JP2002071226A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2002071226A
JP2002071226A JP2000254806A JP2000254806A JP2002071226A JP 2002071226 A JP2002071226 A JP 2002071226A JP 2000254806 A JP2000254806 A JP 2000254806A JP 2000254806 A JP2000254806 A JP 2000254806A JP 2002071226 A JP2002071226 A JP 2002071226A
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compressor
brine
pipe
gas
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JP2000254806A
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English (en)
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Masaaki Takegami
雅章 竹上
Terubumi Wada
光史 和田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 利用側回路(50,60)の熱媒体を冷媒回路
(20)の冷凍サイクルで冷却するチリングユニットなど
の冷凍装置(10)において、圧縮機(21)の運転を継続
しながら低圧圧力の異常低下を防止できるようにする。 【解決手段】 冷媒回路(20)に、圧縮機(21)から吐
出されたガス冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するた
めのガス冷媒導入管路(35)と、ガス冷媒導入管路(3
5)の冷媒流量を調節するガス冷媒調節弁(E4)とを設
ける。そして、圧縮機(21)の吸入圧力が所定値よりも
低下するとガス冷媒導入管路(35)に冷媒を流してその
流量を漸増させる一方、圧縮機(21)の吸入圧力が所定
値よりも上昇するとガス冷媒導入管路(35)の冷媒流量
をゆっくりと漸減させるようにガス冷媒調節弁(E4)を
調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用側回路を循環
する熱媒体を冷却する冷凍装置に関し、特に、熱媒体を
冷却する冷媒回路の冷凍サイクルにおける低圧圧力の制
御技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、いわゆるチリングユニットと
して、利用側回路を循環する熱媒体(ブライン)を冷媒
回路の冷凍サイクルにより冷却する冷凍装置が知られて
いる。例えば、特開平5−280809号公報には、冷
却した熱媒体で工作機械の冷却を行う冷凍装置が開示さ
れている。具体的に、上記冷凍装置では、冷媒回路は、
圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を冷媒配管で順に
接続することにより構成されている。そして、冷媒回路
の蒸発器と利用側である工作機械との間に設けた利用側
回路でブラインを循環させ、蒸発器で冷媒にブラインか
ら吸熱させてブラインを冷却している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の装置で
は、蒸発器の負荷が少ない場合などには、冷媒回路の低
圧圧力が異常に低下することがある。そして、このよう
な場合には、液冷媒が圧縮機に吸入される液バックが生
じ、液圧縮により圧縮機が損傷するおそれがある。この
ような場合に圧縮機の運転を停止できれば故障は未然に
回避できるが、工場の製造ライン等で工作機械やワーク
を冷却する冷凍装置ではすぐに圧縮機を止めてしまうの
は望ましくなく、可能な限り運転を継続しながら低圧圧
力を回復させる制御を行うことが望ましい。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みて創案
されたものであり、その目的とするところは、利用側回
路の熱媒体を冷媒回路の冷凍サイクルで冷却する冷凍装
置において、圧縮機の運転を継続しながら低圧圧力の異
常低下を防止できるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷媒回路の低
圧圧力が所定値よりも低下すると、圧縮機の吐出冷媒の
一部を吸入側に供給し、かつ、その供給量を徐々に増や
すようにしたものである。
【0006】具体的に、本発明が講じた解決手段は、圧
縮機(21)、凝縮器(22)、膨張機構(E1,E2)、及び
蒸発器(23,24)を有して冷媒が循環する冷媒回路(2
0)と、上記蒸発器(23,24)に接続されて熱媒体が循
環する利用側回路(50,60)とを備えた冷凍装置を前提
としている。そして、この冷凍装置は、冷媒回路(20)
に、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒を該圧縮機
(21)の吸入側へ導入するためのガス冷媒導入管路(3
5)と、該ガス冷媒導入管路(35)の冷媒流量を調節す
るガス冷媒調節弁(E4)とを備えている。また、この冷
凍装置は、圧縮機(21)の吸入圧力が所定値よりも低下
すると、ガス冷媒導入管路(35)に冷媒を流し、かつ、
その流量を漸増させるようにガス冷媒調節弁(E4)を調
節する制御手段(80)を備えている。
【0007】上記構成においては、冷媒回路(20)で
は、充填された冷媒が相変化しつつ循環し、蒸気圧縮式
の冷凍サイクルが行われる。また、利用側回路(50,6
0)では、充填された熱媒体が循環し、熱媒体が蒸発器
(23,24)で冷媒回路(20)の冷媒に放熱して設定温度
に冷却され、利用側へ送られる。
【0008】また、蒸発器(23,24)の負荷が少ない場
合などに、冷媒回路(20)の低圧圧力(圧縮機(21)の
吸入冷媒圧力)が過度に低下すると、制御手段(80)に
よりガス冷媒調節弁(E4)が徐々に開かれて、圧縮機
(21)の吐出冷媒がガス冷媒導入管路(35)から圧縮機
(21)の吸入側へ導入される。このとき、ガス冷媒調節
弁(E4)は、ガス冷媒導入管路(35)の冷媒流量を漸増
させるように調節される。圧縮機(21)の吐出冷媒が吸
入側に導入されると、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力が上
昇する。
【0009】上記構成において、制御手段(80)は、圧
縮機(21)の吸入圧力が所定値よりも低下するとガス冷
媒導入管路(35)の冷媒流量を漸増させる一方、圧縮機
(21)の吸入圧力がその所定値よりも一定圧力以上上昇
すると、ガス冷媒導入管路(35)の冷媒流量を漸増させ
るときよりも遅い速度で漸減させるようにガス冷媒調節
弁(E4)を調節することが好ましい。
【0010】このように構成すると、例えば冷媒回路
(20)の低圧圧力の低下後にガス冷媒調節弁(E4)を開
き、該低圧圧力が所定値まで復帰した後、低圧圧力がさ
らに一定圧力以上上昇すると、ガス冷媒導入管路(35)
を流れる冷媒の流量が緩やかに漸減するようにガス冷媒
調節弁(E4)が閉じられて行き、低圧圧力が過度に高く
ならないように調整される。また、このときにはガス冷
媒膨脹弁(E4)が低速で閉じられるため、低圧圧力の急
速な低下は回避される。
【0011】また、上記構成において、ガス冷媒導入管
路(35)は、冷媒回路(20)の吐出ガス配管(31)と吸
入ガス配管(33)に接続することができ、ガス冷媒調節
弁(E4)は電子膨脹弁により構成することができる。
