック
54 スライド部材
55 係合凹部
56 円弧溝
57 係合部
58 ばね受け突起
59 固定軸部
61 調圧ばね
62 閉塞板
63 ビス
64 中心孔
65 スペーサ
66 ビス
67 切欠き凹部
Claims (5)
- 精米スクリーンの排出口をその外部から接離自在に閉鎖する抵抗板に調圧ばねによる押圧力を付与し、外部からのダイヤル操作により上記押圧力を変化させて精米度を調整するようにした精米機の精米度調整装置において、上記ダイヤルにねじ結合された調圧ロール、前記抵抗板に連結されたスライド部材及び上記調圧ばねを上記排出口の前方全面をカバーするカバーケース内に収納し、上記調圧ロール及びスライド部材の各一部に設けた係合凹部をそれぞれ上記カバーケース内面に設けた軸方向のガイドリブに係合させ、前記調圧ロールと前記スライド部材との間に前記調圧ばねを介在させ、上記ダイヤルの回動に伴う調圧ロールの進退により上記抵抗板の押圧力を調整するようにしたことを特徴とする精米機の精米度調整装置。
- 上記ダイヤルと調圧ロールとのねじ結合構造は、該ダイヤルの回転軸を筒状に形成し、その後端面の開放部分から上記調圧ロールのねじ軸の前端部を挿入し、上記回転軸の内面に設けた突起を上記ねじ軸のハイリードのねじ溝に係合した構造であることを特徴とする請求項1に記載の精米機の精米度調整装置。
- 精米スクリーンの排出口をその外部から接離自在に閉鎖する抵抗板に調圧ばねによる押圧力を付与し、精米度調整用のダイヤルの回動範囲を精米度調整範囲とこれに引き続く正回転方向に残米処理移行範囲を有するように設定した精米機の残米処理装置において、カバーケース内に、調圧ロール、スライド部材、ダイヤルばね、及び上記調圧ばねを同軸上に組み合わせてなる調整装置を収納し、上記カバーケースの前端面の挿通孔に上記ダイヤルの回転軸を回転自在に係合するとともに、該回転軸の一部を上記調圧ロールにねじ結合し、上記回転軸に上記ダイヤルばねのばね力を作用させて該ダイヤルを上記カバーケースから抜け出す方向に付勢し、上記挿通孔に上記ダイヤルの残米処理移行範囲の終点において上記回転軸が挿通孔から軸方向に抜け出す係合解除部を設け、上記カバーケースに上記調圧ロールを上記ダイヤルから後退する方向に案内する後退方向ガイドリブと、そのガイドリブから該ダイヤルの正回転方向に一定角度離れた位置に、上記調圧ロールを前進方向に案内する前進方向ガイドリブを設け、上記各ガイドリブの後端を上記ダイヤルの精米度調整範囲の回転に伴う調圧ロールの後退ストロークの終端に一致せしめ、各ガイドリブ間の間隔を上記ダイヤルの残米処理範囲の回転角の大きさに設定し、上記調圧ロールと上記スライド部材は、ダイヤルの精米度調整範囲の回転範囲においては軸方向に自由であるが、残米処理移行範囲の回転の終点において軸方向に相互に係合される関係にあり、該スライド部材に前記抵抗板が連結され、精米度調整時において、上記ダイヤルを精米度調整範囲内の適宜位置に回動して上記調圧ロールを上記後退ストロークの一定範囲内に設定し、残米処理時において、上記ダイヤルを精米度調整範囲を越えて残米処理移行範囲にまで回動させ、後退方向ガイドリブの後端から離れた上記調圧ロールを上記ダイヤルとともに相互の摩擦力により一体に回転させ、その終点において該調圧ロールの案内を上記前進方向ガイドリブに移行させ、同じくその終点において上記挿通孔との係合が解除された上記ダイヤルと共に、調圧ロール、スライド部材を上記ダイヤルばねのばね力により一体に前方に移動させることにより、上記抵抗板を排出口から所要距離だけ前方に離すようにしたことを特徴とする精米機の残米処理装置。
- 上記ダイヤルと調圧ロールとのねじ結合構造は、該ダイヤルの回転軸を筒状に形成し、その後端面の開放部分から上記調圧ロールのねじ軸の前端部を挿入し、上記回転軸の内面に設けた突起を上記ねじ軸のねじ溝に係合した構造であることを特徴とする請求項3に記載の精米機の残米処理装置。
- 上記調圧ロールの後端部に係合用のフックを有する一対の結合アームを設け、上記スライド部材を上記カバーケースに設けたガイドリブにより軸方向に案内し、該スライド部材に上記各フックに対向した円弧溝を設けるとともに、該円弧溝の前記正回転方向の終端部に上記フックとの係合部を設け、前記ダイヤルの残米処理移行範囲の回転の終点において、上記フックを上記係合部に係合させるようにしたことを特徴とする請求項3又は4に記載の精米機の残米処理装置。
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