JP2002083549A - フラットディスプレイパネル、表示装置及びパネルの製造方法 - Google Patents

フラットディスプレイパネル、表示装置及びパネルの製造方法

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JP2002083549A
JP2002083549A JP2000273555A JP2000273555A JP2002083549A JP 2002083549 A JP2002083549 A JP 2002083549A JP 2000273555 A JP2000273555 A JP 2000273555A JP 2000273555 A JP2000273555 A JP 2000273555A JP 2002083549 A JP2002083549 A JP 2002083549A
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phosphor film
display panel
flat display
phosphor
laser light
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JP2000273555A
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English (en)
Inventor
Koichi Moriya
宏一 森谷
Akitsuna Yuhara
章綱 湯原
Atsuo Osawa
敦夫 大沢
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Hitachi Ltd
Hitachi Plasma Display Ltd
Original Assignee
Fujitsu Hitachi Plasma Display Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成による蛍光体膜の発光輝度が低下する。 【解決手段】 焼成後の青色蛍光体膜に、減圧雰囲気、
または減圧した後、酸素雰囲気中で、レーザー光を照射
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特殊な処理技術が施
された蛍光体を用いたフラットディスプレイパネル(F
DP)、表示装置及びパネルの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、フラットディスプレイパネルとし
て、プラズマディスプレイパネル(PDP)、又はフィ
ールドエミッションディスプレイ(FED)が知られて
いる。PDPやFEDは比較的簡易なプロセスにより大
画面化が可能であり、高輝度、高速応答性、拡視野角を
有するなどの利点により、直視型大画面の高品位TV用
表示デバイスとして有望視されている。
【0003】以下に、一般的なPDPの作製工程につい
て、図8を用いて説明する。図8は従来のプラズマディ
スプレイパネルの製造工程を示す工程図である。PDP
は、基本的には2枚のガラス基板が張り合わされ、両基
板により形成される空間に不活性ガスが充填されたもの
である。2枚の基板のうち表示面と反対側の基板を背面
側基板構造体、表示面側の基板を前面側基板構造体と呼
ぶ。それらはそれぞれ電極などが形成される。前面側基
板構造体は、工程11で光透過性のガラス基板42の上
に透明電極43が形成され、工程12でバス電極44が
形成され、次いで、工程13で誘電体層45が形成され
る。さらに、工程14でその上に保護膜46が形成さ
れ、完成される。背面側基板構造体は、工程15でガラ
ス基板47上にアドレス電極Aを形成し、工程16で隔
壁(リブ)49を形成した後、工程17でこの隔壁49
で仕切られた空間に蛍光体膜50がスクリーン印刷法な
どにより形成される。この蛍光体膜50は、所定発光色
の蛍光体粉末と、セルロース系又はアクリル系の増粘剤
樹脂とアルコール系又はエステル系等の有機溶剤とから
なるビヒクルとを混合した蛍光体ペーストを、スクリー
