JP2002082084A - クラック検出法 - Google Patents

クラック検出法

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JP2002082084A
JP2002082084A JP2000273734A JP2000273734A JP2002082084A JP 2002082084 A JP2002082084 A JP 2002082084A JP 2000273734 A JP2000273734 A JP 2000273734A JP 2000273734 A JP2000273734 A JP 2000273734A JP 2002082084 A JP2002082084 A JP 2002082084A
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Masaaki Matsushita
正明 松下
Masahiro Mori
昌宏 森
Ayako Komori
綾子 小森
Meiji Takabayashi
明治 高林
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な装置や高温処理などが不要で、簡易な
工程でクラックを検出し得るクラック検出法を提供す
る。 【解決手段】 積層体の電気抵抗の変化を計測し、この
計測結果に基づいて前記積層体におけるクラックの発生
を検出する。その際、計測結果が積層体の不連続な電気
抵抗の変化を示したことをもって積層体にクラックが発
生したと判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層体に発生する
クラックの検出法に関し、特に積層体表面などに生じ
る、高倍率で観察しないと検出できないような微少なク
ラックの検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体や半導体を用いた太陽電池等の積
層体には、加工条件によって振動、圧力、歪み等のスト
レスによりクラックが発生する場合がある。積層体にク
ラックが発生すると、積層体の信頼性が損なわれる場合
がある。したがって積層体の開発においては、クラック
が発生しないような加工条件の検討を行なう必要があ
り、そのために、従来、以下のようなクラック観察法が
提案されている。
【0003】特開平5−18910号公報には、クラッ
ク内に蛍光材を浸透させた後、この蛍光剤に紫外線、可
視光線、X線、α線、β線などを照射し、蛍光剤を励起
させて得られる蛍光を観察するクラックの観察法が示さ
れている。また、特開平6−11461号公報には、伸
線または圧延加工によって製造された平鋼線の表面に油
を塗布し、その後、250℃〜450℃でブルーイング
処理を行ない、平鋼線の表面上に現れる色彩の変化によ
りクラックを観察するクラック検査法が示されている。
特開平5−281149号公報には、ウエハ上に発生し
たクラックを検出するのに光ビームを操作し、その反射
光の結像位置のずれからウエハ上のクラックを検出する
方法が示されている。さらに、超音波顕微鏡により非破
壊で材料内部のクラックを検出する方法や、アコーステ
ィックエミッションにより、クラック形成で生じる音波
を検出する方法なども報告されている。
【0004】従来、上記のようなクラック観察法や検出
法等を利用して、クラックが発生しない加工条件の検討
や、製造工程でのクラック発生有無の検査を行なってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−18910号公報の観察法によれば、蛍光材を
クラックに浸透させるために、サンプルを蛍光液の中に
浸漬し、減圧してクラック内を脱泡する、加圧す
る、超音波振動する、またはサンプルを加熱した後
で蛍光液に浸漬する方法のうち、少なくとも2つ以上を
組み合わせることが好ましいとされている。すなわち、
この観察法では蛍光液をクラック内に浸透させるのが難
しく、上記のような作業が必要となり、工程が煩雑であ
る。また、蛍光材に浸漬するためには、サンプルはある
程度の大きさに限られ、大きなサンプルの場合には、検
査用に小片を切り出す必要がある。しかしながら、当該
小片の切り出し時の振動、圧力、歪み等のストレスによ
って、新たにクラックが発生する可能性があり、そうす
ると、製造工程上のクラックを正確に把握できないとい
う問題がある。また前記特開平6−11461号公報の
検査方法によれば、クラックに油を塗布して250℃か
ら450℃の高温で処理するため、検査対象が例えば積
層体の場合は熱収縮率の違いで積層体にクラックが発生
する場合があり、またガラス転移温度が低い材質の場合
には溶解してしまうので、材質によっては当該方法を用
いることができない。また、他の光ビームの反射による