【0012】また、上記構成において、制御手段(80)
は、膨張機構(E1,E2)が閉鎖したときに、ガス冷媒調
節弁(E4)を調節してガス冷媒導入管路(35)の冷媒流
量を調節するように構成するとよい。
【0013】この構成において、蒸発器(23,24)の冷
却負荷がなくなって膨張機構(E1,E2)が閉鎖された場
合、圧縮機(21)の吐出ガスがガス冷媒導入管路(35)
から圧縮機(21)の吸入側に導入される。このことによ
り、膨張機構(E1,E2)を閉鎖したときでも、運転条件
によっては(容量可変の圧縮機(21)を低容量で運転す
る場合など)、圧縮機(21)の運転をたとえ過渡的にで
も継続できる。また、この場合、圧縮機(21)への液バ
ックを確実に防止するために、圧縮機(21)の吸入側に
アキュムレータを設けておくとよい。
【0014】また、上記構成においては、冷媒回路(2
0)に、凝縮器(22)で凝縮した液冷媒を圧縮機(21)
の吸入側へ導入するための液冷媒導入管路(34)と、該
液冷媒導入管路(34)の冷媒流量を調節する液冷媒調節
弁(E3)とを設け、制御手段(80)を、膨張機構(E1,
E2)が閉鎖したときに、液冷媒調節弁(E3)を調節して
液冷媒導入管路(34)の冷媒流量を調節するように構成
することが好ましい。
【0015】このように構成すると、膨張機構(E1,E
2)が閉鎖したときに液冷媒調節弁(E3)を開くこと
で、凝縮器(22)で液化した冷媒が液冷媒導入管路(3
4)を通って圧縮機(21)に導入される際に、ガス冷媒
導入管(35)を通じて圧縮機(21)に吸入されるガス冷
媒が混合される。この場合、液冷媒調節弁(E3)とガス
冷媒調節弁(E4)とを適宜調節すれば液バックを防止で
きる。また、この構成でも、圧縮機(21)の吸入側にア
キュムレータを設けておくことが好ましい。
【0016】また、上記構成において、液冷媒導入管路
(34)は、冷媒回路(20)の液配管(32)における膨張
機構(E1,E2)の上流側と吸入ガス配管(33)に接続す
ることができ、液冷媒調節弁(E3)は電子膨脹弁により
構成することができる。
【0017】
【発明の効果】したがって、上記構成によれば、蒸発器
(23,24)の負荷が少ない場合などに、冷媒回路(20)
の低圧圧力(圧縮機(21)の吸入冷媒圧力)が過度に低
下しても、圧縮機(21)の吐出冷媒を吸入側に導入する
ことで、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力を上昇させること
ができる。このため、圧縮機(21)の破損を回避しつつ
運転を継続できる。
【0018】また、低圧圧力の低下後にガス冷媒調節弁
(E4)を開いて該低圧圧力が所定値まで復帰すると、ガ
ス冷媒導入管路(35)を流れる冷媒の流量を低速で漸減
させることにより、低圧圧力が一定以上に高くならない
ように調整でき、同時に、低圧圧力の急速な低下を回避
できる。
【0019】また、膨張機構(E1,E2)が閉鎖された場
合に圧縮機(21)の吐出ガスをガス冷媒導入管路(35)
から圧縮機(21)の吸入側に導入すると、蒸発器(23,
24)の冷却負荷がなくなったとき、たとえ過渡的にでも
圧縮機(21)の運転を継続できる。このことは、冷媒回
路(20)に液冷媒導入管路(34)と液冷媒調節弁(E3)
を設けて、膨張機構(E1,E2)の閉鎖時に液冷媒調節弁
(E3)を開くようにするとより確実に行うことができ
る。
【0020】このため、チリングユニットのように、冷
却負荷のある状態と冷却負荷のない状態とが比較的短い
時間間隔で交互に繰り返されるために、たとえ冷却負荷
が無くなった状態であっても、次に冷却負荷が生じる場
合に備えて圧縮機(21)の運転を継続させる必要がある
装置において、圧縮機(21)を停止しなくて済み、効果
的である。
【0021】また、ガス冷媒導入管路(35)を、冷媒回
路(20)の吐出ガス配管(31)と吸入ガス配管(33)に
接続し、ガス冷媒調節弁(E4)を電子膨脹弁により構成
したり、液冷媒導入管路(34)を、冷媒回路(20)の液
配管(32)における膨張機構(E1,E2)の上流側と吸入
ガス配管(33)に接続し、液冷媒調節弁(E3)を電子膨
脹弁により構成したりすると、低圧圧力の異常低下時に
圧縮機(21)の運転を継続できる構成を容易に実現でき
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る
冷凍装置により構成された、ブラインのチリングユニッ
トである。
【0023】−回路構成− 図1に示すように、上記チリングユニット(10)は、冷
媒回路(20)、冷却水回路(40)、利用側回路である第
1回路(50)及び第2回路(60)、そして制御手段であ
るコントローラ(80)を備えている。このチリングユニ
ット(10)は、半導体の製造工程におけるシリコンウェ
ハーの冷却を行うために、温度レベルの異なる第1ブラ
インと第2ブラインとを、利用側である半導体の生産設
備に供給するためのものである。
【0024】《冷媒回路》上記冷媒回路(20)は、圧縮
機(21)、凝縮器(22)、第1膨張弁(E1)、第2膨張
弁(E2)、第1蒸発器(23)、第2蒸発器(24)、及び
アキュームレータ(25)を配管接続して構成されてい
る。また、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とは、
冷媒回路(20)において並列接続されている。この冷媒
回路(20)には、R407Cが冷媒として充填されてい
る。冷媒回路(20)では、この冷媒が相変化しつつ循環
し、冷凍サイクルが行われる。
【0025】上記冷媒回路(20)において、圧縮機(2
1)の吐出側は、吐出ガス配管(31)を介して凝縮器(2
2)における冷媒流路(22a)の上端に接続されている。
この凝縮器(22)については、後述する。凝縮器(22)
における冷媒流路(22a)の下端には、液配管(32)の
一端が接続されている。液配管(32)は、他端側で2つ
の分岐管に分岐されている。液配管(32)の第1分岐管
(32a)は、第1膨張弁(E1)を介して、第1蒸発器(2
3)における1次側流路(23a)の上端に接続されてい
る。一方、液配管(32)の第2分岐管(32b)は、第2
膨張弁(E2)を介して、第2蒸発器(24)における1次
側流路(24a)の上端に接続されている。なお、第1蒸
発器(23)及び第2蒸発器(24)については、後述す
る。
【0026】第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)と
は、吸入ガス配管(33)を介して圧縮機(21)の吸入側
に接続されている。具体的に、吸入ガス配管(33)は、
一端側で2つの分岐管に分岐されている。そして、吸入
ガス配管(33)は、その第1分岐管(33a)が第1蒸発
器(23)における1次側流路(23a)の下端に接続さ
れ、その第2分岐管(33b)が第2蒸発器(24)におけ
る1次側流路(24a)の下端に接続されている。また、
吸入ガス配管(33)の他端は、アキュームレータ(25)
を介して圧縮機(21)の吸入側に接続されている。
【0027】上記第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E
2)は、冷媒の膨張機構を構成している。また、第1膨
張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)としては、共に、モー
タで駆動されて開度が変更される、いわゆる電子膨張弁
が用いられている。
【0028】上記凝縮器(22)は、いわゆるプレート式
熱交換器により構成されている。凝縮器(22)には、冷
媒流路(22a)と冷却水流路(22b)とが区画形成されて
いる。この凝縮器(22)は、冷媒流路(22a)の冷媒と
冷却水流路(22b)の冷却水とを熱交換させ、この熱交