ン印刷法により形成される。蛍光体膜50は赤色の光を
発光する蛍光体膜50R、緑色の光を発光する蛍光体膜
50G及び青色の光を発光する蛍光体膜50Bからな
り、各蛍光体膜50R、50G、50Bはアドレス電極
A方向に、交互に形成される。工程18で蛍光体膜50
は大気圧の空気中雰囲気で熱処理が施され、ビヒクルの
揮発成分を蒸発させている。この熱処理を一般に蛍光体
の焼成工程と呼んでいる。この焼成工程は、400〜6
00℃の高温の熱処理である。この蛍光体膜50の焼成
が終わると、工程19で前面側基板構造体と背面側基板
構造体は組立てられ、工程20で両者は張り合わされ、
工程21で、内部を真空排気後、不活性ガスが充填され
てプラズマディスプレイパネルは完成する。この後、パ
ネルは真空排気系、ガス導入系から切り放され、工程2
2で放電特性の安定化のために数時間から数十時間の連
続点灯処理(エージング処理)が施される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のフラットディス
プレイパネルにおいては、焼成工程において輝度劣化が
生じるという問題があった。PDPの場合には、この劣
化は蛍光体の色によって異なり、特にこの劣化は青色蛍
光体で激しい。つまり、PDPの場合、蛍光体を励起す
る紫外線は、蛍光体自身の光学的性質から、蛍光体表面
から約0.1μmの深さまでしか進入することができな
い。よって、蛍光体膜表面にビヒクル成分などの汚染成
分が焼成工程で取り去れずに残っていると、蛍光体の発
光性能、特に明るさが低下する。
【0005】また、蛍光体自体は単結晶の粒ではある
が、この焼成工程においてその表面に結晶欠陥が生じる
と、その結晶欠陥は発光を伴わないエネルギーロスを招
くため、輝度低下を引き起こす。後者の結晶欠陥による
輝度劣化は、特に、青色(B)蛍光体で激しい。これ
は、母材結晶自体の安定性に起因したものと考えられ
る。
【0006】B蛍光体における焼成後の輝度劣化は、表
示画像の品質を著しく劣化させるので、改善が必要とな
る。一般にRGBの色度を基本に白色の色温度を高める
方向で、RGBの輝度バランスが設定される。B蛍光体
の輝度が劣化した場合、それが劣化しない場合と同じ色
温度を実現するためには、RGの輝度もBに揃えて下げ
る必要があるため、白色の輝度も下がってしまう。
【0007】焼成温度を変えた場合の、青(B)蛍光体
表面の元素分析を行うために、飛行時間型二次イオン質
量分析を行なった。焼成温度が低い場合、蛍光体表面に
は、ビヒクル成分と思われるC2H5が検出された。こ
れに対して、処理温度を適切に調整した場合、表面にお
けるビヒクル成分と思われるC2H5は検出されなかっ
た。ところが、このビヒクル成分が検出されない条件
で、焼成処理を行ったにもかかわらず、蛍光体の発光輝
度は、粉体の値に比べ、約30%低下していた。この輝
度劣化の原因を推定するために、蛍光体からの光電子分
析を行った。光電子分析とは、3.4〜6.2eVの紫
外線を蛍光体に照射し、放出される光電子をカウントす
るものであり、蛍光体の極表面層における汚染、あるい
は結晶欠陥が判定できる。
【0008】ビヒクルと混合する前の蛍光体の粉体及び
焼成温度を最適化した蛍光体膜に照射光エネルギーを照
射した場合の単位時間あたりの光電子の数について、図
9及び図10を用いて説明する。図9は蛍光体粉体の光
電子分析結果を示す特性図であり、図10は焼成された
蛍光体の光電子分析結果を示す特性図である。両図とも
に、横軸は照射光エネルギーを示し、縦軸は1秒間に発
生する光電子の数(cps:count persec
ond)を示す。
【0009】焼成を行わない、ビヒクルと混合する前の
粉体では、図9に示すように、照射光エネルギが3.4
〜6.2eVの範囲においては、光電子の放出が観測さ
れない。これに対して、ビヒクルの検出されない焼成条
件にて焼成を行った蛍光体では、図10に示すように、
4.7eV以上で光電子放出が観測された。つまり、ビ
ヒクル成分が検出されない条件で焼成を行ったとして
も、蛍光体の表面には、結晶欠陥が生じるため、この欠
陥により輝度低下が生じることが考えられる。この時の
