JP2002083607A - 高分子電解質型燃料電池コージェネレーションシステム - Google Patents

高分子電解質型燃料電池コージェネレーションシステム

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JP2002083607A
JP2002083607A JP2000269809A JP2000269809A JP2002083607A JP 2002083607 A JP2002083607 A JP 2002083607A JP 2000269809 A JP2000269809 A JP 2000269809A JP 2000269809 A JP2000269809 A JP 2000269809A JP 2002083607 A JP2002083607 A JP 2002083607A
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power
polymer electrolyte
gas
unit
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JP2000269809A
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Teruhisa Kanbara
輝壽 神原
Hisaaki Gyoten
久朗 行天
Hidekazu Tanigawa
英和 谷川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子電解質型燃料電池を搭載した電気自動
車は、自動車を停止した後も、水素ガスがある程度排出
されるため、これを処理しなければならない。燃料電池
コージェネレーションシステムを住宅に導入するとき
は、出来るだけ規模を小さくし、コストを下げなければ
ならないが、通常、夕刻から夜にかけて電力の消費が大
きくなり、これに対応しなければならない。 【解決手段】 高分子電解質型燃料電池を搭載した電気
自動車で帰宅したとき、住宅にこれを接続し、電力を供
給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】高分子電解質型燃料電池を動
力源とする電気自動車の有効利用と、発電と給湯とを同
時に行うコージェネレーションシステムとを合わせた住
宅に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、従来より提案されているの高分子
電解質型燃料電池を用いたコージェネレーションシステ
ムの概略について説明する。
【0003】図1に、従来から提案されているシステム
の例を示した。図1において、11は水素生成器であ
り、都市ガスやプロパンガスなどを燃料とし、これに空
気と水とを加えて、水素ガスを生成する。通常、水素生
成器11で生成した水素ガスは、不純物として数十pp
m程度の一酸化炭素を含有する。12は燃料電池の本体
部分であり、前述の水素ガスを燃料とし、これと空気を
投入することで発電動作を行う。燃料電池は発電の際、
発熱するため、これを動作に適した温度に調整するた
め、冷却しなければならない。この目的のためには通
常、冷却水を燃料電池本体に循環させる。冷却水は発電
動作を行っている燃料電池に通すと、高温の温水にな
り、この温水を使用者に供給することで、給湯作業が出
来る。
【0004】一方、燃料電池で発電した電力は直流電力
であり、これを100Vの交流に変換するためのインバ
ータ14が必要である。この変換器を通して電力を供給
する。13は制御部であり、水素生成器11、燃料電池
12およびインバーター14に接続し、システムの運転
制御を行う。
【0005】次に、水素生成器11の具体的な構成例を
図2で説明する。図2において、21は脱硫部である。
現在、都市ガスにはターシャリブチルメルカプタンとジ
メチルスルフィドが付臭剤として、数ppm添加されて
いる。この添加剤は、水素生成器で都市ガスを水素ガス
に変換する改質反応を妨害するため、100ppb程度
まで除去しなければならない。この除去方法は、化学的
に分解する方法、または吸着剤を用いて物理的に除去す
る方法が提案されている。
【0006】22は改質部であり、都市ガス、天然ガ
ス、LPG等の炭化水素成分またはメタノール等のアル
コールを原料として、これから化学反応により水素ガス
を生成する。この化学反応を改質反応と呼ぶ。改質反応
は原料と水とを反応させる、CH4+2H2O→4H2
CO2で表される水蒸気改質反応が一般的である。この
反応では、Ni系金属または貴金属を触媒として使用す
る。セラミックなどの基材に触媒を担持し、これを70
0℃程度まで加熱し、ここに原料と水蒸気とを吹き込む
