JP2002071010A - 流体伝動装置の制御装置 - Google Patents

流体伝動装置の制御装置

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JP2002071010A
JP2002071010A JP2000256150A JP2000256150A JP2002071010A JP 2002071010 A JP2002071010 A JP 2002071010A JP 2000256150 A JP2000256150 A JP 2000256150A JP 2000256150 A JP2000256150 A JP 2000256150A JP 2002071010 A JP2002071010 A JP 2002071010A
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engine
torque
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JP2000256150A
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Akito Oonishi
明渡 大西
Yoji Takanami
陽二 高波
Masato Kaikawa
正人 甲斐川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクコンバータの直結状態解除の時期を適
正化する。 【解決手段】 アクセルペダルの操作量が0となり(S
102)、機関負荷率が所定値A未満となったとき(S
104)、トルクコンバータの直結状態の解除指令を行
う(S106)。アクセルペダルの操作量に基づき、直
結状態の解除を行うのに比べ、駆動輪トルクの変動を小
さくすることができ、乗り心地が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の動力伝達装
置に用いられたトルクコンバータなどの流体伝動装置の
制御に関し、特に直結機能を有する流体伝動装置の直結
制御に関する。
【0002】
【従来の技術】ピストン機関などの内燃機関は、一般的
に、静止トルクは0であり、また極低速度においても十
分なトルクを発生しえない。よって、発進停止を繰り返
す車両の原動機として内燃機関を用いた場合、車両が停
止しているか、または極低速で動いているとき、車両の
運動と、内燃機関の運動を切り離すための手段が必要と
なる。この手段は、多くの場合、手動変速機搭載車両に
おいてはいわゆるクラッチ、自動変速機搭載車両におい
てはトルクコンバータである。
【0003】トルクコンバータは、流体伝動装置の一種
であり、流体を介してトルク伝達を行う。流体を介して
いるために、車両が停止状態となってもトルクコンバー
タの入力側と出力側が滑ることによって内燃機関の運転
が継続できる。しかしながら、このトルクコンバータの
滑りは、車両走行中には損失となる。この損失をなくす
ために、所定条件下で、入力側と出力側を、機械的なク
ラッチを用い結合する直結機能を有するトルクコンバー
タが知られている。入出力直結時、トルク伝達は流体を
介さずに行われるために、前記の損失がなくなる、また
は減少する。トルクコンバータの直結クラッチを締結す
るときや、開放するときなど、伝達トルクが急変するた
めに、車体にショックが発生する場合がある。特開平7
−71590号公報には、トルクコンバータを締結する
際に、徐々に締結を行うようにして伝達トルクの変動に
よるショックを低減する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】トルクコンバータを直
結状態としている場合、原動機側のトルク変動や、変速
機の変速動作に伴うトルク変動が、車両駆動輪における
駆動力変動となって現れ、車両の振動、特に前後方向の
振動を発生させる場合がある。したがって、トルクコン
バータを直結することによる効果が期待できない領域お
いては、直結を解除する必要がある。しかし、直結状態
を解除することによっても車両駆動力の変動を発生させ
る場合があり、直結状態を解除する制御についても、適
切に行う必要がある。しかしながら、直結状態の解除の
制御について、特にそのタイミングについて、前述の公
報においては提案はなされていない。
【0005】本発明は前述の課題を解決するためになさ
れたものであり、トルクコンバータの直結状態を解除す
るタイミングを適切なものとして、乗り心地を向上する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明に係る流体伝動装置の制御装置は、原動機
