JP2002073712A - 回路生成装置、回路生成方法及びcad設計装置 - Google Patents

回路生成装置、回路生成方法及びcad設計装置

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JP2002073712A
JP2002073712A JP2000257587A JP2000257587A JP2002073712A JP 2002073712 A JP2002073712 A JP 2002073712A JP 2000257587 A JP2000257587 A JP 2000257587A JP 2000257587 A JP2000257587 A JP 2000257587A JP 2002073712 A JP2002073712 A JP 2002073712A
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Makoto Terajima
信 寺島
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路要素数を削減して、LSI回路面積の削
減に寄与するとともに、LSI設計期間の短縮に寄与す
る回路生成装置、回路生成方法及び回路生成のためのC
AD設計装置を提供する。 【解決手段】 回路生成装置は入力ファイル101、共
有可能な回路要素集合の検出手段102、共有化する回
路要素集合の選択手段103、共有化する回路要素集合
を共有回路に変換する変換手段104、共有化した回路
記述情報の記録ファイル105、論理合成手段106、
出力ファイル107を備え、回路要素を組み込む回路の
動作速度に対して動作速度の速い回路要素について、同
じ仕様の回路要素を複数個使用している場合、回路設計
情報を設計者が再設計することなく、複数の回路要素の
処理を共有回路に置き換え、その共有回路を時分割で共
有することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、LSI設計の技
術分野で利用可能な回路生成装置、回路生成方法及び回
路生成のためのCAD設計装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ASIC(特定用途向け集積回路)、シ
ステムLSI等の集積回路は、年々級数的に大規模にな
ってきているため、集積される回路に含まれている全て
の回路要素を新規に設計することが困難になっている。
現在では、過去に蓄積された設計資産を再利用すること
により、新規設計部分の割合を削減して、こうした困難
を回避可能とする設計手法が開発されている。
【0003】また、現在のLSIの設計に用いられるC
AD(コンピュータ支援設計)システムでは、回路記述
や回路を表す記号による図面等のデータを作成し、論理
合成ツール等の合成ツールにデータを入力することで、
論理回路に変換する手法が主流となっている。さらに、
このような設計手法の下では、論理回路は回路の動作速
度を規定するクロックに同期して動作するものが大半を
占めている。
【0004】以下、従来の回路生成装置について、図2
を参照しながら説明する。なお、従来例の各構成要素は
主にソフトウェアによって実現されているものである
が、以下では機能ブロックに置き換えて説明する。
【0005】図2は、従来の回路生成装置の構成を示す
ブロック図である。この回路生成装置は、入力ファイル
101、論理合成手段106、出力ファイル107によ
って構成されている。
【0006】以下、図2の各部の動作について説明す
る。図2において、入力ファイル101は、所望の回路
を表すハードウェア記述言語(HDL)による回路記述
や、回路を表す記号による図面等を記した回路記述情報
を有する。ここでハードウェア記述言語による回路記述
とは、例えばVerilog−HDL、VHDL等のH
DLによるRTL記述である。回路を表す記号による図
面とは、例えば回路を表す記号に対応する論理ゲート、
論理回路等の回路要素間の接続情報である。
【0007】回路記述情報は、論理合成手段106に供
給され、処理は、論理合成手段106に渡される。論理
合成手段106は、入力ファイル101より供給される
回路記述情報を論理合成し、論理回路記述情報を生成す
る。ここで論理合成とは、例えばRTLHDL記述され
た内容から、LSIを構成する論理ゲート等に変換する
情報処理をいう。したがって論理回路記述情報とは、例
えばLSIを構成する論理ゲートの接続情報である。
【0008】論理合成には、市販の論理合成ツールが用
いられ、論理合成手段106で生成された論理回路記述
情報は、出力ファイル107に供給される。処理は、出
力ファイル107に渡される。出力ファイル107は、
論理合成手段106から供給された論理回路記述情報を
