JP2002066621A - 絞り圧延方法 - Google Patents
絞り圧延方法Info
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- JP2002066621A JP2002066621A JP2000253942A JP2000253942A JP2002066621A JP 2002066621 A JP2002066621 A JP 2002066621A JP 2000253942 A JP2000253942 A JP 2000253942A JP 2000253942 A JP2000253942 A JP 2000253942A JP 2002066621 A JP2002066621 A JP 2002066621A
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- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課 題】 絞り圧延時に管状被圧延材がカリバ底から
ずれた位置でロールと接触を開始しても管体ねじれの発
生を有効に防止しうる絞り圧延方法を提供する。 【解決手段】 N(≧2)本のカリバロールを円周方向に配
置したスタンドを複数タンデムに配列してなる絞り圧延
機を用いて管1を段階的に縮径加工する絞り圧延方法に
おいて、少なくとも1スタンド間で、n(≧2)本のカリバ
ロール型ガイドローラ5を有するローラガイドを用いて
管にねじりモーメント4を付与する。
ずれた位置でロールと接触を開始しても管体ねじれの発
生を有効に防止しうる絞り圧延方法を提供する。 【解決手段】 N(≧2)本のカリバロールを円周方向に配
置したスタンドを複数タンデムに配列してなる絞り圧延
機を用いて管1を段階的に縮径加工する絞り圧延方法に
おいて、少なくとも1スタンド間で、n(≧2)本のカリバ
ロール型ガイドローラ5を有するローラガイドを用いて
管にねじりモーメント4を付与する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状被圧延材のね
じれを有効に防止した絞り圧延方法に関する。
じれを有効に防止した絞り圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】管圧延によって素管から所望の外径の製
品管を得るために、従来、N本(N=2〜4)のロール
(カリバロール)を円周方向に配置したスタンドをタン
デムに配列してなる絞り圧延機(レデューサ)を用い、
内面工具を使用せずに段階的に外径を絞り込んでいく絞
り圧延方法が採用されている。
品管を得るために、従来、N本(N=2〜4)のロール
(カリバロール)を円周方向に配置したスタンドをタン
デムに配列してなる絞り圧延機(レデューサ)を用い、
内面工具を使用せずに段階的に外径を絞り込んでいく絞
り圧延方法が採用されている。
【0003】図3は、絞り圧延の一般的形態を示す説明
図であり、(a) は3ロール式レデューサの要部外観、
(b) はロール配置と6角張り、(c) はロールプロフィル
を示す。本例のようなN=3(3ロール式)の絞り圧延
方法では、従来一般に相前後するスタンドのロール位相
に60°の差(ロール位相差)をもたせる。あるスタンド
のロール位相は、そのスタンドのパス中心Pから鉛直上
方に伸びる半直線を基準軸にとり、パス中心を回転中心
とする動径が基準軸を起点としてスタンド入側からみて
右回りに回転してカリバ底(ロールプロフィル曲線(ロ
ールカーブ)をなす点であってロール軸までの距離が最
小となる点)Cと最初に交わる位置に達するまでの回転
角度で表される。この回転角度をロール位相角という。
基準軸がカリバ底Cを通る場合はロール位相角=0°と
する。
図であり、(a) は3ロール式レデューサの要部外観、
(b) はロール配置と6角張り、(c) はロールプロフィル
を示す。本例のようなN=3(3ロール式)の絞り圧延
方法では、従来一般に相前後するスタンドのロール位相
に60°の差(ロール位相差)をもたせる。あるスタンド
のロール位相は、そのスタンドのパス中心Pから鉛直上
方に伸びる半直線を基準軸にとり、パス中心を回転中心
とする動径が基準軸を起点としてスタンド入側からみて
右回りに回転してカリバ底(ロールプロフィル曲線(ロ
ールカーブ)をなす点であってロール軸までの距離が最
小となる点)Cと最初に交わる位置に達するまでの回転