換によって冷媒を凝縮させるためのものである。
【0029】上記第1蒸発器(23)は、いわゆるプレー
ト式熱交換器により構成されている。第1蒸発器(23)
には、1次側流路(23a)と2次側流路(23b)とが区画
形成されている。この第1蒸発器(23)は、1次側流路
(23a)の冷媒と2次側流路(23b)のブラインとを熱交
換させ、この熱交換によってブラインを冷却するための
ものである。
【0030】上記第2蒸発器(24)は、いわゆるプレー
ト式熱交換器により構成されている。第2蒸発器(24)
には、1次側流路(24a)と2次側流路(24b)とが区画
形成されている。この第2蒸発器(24)は、1次側流路
(24a)の冷媒と2次側流路(24b)のブラインとを熱交
換させ、この熱交換によってブラインを冷却するための
ものである。
【0031】上記圧縮機(21)は、高圧ドーム型のスク
ロール圧縮機(21)によって構成されている。この圧縮
機(21)の電動機には、図外のインバータを介して電力
が供給される。そして、インバータの出力周波数を調節
して電動機の回転数を変更することにより、圧縮機(2
1)の容量が変更される。即ち、上記圧縮機(21)は、
容量可変に構成されている。
【0032】更に、上記冷媒回路(20)には、液冷媒導
入管(34)、ガス冷媒導入管(35)、第3膨張弁(E
3)、及び第4膨張弁(E4)が設けられている。
【0033】上記液冷媒導入管(34)の一端は、上記液
配管(32)における第1及び第2膨張弁(E1,E2)の上
流側に接続されている。また、液冷媒導入管(34)の他
端は、上記吸入ガス配管(33)におけるアキュームレー
タ(25)の上流側に接続されている。この液冷媒導入管
(34)は、凝縮器(22)で凝縮した冷媒を圧縮機(21)
の吸入側へ導入するための液冷媒導入管路を構成してい
る。液冷媒導入管(34)には、第3膨張弁(E3)が液冷
媒調節弁として設けられている。この第3膨張弁(E3)
は、上記第1,第2膨脹弁(E1,E2)と同様、上述の電
子膨張弁によって構成されている。
【0034】上記ガス冷媒導入管(35)の一端は、上記
吐出ガス配管(31)に接続されている。また、ガス冷媒
導入管(35)の他端は、上記吸入ガス配管(33)におけ
るアキュームレータ(25)の上流側に接続されている。
このガス冷媒導入管(35)は、圧縮機(21)から吐出さ
れたガス冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するための
ガス冷媒導入管路を構成している。ガス冷媒導入管(3
5)には、第4膨張弁(E4)がガス冷媒調節弁として設
けられている。この第4膨張弁(E4)は、上記第1,第
2膨脹弁(E1,E2)と同様、上述の電子膨張弁によって
構成されている。
【0035】《冷却水回路》上記冷却水回路(40)は、
流入配管(42)及び流出配管(43)を備えている。ま
た、冷却水回路(40)には、冷却熱交換器(41)が接続
されている。この冷却水回路(40)では、上記凝縮器
(22)及び冷却熱交換器(41)と、図外の冷却塔との間
で冷却水が循環する。
【0036】上記流入配管(42)の一端は、図外のポン
プを介して冷却塔に接続されている。また、流入配管
(42)は、他端側で2つの分岐管に分岐されている。流
入配管(42)の第1分岐管(42a)は、第1電動弁(S
1)を介して冷却熱交換器(41)における冷却水流路(4
1b)の下端に接続されている。一方、流入配管(42)の
第2分岐管(42b)は、第2電動弁(S2)を介して凝縮
器(22)における冷却水流路(22b)の下端に接続され
ている。
【0037】上記冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)と
は、流出配管(43)を介して冷却塔に接続されている。
具体的に、流出配管(43)は、その一端側で2つの分岐
管に分岐されている。流出配管(43)の第1分岐管(43
a)は、冷却熱交換器(41)における冷却水流路(41b)
の上端に接続されている。一方、流入配管(42)の第2
分岐管(43b)は、凝縮器(22)における冷却水流路(2
2b)の上端に接続されている。また、流入配管(42)
は、その他端が図外の冷却塔に接続されている。
【0038】上記冷却熱交換器(41)は、いわゆるプレ
ート式熱交換器により構成されている。冷却熱交換器
(41)には、冷却水流路(41b)とブライン流路(41a)
とが区画形成されている。この冷却熱交換器(41)は、
冷却水流路(41b)の冷却水とブライン流路(41a)のブ
ラインとを熱交換させ、この熱交換によってブラインを
冷却するためのものである。
【0039】《第1回路、第2回路》上記第1回路(5
0)は、冷却熱交換器(41)、第1蒸発器(23)、第1
ヒータ(52)、及び第1タンク(53)を順に配管接続し
て構成されている。この第1回路(50)には、第1熱媒
体である第1ブラインが充填されている。そして、第1
回路(50)では、冷却熱交換器(41)及び第1蒸発器
(23)と利用側との間で第1ブラインが循環し、第1設
定温度とされた第1ブラインが利用側へ供給される。な
お、第1ブラインには、例えばフッ素系不活性液体であ
る3M社のフロリナート(商標)が用いられている。ま
た、第1設定温度は、例えば30℃〜120℃の範囲内
の所定値に設定される。
【0040】上記第1回路(50)において、利用側から
延びるブラインの戻り管(51)は、冷却熱交換器(41)
におけるブライン流路(41a)の下端に接続されてい
る。冷却熱交換器(41)におけるブライン流路(41a)
の上端は、第1蒸発器(23)における2次側流路(23
b)の下端と配管接続されている。第1蒸発器(23)に
おける2次側流路(23b)の上端は、第1ヒータ(52)
を介して第1タンク(53)の下部と配管接続されてい
る。
【0041】第1タンク(53)には、その底部に第1ブ
ラインポンプ(54)が設置されている。この第1ブライ
ンポンプ(54)には、利用側へ延びるブラインの送出管
(55)が接続されている。第1ブラインポンプ(54)
は、第1タンク(53)内の第1ブラインを吸入し、送出
管(55)を通じて利用側へ送り出すためのものである。
また、送出管(55)には、第1逆止弁(CV1)が設けら
れている。この第1逆止弁(CV1)は、第1タンク(5
3)から利用側へ向かう方向へのみ第1ブラインの流通
を許容する。
【0042】上記第2回路(60)は、第2蒸発器(2
4)、第2ヒータ(62)、及び第2タンク(63)を順に
配管接続して構成されている。この第2回路(60)に
は、第2熱媒体である第2ブラインが充填されている。
そして、第2回路(60)では、第2蒸発器(24)と利用
側との間で第2ブラインが循環し、第2設定温度とされ
た第2ブラインが利用側へ供給される。なお、第2ブラ
インには、第1ブラインと同様に上記フロリナートが用
いられている。また、第2設定温度は、例えば−30℃
〜60℃の範囲内の所定値に設定される。ただし、第2
設定温度は、上記第1設定温度よりも低い値に設定され
ている。
【0043】上記第2回路(60)において、利用側から
延びるブラインの戻り管(61)は、第2蒸発器(24)に
おける2次側流路(24b)の下端に接続されている。第
2蒸発器(24)における2次側流路(24b)の上端は、
第2ヒータ(62)を介して第2タンク(63)の下部と配
管接続されている。
【0044】第2タンク(63)には、その底部に第2ブ
ラインポンプ(64)が設置されている。この第2ブライ
ンポンプ(64)には、利用側へ延びるブラインの送出管
(65)が接続されている。第2ブラインポンプ(64)
は、第2タンク(63)内の第2ブラインを吸入し、送出
管(65)を通じて利用側へ送り出すためのものである。
また、送出管(65)には、第2逆止弁(CV2)が設けら
