JP2002060477A - ゼラチングラフト化ポリエステル化合物、その製造方法、および該ポリエステル化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ゼラチングラフト化ポリエステル化合物、その製造方法、および該ポリエステル化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料

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JP2002060477A
JP2002060477A JP2000246381A JP2000246381A JP2002060477A JP 2002060477 A JP2002060477 A JP 2002060477A JP 2000246381 A JP2000246381 A JP 2000246381A JP 2000246381 A JP2000246381 A JP 2000246381A JP 2002060477 A JP2002060477 A JP 2002060477A
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acid
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Hiroki Sasaki
広樹 佐々木
Junichi Yamanouchi
淳一 山之内
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼラチンの機能を拡大し、写真要素中に種々
の用途の水不溶性写真有用物質を安定に導入できるゼラ
チン系素材を提供する。 【解決手段】 ゼラチン対ポリエステル化合物の質量比
を50:1〜1:2としてポリエステル化合物のカルボ
キシル基とゼラチン中のアミノ基との反応によりアミド
結合を形成させてなるゼラチングラフト化ポリエステル
化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性あるいは水
分散性のゼラチングラフト化ポリエステル化合物及びか
かる物質の画像形成材料への使用に関する。更に詳しく
は、本発明は、ゼラチンにグラフト化されたポリエステ
ル化合物及びこれらの組成物の写真材料への使用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ゼラチンは、写真化学工業において、長
い間利用されている。ゼラチンが、写真システムにおい
て果たしている役割は多岐にわたっている。それは、ゼ
ラチンが優れた保護コロイド性、ゾル−ゲル変換性、イ
オン透過性、適度な吸湿、保水性などの優れた特性、お
よび化学反応サイトを有することによる分子間架橋や写
真有用基の結合能力を同時に備えているからであるが、
更なる向上が求められている。その方法として、一部を
合成高分子で置換する方法とゼラチン自身に修飾(写真
有用基の結合)を加える方法に大別できる。本発明は後
者に属する。ゼラチンの修飾については、ゼラチンの主
ペプチド鎖のペンダントあるいはブランチのアミン部分
あるいはカルボン酸部分を利用して修飾する方法が一般
的で種々提案されている。例えば、我孫子義弘 他編
「にかわとゼラチン」丸善(1987)、米国特許4978607
号、特開平6-73341号などには様々なゼラチン修飾法が
提案されている。上述のようにハロゲン化銀写真分野に
おいては、様々な写真機能を発現させるために種々の写
真有用化合物を親水性コロイド層中に導入して、感光材
料や受像材料などの写真要素を構築している。写真有用
物質を親水性コロイド層に導入する方法としては、先述
したように写真有用物質をゼラチンに修飾する方法、写
真有用物質が水に不溶性の場合には乳化分散法、固体分
散法が挙げられる。多種類の写真有用基を大量に層中に
添加する必要がある場合、前者の方法はある限度があ
り、現実的ではない。後者の分散法の中で、固体分散法
は固定性の面で利点がある。固体分散法は、固体状態で
水又は保護コロイド液中にミル等により微分散して固体
分散物として塗布液組成物に添加する分散である。その
分散剤、あるいは分散助剤として、従来から種々の界面
活性剤が使用されている。例えば、低分子界面活性剤と
しては公知の界面活性剤や、特開昭52−92716号、
国際公開WO88/04794号等に記載されている化
合物を用いることができる。また、アニオン性高分子ま
たはノニオン性高分子としても公知のものや合成ポリマ
ーを用いることができる。例えば、特開平4−3248
58号、特開平9−194705号等に記載されている
ポリマーを用いることができる。しかしながら、従来の
写真要素に用いられた分散剤(ポリマー分散剤を含む)
およびその助剤は、写真有用物質の分散物安定性が充分
とは言い難いものがあり、写真有用物質の析出や分散物
の凝集が発生したり、分散物の安定性が充分であって
も、写真材料などの場合、その固体分散物をゼラチンと
混合して塗布する場合が多いが、その混合の際に凝集を
引き起こしてしまったり、写真要素の保存経時中にも析
出やブリーディングを起こすことがある。特にスルホン
酸金属塩を有するポリマー(例えば水分散ポリエステ
ル)を分散剤および分散助剤として用いたとき、バイン
ダーゼラチンとの混合凝集傾向が大きく、化学工学的な
対処が必要になる場合がある。また、目的によっては分
散剤をかなり大量に用いる必要がある場合、ベタツキ、