角度で表される。この回転角度をロール位相角という。
基準軸がカリバ底Cを通る場合はロール位相角=0°と
する。
【0004】Nロール式のスタンドにおいて、相前後す
る二スタンドのロール位相角をそれぞれθ1,θ2 ( °)
とし、Z=|θ1-θ2 |とすると、スタンド間のロール位
相差Δθは、 Z ≦180/N ならば、Δθ=Z Z >180/N ならば、Δθ=360/N-Z と定義される。
る二スタンドのロール位相角をそれぞれθ1,θ2 ( °)
とし、Z=|θ1-θ2 |とすると、スタンド間のロール位
相差Δθは、 Z ≦180/N ならば、Δθ=Z Z >180/N ならば、Δθ=360/N-Z と定義される。
【0005】カリバロール2のロールプロフィルは曲率
中心O、半径Rの円弧状の場合が多いが、こればかりで
はなく、他のプロフィルの場合もある。同円弧状の場合
の例を用いて説明すると、曲率中心Oはパス中心Pから
所定の量だけずらされる。このずらし量(オフセット)
は、カリバ底C, フランジ側端Eとパス中心Pとの距離
a,b を用いて定義された楕円率=(b-a)/aの設計値をもと
に定められる。
中心O、半径Rの円弧状の場合が多いが、こればかりで
はなく、他のプロフィルの場合もある。同円弧状の場合
の例を用いて説明すると、曲率中心Oはパス中心Pから
所定の量だけずらされる。このずらし量(オフセット)
は、カリバ底C, フランジ側端Eとパス中心Pとの距離
a,b を用いて定義された楕円率=(b-a)/aの設計値をもと
に定められる。
【0006】a<b より管は孔型底では強く、孔型端Eで
は弱く圧下され、内面工具を使用しないため、通常の N
ロール式絞り圧延では、圧延開始から数パス後には管1
内面形状が、スタンド通過毎にスタンド間位相差180/N
(°) に等しい角度ピッチで回転する2N角形状となる。
この現象は内面角張りとよばれ、絞り圧延で製造される
製品管の内面形状にかかる寸法精度を悪化させる主因と
して、その発生防止対策が古くから切望されている。
は弱く圧下され、内面工具を使用しないため、通常の N
ロール式絞り圧延では、圧延開始から数パス後には管1
内面形状が、スタンド通過毎にスタンド間位相差180/N
(°) に等しい角度ピッチで回転する2N角形状となる。
この現象は内面角張りとよばれ、絞り圧延で製造される
製品管の内面形状にかかる寸法精度を悪化させる主因と
して、その発生防止対策が古くから切望されている。
【0007】これまでに提案されている内面角張り防止
対策の主なものとして、カリバ真円化、スタンド間張力
強化、ロール位相角変更(特開昭61−216806号公報)の
3点が挙げられる。カリバ真円化は、図6(c) において
a,b をRに限りなく近づける(楕円率を限りなく0に近
づける)ものであるが、ロールフランジ部での圧下量が
相対的に大きくなることから、この部位での材料の噛出
し傾向が大きくなり、管外面に疵が発生する問題があ
る。
対策の主なものとして、カリバ真円化、スタンド間張力
強化、ロール位相角変更(特開昭61−216806号公報)の
3点が挙げられる。カリバ真円化は、図6(c) において
a,b をRに限りなく近づける(楕円率を限りなく0に近
づける)ものであるが、ロールフランジ部での圧下量が
相対的に大きくなることから、この部位での材料の噛出
し傾向が大きくなり、管外面に疵が発生する問題があ
る。
【0008】スタンド間張力強化は、各スタンドのロー
ル回転数を調整しスタンド間の張力を増して偏肉を緩和
しようとするものであるが、材料の先後端クロップ(張
力がかからないことによる肉厚非定常部)が長大化し歩
留りが低下する問題がある。ロール位相角変更は、2ロ
ール式または3ロール式において、例えば図4に示すよ
うに、Δθが式:180/Nおよび90/N (単位: °)(n=2,3)の
値(90°、60°、45°、30°)の何れかに等しくなるよ
うに各スタンドのロール位相角を設定することで多角形
の角数を増やしてより円形に近い内面形状を得ようとす
るものである。
ル回転数を調整しスタンド間の張力を増して偏肉を緩和
しようとするものであるが、材料の先後端クロップ(張
力がかからないことによる肉厚非定常部)が長大化し歩
留りが低下する問題がある。ロール位相角変更は、2ロ
ール式または3ロール式において、例えば図4に示すよ
うに、Δθが式:180/Nおよび90/N (単位: °)(n=2,3)の
値(90°、60°、45°、30°)の何れかに等しくなるよ
