JP2002077053A - 波長分散補償方式 - Google Patents

波長分散補償方式

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JP2002077053A
JP2002077053A JP2000269231A JP2000269231A JP2002077053A JP 2002077053 A JP2002077053 A JP 2002077053A JP 2000269231 A JP2000269231 A JP 2000269231A JP 2000269231 A JP2000269231 A JP 2000269231A JP 2002077053 A JP2002077053 A JP 2002077053A
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Tomoo Takahara
智夫 高原
Hiromi Ooi
寛己 大井
Joji Ishikawa
丈二 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ伝送路における波長分散による伝
送波形劣化を改善する波長分散補償方式に関し、波長分
散補償後の残留波長分散の0値を正確に検出して波長分
散の補償を行なう波長分散補償方式を提供する。 【解決手段】 受信光信号を電気変換して得られる伝送
データの特定の周波数成分の強度をモニタして波長分散
可変素子の波長分散値を制御し、該受信光信号が光ファ
イバ伝送路中で受けた波長分散を補償する波長分散補償
方式において、伝送データの特定の周波数成分の強度が
最大値になる波長分散値と伝送データの波形が最適にな
る波長分散値との差に等しい波長分散を有する波長分散
付加素子を、伝送データの特定の周波数成分の強度をモ
ニタする側又は伝送データを出力する側のいずれかに挿
入して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ伝送路
における波長分散による伝送波形劣化を改善する波長分
散補償方式に係り、伝送データの波形が最適になる波長
分散値を正確に検出することが可能な波長分散補償方式
に関する。
【0002】光ファイバを伝送路に適用し、連続発振光
信号を伝送データの符号によって強度変調して通信を行
なう方式の光通信システムが実用化されてから久しく、
該光通信システムの実用化当初は伝送データの速度が
1.5メガ・ビット/秒(Mb/s:M=106 )であ
ったものが、最近では10ギガ・ビット/秒(Gb/
s:G=109 )にまで達している。
【0003】そして、インターネット等のマルチメディ
ア伝送の需要伸長によるネットワーク利用量の急激な増
加に伴い、複数の波長の光信号の各々を異なる伝送デー
タによって強度変調して1芯の光ファイバ伝送路を利用
して多重伝送する光波長多重伝送方式(WDM:Wavele
ngth Division Multiplex )が実用化され、1波長当た
りのデータ伝送速度が10Gb/sに迄達しており、
又、1芯の光ファイバ伝送路上に多重化される波長の数
も100のオーダーに達している。
【0004】しかし、将来のネットワーク利用量の増加
を予測する時、1波長当たりのデータ伝送速度が10G
b/sで波長多重数が100オーダーの波長多重伝送方
式による光通信システムにおいても伝送容量が不足する
ことは必至で、1波長当たりのデータ伝送速度を40G
b/s程度以上に高速化する必要性が高くなっている。
【0005】さて、光ファイバ伝送路を使用した通信シ
ステムは、電気雑音に対する耐力が大きいという最大の
特徴に加えて、伝送特性の観点からは 伝送損失が低く、長距離伝送が可能である。
【0006】 所謂比帯域が極めて狭いこともあいま
って、電気通信でいう群遅延歪、即ち波長分散が小さ
く、波形劣化が少ない。という特徴を持っており、デー
タ伝送速度が10Gb/s程度までは実質上伝送特性に
は問題はなかった。
【0007】しかし、データ伝送速度が40Gb/s程
度以上に達すると、波長分散に対する波形伝送上の許容
値が著しく小さくなり、例えばデータ伝送速度40Gb
/sのNRZ(Non Return to Zero)方式における波長
分散の許容値は100ピコ秒/ナノ・メートル(ps/
nm:p=10-12 、n=10-9)以下となる。
【0008】従って、光通信システムにおけるデータ伝
送速度の一層の高速化のためには、十分な波長分散の補
償技術が必須となる。
【0009】
【従来の技術】波長分散の補償方式で最も基本的な方式
は、光ファイバ伝送路で生ずる波長分散と絶対値が等し
く符号が異なる波長分散特性を呈する光ファイバによっ
て、光ファイバ伝送路で生ずる波長分散を補償するもの
である。例えば、正の波長分散特性を有するシングル・
モード・ファイバ(SMF:Single Mode Fiber)の波長
分散を補償するには、負の波長分散特性を有する波長分
散補償ファイバ(DCF:Dispersion Compensated Fib
er)を用いて、双方の光ファイバの波長分散値の絶対値
が等しくなるように波長分散補償ファイバの長さを決定
して、双方の光ファイバをタンデムに接続することによ
って波長分散を補償することができる。このようにして
波長分散の補償を行なう方式を、固定波長分散補償方式
と呼ぶことが多い。
【0010】しかし、光通信において波長分散の影響が
問題にされていなかった時代に敷設されて現在も運用さ
れている光ファイバ伝送路については、中継スパン(送
信機と受信機間の距離、送信機と中継器間の距離、中継
器と受信機間の距離)及び使用している光ファイバの波
長分散値が正確に把握されていないことが多い。
【0011】例えば、波長1.3ミクロンにおいて波長
分散値が0となり、17ps/nm/kmの波長分散値
を持つシングル・モード・ファイバを光ファイバ伝送路
に使用した場合、スパンに約6kmの誤差があれば波長
分散は17×6=102ps/nmとなり、波長分散の
許容範囲を超える。
【0012】更に、波長分散値は光ファイバの温度や、
光ファイバにかかる応力によっても変化する。このう
ち、光ファイバの温度変動による波長分散値の変動は、
波長分散値が0となる波長(零分散波長)の温度係数、
光ファイバ伝送路の温度変動、光ファイバ伝送路の波長
分散スロープ、光ファイバ伝送路の長さの積で与えられ
る。
【0013】例えば、光ファイバとして分散シフト・フ
ァイバ(DSF:Dispersion ShiftFiber)を使用するも
のとすれば零分散波長の温度係数は0.03(nm/
℃)、光ファイバ伝送路の波長分散スロープは0.07
ps/nm2 /kmであり、光ファイバ伝送路の敷設条
件を空間懸架とすれば光ファイバ伝送路の温度変動は1
00℃を想定する必要があるので、光ファイバ伝送路の
長さを500kmと想定すれば、光ファイバ伝送路の温
度変動による波長分散値の変動は105ps/nmとな
り、データ伝送速度40Gb/sのNRZ方式における
波長分散の許容値を超える。
【0014】従って、光ファイバ伝送路長の誤差及び光
ファイバの波長分散の温度特性によって、固定波長分散
補償方式の適用には自ずから限界が生ずる。
【0015】固定波長分散補償方式における上記問題点
を解決するには、光ファイバ伝送路の波長分散値又は波
長分散補償後の残留波長分散値を常時測定し、測定値に
よって波長分散可変素子の波長分散値を所望の波長分散
値に制御するという、波長分散モニタ型の波長分散補償
方式が適している。
【0016】光ファイバ伝送路の波長分散値の測定方法
としては、従来より、光パルスや複数の波長の光を光フ
ァイバ伝送路に入力し、出力光に含まれる複数の波長の
光の間の遅延時間差や位相差を測定するパルス法や位相
法が提案されている。
【0017】しかし、これらの測定法を用いて、光通信
システムの運用中に通信品質に影響を与えることなく常
時波長分散の測定を行なうためには、 各伝送区間毎に1組の波長分散測定器を準備する。
【0018】 伝送データによって強度変調する光信
号とは異なる波長の光信号を波長多重する。という必要
性が生ずる。このため、光通信システムを構成する装置
規模が大きくなり、光通信システムの経済性に問題が生
ずる。
【0019】ここで、波長分散モニタ型の波長分散補償
方式の上記問題点を解決するものとして報告されている
波長分散モニタ型波長分散補償方式について説明する。
【0020】図16は従来の波長分散モニタ型波長分散
補償方式の構成である。
【0021】図16において、1は、伝送データによっ
て強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、