れている。この第2逆止弁(CV2)は、第2タンク(6
3)から利用側へ向かう方向へのみ第2ブラインの流通
を許容する。
【0045】《第1タンク、第2タンク》上記第1タン
ク(53)は、直方体形状の容器で構成されている。この
第1タンク(53)の大きさは、概ね一斗缶程度とされて
いる。第1タンク(53)には、第1ヒータ(52)を通過
した第1ブラインが貯留されている。つまり、第1タン
ク(53)には、第1設定温度とされた第1ブラインが貯
留されている。
【0046】上記第1タンク(53)には、電極式の液面
センサ(56)が設けられている。上記液面センサ(56)
は、下限検知部(56a)と、上限検知部(56b)とを備え
ている。下限検知部(56a)は、第1タンク(53)にお
ける液面の下限位置に設けられている。この液面の下限
位置は、第1タンク(53)内に設けられた第1ブライン
ポンプ(54)が空気を吸い込まないように、第1ブライ
ンポンプ(54)の吸入口の位置に対応して定められてい
る。また、上限検知部(56b)は、第1タンク(53)に
おける液面の上限位置に設けられている。この液面の上
限位置は、第1タンク(53)から第1ブラインがオーバ
ーフローしないように定められている。そして、上記液
面センサ(56)は、下限検知部(56a)が第1ブライン
の液面を検知すると検出信号として下限信号を出力し、
上限検知部(56b)が第1ブラインの液面を検知すると
検出信号として上限信号を出力する。
【0047】上記第2タンク(63)は、直方体形状の容
器で構成されている。この第2タンク(63)の大きさ
は、概ね一斗缶程度とされている。第2タンク(63)に
は、第2ヒータ(62)を通過した第2ブラインが貯留さ
れている。つまり、第2タンク(63)には、第2設定温
度とされた第2ブラインが貯留されている。
【0048】上記第2タンク(63)には、電極式の液面
センサ(66)が設けられている。上記液面センサ(66)
は、下限検知部(66a)と、上限検知部(66b)とを備え
ている。下限検知部(66a)は、第2タンク(63)にお
ける液面の下限位置に設けられている。この液面の下限
位置は、第2タンク(63)内に設けられた第2ブライン
ポンプ(64)が空気を吸い込まないように、第2ブライ
ンポンプ(64)の吸入口の位置に対応して定められてい
る。また、上限検知部(66b)は、第2タンク(63)に
おける液面の上限位置に設けられている。この液面の上
限位置は、第2タンク(63)から第2ブラインがオーバ
ーフローしないように定められている。そして、上記液
面センサ(66)は、下限検知部(66a)が第2ブライン
の液面を検知すると検出信号として下限信号を出力し、
上限検知部(66b)が第2ブラインの液面を検知すると
検出信号として上限信号を出力する。
【0049】上記第1タンク(53)及び第2タンク(6
3)には、それぞれドレンポート(71)が1つずつ設け
られている。このドレンポート(71)は、第1,第2タ
ンク(53,63)の底部に接続している。また、各ドレン
ポート(71)には、ドレン弁(72)が1つずつ設けられ
ている。このドレンポート(71)は、第1,第2タンク
(53,63)からブラインを抜き取る際に用いられる。
【0050】《センサ》また、上記冷媒回路(20)、第
1回路(50)、及び第2回路(60)には、各種のセンサ
が設けられている。
【0051】具体的に、上記冷媒回路(20)には、第1
圧力センサ(P1)、第2圧力センサ(P2)、第1サーミ
スタ(T1)、第2サーミスタ(T2)、及び第3サーミス
タ(T3)が設けられている。第1圧力センサ(P1)は、
吸入ガス配管(33)に接続され、圧縮機(21)が吸入す
る冷媒の圧力を検出する。第2圧力センサ(P2)は、吐
出ガス配管(31)に接続され、圧縮機(21)が吐出する
冷媒の圧力を検出する。第1サーミスタ(T1)は、吸入
ガス配管(33)に取り付けられ、この吸入ガス配管(3
3)の温度を検出することによって、圧縮機(21)が吸
入する冷媒の温度を検出する。第2サーミスタ(T2)
は、吐出ガス配管(31)に取り付けられ、この吐出ガス
配管(31)の温度を検出することによって、圧縮機(2
1)が吐出する冷媒の温度を検出する。第3サーミスタ
(T3)は、吸入ガス配管(33)の第2分岐管(33b)に
設けられ、この第2分岐管(33b)の温度を検出するこ
とによって、第2蒸発器(24)から流出した冷媒の温度
を検出する。
【0052】上記第1回路(50)には、第1白金温度計
(Pt1)、第2白金温度計(Pt2)、第4白金温度計(Pt
4)、及び第3圧力センサ(P3)が設けられている。第
1白金温度計(Pt1)は、第1回路(50)の戻り管(5
1)に設けられ、利用側から戻ってきた第1ブラインの
温度を検出する。第2白金温度計(Pt2)は、第1回路
(50)における冷却熱交換器(41)の出口付近に設けら
れ、冷却熱交換器(41)から流出する第1ブラインの温
度を検出する。第4白金温度計(Pt4)は、第1回路(5
0)における第1ヒータ(52)の出口付近に設けられ、
第1ヒータ(52)から流出する第1ブラインの温度を検
出する。第3圧力センサ(P3)は、第1回路(50)の送
出管(55)に接続され、第1ブラインポンプ(54)から
吐出された第1ブラインの圧力を検出する。
【0053】上記第2回路(60)には、第5白金温度計
(Pt5)、第7白金温度計(Pt7)、及び第4圧力センサ
(P4)が設けられている。第5白金温度計(Pt5)は、
第2回路(60)の戻り管(61)に設けられ、利用側から
戻ってきた第2ブラインの温度を検出する。第7白金温
度計(Pt7)は、第2回路(60)における第2ヒータ(6
2)の出口付近に設けられ、第2ヒータ(62)から流出
する第2ブラインの温度を検出する。第4圧力センサ
(P4)は、第2回路(60)の送出管(65)に接続され、
第2ブラインポンプ(64)から吐出された第2ブライン
の圧力を検出する。なお、上記の各白金温度計は、白金
測温抵抗体を用いた温度センサである。
【0054】《コントローラ》上記コントローラ(80)
は、チリングユニット(10)の運転制御を行うものであ
る。このコントローラ(80)には、上記のサーミスタ
(T1,…)、圧力センサ(P1,…)、白金温度計(Pt1,
…)、液面センサ(56,66)の検出信号が入力される。
そして、コントローラ(80)は、入力された信号に基づ
き、第1〜第4膨張弁(E1〜E4)の開度調節、第1,第
2電動弁(S1,S2)の開度調節、圧縮機(21)の容量調
節、第1,第2ヒータ(52,62)の出力調節などを行
う。具体的な制御の内容については後述する。
【0055】《その他の構成》上記第1回路(50)と第
2回路(60)には、ガス導入手段である窒素導入管(7
7)が接続されている。窒素導入管(77)は、その一端
に開閉弁(79)が設けられている。この窒素導入管(7
7)の一端は、窒素ボンベが接続する接続ポート(78)
を構成している。
【0056】窒素導入管(77)は、他端側で2つの分岐
管に分岐されている。窒素導入管(77)の第1分岐管
(77a)は、第1回路(50)の送出管(55)における第
1逆止弁(CV1)の下流側に接続されている。この第1
分岐管(77a)には、該送出管(55)に向かって順に、
第1電磁弁(SV1)と第3逆止弁(CV3)とが設けられて
いる。第3逆止弁(CV3)は、接続ポート(78)から該
送出管(55)に向かう窒素ガスの流通のみを許容する。
一方、窒素導入管(77)の第2分岐管(77b)は、第2
回路(60)の送出管(65)における第2逆止弁(CV2)
の下流側に接続されている。この第2分岐管(77b)に
は、該送出管(65)に向かって順に、第2電磁弁(SV
2)と第4逆止弁(CV4)とが設けられている。第4逆止
弁(CV4)は、接続ポート(78)から該送出管(65)に