輝度は、粉体の値に比べ、約30%低下していた。
【0010】本発明の目的は粉体輝度に比べて焼成後の
蛍光体輝度が劣化するのを低減する技術を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】蛍光体の焼成によりその
表面に導入された結晶欠陥の除去には、レーザ照射(レ
ーザアニール)処理が有効である。つまり、焼成後の蛍
光体の表面には、欠陥が大量に導入されていることか
ら、極端な場合、非晶質化している可能性がある。この
ため、この表面変質層を除去或いは再結晶化させる必要
がある。レーザとしては、大出力のエキシマレーザを使
用した。波長は300nm程度であり、蛍光体への進入
深さも数μm以下で、表面層のみの再結晶化が可能とな
る。レーザ光の照射は、真空中にて行った。必要に応じ
て酸素を導入すると好適である。焼成後の蛍光体表面に
レーザ光を照射した場合、表面における欠陥が減少して
いることが分かった。
【0012】本発明の目的を達成するために、第1の発
明では、蛍光体膜により可視光を発生させ画像の表示を
行うフラットディスプレイパネルにおいて、前記蛍光体
膜は、形成された蛍光体膜を焼成した後、その表面にレ
ーザー光を照射して構成される。第2の発明では、透明
電極が設けられた前面側基板構造体と蛍光体膜が形成さ
れた背面側基板構造体とからなるフラットディスプレイ
パネルにおいて、前記蛍光体膜は焼成後レーザ光が照射
されて構成される。第1又は第2の発明において、前記
蛍光体膜への前記レーザ光の照射を、減圧雰囲気にて行
う。又は、前記蛍光体膜への前記レーザ光の照射を酸素
雰囲気にて行う。又は、前記蛍光体膜への前記レーザ光
の照射を減圧雰囲気にした後、酸素雰囲気にて行う。又
は、前記いずれかの発明において、前記蛍光体膜は赤色
蛍光体膜、緑色蛍光体膜及び青色蛍光体膜を備え、前記
青色蛍光体膜のみに前記レーザ光を照射して構成され
る。
【0013】第3の発明では、蛍光体膜により可視光を
発生させ画像の表示を行うフラットディスプレイパネル
を用いた表示装置において、前記蛍光体膜は、形成され
た蛍光体膜を焼成した後、その表面にレーザー光を照射
して構成される。
【0014】第4の発明では、前面側基板構造体と蛍光
体膜が形成された背面側基板構造体とからなるフラット
ディスプレイパネルを駆動回路にて駆動する表示装置に
おいて、前記蛍光体膜は焼成後レーザ光が照射されて構
成される。
【0015】第5の発明では、フラットディスプレイパ
ネルの製造方法は、背面基板構造体の隔壁内に蛍光体膜
を形成する工程と、前記蛍光体膜を焼成する工程と、焼
成された前記蛍光体膜にレーザ光を照射する工程とを備
える。第5の発明において、前記レーザ光を照射する工
程は、減圧雰囲気の中で前記レーザ光を照射する。ま
た、前記レーザ光を照射する工程は、減圧雰囲気の後、
酸素を導入して前記レーザ光を照射する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例を用い、図を参照して説明する。
【0017】図4は本発明に係るプラズマ表示装置のブ
ロック図である。図において、プラズマ表示装置2は、
マトリクス形式のカラー表示デバイスであるAC型のP
DP1と、画面(スクリーン)を構成する多数のセルを
選択的に点灯させるための駆動ユニット3とからなり、
壁掛け式テレビジョン受像機、コンピュータシステムの
モニターなどとして利用される。PDP1は、一対のサ
ステイン電極X、Yが平行配置された面放電形式のPD
Pであり、各セルにサステイン電極X、Yとアドレス電
極Aとが対応する3電極構造の電極マトリクスを有して
いる。サステイン電極X、Yは画面のライン方向(水平
方向)に延び、一方のサステイン電極Yはアドレッシン
グに際してライン単位にセルを選択するためのスキャン
電極として用いられる。アドレス電極Aは列単位にセル
を選択するためのデータ電極であり、列方向(垂直方
向)に延びている。駆動ユニット3は、コントローラ
4、フレームメモリ5、Xドライバ回路6、Yドライバ
回路7、アドレスドライバ回路8、及び図示しない電源
回路を有している。駆動ユニット3には外部装置から各