2は、受信光信号が受けている波長分散を補償するため
の波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力
光を分岐する分波器、5は、分波器3が分岐した一部光
信号を電気信号に変換する光・電気変換回路(図では光
の略語Oと電気の略語Eを用いて「O/E」と標記して
いる。以降も、図においては同様に標記する。)、6
は、光・電気変換回路5が出力する電気信号(これは、
とりもなおさず伝送データである。)の特定の周波数成
分を通過させる帯域通過フィルタ(図ではBand Pass Fi
lterの頭文字による略語によって「BPF」と標記して
いる。以降も、図においては同様に標記する。)、7
は、帯域通過フィルタ6の出力信号のレベルを測定する
パワー・センサ(図では「パワー・センサ」の「・」を
省略して標記している。以降も、図では同様に標記す
る。)、8は、パワー・センサ7が出力するアナログ信
号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回
路(図ではAnalogのAとDegital のDを用いた略語によ
って「A/D」と標記している。以降も、図では同様に
標記する。)、9は、アナログ・デジタル変換回路8の
出力を用いて波長分散可変素子の波長分散値を制御する
制御回路である。
【0022】ここで、波長分散可変素子2としては、コ
アに回折格子を形成された光ファイバ・グレイティング
やVIPA(Virtually Imaged Phased Array)を使用す
ることができ、前者の場合には光ファイバに印加する温
度や応力の制御によって、後者の場合にはVIPAを構
成するVIPA板と反射鏡間の距離の制御によって波長
分散値を可変にすることができる。
【0023】又、帯域通過フィルタ6の通過周波数は、
伝送データの速度を示すクロックの基本周波数に設定さ
れる。例えば、伝送データの速度が40Gb/sの場合
には、通過周波数は40ギガ・ヘルツ(GHz)であ
る。
【0024】更に、アナログ・デジタル変換回路8を使
用するのは、制御回路として中央制御ユニット(CP
U)を適用するデジタル型の制御回路を適用することを
想定しているためであるが、アナログ値で負帰還をかけ
るアナログ型の制御回路を適用することも可能で、アナ
ログ型の制御回路を適用する場合にはアナログ・デジタ
ル変換回路8は不要になる。
【0025】尚、分波器3は、波長分散可変素子の出力
光のパワーの大部分を波長分散補償後の光信号として後
段の主信号系の回路に供給し、波長分散可変素子の出力
光のパワーの一部を光・電気変換回路5に供給する。
【0026】図17は、図16の構成における残留波長
分散値と抽出特定周波数成分の強度の関係(その1)、
図18は、図16の構成における残留波長分散値と抽出
特定周波数成分の強度の関係(その2)で、アイ開口ペ
ナルティも併せて図示している。
【0027】尚、いずれも図16のアナログ・デジタル
変換回路8と制御回路9との間を切り離した状態で波長
分散可変素子2の波長分散値を制御することを想定して
シミュレーションによって求めたもので、伝送データの
特定周波数成分の強度はパワー・センサ7の出力点で求
めればよく、アイ開口ペナルティは分波器3の後段の主
信号系側で求めればよい。
【0028】そして、伝送データの特定周波数成分の強
度をパワー・センサ7の出力点で求めればよいという意
味で、本明細書においては、図16の構成における分波
器3の一方の出力からアナログ・デジタル変換回路8迄
によって構成される部分を波長分散モニタ部と呼ぶこと
がある。
【0029】ここで、図17は、伝送データの速度が4
0Gb/sで符号形式がNRZ、光ファイバ伝送路に使
用する光ファイバが分散シフト・ファイバ、チャーピン
グ・パラメタαが−0.7(以降は、「αパラメタ」と
略記する。)、光伝送路の伝送距離が100km、送信
光信号のパワーが0dBm(dBmは、1mWを基準に
したパワーを底10で対数化して、10を乗じたパワー
の単位である。今の場合、0dBmであるから送信パワ
ーは1mWである。)の場合を示し、図18は、伝送デ
ータの速度が40Gb/sで符号形式がNRZ、光ファ
イバ伝送路に使用する光ファイバがシングル・モード・
ファイバ、αパラメタが+0.7、伝送距離が100k
m、送信光信号のパワーが5dBmの場合を示し、いず
れの図においても、図中実線が40GHz成分の強度
(図においては、英語で「40GHz Intensity 」と標記し
ている。以降も、図では同様に標記する。)、破線がア
イ開口ペナルティ(図では、英語で「Eye Opening Pena
lty 」と標記している。以降も、図では同様に標記す
る。)である。
【0030】そして、いずれの図においても、横軸は残
留波長分散値(図においては、英語で「Residual Dispe
rsion 」を標記している。以降も、図では同様に標記す
る。)で、単位はps/nmである。縦軸は、左側が4
0GHz成分の強度、右側がアイ開口ペナルティで、単
位は、前者は任意単位(図では、「arb.unit」と標記し
ている。以降も、図では同様に標記する。)、後者はd
Bである。尚、以降において参照する同様な図における
表示内容、縦軸及び横軸は全て上記と同様である。
【0031】ここで、図17及び図18から、アイ開口
ペナルティが残留波長分散値によって変化し、残留波長
分散値が0の時にアイ開口ペナルティがほぼ0dBにな
ることが判る。これは、基本的には残留波長分散値が0
の時に波形劣化が最少になるべきことを明瞭に表わして
いる。
【0032】同時に、残留波長分散値によって40GH
z成分の強度が変化し、残留波長分散値が0の時に40
GHz成分の強度が0になることが判る。これは重要な
ことで、40GHz成分の強度によって残留波長分散値
の0点を検出して波長分散可変素子の波長分散値を制御
すれば、光ファイバ伝送路における波長分散を補償でき
ることを示している。
【0033】しかも、40GHz成分の強度さえ判れば
光ファイバ伝送路における波長分散を補償できるので、
波長分散補償方式の構成が簡易でよいという大きな利点
がある。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図17及び図
18に共通に、40GHz成分の強度はリップルをうっ
ており、40GHz成分の強度は残留波長分散値が0で
ない点でも多数の点で0になると共に、多数の点で極大
値となることが判る。
【0035】又、図17の場合には、残留波長分散値が
0から−50ps/nmの範囲で40GHz成分の強度
が殆ど変化せず、図18の場合には、残留波長分散値が
0から+50ps/nmの範囲で40GHz成分の強度
が殆ど変化せず、40GHz成分の強度の0点を判別す
ることが困難であることが判る。
【0036】従って、単純に40GHz成分の強度が0
になる点を検出して残留波長分散値が0の点であると判
断することは危険である。
【0037】さて、αパラメタは光通信システムの特性
を左右する重要なファクタで、例えば、αパラメタの符
号によって伝送波形の半値幅が変化する方向が逆にな
る。従って、αパラメタの符号によって光受信機におけ
る調整が異なることがあるので、αパラメタの符号の識
別が重要である。
【0038】本発明は、かかる問題点に鑑み、伝送デー
タの波形が最適になる波長分散値を正確に検出して波長
分散の補償を正確に行なう波長分散補償方式を提供する
ことを第一の目的とし、αパラメタの符号情報を利用し
たり、αパラメタの符号を自動判別して波長分散の補償
を正確に行なう波長分散補償方式を提供することを第二
の目的とし、αパラメタの符号を自動判別した結果に整
合する波長分散付加素子を挿入する波長分散補償方式を
提供することを第三の目的とし、更に、残留波長分散の
0値以外を検出して波長分散の補償を正確に行なう波長
分散補償方式を提供し、波長分散補償方式の技術範囲を
拡げることを第四の目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、受信光信
号を電気変換して得られる伝送データの特定の周波数成
分の強度をモニタして波長分散可変素子の波長分散値を
制御し、該受信光信号が光ファイバ伝送路中で受けた波
長分散を補償する波長分散補償方式において、伝送デー
タの特定の周波数成分の強度が最大値になる波長分散値
と伝送データの波形が最適になる波長分散値との差に等
しい波長分散を有する波長分散付加素子を、伝送データ
の特定の周波数成分の強度をモニタする側又は伝送デー
タを出力する側のいずれかに挿入する波長分散補償方式
の技術である。
