JP2002084452A - テレビジョンカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、蓄積タイプのテレビジョンカメラに
おいて、低照度の撮像状態で撮像素子に長時間蓄積する
ときの画質を改善し、最低被写体照度をより小さくする
ことを目的とする。 【解決手段】上記課題を解決するために、撮像素子の露
光時間に応じて、Ａ／Ｄコンバータの白レベルを決める
基準電圧を下げ、あるいは映像信号の中間レベルのガン
マ特性を立ち上げて行き、またはＡ／Ｄコンバータの黒
レベルを決める基準電圧を上げることにより低レベルで
ある黒レベルの映像信号のノイズ成分をカットするよう
にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョンカメ
ラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のテレビジョンカメラのうち、蓄積
タイプのカメラ（撮像素子に受光する蓄積時間がＮＴＳ
Ｃ規格なら１／６０秒、または１／３０秒より長いタイ
プ）で低照度の撮像状態の映像を得る場合、撮像素子に
蓄積する時間を変えて映像信号レベルを一定に保持する
ようにしている。

【０００３】低照度の撮像状態で蓄積時間がさらに増え
ると、撮像素子の暗電流および固定パターンノイズが目
立ち画質が劣化するため、最低被写体照度は、２秒の蓄
積時間で最大ゲイン時で０．００１ルックス程度であ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、蓄積タイプ
のテレビジョンカメラにおいて、低照度の撮像状態で撮
像素子に長時間蓄積するときの画質を改善し、最低被写
体照度をより小さくすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、撮像素子の蓄積時間に応じて、撮像素子
からの映像信号をアナログ・ディジタル変換するＡ／Ｄ
コンバータの白レベルを決める基準電圧を下げて、また
は映像信号の中間レベルのガンマ特性を立ち上げて行
き、逆に黒レベルを決める基準電圧は上げるようにした
ものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を説明
する。

【０００７】図３は、本発明の実施形態に関わるテレビ
ジョンカメラの構成を示すブロック図である。

【０００８】１は被写体からの撮像光を集光するレン
ズ、２はレンズ１からの撮像光を受光し光電変換された
電荷を蓄積する受光素子を備えた撮像素子、３は撮像素
子２の出力信号の雑音成分を除去し信号成分をサンプル
ホールドして出力するＣＤＳ回路、４はＣＤＳ回路３か
らの信号に利得補正、プリガンマ補正等を施すプリアン
プ回路、５はプリアンプ回路４からの映像入力信号ＩＮ
をデジタル信号に変換するＡ／Ｄコンバータ、６はＡ／
Ｄコンバータ５の基準電圧を設定する基準電圧設定回
路、７はＡ／Ｄコンバータ５の出力信号であるデジタル
映像信号を格納するメモリ、８はメモリ７のディジタル
映像信号にガンマ処理等を施して所定の映像出力信号Ｏ
ＵＴを出力する映像信号処理回路、９は撮像素子２およ
び前記の各回路が所定のタイミングで動作するよう制御
し撮像素子２の蓄積時間を決定するＳＧ／ＣＰＵ回路、
である。

【０００９】図１は、本発明の一例として、蓄積時間に
応じてＡ／Ｄコンバータ５の入力信号である映像入力信
号ＩＮと映像処理回路８の出力信号である映像出力信号
ＯＵＴとの間のレベル比、および基準電圧設定回路６に
よるＡ／Ｄコンバータ５の白・黒レベル基準電圧の設定
例を示している。

【００１０】たとえば、２秒間の蓄積時間で映像出力信
号ＯＵＴが定格の７００ｍＶ_p-p得られる低照度の撮像
画面として、その時の照度が０．００１ルックスとす
る。

【００１１】この場合、通常の蓄積時間１／６０秒と比
べて１２０倍の蓄積時間となりノイズ成分も１２０倍と
なるが、モニタ画面で気になるノイズ成分は、低レベル
の映像成分に重畳されるノイズである。

【００１２】一方、基準電圧設定回路６によるＡ／Ｄコ
ンバータ５の通常白レベルの基準電圧は、例えば１０ｂ
ｉｔのＡ／Ｄコンバータ５の場合、定格の２倍の１４０
０ｍＶ_p-pの映像入力信号ＩＮで１０２３(２進表示で11
11111111)になるように設定する。基準電圧設定回路６
による黒レベルの基準電圧については、通常オプチカル
ブラック期間のＤＣ電圧値が０(２進表示で0000000000)
となるよう設定する。

【００１３】蓄積時間が１／６０秒までの場合、映像出
力信号ＯＵＴが７００ｍＶ_p-pのときはＡ／Ｄコンバー
タ５の映像入力信号ＩＮが７００ｍＶ_p-pとして、Ａ／
Ｄコンバータ５の入力信号である映像入力信号ＩＮと映
像処理回路８の出力信号である映像出力信号ＯＵＴとの
間のレベル比を１対１とする。