ことで、水素ガスを生成する。このとき、副生成物とし
て一酸化炭素が10%程度出来る。高分子電解質型燃料
電池は、燃料に一酸化炭素が混入すると大きく特性が低
下するため、これを20ppm程度にまで削減しなけれ
ばならない。改質部22で副生成された一酸化炭素をこ
のレベルまで削減するために、変成部23と浄化部24
とを改質部22の下流側に取り付ける。
【0007】変成部23には、Fe−Cr系金属または
Cu−Zn系金属を触媒として用い、これをセラミック
などの基材に担持したものを充填する。この触媒を30
0℃まで加熱し、ここに改質部22で生成された改質ガ
スを注入する。変成部23を通過した改質ガスの一酸化
炭素の濃度は、約1%程度まで下がる。このガスを変成
ガスと呼ぶ。
【0008】24は浄化部であり、変成ガス中に含まれ
る一酸化炭素を、20ppm程度にまで削減する浄化部
である。浄化部は、PtあるいはRu系触媒を用い、一
酸化炭素を選択的に酸化もしくはメタン化することで、
20ppm程度のレベルまで低減する。
【0009】以上の構成においては、改質部22、変成
部23及び浄化部24で用いる反応と触媒が個々に異な
り、反応温度も相違する。そのため、それぞれの触媒を
反応温度まで個別に加熱しなければならない。原料ガス
の流れに対して上流に配置した改質部は、700℃程度
の高い温度まで加熱する必要があり、改質部22から出
てきた改質ガスは当然これに近い高い温度にある。この
熱を有効に利用するため、変成部23の触媒の加熱に、
改質ガスの熱を利用する構成が提案されている。しか
し、改質ガスの熱で変成部を加熱する方法は、熱容量の
小さいガスで熱容量の大きい触媒を加熱しなければなら
ない。このため、変成部の触媒温度を所定の温度に加熱
するまである程度の時間が必要になる。
【0010】一方、炭化水素系の燃料を水蒸気改質する
場合、改質反応で炭素が析出するのを防止するため、燃
料中の炭素数を上回る量の水を供給しなければならな
い。例えば、メタン、LPG等の炭化水素を原料とする
場合、炭素数の2.5倍以上の水を供給し、水蒸気改質
を進行させることが一般的に行われている。このため、
上記の改質反応で生成した改質ガスは水蒸気を含む。こ
のような状態の改質ガスで変成部を加熱すると、変成部
のガス通気経路の低温部分で、改質ガス中の水が凝縮す
ることがある。水の凝縮は、変成部の触媒の温度を安定
に維持するための阻害要因となる。水が凝縮した部分で
は沸点以上の温度とならないため、各反応部温度を上昇
させるにはその水を速やかに再蒸発させることが必要で
ある。
【0011】次に、図1で示した燃料電池12の具体的
な構成例を説明する。
【0012】高分子電解質を用いた燃料電池は、水素を
含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤ガ
スとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱とを
同時に発生させるものである。図3に示したようにその
構造は、まず、水素イオンを選択的に輸送する高分子電
解質膜31の両面に、白金系の金属触媒を担持したカー
ボン粉末を主成分とする触媒反応層32を形成する。現
在、高分子電解質膜31としては、化1に示した化学構
造を持つパーフルオロスルホン酸が一般的に使用されて
いる。次に、この触媒反応層の外面に、燃料ガスの通気
性と、電子導電性を併せ持つ、例えばカーボンペーパー
で拡散層33を形成し、この拡散層と触媒反応層とを合
わせて電極34と呼ぶ。
【0013】
【化1】
【0014】次に、供給する燃料ガスが外にリークした
り、二種類の燃料ガスが互いに混合しないように、電極
の周囲には高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガス
ケットを配置する。このシール材やガスケットは、電極
及び高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立て、
これを、MEA(電極電解質膜接合体)35と呼ぶ。
【0015】次に、図4において、MEAの外側にはこ
れを機械的に固定するための導電性のセパレータ板41
を配置する。セパレータ板41のMEA35と接触する
部分には、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰
ガスを運び去るためのガス流路42を形成する。ガス流
路はセパレータ板と別に設けることもできるが、セパレ
ータの表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的で
ある。このように、一対のセパレータ41でMEA35