ピクセルのRGBの輝度レベル(階調レベル)を示す多
値の映像データDR、DG、DBが、各種の同期信号と
ともに入力される。映像データDR、DG、DBは、フ
レームメモリ5に一旦格納された後、コントローラ4に
よって各色毎にサブフレームデータDsfに変換され、
再びフレームメモリ5に格納される。サブフレームデー
タDsfは、階調表示のために1フレームを分割した各
サブフレームにおけるセルの点灯の要否を示す2値デー
タの集合である。Xドライバ回路6はサステイン電極X
に対する電圧印加を担い、Yドライバ回路7はサステイ
ン電極Yに対する電圧印加を担う。アドレスドライバ回
路8は、フレームメモリ5から転送されたサブフレーム
データDsfに応じて、アドレス電極Aに選択的にアド
レス電圧を印加する。次に、PDP1に適用される駆動
方法について説明する。
【0018】図5はプラズマ表示装置2のフレーム分割
の一例を示す模式図であり、図6はプラズマ表示装置の
駆動シーケンスの一例を示す電圧波形図である。セルの
発光を2値制御によって階調再現を行うために、外部か
らの入力画像である時系列の各フレームFを、例えば6
個のサブフレームsf1、sf2、sf3、sf4、s
f5、sf6に分割する。各サブフレームsf1〜sf
6における輝度の相対比率が1:2:4:8:16:3
2となるように重み付けをして、各サブフレームsf1
〜sf6のサステインの発光回数を設定する。サブフレ
ーム単位の発光の有無の組合せでRGBの各色毎にレベ
ル「0」〜「63」の64段階の輝度設定を行うことが
できるので、表示可能な色の数は643となる。なお、
サブフレームsf1〜sf6は輝度の重みの順に配置す
る必要はない。例えば、重みの大きいサブフレームsf
6を表示期間の中間に配置するといった最適化を行うこ
とができる。
【0019】図6のように、各サブフレームsf1〜s
f6に対して、リセット期間TR、アドレス期間TA、
及びサステイン期間TSを割り当てる。リセット期間T
R及びアドレス期間TAの長さは輝度の重みに係わらず
一定であるが、サステイン期間TSの長さは輝度の重み
が大きいほど長い。つまり、各サブフレームsf1〜s
f6の表示期間の長さは互いに異なる。リセット期間T
Rは、それ以前の点灯状態の影響を防ぐため、画面全体
の壁電荷の消去(初期化)を行う期間である。全てのラ
イン(ライン数はn)のサステイン電極Xに波高値が面
放電開始電圧を越える正極性のリセットパルスPwを印
加し、同時に背面側の帯電とイオン衝撃を防ぐために全
てのアドレス電極Aに正極性のパルスを印加する。リセ
ットパルスPwの立上がりに呼応して全てのラインで強
い面放電が生じ、セル内に多量の壁電荷が生じる。壁電
圧と印加電圧との相殺によって実効電圧が下がる。リセ
ットパルスPwが立下がると、壁電圧がそのまま実効電
圧となって自己放電が生じ、全てのセルにおいてほとん
どの壁電荷が消失し、画面全体が一様な非帯電状態とな
る。
【0020】アドレス期間TAは、アドレッシング(点
灯/非点灯の設定)を行う期間である。サステイン電極
Xを接地電位に対して正電位にバイアスし、全てのサス
テイン電極Yを負電位にバイアスする。この状態で、先
頭のラインから1ラインずつ順に各ラインを選択し、該
当するサステイン電極Yに負極性のスキャンパルスPy
を印加する。ラインの選択と同時に、サブフレームデー
タDsfが示す点灯すべきセルに対応したアドレス電極
Aに対して正極性のアドレスパルスPaを印加する。選
択されたラインにおいて、アドレスパルスPaの印加さ
れたセルでは、サステイン電極Yとアドレス電極Aとの
間で対向放電が起こり、それが面放電に移行する。これ
ら一連の放電がアドレス放電である。アドレス期間TA
において、サステイン電極XがアドレスパルスPaと同
極性の電位にバイアスされているので、サステイン電極
Xとアドレス電極Aとの間で放電は起きない。
【0021】サステイン期間TSは、階調レベルに応じ
た輝度を確保するために、設定された点灯状態を維持す
る期間である。不要の放電を防止するため、全てのアド
レス電極Aを正極性の電位にバイアスし、最初に全ての
サステイン電極Yに正極性のサステインパルスPsを印
