JP2002077903A - 画像符号化装置及び画像符号化方法並びに記憶媒体 - Google Patents

画像符号化装置及び画像符号化方法並びに記憶媒体

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JP2002077903A
JP2002077903A JP2000257955A JP2000257955A JP2002077903A JP 2002077903 A JP2002077903 A JP 2002077903A JP 2000257955 A JP2000257955 A JP 2000257955A JP 2000257955 A JP2000257955 A JP 2000257955A JP 2002077903 A JP2002077903 A JP 2002077903A
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Hiroshi Kajiwara
浩 梶原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビットプレーンに対する符号化において、関
心領域を優先的に符号化・伝送する画像符号化方式にお
いて、圧縮性能の低下を抑制すること。 【解決手段】 多値データに基づいた2値シンボルに
より構成されている複数のビットプレーンを生成し、こ
の複数のビットプレーンに対して符号化を行うが、多値
データのうち、特定領域を設定し、前記特定領域に含ま
れるデータに対して所定のシフト量だけビットシフトす
る。そして、前記特定領域内、もしくは特定領域外のい
ずれか一方の2値シンボルを優勢シンボルと特定し、こ
の特定結果に基づいて符号化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1画素が複数ビッ
トで表される多値画像データを符号化する画像符号化装
置及び画像符号化方法並びに記憶媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルカメラ等の画像入力装置
が急速に普及しており、デジタル画像データを取り扱う
機会が増加している。画像データはデータ量が膨大であ
るため、メモリやハードディスク等の記憶装置に保存す
る場合に容量を多く必要とする、あるいは、通信回線を
利用して伝送する場合に時間がかかるといった問題があ
る。しかしながら、画像データは冗長性を多く有してお
り、これを除くことによりデータ量の削減が可能であ
る。このため、画像データの伝送、蓄積に際しては、画
像の持つ冗長性を除く、或いは視覚的に認識し難い程度
の劣化を加えることによってデータ量を削減する高能率
符号化が用いられる。
【0003】従来、高能率符号化の一手法としてビット
プレーン符号化が知られている。これは、符号化対象と
なる画像データか、あるいはそれを系列変換して得られ
る多値信号系列を自然2進数や、グレイコードなどを用
いて2値表現し、上位のビットから下位のビットへとビ
ットプレーン方向を優先して符号化・伝送するものであ
る。このビットプレーン符号化の処理をうまく利用して
画像中の重要な部分(以降、関心領域と呼ぶこととす
る)を先に伝送する、あるいは他の部分よりも高画質に
符号化するという方法が提案されている。具体的には、
ビットプレーン符号化により上位のビットプレーンにあ
る2値データが優先して送られることを考慮し、関心領
域に該当する多値データの値をその他の部分よりも相対
的に大きな値になるように操作し、復号側でこの操作と
逆の操作を行なうものである。
【0004】例えば、関心領域の多値データを3ビット
分上位にビットシフトさせる(8倍することに相当)、
または逆に関心領域以外の多値データを2ビット分下位
にビットシフトさせる(1/4倍することに相当)とい
った具合である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ビットプレーン符号化を応用した関心領域優先方法で
は、ビットシフトにより追加されたビットの取り扱いが
問題となる。例えば、8ビットで表現されたモノクロ画
像データにおいて、図5のように関心領域を2ビットシ
フトしてビットプレーン符号化を適用する場合、関心領
域の下位2ビットはビットシフトにより追加される部分
であり、ビットシフトをしなければ符号化されない部分
である。この部分は意味的には2進小数点以下であり、
ビットプレーン符号化の対象が実数データである場合に
は関心領域のみ高精度で符号化されるため有意なデータ
であるが、ビットプレーン符号化の対象が整数の場合、
この部分は全て‘0’であり冗長なデータである。しか
しながら、ビット毎に関心領域か関心領域外かを判断し
て、関心領域の桁上げされた部分については符号化しな
いといった例外処理を導入しない限り、ビットシフトに
より追加された部分についても符号化・伝送しなければ
ならなず、この桁上げ部分に所定の2値シンボル(例え
ば‘0’)を挿入する方法では符号量が増加するという
問題(圧縮性能の低下)があった。
【0006】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、ビットプレーン符号化を用いて関心領域を
優先的に符号化・伝送する画像符号化方式において、圧
縮性能の低下を抑制する符号化方式を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、例えば本発明の画像符号化装置は以下の構成を
備える。すなわち、1画素が複数ビットで表される多値
画像データを符号化する画像符号化装置であって、画像
中の関心領域を示す情報と共に多値画素データを入力す
る手段と、入力した多値画素データにおける注目画素が
関心領域にある場合には所定ビット数だけ高位にシフト
することで、入力した多値画像データの修正画素データ
を生成する修正画素生成手段と、該修正画素生成手段で
生成された注目画素位置の近傍の複数画素に基づき、注
目画素の注目ビット位置のビットに対する状態値を生成
する状態値生成手段と、前記修正画素生成手段により生
成された画素データの各ビット位置で構成されるビット
プレーンを生成するビットプレーン生成手段と、該ビッ
トプレーン生成手段で生成されたビットプレーンからの
2値シンボルが前記修正画素生成手段におけるビットシ
フトにより追加された2値シンボルか否かを判断する追
加ビット判定手段と、前記ビットプレーン生成手段で生
成されたビットプレーンからの2値シンボルと、前記状
態値生成手段より生成された状態値と、前記追加ビット
判定手段による判定結果に基づき、注目画素に対して優
勢シンボルの符号化を行うか、劣勢シンボルの符号化を
行うかを決定し、当該決定内容に従って符号化する符号