検出法、超音波顕微鏡による検出法、アコースティック
エミッションによる検出方法などはいずれも装置が大掛
かりで特殊であるため、容易に利用することができな
い。
【0006】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
ので、特殊な装置や高温処理などが不要で、簡易な工程
でクラックを検出し得るクラック検出法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の第1のクラック検出法は、積層体の電気抵
抗の変化を計測する計測工程と、この計測結果に基づい
て前記積層体におけるクラックの発生を検出する検出工
程とを具備することを特徴とする。
【0008】第2のクラック検出法は、第1のクラック
検出法において、前記検出工程では、前記計測結果が前
記積層体の不連続な電気抵抗の変化を示したことをもっ
て前記積層体にクラックが発生したと判定することを特
徴とする。
【0009】第3のクラック検出法は、第1または第2
のクラック検出法において、前記積層体を構成する各層
のうちの、前記電気抵抗変化の計測のために電極が接続
された層である被測定層は、隣接する層より電気抵抗が
小さいことを特徴とする。
【0010】第4のクラック検出法は、第1〜第3のい
ずれかのクラック検出法において、前記積層体を構成す
る各層のうちの、前記電気抵抗変化の計測のために電極
が接続された層である被測定層は、クラック発生歪み値
が隣接層と等しいかまたは隣接層より大きいことを特徴
とする。
【0011】第5のクラック検出法は、第1〜第4のい
ずれかのクラック検出法において、前記積層体は太陽電
池素子であることを特徴とする。
【0012】第6のクラック検出法は、第5に記載のク
ラック検出法において、前記クラック発生の検出時に
は、前記太陽電池素子は暗状態であることを特徴とす
る。
【0013】第7のクラック検出法は、第5または第6
のクラック検出法において、前記太陽電池素子は透明電
極層を有することを特徴とする。
【0014】第8のクラック検出法は、第7のクラック
検出法において、前記透明電極層はITO(Indiu
m Tin Oxide)層であることを特徴とする。
【0015】第9のクラック検出法は、第8のクラック
検出法において、前記ITO層は、前記クラックと垂直
な方向に長いことを特徴とする。
【0016】第10のクラック検出法は、第8または第
9のクラック検出法において、前記ITO層は、他の層
より細いことを特徴とする。
【0017】第11のクラック検出法は、第8〜第10
のいずれかのクラック検出法において、前記積層体に荷
重をかける荷重工程を有し、前記ITO層は前記荷重を
かける際の荷重点より内側に配置されていることを特徴
とする。
【0018】そして、第12のクラック検出法は、第1
〜第11のいずれかのクラック検出方法において、前記
積層体の電気抵抗変化の計測と同時に前記積層体の歪み
を測定することを特徴とする。
【0019】これら本発明の構成において、積層体に負
荷がかかると、積層体の断面が拡大または縮小して積層
体に電気が流れやすくまたは流れ難くなり、積層体の電
気抵抗に変化が生じる。そして、積層体にクラックが発
生した場合には、急激に電気が流れ難くまたは流れなく
なるため、不連続な電気抵抗変化が生じる。したがっ
て、積層体の電気抵抗変化を計測し、不連続な電気抵抗
変化を検出することにより、積層体にクラックが発生し
たことを検出することができる。クラックを検出する
際、クラック観察部を拡大および高温処理する等の工程
の必要が無いため、特殊な装置を必要とせず、簡易な工
程でクラックの検出が行なわれ、測定時間が短縮するこ
とになる。
【0020】また、積層体の被測定層を、隣接する層よ
り電気抵抗が小さいものとすることにより、クラックを
検出する際、被測定層は隣接する層より電気が流れやす
いため、被測定層のみの電気抵抗変化が計測される。し
たがって、被測定層と隣接する層との間に絶縁層を介す
ことなく、積層体のクラック発生が検出されることにな
る。
【0021】また、被測定層のクラック発生歪み値が隣
接層と等しいかまたは大きい場合、被測定層は、隣接層
よりクラックが発生し始める歪み値すなわちクラック発
生歪み値が大きく、クラックが発生し難いため、被測定
層にクラックが発生したときは、隣接層にもクラックが
発生したことになる。したがって、被測定層のみの測定
でクラックの発生が検出されることになる。
【0022】また、積層体が太陽電池素子である場合
は、構成上、特に本発明が適合する。すなわち太陽電池
素子は、導電性材料あるいは絶縁性材料からなる基板上
に、裏面電極層、半導体層および透明電極層等を積層し
た積層体である。太陽電池の半導体層のクラックを検出
する場合、太陽電池の透明電極層を本発明における被測