ファイル等に出力する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の回路生成装置では、回路記述データ等で表される過
去の設計資産を使用する場合に、なるべく設計資産を改
変しないで使用することが重要である。この立場からす
ると、組み込まれる過去の設計資産の動作速度が、この
設計資産を組み込む回路の動作速度より高速な場合であ
っても、組み込まれる設計資産はその動作速度を組み込
む回路の動作速度まで低下させなければならない。
【0010】すなわち、過去の設計資産使用にあたっ
て、高速に動作する回路を低速で動作させるため、設計
資産が本来有している処理能力を低下させるという問題
があった。
【0011】また一般に、LSIの設計では、設計者が
設定した性能を満たすように集積回路を構成する必要が
あるため、本来必要な回路数以上の、複数の回路を用い
たりするために、必要以上に回路規模が大きくなってし
まうという問題もあった。
【0012】この発明の目的は、このような問題点を解
決するためになされたもので、回路要素数を削減して、
LSI回路面積の削減に寄与するとともに、LSI設計
期間の短縮に寄与する回路生成装置、回路生成方法及び
回路生成のためのCAD設計装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、所望の回路を表すハードウェア記述言語による回路
記述や回路を表す記号による図面等を記した回路記述情
報から共有化した回路記述情報を生成する回路生成装置
が提供される。この回路生成装置は、前記回路記述情報
を入力するための情報入力手段と、前記回路記述情報よ
り共有可能な回路要素集合を検出する検出手段と、前記
回路記述情報および前記検出手段により検出された共有
可能な回路要素集合の情報から、共有可能な回路要素集
合を共有回路に変換するための回路記述情報を生成する
変換手段と、前記変換手段により生成された回路記述情
報を出力する出力手段と、から構成される。
【0014】上記構成の回路生成装置を用いることで、
回路要素を組み込む回路の動作速度に対して動作速度の
速い回路要素について、同じ仕様の回路要素を複数個使
用している場合、回路設計情報を設計者が再設計するこ
となく、複数の回路要素の処理を共有回路に置き換え、
その共有回路を時分割で共有することが可能になり、L
SI回路面積の削減、及びLSI設計期間の短縮に寄与
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。図1は、実施の形態に
かかる回路生成装置の構成を示すブロック図である。こ
の回路生成装置は主にソフトウェアによって実現されて
いるものであるが、以下では機能ブロックに置き換えて
説明する。
【0016】図1において、101は入力ファイル、1
02は共有可能な回路要素集合の検出手段、103は共
有化する回路要素集合の選択手段、104は共有化する
回路要素集合を共有回路に変換する変換手段、105は
共有化した回路記述情報の記録ファイル、106,10
7はそれぞれ図2の従来装置と同じ論理合成手段、出力
ファイルである。
【0017】入力ファイル101は、所望の回路を表す
ハードウェア記述言語による回路記述や、回路を表す記
号による図面等を記した回路記述情報である。回路記述
情報は、検出手段102、及び変換手段104に供給さ
れ、処理は、検出手段102に渡される。
【0018】検出手段102は、入力ファイル101か
ら供給される回路記述情報が表す回路を基にして、共有
可能な回路要素集合を検出するものである。ここでは、
まず集積回路を構成する回路要素を組み込んだ上位の回
路内において、同じ仕様の回路要素を検出し、回路要素
集合とする。同じ仕様の回路要素を検出するためには、
例えばハードウェア記述言語による回路記述では同一名
称を有するモジュール名の検出手段が用いられ、回路を
表す記号による図面では同一記号の検出手段が用いられ
る。
【0019】検出手段102では、続いて、回路要素の
特性を検査し、共有回路に変換できる種類の回路要素集
合のみを選択する。ここで、変換できる回路要素の種類
とは、例えば組み合わせ論理回路、或いは組み合わせ論
理回路をパイプライン化した回路等である。こうした回
路要素の特性を検査するためには、例えば市販の論理合
成ツール、或いは市販のハードウェア記述構文解析ツー
ル等を用いることができる。
【0020】さらに検出手段102では、選択した各回
路要素集合に対して、回路要素集合を構成する回路要素
数、及び回路要素を組み込んだ回路の動作速度に対する
各回路要素の最大動作速度の比数を検査する。そして、
この回路要素数が各回路要素の最大動作速度の比数以下
になるよう、回路要素集合を分割する。
【0021】以上の処理を経た回路要素集合は、共有回
