JP2002085031A - 電子線照射装置における粒体搬送機構 - Google Patents

電子線照射装置における粒体搬送機構

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒体の表面を電子線で照射する場合、粒体表
面全てを照射する必要がある。しかし通常の搬送では、
照射の影になる部分には電子線照射がされていない。全
面に電子線を当てるには照射部下で粒体を回転させる必
要がある。通常の周回コンベヤでは粒体を回転させるこ
とはできない。 【解決手段】 振動コンベヤの搬送板に小孔を有する階
段部を設け、階段部の下に設けたダクトから気体を階段
の上にめがけて吹き出す。粒体は振動コンベヤによって
前進し振動によって回転する。階段を転げ落ちて回転す
る。気体によって舞い上げられて回転する。盛んに回転
する粒体に低エネルギー電子線を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工業用電子線照射装
置、試験用電子線照射装置などに関する。電子線照射装
置は、真空中でフィラメントから熱電子を発生し電子線
とし加速電極によって加速して窓箔を通して大気中に出
し被処理物に電子線を照射する装置である。電線被覆な
どの高分子の架橋などに利用される。印刷物や塗料の被
膜のキュアにも用いられる。医療用材料器具の殺菌にも
利用される。加速エネルギーは数MeV〜数百keVの
広範囲にわたる。被処理物と目的によって適切な加速エ
ネルギーが決まる。エネルギーによって装置の方式が変
わる。
【0002】より高いエネルギーを与える装置は、走査
型電子線照射装置といい細いビームを左右前後つまり二
次元的にスキャンする。走査のために電磁コイルがあっ
て磁場によってビームを左右にふる。左右だけでなく前
後にも振ることもある。ビームが左右に振れるから真空
を維持する空間も下広がりの三角形状の管によって形成
する。三角形状の管のことを走査管と呼ぶ。走査管の下
端の開口部を照射窓という。照射窓には真空と大気を分
ける窓箔が張られている。
【0003】窓箔はTi、Alの薄い箔である。窓箔の
上は真空、下は大気圧である。300keV程度がエネ
ルギーの境目で、それ以下の加速エネルギーの場合は非
走査型(エリア形)の電子線照射装置を用いる事が多
い。面積の広いフィラメントから広範囲に熱電子を発生
しフィラメントとアノードの間で加速する。初めから広
い面積のビームを生ずるようにしてあるから走査する必
要がない。走査しないからフィラメントから照射窓まで
の距離を短くコンパクトにできる。
【0004】走査型でも非走査型でも照射窓の下には被
処理物に電子線照射するための閉じた空間が設けられ
る。なぜ閉じた空間なのか?電子線が被処理物に当たる
と架橋反応、殺菌作用、キュア作用などの有用な作用を
行ってくれるのであるが、なにぶん高エネルギーの電子
線が物質に当たるからX線が大量に発生するのである。
有害な放射線であるX線を外部に漏れないよう遮断する
必要がある。そのために閉じられた空間が必要である。
厚いコンクリートや厚い鉛板で照射室が形成される。空
間の中で電子線照射がなされるから人手によって被処理
物を運ぶというようなことはできない。
【0005】被処理物を照射窓の下へ運び寄り、また運
び去るためには自動搬送機構が必要になる。周回コンベ
ヤなどの搬送機構が照射室の内部に設けられる。これは
照射室の入口と出口を結ぶ搬送装置であって照射窓の直
下を通過するようになっている。搬送機構は上下に折れ
曲がり幾つもの金属板の開口部を通過するようになって
いる。それはX線が外部に漏れるの防ぐための工夫であ
る。X線が直進して外部に出てはいけない。それはもち
ろんである。さらに少なくとも3回反射しないと外部に
至らないように搬送機構や照射室の構造が工夫されてい
る。
【0006】
【従来の技術】電子線照射装置において被処理物を運ぶ
ために用いる搬送装置は、電子線により発生するオゾン
およびX線の影響を色濃く受ける。そのため材質や構造
に制約がでてくる。材質としてはオゾンによる錆の影響
を受けにくいステンレススチールを使用することが多
い。電子線のエネルギーを受け加熱される。温度上昇を
抑えるため冷却しなければならない。そのためゴム材や
板材の搬送では、従来ステンレススチールのメッシュコ
ンベヤやスチールコンベヤを用いてきた。そして照射窓