定層とすることにより、太陽電池のクラック発生を検出
することが可能となる。したがって、太陽電池を製造す
る際、太陽電池のクラック検出を要する性能検査等が容
易となり、生産性が向上することになる。
【0023】また、太陽電池素子が、測定時、暗状態で
あることにより、太陽電池素子の発電が防止され、電気
抵抗変化の安定した測定が行なわれる。
【0024】また、太陽電池素子が透明電極層であるI
TO層を有する場合、ITO層は、シート抵抗が102
Ω/□程度であり、ITO層に隣接するアモルファスシ
リコン層は104 〜105Ω/□程度である。したがっ
てITO層はアモルファスシリコン層よりもシート抵抗
が小さい。したがって、太陽電池素子としてのアモルフ
ァスシリコン光起電力素子の電気抵抗変化を測定する
際、ITO層のみの電気抵抗を測定することが可能であ
るため、安定した電気抵抗変化の測定が行なわれること
になる。
【0025】また、ITO層が他の層より細い場合は電
気抵抗の測定断面積が小さいため、クラックが発生した
とき、顕著に電気抵抗変化を検出することができ、僅か
なクラックが発生した場合でも、その発生が検出される
ことになる。
【0026】また、ITO層がクラックと垂直な方向に
長い場合は、クラックが発生したとき、抵抗が測定され
るITO層の断面積に対してクラックの占める割合が大
きいため、顕著に電気抵抗変化が検出され、僅かなクラ
ックが発生した場合でも、その発生が検出されることに
なる。
【0027】また、ITO層が荷重点より内側に配置さ
れている場合は、例えば、性能評価試験等で積層体に荷
重をかけるために引張試験機のチャックで積層体を挟む
際、ITO層を損傷することなく荷重がかけられること
になる。
【0028】また、積層体の電気抵抗変化の計測ととも
に積層体の歪みも計測することにより、積層体にクラッ
クが発生した時の歪み値を測定することができ、その積
層体のクラック発生歪み値を限定することが可能とな
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明のクラック検出法の
実施形態について図を用いて説明する。なお、本発明は
この実施形態に限られるものではない。図1は、本発明
の一実施形態に係るクラック検出法を実現する回路構成
を示す。この検出法では、積層体の電気抵抗変化を計測
し、不連続な電気抵抗変化すなわちある歪み値を超える
と抵抗値が急に変化することを検出することにより、積
層体に発生するクラックを検出すると同時に、積層体に
かかる歪みも測定する。すなわち、同図に示すように、
負荷のかかっている積層体101と、抵抗102および
電源103とを直列接続し、レコーダ104により抵抗
102の電圧を読み取り、積層体101の電気抵抗変化
を測定することによってクラック発生を検出する。同時
に積層体101の裏面に設けた歪みゲージから積層体1
01にかかる歪みを歪み測定機105により測定する。
【0030】図2は、これによって積層体101の電気
抵抗変化を計測し、不連続な電気抵抗変化を検出するこ
とにより、積層体101に発生するクラックを検出する
と同時に、積層体101にかかる歪みも測定した結果を
示すグラフである。横軸は積層体101にかかる歪み
ε、縦軸は積層体101の電気抵抗Ωを示す。歪みε=
Aまでは、抵抗Ωはライン203のように連続的に増加
し続けるが、歪みAがかかった時点でクラックが発生
し、ライン204のように不連続に抵抗が変化する例で
ある。
【0031】このように、積層体101が長手方向に引
張り荷重を受けた場合、積層体101の電気抵抗は引張
り荷重および歪みが増加すると共に連続的に増加し続け
る。さらに荷重をかけ続けると不連続な電気抵抗変化を
示す。この不連続な電気抵抗変化は、クラック発生によ
り積層体101のクラック発生部の断面積が減少し、急
激に電気抵抗が増加することによるものである。
【0032】一方、長手方向から圧縮荷重を受けた場合
は、積層体の電気抵抗は圧縮加重及び圧縮歪みが増加す
ると共に連続的に低下傾向を示す。長手方向に垂直な方
向に作用する荷重に関しては、サンプル作成時に長手方
向の方向を変えることにより対処可能である。ねじれ方
向に作用する荷重を受けた場合は、積層体の各部は引張
り歪み、圧縮歪みまたはせん断歪みを受け、積層体の電
気抵抗はねじれ方向の荷重及び各歪みが増加すると共に
増加または低下傾向を示す。
【0033】なお、本発明は、積層体が所定の設置場所
に設置される前に行われる検査に適用してもよい。より
具体的には、積層体の生産工程に含まれる検査や、積層
体を有する製品、例えば太陽電池モジュール等の製品を
作り出す場合に行われる検査等である。この場合の検査
は、引張り荷重や圧縮荷重等の負荷をかけることなく、
または積層体が破壊しない程度の軽い負荷をかけて行わ
れる非破壊検査となる。