路を用いることで共有可能になる。共有可能な回路要素
集合の情報とは、例えば回路要素集合を構成する回路要
素の名前、回路要素の位置、回路要素の数、及び回路要
素を組み込んだ回路の動作速度に対する各回路要素の最
大動作速度の比数等である。検出された共有可能な回路
要素集合の情報は、選択手段103へ供給される。処理
は、選択手段103に渡される。
【0022】選択手段103は、検出手段102から供
給された共有可能な回路要素集合の情報により、回路要
素集合を評価して、共有化する回路要素集合を選択する
ものである。ここでは、共有可能な回路要素集合おのお
のについて、「共有化する」或いは「共有化しない」のい
ずれかに評価することによって、共有化する回路要素集
合が選択される。こうした評価のための情報としては、
例えば共有可能な回路要素集合の情報の他に、市販の論
理合成ツール等を用いて得られる回路要素の回路特性等
がある。
【0023】選択手段103では、複数の条件、例えば
共有化することで回路規模を削減できるか否か、一定の
回路規模以上に削減が可能か否か、共有回路で用いる高
速な制御信号を生成することができるか否か等の条件毎
に評価を行って、自動的に、或いは設計者の指示に従っ
て共有化する回路要素集合が選択される。全ての共有可
能な回路要素集合を、共有化する回路要素集合として選
択することも可能である。
【0024】以上の処理によって選択された回路要素集
合は、例えば回路要素集合の名前、回路要素集合の位置
等で特定される。これらの共有化する回路要素集合の情
報は、変換手段104へ供給される。処理は、この変換
手段104に渡される。
【0025】変換手段104は、入力ファイル101よ
り供給される回路記述情報、及び選択手段103より供
給される共有化する回路要素集合の情報から、共有化す
る回路要素集合を共有回路に変換し、新たに共有化した
回路記述情報を生成するものである。次に説明する図
3、図4、及び図5は、共有回路への変換例である。
【0026】図3は、共有化する回路要素集合の一例を
示す回路ブロック図である。この図において、網点領域
201,202,203はそれぞれ一つの回路要素を示
している。共有化する回路要素集合は、同じ仕様の回路
要素201,202,203で構成されている。
【0027】最初に、回路要素201について説明す
る。回路要素201を構成する回路部品及び信号要素
は、クロック信号CLK101、入力信号IN101、
入力信号記憶装置IFF101、組み合わせ論理回路
(或いは組み合わせ論理回路をパイプライン化したも
の)C101、付加回路E101、出力信号記憶装置O
FF101、出力信号OUT101である。
【0028】クロック信号CLK101は、回路要素2
01が組み込まれた上位の回路から供給されるクロック
信号(SYSCLK)から生成され、それぞれ入力信号
記憶装置IFF101、組み合わせ論理回路C101、
出力信号記憶装置OFF101に供給されている。
【0029】入力信号IN101は、回路要素201が
組み込まれた上位の回路から入力信号IN(1)として
供給されるもので、入力信号記憶装置IFF101に供
給されている。入力信号IN(1)の信号線数は単数で
あっても、複数であってもよい。
【0030】入力信号記憶装置IFF101は、入力信
号IN101として供給された入力信号IN(1)をク
ロック信号CLK101に同期して記憶する。記憶した
信号は、組み合わせ論理回路C101に供給される。
【0031】組み合わせ論理回路C101は、入力信号
記憶装置IFF101から供給された信号を論理演算す
る。演算結果は付加回路E101に供給される。組み合
わせ論理回路C101はパイプライン化した回路の場
合、その動作速度はクロック信号CLK101の周波数
により決定される。
【0032】付加回路E101は、組み合わせ論理回路
C101から供給された信号を更に論理演算する。演算
結果は出力信号記憶装置OFF101に供給される。付
加回路E101の最大動作速度は、組み合わせ論理回路
C101の最大動作速度と比較して十分に大きいものと
する。付加回路E101の論理演算内容は空であっても
よい。すなわち組み合わせ論理回路C101から供給さ
れた信号をそのまま出力信号記憶装置OFF101に供
給してもよい。
【0033】出力信号記憶装置OFF101は、付加回
路E101から供給された信号をクロック信号CLK1
01に同期して記憶する。記憶された信号は、出力信号
OUT101として出力される。この出力信号OUT1
01の信号線数は単数であっても、複数であってもよ
い。
【0034】出力信号OUT101は、出力信号OUT
(1)として回路要素201が組み込まれた上位の回路
に供給される。図3の回路要素集合の例は、同じ仕様の
N個の回路要素により構成されており、各回路要素を構