生保存性の悪化、接着故障、添加薬品あるいは分散剤自
身の層間拡散による故障(混色、経時劣化など)、塗布
特性の悪化等、種々の副作用等も発生し、分散剤、分散
助剤の更なる改良ばかりでなく、ゼラチン材料そのもの
の改良も更に望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゼラ
チンの機能を拡大し、写真要素中に種々の用途の水不溶
性写真有用物質を安定に導入できるゼラチン系素材を提
供することにある。さらに詳しくは水不溶性写真有用物
質をその分散組成物中で安定に存在させることができ、
塗布液作成時や塗布時に副作用のほとんどないゼラチン
系素材を提供することである。さらに本発明はこのよう
な修飾ゼラチン素材の製造方法と、それにより得られた
写真組成物とその写真組成物を用いたハロゲン化銀写真
感光材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記手段に
よって達成された。 (1)ゼラチン対ポリエステル化合物の質量比を50:
1〜1:2としてポリエステル化合物のカルボキシル基
とゼラチン中のアミノ基との反応によりアミド結合を形
成させてなるゼラチングラフト化ポリエステル化合物。 (2)ゼラチン対ポリエステル化合物の質量比を50:
1〜1:2としてポリエステル化合物のカルボキシル基
とゼラチン中のアミノ基とを反応させアミド結合を形成
させてなるゼラチングラフト化ポリエステル化合物の製
造方法。 (3)(1)項記載の水溶性あるいは水分散性のゼラチ
ングラフト化ポリエステル化合物を含有することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料。 (4)支持体上に少なくとも1つの感光性ハロゲン化銀
乳剤層と少なくとも1層の水不溶性写真有用化合物の固
体分散物を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀
写真感光材料において、該固体分散物が、下記一般式1
で表される水不溶性写真有用化合物とポリエステル化合
物のカルボキシル基とゼラチン中のアミノ基とがアミド
結合を形成せしめることによって形成される水溶性ある
いは水分散性のゼラチングラフト化ポリエステル化合物
とからなる固体分散物であることを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料。 一般式1
【0005】
【化2】
【0006】一般式1中、Aは酸性核を表し、L、L
およびLはそれぞれ置換されてもよいメチン基を表
す。R14およびR16は水素原子または置換基(置換原
子も含む)を表す。R15は置換基(置換原子も含む)
を表す。nは0または1を表す。mは0から4までの整数を表
し、mが2から4の整数のときR15は互いに異なってもよ
い。Zは、ハメットの置換基定数σが0.3以上1.5以下
の電子吸引基を表す。本発明において、前記のポリエス
テル化合物のカルボキシル基とは、後述したところから
も明らかなようにゼラチン中のアミノ基とアミド結合を
形成するに必要な形態であればよく、遊離のカルボキシ
ル基に限らず、その塩(ナトリウム、カリウム塩などの
アルカリ金属塩)や酸塩化物などのような反応性官能基
としたものも包含する意味である。また上記のゼラチン
グラフト化ポリエステル化合物が水溶性であるとは、該
化合物の水への溶解性のことを指す。ゼラチンは水溶性
であり、ポリエステル化合物はその化学構造や組成か
ら、水溶性であったり水不溶性を示すものがある。ポリ
エステル化合物が水溶性のときは、該化合物は水溶性で
あり、ポリエステル化合物が水不溶性であるときは、該
化合物は両親媒性化合物となりミセル(高分子ミセル)
を形成し、そのミセルの粒子径により、透明に近いもの
から完全に白濁した状態のものまであり、これを水分散
性とここでは称する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を具体的に説明する。
まず、本発明のゼラチングラフト化されたポリエステル
化合物およびその製造方法について説明する。グラフト
化反応に用いるポリエステル化合物(以下、ポリエステ
ル樹脂ということがある)自体は公知である。ポリエス
テル化合物はジカルボン酸を主成分とするモノ〜多価カ
ルボン酸類とジオール類を主成分とするモノ〜多価アル
コール類との縮重合により得られる。ポリエステル化合
物の製造に用いられる多価カルボン酸類としては、ジカ
ルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボ
ン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、フェニレ
ンジアクリル酸等の芳香族不飽和多価カルボン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘ
キサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、脂肪族不
飽和多価カルボン酸、および、シクロヘキサンジカルボ
ン酸等の脂環族ジカルボン酸等を、また多価カルボン酸
としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリ
ット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を例示できる。