の近傍で冷却風を吹き込みコンベヤを冷却するようにな
っていた。
【0007】以上に述べた物は電線とか板材とかゴム製
品とか有形固体が被処理物になるものであった。ところ
が近年になって穀物、香辛料などの不定形の食品を電子
線で殺菌処理しようという試みがなされるようになって
きた。食品、食材は通常殺菌処理はしないのであるが、
輸入された食材や生で食べる食品、長く保存する食品な
どの場合は殺菌処理が必要なものもある。従来、穀物、
香辛料など粒状の食材の殺菌には臭化メチル、エチレン
オキサイドなどの殺菌ガスが用いられていた。これらの
ガスによって粒状食品をいぶすことによって殺菌する。
食品食材は表面だけを殺菌すればよいのである。これら
の有毒のガスが表面に接触することによって表面を殺菌
できる。ガス殺菌はしかしガス自体が有毒であるし残留
ガスが食品に付着する可能性もある。そこで、より安全
な電子線による殺菌法が試みられる。これは未だ試行錯
誤の状況にある。食品の電子線殺菌はなお実用化されて
いない。
【0008】粒状食材への電子線照射には解決を待って
いる様々の問題がある。ここでは搬送機構を問題にす
る。被処理物が粒体の場合、メッシュコンベヤは使用で
きない。メッシュから粒体が漏れるからである。粒体搬
送にはスチールコンベヤ叉は電磁フィーダー(振動フィ
ーダー)が考えられる。スチールコンベヤというのは表
面が平滑平坦のスチール薄板の周回コンベヤである。薄
板であるからベルトと同じように容易に彎曲してローラ
を廻りこむことができるのである。電磁フィーダーとい
うのは斜め板あるいは水平板を斜め上下に非対称振動さ
せることによって被処理物を前進させるものである。モ
ータや電磁振動子によって搬送板を振動させて被処理物
を運ぶので電磁フィーダーという。振動させて送るから
振動コンベヤともいう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】電子線を粒体に照射す
るため、粒体を完全に透過する高い加速エネルギーで照
射する場合は単に搬送するだけでよい。しかし食品殺菌
の場合は、粒体に電子線が貫通するのは不適当である。
内部に電子線が通ると化学反応を誘起して風味が落ちる
し変質する可能性があるからである。食品食材の場合、
粒体表面だけに電子線を薄く当てる必要がある。粒体を
完全に透過しない低い加速エネルギーで照射する場合、
照射の影になる部分が残る。影部分は電子線は照射され
ない。しかし全面に電子線を当てないと殺菌されたこと
にならない。粒体の全面に電子線照射しなければいけな
い。全表面に照射が行われるよう、粒体を回転させなが
ら照射を行う必要がある。
【0010】しかし、そのような搬送機構はいずれも未
だ実現されていない。幾つかの提案がなされているが帯
に短したすきに流しといった状況にある。実現していな
いが食品粒体搬送の問題を明らかにする意味もあるので
従来技術を次に概観する。
【0011】(1) 特開平10−215765号「穀
物の殺菌方法およびそれに用いる穀物回動装置」は、振
動器と振盪器の上にトレー戴置台を置き、その上に電子
線照射装置を設けた穀物殺菌装置を提案する。玄米、小
麦、小豆、大豆などの穀物をトレーに薄く入れる。振動
器は縦方向に振動し、振盪器は横方向に振動する。小麦
は飛び上がり、跳ね上がり、踊り上がり、弾ける。だか
ら電子線が全面に当たる。電子線エネルギーは低い。1
60kV〜230kVの低い加速電圧の電子線である。
約1時間で処理を終える。1回の処理で数十gの穀物を
殺菌できる。
【0012】(2) 特願平10−142873号「電
子線照射装置」は、水冷された平坦表面の振動コンベヤ
に穀物を乗せて振動によって運びながら弱い電子線を当
てるようにした電子線照射装置を提案している。振動コ
ンベヤは運ぶ力もあるが被処理物を転がす能力もある。
穀物は振動によって転がり飛び上がりストンと落ちて一
方向に進む。飛び上がるからコロコロと転がり全ての面
に電子線が当たるようになっている。弱い電子線とする
のは穀物の表面だけに当たるようにするためである。ソ
フトエレクトロンと呼ぶこともある。
【0013】(3) 特開平1−192362号「粉体
の放射線処理装置」は、小麦粉、香辛料など粉粒体状食
品を放射線によって殺菌するための装置を提案する。放
射線というのは、γ線、X線、電子線の3種類の放射線
を意味している。気体によって被処理物を運びながら放