成する回路部品及び信号要素を区別するために、番号i
(1〜N)が付加されている。i番目の回路要素202
を構成する回路部品及び信号要素は、クロック信号CL
K101、入力信号IN102、入力信号記憶装置IF
F102、組み合わせ論理回路C102、付加回路E1
02、出力信号記憶装置OFF102、出力信号OUT
102である。したがって、同様にN番目の回路要素2
03を構成する回路部品及び信号要素は、クロック信号
CLK101、入力信号IN103、入力信号記憶装置
IFF103、組み合わせ論理回路C103、付加回路
E103、出力信号記憶装置OFF103、出力信号O
UT103である。但し、各回路要素201、202,
203は付加回路E101,E102,E103が異な
る構成であっても、同じ仕様の回路要素であるものとす
る。
【0035】つぎに、図3に示す共有化する回路要素集
合を変換した共有回路の一例について説明する。図4
は、共有化する回路要素集合を変換した共有回路の一例
を示す回路ブロック図である。この図において、図3と
同一回路部品及び信号要素には、同一の符号を付けてい
る。
【0036】図4の共有回路は、図3のものと比較した
場合、組み合わせ論理回路C102、C103が削除さ
れており、新たにクロック信号CLK102、信号選択
装置SEL101、信号遅延装置D101,D102、
D103を付加した構成となっている。この共有回路で
は、回路要素301の組み合わせ論理回路C101にお
いて、他の回路要素302,303の組み合わせ論理回
路C102、C103での処理を時分割で実行するよう
にしているからである。このように組み合わせ論理回路
C102,C103が削除されることで、集積回路の面
積が削減できる。
【0037】図4において、新たに追加された回路部品
及び信号要素について説明する。クロック信号CLK1
02は、共有回路を高速に動作させるためのものであっ
て、上位の回路から供給されるクロック信号(SYSC
LK)から、周波数がクロック信号CLK101のL倍
となるように生成されている。このクロック信号CLK
102の値Lは、回路要素集合を構成する回路要素数を
N、回路要素を組み込んだ回路の動作速度に対する回路
要素の最大動作速度の比数(但し、非自然数の場合、数
より小さい自然数とする。)をLMAXとするとき、N
〜LMAXの範囲の値とする。このクロック信号CLK
102は、それぞれ信号選択装置SEL101、組み合
わせ論理回路C101、及び信号遅延装置D101,D
102,D103に供給している。
【0038】信号選択装置SEL101は、入力信号記
憶装置IFF101、IFF102,IFF103から
供給された信号を順次選択することで、組み合わせ論理
回路C101に時分割で出力するものである。この実施
の形態では、信号選択装置SEL101での信号選択動
作は、クロック信号CLK102に同期しており、例え
ば各回路要素301,302,303に付加された番号
通り、即ち1番目の回路要素、2番目の回路要素、…i
番目の回路要素、…N番目の回路要素に対する入力信号
を選択して供給するものとしている。
【0039】信号遅延装置D101,D102,D10
3は、組み合わせ論理回路C101から供給された信号
を、それぞれ設定した期間T1、T2、T3だけ記憶す
るものである。これらの期間T1、T2、T3は、組み
合わせ論理回路C101から時分割で共有された信号
を、同時に付加回路E101,E102,E103に出
力するためには、それぞれ異なる信号記憶期間として設
定される。
【0040】図5は、各信号遅延装置における信号記憶
期間を示す図である。組み合わせ論理回路、或いはパイ
プライン化した組み合わせ論理回路C101のパイプラ
イン段数をMとし、以下では、これらを単にパイプライ
ン回路という。但し、C101が組み合わせ回路の場合
には、Mを0とする。
【0041】1番目の回路要素301に属する信号遅延
装置D101では、クロック信号CLK102の(1+
M)番目のタイミングでパイプライン回路から供給され
た信号を記憶し、少なくともクロック信号CLK102
の(1+M)L番目のタイミングまで、その記憶内容を
保持し、その直後に、この記憶された信号は付加回路E
101に供給される。
【0042】同様に、i番目の回路要素302に属する
信号遅延装置D102では、クロック信号CLK102
の(i+M)番目のタイミングでパイプライン回路から
供給された信号を記憶し、少なくともクロック信号CL
K102の(1+M)L番目のタイミングまで、その記
憶内容を保持し、その直後に、この記憶された信号は付
加回路E102に供給される。
【0043】同様に、N番目の回路要素303に属する
信号遅延装置D103では、クロック信号CLK102
の(N+M)番目のタイミングでパイプライン回路から
供給された信号を記憶し、少なくともクロック信号CL
