JP2002075175A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法

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JP2002075175A
JP2002075175A JP2000259220A JP2000259220A JP2002075175A JP 2002075175 A JP2002075175 A JP 2002075175A JP 2000259220 A JP2000259220 A JP 2000259220A JP 2000259220 A JP2000259220 A JP 2000259220A JP 2002075175 A JP2002075175 A JP 2002075175A
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Masaru Watanabe
渡辺  勝
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として隔壁の製造工程に関し、比較的低コ
ストながら歩留まりよく高精度のPDPを製造すること
が可能なPDPの製造方法を提供する。 【解決手段】 直径0.2mmのピアノ線からなるライン4
1を、隔壁のピッチ(0.3mm)ごとにバックパネル上の
隔壁材料の上から押し込み、隔壁をパターニングする。
そして隔壁材料を乾燥させ、焼成を経て隔壁30を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルの製造方法に関し、特に隔壁の形成方法及び
蛍光体の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(PDP)
はガス放電パネルの一種であり、小さい奥行きでも大画
面化が比較的容易であることから次世代のディスプレイ
パネルとして注目されており、現在では60インチクラス
のものも商品化されている。図7は、一般的な交流面放
電型PDPの主要構成を示す部分的な断面斜視図であ
る。図中、z方向がPDPの厚み方向、xy平面がPD
P面に平行な平面に相当する。当図に示すように、本P
DPは互いに主面を対向させて配設されたフロントパネ
ル20およびバックパネル26から構成される。
【0003】フロントパネル20の基板となるフロントパ
ネルガラス21には、その片面に一対の表示電極22、23
(X電極22、Y電極23)がx方向に沿って構成され、こ
の電極間で面放電を行うようになっている。表示電極2
2、23を配設したフロントパネルガラス21には、当該ガ
ラス21の面全体にわたって誘電体層24がコートされ、さ
らに誘電体層24には保護層25がコートされている。
【0004】バックパネル26の基板となるバックパネル
ガラス27には、その片面に複数のアドレス電極28がy方
向を長手方向として一定間隔でストライプ状に並設さ
れ、このアドレス電極28を内包するようにバックパネル
ガラス27の全面にわたって誘電体膜29がコートされてい
る。誘電体膜29上には、隣接するアドレス電極28の間隙
に合わせて隔壁30が配設され、そして隣接する隔壁30の
側壁とその間の誘電体膜29の面上には、赤色(R)、緑
色(G)、青色(B)の何れかに対応する蛍光体層31〜
33が形成されている。
【0005】このような構成を有するフロントパネル20
とバックパネル26は、アドレス電極28と表示電極22、23
の互いの長手方向が直交するように対向させつつ、両パ
ネル20、26の外周縁部にて接着し封止されている。そし
て前記両パネル20、26の間にXeを含む放電ガス(封入
ガス)が所定の圧力(従来は通常300〜500Torr程
度)で封入され、隣接する隔壁30間が放電空間38とな
り、隣り合う一対の表示電極22、23と1本のアドレス電
極28が放電空間38を挟んで交叉する領域が、画像表示に
かかるセル(不図示)となる。PDP駆動時には各セル
において、アドレス電極28と表示電極22、23のいずれか
の間で放電が開始され、一対の表示電極22、23同士での
グロー放電によって短波長の紫外線(Xe共鳴線、波長
約147nm)が発生し、蛍光体層31〜33が発光して画像
表示がなされる。
【0006】ところで上記隔壁の形成方法には以下のよ
うな各方法が挙げられる。すなわち隔壁材料をガラス基
板全面に塗布塗布し、感光性フイルムを被着した後、露
光、現像を行って隔壁の形成が必要な部分のみのレジス
トを残した状態で、ブラスト処理を行って不要な隔壁材
料を除去し、レジスト除去、焼成を行うサンドブラスト
