JP2002067136A - 樹脂製中空容器のブロー成形方法 - Google Patents

樹脂製中空容器のブロー成形方法

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JP2002067136A
JP2002067136A JP2000267242A JP2000267242A JP2002067136A JP 2002067136 A JP2002067136 A JP 2002067136A JP 2000267242 A JP2000267242 A JP 2000267242A JP 2000267242 A JP2000267242 A JP 2000267242A JP 2002067136 A JP2002067136 A JP 2002067136A
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parison
container
thickness
hollow container
peripheral surface
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Yoichi Ishimaru
洋一 石丸
Takashi Nagase
高志 長瀬
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Toyota Motor Corp
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の中空容器のブロー成形方法によると、
パリソンの肉厚を緩やかに変化させることは可能だが、
肉厚を急激に変化させることは困難である。このため、
複雑な形状の中空容器を作製するのは難しい。 【解決手段】 本発明の中空容器のブロー成形方法は、
溶融状態の樹脂を押し出しパリソンを形成させるパリソ
ン形成工程と、パリソンの外周面外方に容器型を配置
し、パリソンの一端部を封止してパリソン内に流体を流
入させることによりパリソンを膨張させて容器型に押し
付け、次いで冷却して中空容器を形成させる容器形成工
程と、を含んでなる樹脂製中空容器のブロー成形方法で
あって、パリソン形成工程と容器形成工程との間に、膨
張することによって中空容器の任意の構成部分を形成す
るパリソンの構成部分の肉厚を、中空容器の任意の構成
部分が所望の肉厚となるように調整するパリソン肉厚調
整工程を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製中空容器の
ブロー成形方法、より詳しくは容器の任意の構成部分の
肉厚を所望の厚さに調整することを容易に行いうる樹脂
製中空容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリエチレン、ポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を成形して燃料タ
ンク、ボトル容器等の中空容器を製造する方法としては
ブロー成形法が広く用いられている。このブロー成形法
は、熱可塑性樹脂を押し出し成形、射出成形等してチュ
ーブ状の予備成形体であるパリソンを作製し、このパリ
ソンの所望の部分(以下単に「パリソン」と称す)を金
型に入れてパリソン内部に空気等の流体を吹き込んで膨
らまし、冷却固化させることにより中空容器を作製する
成形方法である。
【0003】このブロー成形法は、樹脂製中空容器を比
較的簡易に作製することができるが、例えば肉厚が均一
な中空容器を作製する場合、以下の問題点を有する。す
なわち、パリソンを膨張させて金型に押しつける際、樹
脂の伸長率が小さい部分は容器の肉厚があまり薄くなら
ないが、樹脂の伸長率が大きい部分は容器の肉厚が薄く
なる。このため、作製された中空容器の部位により肉厚
むらができるという問題点がある。また、容器の肉厚が
薄い部位は強度的に劣ることからこの部位の肉厚を厚く
しようとすると、この部位のみならずパリソン全体の肉
厚を厚くしてからパリソンを膨張させる必要があるた
め、肉厚が過剰に厚い過剰肉厚部が発生し、中空容器の
製造コストが高くなり、また容器が重くなるという問題
点もあった。
【0004】特に自動車用燃料タンクは、自動車内部の
デッドスペースを利用して設置されるため、形状が非常
に複雑であり上記肉厚むらが顕著である。また、燃料タ
ンクは安全面から一定の強度を有することが必要である
ため、上記過剰肉厚部が発生しやすい。
【0005】上記問題点を解決するため特開平10−3
23883号公報には、まず製造目的物である中空容器
のモデルを作製し、この中空容器モデルの肉厚を実現す
るのに最適なパリソン肉厚を有限要素法により決定し、
パリソンをチューブ状に押し出す際、軸型となる円柱状
のマンドレルや、マンドレルから半径方向に一定距離を
おいてマンドレル周囲を取り囲むように配置されるダイ
先端部等の形状、マンドレルとダイ先端部との間隔(以
下「スリット」と称す)等を変えることでパリソン径方
向の肉厚を調整し、適当な肉厚を有するパリソンを形成
する方法が紹介されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、パリソンの肉厚に応じて、逐一マンドレル、ダイ先
端部等の形状、スリット等を調整する必要があるため工
程が煩雑になるという問題がある。例えば、マンドレ
ル、ダイ先端部等の形状を変えてパリソン径方向の肉厚