K102の(1+M)L番目のタイミングまで、その記
憶内容を保持し、その直後に、この記憶された信号は付
加回路E103に供給される。
【0044】なお、パイプライン段数Mが0であって、
しかもクロック信号CLK102の値Lが回路要素の数
Nに等しい場合には、N番目の回路要素303に属する
信号遅延装置D103は記憶保持期間が0となるので不
要となる。その場合に、パイプライン回路から付加回路
E103には信号が直接供給される。
【0045】以上、図3、図4、及び図5によって説明
した変換処理を実行することにより、共有化する回路要
素集合を機能的に等しい共有回路へと変換できる。ここ
で、再び図1に示す回路生成装置に戻って、変換手段1
04では入力ファイル101からの回路記述情報と、選
択手段103からの共有化する回路要素集合の情報が供
給され、共有化する回路要素集合を共有回路に変換した
回路記述情報(共有化した回路記述情報)が生成され
る。
【0046】このように生成された共有回路の回路記述
情報は、共有化した回路記述情報の記録ファイル105
に格納され、処理は、記録ファイル105に渡される。
記録ファイル105には、変換された回路記述情報が格
納され、この共有化した回路記述情報は論理合成手段1
06に供給される。処理は、論理合成手段106に渡さ
れる。
【0047】論理合成手段106は、記録ファイル10
5から供給された共有化した回路記述情報を論理合成
し、論理回路記述情報を生成する。この論理合成は、例
えばRTL HDL記述された内容から、LSIを構成
する論理ゲート等に変換する情報処理である。生成され
る論理回路記述情報は、例えばLSIを構成する論理ゲ
ートの接続情報である。論理合成には、市販の論理合成
ツールが用いられ、論理合成手段106で生成された論
理回路記述情報は、出力ファイル107に供給される。
処理は、出力ファイル107に渡される。
【0048】出力ファイル107は、論理合成手段10
6から供給された論理回路記述情報をファイル等に出力
する。つぎに、実施の形態にかかる回路生成装置で実行
される実際の回路記述情報の流れを説明する。
【0049】図6は、集積回路を表す回路記述情報の具
体例を示す図である。図1の入力ファイル101には、
この図6のように、回路要素ADD,SUB,MUL,
DIVを表す記号によって記載された集積回路LSI1
の回路記述情報が入力される。
【0050】すなわち、集積回路LSI1は、3つの加
算器ADD1,ADD2,ADD3、2つの減算器SU
B1,SUB2、乗算器MUL1、及び除算器DIV1
という回路要素を備えている。こうした回路記述情報
は、共有可能な回路要素集合の検出手段102、及び変
換手段104に供給される。処理は、検出手段102に
渡される。
【0051】検出手段102は、入力ファイル101か
ら供給される回路記述情報が表す回路を基にして、共有
可能な回路要素集合を検出する。図6に示す集積回路L
SI1の場合には、3つの加算器ADD1,ADD2,
ADD3及び2つの減算器SUB1,SUB2が同じ仕
様の回路要素として検出でき、これらを回路要素集合と
する。
【0052】ここで、加算器、減算器はともに組み合わ
せ回路であるものとすると、回路要素を検出した結果
は、共有回路に変換できる種類の回路要素集合となる。
また、加算器、減算器はともに回路要素数(N)が3以
下であり、回路要素を組み込んだ回路の動作速度に対す
る回路要素の最大動作速度の比数(LMAX)が3であ
るものとすれば、加算器、減算器は、回路要素を組み込
んだ回路の動作速度の3倍までの動作速度で動作可能で
ある。
【0053】また、集積回路LSI1では、回路要素集
合を構成する回路要素数は、加算器では3、減算器では
2であって、いずれもLMAX(=3)以下であるた
め、それぞれの回路要素は分割済みとなる。次の表1
は、共有可能な回路要素集合の情報を示している。
【0054】
【表1】
【0055】検出された共有可能な回路要素集合の情報
は、選択手段103へ供給される。処理は、選択手段1
03に渡される。選択手段103では、検出手段102
から供給された共有可能な回路要素集合の情報により、
回路要素集合を評価して、共有化する回路要素集合を選
択する。例えば「減算器で構成される共有可能な回路要
素集合を構成する回路要素数は2である」、及び「回路
要素の回路規模が小さい」という2つの情報が選択手段
103に与えられたとする。すると、減算器で構成され
る共有可能な回路要素集合を共有回路に置き換えても、
回路面積の削減効果が小さいと判断され、減算器で構成
される共有可能な回路要素集合は、共有化する回路要素
集合としては選択されない。しかし、加算器で構成され
る共有可能な回路要素集合は、共有化する回路要素集合
として選択される。ここでは、例えば加算器、減算器と