法や、感光性ペーストをガラス基板上に塗布形成した
後、不要な部分を露光して現像することにより除去した
後、焼成を行う感光性ペースト法、ガラス基板上に隔壁
パターンをスクリーン印刷し、隔壁を形成するスクリー
ン印刷法が一般に知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら例えばス
クリーン印刷法では、印刷の繰り返しで隔壁材料を積層
形成するため、印刷ピッチのズレが生じ、隔壁の形状が
全体的に不均一となったり、隔壁ピッチがばらつくなど
の問題があった。またサンドブラスト法では、本来の性
質より非常に微細な形状を形成することが困難な性質が
あり、ハイビジョン対応の微細セルを備えたPDPに合
わせて隔壁を高精度に形成しようとしても、隔壁間で形
成する放電空間の断面形状が不均一となり、放電効率が
低下する原因ともなりうる。さらに感光性ペースト法で
は、複雑な工程を重ねて行う必要がある上に、不要とな
る樹脂や薬剤の量数が他の方法に比べて比較的多く、こ
れらの不要物・薬剤の処理に手間がかかるといった性質
がある。
【0008】このように従来のPDPの製造方法におけ
る技術では、いずれの方法でも工程数が多く処理に時間
がかかったり、材料の利用効率が悪いといった面が見ら
れ、歩留まりや品質(加工精度)に問題を抱えている。
また特開平9−69335号公報には、放電空間を間仕切る隔
壁に対応した突起を有する加熱された金型で、加熱軟化
した基板を加圧し、基板表面に凹凸にプレスすることで
隔壁を形成する方法が開示されているが、これは簡素な
製造方法と考えられるものの、隔壁を形成するためには
改良の余地があると思われる。
【0009】本発明はこのような諸問題に鑑みてなされ
たものであって、主として隔壁の製造工程に関し、比較
的低コストながら歩留まりよく高精度のPDPを製造す
ることが可能なPDPの製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明はプラズマディスプレイパネルの製造方法と
して、第一プレートの面上に、隔壁材料を層状に塗布す
る隔壁材料塗布工程と、第一プレートの隔壁材料を食刻
する状態で線状部材を配設してパターニングするパター
ニング工程と、パターニング工程の後に隔壁材料を乾燥
させる乾燥工程と、乾燥工程後に焼成して隔壁を形成す
る焼成工程を経たのち、第一プレートと第二プレートを
封着する封着工程を経るものとした。この場合、第一プ
レートの面上に先に線状部材(ライン)をアライメント
しておき、その後ラインの上から隔壁材料を塗布するよ
うにしてもよい。
【0011】このような方法によれば、ラインを隔壁材
料に食刻する(押し込む)だけで隔壁が簡単にパターニ
ングでき、フォトエッチング法のような複雑な工程を経
る必要もないので、廃液などの事後処理が飛躍的に改善
され、コスト対策としても有利である。しかも、印刷法
のように隔壁材料を何度も積層することによって生じる
位置ずれの問題もなくなり、精度のよい隔壁を迅速に形
成することが可能となる。
【0012】この方法は、特開平9−69335号公報に開示
されている技術(加熱された金型で加熱軟化した基板を
加圧し、基板表面に凹凸にプレスして隔壁を形成する方
法)に比べ、金隔壁材料が外気に触れやすく、溶剤成分
の揮発が十分に行え、より完全な形状に隔壁が形成され
るなどの利点をも有している。また、前記ラインを樹脂
で構成し、焼成工程において熱分解除去するようにして
もよい。
【0013】さらに前記ラインとしては、作製するPD
Pの規格に合わせて、円形断面の他に方形断面や台形断
面のものを適宜使用してもよい。また本発明は、(蛍光
体インクの塗布方法)とした。このように本発明は、ラ
インに蛍光体インクを付着させ、蛍光体層を形成する場
合にも適用することができ、汎用性に富んでいる。
【0014】
【発明の実施の形態】各実施の形態は、前記図7の構成
を持つPDPの製造方法に基づいている。なお本発明は
当然ながら、これ以外の規格のPDPに適用してもよ
い。 1.実施の形態1 以下、フロントパネルの作製工程、バックパネルの作製
工程、およびこれら両パネルの封着工程の順に説明す
る。本実施の形態1では後述するように、バックパネル
の隔壁の製造方法に特徴を有している。
【0015】1-1.フロントパネルの作製 厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるフロント
パネルガラスの面上に表示電極を作製する。これは一例
として、次のフォトエッチング法により形成することが
できる。すなわちまず、フロントパネルガラスの全面
に、厚さ約0.5μmでフォトレジスト(例えば紫外線硬
