JP2002081615A - 加圧流動層の層高計測方法 - Google Patents

加圧流動層の層高計測方法

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JP2002081615A
JP2002081615A JP2000264139A JP2000264139A JP2002081615A JP 2002081615 A JP2002081615 A JP 2002081615A JP 2000264139 A JP2000264139 A JP 2000264139A JP 2000264139 A JP2000264139 A JP 2000264139A JP 2002081615 A JP2002081615 A JP 2002081615A
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Taro Sakata
太郎 坂田
Daisuke Okada
大輔 岡田
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Mitsubishi Power Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低負荷の低層高時から高負荷の高層高時ま
で、正確かつ不連続性のない流動層層高計測方法によ
り、流動層ボイラの安定運転および制御に寄与する。 【解決手段】 流動層の高さ方向位置が互いに異なる各
圧力座間の層差圧計測器41〜45による差圧計測値または
互いの差し引き値を基準層差圧51〜55とし、上記圧力計
座の一つと常に層表面より上部の計測座との差圧を層全
差圧56とし、基準層差圧51〜55と層全差圧56の組み合せ
から複数の層高値を演算する。この層高計算値の中で圧
力計座の位置が層内で層表面に最も近いものを選択す
る。こうして得られた複数の層高値の中から最小の値を
選択することで、層内でかつ層表面に近い圧力計座に対
応した基準層差圧による層高値が自動的に選択され、正
確で連続的な層高計測により、流動層ボイラの安定運転
および制御ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加圧流動層の層高計
測方法に係り、特に、加圧流動層複合発電システム等の
流動層ボイラに好適な層高計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭を燃料とする発電システムの一つに
加圧流動層複合発電システムがある。このような加圧流
動層複合発電システムは、加圧流動層ボイラ内で流動層
粒子の層に分散板から空気を供給して流動層とし、この
流動層中で燃料を10気圧程度の高圧下で燃焼させ、流
動層中の伝熱管内で発生し加熱させた蒸気で蒸気タービ
ンを駆動する。また、同時に火炉から発生する高温高圧
の燃焼排ガスによりガスタービンを駆動する。
【0003】加圧流動層ボイラでは、負荷の制御は流動
層高を上昇または降下させる操作をして伝熱量を調整す
る。そのため、正確かつ安全に負荷を制御するために
は、その操作量である層高値を安定に、しかも精度よく
計測することがきわめて重要である。
【0004】層高計測の方法は、一般に上記の層差圧−
層高の関係を利用し、火炉内の層差圧を計測し層高に換
算する方法がとられる。これは、層内の高さの異なる圧
力計座の間の層差圧を高さの差で除し単位層高あたりの
層差圧を求め、これで全層差圧を除して算出する方法で
ある。
【0005】たとえば、流動層の層高を測定するための
層差圧計の取付方法は、流動層の高さ方向の差圧を計測
する二つの差圧計を設ける。両方の差圧計の下側の圧力
座を共通として流動層の底部に備え、一方の差圧計の上
側圧力座は常に層内に設置し、この差圧計測値を基準層
差圧DPbとする。また、他方の差圧計の上側圧力座は
常に流動層の上部にある空間に設置し計測する。この差
圧を層全差圧DPtとする。
【0006】層内の媒体密度が一定で、火炉高さに対す
る層差圧の特性が直線的である場合、層高hは式(1)
で計算される。なお、式(1)で、h1は差圧計41の
下側圧力座の高さ、h2は上側圧力座の高さである。