【0040】伝送データの波形が最適になる波長分散値
は伝送データの特定周波数成分の強度が継続的に小さい
範囲にあって正確な検出が困難であるのに対して、伝送
データの特定周波数成分の強度が最大値となる波長分散
値は検出が容易である。その上、伝送データの特定周波
数成分の強度が最大値となる波長分散値と伝送データの
波形が最適になる波長分散値との差は容易に知ることが
できる。従って、第一の発明によれば、検出が容易な伝
送データの特定周波数成分の最大値を検出して、当該最
大値となる波長分散値を基準として波長分散の補償を行
なえばよく、正確に波長分散を補償することができる。
【0041】第二の発明は、第一の発明の波長分散補償
方式において、αパラメタの符号情報を与え、モニタし
て得られた伝送データの特定の周波数成分の強度の波長
分散値に対するフィギュアとを比較して波長分散の補償
を行なう波長分散補償方式の技術である。
【0042】伝送データの特定の周波数成分の強度の波
長分散値に対するフィギュアは、αパラメタの符号と一
義的な関係にある。従って、第二の発明によれば、伝送
データの特定の周波数成分の強度が最大値となる波長分
散値を正確に検出することができる。
【0043】第三の発明は、第一の発明の波長分散補償
方式において、光通信システムの初期設定時に波長分散
可変素子に与える波長分散値の制御量をスイープして伝
送データの特定の周波数成分の強度の波長分散値に対す
るフィギュアを求め、該フィギュアによってαパラメタ
の符号を判別する機能を付加された波長分散補償方式の
技術である。
【0044】波長分散可変素子の波長分散値をスイープ
して伝送データの特定の周波数成分の強度の波長分散値
に対するフィギュアは、αパラメタの符号と一義的な関
係にある。従って、第三の発明によれば、得られたフィ
ギュアによってαパラメタの符号を判別することがで
き、判別したαパラメタの符号を利用して伝送データの
特定の周波数成分の強度が最大値となる波長分散値を正
確に検出することができる。
【0045】第四の発明は、第三の発明によって得られ
たαパラメタの符号によって、伝送データの特定の周波
数成分の強度が最大値になる波長分散値と伝送データの
波形が最適になる波長分散値との差に等しい波長分散を
有する波長分散付加素子の挿入箇所又は該波長分散付加
素子の波長分散値の符号のいずれかを決定する波長分散
補償方式の技術である。
【0046】第四の発明によれば、光ファイバ伝送路に
使用されている光ファイバの種類を予め知らない場合に
も、所望の波長分散値を有する波長分散付加素子を光フ
ァイバの種類に整合させて挿入することが可能になる。
【0047】第五の発明は、受信光信号を電気変換して
得られる伝送データの特定の周波数成分の強度をモニタ
して波長分散可変素子の波長分散値を制御し、該受信光
信号が光ファイバ伝送路中で受けた波長分散を補償する
波長分散補償方式において、伝送データの特定の周波数
成分の強度を、伝送データの強度によって正規化する構
成を備える波長分散補償方式の技術である。
【0048】伝送データの特定の周波数成分の強度は変
動要因の変動によって変化するが、伝送データの強度が
変動要因の変動に伴って変化する率と等しいので、正規
化することによって変動要因の変動の影響を相殺するこ
とができる。従って、第五の発明によれば、伝送データ
の特定の周波数成分の強度の最大値を含むピークの傾斜
部分の波長分散値を基準にして波長分散の補償を行なう
ことが可能になる。傾斜部分では伝送データの特定の周
波数成分の強度の変化率が大きいので、波長分散の補償
を更に正確に行なうことができる。
【0049】
【発明の実施の形態】以降、発明の実施の形態を表わす
構成図及び発明の実施の形態毎の動作を示す図を参照し
て本発明の技術を具体的に説明するが、その前に、種々
の光ファイバについて残留波長分散値に対する伝送デー
タの特定の周波数成分の強度及びアイ開口ペナルティを
示し、それらの間には特有の関係があることを示す。
【0050】図19乃至図21は、分散シフトファイバ
の、残留波長分散値に対する伝送データの特定の周波数
成分の強度及びアイ開口ペナルティで、αパラメタ−
0.7、伝送距離100kmで伝送速度40Gb/sの
NRZ符号伝送を行なう時の特定の周波数成分の強度及
びアイ開口ペナルティで、図19は送信パワーが0dB
mの場合、図20は送信パワーが5dBmの場合、図2
1は送信パワーが10dBmの場合である。
【0051】又、図22乃至図24は、ノン・ゼロ分散
シフト・ファイバの、残留波長分散値に対する伝送デー
タの特定の周波数成分の強度及びアイ開口ペナルティ
で、αパラメタ−0.7、伝送距離100kmで伝送速
度40Gb/sのNRZ符号伝送を行なう時の特定の周
波数成分の強度及びアイ開口ペナルティで、図22は送
信パワーが0dBmの場合、図23は送信パワーが5d
Bmの場合、図24は送信パワーが10dBmの場合で
ある。
【0052】更に、図25乃至図27は、シングル・モ
ード・ファイバの、残留波長分散値に対する伝送データ
の特定の周波数成分の強度及びアイ開口ペナルティで、
αパラメタ+0.7、伝送距離100kmで伝送速度4
0Gb/sのNRZ符号伝送を行なう時の特定の周波数
成分の強度及びアイ開口ペナルティで、図25は送信パ
ワーが0dBmの場合、図26は送信パワーが5dBm
の場合、図27は送信パワーが10dBmの場合であ
る。
【0053】尚、いずれも伝送速度は40Gb/sであ
るので、伝送データの特定の周波数成分として抽出され
るのは40GHzである。
【0054】図19乃至図24を見ると、光ファイバの
種類と送信パワーが違っても、40GHz成分の強度は
かなり一致していることが判る。一方、アイ開口ペナル
ティは光ファイバの性質及び送信パワーによって異なる
特性であることが判る。
【0055】これを更に詳しく見ると、 40GHz成分の強度は、光ファイバと送信パワー
が違っても、残留波長分散値がほぼ40ps/nm付近
で最大値となる。
【0056】 光ファイバの種類と送信パワーが違っ
ても、40GHz成分の強度は、残留波長分散値が0か
ら−50ps/nmの範囲で他の範囲より変化が少な
く、特に、送信パワーが5dBm程度までは残留波長分
散値が0から−50ps/nmの範囲で殆ど変化せず、
残留波長分散値が0の時にほぼ0となる。
【0057】 送信パワーが5dBm程度までは、残
留波長分散値が0ps/nm付近でアイ開口ペナルティ
が0dBとなるが、送信パワーが10dBm程度になる
とアイ開口ペナルティの最適点は残留波長分散値の0か
らずれる。ことが判る。
【0058】又、図25乃至図27を見ると、この場合
にも、送信パワーが違っても、40GHz成分の強度は
かなり一致していることが判る。一方、アイ開口ペナル
ティは光ファイバ及び送信パワーによって異なる特性で
あることが判る。
【0059】これを更に詳しく見ると、 40GHz成分の強度は、送信パワーが違っても、
残留波長分散値がほぼ−40ps/nm付近で最大値と
なる。
【0060】 送信パワーが違っても、40GHz成
分の強度は、残留波長分散値が0から+50ps/nm
の範囲で殆ど変化せず、残留波長分散値が0の時にほぼ
0となる。
【0061】これらを総合すると、次の結論を得る。
【0062】(1) αパラメタが負の時には、40GHz
成分の強度は残留波長分散値が約40ps/nmの時に
最大値となり、該最大値を含むピークの左側(残留波長
分散値が小さい側)に40GHz成分の強度が連続的に
小さい範囲があり、αパラメタが正の時には、40GH
z成分の強度は残留波長分散値が約−40ps/nmの
時に最大値となり、該最大値を含むピークの右側(残留
波長分散値が大きい側)に40GHz成分の強度が連続
的に小さい範囲がある。しかも、送信パワーが比較的低
い場合には、残留波長分散値が0になる点でアイ開口ペ
ナルティが0dBになる。
【0063】上記事項は、アイ開口ペナルティの0dB
点を検出するのに基本的には残留波長分散値の0値を検
出すればよく、このためには、40GHz成分の強度が
最大値となる残留波長分散値を検出してαパラメタの正
負に応じて40GHz成分の強度が最大値となる残留波
長分散値の左右に所定の波長分散値だけシフトすればよ
いことを示唆している。
【0064】上記のシミュレーション結果に準拠する
と、40GHz成分の強度が最大値となる残留波長分散
値を検出し、αパラメタの正負に応じて40GHz成分
の強度が最大値となる残留波長分散値の左右に40ps
/nmシフトすればよい。
【0065】上記の如く、アイ開口ペナルティの最適点
の検出を40GHz成分の強度の検出によって替え得る
ことは極めて重要なことである。