が車両を駆動する実際の実トルクに相関のある所定の物
理量を推定し、この推定された物理量が、実トルクが所
定値以下となったことに対応する値となったときに、流
体伝動装置の直結状態を解除する。
【0007】また、アクセルペダルなどのアクセル操作
子が完全に戻った後、すなわち操作子の操作量が0とな
った後、前記推定された物理量が、実トルクが所定値以
下となったことに対応する値となったときに、直結状態
を解除するようにするようにもできる。
【0008】車両の原動機がオットー機関であれば、そ
の出力トルクは、機関の吸入空気流量から推定できる。
したがって、吸入空気流量で表される所定の物理量が、
実トルクが所定値以下となったことに対応する値となっ
た時に直結状態を解除するようにもできる。
【0009】また、車両の原動機が、オットー機関、デ
ィーゼル機関などの内燃機関であれば、その出力トルク
は、供給する燃料の量に基づき推定できる。したがっ
て、燃料供給量で表される所定の物理量が、実トルクが
所定値以下となったことに対応する値となった時に直結
状態を解除するようにもできる。
【0010】また、車両の原動機がオットー機関であれ
ば、その出力トルクは、機関負荷率に基づき推定するこ
とができる。ここで機関負荷率とは、
【数2】機関負荷率=G/(N・γ・V) で表される。Gは吸入空気の重量流量、Nは機関回転速
度、γは空気の比重、Vは機関排気量である。したがっ
て、機関負荷率が、実トルクが所定値以下となったこと
に対応する値となった時に直結状態を解除するようにも
できる。
【0011】また、原動機が発生するトルクの一部を補
機の駆動に用いている場合がある。この場合には、原動
機が発生するトルクのうち補機駆動に用いられるトルク
を差し引いたトルクが車両を駆動する実際のトルクとな
る。補機駆動に用いられるトルクが一定値として取り扱
えるのであれば、これを、実トルクと、これに対応する
物理量の関係に取り込んでおくことができる。しかし、
補機駆動に用いられるトルクがある程度以上変化する場
合、この変化に対応するために補機の運転状態に応じて
直結状態を解除する値を変化させることが好ましい。実
トルクにある程度大きな変化を生じさせる補機として
は、空気調和装置の圧縮機などがある。
【0012】また、トルクコンバータの直結状態の解除
を判定するための値を、原動機の回転速度に応じて、変
更することも好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1は、
本実施形態の駆動装置およびその制御系の要部の概略構
成図である。本実施形態において、原動機はオットー機
関10であり、その出力が直結機能付きトルクコンバー
タ12および変速機14などを介して駆動輪に伝達さ
れ、車両を駆動する。オットー機関10は、無端可撓
(とう)部材としての補機ベルト16を介して、補機と
呼ばれる装置を駆動している。つまり、オットー機関1
0は、その出力から補機を駆動する出力トルクを差し引
いたトルク(実トルク)で車両を駆動する。補機は、オ
ルタネータ、パワーステアリングの油圧ポンプ、空気調
和装置の圧縮機などがあるが本実施形態においては、そ
の作動・非作動のトルク変動が最も大きくなる圧縮機1
8の運転状態を考慮して、制御を行っている。オットー
機関10の吸気管20内には、スロットルバルブ22が
配置されている。吸気管20は、サージタンク24に連
なっており、サージタンク24からは、各気筒へとイン
テークマニホルド26が延びている。各インテークマニ
ホルド26には、その中に燃料であるガソリンを供給す
る燃料噴射ノズル28が配置されている。
【0014】吸気管20には、管内を流れる空気の流量
を検出する空気流量センサ30スロットルバルブ22の
後流側の吸気管20内の圧力を検出する吸気管圧力セン
サ32が設けられている。さらに、スロットルバルブ2
2には、この回転角度に基づきバルブ開度を検出するス
ロットルバルブ開度センサ34が設けられている。オッ
トー機関10のクランク軸近傍には、機関回転速度を検
出するクランク角センサ36が配置されている。クラン
ク角センサ36は、クランクの基準位置、例えば1番気
筒の圧縮上死点を検出することが可能となっており、単
に回転速度のみならず、前記基準位置からの角度を検出
することも可能である。圧縮機18に関しては、その作
動状態を検出する圧縮機センサ38が設けられている。
本実施形態の圧縮機18は、作動しているか、していな
いかの二つの値をとる制御を行っており、これは、ベル
ト16が掛け渡されているプーリ内に設けられた圧縮機
クラッチの締結、開放により選択される。したがって、
圧縮機センサ38は、この圧縮機クラッチの制御信号に
基づき作動、非作動を検出することができる。さらに、