加する。その後、サステイン電極Xとサステイン電極Y
とに対して交互にサステインパルスPsを印加する。サ
ステインパルスPsの印加毎に、アドレス期間TAにお
いて壁電荷の蓄積したセルで面放電が生じる。サステイ
ンパルスPsの印加周期は一定であり、輝度の重みに応
じて設定された個数のサステインパルスPsが印加され
る。
【0022】図7は本発明に係わるプラズマディスプレ
イパネルの内部構造を示す斜視図である。PDP1で
は、放電空間41を挟む基板対のうちの前面側のガラス
基板42の内面に、画面の水平方向のセル列であるライ
ンL毎に一対ずつサステイン電極X、Yが配列されてい
る。サステイン電極X、Yは、それぞれが透明導電膜で
ある透明電極43と抵抗値を低減するための金属膜であ
るバス電極44とからなり、AC駆動のための誘電体層
45で被覆されている。誘電体層45の材料はPbO系
低融点ガラス(誘電率は約10)である。誘電体層45
の表面には保護膜として後述する膜質のMgO膜46が
被着されており、その膜厚は約7000Åである。誘電
体層45及びMgO膜46は透光性を有している。な
お、サステイン電極X、Y、誘電体層45、保護膜46
の積層体が形成された基板は、前面側基板構造体と呼称
されている。背面側のガラス基板47の内面には、アド
レス電極A、絶縁層48、隔壁49、及びカラー表示の
ための3色(R,G,B)の蛍光体膜50R、50G、
50Bが設けられている。これを背面側基板構造体と呼
称する。これら隔壁49によって、放電空間41がライ
ン方向にサブピクセル(単位発光領域)毎に区画され、
且つ放電空間41の間隙寸法が一定値(150μm程
度)に規定されている。放電空間41には、ネオンに微
量のキセノンを混合した放電ガスが充填されている。蛍
光体膜50R、50G、50Bは、放電で生じた紫外線
で局部的に励起されて所定色の可視光を放つ。表示の1
ピクセルはライン方向に並ぶ3つのサブピクセルで構成
される。各サブピクセルの範囲内の構造体がセルであ
る。隔壁49の配置パターンが各色の蛍光体膜50R、
50G、50Bがアドレス電極A方向に延びているスト
ライプパターンであることから、放電空間41のうちの
各列に対応した部分は、全てのラインに跨がって列方向
に連続している。各列内のサブピクセルの発光色は同一
である。
【0023】以上の構造を有するPDPの製造工程を図
1を用いて説明する。図1は本発明によるプラズマディ
スプレイパネルの製造工程の一実施例を示す工程図であ
る。図において、工程11から工程18までは図8を用
いて説明した工程と同じである。本実施例においては、
工程18において、蛍光体膜50を焼成した後、工程2
3において、蛍光体膜50にレーザ光が照射される。こ
の蛍光体膜50にレーザ光を照射する場合、青色蛍光体
膜50Bのみを選択的にレーザ光を照射してもよい。
【0024】各ガラス基板42、47について別個に所
定の構成要素を設けて前面及び背面用の構造体を作成し
た後、両構造体を重ね合わせるように組み立てる工程1
9、対向する両構造体の間隙周縁を封止する張合わせ工
程20、内部の排気及び放電ガスの充填を行う工程2
1、エージングの工程22は図8をもちいて説明した工
程と同じである。
【0025】以下、レーザ照射後の光電子分析結果を図
2を用いて説明する。図2は焼成された蛍光体にレーザ
光を照射した場合の光電子分析結果を示す特性図であ
る。図において、横軸は照射光エネルギー(ev)を示
し、縦軸は1秒間に発生される光電子の数(cps)を
示す。図10の特性図と図2の特性図の比較から明らか
なように、蛍光体膜50を焼成しただけの場合は、図1
0に示すように、4.7eV以上で光電子放出が観測さ
れたが、焼成後レーザ照射をした場合には、図2に示す
ように光電子の放出は観測されなかった。これは、表面
の結晶欠陥が大幅に減少し、結晶性が回復したことに起
因する。この蛍光体膜からの発光輝度を測定したとこ
ろ、粉体の発光輝度の90%の輝度を有することが分か
った。
【0026】以下、レーザ照射装置について、図3を用
いて説明する。図3は本発明によるレーザ照射装置の一
実施例を示すブロック図である。図において、レーザ光