【0007】 h = DPt / DPb ×( h2 − h1 )+ h1 ………(1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の層高計測方
法には以下のような課題がある。すなわち、流動層のB
Mは、炉底から空気を供給され空間を浮揚するため、層
内であたかも流体のごとく振舞う。したがって、上記の
ように火炉高さと層差圧とが直線的関係であることを前
提とする上記式(1)が、簡単なので用いられる。
【0009】流動媒体が層内で至るところで均質であれ
ば、この関係は正しく、式(1)から正確に層高を求め
ることができる。しかし、実際の流動層においては、燃
料として供給される石炭が燃焼して生成する灰や、脱硫
剤として投入される石灰石が混合して流動媒体粒子を構
成しているため、不均質な媒体である。
【0010】このような不均質な媒体が、伝熱管等の構
造体が配置された実際の流動層内で流動状態にある場合
は、層の高さ方向で密度差を生じる。発明者らの調査で
は実際のボイラ流動層では、伝熱管が設置されている範
囲の層高と、伝熱管が設置されていない層高の範囲とで
は、層の密度が異なり、後者のほうが密度が高いことが
判明している。
【0011】そのため、流動の高さ方向の層差圧分布
は、伝熱管設置範囲と非設置範囲とでは、層高に対する
差圧特性(勾配)が異なる結果となる。この特性のた
め、従来方法が前提とする層高と差圧とが直線的関係に
あるという条件が成立しなくなり、それ故に、従来方法
による層高の計測方法は、不正確なあるいは誤った結果
をもたらすことになる。
【0012】また、従来方法の中には、上記のように、
層高と差圧の勾配が変化することを考慮して、たとえ
ば、伝熱管非設置範囲と伝熱管設置範囲とに分けて、そ
れぞれ個別の層差圧計を設置し、それぞれに式(1)を
たて、2種類の層高値を求め、それらを切り替えて正し
い層高を求めようとする方法もある。
【0013】しかし、この方法では、これらの異なる層
高計算値を、求めたい層高自身で判定して切り替えるこ
とが必要となり、本質的に自己矛盾を内在させ、結局、
層高を正確に計測するという目的を達成できていない。
【0014】さらに、層高−層差圧の勾配が異なる計算
式を使い分けることは、両者の切替時に層高計算値が不
連続となる。負荷制御上、この計測値を層高調整のフィ
ードバック信号値に使用している場合には、切替時に信
号が不連続となり、制御上の外乱となって、流動層ボイ
ラを安定に運転することが困難になるという重大な問題
があった。
【0015】本発明の目的は、上記従来技術に見られる
問題点を解決し、負荷の低い低層高時から負荷の高い高
層高時まで、流動層層高が正確でかつ不連続性のない計
測方法を提供して、安定な流動層ボイラの運転および制
御に寄与することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の層高計測方法では、層差圧計測方法および
層差圧から層高への換算方法に以下の手段を用いる。
【0017】すなわち、流動層の高さ方向位置が互いに
異なる複数の圧力座を設ける。これらの圧力座間に複数
の組み合せに対し層差圧計測器を設置し、各計測器で測
定された差圧計測値自身またはこれらを互いに差し引き
した値を基準層差圧とする。
【0018】また、上記圧力計座の一つと、常に層表面
より上部にある計測座との差圧を層全差圧とし、それら
基準層差圧と層全差圧の複数の組み合せにより、複数の
層高値を計算する層高演算器を設ける。
【0019】この演算器においては、式(1)に相当す
る計算式が複数組備わっているが、極力精度よく層高を
計測するには、これら複数組の層高計算値の中で、基準
層差圧に対応する圧力計座の位置が層内にあって、層表
面に最も近いものを選択することが望ましい。
【0020】各計算式の基準層差圧と層全差圧は、次の
計測値および固定値の、いずれかまたはこれらの組み合
せにて補正する。 (a)一方、または、両方の圧力計座が、各式の基準層
差圧を与える圧力計座より上部に位置する圧力計座に対
応する基準層差圧 (b)層全差圧 (c)基準層差圧に対応する圧力計座の高さの差 (d)火炉高さ方向の密度変化比または層密度差
【0021】このようにして得られた複数の層高値の中
から最小の値を選択することで、層内でかつ層表面に近
い圧力計座に対応した基準層差圧による層高値が自動的