化型レジスト)を塗布する。そして一定のパターンのフ
ォトマスクを上に重ねて紫外線を照射し、現像液に浸し
て未硬化のレジストを洗い出す。次にCVD法により、
透明電極材料(ITO)をフロントパネルガラスのレジ
ストのギャップに塗布する。この後に洗浄液でレジスト
を除去すると、透明電極が得られる。
【0016】続いて、AgもしくはCr/Cu/Crを主
成分とする金属材料により、前記透明電極上に厚さ約4
μmのバスラインを形成する。Agを用いる場合にはス
クリーン印刷法が適用でき、Cr/Cu/Crを用いる場
合には蒸着法またはスパッタリング法などが好適であ
る。以上で表示電極が形成される。
【0017】次に、表示電極の上から鉛系ガラスのペー
ストを厚さ約15〜45μmでフロントパネルガラスの全面
にわたってコートし、焼成して誘電体層を形成する。次
に、誘電体層の表面に厚さ約0.3〜0.6μmの保護層を蒸
着法あるいはCVD(化学蒸着法)などにより形成す
る。保護層には基本的に酸化マグネシウム(MgO)を
使用するが、部分的に保護層の材質を変える場合、例え
ばMgOとアルミナ(Al23)を区別して用いるに
は、適宜金属マスクを用いたパターニングにより形成す
る。
【0018】これででフロントパネルが作製される。 1-2.バックパネルの作製 1-2-1.アドレス電極と誘電体膜の作製 まず、厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるバ
ックパネルガラスの面上に、スクリーン印刷法などによ
りAgを主成分とする導電体材料を一定間隔でストライ
プ状に塗布し、厚さ約5μmのアドレス電極を形成す
る。このとき、作製するPDPの規格を40インチクラス
のNTSCもしくはVGAとするには、アドレス電極の
ピッチを0.4mm程度以下に設定する。ここでは一例と
して0.3mmとする。
【0019】なお、このとき設定するアドレス電極のピ
ッチが隔壁のピッチとなる。続いて、アドレス電極を形
成したバックパネルガラスの面全体にわたって鉛系ガラ
スペーストを厚さ約20〜30μmで塗布・焼成し、誘電体
膜を形成する。誘電体膜が形成できたら、次に本実施の
形態1の特徴部分である隔壁の作製方法を行う。本実施
の形態では、線状部材(ライン)を用いた隔壁のパター
ニングを行う。
【0020】1-2-2.隔壁の作製 まず隔壁材料を用意する。これはセラミック粉体、ガラ
ス粉体、バインダー、溶剤とを混合することにより作製
する。この隔壁材料を、誘電体膜の上からロールコータ
ー、ダイコーターなどを用いて塗布する。隔壁材料の詳
細な調整については後述する。
【0021】隔壁材料を塗布したのち、隔壁材料に複数
の平行なラインを押圧し、隔壁をパターニングする。こ
のパターニングに際しては、パネルを適当な高さの台座
に載置し、ラインを押圧するためのパターニング専用ツ
ールを用いる。ここで図1は、隔壁材料を塗布したバッ
クパネルガラス27を台座50に載置し、この上から前記専
用ツール(ラインフレーム)を位置させた様子を示して
いる。
【0022】ラインフレーム40はバックパネルよりもサ
イズの大きい長方形状の枠体を有し、当該枠体の一対の
対向辺部401、402のそれぞれに嵌合固定されたライン保
持部42、43において、複数のライン41を平行に展張した
状態で保持した構成を有している。ライン保持部42、43
はライン41の径に合わせて一定間隔をおいて穿孔処理さ
れており、これにライン41が通された後、ライン41の両
端部を外部よりリベット加工して保持する仕組みになっ
ている。ライン保持部42、43が保持するライン数は、実
際には形成する隔壁の数に合わせて設定されている。こ
のライン保持部42、43の穿孔処理の仕方(ラインピッ
チ)によって、パターニングされる隔壁の形状を調節す
ることができる。さらに当該対向辺部401、402は、対向
辺部403、404とそれぞれネジN1、N2で螺合により組み
合わされており、このネジN1、N2を調節することによ
り対向辺部401、402の間の距離が変化し、ライン41の展
張強度を調節することが可能になっている。
【0023】ライン41は機械的強度に優れる材質(一例
としてピアノ線などの剛性に富む金属線)からなる直径
0.2mmの円形断面のワイヤーであり、ライン保持部4
2、43に0.3mmのピッチで保持されている。各ライン41
の長さ、太さ、およびピッチは、形成するPDPのサイ
ズを考慮した上で、隔壁の間隙およびピッチに合わせて
いる。
【0024】なお当図では説明のため、実際よりライン
を太く、本数を少なく図示している。台座50は、ライン
フレーム40よりも小さい(すなわちバックパネルが十分