を固定し、片側のガス流路に燃料ガスを供給し、他方の
ガス流路に酸化剤ガスを供給することで0.8V程度の
起電力を発生させることが出来る。一対のセパレータで
MEAを固定したものを単電池43と呼ぶ。しかし、通
常、燃料電池を電源として使うとき、数ボルトから数百
ボルトの電圧を必要とする。このため、実際には、単電
池43を必要とする個数だけ直列に連結する。このと
き、セパレータ41の裏表の両面にガス流路42を形成
し、セパレータ/MEA/セパレータ/MEAの繰り返
しで、直列の連結構成にする。
【0016】ガス流路に燃料ガスを供給するためは、燃
料ガスを供給する配管を、使用するセパレータの枚数に
分岐し、その分岐先を直接セパレータ状の溝につなぎ込
む配管治具が必要となる。この治具をマニホールドと呼
び、上記のような燃料ガスの供給配管から直接つなぎ込
むタイプを外部マニホールドを呼ぶ。このマニホールド
には、構造をより簡単にした内部マニホールドと呼ぶ形
式のものがある。内部マニホールドとは、ガス流路を形
成したセパレータ板に、貫通した孔を設け、ガス流露の
出入り口をこの孔まで通し、この孔から直接燃料ガスを
供給するものである。
【0017】燃料電池は運転中に発熱するので、電池を
良好な温度状態に維持するために、冷却水等を流通し、
冷却する必要がある。通常、1〜3セル毎に冷却水を流
す冷却部をセパレータとセパレータとの間に挿入する
が、セパレータの背面に冷却水流路を設けて冷却部とす
る場合が多い。上述のセパレータの表面の構成を図5の
(a)に、また、裏面の構成を図5の(b)に示した。
図5の(a)は、燃料ガスまたは酸化剤ガスの流路を形
成したものであり、図5の(b)は、冷却水を循環させ
るための溝を形成したものである。図5の(a)におい
て、51aは燃料ガスを注入するための孔であり、51
bはこのガスを排出するための孔である。52aは酸化
剤ガスを注入するための孔であり、52bはこのガスを
排出するための孔である。53aは冷却水を注入するた
めの孔であり、53bはこれを排出するための孔であ
る。51aから注入した燃料ガスは、ガス流路の凹部5
4を通じて、途中蛇行しながら51bへと導かれる。5
5はガス流路の凸部である。56は、燃料ガス、酸化剤
ガス及び冷却水をシールするためのシール剤である。
【0018】また、このような高分子電解質型燃料電池
に用いるセパレータは、導電性が高く、かつ燃料ガスに
対して高いガス気密性を持ち、更に水素/酸素を酸化還
元する際の反応に対して高い耐食性、即ち耐酸性を持つ
必要がある。このような理由で従来のセパレータは、グ
ラッシーカーボン板の表面に切削加工でガス流路を形成
したり、またガス流路溝を形成したプレス金型にバイン
ダーと共に膨張黒鉛粉末を入れ、これをプレス加工した
後、加熱焼成することで作製していた。
【0019】また、近年、従来より使用されたカーボン
材料に代えて、ステンレスなどの金属板を用いる試みが
行われている。金属板を用いたセパレータは、金属板が
高温で酸化性の雰囲気に曝されるため、長期間使用する
と、金属板の腐食や溶解が起こる。金属板が腐食する
と、腐食部分の電気抵抗が増大し、電池の出力が低下す
る。また、金属板が溶解すると、溶解した金属イオンが
高分子電解質に拡散し、これが高分子電解質のイオン交
換サイトにトラップされ、結果的に高分子電解質自身の
イオン電導性が低下する。このような劣化を避けるため
金属板の表面にある程度の厚さを持つ金メッキを施すこ
と通例であった。さらに、特開平6−333580号公
報で提案されているように、エポキシ樹脂などに金属粉
を混ぜることで作成した導電性樹脂で作成したセパレー
タが検討されている。
【0020】以上のようなMEAとセパレータおよび冷
却部を交互に重ねていき、10〜200セル積層した
後、集電板と絶縁板を介し、端板でこれを挟み、締結ボ
ルトで両端から固定するのが一般的な構造であり、これ
を燃料電池スタックと呼ぶ。この概略を図6に示した。
図6において、61は単電池であり、必要とする数だけ
積層する。62は端板であり、複数の締結ボルト63で
締め上げる。64a、65a及び66aはそれぞれ、酸
化剤ガス、燃料ガス、冷却水注入用の孔であり、64
b、65b及び66bはそれぞれこれらの排出用の孔で
ある。
【0021】つぎに、燃料電池を動力源とした電気自動
車の説明をする。
【0022】近年、クリーンエネルギー指向の高まりか
ら、電気自動車に対する期待が高まっている。これま
で、ニッケル−水素二次電池、鉛酸蓄電池等の二次電池
を動力源とした電気自動車が開発されてきている。しか
しながら、これら二次電池を用いた電気自動車は、充電
に長時間を要すること、容量が小さく走行距離が短いこ
と、所望の出力を得るためには電池重量が大きくなるこ
となどが、実用上の課題になっている。