【0008】モノカルボン酸としては、安息香酸、クロ
ロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香
酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香
酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル
安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ター
シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メ
チル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオ
サリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステ
アリル酸、およびこれらの低級アルキルエステル、等を
例示できる。上記のポリエステル化合物の製造に用いら
れる多価アルコール類としては脂肪族多価アルコール
類、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類
等を例示できる。脂肪族多価アルコール類としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチロー
ルヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオ
ール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエルスリトール等のトリオール
およびテトラオール類等を例示できる。
【0009】脂環族多価アルコール類としては1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、スピログリコール、水素化ビスフェノール
A、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオール、トリシクロデカンジメタノール等を例示で
きる。芳香族多価アルコール類としてはパラキシレング
リコール、メタキシレングリコール、オルトキシレング
リコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フ
ェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。これらの他モノアルコールとして低級アルキルアル
コール、高級アルキルアルコール、トリシクロデカンモ
ノメタノール等を例示できる。さらにポリエステルポリ
オールとして、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開
環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオー
ル類等を例示することができる。ポリエステル化合物
は、これらの単量体類を用い、真空重合法、あるいは減
圧重合法等の常法により得ることができる。前者は繊
維、フィルム、ポリボトル等に用いられポリエチレンテ
レフタレート等を重合する際に用いられる方法であり比
較的高分子量のポリエステル化合物を得ることができ
る。後者はアルキッド樹脂等の不飽和ポリエステル樹脂
を重合する際に用いられる方法であり、比較的低分子量
のポリエステル化合物が得られる。またこれらの常法の
他、酸クロライド法などによってもポリエステル樹脂を
得ることができる。
【0010】またさらには公知の生分解性ポリエステル
を用いることもできる。例えば、乳酸残基の繰り返しか
ら成るポリ乳酸、グリコール酸単位と乳酸単位とから成
る乳酸系ポリエステル共重合体、乳酸単位とポリエステ
ル単位とから成る乳酸系ポリエステル共重合体、乳酸単
位とポリエーテルポリオール単位とから成る乳酸系ポリ
エーテルポリエステル共重合体等が挙げられる。他にポ
リグリコール酸や、昭和高分子株式会社製の商品名ビオ
ノーレに代表されるような脂肪族ポリエステル、ポリε
−カプロラクトンのようなラクトン系ポリエステル、I
CI社製の商品名バイオポールのようなポリヒドロキシ
ブチレート系ポリエステルが挙げられる。これらのグリ
コール酸と乳酸との共重合体、ポリ乳酸、乳酸単位とポ
リエステル単位からなる乳酸系ポリエステル、乳酸単位
とポリエーテルポリオール単位からなる乳酸系ポリエー
テルエステル、昭和高分子株式会社製ビオノーレのよう
な脂肪族ポリエステル、ポリε−カプロラクトンのよう
なラクトン系ポリエステルは分子量を制御することが容
易であるため好ましい。生分解性ポリエステルについて
は、『生分解性プラスチックハンドブック』1995年生分
解性プラスチック研究会編(土肥義治編集代表)(NTS
(株))を参考にすることができる。これらの生分解性
ポリエステルと元来生分解性の良いゼラチンからなる本
発明のゼラチングラフト化ポリエステルは生分解性の観
点で、他のポリマー(例えばメタ(アクリル系)ラテッ
クスなど)のゼラチングラフト化物より良好な性質が期
待でき、写真系材料以外にも適用範囲(例えば農薬の分
散剤など)が広がる点においても好ましい。また、さら
にポリリンゴ酸のような水溶性ポリエステルとのゼラチ
ングラフト化物の場合、水溶性のゼラチングラフト化ポ
リエステルが得られ、ゼラチンとして酸処理ゼラチン