向かう窒素ガスの流通のみを許容する。
【0057】−運転動作− 次に、上記チリングユニット(10)の運転動作について
説明する。
【0058】《冷媒回路、冷却水回路における動作》冷
媒回路(20)において、圧縮機(21)を運転すると、圧
縮されたガス冷媒が圧縮機(21)から吐出される。この
ガス冷媒は、吐出ガス配管(31)を通って凝縮器(22)
の冷媒流路(22a)に導入される。凝縮器(22)の冷媒
流路(22a)では、導入された冷媒が冷却水流路(22b)
の冷却水に放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は、凝縮器
(22)から出て液配管(32)を流れる。その後、液配管
(32)の冷媒は、二手に分流されて、一方が第1分岐管
(32a)に流入し、他方が第2分岐管(32b)に流入す
る。
【0059】液配管(32)の第1分岐管(32a)に流入
した冷媒は、第1膨張弁(E1)で減圧された後に、第1
蒸発器(23)の1次側流路(23a)に導入される。この
1次側流路(23a)では、導入された冷媒が2次側流路
(23b)の第1ブラインから吸熱して蒸発する。蒸発し
た冷媒は、第1蒸発器(23)から出て吸入ガス配管(3
3)の第1分岐管(33a)に流入する。
【0060】一方、液配管(32)の第2分岐管(32b)
に流入した冷媒は、第2膨張弁(E2)で減圧された後
に、第2蒸発器(24)の1次側流路(24a)に導入され
る。この1次側流路(24a)では、導入された冷媒が2
次側流路(24b)の第2ブラインから吸熱して蒸発す
る。蒸発した冷媒は、第2蒸発器(24)から出て吸入ガ
ス配管(33)の第2分岐管(33b)に流入する。
【0061】吸入ガス配管(33)において、第1分岐管
(33a)の冷媒と第2分岐管(33b)の冷媒とが合流す
る。この合流後の冷媒は、アキュームレータ(25)を通
って圧縮機(21)に吸入される。圧縮機(21)は、吸入
した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(20)で
は、以上のように冷媒が循環して、冷凍サイクルが行わ
れる。
【0062】なお、以上は、第1蒸発器(23)と第2蒸
発器(24)の両方へ冷媒を流すときの動作であり、蒸発
器(23,24)の一方への冷媒の流れを停止する場合、停
止側の膨張弁(E1,E2)は閉鎖される。
【0063】一方、冷却水回路(40)において、ポンプ
(図外)を運転すると、冷却塔(図外)で冷却された冷
却水が、流入配管(42)を流れる。流入配管(42)を流
れる冷却水は、二手に分流され、一方が第1分岐管(42
a)に流入し、他方が第2分岐管(42b)に流入する。
【0064】流入配管(42)の第1分岐管(42a)に入
った冷却水は、第1電動弁(S1)を通過して冷却熱交換
器(41)の冷却水流路(41b)に導入される。冷却熱交
換器(41)では、導入された冷却水がブライン流路(41
a)の第1ブラインから吸熱する。吸熱後の冷却水は、
冷却熱交換器(41)から出て流出配管(43)の第1分岐
管(43a)を流れる。
【0065】また、流入配管(42)の第2分岐管(42
b)に入った冷却水は、第2電動弁(S2)を通過して凝
縮器(22)の冷却水流路(22b)に導入される。凝縮器
(22)では、導入された冷却水が冷媒流路(22a)の冷
媒から吸熱する。吸熱後の冷却水は、凝縮器(22)から
出て流出配管(43)の第2分岐管(43b)を流れる。
【0066】流出配管(43)において、第1分岐管(43
a)の冷却水と第2分岐管(43b)の冷却水とが合流す
る。この合流後の冷却水は、冷却塔(図外)に送られて
冷却され、再び流入配管(42)を通じて冷却熱交換器
(41)及び凝縮器(22)に送り込まれる。
【0067】《第1回路、第2回路における動作》第1
回路(50)において、第1ブラインポンプ(54)を運転
すると、第1ブラインが循環する。利用側で対象物から
吸熱した第1ブラインは、戻り管(51)を流れて冷却熱
交換器(41)のブライン流路(41a)に導入される。冷
却熱交換器(41)では、ブライン流路(41a)の第1ブ
ラインが冷却水流路(41b)の冷却水と熱交換する。こ
の熱交換により、第1ブラインは、冷却水に放熱して冷
却される。冷却熱交換器(41)で冷却された第1ブライ
ンは、第1蒸発器(23)の2次側流路(23b)に導入さ
れる。第1蒸発器(23)では、2次側流路(23b)の第
1ブラインが1次側流路(23a)の冷媒と熱交換する。
この熱交換により、第1ブラインは、冷媒に放熱して更
に冷却される。なお、1次側流路(23a)を冷媒が流通
していないとき、第1ブラインは単に2次側流路(23
b)を通過する。
【0068】第1蒸発器(23)から出た第1ブライン
は、第1ヒータ(52)に導入される。第1ヒータ(52)
は、第1ブラインの温度が第1設定温度となるように、
第1ブラインに適当な熱量を付与する。つまり、第1蒸
発器(23)の出口において第1ブラインの温度が第1設
定温度よりも低くなった場合には、第1ヒータ(52)で
の加熱によって第1ブラインの温度を第1設定温度に合
わせる。また、加熱が不要の場合、第1ヒータ(52)は
作動しない。
【0069】第1ヒータ(52)において第1設定温度と
なった第1ブラインは、第1タンク(53)に流入して貯
留される。第1タンク(53)に貯留された第1設定温度
の第1ブラインは、第1ブラインポンプ(54)に吸入さ
れ、送出管(55)に送り出される。送出管(55)を通じ
て供給された第1ブラインは、利用側において対象物の
冷却に利用される。利用側で対象物から吸熱した第1ブ
ラインは、戻り管(51)を通じて再び冷却熱交換器(4
1)へ送り込まれる。
【0070】第2回路(60)において、第2ブラインポ
ンプ(64)を運転すると、第2ブラインが循環する。利
用側で対象物から吸熱した第2ブラインは、戻り管(6
1)を流れて第2蒸発器(24)の2次側流路(24b)に導
入される。第2蒸発器(24)では、2次側流路(24b)
の第2ブラインが1次側流路(24a)の冷媒と熱交換す
る。この熱交換により、第2ブラインは、冷媒に放熱し
て冷却される。
【0071】第2蒸発器(24)から出た第2ブライン
は、第2ヒータ(62)に導入される。第2ヒータ(62)
は、第2ブラインの温度が第2設定温度となるように、
第2ブラインに適当な熱量を付与する。つまり、第2蒸
発器(24)の出口において第2ブラインの温度が第2設
定温度よりも低くなった場合には、第2ヒータ(62)で
の加熱によって第2ブラインの温度を第2設定温度に合
わせる。また、加熱が不要の場合、第2ヒータ(62)は
作動しない。
【0072】第2ヒータ(62)において第2設定温度と
なった第2ブラインは、第2タンク(63)に流入して貯
留される。第2タンク(63)に貯留された第2設定温度
の第2ブラインは、第2ブラインポンプ(64)に吸入さ
れ、送出管(65)に送り出される。送出管(65)を通じ
て供給された第2ブラインは、利用側において対象物の
冷却に利用される。利用側で対象物から吸熱した第2ブ
ラインは、戻り管(61)を通じて再び第2蒸発器(24)
へ送り込まれる。
【0073】《コントローラの制御動作》上述のよう
に、上記コントローラ(80)は、チリングユニット(1
0)の運転制御を行う。ここでは、その内容について説
明する。
【0074】上記コントローラ(80)は、冷却熱交換器
(41)における熱交換量の調節を行う。つまり、第1電
動弁(S1)の開度を調節し、冷却熱交換器(41)に対す
る冷却水の供給量を変更することによって、冷却熱交換
器(41)における第1ブラインからの放熱量を該第1ブ
ラインの流量に応じて調節する。
【0075】また、上記コントローラ(80)は、第1蒸
発器(23)及び第2蒸発器(24)における熱交換量の調