【0023】そこで、現在では、二次電池に代えて燃料
で発電する燃料電池を動力源とした電気自動車の開発が
活発に行われている。燃料電池は、例えば燃料ガスとし
ての水素をイオン伝導性膜を挟んで配された電極の一方
に供給し、酸化剤ガスとしての酸素を他方の電極に供給
してこれらを反応させることにより、電力を発生させる
ものである。燃料ガスとしての水素は、たとえばメタノ
ールを高温下で水と反応させることにより得られる。こ
のように燃料電池によると、内燃機関と同様に液体燃料
を用いることができるため、従来の内燃機関を用いた自
動車と同様に短時間で燃料の補給が可能になる。また、
自動車の燃料タンクの容量によっては、一度の燃料補給
で従来の自動車と変わらない走行距離を得ることが可能
である。
【0024】次に、高分子電解質型燃料電池を搭載した
電気自動車の構造の概略を、図11を用いて説明する。
【0025】111は燃料電池スタックであり、水素と
酸素を注入することで発電する。水素は水素発生部11
2から注入する。この水素発生部は、水素ガスを高圧力
で注入したガスボンベや、液体水素を蓄えたガスボンベ
や、水素吸蔵合金を蓄えたガスボンベを用いることが出
来る。また、メタノールやガソリンを改質して水素を生
成する改質器であってもよい。改質器を使うときは、メ
タノールやガソリンを蓄えるタンクが別途必要である。
酸素は通常、空気を用い、空気中入部113から注入す
る。燃料電池に空気や水素ガスを注入するとき、これら
を加湿する必要があり、そのため水タンク114が必要
となる。また、燃料電池は冷却する必要があり、冷却部
115から冷却水を循環する。
【0026】燃料電池スタック111で発生した電力は
制御部116を経て、モーター117を駆動する。しか
しながら、水素発生部112としてメタノールやガソリ
ンを改質して水素を生成する改質器を用いたとき、改質
器の暖気時間が必要となり、短時間で水素を発生させる
ことは難しい。また、燃料電池スタック自体も暖気時間
が必要であり、このタイムラグをカバーするため、二次
電池118を設置することが一般的である。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の燃
料電池コージェネレーションシステムは、システムを起
動してから、電力と温水との供給を開始するまで、いわ
ゆる暖気のための時間が必要である。また、システムを
停止した時も、発電と温水生成が瞬間的に停止するもの
でない。つまり、燃料電池コージェネレーションシステ
ムはシステムの起動と停止が鈍感であり、これを補うた
め、蓄電部と貯湯タンクとを設ける必要がある。しか
し、蓄電部に現在市販されている鉛蓄電池を用いると、
蓄電容量も制限があり、また充放電サイクルを繰り返す
ことによりその容量が低下するため、燃料電池で作った
電力を蓄えきれずに、捨ててしまわなければならない状
況も起こりうる。また、電力負荷が燃料電池から得られ
る電力を上回る場合には、足りない分を商用電力から供
給し、逆の場合には逆潮流により売電することもできる
が、今のところ売電価格が極めて低いことから、売電を
すればするほどランニングコストが高くなるという課題
もある。
【0028】さらに、給湯を行う際に、貯湯タンクの中
に温水が貯まるまでに時間をかかり、また冬場など外気
温度が低いときにこれをそのまま使用すると、給湯の温
度が低いという課題があった。そのため、給湯タンクは
断熱構造で作成した上、さらに加熱用のヒーターを取り
付ける必要がある。そして、このヒーターを働かせる電
力は燃料電池から供給することになり、いわゆる変換効
率が下がり、燃料電池コージェネレーションシステムを
導入する利点が低下する。また、給湯負荷が大きい場合
には、追い炊き用の給湯機を別に設置しなければなら
ず、このようにすると、さらに、燃料電池コージェネレ
ーションシステムを導入する利点が低下するという課題
がある。
【0029】また、高分子電解質型燃料電池を搭載した
電気自動車については、上述の暖気時間以外の課題があ
る。つまり、燃料電池に供給する水素ガスを改質器で作
ったときは、自動車を停止した後も、水素ガスがある程
度排出されるため、これを処理することが必要となる。
本発明は、上述したこのような従来の高分子電解質型
燃料電池コージェネレーションシステムの課題と、高分
子電解質型燃料電池を搭載した電気自動車の課題を考慮
して、電力と温水とを安定的に住宅に供給するととも
に、高分子電解質型燃料電池を搭載した電気自動車の停
止後の排出ガスの処理を解決することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の高分子電解質型燃料電池コージェネレーショ
ンシステムは、炭化水素系の原料から水素を含有する燃