を調整する場合、パリソンの押し出しを一旦止めて、マ
ンドレルまたはダイ先端部を交換してから押し出しを続
行する必要があり、作業が煩雑となり作業のダウンタイ
ムも大きくなる。また、例えば、ダイ先端部に対するマ
ンドレルの位置を調整して、すなわちマンドレルを偏心
させてパリソンを形成する場合、マンドレルとダイ先端
部との間隔が狭い部分の方が、間隔が広い部分よりも樹
脂が押し出される速度が速いためパリソンが湾曲すると
いう問題がある。さらにまた、マンドレル、ダイ先端部
等の形状、スリット等を調整するのみでは、肉厚を緩や
かに、すなわちスロープ状に変化させることは可能だ
が、肉厚を急激に、すなわちステップ状に変化させるこ
とは困難である。このため、複雑な形状の中空容器を作
製するのは難しい。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)上記課題を解決す
るため、本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方法は、
溶融状態の熱可塑性樹脂をチューブ状に押し出しパリソ
ンを形成させるパリソン形成工程と、該パリソンの外周
面外方に容器型を配置し、該パリソンの一端部を封止し
て該パリソン内に流体を流入させることにより該パリソ
ンを膨張させて該容器型に押し付け、次いで冷却して中
空容器を形成させる容器形成工程と、を含んでなる樹脂
製中空容器のブロー成形方法であって、前記パリソン形
成工程と容器形成工程との間に、膨張することによって
前記中空容器の任意の構成部分を形成する前記パリソン
の構成部分の肉厚を、前記中空容器の任意の該構成部分
が所望の肉厚となるように調整するパリソン肉厚調整工
程を含むことを特徴とする(請求項1に対応)。
【0008】従来の樹脂製中空容器のブロー成形方法
は、パリソン形成工程と、容器形成工程とからなるが、
本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方法は、これら両
工程の間に、別途、パリソン肉厚調整工程を設けたこと
を特徴とする。従来はパリソン形成工程においてある程
度の肉厚の調整を行っていたに過ぎず、パリソンの押し
出し速度が一定の場合、パリソン軸方向の肉厚はスロー
プ状に変化させることができるだけだった。これに対
し、本発明の製造方法は、パリソン形成工程の後にパリ
ソンの肉厚を調整するためのパリソン肉厚調整工程を別
途設けている。このため、パリソン軸方向および径方向
の肉厚をスロープ状のみならずステップ状に変化させる
ことができ、その肉厚を自在に、調整することができ
る。
【0009】ここで、中空容器の構成部分とは、中空容
器を構成している、例えば頂部、底部、側部等の各部分
を意味するが、その大きさ、形状、境界等は明確なもの
ではなく中空容器を構成する一部として把握すればよ
い。また、この一部が集合した全体をも構成部分として
観念することもできる。また、パリソンの構成部分と
は、膨張して中空容器の構成部分となるものである。パ
リソン肉厚調整工程においては、パリソンの構成部分の
肉厚は、膨張後その構成部分に対応する中空容器の構成
部分の肉厚が所望の厚さとなるように、パリソンを形成
する。予め中空容器のモデルを設定し、このモデルの肉
厚を実現するのに最適なパリソンの肉厚を例えば有限要
素法等の数値解析法等を用いて決定した後、パリソン肉
厚調整工程では、この最適な肉厚を有するようにパリソ
ンを成形することができる。
【0010】例えば、数値解析法として有限要素法を用
い、中空円筒形状のタンクに適したパリソンの肉厚を決
定する場合、肉厚は以下のように求める。まず、タンク
のモデルを作りこのモデルの胴部断面を複数の区画に分
割する。次に、この一区画毎の面積を求め、モデルのそ
れぞれの区画に対応するパリソンの胴部断面における区
画を決定する。このとき既に求めたモデルの区画の面積
と、これに対応するパリソンの区画との面積とを同じに
する。このパリソンの区画の面積からパリソンの区画毎
の肉厚を決定する。この区画は胴部断面上におけるもの
であり平面的である。この平面的区画を、ある程度積み
重ねたものがパリソンの構成部分となる。このようにし
てパリソンの構成部分ごとの肉厚を決定し、これを積み
重ねてパリソンの肉厚を決定する。なお、製造目的物で
ある中空容器の肉厚からパリソンの肉厚を求める方法は
有限要素法に限定するものでも、また有限要素法以外の
他の数値解析法に限定するものでもない。
【0011】また、本発明の樹脂製中空容器のブロー成
形方法は、パリソン肉厚調整工程の前に、予備の肉厚調
整を行う形態で実施することができる。例えば、パリソ
ン肉厚調整工程の前行程であるパリソン形成工程におい
て、従来のマンドレル、ダイ先端部の形状やスリット等
を調整して肉厚を予備調整しておき、その後パリソン肉
厚調整工程において肉厚を本調整してもよい。予備調整
を行うことで、中空容器モデルの肉厚に対応する肉厚を
有するパリソンを、例えば各部の肉厚の差が大きいよう
な場合であっても、より容易に成形することができる。
【0012】例えば、パリソン径方向の肉厚を変える場
合は、前述したようにマンドレル、ダイ先端部等の形状
を変えたり、ダイ先端部に対するマンドレルの位置を調
整したりすればよい。また、例えば、パリソン軸方向の
肉厚を調整する場合は、パリソン押し出し中にスリット
の幅を変えればよい。具体的には、パリソンの肉厚を厚
くする部分を形成する場合は、スリット幅を大きくすれ