もに、共有化する回路要素集合として選択することも可
能である。
【0056】以上の処理によって選択された回路要素集
合の情報は、例えば「共有化する回路要素集合は加算器
ADD1,ADD2,ADD3で構成される回路要素集
合」となる。次の表2は、共有化する回路要素集合の情
報を示している。
【0057】
【表2】
【0058】この共有化する回路要素集合の情報は、変
換手段104へ供給される。処理は、この変換手段10
4に渡される。変換手段104では、入力ファイル10
1より供給される回路記述情報、及び選択手段103よ
り供給される共有化する回路要素集合の情報から、共有
化する回路要素集合を共有回路に変換し、新たに共有化
した回路記述情報を生成する。ここでは、次に説明する
図7、図8に示すように、加算器ADD1,ADD2,
ADD3で構成される回路要素集合が共有回路に変換さ
れる。
【0059】図7は、共有化する回路要素集合を示すブ
ロック図である。図8は、図7の共有化する回路要素集
合を変換した共有回路を示すブロック図である。図7に
おいて、加算器ADD1は入力信号記憶装置IFF1、
加算回路C1、出力信号記憶装置OFF1で構成されて
いる。加算器ADD2は入力信号記憶装置IFF2、加
算回路C2、出力信号記憶装置OFF2で構成されてい
る。加算器ADD3は入力信号記憶装置IFF3、加算
回路C3、出力信号記憶装置OFF3で構成されてい
る。入力信号記憶装置IFF1,IFF2,IFF3及
び出力信号記憶装置OFF1,OFF2,OFF3には
クロック信号SYSCLK1が供給されている。
【0060】図8に示す共有回路は、図7の回路要素集
合と比較した場合、2つの加算回路C2,C3が削除さ
れ、新たにクロック信号SYSCLK2、信号選択装置
SEL、信号遅延装置D1,D2,D3を付加した構成
となっている。このように加算回路C2,C3が削除さ
れることで、集積回路の面積が削減できる。
【0061】図9は、各信号遅延装置D1,D2,D3
における信号記憶期間を示す図である。(A)はクロッ
ク信号SYSCLK1、(B)はクロック信号SYSC
LK2である。クロック信号SYSCLK2は、上位回
路から供給されるクロック信号SYSCLK1の3倍の
動作速度を有するものとする。
【0062】図8において、入力信号記憶装置IFF
1,IFF2,IFF3はそれぞれ加算器ADD1,A
DD2,ADD3に入力された信号を記憶する。信号選
択装置SELは、選択回路SEL0とカウンタ回路CT
Rとを備えている。カウンタ回路CTRは、クロック信
号SYSCLK2の動作により出力信号値を変化させ、
選択回路SEL0はカウンタ回路CTRの出力値によっ
て、入力信号記憶装置IFF1,IFF2,IFF3の
値を選択して加算回路C1に出力する。カウンタ回路C
TRは、クロック信号SYSCLK2の動作により、出
力値を1,2,3,1,2,3,…と変化させながら加
算回路C1への出力値を切り換えると共に、次に説明す
る信号遅延装置D1,D2,D3にも供給している。
【0063】信号遅延装置D1,D2は、選択回路S
1,S2及び遅延回路DFF1,DFF2を備え、信号
遅延装置D3は、選択回路S3を備えている。選択回路
S1,S2,S3に、信号選択装置SEL内のカウンタ
回路CTRの出力値を供給することで、加算器ADD1
の加算回路C1より出力される信号値を設定した期間だ
け記憶した後、対応する出力信号記憶装置OFF1,O
FF2,OFF3に加算結果を出力できる。
【0064】すなわち、信号遅延装置D1では、カウン
タ回路CTRの出力値が1の場合に記憶内容を加算回路
C1から供給される信号値に更新することで、クロック
信号SYSCLK2の1番目の動作時に加算回路C1か
ら供給される信号値を選択し、少なくともクロック信号
SYSCLK2の3番目の動作まで記憶内容を保持す
る。この記憶内容は、その後に出力信号記憶装置OFF
1に出力される。同様に、信号遅延装置D2では、カウ
ンタ回路CTRの出力値が2の場合に記憶内容を加算回
路C1から供給される信号値に更新することで、クロッ
ク信号SYSCLK2の2番目の動作時に加算回路C1
から供給される信号値を選択し、少なくともクロック信
号SYSCLK2の4番目の動作まで記憶内容を保持す
る。この記憶内容は、その後に出力信号記憶装置OFF
2に出力される。信号遅延装置D3では、クロック信号
SYSCLK2の3番目の動作時に加算回路C1から供
給される信号値を選択し、記憶保持期間を0としている
ので、そのまま出力信号記憶装置OFF3に出力され
る。
【0065】図10は、共有回路に変換した回路記述情
報の具体例を示す図である。この集積回路LSI1で
は、図6に示す構成の集積回路LSI1に、上述した変
換処理を実行することにより、共有化する回路要素集合
を機能的に等しい共有回路に変換している。このように