化手段とを備える。
【0008】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明を
好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0009】[第1の実施形態]図1は本実施形態にお
ける画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
【0010】同図に於いて101は画像入力部、102
は関心領域指定部、103は関心領域シフト部、104
はバッファ、105はビットプレーン走査部、106は
コンテクスト生成部、107はMPS判定部、108は
2値シンボル符号化部、109は符号出力部である。
【0011】本実施形態に於いては1画素8ビットのモ
ノクロ画像データを符号化するものとして説明する。し
かしながら本実施形態の画像符号化装置及び本装置にお
ける符号化はこれに限らず、4ビット、10ビット、1
2ビットなど8ビット以外のビット数で画素値を表現し
ている場合や、カラー多値画像を符号化する場合にも適
用することも可能であることは以下の説明により明らか
となるであろう。
【0012】また、画像領域の各画素の状態を示す多値
情報を符号化する場合、例えば各画素の色についてカラ
ーテーブルへのインデックス値で示し、これを符号化す
る場合にも適用できる。また、本実施形態で符号化対象
とする画像データの大きさは固定であるものとし、水平
方向画素数をX、垂直方向の画素数をYで表す。
【0013】以下、本実施形態における各部の動作を詳
細に説明する。
【0014】まず、画像入力部101から符号化対象と
なる画像を示す画素データがラスタースキャン順に入力
される。入力される符号化対象画像データの水平方向x
番目(xは0からX-1)、垂直方向y番目(yは0から
Y-1)の画素データをI(x,y)とする。本実施形態では
符号化対象画像データを8ビットと想定するので、I
(x,y)は0から255の値を取り得る。この画像入力部
101は、例えばスキャナ、デジタルカメラ等の撮像装
置、或いはCCDなどの撮像デバイス、或いはネットワ
ーク回線のインターフェース等である。
【0015】画像入力部101からの符号化対象画像デ
ータ入力とタイミングを合わせて、関心領域指定部10
2から符号化対象画像データの各画素が関心領域である
か否かを表す関心領域指定フラグがラスタスキャン順に
入力される。水平方向x番目、垂直方向y番目の画素デ
ータの関心領域指定フラグをR(x,y)と表す。R(x,y)は
0か1のいずれかであり、1ならば関心領域内の画素で
あることを、0ならば関心領域外の画素であることを表
す。図2(b)は同図(a)に示す符号化対象画像に対
して、関心領域を指定した例である。図2(b)では関
心領域フラグR(x,y)の値が0である部分(即ち、関心
領域外)を白、1である部分(即ち、関心領域内)を黒
とし、2値画像として表現している。この関心領域の指
定には、ユーザによる指定や、オブジェクト認識技術を
用いた自動指定など様々な方法が適用できるが、本実施
形態においては関心領域の指定方法については問わな
い。
【0016】関心領域シフト部103は関心領域指定部
102から入力される関心領域指定フラグR(x,y)に基
づいて画像入力部101から入力される符号化対象画像
の各画素データI(x,y)に対して以下の変更を加え、修
正画素データI'(x,y)を生成して出力する。修正画素デ
ータI'(x,y)と画素データI(x,y)および関心領域指定
フラグR(x,y)の関係を以下に示す。
【0017】 |I(x,y) ...R(x,y)=0の場合 I'(x,y)= | |I(x,y)<<8 ...R(x,y)=1の場合 即ち、修正画素データI'(x,y)は関心領域指定フラグR
(x,y)が0である場合はI(x,y)と等しく、R(x,y)が1
の場合にはI(x,y)を8ビット上位にシフトした値(I
(x,y)<<8)である。つまりR(x,y)が1の場合には、
I'(x,y)の値を表現するためにはそのビット長は最大1
6ビットとなる。
【0018】バッファ104は関心領域シフト部103
により生成された修正画素データI'(x,y)を1画面分格
納する。
【0019】ビットプレーン走査部105はバッファ1
04に格納される修正画素データI'(x,y)に対するラス
タースキャンを16回繰り返し行い、最初のスキャンで
最上位ビットプレーン(ビットプレーン番号0)を構成
する2値シンボルB0(x,y)を、次のスキャンでその次
のビットプレーン(ビットプレーン番号1)を構成する
2値シンボルB1(x,y)を、最後のスキャンで最下位ビ
ットプレーン(本実施形態ではビットプレーン番号1
5)を構成する2値シンボルB15(x,y)を生成して出
力するといった具合に、上位のビットプレーンから下位
のビットプレーンへと順番に、各ビットプレーンを構成
する2値シンボルBn(x,y)(nはビットプレーンの番
号)を生成・出力する。ビットプレーン走査部105に
おける、バッファ104に格納される修正画素値から前
記各ビットプレーンへの分解は公知の技術であり、ここ
では詳細な説明は省く。
【0020】コンテクスト生成部106では、バッファ
104に格納されるI'(x,y)の4つの近傍画素値I'(x-
1,y),I'(x,y-1),I'(x,y+1),I'(x+1,y)を取り出
し、ビットプレーン走査部105より出力される各2値
シンボルBn(x,y)を符号化する際のコンテクスト識別
番号(状態識別番号)Sを生成する。コンテクスト識別
番号Sの生成は近傍4画素が着目する2値シンボルを符
号化する時点で有意(値が0でない)と判明しているか
否かに基づいて行う。水平・垂直画素位置(a,b)
(a,bは任意)の修正画素I'(a,b)について、ビット
プレーン番号nまで符号化/復号した時点での有意・非
有意判断結果をVn(I'(a,b))で表すとき、コンテクス
ト識別番号Sは以下の式により求める。
【0021】S=Vn(I'(x-1,y))*8+Vn(I'(x,y-
1))*4+Vn−1(I'(x,y+1))*2+Vn−1(I'(x+1,
y)) 但し、Vn(I'(a,b))の値は0か1のいずれかであり、
ビットプレーン番号nを符号化/復号時にI'(a,b)が非
有意状態、つまりI'(a,b)の値が0であるか否かが判明
していない場合には0、有意状態の場合、つまりI'(a,
b)の値が0でないと判明している場合には1であるもの
とする。有意・非有意状態について、I'(a,b)が25で
ある場合を例により具体的に説明する。25を16ビッ
トの2進数表現すると”00000000000110
01”であり、2進数11桁目(MSBを0桁目とす
る)に初めて1が出現することが分かる。即ち、上位桁