うに各スタンドのロール位相角を設定することで多角形
の角数を増やしてより円形に近い内面形状を得ようとす
るものである。
【0009】これを4ロール式に敷衍すると、Δθを通
常の45°からその半分の22.5°とすることにより8角が
倍の16角になり、さらにその半分の11.25 °とすること
によりさらにその倍の32角になって、内面角張りによる
偏肉をほぼ解消できると期待される。
常の45°からその半分の22.5°とすることにより8角が
倍の16角になり、さらにその半分の11.25 °とすること
によりさらにその倍の32角になって、内面角張りによる
偏肉をほぼ解消できると期待される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、N ロー
ル式スタンドにおいてΔθ<180/N (°) に設定すると、
例えばN=4の場合について図5に示すように、管1がカ
リバ底からずれた位置でロール2と接触を開始するため
管体にねじれ3が発生し、内面形状がいびつになって、
結果的に偏肉が軽減されないという問題があった。
ル式スタンドにおいてΔθ<180/N (°) に設定すると、
例えばN=4の場合について図5に示すように、管1がカ
リバ底からずれた位置でロール2と接触を開始するため
管体にねじれ3が発生し、内面形状がいびつになって、
結果的に偏肉が軽減されないという問題があった。
【0011】本発明は、この問題を解決し、絞り圧延時
に管状被圧延材がカリバ底からずれた位置でロールと接
触を開始しても管体ねじれの発生を有効に防止しうる絞
り圧延方法を提供することを目的とする。
に管状被圧延材がカリバ底からずれた位置でロールと接
触を開始しても管体ねじれの発生を有効に防止しうる絞
り圧延方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成した本発
明は、以下のとおりである。 (1) N(≧2)本のカリバロールを円周方向に配置したスタ
ンドを複数タンデムに配列してなる絞り圧延機を用いて
管を段階的に縮径加工する絞り圧延方法において、少な
くとも1スタンド間で、n(≧2)本のカリバロール型ガイ
ドローラを有するローラガイドを用いて管にねじりモー
メントを付与することを特徴とする絞り圧延方法。
明は、以下のとおりである。 (1) N(≧2)本のカリバロールを円周方向に配置したスタ
ンドを複数タンデムに配列してなる絞り圧延機を用いて
管を段階的に縮径加工する絞り圧延方法において、少な
くとも1スタンド間で、n(≧2)本のカリバロール型ガイ
ドローラを有するローラガイドを用いて管にねじりモー
メントを付与することを特徴とする絞り圧延方法。
【0013】(2) 前記ガイドローラの回転軸を通管方向
に直交する平面に対して傾斜させて、ねじれ始端側に相
当するローラ端を通管方向の上流側に配位した(1) 記載
の絞り圧延方法。 (3) 通管方向に直交する平面に対する前記ガイドローラ
の回転軸の傾斜角が0超〜15°である(2) 記載の絞り圧
延方法。
に直交する平面に対して傾斜させて、ねじれ始端側に相
当するローラ端を通管方向の上流側に配位した(1) 記載
の絞り圧延方法。 (3) 通管方向に直交する平面に対する前記ガイドローラ
の回転軸の傾斜角が0超〜15°である(2) 記載の絞り圧
延方法。
【0014】(4) 前記ガイドローラを回転軸方向の左右
両端でローラ径が異なる非対称ローラとし、大径側のロ
ーラ端をねじれ始端側に配位した(1) 〜(3) の何れかに
記載の絞り圧延方法。 (5) 前記ガイドローラの表面粗さを、Rz=1〜100 μm
とした(1) 〜(4) の何れかに記載の絞り圧延方法。
両端でローラ径が異なる非対称ローラとし、大径側のロ
ーラ端をねじれ始端側に配位した(1) 〜(3) の何れかに
記載の絞り圧延方法。 (5) 前記ガイドローラの表面粗さを、Rz=1〜100 μm
とした(1) 〜(4) の何れかに記載の絞り圧延方法。
【0015】(6) 前記ガイドローラに、その入側の管外
周形状に合うロールカーブを付与した(1) 〜(5) の何れ
かに記載の絞り圧延方法。 (7) 前記ガイドローラの表面にスリップ防止剤を適用す
る(1) 〜(6) の何れかに記載の絞り圧延方法。 (8) ロール位相差が(90/N)°以下のスタンド間で前記ロ
ーラガイドを用いる(1) 〜(7) の何れかに記載の絞り圧
延方法。
周形状に合うロールカーブを付与した(1) 〜(5) の何れ