アクセル操作子であるアクセルペダル40の操作量を検
出するアクセル操作量センサ42が設けられている。こ
れらのセンサの出力信号は制御部44に送られ、実際に
は各センサの検出対象である物理量は、前記出力信号に
基づき制御部44の演算の結果として得られる。
【0015】制御部44は、前述の各センサなどから得
られる機関の運転状態、運転者の要求に応じて燃料の供
給量を定め、この供給量となるように燃料噴射ノズルか
らの噴射時間、時期を制御する。また、トルクコンバー
タ12に対し、直結機能の制御も行う。
【0016】図2には、トルクコンバータ12の概略構
成が示されている。フロントカバー46は、オットー機
関10のクランク軸に結合され、さらにポンプインペラ
48とも一体に構成されている。よって、フロントカバ
ー46およびポンプインペラ48は、クランク軸と一体
となって回転する。ポンプインペラ48と向き合うよう
にタービンランナ50が配置されている。タービンラン
ナ50は、タービンハブ52を介して変速機14の入力
軸54と結合しており、これと一体となって回転する。
ポンプインペラ48の回転によって送り出された作動流
体は、タービンランナ50を回転させ、これによってト
ルク伝達が行われる。タービンランナ50を通過した作
動流体は、ステータ56により向きを変えられ、再びポ
ンプインペラ48に送り込まれる。ステータ56は、ワ
ンウェイクラッチ58を介してステータシャフト60上
に配置されている。
【0017】タービンハブ52には、ねじりダンパ62
を備えたダンパプレート64が固定されている。ダンパ
プレート64はその外周部で、フロントカバー46に対
向する直結ピストン66と結合している。直結ピストン
68は、そのフロントカバー46に対向する面の外周部
分に設けられたクラッチフェイス68を含む。このクラ
ッチフェイス68とフロントカバー46が密着している
ことにより、作動流体を介さずにトルク伝達が行われ
る。したがって、フロントカバー46、直結ピストン6
8およびダンパプレート64などが直結クラッチとして
機能する。
【0018】トルクコンバータ12の直結状態は、制御
部44からの制御信号に基づき、変速機14に備えられ
る流体圧制御回路を制御し、作動流体の供給を制御する
ことにより実行される。具体的には、以下のようにな
る。
【0019】流路L1より作動流体を供給すると、この
作動流体は直結ピストン66のタービン側(以後、ター
ビン側室と記す)70に送られる。この圧力によって、
直結ピストン66はフロントカバー46側に移動し、ク
ラッチフェイス68がフロントカバー46に圧接され、
機械的に結合される。これにより、フロントカバー46
の回転がダンパプレート64などを介して入力軸54に
伝達される。すなわち、機関出力が流体を介さずに変速
機14へと伝達される、直結状態となる。
【0020】流路L2より作動流体を供給すると、この
作動流体は、直結ピストン66のフロントバー側(以
後、フロントカバー側室と記す)72に送られる。この
圧力によって、直結ピストン66は、フロントカバー4
6から離れ、直結状態が解除される。
【0021】図3は、アクセルペダル40が比較的急に
戻された場合の各物理量の変化が示されている。図3
(a)は、アクセル操作量が示されており、時刻t1か
らアクセルペダルが戻され始めて、時刻t2で操作量0
となったことが示されている。このアクセルペダル操作
に伴って、オットー機関10の出力トルクが減少する。
しかし、アクセルペダル操作量の減少に、完全に一致し
て出力トルクが低下するわけではない。アクセルペダル
操作量に一致してスロットルバルブを動作させると、機
関回転速度も急激に低下し、ストールを起こす可能性が
高く、これを防止するために、一般的にアクセル操作量
より緩やかにスロットルバルブを閉じる機構が備えられ
ている。また、サージタンク24やインテークマニホル
ド26内の容量がバッファとして機能するために、アク
セル操作量の低下に比して出力トルクの低下が緩慢とな
る。したがって、図3(b)に示すように、機関出力ト
ルクは、アクセル操作量の低下に比してゆっくりと低下
する。
【0022】従来、アクセルペダルが完全に戻される
と、すなわちアクセル操作量が0となると、図3(c)
の破線で示すように、トルクコンバータの直結状態を解
除する制御を行っていた。すなわち、図3の時刻t2
で、作動流体をフロントカバー側室72に供給し、直結
クラッチの開放制御を実行していた。しかし、このとき
の出力トルクは、図3(d)に示されるように未だ大き
い。このような状態で、トルクコンバータの直結状態を
解除すると、図3(d)の破線で示すように、車両を駆
動していたトルクが急激に失われることになる。このト