ばよい。また、肉厚を薄くする部分を形成する場合は、
スリット幅を小さくすればよい。
【0013】本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方法
は、パリソンの肉厚を自在に調整し、中空容器モデルど
おりの肉厚を忠実に達成することができる製造方法であ
る。本製造方法によると、肉厚を均一に形成した中空容
器や、部分的強化のため特定部分だけ肉厚を厚く形成し
た中空容器等を簡易に、かつ精度良く製造することがで
きる。したがって過剰肉厚部が形成されることを防止で
きるため、中空容器の製造コストを下げ、また中空容器
を軽量化することができる。
【0014】また、従来からブロー成形においては、パ
リソンを押し出す際にパリソンが膨張し肉厚が厚くなる
ダイスエルや、押し出されたパリソンを形成する溶融状
態の樹脂が自重により垂れ下がり肉厚が薄くなるドロー
ダウン等の現象が問題となっているが、本発明の製造方
法を用いるとこのような現象により変化したパリソンの
肉厚を補正することもできる。
【0015】(2)パリソン肉厚調整工程における調整
方法は、パリソンの肉厚を変えることができる方法であ
れば特に限定するものではない。例えば、棒状体や板状
体等によりパリソンの所定部位を押圧し、または切削し
肉厚を変える方法等によってもパリソンの肉厚を調整す
ることができる。特にホットプレス法、すなわち、パリ
ソンを、パリソンの外周部外方に位置する外型とパリソ
ンの内周部内方に位置する内型とで挟持し、外型と内型
とで形成されるキャビティ内にパリソンを形成する溶融
状体の熱可塑性樹脂を流動充填することによりパリソン
の肉厚を調整する方法は、本発明の樹脂製中空容器のブ
ロー成形方法に最適である(請求項2に対応)。
【0016】上記棒状体、板状体等によりパリソンの肉
厚を調整する方法によると、パリソンを形成する樹脂は
溶融状態であるため、パリソンの肉厚を正確に調整する
のは困難である。これに対し、ホットプレス法において
は外型と内型とにより形成される空間、すなわちキャビ
ティが中空容器モデルの凹凸を型どおりに再現してい
る。すなわち、キャビティの形状によりパリソンの肉厚
が決定される。このため、キャビティ内にパリソンを形
成する溶融状態の樹脂を流動、充填させることにより、
型どおりの凹凸を有するパリソンを成形することができ
る。
【0017】また、パリソンは溶融状態であり、内周面
側または外周面側のいずれか一方からのみ応力を加えて
もパリソン自体が湾曲等することにより応力が分散する
ため、肉厚そのものは変わらない場合がある。ホットプ
レス法では、外型と内型とからなるキャビティを用いて
パリソンの肉厚を決定しているため、パリソンが湾曲等
することなく、ちょうどパリソンが固定された状態で応
力を加えるのと同じ状態となる。したがって、数値解析
法等により決定されたパリソンの最適な肉厚を、確実に
精度良く実現することができる。なお、ホットプレス法
により成形する場合は、パリソンを外型、内型で挟持す
ることより、パリソンを形成する溶融状態の樹脂を冷却
凝固させてしまうおそれがある。このため、外型、内型
は樹脂の融点以上の温度に加熱しておく方が好ましい。
【0018】(3)また、パリソン肉厚調整工程を上記
ホットプレス法で行う場合においては、内型の外周面と
パリソンの内周面との間に流体層を介在させて行う態様
とすることもできる(請求項3に対応)。ここで流体層
とは、流動する空気等の流体により形成される一定の厚
みを持った層である。流体層を、内型の外周面とパリソ
ンの内周面との間に介在させることにより、内型の外周
面とパリソンの内周面とが直接接触するのを防ぐことが
できる。肉厚を調整した後のパリソンを離型する際、内
型の外周面に内周面が接しているパリソンを剥がす必要
がある。しかし、パリソンは上記ホットプレスにより押
圧され内型に貼り付いているため、剥がすのは困難であ
る。また、無理に剥がそうとすると調整した肉厚が変化
するおそれもある。内型の外周面とパリソンの内周面と
の間に流体層を介在させると、内型の外周面からパリソ
ンの内周面が浮き上がり、両者の接触を断つことができ
る。このため内型からのパリソンの離型が容易になり、
またパリソンの肉厚を崩すこと無く離型することができ
る。
【0019】ここで流体層を形成する手段としては、例
えば、内型の外周面に多数の放出孔を設け、この放出孔
から流体層を形成する流体を放出する手段や、内型とは
別に流体放出装置を設け、この装置から流体を放出し内
型外周面を流体層で覆う手段等がある。流体層を形成す
る流体は、特に限定するものではなく、例えば空気、不
活性ガス等を使用することができる。また、流体の温度
は、パリソンを形成する樹脂を冷却凝固させないため、
樹脂の融点以上の温度であることが望ましい。なお、流
体層を形成するのはパリソンの離型を容易に行うためで
ある。したがって、例えば流体層を形成した状態でホッ
トプレス成形を行う態様も、成形が終わり離型する前だ
け瞬間的に流体層を形成する態様も、本発明に含まれ
る。
【0020】(4)また、本発明の樹脂製中空容器のブ
ロー成形方法は、パリソン肉厚調整工程後、次製品のパ
リソン形成工程を行うことで、肉厚調整されたパリソン
を押出し方向に移動させ、その移動後の位置で前記容器
形成工程を行う態様とすることもできる(請求項4に対
応)。
【0021】本態様における中空容器の形成プロセスは
以下のようになる。まず、パリソン肉厚調整工程により