射線を浴びせるというものである。「遮蔽壁で包囲した
室内に立設され下方から上方へ気体を送風して粉体を浮
遊させる粉体浮遊室と、該粉体浮遊室に対向して放射線
照射装置を設けた粉体の放射線処理装置。」である。強
い風力によって粉体を吹き上げておき、浮遊した状態で
放射線を浴びせるから穀物の全ての表面に放射線が当た
る。
【0014】(4) 特開平8−52201号「粉体の
電子線殺菌装置」は、コンクリートの厚い壁をもつ巨大
な処理室に少し傾斜した管部を設け、管部の半ばに軸方
向平行に多孔板を設け、その下から空気を吹き込み、多
孔板の上から粉体被処理物を投入して、被処理物を空気
で持ち上げて斜め下向きに被処理物を運びつつ横から電
子線を浴びせるようにしている。大量の空気とともに運
ばれた被処理物はサイクロンによって空気と分離されて
粉体だけ回収される。空気で舞い上げるので被処理物の
全面に電子線が当たる。
【0015】(5) 特願平11−61327号「電子
線照射装置と電子線照射方法及び被処理物」は、横型の
搬送空間の下部と上部に横方向に延びる多孔板を、前端
部に縦の多孔板を設け、下多孔板から気体を吹き上げ、
上多孔板から気体を吹き下げ、前多孔板から気体を吹き
送るようにして粉体の被処理物を気体輸送する。気体輸
送しながら電子線を照射するという巧みな物である。前
多孔板からの気体が推進力を与える。下多孔板から吹き
上げる気体が揚力を賦与する。上多孔板から吹き下げる
気体が拡散を押さえるというわけである。微妙なバラン
スが要求される難しい機構である。気体搬送であってコ
ンベヤなどを使わないから粉粒体を回転照射するという
課題は解決されている。
【0016】(6) 特願平11−114312号「電
子線照射装置と粒状体殺菌方法」は、多数の突起凹凸の
ある振動コンベヤによって穀物を搬送する。突起や凹凸
によって穀物の粒子をひっくり返し転がし弾き返す。全
ての表面が上を向く確率があり、全面に薄く電子線が照
射されるから表面を殺菌することができる。様々のこれ
まで提案されている技術を一瞥してきた。本発明の目的
は、粒体の全表面に等しく電子線照射が行われるような
搬送機構を与えることである。つまり粒状物を回転させ
ながら全面が電子線照射方向を向くように仕向ける搬送
機構を与えることが本発明の目的である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は粒体搬送のため
に振動コンベヤ(電磁フィーダー)を利用する。搬送板
は、小孔を持つ階段を一部又は全部に有し、階段裏側に
吹き出し気体用ダクトを設け、小孔から気体を吹き上
げ、階段を振動させ、粒体を回転させ飛び上がらせて一
方向に搬送するようになっている。
【0018】つまり、本発明の搬送機構は、(1)搬送
板を振動させることによって被処理物を移動させる電磁
フィーダーを用いること、(2)搬送板の照射窓直下の
一部、あるいは全部に階段を設けたこと、(3)階段に
は吹き出し気体用ダクトを設けたこと、(4)階段には
小孔を穿ち、吹き出し気体用ダクトからの気体を小孔か
ら吹き出させるようにしたこと、などの特徴を有する。
【0019】粒体であるから平坦平滑のコンベヤで運ぶ
ことは可能であるが、それでは一面にしか電子線が当た
らない。粒体の全面に電子線を当てるためには粒体を転
動回転させなければならない。粒体転動させるため動き
の静かな周回コンベヤより振動コンベヤを用いる方が適
している。それだけではなかなか回転しないから搬送板
に階段を設けて転げ落ちることによって回転する契機を
与えようとする。階段を転げ落ちるだけでは向きが変わ
らないという事もあり得る。だから階段面から気体を吹
き出して粒体を舞い上げるようにしている。つまり本発
明は粒体を回転させるために三つの異なる手段を用いて
いる。風による舞上げ、階段による転がし、振動コンベ
ヤによる跳ね上げの三つである。舞い上げ、跳ね上げ、
転がしでどのような形状の粒体でも一度は電子線方向を
向くように仕向けることができるのである。
【0020】搬送板に於ける階段の位置は照射窓直下を
含むようにする。照射窓直下で電子線を受けるのだか
ら、ここで回転しておれば良いのである。もちろん搬送
板の全体に階段があっても良い。ダクトは搬送板のすぐ
下に設ける。ここから吹き出し用気体を階段小孔へ導
く。振動コンベヤは実質的には動かないからダクトを設