【0066】(2) 送信パワーが高い時には、残留波長分
散値の0値とアイ開口ペナルティが最適になる残留波長
分散値は必ずしも一致しなくなる傾向が見られることが
あるが、アイ開口ペナルティが最適になる残留波長分散
値を求めておけば、アイ開口ペナルティの最適点を検出
するのに40GHz成分の強度が最大値となる残留波長
分散値を検出して、αパラメタの正負に応じて40GH
z成分の強度が最大値となる残留波長分散値の左右に、
アイ開口ペナルティが最適になる残留波長分散値で補正
してシフトすればよいことを示唆している。
【0067】上記のシミュレーション結果に準拠する
と、アイ開口ペナルティが0dBになる残留波長分散値
をaとすれば、40GHz成分の強度が最大値となる残
留波長分散値を検出してαパラメタの正負に応じて40
GHz成分の強度が最大値となる残留波長分散値の左右
に(40−a)ps/nmシフトすればよい。
【0068】いずれにしても、40GHz成分が最大値
となる残留波長分散値を基準にして、αパラメタの正負
に応じて40GHZ成分が最大値となる残留波長分散値
の左右に所望の残留波長分散値だけシフトすれば、波長
分散を補償しながら伝送波形を最適波形にすることがで
きる。
【0069】そして、一般的には、伝送データの特定の
周波数成分が最大値となる残留波長分散値を基準にし
て、αパラメタの正負に応じて伝送データの特定の周波
数成分が最大値となる残留波長分散値の左右に所望の残
留波長分散値だけずらせば、波長分散を補償しながら伝
送波形を最適波形にすることができるということがいえ
る。
【0070】図1は、第一の発明の波長分散補償方式の
構成(その1)である。
【0071】図1において、1は、伝送データによって
強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、2
は、受信光信号が受けている波長分散を補償するための
波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力光
を分岐する分波器、4は、分波器3が分岐した光信号に
対して所望の波長分散値を与える波長分散付加素子、5
は、波長分散付加素子4の出力を電気信号に変換する光
・電気変換回路、6は、光・電気変換回路5が出力する
伝送データの特定の周波数成分を通過させる帯域通過フ
ィルタ、7は、帯域通過フィルタ6の出力信号のレベル
を測定するパワー・センサ、8は、パワー・センサ7の
出力をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換
回路、9は、アナログ・デジタル変換回路8の出力を用
いて波長分散可変素子2の波長分散値を制御する制御回
路である。
【0072】尚、波長分散可変素子2として使用できる
素子と波長分散の制御手段、帯域通過フィルタ6の通過
周波数の設定、制御回路の形式とアナログ・デジタル変
換回路の要否、分波器3における分岐比については、図
16の従来の波長分散補償方式と同様である。
【0073】ここで、図1の構成の特徴は、図16の構
成の波長分散モニタ部に波長分散付加素子4を挿入し、
分波器3が分岐した光信号に対して所望の波長分散値を
与え、伝送データの特定の周波数成分が最大値となる波
長分散値を基準に波長分散可変素子の波長分散値を制御
して、伝送データの波形の最適値に制御する点にある。
【0074】具体的には、図19、図20及び図22、
図23に示したように、αパラメタが負で、送信パワー
が比較的低い場合には、伝送データの特定の周波数成分
(上記の例の場合には40GHz成分)が最大値となる
残留波長分散値は約+40ps/nmであるので、波長
分散付加素子4の波長分散値を約+40ps/nmに設
定すれば、40GHz成分が最大値となる残留波長分散
値がアイ開口ペナルティが0dBになる点(最適点)に
一致するので、40GHz成分が最大値を検出して制御
回路9によって波長分散可変素子2の波長分散値を制御
することによって、波長分散を補償しながら伝送波形を
最適波形にすることができる。
【0075】又、図21及び図24に示したように、α
パラメタが負で、送信パワーが比較的高い場合には、ア
イ開口ペナルティの最適点が残留波長分散値の正側にシ
フトするので、このシフト量をaとする時、波長分散付
加素子4の波長分散値を約(40−a)ps/nmに設
定すれば、40GHz成分が最大値となる残留波長分散
値がアイ開口ペナルティの最適点に一致するので、やは
り、40GHz成分の最大値を検出して制御回路9によ
って波長分散可変素子2の波長分散値を制御することに
よって、波長分散を補償しながら伝送波形を最適波形に
することができる。
【0076】一方、図25乃至図27に示したように、
αパラメタが正の場合には、伝送データの40GHz成
分が最大値となる残留波長分散値は約−40ps/nm
であるので、波長分散付加素子4の波長分散値を約−4
0ps/nmに設定すれば、40GHz成分が最大値と
なる残留波長分散値がアイ開口ペナルティの最適点に一
致するので、40GHz成分が最大値を検出して制御回
路9によって波長分散可変素子2の波長分散値を制御す
ることによって、波長分散を補償しながら伝送波形を最
適波形にすることができる。
【0077】さて、上記では伝送データの40GHz成
分の最大値を検出して、それを基準にアイ開口ペナルテ
ィの最適点を検出する技術のみに着目して記載している
が、40GHz成分の最大値を含むピークの傾斜部の特
定の値を基準にしてアイ開口ペナルティの最適点を検出
する技術も可能である。
【0078】これを行なうには他の技術も併用すること
が望ましいので、詳細には第五の発明の説明において改
めて説明する。尚、40GHz成分の最大値を含むピー
クの傾斜部の特定の値を基準にしてアイ開口ペナルティ
の最適点を検出する技術は以降に説明する発明にも適用
可能なことは容易に理解できる。
【0079】図2は、第一の発明の波長分散補償方式の
構成(その2)である。
【0080】図2において、1は、伝送データによって
強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、2
は、受信光信号が受けている波長分散を補償するための
波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力光
を分岐する分波器、4aは、分波器3が分岐した光信号
に対して所望の波長分散値を与える波長分散付加素子、
5は、分波器3が分岐した一部光信号を電気信号に変換
する光・電気変換回路、6は、光・電気変換回路5が出
力する伝送データの特定の周波数成分を通過させる帯域
通過フィルタ、7は、帯域通過フィルタ6の出力信号の
レベルを測定するパワー・センサ、8は、パワー・セン
サ7の出力をデジタル信号に変換するアナログ・デジタ
ル変換回路、9は、アナログ・デジタル変換回路8の出
力を用いて波長分散可変素子2の波長分散値を制御する
制御回路である。
【0081】尚、波長分散可変素子2として使用できる
素子と波長分散の制御手段、帯域通過フィルタ6の通過
周波数の設定、制御回路の形式とアナログ・デジタル変
換回路の要否、分波器3における分岐比については、既
に行なった説明と同様である。
【0082】ここで、図2の構成の特徴は、図16の構
成の分波器3の出力側に波長分散付加素子4aを挿入し
て、分波器3が分岐した光信号に対して所望の波長分散
値を与えることによって伝送データの波形の最適点に制
御できる点にある。
【0083】そして、図2の構成の場合には、波長分散
付加素子4aに設定する波長分散値は、図1の構成の場
合と絶対値が同じで符号が異なる波長分散値にすればよ
い。これによって、図1の構成と同様に、40GHz成
分の最大値を検出して制御回路9によって波長分散可変
素子2の波長分散値を制御することによって、波長分散
を補償しながら伝送波形を最適波形にすることができ
る。
【0084】図3は、第二の発明の波長分散補償方式の
構成である。
【0085】図3において、1は、伝送データによって
強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、2
は、受信光信号が受けている波長分散を補償するための
波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力光
を分岐する分波器、4は、分波器3が分岐した光信号に
対して所望の波長分散値を与える波長分散付加素子、5
は、波長分散付加素子4の出力を電気信号に変換する光
・電気変換回路、6は、光・電気変換回路5が出力する
伝送データの特定の周波数成分を通過させる帯域通過フ
ィルタ、7は、帯域通過フィルタ6の出力信号のレベル