パリソンの肉厚を調整する。次に、この肉厚調整後のパ
リソンとつながっている次製品のパリソンが、パリソン
形成工程により押し出されるのに伴って、肉厚調整後の
パリソンがパリソン軸方向に沿って移動する。その後、
容器形成工程により肉厚調整済みのパリソンを膨張させ
中空容器を形成する。
【0022】本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方法
は、通常複数の中空容器を連続して成形するように行わ
れる。このような場合において、パリソンを移動させず
に、パリソン肉厚調整工程と容器形成工程とを同じ位置
で行うと、パリソン肉厚調整工程において使用した外
型、内型と、容器形成工程において使用する容器型とを
交換する必要があるため、工程が複雑化する。パリソン
を移動させ、パリソン肉厚調整工程と容器形成工程とを
別々の位置で行うことにより、本態様によれば上記金型
交換の問題が無くなるため、工程を簡略化できる。
【0023】(5)また、上記パリソン肉厚調整工程と
容器形成工程とを別々の位置で行う樹脂製中空容器のブ
ロー成形方法は、移動後の位置で容器形成工程を行う間
に、次製品の前記パリソン肉厚調整工程を行う態様とす
ることができる(請求項5に対応)。
【0024】つまり、本態様は、パリソン肉厚調整工
程、容器形成工程のうちいずれか長い時間のかかる方の
工程を行っている間に、重複して次製品または前製品の
他工程を行う態様である。容器形成工程において肉厚調
整済みのパリソンを膨張させるとき、パリソン肉厚調整
工程においては、肉厚調整済みのパリソンとつながって
いる次製品となる他のパリソンの肉厚を調整する。
【0025】本態様によると、両工程のうち、いずれか
時間が長くかかる方の工程が行われている間に、時間が
短くかかる方の工程を終えることができる。このため、
上記操作を繰り返すことにより、連続、一貫的に容器の
成形を行うことができ、またダウンタイムの削減を図る
ことができる。
【0026】(6)本発明の樹脂製中空容器のブロー成
形方法は、ポリエチレン、ポリオレフィン、ナイロン、
ポリスチレン、メチルメタアクリレート、スチレンアク
リルニトリル等の熱可塑性樹脂の成形に利用することが
できる。熱可塑性樹脂の溶融粘度が温度の変化に対して
大幅に変化すると、容器形成工程において樹脂が冷却さ
れる際、容器の温度勾配に起因する粘度差により樹脂流
れの不均一が生じ、フローマーク等の外観上の欠陥が発
生するおそれがある。このため、上記熱可塑性樹脂の中
でも特にポリエチレンは、溶融粘度が温度の変化に対し
てあまり変化しないため、本発明の樹脂製中空容器のブ
ロー成形方法を用いて成形するのに好ましい。
【0027】本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方法
は、種々の中空容器の成形に用いることができる。中空
容器の中でも特に自動車用燃料タンク等は車体のデッド
スペースに組み込まれることが多いため、形状が複雑に
なる場合が多い。従来のブロー成形方法によるとこのよ
うな複雑な形状を有する中空容器の肉厚を均一にするの
は困難だが、本発明のブロー成形方法によると容易に精
度良く中空容器の肉厚を均一にすることができる。ま
た、燃料タンク等においては、機械的強度が必要な部分
の肉厚だけを厚くする場合があるが、本発明のブロー成
形方法によると、このような場合に強度が必要な部分の
肉厚だけを、容易に厚くすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂製中空容器の
ブロー成形方法の実施の形態の一例について、基本的実
施の形態、応用的実施の形態、その他の項目毎に説明す
る。
【0029】(1)基本的実施の形態 本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方法の基本的実施
形態について、以下パリソン形成工程、パリソン肉厚調
整工程、容器形成工程の順に、図示しながら説明する。
【0030】(a)パリソン形成工程 本工程においては、固体チップ状の熱可塑性樹脂原料を
加熱して溶融状態とし、この溶融状態の熱可塑性樹脂を
チューブ状に押し出しパリソンを形成する。本工程の模
式図を図1に示す。図に示すように本工程においては、
パリソン成形機が用いられ、パリソン成形機は押し出し
部1とダイ部2とからなる。
【0031】まず、押し出し部1について説明する。押
し出し部1は、漏斗状をなす鋼製のチップ投入口10
と、チップ投入口10の下部に設置され円筒状をなす鋼
製の加熱筒11と、加熱筒11の内部に加熱筒11と同
軸的に設置され、円柱状をなし、外周にらせん状の歯1
2aを備え、加熱筒11の軸を中心軸として回転する鋼
製のスクリュー12とを有する。
【0032】次に、ダイ部2について説明する。ダイ部
2は、円筒状のダイ本体20と、ダイ本体20の内部
に、ダイ本体20と同軸的に設置され、円柱状をなす鋼
製のマンドレル21とを有する。また、マンドレル21
には、内部を軸方向に貫通する円筒状の鋼製のブローピ
ン21aが設けられている。
【0033】熱可塑性樹脂のチップ3はチップ投入口1
0から加熱筒11の内部に投入される。加熱筒11の内
部でチップ3は回転するスクリュー12の歯12aによ
りダイ部2の方向に押し出されながら徐々に溶融する。
溶融樹脂はスクリュー12の歯12aの押し出し力によ
りダイ部2に運ばれ、ダイ本体20の内周面と、マンド
レル21の外周面との隙間を通過する。溶融樹脂はダイ