から下位桁に順番に復号して、11桁目復号前までは、
I'(a,b)が0であるか否かが判明していない状態(非有
意状態)であり、11桁目を復号することにより0でな
いことが判明し、以降は有意状態となる。従ってこの場
合、Vn(I’(a,b))(n:0≦n<11)は0
であり、Vn(I’(a,b))(n:11≦n)は1
となる。上の式によりコンテクスト識別番号Sは0から
15までの16種の値のいずれかとなる。
【0022】MPS判定部107はコンテクスト生成部
106からコンテクスト識別番号Sを、また、ビットプ
レーン走査部105から2値シンボルBn(x,y)を受け
取り、後段の2値シンボル符号化部108におけるQM-C
oderでの算術符号化処理のためのコンテクスト識別番号
Sに対する確率テーブルインデックスIndex(S)と、B
n(x,y)が優勢シンボル(MPS)であるかを判定した
2値情報decisionを出力する。
【0023】MPS判定部107はその内部には、コン
テクスト生成部106で生成するコンテクスト識別番号
毎に、QM-Coderの確率テーブルインデックスIndex(S)
とそのコンテクストにおける優勢シンボルMPS(S)を
記したテーブルを格納している。図3にこのテーブルの
一例を示す。テーブル中のIndex(S)、MPS(S)の値
は符号化開始時には全てを0に初期化しておき、その
後、符号化処理に伴い必要に応じて書き換えられる。な
おこの図3に示したテーブルは不図示のメモリ(ROM
やRAM等)に格納されており、不図示のCPUにより
読み出され、参照されるものとする。
【0024】図4にMPS判定部107における処理の
フローチャートを示す。
【0025】まず、この図3に示したテーブルを参照し
てコンテクスト生成部106から出力されるコンテクス
ト番号SにおけるMPSの値MPS(S)と確率テーブル
インデックスIndex(S)を読み出す(ステップS40
1)。
【0026】次に、2値シンボルBn(x,y)の属する修
正画素値I'(x,y)の値を255と比較し、2値シンボル
Bn(x,y)が関心領域の内部か外部かを確認する。関心
領域外である場合、即ち、I'(x,y)≦255である場
合、ステップS404に処理を移し、関心領域内である
場合、即ち、I'(x,y)>255である場合にはステップ
S403に処理を移す(ステップS402)。
【0027】ステップS403では2値シンボルBn
(x,y)の属するビットプレーン番号nを8と比較し、こ
の2値シンボルが関心領域内の画素値を構成する2値シ
ンボルBn(x,y)(n<8)であるのか、ビットシフト
により発生した追加2値シンボルBn(x,y)(n≧8)
(図5において網掛けの部分)であるのかを判断する。
【0028】ステップS404ではビットプレーン走査
部105より出力される2値シンボルBn(x,y)をMP
S(S)と比較し、一致する場合にはステップS406
へ、一致していない場合にはステップS405へ処理を
移す。ステップS406ではdecisionに1を設定し(B
n(x,y)は優勢シンボル)、ステップS405ではdec
isionに0を設定する(Bn(x,y)は優勢シンボルでは
ない)。ステップS407ではIndex(S)とdecisionを
出力する。
【0029】2値シンボル符号化部108はMPS判定
部107から出力されるIndex(S)とdecisionに基づき
算術符号化処理を行う。本実施形態において算術符号は
QM-Coderを使用し、decisionが1ならば指定された確率
テーブルインデックスIndex(S)でMPSの符号化を行
い、decisionが0ならば劣勢シンボル(LPS)の符号
化を行う。QM-Coderによる符号化手順についてはITU-T
Recommendation T.81| ISO/IEC10918-1等に詳細な説明
があるのでここでは省略する。2値シンボル符号化部1
08にはLPS,MPS符号化後のインデックス遷移先
やMPSの意味付けの要・否を記したテーブルが格納さ
れており、このテーブルを参照してインデックス遷移先
Next_IndexとMPS意味付け更新フラグSwitch_MPSを出
力する。
【0030】MPS判定部107は2値シンボル符号化
部108からシンボルの符号化後に返されるNext_Index
とSwitch_MPSを受け取り、着目するコンテクスト番号S
の確率テーブルインデックスIndex(S)とMPS(S)を
更新する。
【0031】符号出力部109には本実施形態における
出力符号が渡される。符号出力部109は、例えば、ハ
ードディスクやメモリといった記憶装置、ネットワーク
回線のインターフェース等である。
【0032】以上の処理により、ROI領域に該当する
画素をビットシフトしてROI領域を先に符号化・伝送
するビットプレーン符号化において、レベルシフトによ
り発生する符号化性能の低下を抑制することができる。
【0033】なお、本装置の動作においては各ブロック
の統括的な動作制御が必要となるが、不図示の制御部に
より行われるものとする。また、生成された符号列には
画像のサイズ、画素精度に関する情報など復号に必要な
情報が適宜付加されるものとする。
【0034】[第2の実施形態]図6は本実施形態にお
ける画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
【0035】同図に於いて601は画像入力部、602
は関心領域指定部、603は関心領域シフト部、604
はバッファ、605はビットプレーン走査部、606は
コンテクスト生成部、607はMPS判定部、608は
2値シンボル符号化部、609は符号出力部、610は
シフト量指定部、611はフラグ用コンテクスト生成
部、612,613はスイッチである。
【0036】本実施形態に於いては第1の実施形態と同
様に1画素8ビットのモノクロ画像データを符号化する
ものとして説明するが、本実施形態はこれに限定される
ものではないことは第1の実施形態における説明により
明白である。
【0037】第1の実施形態では関心領域の画素値を画
像データのダイナミックレンジ分(第1の実施形態では
8ビット)シフトすることにより、関心領域を全て符号
化した後に関心領域外を符号化したが、本実施形態はユ
ーザの指定するビット数分シフトするものであり、関心
領域と関心領域外の符号化・伝送の優先度を調整できる
ようにしている。
【0038】以下、本実施形態における各部の動作を詳
細に説明する。スイッチ612とスイッチ613は符号
化処理開始前の初期状態では端子bに接続されているも
のとする。
【0039】まず、第1の実施形態と同様に、画像入力
部601から符号化対象となる画像を示す画素データ
が、また、関心領域指定部102から符号化対象画像デ
ータの各画素が関心領域であるか否かを表す関心領域指