に選択される。
【0022】本発明によれば、以下の作用が得られる。
火炉高さ方向に複数の差圧計座を設置し、それらのうち
の2点を組み合わせて、各高さごとの基準層差圧を計測
できる。また、上記圧力計座の一つと、常に層表面より
上部にある計測座との差圧計測で層全差圧が求められ
る。
【0023】前述の(a)〜(d)の項目による補正に
よって、層密度が、伝熱管非設置範囲と設置範囲とで異
なること等による層高−差圧の勾配の変化を補正し、あ
たかも層密度が一定であるかのように設定することが可
能となる。
【0024】さらに、(a)〜(d)の項目の組み合せ
や、補正される基準層差圧あるいは層全差圧と、補正に
用いる(a)あるいは(b)の組み合わせと、固定係数
の調整により、各層高計算値を、見かけ上、大きくする
ことができる。
【0025】このことを利用して、層内にあって層表面
に最も近いか、比較的近い圧力計座による層高値以外
は、見かけ上、これより大きい層高値とすることができ
る。この後、これら複数の層高計算値から最小値を選択
すれば、精度よく計測・計算できた層高値以外は、自動
的に排除される。また、実際の層高変化に応じて、上記
層高計算値は連続的に変化することになり、これを制御
信号に用いることにより、プラントの安定な運用が可能
となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図1〜図4に、本発明を適用し
た一実施形態を示す。
【0027】図1において、火炉1には高さ方向に位置
の異なる圧力計座を有する基準層差圧計41〜45が設
置されている。この例では、基準層差圧計41〜45お
よび層全差圧計46の下側の圧力計座は、全て共通で炉
底に近い位置に設けてある。各火炉高さの基準層差圧計
41〜45、および、層全差圧計46は層高演算器37
に計測出力51〜56を送り、当該演算器37で層高値
を計算する。
【0028】基準層差圧計41〜45の計測値を、それ
ぞれDP1、DP2、DP3、DP4、DP5とし、層全差
圧の計測出力をDPtとする。火炉空気分散坂3を火炉
高さ0mとし、各差圧計の下側共通座位置を高さh0、
基準層差圧計41〜45の上側圧力計座高さを、それぞ
れh1、h2、h3、h4、h5とする。
【0029】図2は、火炉高さを縦軸に層差圧を横軸と
して、各基準層差圧計出力点61〜65および層全差圧
計出力点66をグラフ表示したものである。層高は2つ
の基準差圧計出力点を結んだ直線と全層差圧値直線69
との交点の火炉高さとなる。
【0030】この例では、基準差圧計のうち、点61お
よび62が伝熱管非設置範囲にあり、点63〜65が伝
熱管設置範囲にあり、層表面は出力点64と出力点65
との間にあるとする。伝熱管の設置範囲か否かで、図7
に示すように、層密度に差がある場合は、図2に示すよ
うに、火炉高さに対する層差圧の勾配が異なる。
【0031】したがって、伝熱管非設置範囲の点61と
点62からの層高値は点67となる。一方、伝熱管設置
範囲の点63〜点64からの層高値は点68となる。こ
こで、点67は誤った層高計算点となり、点68は正し
い層高計算点となる。
【0032】以下に、正しい層高計算値を得る方法を具
体的に示す。層高は演算器37で以下のように計算す
る。まず、補正基準差圧DPC0、DPC1、DPC2、
DPC3なるものを導入する。
【0033】この例では、下から数えてN番目の基準差
圧計の出力に、それより上部の(N+2)番目と(N+
3)番目の基準差圧計の出力差、すなわち、それらの間
の差圧を加算したものをN番目の補正基準差圧として計
算する。
【0034】ここで、層差圧の原点(0点)についても
同形式で補正し、補正基準差圧DPC0とする(式
(2)参照)。また、補正基準差圧DPC3は、N=3
の基準差圧計の出力に補正を加えたものであるが、N+
3=6として層全差圧の出力DPtを用いて補正する。
【0035】 DPC0 = C0 ×( DP3 − DP2 ) ………(2)
【0036】 DPC1 = DP1 + C1 ×( DP4 − DP3 ) ………(3)
【0037】 DPC2 = DP2 + C2 ×( DP5 − DP4 ) ………(4)
【0038】 DPC3 = DP3 + C3 ×( DPt − DP5 ) ………(5)