に載置できて、ラインフレーム40の枠内に収まるサイ
ズ)、例えば金属やアクリル製の厚み精度にすぐれた材
質からなる板体であり、その厚みが適当な値に設定され
ている。これにより、バックパネルを台座50に載置した
ときに、ラインフレーム40のライン41がバックパネル上
の隔壁材料と適切に位置合わせできるようになってい
る。
【0025】以上の構成のラインフレーム40および台座
50を用い、隔壁を形成する。この工程を次の図2の(a)
〜(d)を用いて順に説明する。図2(a)は前記図1の隔
壁材料塗布後のバックパネルとラインの断面図である
(台座は省略している)。ライン41の位置は、隔壁30と
その長手方向を一致させつつ、隔壁材料の真上に位置さ
せる。
【0026】次に、ラインフレーム40を垂直に下ろし、
ライン41を隔壁材料の上から押しつけ、これを埋め込ん
で食刻する(図2(b))。図2(b)では、ライン41のほ
とんど全体が隔壁材料に埋め込まれているが、一部分だ
け埋め込む程度に台座50の厚みを調節するなどの設定を
行ってもよい。このとき隔壁材料は、埋め込まれたライ
ン41の体積分だけ厚みが増す。
【0027】ここで、湿潤状態の隔壁材料の厚みをt、
ライン41の直径をdとしたとき、発明者らの実験によっ
て、0<t/d≦0.8の範囲内に収まる条件とするのが望
ましいことがわかっている。この範囲よりもt/dの取
りうる値が大きいと、埋め込んだライン41の上面側にま
で隔壁材料が盛り上がり、隔壁の形状を損なわれる可能
性があるのを考慮に入れる。
【0028】また、ライン41を良好に隔壁材料へ埋め込
ませるためには、隔壁材料の固形分率や粘度も重要であ
る。本実施の形態の場合、固形分率は50〜80wt%の範
囲内、粘度は1000〜100000ポイズの範囲内とするのが望
ましい。この範囲よりも小さいと、例えば粘度が低すぎ
て精度のよい隔壁形状が作りにくい。またこの範囲より
も粘度が高すぎるとライン41を隔壁材料へ埋め込ませる
こと自体が困難となる。
【0029】図2(c)はライン41を埋め込んだ後に隔壁
材料中の有機溶剤などが揮発し、体積が若干減少した
(肉やせした)状態を示している。この状態を継続して
隔壁材料を十分乾燥させる。このとき、ライン41同士の
間隙から有機成分がスムーズに揮発される。そして、ラ
インフレーム40を台座50から離間させることによりライ
ン41を隔壁材料から離脱し、これを焼成して隔壁30を形
成する(図2(d))。
【0030】なお、この後必要に応じて形状を整えるよ
うにしてもよい(隔壁頂部を研磨するなど)。このよう
なラインを用いた隔壁の作製工程により、従来より簡単
な方法で迅速に、しかも精度よく隔壁を作ることがで
き、低コストな製造工程が可能となるばかりでなく、放
電効率を向上などのPDPの性能向上が期待できる。
【0031】また前記したように、特開平9−69335号公
報に開示されている技術(加熱された金型で加熱軟化し
た基板を加圧し、基板表面に凹凸にプレスして隔壁を形
成する方法)に比べ、金隔壁材料が外気に触れやすく、
溶剤成分の揮発が十分に行え、より完全な形状に隔壁を
形成することができる。 1-2-3.蛍光体層の作製 隔壁が形成できたら、隔壁の壁面と、隔壁間で露出して
いる誘電体膜の表面に、赤色(R)蛍光体、緑色(G)
蛍光体、青色(B)蛍光体のいずれかを含む蛍光インク
を塗布し、これを乾燥・焼成してそれぞれ蛍光体層とす
る。
【0032】一般的にPDPに使用されている蛍光体材
料の一例を以下に列挙する。 赤色蛍光体; (YGd1-x)BO3:Eu3+ 緑色蛍光体; Zn2SiO4:Mn 青色蛍光体; BaMgAl1017:Eu3+(或いはB
aMgAl1423:Eu3+) 各蛍光体材料は、例えば平均粒径約3μm程度の粉末が
使用できる。蛍光体インクの塗布法は幾つかの方法が考
えられるが、ここでは公知のメニスカス法と称される極
細ノズルからメニスカス(表面張力による架橋)を形成
しながら蛍光体インクを吐出する方法を用いる。この方
法は蛍光体インクを目的の領域に均一に塗布するのに好
都合である。なお、本発明は当然ながらこの方法に限定
するものではなく、スクリーン印刷法など他の方法も使
用可能である。
【0033】以上でバックパネルが完成される。なおフ
ロントパネルガラスおよびバックパネルガラスをソーダ
ライムガラスからなるものとしたが、これは材料の一例
として挙げたものであって、これ以外の材料でもよい。 1-3.PDPの完成 作製したフロントパネルとバックパネルを、封着用ガラ
スを用いて貼り合わせる(封着する)。その後、放電空
間の内部を高真空(1.1×10-4Pa)程度に排気し、これ