定フラグが、それぞれラスタースキャン順に入力され
る。画像入力部601と関心領域指定部602は、それ
ぞれ第1の実施形態における画像入力部101と関心領
域指定部102と同じである。但し、本実施形態におい
ては関心領域指定部602からラスタースキャン順に入
力される関心領域指定フラグは入力と同時に関心領域指
定部602の内部の不図示のバッファに格納され、適宜
読み出しが可能であるものとする。
【0040】また、シフト量指定部610から関心領域
をどれだけシフトして符号化処理を行うかを表す0〜8
の整数値Shが入力される。
【0041】関心領域シフト部603は関心領域指定部
602から入力される関心領域指定フラグR(x,y)に基
づいて画像入力部601から入力される符号化対象画像
の各画素データI(x,y)に変更を加え、修正画素データ
I'(x,y)を生成して出力する。修正画素データI'(x,y)
と画素データI(x,y)および関心領域指定フラグR(x,y)
の関係を以下に示す。
【0042】 |I(x,y) ...R(x,y)=0の場合 I'(x,y)= | |I(x,y)<<Sh ...R(x,y)=1の場合 即ち、修正画素データI'(x,y)は関心領域指定フラグR
(x,y)が0である場合はI(x,y)そのままであり、R(x,
y)が1で場合にはI(x,y)をシフト量指定部610で指
定されたシフト量Shビット分上位にシフトした値、I
(x,y)<<Shである。
【0043】バッファ604は関心領域シフト部603
により生成された修正画素データI'(x,y)を1画面分格
納する。
【0044】一方、関心領域指定部602から関心領域
指定フラグR(x,y)がラスタースキャン順に読み出さ
れ、スイッチ612を介してMPS判定部607に入力
される。同時に、フラグ用コンテクスト生成部611に
おいてR(x,y)を符号化するためのフラグ用コンテクス
ト識別番号S2が生成され、スイッチ613を介してM
PS判定部607に入力される。フラグ用コンテクスト
生成部611で生成されるフラグ用コンテクスト識別番
号S2は、着目する関心領域指定フラグR(x,y)の近傍
の関心領域指定フラグR(x-1,y),R(x-1,y-1),R(x,y
-1)を用いて以下の式により求めるものとする。
【0045】 S2=R(x-1,y)*4+R(x-1,y-1)*2+R(x-1,y-1) そして関心領域指定フラグR(x,y)、フラグ用コンテ
クスト識別番号S2は夫々スイッチ612,613を介
してMPS判定部107に入力される。
【0046】そしてMPS判定部107及び2値シンボ
ル符号化部608は、フラグ用コンテクスト識別番号S
2を用いて、後述する方法により、2値シンボルとして
の関心領域指定フラグの算術符号化を行う。
【0047】関心領域指定フラグの符号化が終了する
と、スイッチ612,613を端子aに切り替えて修正
画素データのビットプレーン符号化を開始する。
【0048】ビットプレーン走査部605およびコンテ
クスト生成部606は、第1の実施形態におけるビット
プレーン走査部105、コンテクスト生成部106とそ
れぞれ同じであり、バッファ604に格納される修正画
像データの上位ビットプレーンから下位ビットプレーン
まで、各ビットプレーンの2値シンボルBn(x,y)とコ
ンテクスト識別番号S1を出力する。
【0049】2値シンボルBn(x,y)とコンテクスト
識別番号Sの対は夫々スイッチ612,613を介して
MPS判定部607に渡される。MPS判定部607及
び2値シンボル符号化部608では、2値シンボルBn
(x,y)をコンテクスト識別番号Sに基づき算術符号化
する。この算術符号化処理については後述する。
【0050】次に上述の2値シンボルの算術符号化につ
いて説明する。
【0051】MPS判定部607はスイッチ612から
入力される2値シンボルBin(R(x,y)もしくはB
n(x,y))をスイッチ613から入力されるコンテク
スト識別番号S(S1もしくはS2)に基づいて、2値
シンボル符号化部608におけるQM-Coderでの算術符号
化処理のための確率テーブルインデックスIndex(S)と
符号化対象2値シンボルが優勢シンボル(MPS)であ
るかを判定した2値情報decisionを出力する。
【0052】MPS判定部607における処理のフロー
チャートを図7に示す。
【0053】ステップS702,S704を除く、ステ
ップS701からS707までの各処理ステップは図4
のステップS401からS407の処理ステップにそれ
ぞれ同じである。ステップS702は関心領域内か否か
の判定を直接関心領域判定フラグR(x,y)から行うよう
に、またステップS704は符号化対象の2値シンボル
の表現をBn(x,y)からBinにそれぞれ変更しただけ
で、各処理の役割は同一である。また、関心領域指定フ
ラグの符号化であるか否かの判定(ステップS708)
のステップを設け、関心領域指定フラグの符号化の場合
にはステップS702,S703による判定を回避して
MPSへの強制変更を行わないようにしている。MPS
判定部607の処理の流れは、基本的に第1の実施形態
におけるMPS判定部107のそれと同じであるのでこ
こでは説明を省略する。
【0054】2値シンボル符号化部608はMPS判定
部607から出力されるIndex(S)とdecisionに基づき
算術符号化処理を行う。本実施形態においても第1の実
施形態と同じく、算術符号としてQM-Coderを使用し、de
cisionが1ならば指定された確率テーブルインデックス
Index(S)でMPSの符号化を行い、decisionが0なら
ば劣勢シンボル(LPS)の符号化を行う。QM-Coderに
よる符号化手順についてはITU-T Recommendation T.81
| ISO/IEC10918-1等に詳細な説明があるのでここでは省
略する。2値シンボル符号化部608にはLPS,MP
S符号化後のインデックス遷移先やMPSの意味付けの
要・否を記したテーブルが格納されており、このテーブ
ルを参照してインデックス遷移先Next_IndexとMPS意
味付け更新フラグSwitch_MPSを出力する。
【0055】MPS判定部607は2値シンボル符号化
部608から2値シンボルの符号化後に返されるNext_I
ndexとSwitch_MPSを受け取り、着目するコンテクスト番
号Sの確率テーブルインデックスIndex(S)とMPS
(S)を更新する。
【0056】符号出力部609には本実施形態における
出力符号が渡される。符号出力部609は、例えば、ハ
ードディスクやメモリといった記憶装置、ネットワーク
回線のインターフェース等である。
【0057】以上の処理により、ROI領域に該当する
画素をユーザの指定する分ビットシフトしてROI領域