部2の下部から押し出されチューブ状のパリソン4にな
る。
【0034】なお、本実施の形態では、押し出し部の押
し出し方式として本実施の形態ではスクリュー式を用い
たが、ラム式、アキュームレータ式、スクリューインラ
イン式等、通常用いられている他の押し出し方式を採用
する形態もある。また、押し出し方式の他に、射出方式
等溶融樹脂の移送に用いられる他の方式を採用すること
もできる。
【0035】なお、中空容器の原料となる熱可塑性樹脂
チップは従来からチップの製造に用いられている種々の
方法により製造すればよく、例えば、高密度ポリエチレ
ンチップは一般に低圧法と呼ばれる方法により製造すれ
ばよい。この方法は、チーグラー型有機金属触媒をペン
タン、ヘプタン等と混合し、常圧から数気圧程度でエチ
レンを吹き込み、スラリー状のポリエチレンを析出さ
せ、その後、触媒を分解し、水洗、濾過、乾燥し、添加
剤、安定剤等を加えカッター等により切断することによ
り高密度ポリエチレンのチップを得る方法である。な
お、本実施形態においては原料としてチップ状の熱可塑
性樹脂を用いたが、熱可塑性樹脂の製造工程と連結する
ことで溶融状態の熱可塑性樹脂を原料として用いること
もできる。
【0036】(b)パリソン肉厚調整工程 本工程においては、膨張することによって中空容器の任
意の構成部分を形成するパリソンの構成部分の肉厚を、
中空容器の任意の構成部分が所望の肉厚となるように調
整する。つまり、本工程では、予め中空容器モデルから
設定した中空容器の肉厚を実現できるように、膨張後中
空容器の構成部分となるパリソンの構成部分の肉厚を調
整する。肉厚を調整する方法としてホットプレス法を用
いた場合の本工程の模式図を図2に示す。また、図3に
外型、内型によりパリソン外周面に凹凸が形成される様
子を示す。これらの図に示すように本工程においては、
ホットプレス成形機5が用いられる。
【0037】ホットプレス成形機5は、半円筒状をな
し、肉厚調整後のパリソン4’の外周面40に対応する
形状を内周面50cに有する複数の鋼製の外型50aお
よび50bと、円柱状をなし、肉厚調整後のパリソン
4’の内周面41の形状に対応する形状を外周面51a
に有する鋼製の内型51とを備える。
【0038】図2に示すように、パリソン4を挟持する
前は、外型50aおよび50bはパリソン4の外周面の
外側垂直方向に、また内型51はパリソン4の下方開口
端の下方に配置されている。なお、図2、図3において
は説明の便宜上外型は2個しか示していないが、実際は
4個あり軸方向に4分割の割型となっている。
【0039】パリソン4を挟持する際は、まずパリソン
4の内周径よりも若干外周径の小さい内型51がパリソ
ン4の下方開口端から、パリソン4の内周面内側に挿入
される。次に、外型50aおよび50bがパリソン4の
外周面外側からパリソン4を挟み込むように接近する。
外型50aおよび50bがパリソン4の外周面に徐々に
接することにより、次第にパリソン4の外周部を構成す
る樹脂が溶融流動し、外周面に凹凸が形成され始める。
図3に示すように、外型50aおよび50b、内型51
が完全に閉じると、型の隙間に溶融状態の樹脂が流動充
填することにより、パリソン4’の外周面40に外型5
0aおよび50bの内周面50cの形状と型対称な形状
が、またパリソン4’の内周面41に内型51の外周面
51aの形状と型対称な形状が、それぞれ形成される。
本工程においては、このようにパリソンの肉厚を調整す
る。
【0040】なお、パリソン4’の外周面40および内
周面41に凹凸をつけるためには、パリソン4’を形成
する樹脂が冷却凝固せずに、溶融状態を維持している必
要がある。このため外型50aおよび50b、内型51
の表面温度は樹脂の融点以上である方が好ましい。ま
た、本実施形態においては、外型50aおよび50bの
内周面50cにのみ凹凸が形成されている形態について
説明するが、内型51の外周面51aに凹凸が形成され
ている形態で実施することもできる。
【0041】内型51、外型50aおよび50bからパ
リソン4’を離型する場合は、内型51をパリソン4’
の内周面41に沿って下方開口端から引き出す。このと
きパリソン4’の内周面41と内型51の外周面51a
は密着しているため、この状態のまま内型51を引き出
すと、パリソン4’の内周面41が、内型51の外周面
51aに引きずられ変形するおそれがある。そこで、離
型を容易にし、パリソン内周面の変形を防ぐため、本実
施形態においては、内型の外周面に空気を放出する放出
孔を多数設けている。放出孔から内型の外周面とパリソ
ンの内周面との間に空気を放出し、空気層を形成した状
態を拡大して図4に示す。図に示すように、放出孔51
bから空気を内型51の外周面51aとパリソン4’の
内周面41との間に流すことにより、外周面51aとパ
リソン4’の内周面41とが付着するのを防止すること
ができる。空気は、離型開始時から、内型51がパリソ
ン4’の下方開口端から完全に引き出されるまで、放出
孔51bから連続的に放出される。
【0042】なお、パリソンを後工程である容器形成工
程で膨張させるためには、前述したようにパリソンを形
成する樹脂が溶融状態である必要がある。このため流体
層を形成する流体の温度は樹脂の融点以上であることが
好ましい。なお、流体は、本実施形態では空気を用いた
が、パリソンを形成する樹脂の温度を樹脂溶融温度以上
に維持でき、またパリソンと反応性を有しないものであ
ればよく、例えば不活性ガス等でもよい。