【0034】以下に、被測定物についての説明を補足す
る。 (積層体)本発明における積層体としては、少なくとも
1つの導電性層を有し、少なくとも2種類以上異なる材
質から構成されるものが好ましい。特に限定されない
が、例えば導電性材料あるいは絶縁性材料からなる基板
上に、裏面電極層、透明電極層、半導体層および透明電
極層を順に積層したトリプル型非晶質半導体光起電力素
子、タンデム型非晶質半導体光起電力素子およびマイク
ロクリスタル型半導体光起電力素子が挙げられる。
【0035】(被測定層)本発明における被測定層と
は、電気抵抗変化により積層体のクラック発生を検出す
るための測定手段を直接設ける層をいう。特に限定され
ないが、隣接する層より電気抵抗が小さく、クラック発
生歪み値が等しいかまたは大きい層であることが好まし
い。非晶質半導体光起電力素子の場合、受光面側の透明
電極層(ITO、SnO2 、In23 、ZnO等)
が挙げられる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)本実施例は、負荷のかかっている積層体の
電気抵抗変化を計測し、不連続な電気抵抗変化を検出す
ることにより積層体に発生するクラックを検出すると同
時に積層体にかかる歪みも測定する例である。
【0037】図3は、この測定を行なうための、負荷の
かかっている積層体の電気抵抗変化および積層体にかか
る歪みを検出する回路を示す。この回路では、積層体
(アモルファスシリコン太陽電池素子;7mm×70m
m)301、抵抗(2kΩ)302および電源(0.1
V)303が直列に接続されている。また、積層体30
1には引張試験機により、引張り速度4.62mm/m
inで長手方向304に引張り荷重が加えられている。
積層体301の電気抵抗変化は、抵抗302の電圧をレ
コーダ305により読み取ることによって検出すること
ができ、同時に、歪み測定器306により、積層体30
1に設けられた歪みゲージから積層体301にかかる歪
みを測定することができる。
【0038】図4は、負荷のかかっている積層体301
を示す。同図(a)は表面側から見た様子を示し、同図
(b)は裏面側から見た様子を示している。積層体30
1としてはITO層、P型半導体層、i型半導体層、n
型半導体層および裏面反射層からなるアモルファスシリ
コン太陽電池を用いている。該アモルファスシリコン太
陽電池はチャック挟み部402を有し、積層体表面のI
TO層は、塩化第2鉄を主成分としたエッチングによる
電気抵抗測定部(5mm×5mm)403および電気抵
抗測定端子部(2mm×20mm)404からなり、電
気抵抗測定部403は他の層405より細くなってい
る。
【0039】なお、電気抵抗測定部403は、本発明に
おける被測定層に相当、電気抵抗測定端子部404は電
気抵抗測定端子部404および電気抵抗測定部にかかる
電圧を取り出す部分に相当する。積層体301の裏面に
歪みを測定するための歪みゲージ306を設けてある。
電気抵抗測定端子部404から電気を取り出す際、積層
体301とリード線407間のノイズおよび/またはリ
ード線407の揺れによる振動等が積層体301の電気
抵抗測定値に影響を与えないようにするために、電気抵
抗測定端子部404上に絶縁テープ408および銅箔4
09を配し、銅箔409と電気抵抗測定端子部404を
導通させ、銅箔409にリード線407をハンダ付けし
て、電気抵抗測定端子部404にかかる電圧を取り出す
ようにしている。
【0040】図5は、このようにして、負荷のかかって
いる積層体301の電気抵抗および積層体301にかか
る歪みを検出した結果を示すグラフである。このグラフ
の横軸は積層体301にかかる歪み、縦軸は積層体の電
気抵抗を示す。積層体301にかかる歪みが5000μ
ε程度までは抵抗はライン503のように連続的に増加
し続けるが、歪みが5000〜6000με程度となっ
た時点でクラックが発生し、抵抗がライン504のよう
に不連続に変化しているのがわかる。なお、この不連続
な電気抵抗変化とは、ライン503の延長線505より
電気抵抗が2.5%以上増加した変化のことであり、ま
た、積層体301にかかる歪みが1000μεとは、積
層体301が負荷のかかっている方向に0.1%伸びて
いることを意味する。
【0041】本実施例によれば、積層体301表面側の
電気抵抗測定端子部404から積層体301の電気抵抗
変化を測定することにより、クラックが発生したと判定
するための不連続な電気抵抗変化を検出することが可能
であり、積層体301裏面側に設けた歪みゲージ306
により歪みも同時に測定することが可能である。したが
って、1つのサンプルで積層体301のクラック発生検
出およびその時に積層体301にかかっている歪みを容
易に測定することが可能である。また、電気抵抗測定部
403を他の層405より細くしてあるため、検出し難