かに記載の絞り圧延方法。 (7) 前記ガイドローラの表面にスリップ防止剤を適用す
る(1) 〜(6) の何れかに記載の絞り圧延方法。 (8) ロール位相差が(90/N)°以下のスタンド間で前記ロ
ーラガイドを用いる(1) 〜(7) の何れかに記載の絞り圧
延方法。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、N(≧2)本のカリバロー
ルを円周方向に配置したスタンドを複数タンデムに配列
してなる絞り圧延機を用いて管を段階的に縮径加工する
絞り圧延方法において、少なくとも1スタンド間で、n
(≧2)本のカリバロール型ガイドローラを有するローラ
ガイドを用いて管にねじりモーメントを付与するように
したものである。
ルを円周方向に配置したスタンドを複数タンデムに配列
してなる絞り圧延機を用いて管を段階的に縮径加工する
絞り圧延方法において、少なくとも1スタンド間で、n
(≧2)本のカリバロール型ガイドローラを有するローラ
ガイドを用いて管にねじりモーメントを付与するように
したものである。
【0017】これによれば、ガイドロールの配置や形状
を適切に設定することで、付与するねじりモーメントの
向きを、ローラガイドがないときにスタンド間で生じる
管体ねじれの向きと逆にして、ねじれを効果的に防止す
ることができ、偏肉の小さい内面形状に優れた製品管を
得ることができる。 n=1ではモーメントが付与できない
から n≧2 でなければならない。
を適切に設定することで、付与するねじりモーメントの
向きを、ローラガイドがないときにスタンド間で生じる
管体ねじれの向きと逆にして、ねじれを効果的に防止す
ることができ、偏肉の小さい内面形状に優れた製品管を
得ることができる。 n=1ではモーメントが付与できない
から n≧2 でなければならない。
【0018】ねじれの向きと逆方向のねじりモーメント
を付与する第1の方法は、例えば図1(a) に示すよう
に、ガイドローラ5の回転軸12を通管方向に直交する平
面に対して傾斜させて、ねじれ3始端側に相当するロー
ラ端を通管方向の上流側(紙面手前側)に配位するもの
である。この配位により、管1にはガイドローラ5の下
流側配位端から上流側配位端へと向かう方向(=ねじれ
3と逆方向)のねじりモーメント4が生じるので、管体
ねじれを有効に防止できる。同図ではn=2 の例を示して
いるが、 n≧3 でも同様の結果となる。
を付与する第1の方法は、例えば図1(a) に示すよう
に、ガイドローラ5の回転軸12を通管方向に直交する平
面に対して傾斜させて、ねじれ3始端側に相当するロー
ラ端を通管方向の上流側(紙面手前側)に配位するもの
である。この配位により、管1にはガイドローラ5の下
流側配位端から上流側配位端へと向かう方向(=ねじれ
3と逆方向)のねじりモーメント4が生じるので、管体
ねじれを有効に防止できる。同図ではn=2 の例を示して
いるが、 n≧3 でも同様の結果となる。
【0019】第1の方法では、通管方向10に直交する平
面11に対するガイドローラ5の回転軸12の傾斜角β(図
1(b) 参照)は当然に0°超であるが、より顕著なねじ
れ防止効果を得るにはβ≧2°が好ましい。また、ガイ
ドローラとの擦れによる管表面疵発生を軽微に抑えるた
めには、β≦15°とするのがよく、より好ましくはβ≦
10°である。
面11に対するガイドローラ5の回転軸12の傾斜角β(図
1(b) 参照)は当然に0°超であるが、より顕著なねじ
れ防止効果を得るにはβ≧2°が好ましい。また、ガイ
ドローラとの擦れによる管表面疵発生を軽微に抑えるた
めには、β≦15°とするのがよく、より好ましくはβ≦
10°である。
【0020】また、ねじれの向きと逆方向のねじりモー
メントを付与する第2の方法は、例えば図2に示すよう
に、ガイドローラ5を回転軸12方向の左右両端でローラ
径が異なる非対称ローラ5Aとし、大径側のローラ端をね
じれ3始端側に配位するものである。非対称ローラ5Aを
前記のように配位すると、管1には非対称ローラ5Aの小
径端から大径端に向かう方向(=ねじれ3と逆方向)の
ねじりモーメント4が生じるので、管体ねじれを有効に
防止できる。同図ではn=3 の例を示しているが、n=2 や
n≧4 でも同様の結果となる。
メントを付与する第2の方法は、例えば図2に示すよう
に、ガイドローラ5を回転軸12方向の左右両端でローラ
径が異なる非対称ローラ5Aとし、大径側のローラ端をね
じれ3始端側に配位するものである。非対称ローラ5Aを