ルク変動により、サージ、すなわち車両の前後方向の加
速度が図3(e)に示すように変動する現象が発生し、
乗り心地が悪化する。
【0023】この現象を改善するためには、トルクコン
バータの直結状態の解除に伴う車両駆動トルクの大幅な
減少を抑えればよい。すなわち、機関の出力トルクが車
両の乗り心地悪化に影響しない程度まで低下した時点
(例えば図3においてt3)で、図3(c)の実線のよ
うに制御をして、直結状態の解除を行えばよい。したが
って、出力トルクを検出または推定し、この出力トルク
が乗り心地を悪化させないような値になったときに、ト
ルクコンバータの直結状態を解除することにより乗り心
地の改善を図ることができる。
【0024】機関の出力トルクは、クランク軸などの出
力軸のねじり歪みを測定するなどして、検出することが
可能である。しかし、新たなセンサを付加することにな
り、既存の機関に採用することは難しく、またコストの
上昇を招くという問題がある。
【0025】一方、オットー機関の出力トルクは、機関
の吸入した空気の重量流量(以下、吸入空気流量と記
す)によりほぼ決定することが知られている。オットー
機関においては、機関が吸入した空気流量に対して一定
の割合(理論空燃比)の燃料を供給している。したがっ
て、吸入空気流量と燃料供給量は、対応関係があり、よ
って吸入空気流量より出力トルクを推定することができ
る。また、燃料供給量より出力トルクを推定することも
当然可能である。近年、理論空燃比から大きく外れた空
燃比で運転可能なオットー機関が実用化されているが、
この場合は燃料供給量に基づき出力トルクを推定するこ
とが好ましい。吸入空気流量や燃料供給量は、従来の機
関制御においても検出対象の物理量であり、これらを検
出するためのセンサは、既存の機関にすでに設けられて
いる。したがって、新たなセンサを設けるなどの、ハー
ドウェアの追加はほとんど不要であり、制御系のソフト
ウェアの変更で機関の出力トルクを推定することができ
る。
【0026】本実施形態においては、吸入空気流量を直
接用いる代わりに、機関負荷率に基づき、トルクコンバ
ータの直結状態の解除の時期を判定している。機関負荷
率は、従来より燃料供給量などの制御に用いられる因子
であり、これを用いることで制御ソフトウェアの変更ま
たは追加を抑えることができる。機関負荷率は、オット
ー機関が行程体積分の吸排気を行ったとしたときの吸入
空気流量に対する実際の吸入空気流量の比である。言い
換えれば、体積効率が1であるとしたときの吸入空気流
量に対する実際の吸入空気流量の比である。機関負荷率
は、次のように求めている。吸入空気流量は空気流量セ
ンサ30の出力に基づき算出される。空気流量センサ3
0は、実際には吸気管20内の流速に対応した出力信号
を送出するが、吸気管20内径は一定であるので流速か
ら流量が算出できる。機関回転速度Nはクランク角セン
サ36の出力より算出することができる。また、機関の
排気量Vは定まった値であり、空気比重γも大きく変化
しないので一定値として扱うことができる。これらから
機関負荷率は、
【数3】機関負荷率=G/(N・γ・V) より求めることができる。
【0027】図4には、本実施形態のトルクコンバータ
の直結状態解除の制御にかかるフローチャートが示され
ている。機関回転速度より直結解除を判定するための判
定値Aの算出を行う(S100)。判定値Aは、図5に
示されるように機関回転速度と共に高くなる。図5の関
係が、あらかじめ制御部44内に記憶されており、クラ
ンク角センサ36の出力信号に基づき機関回転速度が算
出され、これに応じた判定値Aが読み出される。機関回
転速度に応じて判定値Aを変更しているのは、回転速度
によって出力トルクの低下の仕方が異なるからである。
【0028】図6に示すように、破線で示す回転速度が
高い場合の方が、実線で示す低い場合に比べてより短時
間で出力トルクが減少することが知られている。一方、
直結解除の指令がなされてから、実際に直結クラッチが
開放されるまでには、制御遅れ時間Δtが存在する。こ
の遅れ時間Δtは、機関回転速度とはほぼ無関係で一定
である。したがって、出力トルクがTr(図6参照)と
なったとき、現実に直結クラッチを開放しようとすれ
ば、遅れ時間Δtを見込んで、早めに直結解除の指示を
行う必要がある。このとき、前述のように回転速度が高
いときトルクの低下速度が速いために、低回転時の出力
トルクTlより高い出力トルクThで直結解除の指令を
行う必要がある。以上の理由により、本実施形態の場合
は、判定値Aを機関回転速度に応じて変化させている。
【0029】図4のフローチャートの説明に戻る。判定
値A算出後、アクセル操作量が実質的に0かが判定され
る(S102)。アクセル操作量が0であれば、更に機