源31には、波長308nmのエキシマレーザを使用し
た。レーザ照射装置は、レーザ光源31、レーザ光源3
1のコントローラ32、ビーム整形用の光学系33、排
気系(図示せず)を含む真空チャンバ34、レーザビー
ムを計測する計測系35から構成される。真空チャンバ
34の真空度は、5×10−4Pa程度とした。蛍光体
膜50の形成された背面側基板構造体は、通常の焼成工
程を完了したものを用いた。これに、上記レーザ照射装
置によりレーザ照射を400mJのエネルギで行った。
レーザ光のスキャンは、基板を移動させることにより、
背面側基板構造体における、青色蛍光体膜50Bにのみ
レーザ照射を行った。この結果、白色の輝度は1.3倍
に向上し、粉体の約90%まで輝度が回復した。
【0027】レーザ照射雰囲気を減圧後に酸素ガスを導
入した雰囲気とした場合、更に輝度回復量が増加する。
一旦、5×10−4Paまで真空排気後、純酸素ガスを
導入し、1Paほど酸素ガスを、マスフローコントロー
ラにより制御して導入した。この雰囲気で、レーザ照射
を行ったところ、輝度は1.35倍に向上し、粉体の約
95%まで輝度が回復した。また、背面側基板構造体の
蛍光体膜50を最大300℃まで予備加熱した後、真空
チャンバ34を使って減圧した雰囲気でレーザを照射す
るとより効果があることが分かった。
【0028】以上述べたように、本発明においては、背
面基板構体に設けられた蛍光体膜50に、 (1)レーザを照射する。 (2)又は、真空チャンバで減圧してレーザを照射す
る。 (3)又は、真空チャンバで減圧した後、酸素ガスを導
入した雰囲気でレーザを照射する。 (4)上記(1)〜(3)において、蛍光体膜50の
内、青色蛍光体膜50Bのみを選択的にレーザ光を照射
する。 (5)上記(1)〜(4)において、蛍光体膜50を3
00℃以下に予備加熱した後、レーザを照射する。 ことによって、輝度低下を低減したフラットディスプレ
イパネルを得ることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、蛍光体の焼成による輝
度劣化を、回復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマディスプレイパネルの製
造工程の一実施例を示す工程図である。
【図2】焼成された蛍光体にレーザ光を照射した場合の
光電子分析結果を示す特性図である。
【図3】本発明によるレーザ照射装置の一実施例を示す
ブロック図である。
【図4】本発明に係るプラズマ表示装置のブロック図で
ある。
【図5】プラズマ表示装置のフレーム分割の一例を示す
模式図である。
【図6】プラズマ表示装置の駆動シーケンスの一例を示
す電圧波形図である。
【図7】本発明に係わるプラズマディスプレイパネルの
内部構造を示す斜視図である。
【図8】従来のプラズマディスプレイパネルの製造工程
を示す工程図である。
【図9】蛍光体粉体の光電子分析結果を示す特性図であ
る。
【図10】焼成された蛍光体の光電子分析結果を示す特
性図である。
【符号の説明】
1…PDP、3…駆動ユニット、31…レーザ光源、3
2…レーザコントローラ、33…光学系、34…真空チ
ャンバ、35…計測系、41…放電空間、42…前面側
のガラス基板、43…透明電極、44…バス電極、45
…誘電体層、46…保護膜、47…背面側ガラス基板、
49…隔壁、50…蛍光体膜、A…アドレス電極、TA
…アドレス期間、TR…リセット期間、TS…サステイ
ン期間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯原 章綱 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディア開発本 部内 (72)発明者 大沢 敦夫 神奈川県川崎市高津区板戸3丁目2番1号 富士通日立プラズマディスプレイ株式会 社内 Fターム(参考) 5C028 FF14 FF16 HH14 5C040 FA01 GG09 JA22 MA03 MA23 5C094 AA07 AA43 BA31 BA32 CA19 CA24 FB20 GB01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光体膜により可視光を発生させ画像の表