【0039】ここで、C0、C1、C2、C3は、補正のた
めの普遍的な固定値(無次元)であり、後述のごとく設
定できる値である。さらに、層高h1、h2、h3、h4、
h5を計算する。
【0040】 h1=(DPt − DPC0 )/(DP1 − DPC0 )×(h1−h0)+h0 ……(6)
【0041】 h2=(DPt − DPC1 )/(DP2 − DPC1 )×(h2−h1)+h1 ……(7)
【0042】 h3=(DPt − DPC2 )/(DP3 − DPC2 )×(h3−h2)+h2 ……(8)
【0043】 h4=(DPt − DPC3 )/(DP4 − DPC3 )×(h4−h3)+h3 ……(9)
【0044】 h5=(DPt − DPC4 )/(DP5 − DPC4 )×(h5−h4)+h4 ……(10)
【0045】ここで、h1〜h4についての式(6)〜
(9)は同形式であるが、h5についての式(10)で
は、補正をしない基準差圧の出力DP4を用いる。
【0046】以下、図3を用いて、式(2)〜(5)の
意味を説明する。図3は、基準差圧計出力51〜55、
および層全差圧56を、火炉高さと層差圧のグラフに記
した図である。さらに、各基準層差圧計の下側圧力計座
の高さを、差圧=0の点60として示す。
【0047】式(2)〜(5)で、C0=C1=C2=C3
=0とすれば、これらは式(11)〜(14)となり、
補正がなされないことになる。
【0048】DPC0= 0 ………(11)
【0049】DPC1=DP1 ………(12)
【0050】DPC2=DP2 ………(13)
【0051】DPC3=DP3 ………(14)
【0052】この場合、式(6)〜(10)は、図3の
破線に対応するものとなり、ここから計算される層高値
h1、h2、h3、h4、h5は、点71、72、73、7
4、75の火炉高さに相当する層高計算値を出力するこ
とになるが、火炉高さ方向の密度分布の影響で、これら
の層高計算値の中には、図2でも述べたように、誤った
層高計算値が存在することになる。
【0053】そこで、C0、C1、C2、C3を正のある数
値に設定すると、各基準層差圧の出力点は、図3におい
て右側に移動する。すなわち点60は点60aに、点6
1は点61aに、点62は点62aに、点63は点63
aに移動する。その結果、層高計算点はより高い値とな
る。
【0054】すなわち、点71は点71aに、点72は
点72aに、点73は点73aに移動する。しかし、点
74はほとんど移動しない。なぜなら、層表面が点64
と点65の間にあり、点65は層外の点であり、この場
合、点65の基準層差圧の出力値DP5は、点66の層
全差圧出力値DPtにほぼ等しく、式(14)が近似的
に成り立つためである。したがって、C3は実質的には
常に0としてよい。
【0055】DPt ≒ DP5 ………(15)
【0056】C3=0 ………(16)
【0057】ここで、本実施形態における、C0、C1、
C2の設定方法について述べる。各基準層差圧の区間ご
との層密度ρは、当該区間が層内にある場合、式(1
7)〜(21)で定義できる。なお、ρNは、火炉高さ
hNとhN−1間の層密度で、aは単位換算係数であ
る。
【0058】 ρ1=a×(DP1−DP0)/(h1−h0) ………(17)
【0059】 ρ2=a×(DP2−DP1)/(h2−h1) ………(18)
【0060】 ρ3=a×(DP3−DP2)/(h3−h2) ………(19)
【0061】 ρ4=a×(DP4−DP3)/(h4−h3) ………(20)
【0062】 ρ5=a×(DP5−DP4)/(h5−h4) ………(21)
【0063】C0、C1、C2は、点71a、点72a、
点73aが、図3で点74より上方、つまり、大きい層
高計算点となるように設定する。それには、図3の補正
後の各直線が点63、点64および点74を通る直線の
傾きより大きい傾きとなればよい。この関係を用いる
と、C0、C1、C2は、式(22)〜(24)のように
すればよいことになる。
【0064】 C0 >(ρ1/ρ3−1)×(h1−h0)/(h3−h2) ………(22)
【0065】 C1 >(ρ2/ρ4−1)×(h2−h1)/(h4−h3) ………(23)
【0066】 C2 >(ρ3/ρ5−1)×(h3−h2)/(h5−h4) ………(24)