を測定するパワー・センサ、8は、パワー・センサ7の
出力をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換
回路、9aは、アナログ・デジタル変換回路8の出力と
共に外部から与えられるαパラメタの符号情報を用いて
波長分散可変素子2の波長分散値を制御する制御回路で
ある。
【0086】尚、波長分散可変素子2として使用できる
素子と波長分散の制御手段、帯域通過フィルタ6の通過
周波数の設定、制御回路の形式とアナログ・デジタル変
換回路の要否、分波器3における分岐比については、既
に説明した通りである。
【0087】ここで、図3の構成の特徴は、図1の構成
における制御回路に対してαパラメタの符号情報を与え
て、伝送データの特定周波数成分の最大値の誤検出を防
止すると共に、伝送データの特定周波数成分の最大値の
検出時間を短縮する点にある。
【0088】図4は、αパラメタの違いによる伝送デー
タの特定周波数成分の違いを示す図である。これは、既
出の図に新たな符号を記入してαパラメタの違いによる
伝送データの特定周波数成分の違いを判り易くしたもの
で、図4(イ)は、正のαパラメタでシングル・モード
・ファイバを使用する場合、図4(ロ)は、負のαパラ
メタでノン・ゼロ分散シフト・ファイバを使用する場合
である。尚、図4の場合には伝送データの特定周波数成
分は40GHz成分である。
【0089】図4(イ)から明らかなように、αパラメ
タが正の時には、40GHz成分は約−40ps/nm
で最大値となり、該最大値を含むピークの右側(波
長分散値が大きい側)に40GHz成分の強度が連続的
にほぼ0になる範囲が存在する。
【0090】一方、図4(ロ)から明らかなように、α
パラメタが負の時には、40GHz成分は約+40ps
/nmで最大値となり、該最大値を含むピークの左
側(波長分散値が小さい側)に40GHz成分の強度が
連続的にほぼ0になる範囲が存在する。
【0091】図5は、上記事実を利用した、伝送データ
の特定周波数成分の最大値の誤検出を防止するための考
え方を示す図で、αパラメタ−0.7でノン・ゼロ分散
シフト・ファイバを使用した100kmの光ファイバ伝
送路で40Gb/sのNRZ符号伝送を送信パワー5d
Bmで行なう場合の40GHz成分の強度を例に示して
いる。尚、図5は、図1の構成における残留波長分散値
と40GHz成分の強度の関係を示しており、図4は、
図16の構成における残留波長分散値と40GHz成分
の強度の関係を示しているので注意されたい。
【0092】αパラメタが負であるので、40GHz成
分の強度が連続的にほぼ0である範囲の右端から約+
40ps/nmの位置で40GHz成分の強度が最大値
となる。
【0093】ところで、40GHz成分が最大値以外の
極大値となる残留波長分散値は多数あり、極大値もそ
の1つである。しかし、極大値は40GHz成分の強
度がほぼ0である範囲の左側(残留波長分散値が小さ
い側)にあり、最大値とほぼ0である範囲との関係
とは違う。又、符号を付してない他の極大値について
は、その近傍にほぼ0である範囲が存在しない。
【0094】即ち、光受信機の初期設定時に波長分散可
変素子に与える制御量をスイープして得られる40GH
z成分の強度特性の形状によって40GHz成分のフィ
ギュアを認識することができるので、この結果と制御回
路9に与えられたαパラメタ情報と比較することによ
り、40GHz成分の最大値を誤検出することを防止す
ることができる。
【0095】又、上記事実を利用することによって、4
0GHz成分の最大値を検出するためのスイープ範囲を
狭めることができる。即ち、残留波長分散値が負の側か
らスイープを開始する場合、αパラメタが正の場合には
40GHz成分が極大値となった後にほぼ0である範囲
を検出したらスイープを終了してよく、αパラメタが負
の場合には40GHz成分が連続的にほぼ0になった後
に極大値(これが最大値である。)を検出したらスイー
プを終了してよいからである。
【0096】又、残留波長分散値が正の側からスイープ
を開始する場合にも、40GHz成分がほぼ0である範
囲とそれに連なる極大値(これが最大値である。)の検
出順序が上記とは逆になるが、40GHz成分の最大値
を検出するためのスイープ範囲を狭めることができるこ
とは全く同じである。
【0097】さて、図3の構成は、図1の構成において
制御回路にαパラメタ情報を与えるものであるが、図2
の構成において制御回路にαパラメタ情報を与えること
も可能である。ただ、この場合には、分波器の主信号出
力側に挿入する波長分散付加素子の波長分散値は図3の
構成の場合と絶対値が同じで符号が異なる波長分散値と
する必要がある。
【0098】図6は、第三の発明の波長分散補償方式の
構成である。
【0099】図6において、1は、伝送データによって
強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、2
は、受信光信号が受けている波長分散を補償するための
波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力光
を分岐する分波器、4は、分波器3が分岐した光信号に
対して所望の波長分散値を与える波長分散付加素子、5
は、波長分散付加素子4の出力を電気信号に変換する光
・電気変換回路、6は、光・電気変換回路5が出力する
伝送データの特定の周波数成分を通過させる帯域通過フ
ィルタ、7は、帯域通過フィルタ6の出力信号のレベル
を測定するパワー・センサ、8は、パワー・センサ7の
出力をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換
回路、9bは、アナログ・デジタル変換回路8の出力を
用いて波長分散可変素子2の波長分散値を制御すると共
にアクファパラメタの符号を自動判別する制御回路であ
る。
【0100】尚、波長分散可変素子2として使用できる
素子と波長分散の制御手段、帯域通過フィルタ6の通過
周波数の設定、制御回路の形式とアナログ・デジタル変
換回路の要否、分波器3における分岐比については、既
に説明した通りである。
【0101】ここで、図6の構成の特徴は、図1の構成
における制御回路に対してαパラメタ情報を自動判別す
る機能を付加して、伝送データの特定周波数成分の最大
値の誤検出を防止すると共に、伝送データの特定周波数
成分の最大値の検出時間を短縮する点にある。
【0102】既に図4によって説明したように、αパラ
メタが正の時には、40GHz成分は約−40ps/n
mで最大値となり、該最大値を含むピークの右側(波長
分散値が大きい側)に40GHz成分の強度がほぼ0に
なる範囲が存在する。
【0103】一方、αパラメタが負の時には、40GH
z成分は約+40ps/nmで最大値となり、該最大値
を含むピークの左側(波長分散値が小さい側)に40G
Hz成分の強度がほぼ0になる範囲が存在する。
【0104】そして、上記事実は光ファイバの種類によ
らないので、上記事実を利用すればαパラメタの符号を
自動判別することができる。
【0105】図7は、図6の構成におけるαパラメタ情
報の自動判別の別の考え方を説明する図で、既出のαパ
ラメタが正の場合の伝送データの特定の周波数成分(こ
こでは40GHz成分)の強度特性に説明を加えたもの
である。
【0106】図7の例は、αパラメタが負であるので、
40GHz成分の最大値は残留波長分散値が約+40p
s/nmの点に存在し、最大値を含むピークのすぐ左側
に40GHz成分の強度が連続的にほぼ0の範囲が存在
する。
【0107】そして、40GHz成分の強度が最大値と
なる波長分散に約70ps/nmを加算した、残留波長
分散値が約110ps/nmの点に次の極大値が存在
し、40GHz成分の強度が最大値となる波長分散値か
ら約70ps/nmを減算した、残留波長分散値が約−
30ps/nmの点は40GHz成分の強度が連続的に
ほぼ0である範囲の中にある。つまり、残留波長分散値
が110ps/nmにおける40GHz成分の強度は、
残留波長分散値が−30ps/nmにおける40GHz
成分の強度より大きく、こういう関係になるのはαパラ
メタが負である場合に限られる。
【0108】図示はしないが、αパラメタが正の時に
は、残留波長分散値が−110ps/nmにおける40
GHz成分の強度は、残留波長分散値が+30ps/n
mにおける40GHz成分の強度より大きく、こういう
関係になるのはαパラメタが正である場合に限られる。
【0109】即ち、上記事実を利用すれば光ファイバの
αパラメタの符号を正確に自動判別することが可能であ
る。
【0110】図8は、αパラメタの自動判別の具体的手