節を行う。つまり、第1膨張弁(E1)の開度を調節し、
第1蒸発器(23)に対する冷媒の供給量を変更すること
によって、第1蒸発器(23)における第1ブラインから
の放熱量を調節する。また、第2膨張弁(E2)の開度を
調節し、第2蒸発器(24)に対する冷媒の供給量を変更
することによって、第2蒸発器(24)における第2ブラ
インからの放熱量を調節する。その際、コントローラ
(80)は、圧縮機(21)の容量調節も行う。つまり、第
1,第2蒸発器(24)における冷却能力の過不足に応じ
てインバータ(図外)の出力周波数を変更し、圧縮機
(21)における電動機の回転数を変更することによっ
て、圧縮機(21)の容量を調節する。
【0076】なお、冷却熱交換器(41)の出口におい
て、第1ブラインの温度が既に第1設定温度以下となっ
ている場合には、第1蒸発器(23)における第1ブライ
ンの冷却を停止する。つまり、このような場合には、上
記コントローラ(80)が第1膨張弁(E1)を全閉し、第
1蒸発器(23)に対する冷媒の供給を停止する。
【0077】上記コントローラ(80)は、第1ヒータ
(52)及び第2ヒータ(62)の出力調節を行う。つま
り、第1ヒータ(52)については、第4白金温度計(Pt
4)の検出温度が第1設定温度となるように、その出力
が調節される。また、第2ヒータ(62)については、第
7白金温度計(Pt7)の検出温度が第2設定温度となる
ように、その出力が調節される。なお、運転状態によっ
ては、第1ヒータ(52)や第2ヒータ(62)の出力をゼ
ロとし、これらヒータ(52,62)におけるブラインの加
熱を行わない場合もある。
【0078】また、上記コントローラ(80)は、第1ブ
ラインポンプ(54)と第2ブラインポンプ(64)の発停
制御を行う。ここでは第1ブラインポンプ(54)の場合
を例に説明するが、第2ブラインポンプ(64)の場合も
同様である。
【0079】この第1ブラインポンプ(54)は、原則と
して常時運転されるものである。ただし、第1タンク
(53)の液面センサ(56)が下限信号又は上限信号の何
れかを出力した場合には、上記コントローラ(80)が第
1ブラインポンプ(54)を緊急停止する。つまり、下限
信号が出力された場合、第1ブラインの流量が不足した
まま運転を継続すると、利用側の冷却対象物にダメージ
を与えるおそれがあるため、第1ブラインポンプ(54)
の運転を停止する。また、上限信号が出力された場合、
第1タンク(53)から第1ブラインが溢れ出すおそれが
あるため、第1ブラインポンプ(54)の運転を停止す
る。
【0080】上記コントローラ(80)は、冷媒回路(2
0)における低圧の制御を行う。具体的に、コントロー
ラ(80)は、第2電動弁(S2)の開度を調節して凝縮器
(22)に対する冷却水の供給量を調節し、凝縮器(22)
における冷媒からの放熱量を調節する。そして、凝縮器
(22)における冷媒の圧力を変更することによって、冷
媒回路(20)の低圧圧力を調節する。その際、コントロ
ーラ(80)は、冷媒回路(20)の低圧圧力を可能な範囲
で最も低くなるようにして、圧縮機(21)における消費
電力の低減を図る。
【0081】コントローラ(80)で上述の制御を行って
も、状況によっては運転状態が不安定になることがあ
る。そこで、上記コントローラ(80)は、冷媒回路(2
0)の運転状態が異常な状態となっても、圧縮機(21)
の運転を継続させつつ、圧縮機(21)を保護するための
動作を行う。
【0082】具体的に、圧縮機(21)の吐出冷媒温度が
過度に上昇した場合において、コントローラ(80)は、
第3膨張弁(E3)を開き、液冷媒導入管(34)を通じて
液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入する。このように
液冷媒を導入すると、圧縮機(21)の吸入冷媒温度が低
下してその吐出冷媒温度も低下するため、圧縮機(21)
の破損を回避しつつ運転を継続できる。
【0083】一方、本実施形態の特徴として、コントロ
ーラ(80)は、圧縮機(21)の運転を継続しながら冷媒
回路の低圧圧力が過度に低下するのを防止するため、図
2のフローチャートに示すような制御を行う。
【0084】まず、ステップST1では、第1圧力センサ
(P1)の出力信号から、低圧圧力(LP)が本実施形態の
所定値である0.5Kg/cm2 よりも低くなっているかどうか
を判別し、低い場合はステップST2へ進んでガス冷媒導
入管(35)に冷媒を流し、かつ、その流量が漸増するよ
うに第4膨脹弁(E4)を開く。この場合の開度は、低圧
圧力(LP)の関数として求められる。また、このとき、
第4膨脹弁(E4)の開動作のスピードは、後述のステッ
プST4での閉動作のスピードよりも速く、例えば1秒間
に10パルスのスピードで行われる。これは、第4膨脹
弁(E4)の動作スピードが遅いと低圧圧力の上昇が遅く
なってしまい、逆に一気に全開にすると圧縮機(21)
を破損するおそれがあるためである。
【0085】このステップST1とステップST2の動作
は、蒸発器の負荷が少なくなったり冷媒の量が不足した
りして圧縮機(21)の吸入冷媒圧力が過度に低下して、
圧縮機(21)の吸入冷媒が湿り状態となった場合に、第
4膨張弁(E4)を開くことで圧縮機(21)の吐出冷媒を
ガス冷媒導入管(35)を通じて圧縮機(21)の吸入側へ
素早く導入するために行われる。そして、このように吐
出冷媒を導入すると、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力が上
昇し、その吸入冷媒の湿り度も低下するため、圧縮機
(21)の破損を回避しつつ運転を継続できる。また、ス
テップST2を実行すると、ステップST1へ戻り上記の判
別を繰り返す。
【0086】ステップST1の判別結果が「No」である
場合は、ステップST3へ進み、低圧圧力(LP)が0.7Kg/
cm2 よりも高いかどうかを判別する。そして、高い場合
はステップST4へ進んで、ガス冷媒導入管(35)を流れ
る冷媒の流量が漸減するように、第4膨脹弁(E4)を閉
じる動作を行う。このとき、第4膨脹弁(E4)を閉じる
動作のスピードは、ステップST2での動作スピードより
も遅く、例えば1秒間に5パルスのスピードで行われ
る。
【0087】このように、低圧圧力が一旦0.5Kg/cm2
りも下がっても、その後にステップST2を実行すること
で0.7Kg/cm2 まで回復した場合などは、低圧圧力(LP)
がそれ以上高くならないように第4膨脹弁(E4)を閉じ
る制御を行う。このステップST4での動作スピードをス
テップST2での動作スピードよりも遅くしているのは、
第4膨脹弁(E4)を開くときに低圧圧力(LP)が上昇す
る反応よりも、閉じるときに低圧圧力(LP)が低下する
反応の方が速いことから、第4膨脹弁(E4)を急激に閉
鎖すると低圧圧力が急速に低下してしまい、圧縮機(2
1)を損傷するおそれがあるのを回避するためである。
【0088】次に、ステップST1とステップST3の判別
結果がいずれも「No」であった場合、低圧圧力(LP)
は0.5Kg/cm2 から0.7Kg/cm2 の間の所定範囲に含まれて
いる。この場合、ステップST5からステップST8では、
利用側回路(50,60)の冷却負荷に合わせて第3,第4
膨脹弁(E3,E4)を制御する。
【0089】この点に関し、上記チリングユニット(1
0)は、上述したように半導体の生産設備にブラインを
供給するものである。そして、この利用側の特性上、チ
リングユニット(10)においては、冷却負荷のある状態
と冷却負荷のない状態とが、比較的短い時間間隔で交互
に繰り返される。このため、たとえ冷却負荷が無くなっ
た状態であっても、次に冷却負荷が生じる場合に備え
て、圧縮機(21)の運転を継続させる必要がある。とこ
ろが、冷却負荷のない状態では、第1蒸発器(23)や第