【0067】これらを、それぞれ、式(16)〜(1
9)のように定義することで、点71a、点72a、点
73aを点74より上方(層高計算値として大きい値)
にすることができる。
【0068】図4は、以上のような補正係数C0、C1、
C2、C3を用いて、式(6)〜(10)により計算した
5つの層高計算値を棒グラフとして表現した概念図で、
白抜きの部分80が補正前の計算値、斜線部が補正によ
る層高増分81である。
【0069】図に示すように、層内にあって層表面に最
も近い基準差圧の圧力計座に対応する最も小さい値(h
4)を示し、これが正しい層高を与えるが、それより低
い位置の基準層差圧に対応したh1、h2、h3、およ
び、上側圧力計座が層外にあるため誤った層高計算値と
なるh5は、これらの値の最小値を選択して処理するこ
とで、自動的に排除される。
【0070】また、式(2)〜(5)の第2項の補正値
は、対応する層差圧が層外にあるときは0となり、層高
の上昇とともに連続的に増加する値となっている。以上
の方法により、低層高から高層高まで、自動的かつ連続
的に、正確な層高計測が可能となる。
【0071】ここで、本発明の参考例として、加圧流動
層複合発電システム、および層高計測計算方法の一例
を、図5〜図7を用いて説明する。図5に加圧流動層複
合発電システムの一構成例を示す。加圧流動層ボイラ1
内では、流動層粒子の層に分散板3から空気を供給して
流動層2とし、この流動層2中で燃料27を10気圧程
度の高圧下で燃焼させる。
【0072】流動層中の伝熱管14内で、蒸気を発生、
加熱させ、この蒸気で蒸気タービン32を駆動する。ま
た、同時に火炉1から発生する高温高圧の燃焼排ガス1
8によりガスタービン29を駆動する。
【0073】加圧流動層ボイラの負荷を増加する際は、
流動層2の層高を上昇させ、伝熱管14との接触面積を
大きくし伝熱量を増加させる。そのため、流動媒体粒子
(BM)16を流動媒体容器(BMタンク)15からB
M供給ライン25を経て火炉1へ投入する。
【0074】また、負荷を減少させるときは、流動層2
を形成する流動媒体粒子をBM抜き出しライン26から
BMタンク15へ抜き出すことにより、層高を降下させ
て伝熱量を減少させる。
【0075】図6には、流動層の層高を測定するための
層差圧計の取付方法の一例を示している。この例では、
流動層2の高さ方向の差圧を計測する二つの差圧計41
および42を設ける。
【0076】これらの下側の圧力座を共通として流動層
の底部に備え、差圧計41の上側圧力座は常に層内に設
置し、この差圧計測値を基準層差圧DPbとする。差圧
計42の上側圧力座は、常に流動層の上部にある空間に
設置し計測する。この差圧を層全差圧DPtとする。
【0077】層内の媒体密度が一定で、火炉高さに対す
る層差圧の特性が、図6の左側に示すように直線的であ
る場合、層高hは式(1)で計算される。なお、式
(1)で、h1は差圧計41の下側圧力座の高さ、h2は
上側圧力座の高さである。
【0078】 h = DPt / DPb ×( h2 − h1 )+ h1 ………(1)
【0079】流動媒体が層内で至るところで均質であれ
ば、この関係は正しく、式(1)から正確に層高を求め
ることができる。しかし、実際の流動層においては、燃
料として供給される石炭が燃焼して生成する灰や、脱硫
剤として投入される石灰石が混合して流動媒体粒子を構
成しているため、不均質な媒体である。
【0080】このような不均質な媒体が、伝熱管等の構
造体が配置された実際の流動層内で流動状態にある場合
は、層の高さ方向で密度差を生じる。発明者らの調査で
は実際のボイラ流動層では、図7に示すように、伝熱管
が設置されている範囲の層高と、伝熱管が設置されてい
ない層高の範囲とでは、層の密度が異なり、後者のほう
が密度が高いことが判明している。
【0081】そのため、流動の高さ方向の層差圧分布
は、図7に示すように、伝熱管設置範囲と非設置範囲と
では、層高に対する差圧特性(勾配)が異なる結果とな
る。この特性のため、従来方法が前提とする層高と差圧
とが直線的関係にあるという条件が成立しなくなり、そ
れ故に、従来方法による層高の計測方法は、不正確なあ
るいは誤った結果をもたらすことになる。
【0082】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