を先に符号化・伝送するビットプレーン符号化におい
て、レベルシフトにより発生する符号化性能の低下を抑
制することができる。
【0058】なお、本装置の動作においては各ブロック
の統括的な動作制御が必要となるが、不図示の制御部に
より行われるものとする。また、生成された符号列には
画像のサイズ、画素精度に関する情報など復号に必要な
情報が適宜付加されるものとする。
【0059】[第3の実施形態]図8は本実施形態にお
ける画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
【0060】同図に於いて801は画像入力部、802
は2次元離散ウェーブレット変換部、803は係数格納
バッファ、804はサブバンド切り出し部、805は関
心領域指定部、806はマスク生成部、807は関心領
域シフト部、808はサブバンド格納バッファ、809
はビットプレーン走査部、810はコンテクスト生成
部、811はMPS判定部、812は2値シンボル符号
化部、813は符号出力部、814はサブバンドレンジ
設定部、815は正負符号判定部、816は正負符号用
コンテクスト生成部、817,818はスイッチであ
る。
【0061】本実施形態に於いては第1の実施形態と同
様に1画素8ビットのモノクロ画像データを符号化する
ものとして説明するが、本実施形態はこれに限定される
ものではないことは第1の実施形態における説明により
明白である。また、対象とする画像データの大きさは固
定であるものとし、水平方向画素数をX、垂直方向の画
素数をYで表す。説明を簡単にするために、ここでは
X,Y共に8の倍数であるとする。
【0062】以下、本実施形態における画像符号化装置
の各部の動作について詳細に説明する。
【0063】まず、画像入力部801から符号化対象と
なる画像を示す画素データがラスタースキャン順に入力
される。入力される符号化対象画像データの水平方向x
番目(xは0からX-1)、垂直方向y番目(yは0から
Y-1)の画素データをI(x,y)とする。本実施形態では
符号化対象画像データを8ビットと想定するので、I
(x,y)は0から255の値を取り得る。この画像入力部
は、例えばスキャナ、デジタルカメラ等の撮像装置、或
いはCCDなどの撮像デバイス、或いはネットワーク回
線のインターフェース等である。
【0064】2次元離散ウェーブレット変換部802で
は画像入力部801から入力される画素データに対し
て、水平方向および垂直方向の1次元離散ウェーブレッ
ト変換を施し、4つのサブバンド(LL,LH,HL,
HH)を生成する。図9(a)に示した符号化対象画像
を、水平方向の1次元離散ウェーブレット変換によりL
とHの2つのサブバンドに分解し(図9(b))、さら
にそれぞれに対して垂直方向の1次元離散ウェーブレッ
ト変換を施して前述の4つのサブバンドに分割する(図
9(c))。なお、本実施形態においては、次式により
1次元離散ウェーブレツト変換を施すものとする。
【0065】 r(n)=(x(2n)+x(2n+1))/2 d(n)=x(2n+2)−x(2n+3)+(−r
(n)+r(n+2)+2)/4 上式においてx(n)は変換対象の1次元画像データであ
り、r(n)は低周波サブバンドの係数、d(n)は高周波
サブバンドの係数である。なおnは各画素に対するイン
デックスである。更に、図9(c)に示した低周波サブ
バンドLLの係数に2次元離散ウェーブレット変換を適
用することにより、LLサブバンドを更に2回繰り返し
て分解して、図10のように7つの周波数帯域(サブバ
ンド)に分割する。生成したウェーブレット変換係数は
一旦係数格納バッファ803に格納される。以降、各サ
ブバンドの変換係数をW(sb,sx,sy)で表現する。sbは
サブバンドであり、LL,LH3,HL3,HH3,L
H2,HL2,HH2,LH1,HL1,HH1のいず
れかである。また、sx,syはそれぞれサブバンドの
内部の水平方向位置(左端を0とする)、垂直方向位置
(上端を0とする)を表す。例えば、W(LH3,3,
0)はLH3サブバンドの水平方向3番目、垂直方向0
番目の係数値を表すものとする。
【0066】一方、関心領域指定部805からは、画像
入力部801からの符号化対象画像データ入力とタイミ
ングを合わせて、符号化対象画像データの各画素が関心
領域であるか否かを表す関心領域指定フラグがラスタス
キャン順に入力される。水平方向x番目、垂直方向y番
目の画素データの関心領域指定フラグをR(x,y)と表
す。R(x,y)は0か1のいずれかであり、1ならば関心
領域内の画素であることを、0ならば関心領域外の画素
であることを表す。
【0067】マスク生成部806は関心領域指定部80
5により指定される関心領域指定フラグに基づき、2次
元離散ウェーブレット変換部802において生成された
各ウェーブレット変換係数W(sb,sx,sy)が関心領域内の
画素値を用いて求められた係数であるか否かを括定する
マスクデータM(sb,sx,sy)を生成する。M(sb,sx,sy)は
0か1の値をとり、0の場合にはウェーブレット変換係
数W(sb,sx,sy)は関心領域内の画素値に関与しない係数
であり、1の場合にはウェーブレット変換係数W(sb,s
x,sy)は関心領域内の画素値に関与する係数である。
【0068】図11に図2(b)に示したの関心領域指
定フラグに対するマスクデータの例を示す。マスクデー
タの値が1の部分は黒、0の部分は白で表現している。
生成したマスクデータはマスク生成部806の内部の不
図示のバッファに格納され、適宜読み出しが可能である
ものとする。
【0069】係数格納バッファ803に図10のように
変換係数が格納されると、サブバンドレンジ設定部81
4は各サブバンドの係数を走査してサブバンドsb内の
係数の絶対値の最大値Abs( Max(sb) )を求める。次に各
サブバンドの係数の絶対値の最大値Abs( Max(sb) )を2
値表現する際に必要なビット数DR(sb)を求める。DR
(sb)はAbs( Max(sb) )から以下の式により求まる。
【0070】 DR(sb)=floor{log2(Abs( Max(sb) )+1)} floor(x)はxを超えない最大の整数値を返す関数であ
る。各サブバンドのレンジDR(sb)はサブバンドレンジ
設定部814に保持される。サブバンドレンジ設定部8
14でDR(sb)が求められると、サブバンド切り出し部
804は係数格納バッファ803からLL,LH3,H
L3,HH3,LH2,HL2,HH2,LH1,HL
1,HH1の順に各サブバンドの変換係数をサブバンド
内部でラスタースキャン順に読み出す。
【0071】関心領域シフト部807以降の処理はサブ
バンド切り出し部804で読み出されるサブバンドの変
換係数を、一つのサブバンドを単位として順々に符号化