に所定の圧力(ここでは2.7×105Pa)でNe-Xe系や
He-Ne-Xe系、He-Ne-Xe-Ar系などの放電
ガスを封入する。
【0034】なお、封入時のガス圧は、800〜5.3×105
Paの範囲内に設定すると発光効率が向上することが実
験により知られている。 1-4.ラインを用いた隔壁形成工程に関するその他の事項 ライン41の埋め込みによって(図2(b)の工程)押しの
けられた隔壁材料の領域が、後で蛍光体層31〜33および
放電空間38となるため、ライン41の形状は重要である。
前記例では円形断面ライン41を用い、これにより半円形
断面の放電空間を形成することができる。このような半
円形断面の放電空間を形成すると、隔壁強度が高くな
り、封着工程における隔壁の欠損などの不良が低減でき
る。
【0035】なお、本実施の形態ではライン41の直径を
0.2mm、ピッチを0.3mmとしたが、当然ながら作製す
るPDPのサイズや画素に応じてライン径およびピッチ
を適時設定することができる。またライン41の断面形状
は、図3の(A)および(B)に示すように、方形断面
または台形断面とすることによって、隔壁の断面形状を
設定することができるので、前記ラインの径の調整と組
み合わせることにより、PDPの規格やサイズに適切な
隔壁を作ることができる。
【0036】またライン41の材質は、ピアノ線などの金
属に限らないが、実施の形態1で用いるものは乾燥工程
での膨張収縮の小さい金属系の材質が好ましい。またラ
インの埋め込み工程(図2(b))において、隔壁材料に
埋め込んだライン41が浮かないようにライン41を押さえ
る治具を用いてもよい。この治具としては、ライン41の
上から押しつけることができる板状体が使用可能であ
る。
【0037】さらに、図2(d)において、ライン41を隔
壁材料から離脱させるとき、ライン41の表面に隔壁材料
が付着しないように、予めライン41の表面にシリコン樹
脂、フッ素系樹脂などの離形処理を施すようにしてもよ
い。さらに、上記実施の形態1では、隔壁材料の上から
ラインを押し込む例を示したが、本発明はこれに限定せ
ず、図4のように、予めライン41をパネル上に載置して
おき(a)、このライン間隙に隔壁材料を塗り込む(b)
ようにしてもよい。このような方法によっても、上記と
同様の効果が奏される。
【0038】2.実施の形態2 実施の形態1では金属製のライン(ワイヤー)を用いて
隔壁を作製する例を示したが、実施の形態2では樹脂製
のラインを用い、これをパネル側に融着させた後に隔壁
材料を塗布する。そしてパターニングした後、焼成工程
においてラインを熱分解除去する方法を行うことを特徴
とする。
【0039】図5を用いて当該方法を順次説明する。図5
(a)は、バックパネルガラス27の上に所定のピッチで
アドレス電極28とその上に誘電体膜29が予め形成された
ものに、アドレス電極28と平行に複数のライン41を配置
する工程を示す。このライン41は、焼成温度300〜600度
で熱分解除去可能な樹脂(一例としてPP(ポリプロピ
レン)やPE(ポリエチレン)などの合成樹脂)からな
る。このようなライン41を備えたラインフレーム40を用
意し、ライン41を誘電体膜29上に載置する。
【0040】次に、図(b)のように、ライン41および
パネルを加熱し、ライン41を誘電体膜29に融着させる。
このとき、あまり加熱しすぎることによって、ライン41
が溶けすぎて著しく変形しないように注意する。次に、
図(c)のように、融着したライン41の上から隔壁材料
を全面に塗布する。ここでも前記実施の形態1と同様
に、隔壁材料とライン41との関係が重要であって、隔壁
材料の湿潤状態の厚みをt、樹脂製ライン41の直径をd
としたとき、0.3≦t/d≦1.2の範囲にあるのが望まし
いことが分かっている。これに基づき、一例としてライ
ン径を0.2mm、湿潤状態の隔壁材料の厚みを0.2mmに
設定すると、パターニングする隔壁の厚み精度を良好に
保つことができる。
【0041】このように隔壁材料を塗布したのち乾燥さ
せ、ラインフレーム40からライン41を融着状態のままは
ずす(または、ライン41の両端部をフレームから切断す
る)。そして、ライン41とフレームとを離し、パネルを
ラインとともに焼成工程に移行させ、この焼成工程にお
いてラインを熱分解除去させる。これにより、図3(d)
のように隔壁30が形成される。
【0042】なお、この後必要に応じて隔壁の形状を整
える加工を施す。このような方法によれば、上記実施の
形態1の効果に加え、ライン41が焼成工程ごとに熱分解
除去されるので、工程を一度行う毎にライン41を張り替
える必要があるものの、ラインの再生工程(洗浄など)