関負荷率が判定値Aと比較され(S104)、判定値A
未満であれば、コルクコンバータの直結状態の解除が指
令される(S106)。アクセル操作量が0ではない場
合または機関負荷率が判定値A以上であれば、直結状態
が維持される。
【0030】図7には、空気調和装置の圧縮機を原動機
によって駆動している場合に好適なトルクコンバータの
直結制御に関するフローチャートが示されている。前述
のように車両用内燃機関の出力は、車両を駆動する以外
の目的にも使用され、そのための装置、いわゆる補機が
内燃機関には備えられている。これに消費されるトルク
が変化すると、出力トルクと駆動輪トルクの関係が変化
する。消費されるトルクが大きく、さらに変化が大きい
補機は、空気調和装置の圧縮機である。他の補機は、消
費するトルクそのものものが小さいか、または補機の運
転状態に関してトルクに変化がさほどないため、判定値
Aにあらかじめ一定値として見込んでおくことができ
る。もちろん、他の補機においても、大きな影響を与え
ると考えられる場合は、この補機が消費するトルクを考
慮することもできる。
【0031】図7のフローチャートにおいて、図4と同
様のステップについては、同一の符号を付してその説明
を省略する。本制御においては、判定値Aは、図8に示
すように圧縮機の作動、非作動に対応して2種設定され
ている。圧縮機が作動している場合の判定値Aが図中太
い実線で示され、非作動の場合が細い実線で示されてい
る。図示されるように、圧縮機作動時の判定値Aの方が
高く設定されている。
【0032】まず、機関回転速度に基づき、圧縮機非作
動の時の判定値Aが算出される(S110)。次に、圧
縮機が作動しているか否かが判定される(S112)。
圧縮機の作動は、圧縮機のクラッチの締結、開放の制御
信号に基づき判定することができる。圧縮機が作動して
いない場合はステップS102に移行する。圧縮機が作
動している場合は、再度機関回転速度に基づき、圧縮機
作動時の判定値Aが算出され、すでに求められていた判
定値をこれに書き換える(S114)。そして、ステッ
プS102に移行する。
【0033】圧縮機が消費するトルクが圧縮機の運転状
態に応じて大きく変化する場合、さらに多くの判定値を
用意したり、消費トルクの変化に対応して変化するよう
な判定値を用いることも可能である。例えば、可変容量
圧縮機については、容量に対応じて消費トルクが変化す
る。したがって、容量を決定している信号を用いて、消
費トルクを推定することができ、これに基づき判定値を
変更することが可能である。
【0034】以上、機関負荷率に基づく機関出力トルク
の推定について説明してきたが、他の物理量により推定
を行うこともできる。例えば、単位時間当たりまたは機
関1回転当たりの燃料供給量や、吸入空気の重量流量を
用いることができる。吸入空気流量は、吸気管内流速に
基づき検出を行う空気流量センサなどにより検出するこ
とができる。また、インテークマニホルドまたはサージ
タンク内の圧力と、機関回転速度から算出することも可
能である。
【0035】以上、オットー機関について説明したが、
ディーゼル機関については吸入空気流量に基づき機関出
力トルクの推定を行うことは、一般的にはできない。デ
ィーゼル機関は、オットー機関のように吸入空気量と燃
料供給量に一定の関係がないためである。したがって、
燃料供給量に基づき出力トルクの推定を行うこととな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の駆動装置の概略構成を示す図で
ある。
【図2】 トルクコンバータの概略構成を示す図であ
る。
【図3】 アクセルペダルを戻したときの各物理量の時
間に対する変化を示す図である。
【図4】 本実施形態の直結状態解除の制御を示すフロ
ーチャートである。
【図5】 図2の制御に対応する直結状態解除の判定値
Aの例を示す図である。
【図6】 機関回転速度に応じて判定値Aを変更する理
由の説明図である。
【図7】 直結状態解除の制御の他の例を示すフローチ
ャートである。
【図8】 図7の制御に対応する直結状態解除の判定値
Aの例を示す図である。
【符号の説明】
10 オットー機関、12 トルクコンバータ、18
圧縮機、20 吸気管、22 スロットルバルブ、24
サージタンク、26 インテークマニホルド、28
燃料噴射ノズル、30 空気流量センサ、34 スロッ
トルバルブ開度センサ、36 クランク角センサ、38
圧縮機センサ、42 アクセル操作量センサ、44
制御部、46 フロントカバー(直結クラッチ)、64
ダンパープレート(直結クラッチ)、66 直結ピス