処理を行うものである。以下、任意のサブバンドsbの
符号化について説明する。
【0072】関心領域シフト部807はサブバンド切り
出し部804から入力されるサブバンドsbのウェーブ
レット変換係数W(sb,sx,sy)に対応するマスクデータM
(sb,sx,sy)をマスク生成部806から読み出し、サブバ
ンドレンジ設定部814で求めたDR(sb)に基づいてW
(sb,sx,sy)に適宜修正を加え、修正変換係数W'(sb,sx,
sy)を生成して出力する。修正変換係数W'(sb,x,y)と変
換係数W(sb,sx,sy)、マスクデータM(sb,sx,sy)、およ
びDR(sb)の関係を以下に示す。
【0073】M(sb,sx,sy)=0の場合 W’(sb,sx,sy)=W(sb,sx,sy) M(sb,sx,sy)=1の場合 W’(sb,sx,sy)=sign(W(sb,s
x,sy)) *(W(sb,sx,sy)<<DR(sb)) 但し、上の式でsign(X)はXが負ならば−1、正ま
たは0ならば1となる関数とする。この式により求まる
修正変換係数W'(sb,sx,sy)は、マスクデータM(sb,sx,
sy)が0である場合はW(sb,sx,sy)そのままであり、マ
スクデータM(sb,sx,sy)が1の場合にはW(sb,sx,sy)の
絶対値をDR(sb)ビット上位にシフトし、W(sb,sx,sy)
と同じ正負符号とした値である。
【0074】サブバンド格納バッファ808は関心領域
シフト部807により生成された修正変換係数W'(sb,s
x,sy)を1サブバンド分格納する。
【0075】サブバンド格納バッファ808に1サブバ
ンド分の修正変換係数データが格納されると、修正変換
係数の正負符号の符号化と、それに続いて、修正変換係
数の絶対値のビットプレーン符号化を開始する。
【0076】まず、正負符号の符号化を行うため、スイ
ッチ817,818が端子aに接続される。
【0077】正負符号判定部815はサブバンド格納バ
ッファ808に格納される修正係数データW'(sb,sx,s
y)をラスタースキャン順に読み出し、その正負を判定し
て2値データBinを出力する。BinはW'(sb,sx,s
y)が正または0ならば0であり、負ならば1である。
【0078】正負符号用コンテクスト生成部816は正
負符号判定部815とタイミングを合わせて、各正負符
号符号化用のコンテクスト識別番号S3を生成する。本
実施形態においては、直前の修正係数データW'(sb,sx-
1,sy)を用いて以下のようにコンテクスト識別番号S3
を決定する。
【0079】 スイッチ817,818を通じて出力される2値シンボ
ルBinと各正負符号符号化用のコンテクスト識別番号
S3の対はMPS判定部811に渡される。MPS判定
部811と2値シンボル符号化部812は2値シンボル
Binを各正負符号符号化用のコンテクスト識別番号S
3に基づいて算術符号化する。この処理については後述
する。
【0080】正負符号の符号化が終わると、スイッチ8
17,818を端子bに接続し、修正係数データの絶対
値のビットプレーン符号化処理を開始する。
【0081】ビットプレーン走査部809はサブバンド
格納バッファ808に格納される修正係数データW'(s
b,sx,sy)に対するラスタースキャンをDR(sb)×2回繰
り返し行い、最初のスキャンで修正係数データW'(sb,s
x,sy)の絶対値の最上位ビットプレーン(ビットプレー
ン番号0)を構成する2値シンボルB0(x,y)を、次の
スキャンでその次のビットプレーン(ビットプレーン番
号1)を構成する2値シンボルB1(x,y)を、最後のス
キャンで最下位ビットプレーン(ビットプレーン番号n
=DR(sb)×2−1)を構成する2値シンボルBn(x,
y)を生成して出力するといった具合に、上位のビットプ
レーンから下位のビットプレーンへと順番に、各ビット
プレーンを構成する2値シンボルBn(x,y)(nはビッ
トプレーンの番号)を生成・出力する。
【0082】コンテクスト生成部810はサブバンド格
納バッファ808に格納される修正係数値から、W'(s
b,sx,sy)の4つの近傍係数値W'(sb,sx-1,sy),W'(sb,
sx,sy-1),W'(sb,sx,sy+1),W'(sb,sx+1,sy)を取り出
し、ビットプレーン走査部809より出力される各2値
シンボルBn(x,y)を符号化する際のコンテクスト識別
番号(状態識別番号)S4を生成する。コンテクストの
生成は近傍4係数が着目する2値シンボルを符号化する
時点で有意(値が0でない)と判明しているか否かに基
づいて行う。ある修正係数W'(sb,a,b)についての有意
・非有意判断結果をV(W'(sb,a,b))で表すとき、コンテ
クスト識別番号S4は以下の式により求める。
【0083】S4=V(W'(sb,x-1,y))*8+V(W'(sb,x,
y-1))*4+V(W'(sb,x,y+1))*2+V(W'(sb,x+1,y+1)) ここで関数V(W'(sb,a,b)については第1の実施形態で
用いた関数Vを同じであるのでここでは説明は省く。
【0084】MPS判定部811はスイッチ817を介
して2値シンボルBn(x,y)またはBinを、スイッチ
818を介してコンテクスト識別番号S(S3またはS
4)を受け取り、後段の2値シンボル符号化部812に
おけるQM-Coderでの算術符号化処理のための確率テーブ
ルインデックスIndex(S)とBn(x,y)またはBinが優
勢シンボル(MPS)であるかを判定した2値情報deci
sionを出力する。
【0085】図12にMPS判定部811での処理の流
れを示す。MPS判定部811はその内部には、スイッ
チ818を介して入力されるコンテクスト識別番号S毎
に、QM-Coderの確率テーブルインデックスIndex(S)と
そのコンテクストにおける優勢シンボルMPS(S)を記
したテーブルを格納している。図3にこのテーブルの一
例を示し、このテーブルに関する説明は上述の実施形態
で行ったために、ここでは省略する。また、MPS判定
部811の動作は基本的に第1の実施形態におけるMP
S判定部107、および第2の実施形態におけるMPS
判定部607と同様であるので説明を省略する。
【0086】2値シンボル符号化部812はMPS判定
部811から出力されるIndex(S)とdecisionに基づき
算術符号化処理を行う。本実施形態において算術符号は
QM-Coderを使用し、decisionが1ならば指定された確率
テーブルインデックスIndex(S)でMPSの符号化を行
い、decisionが0ならば劣勢シンボル(LPS)の符号
化を行う。QM-Coderによる符号化手順についてはITU-T
Recommendation T.81| ISO/IEC10918-1等に詳細な説明