料ガスを生成する水素生成器と、前記水素生成器で得ら
れた燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う高分子
電解質型燃料電池と、前記水素生成器または前記高分子
電解質型燃料電池の少なくとも一方で発生する熱を回収
する冷却水循環部と、前記冷却水循環部で得られた熱の
少なくとも一部を蓄える貯湯タンクと、前記高分子電解
質型燃料電池で発生した電力の少なくとも一部を蓄える
電力蓄電部と、前記高分子電解質型燃料電池で発生した
直流電力を交流電力に変換する電力変換部と、前記交流
電力と商用電力との系統連携を行う電力系統連携制御部
と、前記水素生成器と前記高分子電解質型燃料電池と前
記冷却水循環部と前記電力蓄電部と前記電力変換部と前
記電力系統連携制御部の動作を制御するシステム制御部
とを備え、水素を含有する燃料ガスと酸化剤ガスとを用
いて発電を行う高分子電解質型燃料電池を搭載した移動
体で発生させた電力を前記電力系統連携制御部に導くた
めの電気的接続部を有することを特徴とする。
【0031】このとき、移動体の高分子電解質型燃料電
池を冷却するための冷却媒体の導通部と、冷却水循環部
とを熱的に連結するための連結部を設けたことが有効で
ある。
【0032】また、水素を含有する燃料ガスと酸化剤ガ
スとを用いて発電を行う高分子電解質型燃料電池を搭載
した移動体は、水素を含有する燃料ガスを貯蔵する燃料
タンクを具備し、水素生成器で生成した水素を含有する
燃料ガスを、前記移動体の前記燃料タンクに供給するこ
とを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明のポイントは、家庭では電
力消費と給湯が夕方から増加し、さらに、住人が自動車
で帰宅してから特に大きく増え、この急激な増加分を燃
料電池を搭載した電気自動車で賄う点にある。このよう
にすると、上述の燃料電池を搭載した電気自動車が持
つ、停止後の水素ガスの流出と言う課題をむしろ、有効
に利用することが出来る。
【0034】以下に、本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。
【0035】図7に、本発明の第1の実施の形態である
高分子電解質型燃料電池コージェネレーションシステム
の構成を示した。都市ガスは、ブロアー71を経て、水
素生成器72に吹き込まれる。水素生成器72で生成し
た水素ガスは、加湿器73で加湿した後、燃料電池74
に供給する。燃料電池74に供給する酸化剤ガスは、ブ
ロアー75から空気を導入し、加湿器76で加湿する。
燃料電池74で発電した直流電力は、電力制御部79に
送り、蓄電部710及び商用電力と系統連携しつつ、消
費者に供給する。燃料電池74から排出された空気は、
凝縮器77で外気により冷却され、除湿される。得られ
た凝縮水は貯湯タンク78に蓄えられる。回収された水
は、水素生成装置72および加湿器73に送られ、燃料
改質および燃料側加湿に利用する。
【0036】燃料電池74は発熱するため、給水器71
1から冷却水を注入する。この冷却水は、燃料電池74
を循環した後、90℃程度の温水となり、貯湯タンク7
8へ導入する。貯湯タンク78には、サーミスターとヒ
ーターとを設置し、蓄えた温水を所定の温度になるよう
に制御する。
【0037】電力制御部79は、電圧変換器81と、D
C/ACインバーター82と、中央制御部84とを有
し、燃料電池74と、蓄電部710とに接続し、AC商
用電力に系統連結する。その動作は、燃料電池74から
の直流電力を電圧変換器81で所定の電圧まで昇圧また
は減圧し、外部負荷からの電力要求を受け、発電量が多
いときは、蓄電器710に余剰分を蓄え、発電量が不足
したときは、AC商用電力から電力を補充する。このと
き、外部負荷およびAC商用電力に電力を送るときは、
DC/ACインバーター82で直流/直流変換を行う。
また、中央制御部84は図7の水素生成器72、空気注
入部のブロアー75、都市ガス注入部のブロアー71の
動作も制御する。蓄電池710には、定格12V,20
Ahの鉛蓄電池を直列に10個接続したものを1モジュ
ールとして、このモジュールを2ヶ並列に接続すること
で、120V×20Ah×2=4.8kWhとした。
【0038】また、上記のシステムにおいて、燃料電池
は燃料電池の電極面積を180cm 2とし、単セルを8
0ヶ直列に積層し電池モジュールとした。運転条件は、
燃料電池の冷却水の注入温度を75℃とし、空気極側へ
は、露天温度が50℃になるように加湿した空気を注入
した。このときの酸素利用率が40%となるように、空
気の注入量を制御した。また、燃料極側へは、露天温度
が70℃になるように加湿した改質ガスを注入した。こ