2蒸発器(24)においてブラインを冷却する必要がなく
なる。その結果、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E
2)が全閉されてしまい、このままでは圧縮機(21)の
運転を継続できなくなる。
【0090】そこで、上記コントローラ(80)は、ステ
ップST5〜ステップST8の制御を行い、第1膨張弁(E
1)及び第2膨張弁(E2)の両方が全閉された状態であ
っても、圧縮機(21)の運転を継続するための動作を行
う。具体的に、コントローラ(80)は、第3膨張弁(E
3)と第4膨張弁(E4)の開度調節を行う。
【0091】ステップST5では、冷却負荷が無負荷であ
り、かつ圧縮機(21)の吸入冷媒の過熱度(SH)が5de
g よりも小さいかどうかを判別する。判別結果が「Ye
s」であれば、冷却負荷がないため第1,第2膨脹弁
(E1,E2)が全閉となり、第3膨脹弁(E3)を開く(フ
ローチャートには示していない動作であり、その理由は
後述する)。第3膨張弁(E3)を開くと、凝縮器(22)
で凝縮した冷媒が、液冷媒導入管(34)を通じて吸入ガ
ス配管(33)に導入される。そのままでは湿り運転とな
るため、ステップST6で上記過熱度(SH)に応じて第4
膨張弁(E4)を開き、圧縮機(21)から吐出されたガス
冷媒を、ガス冷媒導入管(35)を通じて吸入ガス配管
(33)に導入する。そして、液冷媒導入管(34)を通じ
て送り込まれた冷媒と、ガス冷媒導入管(35)を通じて
送り込まれた冷媒とは、共にアキュームレータ(25)へ
流入し、その後に圧縮機(21)に吸入される。その際、
コントローラ(80)は、液バックの問題が生じないよう
に、第3膨張弁(E3)と第4膨張弁(E4)の開度をそれ
ぞれ適当に調節する。以上の動作によって、第1膨張弁
(E1)及び第2膨張弁(E2)が全閉になっていても、圧
縮機(21)の運転が可能となる。
【0092】ステップST5の判別結果が「No」の場合
は、ステップST7へ進み、冷却負荷があり、かつ圧縮機
の吸入冷媒の過熱度(SH)が7deg よりも大きいかどう
かを判別する。この判別結果が「Yes」であれば、湿
り運転のおそれがない状態であるので、ステップST8で
第4膨脹弁(E4)をゆっくりと閉鎖し、ステップST1へ
戻る。
【0093】なお、ステップST5からステップST6で
は、第3膨脹弁(E3)を開くものとして説明したが、も
ともと圧縮機(21)の運転周波数がある程度高い場合な
どは、ステップST6で圧縮機周波数を徐々に垂下させな
がら、第3膨脹弁(E3)を操作せずに第4膨脹弁(E4)
のみで対応することも、過渡的な制御としてはあり得
る。このように、ステップST6では場合によっては第4
膨脹弁(E4)のみを操作することもあるので、フローチ
ャートでは第3膨脹弁(E3)の制御を省略している。
【0094】《その他の動作》上記チリングユニット
(10)の点検や修理の際には、第1回路(50)や第2回
路(60)からブラインを抜き取らなければならない場合
もある。このような場合には、窒素導入管(77)を通じ
て第1,第2回路(50,60)に窒素ガスを導入し、ブラ
インを第1,第2タンク(53,63)に回収する動作を行
う。なお、ここでは、この動作について第1回路(50)
の場合を例に説明するが、第2回路(60)についても同
様である。
【0095】接続ポート(78)に窒素ボンベを接続し、
開閉弁(79)を開く。続いて第1電磁弁(SV1)を開放
すると、窒素ボンベから第1回路(50)へ窒素ガスが送
り込まれる。この時、窒素ガスは、第1回路(50)の送
出管(55)における第1逆止弁(CV1)の下流に導入さ
れる。このため、第1回路(50)における第1ブライン
の循環方向に沿って、この第1逆止弁(CV1)から第1
ヒータ(52)に至るまでの間の第1ブラインは、導入さ
れた窒素ガスによって押し流されて第1タンク(53)に
回収される。そして、第1タンク(53)のドレン弁(7
2)を開き、第1タンク(53)から第1ブラインを排出
することによって、第1回路(50)からほぼ完全に第1
ブラインが抜き取られる。
【0096】このように、本実施形態では、第1,第2
回路(50,60)からのブラインの抜き取りを容易に且つ
確実に行うことができる。このため、チリングユニット
(10)の保守作業に要する工数を抑えられる。また、第
1,第2タンク(53,63)からブラインを抜き出すこと
ができるため、抜き出したブライン(フロリナート)を
再使用することも可能となる。
【0097】−実施形態の効果− 本実施形態によれば、冷媒回路(20)にガス冷媒導入管
(35)とガス冷媒調節弁である第4膨脹弁(E4)とを設
け、圧縮機(21)の吸入圧力が所定値(0.5Kg/cm2 )よ
りも低下すると第4膨脹弁(E4)を調節してガス冷媒導
入管(35)の冷媒流量を漸増させながら圧縮機(21)に
供給するようにしているので、圧縮機(21)の吐出冷媒
が吸入側に導入されることで低圧圧力が上昇する。した
がって、圧縮機(21)の破損を回避しつつ運転を継続で
きる。
【0098】また、圧縮機(21)の吸入圧力が所定値
(0.7Kg/cm2 )よりも上昇すると第4膨脹弁(E4)を調
節してガス冷媒導入管(35)の冷媒流量を漸減させるよ
うにしているので、低圧圧力を所定範囲に維持できる。
このとき、第4膨脹弁(E4)の動作スピードを遅くして
いるので、急激な圧力低下による圧縮機の破損を防止で
きる。
【0099】また、冷媒回路(20)に液冷媒導入管(3
4)と液冷媒調節弁である第3膨脹弁(E3)とを設け、
第1,第2膨脹弁(E1,E2)が閉鎖したときに第3,第
4膨脹弁(E3,E4)を調節するようにしているので、冷
却負荷がなくなっても圧縮機(20)を壊さずに運転を継
続できる。
【0100】また、本実施形態によれば、冷媒回路(2
0)を1つだけ有するチリングユニット(10)によっ
て、第1設定温度の第1ブラインと、第2設定温度の第
2ブラインとの両方を利用側へ供給することが可能とな
る。つまり、本実施形態によれば、第1ブラインの冷却
を行う冷媒回路と第2ブラインの冷却を行う冷媒回路と
の両方を設ける必要はないので、チリングユニット(1
0)の構成を簡素化でき、構成機器の数、特に圧縮機(2
1)の台数を削減することによってトラブルの可能性を
低減できる。このため、チリングユニット(10)の信頼
性を向上させることができる。
【0101】また、従来のチリングユニットでは、急激
な負荷変動に制御が追従できず、第1ブラインの温度が
第1設定温度から若干ずれてしまう場合もあり得る。こ
れに対し、本実施形態に係る第1回路(50)では、第1
設定温度となった第1ブラインを一旦第1タンク(53)
に貯留し、その後に利用側へ送るようにしている。従っ
て、第1タンク(53)に流入する第1ブラインの温度が
一時的に第1設定温度でなくなったとしても、第1タン
ク(53)から利用側へ送られる第1ブラインの温度は、
ほとんど変動することなく第1設定温度に保たれる。こ
の点は、第2回路(60)についても同様である。このた
め、本実施形態によれば、利用側へ供給するブラインの
温度を確実に設定温度に保持することが可能となる。
【0102】また、本実施形態では、インバータの出力
周波数を変更することによって、圧縮機(21)の容量を
変更している。ここで、従来、この種のチリングユニッ
ト(10)では、圧縮機(21)の吐出ガスをそのまま吸入
側へ戻す、いわゆるホットガスバイパスによって圧縮機
(21)の容量を調節していた。このため、圧縮機(21)
の容量は変更されても圧縮機(21)の消費電力は低下せ
ず、エネルギ効率の点で問題があった。これに対し、本
実施形態のようにインバータにより圧縮機(21)の容量
を調節すれば、圧縮機(21)の容量を小さくすることで
消費電力も低下するため、省エネルギ性に優れたチリン