法を説明する図(その1)、図9は、αパラメタの自動
判別の具体的手法を説明する図(その2)である。
【0111】自動判別の手順は概ね次の通りである。
【0112】S1.図16の構成で、アナログ・デジタ
ル変換回路8と制御回路9の接続を切り離した状態で、
制御回路9の制御量を正負いずれかの最大値に設定す
る。以降の説明では、負の最大値に設定する場合につい
て説明する。
【0113】S2.制御回路9の制御量を所定のステッ
プでスイープしながら、図16の構成におけるパワー・
センサの出力、即ち、伝送データの特定の周波数成分
(図8の場合には40GHz成分)の強度の変化を記録
する。
【0114】S3.40GHz成分の最大値を検出した
ら、40GHz成分が最大値であった残留波長分散値よ
り約100ps/nm大きい残留波長分散値でスイープ
を終了する。
【0115】これは、αパラメタが正の場合には40G
Hz成分が最大値であった残留波長分散値より約100
ps/nm大きい残留波長分散値において、40GHz
成分の強度が継続的に小さい範囲を過ぎており、αパ
ラメタが負の場合には40GHz成分が最大値であった
残留波長分散値より約100ps/nm大きい残留波長
分散値において、40GHz成分の強度の次の極大値
を過ぎているので、比較すべきデータを収集し終えてい
るからである。
【0116】S4.40GHz成分が最大値となる残留
波長分散値の左右に所定の残留波長分散値をシフトした
二点における40GHz成分の強度を比較する。
【0117】具体的には、上述した如く、40GHz成
分が最大値となる残留波長分散値±70ps/nmの点
における40GHz成分の強度を比較する。
【0118】図8の場合には、残留波長分散値がと
における40GHz成分の強度を比較するが、この場合
には最大値となる残留波長分散値より左のにおける強
度がにおける強度より大きくなるので、既に説明した
事実によってαパラメタが正であると判別できる。
【0119】一方、図9の場合には、残留波長分散値が
とにおける40GHz成分の強度を比較するが、こ
の場合には最大値となる残留波長分散値の右のにおけ
る強度がにおける強度より大きくなるので、既に説明
した事実によってαパラメタが負であると判別できる。
【0120】これで、αパラメタの符号を知ることがで
きたので、知り得たαパラメタの符号に対応する波長分
散値を有する波長分散付加素子を波長分散モニタ側に挿
入すればよい。
【0121】ここで、図6の構成は図1の構成に第三の
発明を適用したものであるが、図2の構成に第三の発明
を適用することも当然可能である。
【0122】さて、上記の構成はαパラメタの符号を知
ってからそれに対応する波長分散付加素子を波長分散モ
ニタ側又は出力側に挿入する物であるが、αパラメタの
符号の判別結果に整合するように、所要の波長分散を付
加する構成も可能である。
【0123】図10は、第四の発明の波長分散補償方式
の構成(その1)で、図1の構成を基本にする物であ
る。
【0124】図10において、1は、伝送データによっ
て強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、
2は、受信光信号が受けている波長分散を補償するため
の波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力
光を分岐する分波器、4は、分波器3が分岐した光信号
に対して所望の波長分散値を与える波長分散付加素子、
5は、波長分散付加素子4の出力を電気信号に変換する
光・電気変換回路、6は、光・電気変換回路5が出力す
る伝送データの特定の周波数成分を通過させる帯域通過
フィルタ、7は、帯域通過フィルタ6の出力信号のレベ
ルを測定するパワー・センサ、8は、パワー・センサ7
の出力をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変
換回路、9cは、アナログ・デジタル変換回路8の出力
を用いて波長分散可変素子2の波長分散値を制御すると
共に、αパラメタの符号を自動判別し、自動判別したα
パラメタによって波長分散付加素子を所定の位置に挿入
する制御回路、10乃至10gは制御回路9cが出力す
る切替信号によって切り替えられる光スイッチである。
【0125】尚、波長分散可変素子2として使用できる
素子と波長分散の制御手段、帯域通過フィルタ6の通過
周波数の設定、制御回路の形式とアナログ・デジタル変
換回路の要否、分波器3における分岐比については、既
に説明した通りである。
【0126】ここで、図10の構成の特徴は、αパラメ
タの符号を判別した制御回路9bが出力する切替信号に
よって光スイッチを切り替えて、波長分散付加素子をα
パラメタの符号に応じて波長分散モニタ側又は出力側の
一方に挿入できるようにした点にある。
【0127】光スイッチ10乃至10gは、全て切替信
号の同一論理レベルでp−q間又はp−r間の一方を選
択するように設定する。これにより、p−q間が選択さ
れれば、波長分散付加素子4は波長分散モニタ側に挿入
されることになり、p−r間が選択されれば、波長分散
付加素子4は出力側に挿入されることになる。
【0128】従って、切替信号の論理レベルをαパラメ
タの符号によって決めておけば、波長分散付加素子を適
性な位置に挿入することができる。
【0129】尚、波長分散付加素子としては、既に説明
したように、分散付加ファイバ、光ファイバ・グレイテ
ィング、VIPAを使用することができる。
【0130】図11は、第四の発明の波長分散補償方式
の構成(その2)で、図1の構成を基本にし、正及び負
の波長分散を有する波長分散付加素子を用いる物であ
る。
【0131】図11において、1は、伝送データによっ
て強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、
2は、受信光信号が受けている波長分散を補償するため
の波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力
光を分岐する分波器、4bは、分波器3が分岐した光信
号に対して正の波長分散値を与える波長分散付加素子
(「正の波長分散付加素子」と呼ぶことにする。)、4
cは、分波器3が分岐した光信号に対して負の波長分散
値を与える波長分散付加素子(「負の波長分散付加素
子」と呼ぶことにする。)、5は、波長分散付加素子4
b又は4cの出力を電気信号に変換する光・電気変換回
路、6は、光・電気変換回路5が出力する伝送データの
特定の周波数成分を通過させる帯域通過フィルタ、7
は、帯域通過フィルタ6の出力信号のレベルを測定する
パワー・センサ、8は、パワー・センサ7の出力をデジ
タル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路、9c
は、アナログ・デジタル変換回路8の出力を用いて波長
分散可変素子2の波長分散値を制御すると共に、αパラ
メタを自動判別して自動判別したαパラメタによって所
定の符号の波長分散を呈する波長分散付加素子を選択す
る制御回路、10乃び10aは制御回路9bが出力する
切替信号によって切り替えられる光スイッチである。
【0132】尚、波長分散可変素子2として使用できる
素子と波長分散の制御手段、帯域通過フィルタ6の通過
周波数の設定、制御回路の形式とアナログ・デジタル変
換回路の要否、分波器3における分岐比については、既
に説明した通りである。
【0133】ここで、図11の構成の特徴は、αパラメ
タの符号を判別した制御回路9bが出力する切替信号に
よって光スイッチを切り替えて、正の波長分散付加素子
又は負の波長分散付加素子をαパラメタの符号に応じて
選択して波長分散モニタ側に挿入できるようにした点に
ある。
【0134】光スイッチ10及び10aは、全て切替信
号の同一論理レベルでp−q間又はp−r間の一方を選
択するように設定する。これにより、p−q間が選択さ
れれば、正の波長分散付加素子4bが挿入されることに
なり、p−r間が選択されれば、負の波長分散付加素子
4cが挿入されることになる。これによって、光信号に
対してαパラメタの符号に整合した波長分散を与えるこ
とができる。
【0135】尚、正及び負の波長分散付加素子として
は、既に説明したように、分散付加ファイバ、光ファイ
バ・グレイティング、VIPAを使用することができ
る。
【0136】図12は、第四の発明の波長分散方式の構
成(その3)で、図1の構成を基本にし、光ファイバ・
グレイティングにおける光信号の伝播方向によって波長
分散値の符号を変えることができることを利用した物で
ある。
【0137】図12において、1は、伝送データによっ