ける事ができる。階段の1段の奥行きは例えば0.5〜
2cm程度(好ましくは1cm程度)で、高さは2mm
〜1cm程度である。小孔はスリット状としてもよい。
スリット状の場合、幅は0.5mm長さは20mm〜3
0mmの程度である。
【0021】搬送板は水平でもよいが傾斜を付けて前進
しやすいようにもできる。傾斜角は5度〜10度程度と
する。水平であっても振動の非対称性で粒体を前進させ
ることは可能である。
【0022】被処理物は小麦、米、大麦、香辛料、胡椒
などの粒状食品食材である。電子線エネルギーは100
keV〜200keVの低エネルギーである。表面だけ
を殺菌し内部まで入らないためである。低エネルギーの
電子線照射装置はより安価であり好都合である。
【0023】
【発明の実施の形態】図面によって、本発明の電子線照
射装置の実施形態を説明する。図1は電磁フィーダー
(振動コンベヤ)の搬送板の部分の平面図である。図2
はその縦断面図である。搬送板1は、一部に階段部2を
持っている。階段部は搬送板の全体でも一部でもよいが
電子線照射装置の照射窓9の直下には、必ず階段部2が
存在するようにする。階段の一段の奥行きは1cm程度
であり高さは2mm〜10mm程度である。横板7が恒
に水平である必要はない。
【0024】階段部2のすぐ裏側には吹き出し気体ダク
ト3が設けられる。搬送板1の始端には粒体6を搬送板
1の上に投入する粒体投入機構4が設けられる。この例
では走査型の電子線照射装置の走査管5の一部だけを図
示している。実際には、高圧電源、加速管、フィラメン
ト、走査コイル、走査管、照射室、などがあるが省略し
ている。走査管5の下端が照射窓9である。また本発明
は走査型でなくエリア型の電子線照射装置にも適用でき
る。低エネルギーの電子線を使った方がよいので、むし
ろエリア型電子線照射装置により適していると言えよ
う。
【0025】搬送板1の階段部2の横板7の一部に小孔
8が穿孔される。小孔8はスリット状であっても丸孔で
あってもよい。ダクトには気体をここへ導くためのホー
スが付属しているが、ここでは図示を略した。吹き出し
気体は窒素や希ガスとする。ダクト3に導かれた気体
は、小孔8から階段部2の上方へ吹き出るようになって
いる。搬送板1は両側に枠10、10を上流側に枠11
を持つ。粒体を搬送するから後ろや横からこぼれないよ
うに枠で囲っている。
【0026】図3は階段に千鳥状にスリット状の小孔8
を開けたものを示している。スリット長さは20mm〜
30mm、幅は0.5mm〜1mm程度である。ここか
ら吹き上げる風によって粒体を舞い上げる。電磁フィー
ダーであるから搬送板1の下にモータや振動機構があっ
て前斜め方向に振幅を持つ非対称振動を搬送板1に与え
ている。搬送板1は水平であっても非対称振動によって
粒体を前進させることができる。また搬送速度を速くす
るには、図2のように搬送板1を前傾させるようにして
も良い。粒状物6は傾斜面を転がることができる。前傾
の傾斜角θは、5度〜10度程度である。0度でも良い
というのは先に述べたとおりである。当然0〜5度でも
よいが、このような低傾斜であると傾斜による前進効果
は少ない。θは粒体の種類によって適当な角度を選ぶこ
とができる。
【0027】これらの搬送機構はX線遮蔽用の壁や容器
の内部にあるが、壁や容器は図示していない。照射室
(図示しない)の一端にある粒体投入機構4に食品食材
など被処理物である粒体6を導く。粒体6はここを滑り
落ちて照射室内部の搬送板1の始端に落下する。電磁フ
ィーダーは前斜め方向に振幅を持つ振動を発生している
から、粒状物(粒体)6は搬送板1の上を左向けに進行
する。傾斜面を粒体がはね上げられ転がりながら進んで
ゆく。階段部2では粒体6が段を落ちることによって回
転する。横板7の小孔8から吹き出す風力によって粒体
が舞い上がる。舞い上がることによって回転する。気体
は粒体回転以外に搬送板を冷却するという効果もある。
【0028】つまり階段部では、三様の異なる契機によ
って粒体が回転する。 1.振動コンベヤによる振動によってたたき上げられ回
転する、 2.階段をこぼれ落ちることによって回転する、 3.ガスによって吹き上げられ舞い上がって回転する。 このように三つの手段によって粒体を回転させたところ
に本発明の斬新な工夫が存する。
【0029】階段部2の直上には電子線照射装置の照射
窓9がある。ここで粒体被処理物は電子線照射を受け