【0043】また、本実施の形態においては、内型が一
つであり、外型が軸方向に4個の割型である形態につい
て説明したが、型の数および分割方向については特に限
定するものではない。また、本実施形態においては、中
空容器全体の肉厚を調整するために、中空容器全体に対
応するパリソンの特定部分の肉厚を調整する場合につい
て説明したが、中空容器の特定部分のみの肉厚を調整す
るために、その特定部分に対応するパリソンの部分のみ
を内型と外型とで挟持し、この部分のみの肉厚を調整す
る形態もある。
【0044】(c)容器形成工程 本工程においては、パリソンの外周面外方に容器型を配
置し、パリソンの一端部を封止してパリソン内に流体を
流入させることによりパリソンを膨張させて容器型に押
し付け、次いで冷却して中空容器を形成する。つまり、
本工程では、肉厚を調整した溶融状態のパリソンを膨張
させ容器型に押しつけ、次いで冷却することにより予め
設定したモデルと同様の肉厚を有する中空容器を形成す
る。本工程の型が閉じる前の状態の模式図を図5に、型
が閉じた状態の模式図を図6に、パリソンを膨張させて
いる状態の模式図を図7に、それぞれ示す。
【0045】図5に示すように本工程においては、パリ
ソン4’の外周面40の外側に配置され、一対の半円筒
状の割型である鋼製の容器型60aおよび60bと、マ
ンドレル21の内部を軸方向に貫通する円筒状の鋼製の
ブローピン21aが用いられる。
【0046】本工程においては、以下のように中空容器
の形成が行われる。まず、パリソン4’の外周面40の
外側垂直方向から、容器型60aおよび60bがパリソ
ン4’を挟み込むように外周面40に接近する。容器型
60aおよび60bがパリソン4’の外周面40に接す
ると、容器型60aおよび60bの上部と底部に対応す
るパリソン4’の部分の外周面40が徐々に変形する。
容器型60aおよび60bの上部は、型が完全に閉じて
も中央に開口部を有するよう、半リング状となってい
る。一方、底部は型が完全に閉じると開口部が存在しな
くなるよう、半円状となっている。このため、図6に示
すように、容器型60aおよび60bが完全に閉まる
と、パリソン4’の下方開口端は、容器型60aおよび
60bの底部につぶされ、封止される。一方、パリソン
4’の上方開口端は容器型60aおよび60bの上部に
つぶされ、縮径するものの封止されることはなく、開口
したままである。次に、この上方開口端からブローピン
21aがパリソン4’の内部に挿入される。ブローピン
21aからパリソン4’の内周面内側に空気が圧入され
ると溶融状態のパリソン4’は、その肉厚を薄くしなが
ら容器型60aおよび60bの内周面に沿って膨張し中
空容器となる。なお、本実施形態においては空気を用い
たが、圧入される流体は樹脂と反応性を有しなければよ
く、例えば不活性ガス等でもよい。また、容器型の型
数、型の分割方向についても特に限定するものではな
い。
【0047】本工程においては、樹脂の冷却速度が遅い
と樹脂の結晶化が進み樹脂の収縮が大きくなるおそれが
ある。また、冷却過程において樹脂中の温度差が大きい
と前述したように粘度差等によりフローマーク等の欠陥
が生ずるおそれがある。このため、本実施形態では、容
器型60aおよび60bに冷媒として水を通し、樹脂を
急冷して欠陥が生ずるのを防いでいる。なお、樹脂を急
冷するために、熱伝達特性の良好なアルミニウム合金、
亜鉛合金等製の容器型を利用する形態で実施することも
できる。また、本実施形態においては、水によりパリソ
ンを形成する樹脂の冷却を行ったが、冷媒は特に限定す
るものではない。さらに、本工程における冷却には、上
記急冷する場合のみならず、自然放冷する場合も含まれ
る。製造目的物である中空容器によってはフローマーク
等の欠陥が存在しても良いものもあり、このような中空
容器を作製する場合は、コスト削減の観点から、急冷せ
ずに自然放冷するケースもあるためである。
【0048】なお、本実施の形態においては、ブローピ
ン21aは、パリソン4’の上方開口端からパリソン内
部に挿入したが、パリソンの上方開口端を封止し、下方
開口端からブローピンを挿入する形態や、パリソンの上
方開口端および下方開口端を封止し、パリソンの封止さ
れた部分の外周面にブローピンを突き刺す形態で実施す
ることもできる。
【0049】(2)応用的実施の形態 本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方法には、成形方
法を、前記パリソン肉厚調整工程後、次製品のパリソン
形成工程を行うことで、肉厚調整されたパリソンを押出
し方向に移動させ、その移動後の位置で前記容器形成工
程を行う応用的実施形態がある。
【0050】また、この応用的実施形態の変形実施形態
として、パリソン移動後の位置で容器形成工程を行う間
に、次製品のパリソン肉厚調整工程を行う形態がある。
本形態における、パリソン肉厚調整前の状態の模式図を
図8に、パリソン肉厚調整時の状態の模式図を図9に、
容器形成前および次製品のパリソン肉厚調整前の状態の
模式図を図10に、容器形成時および次製品のパリソン
肉厚調整時の模式図を図11に、それぞれ示す。
【0051】図8に示すように、本形態においては、パ
リソン成形機のダイ部2により押し出されたパリソン4
の移動方向に沿って、パリソン肉厚調整工程を行うホッ
トプレス成形機5と、容器形成工程を行う容器型60a
および60bとが設置されている。
【0052】パリソン肉厚調整工程を行うホットプレス