【００１４】次に、基準電圧設定回路６によるＡ／Ｄコ
ンバータ５の白レベルの基準電圧を下げて行き、Ａ／Ｄ
コンバータ５の映像入力信号ＩＮが７００ｍＶ_p-pのと
きＡ／Ｄコンバータ５の出力が１０２３になるよにする
と、映像出力信号ＯＵＴが７００ｍＶ_p-pを得るにはＡ
／Ｄコンバータ５の映像入力信号ＩＮは３５０ｍＶ_{p -p}
であれば良く、Ａ／Ｄコンバータ５の入力信号である映
像入力信号ＩＮと映像処理回路８の出力信号である映像
出力信号ＯＵＴとの間のレベル比は１対２となる。

【００１５】この結果、この時の被写体からの照度は
０．０００５ルックスあれば良いことになり、最低被写
体照度を０．００１ルックスから０．０００５ルックス
へと小さくすることができるようになる。

【００１６】図１では線形特性としているが、撮像画面
に応じて非線形特性としても良い。

【００１７】図２は、蓄積時間に応じて映像信号の中間
レベル（例えば定格７００ｍＶ_{p- p}に対し、２００〜４
００ｍＶ_p-p）のガンマ特性の例を示している。蓄積時
間をＸ、ゲインをＹとして、式で表わすと下式の式１の
ようになる。

【００１８】 Ｙ＝ａ＋ｂ・Ｘ^C、ただし、１≦ａ、ｂ、ｃ ……（１） 図２の映像信号の中間レベルのガンマ特性を示している
式１により、１．５倍にゲインアップすると、結果的に
ゲインアップ前と同じ信号電圧を得るには１／１．５倍
の照度で良く、０．０００３３ルックスあれば良い。

【００１９】この結果、最低被写体照度は、前記の場合
の０．０００５ルックスからさらに小さくなって０．０
００３３ルックスとなる。

【００２０】また、映像信号の中間レベルのガンマ特性
によるゲインアップ分のノイズの増加は、基準電圧設定
回路６によるＡ／Ｄコンバータ５の黒レベルの基準電圧
を上げて、低レベルである黒レベルの信号成分のノイズ
をカットする。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、Ａ／Ｄコンバータの映
像信号の白レベルの基準電圧を下げ、あるいは映像信号
の中間レベルのガンマ特性を持ち上げて、またはＡ／Ｄ
コンバータの黒レベルの基準電圧を上げることで、最低
被写体照度が従来より半分以下の被写体を撮像すること
ができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明における、蓄積時間に応じた映像信号
の入出力間のレベルダイアおよびＡ／Ｄコンバータの白
・黒レベル基準電圧を示す図

【図２】 本発明における蓄積時間に応じたガンマ特性
を示す図

【図３】 本発明におけるテレビジョンカメラのブロッ
ク構成を示す図

【符号の説明】

１：レンズ、２：撮像素子、３：ＣＤＳ回路、４：プリ
アンプ回路、５：Ａ／Ｄコンバータ、６：基準電圧設定
回路、７：メモリ、８：映像信号処理回路、９：ＳＧ／
ＣＰＵ回路

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被写体からの撮像光を受光して光電変換さ
   れた電荷を蓄積する受光素子を備えた撮像素子と、該撮
   像素子からの映像信号をアナログ・デジタル変換するＡ
   ／Ｄコンバータを有するテレビジョンカメラにおいて、 該受光素子の蓄積時間に応じて、該Ａ／Ｄコンバータの
   基準電圧を変えることを特徴とするテレビジョンカメラ
2. 【請求項２】被写体からの撮像光を受光して光電変換さ
   れた電荷を蓄積する受光素子を備えた撮像素子と、該撮
   像素子からの映像信号をアナログ・デジタル変換するＡ
   ／Ｄコンバータを有するテレビジョンカメラにおいて、 該受光素子の蓄積時間に応じて、該映像信号に施すガン
   マ特性を変えることを特徴とするテレビジョンカメラ
3. 【請求項３】請求項２記載の発明において、 前記受光素子の前記蓄積時間に応じて、前記Ａ／Ｄコン
   バータの基準電圧を変えることを特徴とするテレビジョ
   ンカメラ
4. 【請求項４】請求項３記載の発明において、 前記受光素子の前記蓄積時間に応じて、前記Ａ／Ｄコン
   バータの白レベルを決める基準電圧を下げて、または映
   像信号の中間レベルのガンマ特性を立ち上げて行き、逆
   に黒レベルを決める基準電圧は上げるようにしたことを
   特徴とするテレビジョンカメラ。