る。100keV〜300keV程度の弱い電子線で表
面だけにしか当たらないが粒体が舞い上がり、転がり、
こぼれ落ちるので回転し全面に電子線が当たるように巧
みな設計がなされている。食品の殺菌であれば表面だけ
を殺菌すればよく、電子線殺菌の場合は表面だけに電子
線を当てるというのが難しいのであるが、ここでは三様
の手段で回転力を与えている。
【0030】図4のように粒体は飛ばされ転がり舞い上
がりながら照射部直下を通過するから全ての表面に電子
線が当たる。粒体の一面だけに電子線が当たるという不
都合なことはない。搬送板は金属板例えばステンレスス
チールの板とする。X線、オゾンによって変質しない。
【0031】
【発明の効果】電子線によって食品食材を殺菌処理した
いという場合、全面に電子線を当てることが不可能であ
ったから、粒体表面のみの照射処理が必要な場合でも、
粒体の裏面にも加速電子が届くよう従来は、高いエネル
ギーの電子線を当てて粒体を完全に透過するようにして
いた。
【0032】この発明は、振動コンベヤによって弾き上
げて粒体を回転させ、気体によって粒体を巻き上げ回転
させる、階段をこぼれ落ちることによって回転力を与え
る。回転転動擾乱揺動を起こさせる契機に満ちている。
【0033】この発明により粒体を回転させながら照射
できるので、粒体表面部に必要な加速エネルギーで電子
線照射すれば良い。低エネルギーの加速器で照射ができ
る。低エネルギーの装置は高エネルギーの装置より安価
であり小規模になる。また消費電力も少ない。だから照
射コストを下げることができる。それに内部に電子線が
入るとタンパク質や脂質が変質して風味が落ち商品価値
が低下するものも多い。本発明は首尾よく表面だけに低
エネルギー電子線を当てるから風味劣化、品質低下の恐
れがない。どのような粒状食品にも適用する事ができ
る。つまり粒体内部への照射が望ましくない物にも照射
可能となる。内部非照射の要件が満足されない限り食品
には利用できないが本発明によってそれが可能となる。
【0034】吹き付ける気体として、酸素を含まない窒
素ガスなどを利用すれば、オゾンの発生が抑えられ、錆
を抑える。それだけでなくオゾン臭が粒体に移る可能性
がなくなる。意義ある発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁フィーダーの搬送板の平面図。
【図2】本発明の電磁フィーダーの断面図。
【図3】本発明の搬送板の階段部の一部平面図。
【図4】本発明の搬送板階段部での粒体の転動の状態を
示す断面図。
【符号の説明】
1 搬送板 2 階段部 3 ダクト 4 粒体投入機構 5 走査管 6 粒体 7 横板 8 小孔 9 照射窓 10 枠 11 枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21K 5/10 G21K 5/10 F (72)発明者 矢田 洋三 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地日新 ハイボルテ−ジ株式会社内 Fターム(参考) 3F037 AA08 BA03 CA11 CB04 4B021 LA44 LP10 LT02 LT03 LW07 LW09 4C058 AA21 BB06 KK03 KK45

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中で熱電子を発生し加速し被処理物
    を搬送機構によって搬送しつつ搬送物に電子線を照射す
    る電子線照射装置において、被処理物が粒体であって、
    搬送機構を振動フィーダーとし、振動フィーダーの搬送
    板の一部又は全体に小孔を有する階段部を形成し、階段
    部の下部には吹き出し気体用ダクトを設け、搬送板を振
    動させて粒体を転がしながら前進させ、階段を転げ落ち
    ることによって粒体を回転させ、階段小孔から吹き上げ
    る気体によって粒体を舞い上げて回転させ、回転してい
    る粒体被処理物に電子線を照射するようにしたことを特
    徴とする電子線照射装置における粒体搬送機構。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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