のときの水素利用率が70%となるように、改質ガスの
注入量を制御した。以上の運転条件が定格運転の条件で
あり、このとき、電池電圧56V、電流18Aで1kW
の発電量を得る。改質ガスは、都市ガスを原料として前
述の水素生成器から供給する。以上の運転で、発電量を
下げるには、水素生成期への都市ガスの注入量を下げ、
燃料電池への改質ガスを絞り、これに連動して燃料電池
への空気の注入量も絞り、結果として電流値を下げるこ
とで行う。
【0039】図9に、電力の要求パターンの一例を示し
た。また、図10に給湯の要求パターンの一例を示し
た。図9及び図10は、会社員の夫、主婦、小学生の子
供2人の家族構成の4人家族で、5月1日にモニターし
たものである。図9により、家庭用の消費電力は朝と晩
に集中し、深夜は小さいことが判明した。給湯もこれに
近く、晩の入浴時が特に給湯量が大きいことが判明し
た。そこで、図12に示した発電量のパターンに従い、
燃料電池の発電を強制的に行った。
【0040】図12で、上述の燃料電池、即ち据え付け
器では常に0.4kWの発電を行い、18時から22時
までの4時間これに燃料電池を搭載した電気自動車から
の発電分2kWを加えた。電気自動車での発電開始を1
8時としたが、この理由は、前述の会社員の夫が18時
に、この自動車で帰宅したことを想定したものである。
【0041】また、図13に上記の燃料電池を搭載した
電気自動車の構成概念を示した。図13で、131は電
力線接続部であり、燃料電池スタック111で発生させ
た電力を制御部116を介して住宅に導入するための接
続部である。電気自動車の発電電力は直流100Vで数
十Aと、大きい電力であるためこの接続部の構造は、特
に漏電の防止と、使用者が簡便かつ着実に接続できるよ
うな構造が重要である。132は伝熱媒体導入部であ
り、通常燃料電池スタック111の冷却水を循環させる
ものであり、これを住宅の給湯線と接続する。自動車に
搭載した燃料電池を長時間の運転すると、水タンク11
4への水の補給が必要となり、これを給水部133から
行う。
【0042】以上の構成で燃料電池を運転すると、電力
消費と給湯要求のピークを、燃料電池を搭載した電気自
動車からの供給で賄うことが出来る。このため、据え置
き型の燃料電池と水素生成器とがより小型のもので賄う
ことが出来る。これと同時に、燃料電池を搭載した電気
自動車の課題である停止後の排出ガスの問題をも、解決
することが出来る。
【0043】以上では、あらかじめ住宅に、据え置き型
の燃料電池コージェネレーションシステムを配置した例
を示した。しかし、燃料電池スタックと水素生成器を住
宅に置かず、制御部分と燃料電池電気自動車から供給す
る電力又は温水の導入部を設置し、通常は商用電力と従
来の温水器を使用し、燃料電池電気自動車が住居に帰っ
てきたときに、これから電力を導入することも出来る。
【0044】
【発明の効果】以上のように、電力負荷が大きくなる夕
刻から夜にかけての運転を、燃料電池を設置した電気自
動車を用いることで、据え置き型の燃料電池コージェネ
レーションシステムを小型化することが出来、コストを
低減する事が出来る。さらに、消費者が要求する電力供
給及び給湯と、燃料電池で作ることの出来る電力及び給
湯との時間的なズレを小さくすることで、実運転時の変
換効率を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池を用いたコージェネレーションシステ
ムの一般的な構成を示した図
【図2】水素生成器の一般的な構成を示した図
【図3】燃料電池の構成要素であるMEAの構成を示し
た断面図
【図4】燃料電池の構成を示した断面図
【図5】燃料電池の構成要素であるセパレータの構成を
示した外観図
【図6】燃料電池の構成を示した外観図
【図7】本発明の実施形態であるコージェネレーション
システムの構成を示した図
【図8】本発明の実施形態であるコージェネレーション
システムの構成要素である電力制御部の構成を示した図
【図9】本発明の実施形態で用いた電力の要求パターン
を示した図
【図10】本発明の実施形態で用いた給湯の要求パター
ンを示した図
【図11】高分子電解質型燃料電池を搭載した一般的な
電気自動車の構造の概略を示した図
【図12】本発明の実施形態で用いた燃料電池の発電パ
ターンを示した図
【図13】本発明の実施形態で用いた高分子電解質型燃
料電池を搭載した電気自動車の構造の概略を示した図
【符号の説明】