いクラックが発生した場合でも、これを検出することが
可能となる。これにより太陽電池にクラックが発生しな
い歪み値を明確にすることができ、最適な加工条件等を
見い出すことができる。また、特殊な装置も必要とせ
ず、測定時間を短縮することが可能となるため、複数の
活人を要さず、コストを削減することも可能となる。
【0042】(実施例2)本実施例は、積層体の被測定
層をITO層とし、このITO層に隣接し、ITO層よ
り電気抵抗が小さいP型半導体層を有するアモルファス
シリコン光起電力素子のクラック発生を検出する例であ
る。図6はこのアモルファスシリコン光起電力素子の断
面図である。このアモルファスシリコン光起電力素子
は、トリプル型アモルファスシリコン光起電力素子であ
り、同図に示すように、ITO層(65nm)601、
p型半導体層(10nm)602、i型半導体層(10
0nm)603、n型半導体層(10nm)604、p
型半導体層(10nm)605、i型半導体層(100
nm)606、n型半導体層(20nm)607、p型
半導体層(10nm)608、i型半導体層(100n
m)609、n型半導体層(20nm)610および裏
面反射層(1000nm)611を有する。
【0043】ITO層601はシート抵抗が102Ω/
□程度であり、P型半導体層602は10m4 〜10
5Ω/□程度である。ITO層601は隣接するP型
半導体層602よりもシート抵抗が小さい。したがっ
て、アモルファスシリコン光起電力素子のクラック発生
を検出するために電気抵抗変化を測定する際、ITO層
601のみの電気抵抗を測定することが可能となり、安
定した電気抵抗変化を測定することが可能となる。
【0044】(実施例3)本実施例は、積層体を用いた
曲面形状を有するものを製造する際、本発明のクラック
検出方法により最適な加工条件を見出し加工する例であ
る。本実施例に使用する積層体は、実施例2に記載して
ある光起電力素子を用い、前記光起電力素子を用いた曲
面形状を有する太陽電池モジュールを挙げる。曲面形状
を有する太陽電池モジュールは、平板状の太陽電池モジ
ュールをベンダーで曲げ加工をすることにより作成す
る。前記曲面形状を有する太陽電池モジュールを作成す
るときの条件として、太陽電池モジュールの曲率半径が
挙げられる。
【0045】図7は、曲面形状を有する太陽電池モジュ
ールをベンダー曲げ加工をした際の曲面形状を有する太
陽電池モジュールの光起電力素子部に発生する歪みと曲
率半径の関係を示した図である。曲率半径が小さくなる
にしたがい歪みは増加傾向にある。歪みが大きくなると
光起電力素子に太陽電池モジュールの性能に大きな影響
を及ぼすクラックが発生する。したがって、太陽電池モ
ジュールの性能は、曲率半径が可能な限り大きいほど好
ましい。しかし、曲率半径が小さいほど曲面形状を有す
る太陽電池モジュールの外観が向上する。
【0046】以上より、太陽電池モジュールの外観から
は、曲率半径は可能な限り小さい方が好ましいが、小さ
くすると太陽電池モジュールの性能は低下してしまう。
外観も良く性能上も問題の無い曲面形状を有する太陽電
池モジュールを作成するには、光起電力素子にクラック
が発生しない可能な限り曲率半径が小さい最適加工条件
を見出すことが必要である。
【0047】図8は、曲面形状を有する太陽電池モジュ
ールに用いる光起電力素子に引張りの荷重を与えた時の
歪みと光起電力素子の電気抵抗との関係を示した図であ
る。本発明のクラック検出方法を用い光起電力素子にク
ラックが発生する歪み値εa701,801を検出し、
前記光起電力素子にクラックが発生する歪み値εaを図
7のグラフに代入することにより、クラックが発生する
歪み値εaに対する曲率半径Raが判明し、クラックが発
生しない最も大きな曲面形状を有する太陽電池モジュー
ルの曲率半径が判明する。このように本発明であるクラ
ック検出法を用いることにより積層体を用いた曲面形状
を有する太陽電池モジュールの最適加工条件を見出すこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】本発明のクラック検出法によれば、特殊
な装置や煩雑な工程が不要であるため、効率よくかつ安
価にクラック発生の検出を行なうことができる。また、
本発明は、材料に熱収縮が起こる高温処理は行なわない
ため、耐熱性のない積層体に対しても好ましく適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るクラック検出法を
実現するための構成を示す回路図である。
【図2】 図1の構成により積層体に発生するクラック
を検出すると同時に積層体にかかる歪みを測定した結果
を示すグラフである。
【図3】 本発明の第1の実施例に係るクラック検出法
を実施するための構成を示す回路図である。