があるのでここでは省略する。2値シンボル符号化部8
12にはLPS,MPS符号化後のインデックス遷移先
やMPSの意味付けの要・否を記したテーブルが格納さ
れており、このテーブルを参照してインデックス遷移先
Next_IndexとMPS意味付け更新フラグSwitch_MPSを出
力する。
【0087】MPS判定部811は2値シンボル符号化
部812からシンボルの符号化後に返されるNext_Index
とSwitch_MPSを受け取り、着目するコンテクスト番号S
の確率テーブルインデックスIndex(S)とMPS(S)を
更新する。
【0088】符号出力部813には本実施形態における
出力符号が渡される。符号出力部813は、例えば、ハ
ードディスクやメモリといった記憶装置、ネットワーク
回線のインターフェース等である。
【0089】以上の処理により、ROI領域に該当する
ウェーブレット変換係数をビットシフトしてROI領域
を先に符号化・伝送するビットプレーン符号化におい
て、レベルシフトにより発生する符号化性能の低下を抑
制することができる。
【0090】なお、本装置の動作においては各ブロック
の統括的な動作制御が必要となるが、不図示の制御部に
より行われるものとする。また、生成された符号列には
画像のサイズ、ウェーブレット変換のレベル数、サブバ
ンドのレンジDR(sb)など復号に必要な情報が適宜付加
されるものとする。
【0091】[その他の実施形態]上した実施形態では
符号化の際にエントロピー符号化として、QM-Coderを用
いたが、MQ-Coder,CJ-Coderを始めとするQM-Coder以外
の算術符号化を用いても構わない。また、算術符号でな
くとも、ビットプレーンの符号化に適したエントロピ符
号化であればランレングス符号、Golomb符号などを適用
しても良い。更には、必ずしも全てのビットプレーンの
データを符号化しなくても良く、例えば、最下位ビット
についてはエントロピ符号化を適用せず、非圧縮のまま
出力しても良い。また、離散ウェーブレット変換につい
ても上述の実施形態で使用したものに限定されるもので
はなく、フィルタの種類や低周波数サブバンドの分割回
数を変えても構わない。また、上述の実施形態において
は各ビットプレーンを単位として符号化したが、ビット
プレーン内の2値データを幾つかのカテゴリに分けて、
それぞれに異なる方法で符号化しても構わない。
【0092】なお、本発明は複数の機器(例えばホスト
コンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリン
タ等)から構成されるシステムの一部として適用して
も、1つの機器(例えば複写機、ファクシミリ装置、デ
ジタルカメラ等)からなる装置の1部に適用してもよ
い。
【0093】また、本発明は上記実施形態を実現するた
めの装置及び方法のみに限定されるものではなく、上記
システム又は装置内のコンピュータ(CPUあるいはM
PU)に、上記実施形態を実現するためのソフトウエア
のプログラムコードを供給し、このプログラムコードに
従って上記システムあるいは装置のコンピュータが上記
各種デバイスを動作させることにより上記実施形態を実
現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0094】またこの場合、前記ソフトウエアのプログ
ラムコード自体が上記実施形態の機能を実現することに
なり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラム
コードをコンピュータに供給するための手段、具体的に
は上記プログラムコードを格納した記憶媒体は本発明の
範疇に含まれる。
【0095】この様なプログラムコードを格納する記憶
媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディス
ク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、C
D−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、R
OM等を用いることができる。
【0096】また、上記コンピュータが、供給されたプ
ログラムコードのみに従って各種デバイスを制御するこ
とにより、上記実施形態の機能が実現される場合だけで
はなく、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼動
しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは
他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施形態
が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明
の範疇に含まれる。
【0097】更に、この供給されたプログラムコード
が、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接
続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された
後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡
張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の
処理の一部または全部を行い、その処理によって上記実
施形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0098】なお本発明を上述の記憶媒体に適応する場
合、その記憶媒体には、先に説明した(図4、及び/又
は図7、及び/又は図12に示す)フローチャートに対
応するプログラムコードが格納されることになる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
ビットプレーンに対する符号化において、関心領域を優
先的に符号化・伝送する画像符号化方式において、圧縮
性能の低下を抑制する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像符号化装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】符号化対象画像と関心領域とを説明する図であ
る。
【図3】テーブルの一例を示す図である。
【図4】MPS判定部107における処理のフローチャ
ートである。
【図5】関心領域内外のビットプレーンを示す図であ
る。
【図6】本発明の第2の実施形態における画像符号化装
置の構成を示す図である。
【図7】MPS判定部607における処理のフローチャ