    示を行うフラットディスプレイパネルにおいて、前記蛍
    光体膜は、形成された蛍光体膜を焼成した後、その表面
    にレーザー光を照射して構成されることを特徴とするフ
    ラットディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】透明電極が設けられた前面側基板構造体と
    蛍光体膜が形成された背面側基板構造体とからなるフラ
    ットディスプレイパネルにおいて、前記蛍光体膜は焼成
    後レーザ光が照射されて構成されることを特徴とするフ
    ラットディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のフラットディスプレ
    イパネルにおいて、前記蛍光体膜への前記レーザ光の照
    射を、減圧雰囲気にて行うことを特徴とするフラットデ
    ィスプレイパネル。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のフラットディスプレ
    イパネルにおいて、前記蛍光体膜への前記レーザ光の照
    射を酸素雰囲気にて行うことを特徴とするフラットディ
    スプレイパネル。
  5. 【請求項5】請求項4記載のフラットディスプレイパネ
    ルにおいて、前記蛍光体膜への前記レーザ光の照射を減
    圧雰囲気にした後、酸素雰囲気にて行うことを特徴とす
    るフラットディスプレイパネル。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5記載のフラッ
    トディスプレイパネルにおいて、前記蛍光体膜は赤色蛍
    光体膜、緑色蛍光体膜及び青色蛍光体膜を備え、前記青
    色蛍光体膜のみに前記レーザ光を照射して構成されるこ
    とを特徴とするフラットディスプレイパネル。
  7. 【請求項7】蛍光体膜により可視光を発生させ画像の表
    示を行うフラットディスプレイパネルを用いた表示装置
    において、前記蛍光体膜は、形成された蛍光体膜を焼成
    した後、その表面にレーザー光を照射して構成されるこ
    とを特徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】前面側基板構造体と蛍光体膜が形成された
    背面側基板構造体とからなるフラットディスプレイパネ
    ルを駆動回路にて駆動する表示装置において、前記蛍光
    体膜は焼成後レーザ光が照射されて構成されることを特
    徴とする表示装置。
  9. 【請求項9】背面側基板構造体の隔壁内に蛍光体膜を形
    成する工程と、前記蛍光体膜を焼成する工程と、焼成さ
    れた前記蛍光体膜にレーザ光を照射する工程とを備える
    ことを特徴とするフラットディスプレイパネルの製造方
    法。
  10. 【請求項10】請求項9記載のフラットディスプレイパ
    ネルの製造方法において、前記レーザ光を照射する工程
    は、減圧雰囲気の中で前記レーザ光を照射することを特
    徴とするフラットディスプレイパネルの製造方法。
  11. 【請求項11】請求項9記載のフラットディスプレイパ
    ネルの製造方法において、前記レーザ光を照射する工程
    は、減圧雰囲気の後、酸素を導入して前記レーザ光を照
    射することを特徴とするフラットディスプレイパネルの
    製造方法。
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US9525850B2 (en) 2007-03-20 2016-12-20 Prysm, Inc. Delivering and displaying advertisement or other application data to display systems

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