前記のように配位すると、管1には非対称ローラ5Aの小
径端から大径端に向かう方向(=ねじれ3と逆方向)の
ねじりモーメント4が生じるので、管体ねじれを有効に
防止できる。同図ではn=3 の例を示しているが、n=2 や
n≧4 でも同様の結果となる。
【0021】第2の方法は、第1の方法と組み合わせる
ことができる。それには、例えば図2でいえば、非対称
ローラ5Aの回転軸を通管方向に直交する平面に対して傾
斜させて、大径側のローラ端を通管方向上流側に配位す
ればよい。ガイドローラの表面粗さは、Rz<1μmでは
ガイドローラが管とスリップして十分な抗ねじれ力を得
るのが困難となり、一方、Rz>100 μmでは、ロール粗
さが管表面に転写し、良好な製品肌を得られない場合が
あるので、Rz=1〜100 μmとするのがよい。なお、好
ましくはRz=5〜30μmである。
ことができる。それには、例えば図2でいえば、非対称
ローラ5Aの回転軸を通管方向に直交する平面に対して傾
斜させて、大径側のローラ端を通管方向上流側に配位す
ればよい。ガイドローラの表面粗さは、Rz<1μmでは
ガイドローラが管とスリップして十分な抗ねじれ力を得
るのが困難となり、一方、Rz>100 μmでは、ロール粗
さが管表面に転写し、良好な製品肌を得られない場合が
あるので、Rz=1〜100 μmとするのがよい。なお、好
ましくはRz=5〜30μmである。
【0022】また、上記以外のスリップ防止法として、
ガイドローラのロールカーブをローラガイド入側の管外
周形状に合わせてガイドローラと管との接触域を拡大す
る方法や、ガイドローラの表面にスリップ防止剤(例え
ば、SiC+分散剤)を適用して管との摩擦係数を高める方
法などの何れも好ましく用いうる。また、管体ねじれ
は、内面角張りの角数を増やそうとしてロール位相差Δ
θを(90/N)°以下としたスタンド間において、とくに発
生しやすいことから、ローラガイドの適用対象としては
Δθ≦(90/N)°のスタンド間を優先させる方が、ねじれ
防止効果がより顕著となるので好ましい。
ガイドローラのロールカーブをローラガイド入側の管外
周形状に合わせてガイドローラと管との接触域を拡大す
る方法や、ガイドローラの表面にスリップ防止剤(例え
ば、SiC+分散剤)を適用して管との摩擦係数を高める方
法などの何れも好ましく用いうる。また、管体ねじれ
は、内面角張りの角数を増やそうとしてロール位相差Δ
θを(90/N)°以下としたスタンド間において、とくに発
生しやすいことから、ローラガイドの適用対象としては
Δθ≦(90/N)°のスタンド間を優先させる方が、ねじれ
防止効果がより顕著となるので好ましい。
【0023】
【実施例】JIS STKM13B 相当鋼管を被圧延材として、N=
4のスタンドを3スタンド(第iスタンドを#iと記す)
配列した絞り圧延機を用いて、表1に示す条件で段階的
に縮径加工する絞り圧延実験を行い、被圧延材の#2入側
ねじれ量を測定し、また、製品表面疵の有無を目視判定
して、表2に示す結果を得た。なお、#1入側速度を75m/
min にするよう、各スタンドのロール回転数を調整し
た。
4のスタンドを3スタンド(第iスタンドを#iと記す)
配列した絞り圧延機を用いて、表1に示す条件で段階的
に縮径加工する絞り圧延実験を行い、被圧延材の#2入側
ねじれ量を測定し、また、製品表面疵の有無を目視判定
して、表2に示す結果を得た。なお、#1入側速度を75m/
min にするよう、各スタンドのロール回転数を調整し
た。
【0024】なお、#2入側ねじれ量は、#1,#2 のロール
のカリバ底(図3のC点)に、それぞれ円周方向に90°
間隔で、直径1mm、深さ0.5 mmのキリ穴を明け、該キリ
穴によって付いた被圧延材の圧延痕を用いて測定した。
のカリバ底(図3のC点)に、それぞれ円周方向に90°
間隔で、直径1mm、深さ0.5 mmのキリ穴を明け、該キリ
穴によって付いた被圧延材の圧延痕を用いて測定した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表2に示すように、#1〜#2間でローラガイ
ドを用いて被圧延材にねじりモーメントを付与した本発
明の実施例では、#2入側ねじれ量が比較例よりも格段に
低減した。また、本発明のさらなる好適条件を満たす実
施例では製品表面疵は発生しなかった。
ドを用いて被圧延材にねじりモーメントを付与した本発
明の実施例では、#2入側ねじれ量が比較例よりも格段に
低減した。また、本発明のさらなる好適条件を満たす実