ートを示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における画像符号化装
置の構成を示す図である。
【図9】一次元離散ウェーブレット変換を説明する図で
ある。
【図10】サブバンドに分割されたLLサブバンドを示
す図である。
【図11】関心領域指定フラグに対するマスクデータの
例を示す。
【図12】MPS判定部811での処理のフローチャー
トである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1画素が複数ビットで表される多値画像
    データを符号化する画像符号化装置であって、 画像中の関心領域を示す情報と共に多値画素データを入
    力する手段と、 入力した多値画素データにおける注目画素が関心領域に
    ある場合には所定ビット数だけ高位にシフトすること
    で、入力した多値画像データの修正画素データを生成す
    る修正画素生成手段と、 該修正画素生成手段で生成された注目画素位置の近傍の
    複数画素に基づき、注目画素の注目ビット位置のビット
    に対する状態値を生成する状態値生成手段と、 前記修正画素生成手段により生成された画素データの各
    ビット位置で構成されるビットプレーンを生成するビッ
    トプレーン生成手段と、 該ビットプレーン生成手段で生成されたビットプレーン
    からの2値シンボルが前記修正画素生成手段におけるビ
    ットシフトにより追加された2値シンボルか否かを判断
    する追加ビット判定手段と、 前記ビットプレーン生成手段で生成されたビットプレー
    ンからの2値シンボルと、前記状態値生成手段より生成
    された状態値と、前記追加ビット判定手段による判定結
    果に基づき、注目画素に対して優勢シンボルの符号化を
    行うか、劣勢シンボルの符号化を行うかを決定し、当該
    決定内容に従って符号化する符号化手段とを備えること
    を特徴とする画像符号化装置。
  2. 【請求項2】 前記符号化手段では、2値算術符号によ
    る符号化を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像
    符号化装置。
  3. 【請求項3】 前記コンテクスト生成手段は、注目画素
    の近傍画素がそれぞれ有意な状態であるか否かに基づき
    状態値を生成することを特徴とする請求項1又は2に記
    載の画像符号化装置。
  4. 【請求項4】 前記入力手段は、多値画像データを離散
    ウェーブレット変換する変換手段を含むことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像符号化装
    置。
  5. 【請求項5】 前記符号化手段は、ビットプレーンの上
    位ビットから順に符号化することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか1項に記載の画像符号化装置。
  6. 【請求項6】 1画素が複数ビットで表される多値画像
    データを符号化する画像符号化方法であって、 画像中の関心領域を示す情報と共に多値画素データを所
    定の入力手段に入力する工程と、 入力した多値画素データにおける注目画素が関心領域に
    ある場合には所定ビット数だけ高位にシフトすること
    で、入力した多値画像データの修正画素データを生成す
    る修正画素生成工程と、 該修正画素生成工程で生成された注目画素位置の近傍の
    複数画素に基づき、注目画素の注目ビット位置のビット
    に対する状態値を生成する状態値生成工程と、 前記修正画素生成工程により生成された画素データの各
    ビット位置で構成されるビットプレーンを生成するビッ
    トプレーン生成工程と、 該ビットプレーン生成工程で生成されたビットプレーン
    からの2値シンボルが前記修正画素生成工程におけるビ
    ットシフトにより追加された2値シンボルか否かを判断
    する追加ビット判定工程と、 前記ビットプレーン生成工程で生成されたビットプレー
    ンからの2値シンボルと、前記状態値生成工程より生成
    された状態値と、前記追加ビット判定工程による判定結
    果に基づき、注目画素に対して優勢シンボルの符号化を
    行うか、劣勢シンボルの符号化を行うかを決定し、当該
    決定内容に従って符号化する符号化工程とを備えること
    を特徴とする画像符号化方法。
  7. 【請求項7】 1画素が複数ビットで表される多値画像
    データを符号化する画像符号化処理のプログラムコード
    を格納する記憶媒体であって、 画像中の関心領域を示す情報と共に多値画素データを所
    定の入力手段に入力する工程のプログラムコードと、 入力した多値画素データにおける注目画素が関心領域に
    ある場合には所定ビット数だけ高位にシフトすること
    で、入力した多値画像データの修正画素データを生成す
    る修正画素生成工程のプログラムコードと、 該修正画素生成工程で生成された注目画素位置の近傍の
    複数画素に基づき、注目画素の注目ビット位置のビット
    に対する状態値を生成する状態値生成工程のプログラム
    コードと、 前記修正画素生成工程により生成された画素データの各
    ビット位置で構成されるビットプレーンを生成するビッ
    トプレーン生成工程のプログラムコードと、 該ビットプレーン生成工程で生成されたビットプレーン
    からの2値シンボルが前記修正画素生成工程におけるビ
    ットシフトにより追加された2値シンボルか否かを判断
    する追加ビット判定工程のプログラムコードと、 前記ビットプレーン生成工程で生成されたビットプレー
    ンからの2値シンボルと、前記状態値生成工程より生成
    された状態値と、前記追加ビット判定工程による判定結
    果に基づき、注目画素に対して優勢シンボルの符号化を
    行うか、劣勢シンボルの符号化を行うかを決定し、当該
    決定内容に従って符号化する符号化工程のプログラムコ
    ードとを備えることを特徴とする記憶媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009118072A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Ihi Corp 遠隔操作装置及び遠隔操作方法
JP2015018373A (ja) * 2013-07-10 2015-01-29 日本電気株式会社 データ変換装置、データ変換回路及びデータ変換方法
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