成形機5は、半円筒状をなし、パリソン4’の外周面4
0に対応する形状を内周面50cに有する鋼製の外型5
0aおよび50bと、円柱状をなし、ダイ部2のマンド
レル21に延出して接合され、外周面51aに流体層を
形成するための放出孔(図示せず)を有し、パリソン4
の肉厚調整後の内周面41の形状と外周面51aの形状
とが対応する鋼製の内型51とを備える。なお、外型は
実際は4個の割型であるが、図8から図11においては
説明の都合上50aおよび50bの2個のみ表してい
る。
【0053】また、容器形成工程を行う一対の半円筒状
の割型である鋼製の容器型60aおよび60bは、ホッ
トプレス成形機5の下方に設置される。また、円筒状を
なし鋼製のブローピン21aは、マンドレル21および
内型51の内部を軸方向に貫通、延出して設置される。
容器型60aおよび60bは、上面が半リング状であ
り、また底面が半円状である。
【0054】本実施形態においては以下のようにしてパ
リソン肉厚調整工程および容器形成工程が行われる。ま
ず、パリソン成形機のダイ部2により押し出されたパリ
ソン4は、ホットプレス成形機5の内型51の外周面5
1aに沿って下降し、パリソン4の外周面外側に外型5
0aおよび50bが配置される位置で停止する。
【0055】次に、パリソン肉厚調整工程に入ると、ま
ず、外型50aおよび50bがパリソン4の外周面垂直
方向から接近する。外型50aおよび50bの内周面5
0cが外周面に接するにつれ、外周面に凹凸が形成され
ていく。外型50aおよび50bが閉じると、図9に示
すように、パリソン4’の外周面40には、外型50a
および50bの内周面50cの形状と型対称の形状をし
た凹凸が形成される。
【0056】パリソン肉厚調整工程においては、次に、
離型が行われる。外型50aおよび50bは接近した際
とは逆方向に移動し、パリソン4’の外周面40から離
れる。また、内型51の外周面51aの放出孔から空気
が放出され、この外周面51aとパリソン4’の内周面
41との間に流体層である空気層が形成される。
【0057】次に、図10に示すように、パリソン4’
は、パリソン4’につながり次製品となるパリソン4が
ダイ部2から押し出されるのに伴ってさらに下方に移動
し、パリソン4’の外周面外側に容器型60aおよび6
0bが配置され、かつ内周面内側にブローピン21aが
配置される位置で停止する。移動中、内型51の外周面
51aには空気層が形成されているため、外周面51a
とパリソン内周面とを付着させずにパリソンの移動を行
うことができる。なお、この際、次製品となるパリソン
4は、パリソン肉厚調整工程を行う位置、すなわち外周
面外側に外型50aおよび50bが配置される位置で停
止する。
【0058】次に、容器形成工程に入ると、まず、容器
型60aおよび60bが、パリソン4’の外周面垂直方
向から接近する。接近に伴って、容器型60aおよび6
0bの上部および底部に対応するパリソン4’の部分が
徐々に変形する。容器型60aおよび60bの上部は、
型が完全に閉じても中央に開口部を有するように半リン
グ状となっている。一方、底部は型が完全に閉じると開
口部が存在しなくなるように半円状となっている。この
ため、容器型60aおよび60bが完全に閉まると、パ
リソン4’の下方開口端は、容器型60aおよび60b
の底部に押しつぶされ、封止される。一方、パリソン
4’の上方開口端は容器型60aおよび60bの上部に
押され縮径するものの封止されることはなく開口したま
まである。ブローピン21aは、この上方開口端からパ
リソン4’の内部に挿入された状態となるように、内周
面41の内側に配置されている。
【0059】容器形成工程においては、次に、ブローピ
ン21aからパリソン4’の内周面内側に流体として空
気が圧入される。空気が圧入されると溶融状態のパリソ
ン4’は、その肉厚を薄くしながら容器型60aおよび
60bの内周面に沿って膨張し、中空容器となる。な
お、容器型60aおよび60bには冷媒として水を通
し、樹脂を急冷して欠陥が生ずるのを防いでいる。一
方、パリソンが容器形成工程において中空容器となる
間、次製品となるパリソン4’はパリソン肉厚調整工程
においてホットプレス成形機5による肉厚調整が行われ
ている。本実施形態では、上述したプロセスを繰り返し
連続的に行う。
【0060】本実施形態のように、マンドレル21に延
出して内型51を接合すると、ダイ部2からパリソン4
が押し出される際、パリソン4の内周面内方に既に内型
51が挿入されている状態を作り出すことができる。こ
のため、別途内型51を挿入する必要がなく、外型50
aおよび50bをパリソン4の外周面外方から近づけ挟
持するだけで肉厚を調整することができる。
【0061】また、本実施形態のように、ブローピン2
1aを、マンドレル21および内型51の内部を軸方向
に貫通、延出して設置すると、容器型60aおよび60
bの上面にあるリング状の上方開口端からブローピン2
1aが挿入された状態で容器型60aおよび60bが閉
まるため、別途ブローピン21aを型内に挿入する必要
がない。
【0062】本態様によると、両工程のうち、いずれか
時間が長くかかる方の工程が行われている間に、時間が
短くかかる方の工程を終えることができる。このため、
上記操作を繰り返すことにより、連続、一貫的に容器の
成形を行うことができ、またダウンタイムの削減を図る
ことができる。なお、本実施形態における内型外周面と
パリソンの内周面との間の流体層を形成する流体の種