加圧流動層複合発電プラントの層高計測方法を用いれ
ば、層内の層密度が不均一となる流動層の層高を、負荷
の低い低層高時から、負荷の高い高層高時まで、常に正
確で、かつ、不連続性がない値として計測でき、この層
高計測値を制御信号に用いることで、安定な流動層ボイ
ラの運転および制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる層高計測方法を適用した一実施形
態を示す説明図である。
【図2】火炉高さに対する層差圧計測結果の一例を示す
概念図である。
【図3】本発明になる層高計測計算方法の一例を示す概
念図である。
【図4】本発明になる層高計測計算方法の一例を示す概
念図である。
【図5】加圧流動層複合発電システムの概念図である。
【図6】流動層の層高計測方法の原理を表わす図であ
る。
【図7】流動層の火炉高さと層密度および層差圧の関係
を表わす図である。
【符号の説明】
1 火炉 2 流動層 3 分散板 14 伝熱管 18 燃焼排ガス 30 空気 37 層高演算器 38 層高計測信号 41〜45 基準差圧計 46 全差圧計 51〜55 基準差圧計出力 56 全差圧計出力 57 誤った層高計算点 58 正しい層高計算点 59 全差圧値直線 60 層差圧0点 60a 層差圧0点の補正点 61〜65 基準差圧計の出力点 61a〜65a 基準差圧計の出力点の補正点 71〜75 基準差圧計の層高計算値 71a〜73a 基準差圧計の補正層高計算値 78 層表面位置 80 補正前の層高計算値 81 補正による層高増分 82 最小選択後の層高

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層の層内の高さ方向位置が互いに異
    なる複数の圧力計座を設置し、前記圧力計座間の複数組
    の流動層差圧から基準層差圧を求めるとともに、前記層
    内の圧力計座の一つと前記流動層の表面より上部に設置
    した圧力計座との間の層全差圧を求め、前記基準層差圧
    と、前記層全差圧と、前記各圧力計座の高さ方向位置の
    異なる複数組から計算される複数の流動層高値のうち、
    最も低い層高計算値を選択して流動層高計測値とするこ
    とを特徴とする加圧流動層の層高計測方法。
  2. 【請求項2】 流動層ボイラより発生する蒸気によっ
    て駆動する蒸気タービンと、前記ボイラの燃焼排ガスに
    よって駆動するガスタービンとを有する加圧流動層複合
    発電システムに用いられ、前記ボイラ内の流動媒体量あ
    るいは層高が負荷変化に応じて調整可能な加圧流動層ボ
    イラの層高計測方法において、前記ボイラの流動層内の
    高さ方向位置が互いに異なる複数の圧力計座を設け、前
    記圧力計座間の複数組の流動層差圧を直接計測して基準
    層差圧とするか、または、計測した差圧の差を基準層差
    圧とするとともに、前記圧力計座の一つと、常に流動層
    表面より上部の層外におかれた圧力計座との間の差圧を
    層全差圧とし、前記基準層差圧と、前記層全差圧と、前
    記各圧力計座の高さ方向位置の複数組から計算される複
    数の流動層高値のうち、最も低い層高計算値を選択して
    流動層高計測値とすることを特徴とする流動層ボイラの
    層高計測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の流動層ボイラ
    の層高計測方法において、前記複数の流動層高値のうち
    最も低い層高計算値が、前記層内にあってかつ層表面に
    最も近いかまたは比較的近い流動層基準層差圧に対応し
    た層高計算値となるように、前記流動層内の各基準層差
    圧を、 (a)一方または両方の圧力計座が、当該基準差圧を与
    える圧力計座より上部に位置する圧力計座間の差圧計測
    値 (b)層全差圧 (c)各圧力計の高さ方向位置 (d)層高さ方向の流動層密度差または密度変化比 のうちのいずれかまたはその組み合せた値によって補正
    することを特徴とする流動層ボイラの層高計測方法。
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