グユニット(10)を実現できる。
【0103】また、本実施形態では、第1回路(50)に
冷却熱交換器(41)を接続し、冷却水との熱交換によっ
ても第1ブラインを冷却するようにしている。従って、
冷凍サイクルにより得られた冷熱のみを用いて第1ブラ
インを冷却する場合に比べ、第1ブラインの冷却に要す
るエネルギを大幅に低減できる。このため、チリングユ
ニット(10)の運転に要するエネルギを削減でき、チリ
ングユニット(10)の消費電力を低減できる。
【0104】また、本実施形態では、従来の装置におけ
る次のような問題も解消できる。この問題点について、
第1回路(50)における第1設定温度が30℃程度であ
り、第2回路(60)における第2設定温度が−5℃程度
である場合を例に説明する。
【0105】この場合、第2ブラインを第2設定温度と
するためには、1年を通じて冷媒回路(20)における冷
凍サイクルを行う必要がある。一方、第1ブラインの冷
却については、夏期を除けば、冷却塔などで冷却した冷
却水により行うことも可能である。このように冷却水を
利用すれば、第1ブラインの冷却に要するエネルギを削
減できる。しかしながら、夏期においては、冷却水のみ
による冷却では、第1ブラインを第1設定温度とするこ
とができない。このため、従来の冷凍装置では、夏期に
おける第1ブラインの冷却だけのために専用の冷媒回路
(20)を設ける必要があった。つまり、1年を通じて運
転される第2ブライン用の冷媒回路に加え、1年のうち
夏期だけに運転される第1ブライン用の冷媒回路をも設
けなければならなかった。
【0106】これに対し、上記実施形態では、1つの冷
媒回路(20)での冷凍サイクルによって第1ブラインと
第2ブラインの両方を冷却し、更には第1ブラインを冷
却水によっても冷却する構成としている。従って、上記
の場合において、夏期以外には冷却水のみで第1ブライ
ンを冷却する一方、夏期には冷媒回路(20)で循環する
冷媒をも用いて第1ブラインの冷却できる。このため、
冷媒回路(20)を1つだけとして構成の簡素化を図りつ
つ、冷却水を利用することによって、第1ブラインの冷
却に要するエネルギを削減できる。
【0107】
【発明のその他の実施の形態】上記実施形態では、冷媒
回路(20)に2系統の利用側回路(50,60)を接続して
いるが、利用側回路(50,60)は1系統としてもよく、
3系統以上としてもよい。
【0108】また、上記実施形態では、第1,第2ブラ
インとしてフロリナートを用いているが、これ以外の物
質をブラインとして用いることも可能である。
【0109】また、上記実施形態では、スクロール型の
圧縮機(21)を用いているが、その他の形式の圧縮機、
例えばローリングピストン型の圧縮機を用いてもよい。
【0110】また、上記実施形態では、第1蒸発器(2
3)、第2蒸発器(24)、凝縮器(22)、及び冷却熱交
換器(41)をプレート式熱交換器により構成している
が、その他の形式の熱交換器、例えば二重管式の熱交換
器を用いてもよい。
【0111】さらに、図2のフローチャートにおいて、
ステップST1,ステップST3,ステップST5,及びステ
ップST7での判別の条件に用いている低圧圧力(LP)や
吸入冷媒の過熱度(SH)の値は一例であり、本発明を適
用する冷凍装置の構成に応じて適宜変更することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るチリングユニットの全体構成を
示す配管系統図である。
【図2】冷媒回路の低圧制御動作を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
(10) チリングユニット(冷凍装置) (20) 冷媒回路 (21) 圧縮機 (22) 凝縮器 (23) 第1蒸発器(蒸発器) (24) 第2蒸発器(蒸発器) (31) 吐出ガス配管 (32) 液配管 (33) 吸入ガス配管 (34) 液冷媒導入管 (液冷媒導入管路) (35) ガス冷媒導入管(ガス冷媒導入管路) (40) 冷却水回路 (41) 冷却熱交換器 (50) 第1回路(利用側回路) (60) 第2回路(利用側回路) (E1) 第1膨脹弁(膨張機構) (E2) 第2膨脹弁(膨張機構) (E3) 第3膨脹弁(液冷媒調節弁) (E4) 第4膨脹弁(ガス冷媒調節弁)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(21)、凝縮器(22)、膨張機構
    (E1,E2)、及び蒸発器(23,24)を有して冷媒が循環
    する冷媒回路(20)と、上記蒸発器(23,24)に接続さ
    れて熱媒体が循環する利用側回路(50,60)とを備えた
    冷凍装置であって、 上記冷媒回路(20)に、圧縮機(21)から吐出されたガ
    ス冷媒を該圧縮機(21)の吸入側へ導入するためのガス
    冷媒導入管路(35)と、該ガス冷媒導入管路(35)の冷
    媒流量を調節するガス冷媒調節弁(E4)とを備え、 さらに、圧縮機(21)の吸入圧力が所定値よりも低下す
    ると、ガス冷媒導入管路(35)に冷媒を流してその流量
    を漸増させるようにガス冷媒調節弁(E4)を調節する制
    御手段(80)を備えている冷凍装置。
  2. 【請求項2】 制御手段(80)は、圧縮機(21)の吸入
    圧力が所定値よりも低下するとガス冷媒導入管路(35)
    の冷媒流量を漸増させる一方、圧縮機(21)の吸入圧力
    がその所定値よりも一定圧力以上上昇すると、ガス冷媒
    導入管路(35)の冷媒流量を漸増させるときよりも遅い
    速度で漸減させるようにガス冷媒調節弁(E4)を調節す
    る請求項1記載の冷凍装置。
  3. 【請求項3】 ガス冷媒導入管路(35)は、冷媒回路
    (20)の吐出ガス配管(31)と吸入ガス配管(33)に接
    続されている請求項1または2記載の冷凍装置。
  4. 【請求項4】 ガス冷媒調節弁(E4)が電子膨脹弁によ
    り構成されている請求項3記載の冷凍装置。
  5. 【請求項5】 制御手段(80)は、膨張機構(E1,E2)
    が閉鎖したときに、ガス冷媒調節弁(E4)を調節してガ
    ス冷媒導入管路(35)の冷媒流量を調節するように構成
    されている請求項1ないし4の何れか1記載の冷凍装
    置。
  6. 【請求項6】 冷媒回路(20)に、凝縮器(22)で凝縮
    した液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するための液
    冷媒導入管路(34)と、該液冷媒導入管路(34)の冷媒
    流量を調節する液冷媒調節弁(E3)とを備え、 制御手段(80)は、膨張機構(E1,E2)が閉鎖したとき
    に、液冷媒調節弁(E3)を調節して液冷媒導入管路(3
    4)の冷媒流量を調節するように構成されている請求項
    5記載の冷凍装置。
  7. 【請求項7】 液冷媒導入管路(34)は、冷媒回路(2
    0)の液配管(32)における膨張機構(E1,E2)の上流
    側と吸入ガス配管(33)に接続されている請求項6記載
    の冷凍装置。
  8. 【請求項8】 液冷媒調節弁(E3)が電子膨脹弁により
    構成されている請求項7記載の冷凍装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109494430A (zh) * 2018-12-25 2019-03-19 武汉松芝车用空调有限公司 顶置式电池热管理总成压缩机保护结构及保护方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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