て強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、
2は、受信光信号が受けている波長分散を補償するため
の波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力
光を分岐する分波器、4dは、分波器3が分岐した光信
号の伝播方向によって正又は負の波長分散値を与える光
ファイバ・グレイティング、5は、後述する光サーキュ
レータの出力を電気信号に変換する光・電気変換回路、
6は、光・電気変換回路5が出力する伝送データの特定
の周波数成分を通過させる帯域通過フィルタ、7は、帯
域通過フィルタ6の出力信号のレベルを測定するパワー
・センサ、8は、パワー・センサ7の出力をデジタル信
号に変換するアナログ・デジタル変換回路、9cは、ア
ナログ・デジタル変換回路8の出力を用いて波長分散可
変素子2の波長分散値を制御すると共に、αパラメタを
自動判別して自動判別したαパラメタによって光ファイ
バ・グレイティングにおける波長紊乱野符号を切り替え
る制御回路、10乃至10cは制御回路9cが出力する
切替信号によって切り替えられる光スイッチ、11は、
光サーキュレータ、12は光終端器である。
【0138】尚、波長分散可変素子2として使用できる
素子と波長分散の制御手段、帯域通過フィルタ6の通過
周波数の設定、制御回路の形式とアナログ・デジタル変
換回路の要否、分波器3における分岐比については、既
に説明した通りである。
【0139】ここで、図12の構成の特徴は、分波器3
が分岐した光信号を光サーキュレータに供給すると共
に、αパラメタの符号を判別した制御回路9cが出力す
る切替信号によって光スイッチを切り替えて光ファイバ
・グレイティング4dを通過する光信号の方向を変える
点にある。
【0140】光スイッチ10乃至10cは、全て切替信
号の同一論理レベルでp−q間又はp−r間の一方を選
択するように設定する。これにより、p−q間が選択さ
れる時とp−r間が選択される時とでグレイテット・フ
ァイバを通過する光信号の方向が反対になるので、光フ
ァイバ・グレイティングにおいて光信号に対してαパラ
メタの符号に整合した波長分散を与えることができる。
【0141】図13は、第四の発明の波長分散補償方式
の構成(その4)で、図1の構成を基本にし、VIPA
における波長分散の正負を切り替えるものである。
【0142】図13において、1は、伝送データによっ
て強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、
2は、受信光信号が受けている波長分散を補償するため
の波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力
光を分岐する分波器、4eは、分波器3が分岐した光信
号に波長分散を与えるVIPA、5は、VIPA4eの
出力を電気信号に変換する光・電気変換回路、6は、光
・電気変換回路5が出力する伝送データの特定の周波数
成分を通過させる帯域通過フィルタ、7は、帯域通過フ
ィルタ6の出力信号のレベルを測定するパワー・セン
サ、8は、パワー・センサ7の出力をデジタル信号に変
換するアナログ・デジタル変換回路、9cは、アナログ
・デジタル変換回路8の出力を用いて波長分散可変素子
2の波長分散値を制御すると共に、αパラメタを自動判
別して自動判別したαパラメタによってVIPAの波長
分散値の符号を切り替える制御回路である。
【0143】尚、波長分散可変素子2として使用できる
素子と波長分散の制御手段、帯域通過フィルタ6の通過
周波数の設定、制御回路の形式とアナログ・デジタル変
換回路の要否、分波器3における分岐比については、既
に説明した通りである。
【0144】ここで、図11の構成の特徴は、分波器3
が分岐した光信号をVIPA4eに供給し、αパラメタ
の符号を判別した制御回路9bが出力する切替信号によ
ってVIPA4eの波長分散の正負を切り替える点にあ
る。これによって、光信号に対してαパラメタの符号に
整合した波長分散を与えることができる。
【0145】尚、VIPAの波長分散の符号を変えるに
は、VIPA板と反射鏡の距離を切り替えればよい。
【0146】さて、図10乃至図13においては、図1
の構成を基本にしたαパラメタの符号の判別結果を使っ
て所要の波長分散を付加する構成を示したが、当然、図
2の構成を基本にしてαパラメタの符号の判別結果を使
って所要の波長分散を付加する構成も可能である。これ
は、図示はしないが、分波器3の出力側に波長分散の符
号を切り替える構成を挿入すればよい。但し、分波器3
の出力側に波長分散の符号を切り替える構成を挿入する
場合には、波長分散モニタ側に挿入する場合に対して、
波長分散付加素子の波長分散の符号を逆にするか、光ス
イッチの切替信号の論理レベルを逆にする必要がある。
【0147】図14は、第五の発明の波長分散補償方式
の構成である。
【0148】図14において、1は、伝送データによっ
て強度変調された光信号を伝送する光ファイバ伝送路、
2は、受信光信号が受けている波長分散を補償するため
の波長分散可変素子、3は、波長分散可変素子2の出力
光を分岐する分波器、5は、分波器3が分岐した一部光
信号を電気信号に変換する光・電気変換回路、6は、光
・電気変換回路5が出力する伝送データの特定の周波数
成分を通過させる帯域通過フィルタ、7は、帯域通過フ
ィルタ6の出力信号のレベルを測定するパワー・セン
サ、8は、パワー・センサ7の出力をデジタル信号に変
換するアナログ・デジタル変換回路、7aは、光・電気
変換回路5の出力信号のレベルを測定するパワー・セン
サ、8aは、パワー・センサ7aの出力をデジタル信号
に変換するアナログ・デジタル変換回路、9dは、アナ
ログ・デジタル変換回路8及びアナログ・デジタル変換
回路8aの出力を用いて波長分散可変素子の波長分散値
を制御する制御回路である。
【0149】図15は、図14の構成の動作を説明する
図である。
【0150】図15における2本の曲線は共に伝送デー
タの特定周波数成分(この場合、40GHz成分)の強
度で、温度や電源電圧などの変動要因によって40GH
z成分の強度が変化することを示している。
【0151】このように、40GHz成分の強度が温度
や電源電圧などの変動要因によって変化する場合、40
GHz成分の最大値を含むピークの傾斜部分の任意の強
度(図15の例では、10任意単位)になる残留波長分
散値を基準に波長分散可変素子の波長分散値を制御しよ
うとすると、図15に示す如く、変動要因の変動に伴っ
て10任意単位となる残留波長分散値が変化して、波長
分散可変素子の波長分散値の制御の正確さが失われる。
【0152】ところで、40GHz成分は電気・光変換
回路5の出力信号から抽出したものであるので、40G
Hz成分の変化率は電気・光変換回路5の出力パワーの
変化率と等しい。
【0153】そこで、図14の如く、40GHz成分の
パワーと電気・光変換回路5の出力信号のパワーを測定
して、制御回路9cにおいて電気・光変換回路5の出力
信号のパワーによって40GHz成分のパワーを正規化
すれば、変動要因の変動の影響を相殺することができ
る。
【0154】従って、40GHz成分の最大値を含むピ
ークの傾斜部分の任意の強度になる残留波長分散値を基
準に波長分散可変素子2の波長分散値を制御するように
しても、波長分散可変素子2の波長分散値の制御を正確
に行なうことができる。
【0155】尚、40GHz成分の最大値を含むピーク
の傾斜部分の任意の強度(図15の例では、10任意単
位)になる残留波長分散値を基準に波長分散可変素子の
波長分散値を制御する場合、任意とはいっても若干の制
約を付すことが望ましい。それは、図15の例で最大値
を含むピークの傾斜部分で10任意単位となる40GH
z成分の強度は、他の極大値より大きいことである。こ
のような強度を選択することによって最大値以外の極大
値を誤選択する恐れを解消することが可能になる。
【0156】ここで、図14の構成は、図16の構成を
基本にして電気・光変換回路5の出力パワーによって4
0GHz成分のパワーを正規化して変動要因の変動の影
響を相殺する物であるが、図1又は図2の構成を基本に
しても同様に変動要因の変動の影響を相殺することがで
き、更に、40GHz成分の最大値を含むピークの傾斜
部分の任意の強度になる残留波長分散値を基準に波長分
散可変素子2の波長分散値を制御するようにしても、波
長分散可変素子2の波長分散値の制御を正確に行なうこ
とができる。
【0157】
【発明の効果】第一の発明によれば、検出が容易な伝送
データの特定周波数成分の最大値を検出して、当該最大
値となる波長分散値を基準として波長分散の補償を行な