を省くことができるといった効果が得られる。
【0043】また、隔壁材料の乾燥後にラインを引き抜
く必要がないので、この際に隔壁材料が欠損するなどの
危険性も回避できる利点がある。ここで、実施の形態2
のライン41も円形断面のものに限定せず、適宜他の断面
形状の物を使用してもよい。また、樹脂製ラインはパネ
ル側に機械的に固定(具体的には、ラインにテンション
をかけてパネルに押しつけて固定する方法がある)、も
しくはラインに予め接着剤(一例としてエチルセルロー
ス溶液を使うことができる)を塗布しておき、これによ
りパネル側に固着するようにしてもよい。
【0044】3.実施の形態3 上記実施の形態1および2ではラインを用いて隔壁を作製
する例を示したが、実施の形態3ではラインを用いて蛍
光体層を形成する方法を行うことを特徴とする。図6を
用いて当該方法を順次説明する。
【0045】図5の(a)は、隔壁30が予め形成された
バックパネルと、蛍光体インクを塗布したライン41の部
分断面図を示す。各ライン41への蛍光体インクの塗布
は、例えばディッピング、吹き付け、印刷、ロールコー
ター、ダイコーターなどの各方法から選ぶことができ
る。ここでは一例として、各ライン41に、RGB各色に
対応する蛍光体インクが塗布された例を示しているが、
このようなライン41の蛍光体インクの付着塗り分けが困
難な場合、RGB一色毎にライン塗布工程を繰り返すよ
うにしてもよい。この場合、ライン41のピッチは同色の
蛍光体層31〜33のピッチに合わせ、隔壁30のピッチの3
倍に設定しておく。
【0046】またライン41の直径は、放電空間38の断面
積とライン41に付着する蛍光体インクの塗布量で決める
が、発明者らが調べた結果では、半円断面形状の隔壁間
隙(内径0.2mm)に対して、ライン径を0.1〜0.15mm
の範囲内とするのが望ましい。また隔壁30の厚みが0.1
mm、隔壁の高さが0.15mm、隔壁のピッチが0.3mm
の場合にも同様の範囲とするとすることができる。
【0047】次に、図5(b)に示されるように、各蛍
光体インクを付着したライン41を隔壁30の間隙に位置さ
せ、誘電体膜29の表面および隔壁30の壁面に蛍光体イン
クを塗布する。蛍光体インクが隔壁の側面まで塗布でき
たら、この状態で好ましくない蛍光体インクの流動性が
なくなるまで乾燥させた後、図5(c)のようにライン4
1を離脱させ、焼成工程を行うことにより蛍光体層31〜3
3を形成する。
【0048】以上の方法により、放電空間38内で蛍光体
層31〜33の厚みを均一に塗布形成することができ、PD
Pの高輝度化を実現することが可能となる。 4.その他の事項 上記各実施の形態では、隔壁の形成および蛍光体インク
の塗布方法にラインを用いる例を示したが、本発明はこ
の他に電極の作製工程に適用しても良い。これは図5の
(a)→(b)の工程とほぼ同様である。すなわち、導電
性材料からなるライン(金属材料などを含む)をガラス
基板に載置し、これを若干融着または固定したのちに焼
成することによって実現できる。このようなラインを用
いた製造方法は、アドレス電極や表示電極の製造工程に
適用することができる。
【0049】また、本発明は公知のブラックストライプ
を形成する場合においても同様に適用できる。
【0050】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明はプラズマディスプレイパネルの製造方法とし
て、第一プレートの面上に、隔壁材料を層状に塗布する
隔壁材料塗布工程と、第一プレートの隔壁材料を食刻す
る状態で線状部材を配設してパターニングするパターニ
ング工程と、パターニング工程の後に隔壁材料を乾燥さ
せる乾燥工程と、乾燥工程後に焼成して隔壁を形成する
焼成工程を経たのち、第一プレートと第二プレートを封
着する封着工程を経るので、ラインを隔壁材料に押し込
んで食刻するだけで隔壁が簡単にパターニングできる。
よって、フォトエッチング法のような複雑な工程を経る
必要もないので、廃液などの事後処理が飛躍的に改善さ
れ、コスト対策としても有利である。しかも、印刷法の
ように隔壁材料を何度も積層することによって生じる位
置ずれの問題もなくなり、精度のよい隔壁を迅速に形成
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラインフレームおよび隔壁材料を塗布したバッ
クパネルの構成を示す図である。
【図2】ラインを用いた隔壁のパターニング工程(ライ
ン後埋め込み方式)を示す図である。
【図3】ラインの断面形状のバリエーションを示す断面
図である。
【図4】ラインを用いた隔壁のパターニング工程(ライ