施例では製品表面疵は発生しなかった。
【0028】
【発明の効果】かくして本発明によれば、絞り圧延の際
にしばしば発生して製品管の内面形状を劣化させていた
管体ねじれを有効に防止することが可能となり、製品管
の品質をさらに向上させることができる。
にしばしば発生して製品管の内面形状を劣化させていた
管体ねじれを有効に防止することが可能となり、製品管
の品質をさらに向上させることができる。
【図1】本発明に係る第1の方法を例示する模式図であ
る。
る。
【図2】本発明に係る第2の方法を例示する模式図であ
る。
る。
【図3】絞り圧延の一般的形態を示す説明図である。
【図4】ロール位相角変更パターンの例を示す模式図で
ある。
ある。
【図5】ねじれ発生の様子を示す模式図である。
【符号の説明】 1 管(被圧延材) 2 ロール(カリバロール) 3 ねじれ 4 ねじりモーメント 5 ガイドローラ 5A 非対称ローラ(ガイドローラ) 10 通管方向 11 通管方向に直交する平面 12 回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長濱 拓也 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内
Claims (8)
- 【請求項1】 N(≧2)本のカリバロールを円周方向に配
置したスタンドを複数タンデムに配列してなる絞り圧延
機を用いて管を段階的に縮径加工する絞り圧延方法にお
いて、少なくとも1スタンド間で、n(≧2)本のカリバロ
ール型ガイドローラを有するローラガイドを用いて管に
ねじりモーメントを付与することを特徴とする絞り圧延
方法。 - 【請求項2】 前記ガイドローラの回転軸を通管方向に
直交する平面に対して傾斜させて、ねじれ始端側に相当
するローラ端を通管方向の上流側に配位した請求項1記
載の絞り圧延方法。 - 【請求項3】 通管方向に直交する平面に対する前記ガ
イドローラの回転軸の傾斜角が0超〜15°である請求項
2記載の絞り圧延方法。 - 【請求項4】 前記ガイドローラを回転軸方向の左右両
端でローラ径が異なる非対称ローラとし、大径側のロー
ラ端をねじれ始端側に配位した請求項1〜3の何れかに
記載の絞り圧延方法。 - 【請求項5】 前記ガイドローラの表面粗さを、Rz=1
〜100 μmとした請求項1〜4の何れかに記載の絞り圧
延方法。 - 【請求項6】 前記ガイドローラに、その入側の管外周
形状に合うロールカーブを付与した請求項1〜5の何れ
かに記載の絞り圧延方法。 - 【請求項7】 前記ガイドローラの表面にスリップ防止
剤を適用する請求項1〜6の何れかに記載の絞り圧延方
法。 - 【請求項8】 ロール位相差が(90/N)°以下のスタンド
間で前記ローラガイドを用いる請求項1〜7の何れかに
記載の絞り圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000253942A JP2002066621A (ja) | 2000-08-24 | 2000-08-24 | 絞り圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000253942A JP2002066621A (ja) | 2000-08-24 | 2000-08-24 | 絞り圧延方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7528920B2 (en) | 2003-10-16 | 2009-05-05 | Lg Display Co., Ltd. | Array substrate for in-plane switching mode liquid crystal display device and method of fabricating the same |
CN112135696A (zh) * | 2018-05-18 | 2020-12-25 | Sms集团有限公司 | 具有改进的直径和壁厚度公差的张力减径机 |
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2000
- 2000-08-24 JP JP2000253942A patent/JP2002066621A/ja active Pending
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