生成された共有回路の回路記述情報は、図1に示す変換
手段104から記録ファイル105に格納される。処理
は、記録ファイル105に渡される。
【0066】記録ファイル105には、変換された回路
記述情報が格納され、この共有化した回路記述情報は論
理合成手段106に供給される。処理は、論理合成手段
106に渡される。
【0067】論理合成手段106は、記録ファイル10
5から供給された共有化した回路記述情報を論理合成
し、論理回路記述情報を生成する。既に述べたように、
この論理合成方法として、例えば市販の論理合成ツール
等を用いることによって、LSIを構成する論理ゲート
等の接続情報を生成できる。論理合成手段106で生成
された論理回路記述情報は、出力ファイル107に供給
される。処理は、出力ファイル107に渡される。
【0068】出力ファイル107は、論理合成手段10
6から供給された論理回路記述情報をファイル等に出力
する。共有化した論理回路記述情報である論理ゲート等
の接続情報は、LSIの設計データとして活用される。
【0069】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明の回路
生成装置によれば、回路要素を組み込む回路の動作速度
に対して動作速度が速い回路要素について、同じ仕様の
回路要素を複数個使用している場合に、回路設計情報を
設計者が再設計することなく、複数の回路要素の処理
を、共有回路を使用して時分割で共有することが可能に
なる。したがって、以下の効果を得ることができる。
【0070】第1に、従来と比較して、回路要素を組み
込む回路の動作速度に対して動作速度が速い回路要素に
ついて、同じ仕様の回路要素を複数個使用している場合
に、複数の回路要素を時分割で共有することで、回路要
素数を削減でき、LSIの回路面積の削減に寄与する。
【0071】第2に、従来と比較して、回路要素の動作
速度とその回路要素が組み込まれる回路の動作速度とに
差がある場合でも、回路要素を有効に使用するための設
計者による再設計を削減でき、LSI設計期間の短縮に
寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる回路生成装置の構成を示す
ブロック図である。
【図2】従来の回路生成装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】共有化する回路要素集合の一例を示す回路ブロ
ック図である。
【図4】共有化する回路要素集合を変換した共有回路の
一例を示す回路ブロック図である。
【図5】各信号遅延装置における信号記憶期間を示す図
である。
【図6】集積回路を表す回路記述情報の具体例を示す図
である。
【図7】図6の集積回路において共有化する回路要素集
合を示すブロック図である。
【図8】図6の集積回路において共有化する回路要素集
合を変換した共有回路を示すブロック図である。
【図9】図8の共有回路の各信号遅延装置における信号
記憶期間を示す図である。
【図10】共有回路に変換した回路記述情報の具体例を
示す図である。
【符号の説明】
101…入力ファイル、102…検出手段、103…選
択手段、104…変換手段、105…記録ファイル、1
06…論理合成手段、107…出力ファイル、201,
202,203…回路要素

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の回路を表すハードウェア記述言語
    による回路記述や回路を表す記号による図面等を記した
    回路記述情報から共有化した回路記述情報を生成する回
    路生成装置において、 前記回路記述情報を入力するための情報入力手段と、 前記回路記述情報より共有可能な回路要素集合を検出す
    る検出手段と、 前記回路記述情報および前記検出手段により検出された
    共有可能な回路要素集合の情報から、共有可能な回路要
    素集合を共有回路に変換するための回路記述情報を生成
    する変換手段と、 前記変換手段により生成された回路記述情報を出力する
    出力手段と、 を有することを特徴とする回路生成装置。
  2. 【請求項2】 前記変換手段では、前記検出手段により
    検出された共有可能な回路要素集合の情報から、共有可
    能な回路要素集合を評価し、共有化する回路要素集合を
    選択し、選択された共有化する回路要素集合の情報か
    ら、共有化する回路要素集合を共有回路に変換するため
    の回路記述情報を生成することを特徴とする請求項1に
    記載の回路生成装置。
  3. 【請求項3】 前記変換手段の後段に、共有化した回路
    記述情報を論理合成する論理合成手段を有することを特
    徴とする請求項1に記載の回路生成装置。
  4. 【請求項4】 前記変換手段は、前記検出手段により検