類、外型の枚数、型の分割方向、ブローピンから圧入さ
れる流体の種類、容器型の冷媒の種類等については、上
記基本的実施の形態の項にて説明したものと同様であ
る。
【0063】(3)その他 以上、本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方法の実施
の形態について説明したが、本発明の製造方法の実施形
態は上記実施形態に特に限定されるものではなく、上記
実施形態を始めとして当業者が行うことができる改良、
変更等を施したあらゆる形態にて実施することができ
る。
【0064】
【発明の効果】本発明の樹脂製中空容器のブロー成形方
法は、肉厚を自在に調整し、中空容器モデルの肉厚を忠
実に達成することができる製造方法である。本製造方法
によると、肉厚を均一に形成した中空容器や、部分的強
化のため特定部分だけ肉厚を厚く形成した中空容器等を
簡易に、かつ精度良く製造することができる。また、過
剰肉厚部が形成されることを防止できるため、中空容器
の製造コストを下げ、中空容器を軽量化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パリソン形成工程の模式図である。
【図2】 パリソン肉厚調整工程の模式図である。
【図3】 外型、内型によりパリソン外周面に凹凸が形
成される様子を示す図である。
【図4】 放出孔から内型の外周面に空気を流した状態
の拡大図である。
【図5】 容器形成工程の型が閉じる前の状態の模式図
である。
【図6】 容器形成工程の型が閉じた状態の模式図であ
る。
【図7】 パリソンを膨張させている状態の模式図であ
る。
【図8】 パリソン肉厚調整前の状態の模式図である。
【図9】 パリソン肉厚調整時の状態の模式図である。
【図10】 容器形成前および次製品のパリソン肉厚調
整前の状態の模式図である。
【図11】 容器形成時および次製品のパリソン肉厚調
整時の模式図である。
【符号の説明】
1:押し出し部 2:ダイ部 3:チップ 4:パリソ
ン 4’:肉厚調整後のパリソン 5:ホットプレス成形機
10チップ投入口 11:加熱筒 12:スクリュー 12a:歯 20:
ダイ本体 21:マンドレル 21a:ブローピン 40:肉厚調
整後のパリソン外周面 41:肉厚調整後のパリソン内周面 50a、50b:
外型 50c:外型内周面 51:内型 51a:内型外周面
51b:放出孔 60a、60b:容器型
フロントページの続き Fターム(参考) 4F208 AA03 AA15 AG07 AH55 LA01 LA07 LB01 LD06 LD09 LD14 LG03 LG14 LG22 LG38 LG39 LG42 LJ09 LJ22 LN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態の熱可塑性樹脂をチューブ状に
    押し出しパリソンを形成させるパリソン形成工程と、 該パリソンの外周面外方に容器型を配置し、該パリソン
    の一端部を封止して該パリソン内に流体を流入させるこ
    とにより該パリソンを膨張させて該容器型に押し付け、
    次いで冷却して中空容器を形成させる容器形成工程と、
    を含んでなる樹脂製中空容器のブロー成形方法であっ
    て、 前記パリソン形成工程と容器形成工程との間に、膨張す
    ることによって前記中空容器の任意の構成部分を形成す
    る前記パリソンの構成部分の肉厚を、前記中空容器の任
    意の該構成部分が所望の肉厚となるように調整するパリ
    ソン肉厚調整工程を含むことを特徴とする樹脂製中空容
    器のブロー成形方法。
  2. 【請求項2】 前記パリソン肉厚調整工程は、前記パリ
    ソンを該パリソンの外周部外方に位置する外型と該パリ
    ソンの内周部内方に位置する内型とで挟持し、該外型と
    該内型とで形成されるキャビティ内に該パリソンを形成
    する溶融状体の前記熱可塑性樹脂を流動充填することに
    よって行われる請求項1に記載の樹脂製中空容器のブロ
    ー成形方法。
  3. 【請求項3】 前記パリソン肉厚調整工程は、前記内型
    の外周面と前記パリソンの内周面との間に流体層を介在
    させて行う請求項2に記載の樹脂製中空容器のブロー成
    形方法。
  4. 【請求項4】 前記パリソン肉厚調整工程後、次製品の
    パリソン形成工程を行うことで、肉厚調整されたパリソ
    ンを押出し方向に移動させ、その移動後の位置で前記容
    器形成工程を行う請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載の樹脂製中空容器のブロー成形方法。
  5. 【請求項5】 前記移動後の位置で前記容器形成工程を
    行う間に、次製品の前記パリソン肉厚調整工程を行う請
    求項4に記載の樹脂製中空容器のブロー成形方法。
JP2000267242A 2000-09-04 2000-09-04 樹脂製中空容器のブロー成形方法 Pending JP2002067136A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505255A (ja) * 2007-11-26 2011-02-24 エール ユニバーシティ バルク金属ガラスのブロー成形方法

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