トン(直結クラッチ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐川 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA01 AA53 AA57 AB01 AC01 AC09 AD02 AD04 AD05 AD09 AD10 AD52 AE02 AE07 AE16 AE37 3J053 CB09 DA04 DA06 DA24 DA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入出力を機械的に結合する直結機能を有
    する流体伝動装置を含む動力伝達装置を介して原動機に
    より駆動される車両の、流体伝動装置の制御装置であっ
    て、 前記原動機が車両を駆動する実際のトルクである実トル
    クに対応する所定の物理量を推定する実トルク推定手段
    と、 前記推定された所定の物理量が、前記実トルクが所定値
    以下となったことに対応する値となったときに、流体伝
    動装置の直結状態を解除する直結解除制御手段と、を有
    する、流体伝動装置の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の流体伝動装置の制御装
    置であって、 さらに、アクセル操作子の操作量を検出するアクセル操
    作量検出手段を有し、 前記直結解除制御手段は、前記所定の物理量が前記実ト
    ルクが所定値以下となったことに対応する値となり、か
    つ前記検出されたアクセル操作量が0となったときに、
    流体伝動装置の直結状態を解除する、流体伝動装置の制
    御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の流体伝動装置
    の制御装置であって、 前記原動機は、少なくともオットー機関を含み、さら
    に、 前記オットー機関の吸入空気流量を検出する吸入空気流
    量検出手段と、を有し、 前記実トルク推定手段は、前記検出された吸入空気流量
    に基づき、前記所定の物理量の推定を行うものである、
    流体伝動装置の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の流体伝動装置
    の制御装置であって、 前記原動機は、少なくとも内燃機関を含み、さらに、 前記内燃機関に供給する燃料の量を検出する供給燃料量
    検出手段、を有し、 前記実トルク推定手段は、前記検出された燃料量に基づ
    き前記所定の物理量の推定を行うものである、流体伝動
    装置の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の流体伝動装置
    の制御装置であって、 前記原動機は、少なくともオットー機関を含み、 前記所定の物理量が、次式、 【数1】吸気重量流量/(機関回転速度*空気比重*機
    関排気量) で定義される機関負荷率である、流体伝動装置の制御装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3から5のいずれかに記載の流体
    伝動装置の制御装置であって、さらに、 原動機により駆動される補機の運転状態を検出する補機
    運転状態検出装置を有し、 前記直結解除制御手段は、前記検出された補機の運転状
    態に基づき、流体伝動装置の直結状態を解除する前記所
    定値を変更する、流体伝動装置の制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の流体伝動装置の制御装置
    であって、前記補機は、車両の空気調和装置の圧縮機で
    ある、流体伝動装置の制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の流体
    伝動装置の制御装置であって、 さらに、原動機の回転速度を検出する回転速度検出手段
    を含み、 前記直結解除制御手段は、前記所定物理量の直結状態の
    解除を判定する値を前記回転速度に応じて変更する、流
    体伝動装置の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009092186A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Jatco Ltd トルクコンバータのロックアップ制御装置
JP2011169347A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Komatsu Ltd 作業車両及び作業車両の制御方法

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