【図4】 図3の構成における負荷のかかっている積層
体を示す図である。
【図5】 図3の構成により積層体の電気抵抗および積
層体にかかる歪みを検出した結果を示すグラフである。
【図6】 本発明の第2の実施例に係るアモルファスシ
リコン光起電力素子の断面図である。
【図7】 本発明の第3の実施例に係るベンダー加工時
の曲率半径と歪みとの関係を示すグラフである。
【図8】 本発明の第3の実施例に係る歪みと抵抗との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
101,301:積層体、102,302:抵抗、10
3,303:電源、104:レコーダ、105:歪み測
定機、203,503:連続的電気抵抗変化を示すライ
ン、204,504:不連続な電気抵抗変化を示すライ
ン、304:長手方向、402:チャック挟み部、40
3:電気抵抗測定部、404:電気抵抗測定端子部、4
05:他の層、407:リード線、408:絶縁テー
プ、409:銅箔、505:ライン503の延長線、6
01:ITO層、602,605,608:p型半導体
層、603,606,609:i型半導体層、604,
607,610:n型半導体層、611:裏面反射層、
εa:クラックが発生する歪み値、Ra:クラックが発生
する曲率半径。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小森 綾子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 高林 明治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2G014 AA23 AB00 AB51 2G028 AA01 BB00 CG02 2G060 AA09 AE04 AF07 AG10 EA07 EB09 HC10 5F051 DA17 FA02 FA04 KA10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層体の電気抵抗の変化を計測する計測
    工程と、この計測結果に基づいて前記積層体におけるク
    ラックの発生を検出する検出工程とを具備することを特
    徴とするクラック検出法。
  2. 【請求項2】 前記検出工程では、前記計測結果が前記
    積層体の不連続な電気抵抗の変化を示したことをもって
    前記積層体にクラックが発生したと判定することを特徴
    とする請求項1に記載のクラック検出法。
  3. 【請求項3】 前記積層体を構成する各層のうちの、前
    記電気抵抗変化の計測のために電極が接続された層であ
    る被測定層は、隣接する層より電気抵抗が小さいことを
    特徴とする請求項1または2に記載のクラック検出法。
  4. 【請求項4】 前記積層体を構成する各層のうちの、前
    記電気抵抗変化の計測のために電極が接続された層であ
    る被測定層は、クラック発生歪み値が隣接層と等しいか
    または隣接層より大きいことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のクラック検出法。
  5. 【請求項5】 前記積層体は太陽電池素子であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクラッ
    ク検出法。
  6. 【請求項6】 前記クラック発生の検出時には、前記太
    陽電池素子は暗状態であることを特徴とする請求項5に
    記載のクラック検出法。
  7. 【請求項7】 前記太陽電池素子は透明電極層を有する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のクラック検
    出法。
  8. 【請求項8】 前記透明電極層はITO層であることを
    特徴とする請求項7に記載のクラック検出法。
  9. 【請求項9】 前記ITO層は、前記クラックと垂直な
    方向に長いことを特徴とする請求項8に記載のクラック
    検出法。
  10. 【請求項10】 前記ITO層は、他の層より細いこと
    を特徴とする請求項8または9に記載のクラック検出
    法。
  11. 【請求項11】 前記積層体に荷重をかける荷重工程を
    有し、前記ITO層は前記荷重をかける際の荷重点より
    内側に配置されていることを特徴とする請求項8〜10
    のいずれか1項に記載のクラック検出法。
  12. 【請求項12】 前記積層体の電気抵抗変化の計測と同
    時に前記積層体の歪みを測定することを特徴とする請求
    項1〜11のいずれか1項に記載のクラック検出方法。
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