ン先埋め込み方式)を示す図である。
【図5】ラインを用いた隔壁のパターニング工程(ライ
ン融着・熱分解方式)を示す図である。
【図6】ラインを用いた蛍光体インクの塗布工程を示す
図である。
【図7】従来型のPDPの基本構成を示す断面斜視図で
ある。
【符号の説明】
20 フロントパネル 21 フロントパネルガラス 22、23 表示電極 26 バックパネル 27 バックパネルガラス 28 アドレス電極 29 誘電体膜 30 隔壁 40 ラインフレーム 41 ライン 42、43 ライン保持部 50 台座 401、402、403、404 対向辺部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一プレートの面上に、隔壁材料を層状
    に塗布する隔壁材料塗布工程と、第一プレートの隔壁材
    料を食刻する状態で線状部材を配設してパターニングす
    るパターニング工程と、パターニング工程の後に隔壁材
    料を乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程後に焼成して隔壁
    を形成する焼成工程を経たのち、第一プレートと第二プ
    レートを封着する封着工程を経ることを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記線状部材は直径dの円形断面を有し
    ており、前記第一プレートの面上に塗布される隔壁材料
    の厚みをtとするとき、0<t/d≦0.8であることを特
    徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 第一プレートの面上に、線状部材をアラ
    イメントする線状部材アライメント工程と、アライメン
    トした線状部材の上から第一プレートの面上に隔壁材料
    を層状に塗布する隔壁材料塗布工程と、隔壁材料塗布工
    程の後に隔壁材料を乾燥させる乾燥工程と、隔壁材料を
    焼成して隔壁を形成する焼成工程を経たのち、第一プレ
    ートと第二プレートを封着する封着工程を経ることを特
    徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記線状部材は直径dの円形断面を有し
    ており、前記第一プレートの面上に塗布される隔壁材料
    の厚みをtとするとき、0.3≦t/d≦1.2であることを
    特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記線状部材は樹脂製であり、前記焼成
    工程において熱分解除去される構成であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載するプラズマディスプ
    レイパネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記線状部材押圧工程では、第一プレー
    ト側に平行な面を有する長方形断面形状もしくは台形断
    面形状を持つ線状部材を用いることを特徴とする請求項
    1、3、5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  7. 【請求項7】 複数の隔壁が形成された第一プレート上
    に、蛍光体インクを表面に付着させた線状部材を、前記
    隔壁の間隙に合わせ、線状部材表面の蛍光体インクを転
    写する線状部材転写工程を経たのち、第一プレートと第
    二プレートを封着する封着工程を経ることを特徴とする
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記線状部材塗布工程で塗布される蛍光
    体インクは複数色であり、かつ一色毎に前記ライン塗布
    工程を繰り返し経ることを特徴とする請求項7に記載の
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 【請求項9】 第一プレート上に、導電材料を含む線状
    部材を載置するライン載置工程と、第一プレート上に載
    置されたラインを固化または焼成することにより電極を
    形成する電極形成工程とを経たのち、第一プレートと第
    二プレートを封着する封着工程を経ることを特徴とする
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
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