    出された共有可能な回路要素集合の情報から、共有可能
    な回路要素集合を評価し、共有化する回路要素集合を選
    択し、選択された共有化する回路要素集合の情報から、
    共有化する回路要素集合を共有回路に変換するための回
    路記述情報を生成するとともに、前記変換手段の後段
    に、共有化した回路記述情報を論理合成する論理合成手
    段を有することを特徴とする請求項1に記載の回路生成
    装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1に記載の回路生成装置を備
    えたことを特徴とするCAD設計装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項2に記載の回路生成装置を備
    えたことを特徴とするCAD設計装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項3に記載の回路生成装置を備
    えたことを特徴とするCAD設計装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項4に記載の回路生成装置を備
    えたことを特徴とするCAD設計装置。
  9. 【請求項9】 所望の回路を表すハードウェア記述言語
    による回路記述や回路を表す記号による図面等を記した
    回路記述情報を入力するための情報入力ステップと、 前記回路記述情報より共有可能な回路要素集合を検出す
    る検出ステップと、 前記回路記述情報および前記検出ステップにより検出さ
    れた共有可能な回路要素集合の情報から、共有可能な回
    路要素集合を共有回路に変換して、共有化された回路記
    述情報を生成する変換ステップと、 前記変換ステップにより生成された共有化した回路記述
    情報を出力するための出力ステップと、 を有することを特徴とする回路生成方法。
  10. 【請求項10】 所望の回路を表すハードウェア記述言
    語による回路記述や回路を表す記号による図面等を記し
    た回路情報を入力するための情報入力ステップと、 前記回路記述情報より共有可能な回路要素集合を検出す
    る検出ステップと、 前記検出ステップにより検出された共有可能な回路要素
    集合の情報から、共有可能な回路要素集合を評価し、共
    有化する回路要素集合を選択する選択ステップと、 前記回路記述情報および前記選択ステップにより選択さ
    れた共有化する回路要素集合の情報から、共有化する回
    路要素集合を共有回路に変換して共有化された回路記述
    情報を生成する変換ステップと、 前記共有回路の変換ステップにより生成された共有化し
    た回路記述情報を出力するための出力ステップと、 を有することを特徴とする回路生成方法。
  11. 【請求項11】 所望の回路を表すハードウェア記述言
    語による回路記述や回路を表す記号による図面等を記し
    た回路記述情報を入力するための情報入力ステップと、 前記回路記述情報より共有可能な回路要素集合を検出す
    る検出ステップと、 前記回路記述情報および前記検出ステップにより検出さ
    れた共有可能な回路要素集合の情報から、共有可能な回
    路要素集合を共有回路に変換して共有化された回路記述
    情報を生成する変換ステップと、 前記変換ステップにより生成された共有化した回路記述
    情報を論理合成する論理合成ステップと、 前記論理合成ステップでの論理合成結果を出力するため
    の出力ステップと、を有することを特徴とする回路生成
    方法。
  12. 【請求項12】 回路生成方法において、 所望の回路を表すハードウェア記述言語による回路記述
    や回路を表す記号による図面等を記した回路記述情報を
    入力するための情報入力ステップと、 前記回路記述情報より共有可能な回路要素集合を検出す
    る検出ステップと、 前記検出ステップにより検出された共有可能な回路要素
    集合の情報から、共有可能な回路要素集合を評価し、共
    有化する回路要素集合を選択する選択ステップと、 前記回路記述情報および前記検出ステップにより検出さ
    れた共有可能な回路要素集合の情報から、共有可能な回
    路要素集合を共有回路に変換して共有化された回路記述
    情報を生成する変換ステップと、 前記変換ステップにより生成された共有化した回路記述
    情報を論理合成する論理合成ステップと、 前記論理合成ステップでの論理合成結果を出力するため
    の出力ステップと、を有することを特徴とする回路生成
    方法。
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