えばよく、正確に波長分散を補償することができる。こ
れは、伝送データの波形が最適になる波長分散値は伝送
データの特定周波数成分の強度が継続的に小さい範囲に
あって正確な検出が困難であるのに対して、伝送データ
の特定周波数成分の強度が最大値となる波長分散値は検
出が容易である。その上、伝送データの特定周波数成分
の強度が最大値となる波長分散値と伝送データの波形が
最適になる波長分散値との差は容易に知ることができる
からである。
【0158】第二の発明によれば、伝送データの特定の
周波数成分の強度が最大値となる波長分散値を正確に検
出することができる。これは、伝送データの特定の周波
数成分の強度の波長分散値に対するフィギュアは、αパ
ラメタの符号と一義的な関係にあるからである。
【0159】第三の発明によれば、得られたフィギュア
によってαパラメタの符号を判別することができ、判別
したαパラメタの符号を利用して伝送データの特定の周
波数成分の強度が最大値となる波長分散値を正確に検出
することができる。これは、スイープして得られる伝送
データの特定の周波数成分の強度の波長分散値に対する
フィギュアは、αパラメタの符号と一義的な関係にある
からである。
【0160】第四の発明によれば、光ファイバ伝送路に
使用されている光ファイバの種類を予め知らない場合に
も、所望の波長分散値を有する波長分散付加素子を光フ
ァイバの種類に整合させて挿入することが可能になる。
【0161】第五の発明によれば、伝送データの特定の
周波数成分の強度の最大値を含むピークの傾斜部分の波
長分散値を基準にして波長分散の補償を行なうことが可
能になる。傾斜部分では伝送データの特定の周波数成分
の強度の変化率が大きいので、波長分散の補償を更に正
確に行なうことができる。これは、伝送データの特定の
周波数成分の強度は変動要因の変動によって変化する
が、伝送データの強度が変動要因の変動に伴って変化す
る率と等しいので、正規化することによって変動要因の
変動の影響を相殺することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一の発明の波長分散補償方式の構成(その
1)。
【図2】 第一の発明の波長分散補償方式の構成(その
2)。
【図3】 第二の発明の波長分散補償方式の構成。
【図4】 αパラメタの違いによる伝送データの特定周
波数成分の違いを示す図。
【図5】 伝送データの特定周波数成分の最大値の誤検
出を防止するための考え方を示す図。
【図6】 第三の発明の波長分散補償方式の構成。
【図7】 図6の構成におけるαパラメタ情報の自動判
別の別の考え方を説明する図。
【図8】 αパラメタの自動判別の具体的手法を説明す
る図(その1)。
【図9】 αパラメタの自動判別の具体的手法を説明す
る図(その2)。
【図10】 第四の発明の波長分散補償方式の構成(そ
の1)。
【図11】 第四の発明の波長分散補償方式の構成(そ
の2)。
【図12】 第四の発明の波長分散補償方式の構成(そ
の3)。
【図13】 第四の発明の波長分散補償方式の構成(そ
の4)。
【図14】 第五の発明の波長分散補償方式の構成。
【図15】 図14の構成の動作を説明する図。
【図16】 従来の波長分散モニタ型の波長分散補償方
式の構成。
【図17】 図16の構成における残留波長分散値と抽
出特定周波数成分の強度の関係(その1)。
【図18】 図16の構成における残留波長分散値と抽
出特定周波数成分の強度の関係(その2)。
【図19】 分散シフト・ファイバの、残留波長分散値
に対する伝送データの特定の周波数成分の強度及びアイ
開口ペナルティ(その1)。
【図20】 分散シフト・ファイバの、残留波長分散値
に対する伝送データの特定の周波数成分の強度及びアイ
開口ペナルティ(その2)。
【図21】 分散シフト・ファイバの、残留波長分散値
に対する伝送データの特定の周波数成分の強度及びアイ
開口ペナルティ(その3)。
【図22】 ノン・ゼロ分散シフト・ファイバの、残留
波長分散値に対する伝送データの特定の周波数成分の強
度及びアイ開口ペナルティ(その1)。
【図23】 ノン・ゼロ分散シフト・ファイバの、残留
波長分散値に対する伝送データの特定の周波数成分の強
度及びアイ開口ペナルティ(その2)。
【図24】 ノン・ゼロ分散シフト・ファイバの、残留
波長分散値に対する伝送データの特定の周波数成分の強
度及びアイ開口ペナルティ(その3)。
【図25】 シングル・モード・ファイバの、残留波長
分散値に対する伝送データの特定の周波数成分の強度及
びアイ開口ペナルティ(その1)。
【図26】 シングル・モード・ファイバの、残留波長
分散値に対する伝送データの特定の周波数成分の強度及
びアイ開口ペナルティ(その2)。
【図27】 シングル・モード・ファイバの、残留波長
分散値に対する伝送データの特定の周波数成分の強度及
びアイ開口ペナルティ(その3)。
【符号の説明】
1 光ファイバ伝送路 2 波長分散可変素子 3 分波器 4 波長分散付加素子 4a 波長分散付加素子 4b 正の波長分散値を与える波長分散付加素子(正の
波長分散付加素子) 4c 負の波長分散値を与える波長分散付加素子(負の
波長分散付加素子) 4d 光ファイバ・グレイティング 4e VIPA 5 光・電気変換回路 6 帯域通過フィルタ(BPF) 7 パワー・センサ(パワーセンサ) 8 アナログ・デジタル変換回路(A/D) 9 制御回路 9a 制御回路 9b 制御回路 9c 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/12 (72)発明者 石川 丈二 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5K002 AA06 BA02 BA05 CA01 DA31 FA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信光信号を電気変換して得られる伝送
    データの特定の周波数成分の強度をモニタして波長分散
    可変素子の波長分散値を制御し、該受信光信号が光ファ
    イバ伝送路中で受けた波長分散を補償する波長分散補償
    方式において、 伝送データの特定の周波数成分の強度が特定の値になる
    波長分散値と、伝送データの波形が最適になる波長分散
    値との差に等しい波長分散を有する波長分散付加素子
    を、伝送データの特定の周波数成分の強度をモニタする
    側又は伝送データを出力する側のいずれかに挿入するこ
    とを特徴とする波長分散補償方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の波長分散補償方式におい
    て、 チャーピング・パラメタの符号情報を与え、モニタして
    得られた伝送データの特定の周波数成分の強度の波長分
    散値に対するフィギュアとを比較して波長分散の補償を
    行なうことを特徴とする波長分散補償方式。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の波長分散補償方式におい
    て、 光通信システムの初期設定時に波長分散可変素子に与え
    る波長分散値の制御量をスイープして伝送データの特定
    の周波数成分の強度の波長分散値に対するフィギュアを
    求め、該フィギュアによってチャーピング・パラメタの
    符号を判別する機能を付加したことを特徴とする波長分
    散補償方式。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の波長分散補償方式におい
    て、 請求項3記載の波長分散補償方式によって得られたチャ
    ーピング・バラメタの符号により、伝送データの特定の
    周波数成分の強度が最大値になる波長分散値と伝送デー
    タの波形が最適になる波長分散値との差に等しい波長分
    散を有する波長分散付加素子の挿入箇所又は該波長分散
    付加素子の波長分散値の符号のいずれかを決定すること
    を特徴とする波長分散補償方式。
  5. 【請求項5】 受信光信号を電気変換して得られる伝送
    データの特定の周波数成分の強度をモニタして波長分散
    可変素子の波長分散値を制御し、該受信光信号が光ファ
    イバ伝送路中で受けた波長分散を補償する波長分散補償
    方式において、 伝送データの特定の周波数成分の強度を、伝送データの
    強度によって正規化する構成を備えることを特徴とする
    波長分散補償方式。
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