11 水素生成器 12 燃料電池 13 制御部 14 AC−DCコンバータ 21 脱硫部 22 改質部 23 変性部 24 浄化部 31 水素イオン伝導性高分子電解質膜 32 触媒反応層 33 拡散層 34 電極 35 MEA 41 セパレータ 42 ガス流通溝 43 単電池 51a 燃料ガスを注入するための孔 51b 燃料ガスを排出するための孔 52a 酸化剤ガスを注入するための孔 52b 酸化剤ガスを排出するための孔 53a 冷却水を注入するための孔 53b 冷却水を排出するための孔 54 ガス流路の凹部 55 ガス流路の凸部 56 シール材 61 単電池 62 端板 62b 端板 63 締結ボルト 64a 酸化剤ガス注入用の孔 64b 燃料ガス注入用の孔 65a 冷却水注入用の孔 65b 酸化剤ガス排出用の孔 66a 燃料ガス排出用の孔 66b 冷却水排出用の孔 71 ブロアー 72 水素生成器 73 加湿器 74 燃料電池 75 ブロアー 76 加湿器 77 凝縮器 78 貯湯タンク 79 電力制御部 710 蓄電部 711 給水器 81 電圧変換器 82 DC/ACインバータ 83 記憶部 84 中央制御部 111 燃料電池スタック 112 水素発生部 113 空気注入部 114 水タンク 115 冷却部 116 制御部 117 モータ 131 電力線接続部 132 伝熱媒体導入部 133 給水部
フロントページの続き (72)発明者 谷川 英和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 5H027 AA06 BA01 BA13 DD00 DD03 DD06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系の原料から水素を含有する燃
    料ガスを生成する水素生成器と、前記水素生成器で得ら
    れた燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う高分子
    電解質型燃料電池と、前記水素生成器または前記高分子
    電解質型燃料電池の少なくとも一方で発生する熱を回収
    する冷却水循環部と、前記冷却水循環部で得られた熱の
    少なくとも一部を蓄える貯湯タンクと、前記高分子電解
    質型燃料電池で発生した電力の少なくとも一部を蓄える
    電力蓄電部と、前記高分子電解質型燃料電池で発生した
    直流電力を交流電力に変換する電力変換部と、前記交流
    電力と商用電力との系統連携を行う電力系統連携制御部
    と、前記水素生成器と前記高分子電解質型燃料電池と前
    記冷却水循環部と前記電力蓄電部と前記電力変換部と前
    記電力系統連携制御部の動作を制御するシステム制御部
    とを備え、水素を含有する燃料ガスと酸化剤ガスとを用
    いて発電を行う高分子電解質型燃料電池を搭載した移動
    体で発生させた電力を前記電力系統連携制御部に導くた
    めの電気的接続部を有することを特徴とする高分子電解
    質型燃料電池コージェネレーションシステム。
  2. 【請求項2】 移動体の高分子電解質型燃料電池を冷却
    するための冷却媒体の導通部と、冷却水循環部とを熱的
    に連結するための連結部を設けたことを特徴とする請求
    項1記載の高分子電解質型燃料電池コージェネレーショ
    ンシステム。
  3. 【請求項3】 水素を含有する燃料ガスと酸化剤ガスと
    を用いて発電を行う高分子電解質型燃料電池を搭載した
    移動体は、水素を含有する燃料ガスを貯蔵する燃料タン
    クを具備し、水素生成器で生成した水素を含有する燃料
    ガスを、前記移動体の前記燃料タンクに供給することを
    特徴とする請求項1または2記載の高分子電解質型燃料
    電池コージェネレーションシステム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004187385A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 分散電源システム
JP2005353383A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 S X L Corp 建物用燃料電池システム
JP2009076334A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Shinwa Tekku Kk 燃料電池の稼動方法
JP2009143509A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Toyota Motor Corp 電動車両の充電システム
JP2010019528A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Denso Corp 給湯システム

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