(等電点pHは約8前後)を用いた場合、酸処理ゼラチ
ンの改質、機能拡大することができる。例えば、酸処理
ゼラチンの場合、ゼラチンの側鎖にアスパラギン、グル
タミン由来のアミド結合を有したまま、ポリリンゴ酸由
来のカルボキシル基が増加することになるので等電点p
Hを自由に下げることができ、無機微粒子であるチタン
の分散剤として有用であり、通常のバインダーゼラチン
に用いられるアルカリ処理ゼラチンとの混合による凝集
もなく塗布することができる。
【0011】本発明におけるポリエステル化合物は、線
状ポリマー、分岐状ポリマーどちらでも良い。本発明に
おけるポリエステル化合物の数平均分子量は1000〜
20000であることが好ましく、さらに好ましくは1
000〜10000、またさらに好ましくは1000〜
5000である。分子量が高すぎると得られる固体分散
物の分散安定性物性が不十分となる場合がある。本発明
におけるポリエステル樹脂のガラス転移温度について
は、特に制限はない。その使用目的に応じてガラス状ポ
リエステル(すなわち、Tgが25℃より大きいもの)
であってもよいし、ゴム状ポリエステル(すなわち、T
gが25℃未満のもの)であってもよい。例えば、本発
明のゼラチングラフト化ポリエステル化合物を下塗り層
または緩衝層に使用しようとする場合には、ゴム状ポリ
エステルの使用が望ましいであろう。しかし、ゼラチン
グラフト化ポリエステル化合物を、保護上塗り層のよう
な最外層に使用しようとする場合には、引掻き及び他と
の接着に対して最良の抵抗性を与えるためにガラス状ポ
リエステルの使用が望ましいであろう。
【0012】グラフト化に用いられるポリエステル化合
物は、水溶性であっても水分散性であっても水不溶性で
あっても良いが、カルボキシル基を有していることが必
須である。好ましくは水分散性、あるいは水溶性が好ま
しく、さらに好ましくは水分散性である。本発明におけ
るポリエステル樹脂の酸価の目安は、構造によっても異
なるが、好ましくは8mgKOH/g以上、より好まし
くは10mgKOH/g以上、更に好ましくは12mg
KOH/g以上である。酸価が8mgKOH/g未満の
場合は、水性化に寄与するカルボキシル基量が十分でな
く、良好な水分散体を得ることができない。また本発明
で言う酸価とは、樹脂1g中に存在する酸基を中和する
のに必要なKOHのmg量であり、単位は、KOHmg
/gである。
【0013】中和剤として使用する塩基としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ、それらの
炭酸塩、酢酸塩等及びアンモニア水等の無機塩基、メチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキ
ルアミン類、ジメチルエタノールアミン、ジエタノール
アミン等のアルカノールアミン類、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド等のアルキルアンモニウムヒドロキシド類等の有
機塩基を使用することが出来る。水分散化処理速度を加
速させる目的で、後述する水分散化工程では、ポリエス
テル化合物に対して可塑化能力を有する両親媒性の有機
化合物を必要なら加えることができる。但し、沸点が2
50℃を超えるものは、あまりに蒸発速度がおそく、被
膜の乾燥時にもこれを十分に取り除くことができないた
め、沸点が250℃以下であり、しかも毒性、爆発性や
引火性の低い、いわゆる、有機溶剤と呼ばれる汎用の化
合物が対象となる。
【0014】かかる有機溶剤としては、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコー
ル、sec−アミルアルコール、tert−アミルアル
コール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−
1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノー
ル等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロ
ピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソ
ブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブ
チル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸
ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリ
コール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレン
グリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
メチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル等のグリコール誘導体、さらには、3
−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタ
ノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸
エチル等を例示することができる。これらの溶剤は単一
でも、また2種以上を混合しても使用できる。
【0015】ポリエステル樹脂にカルボキシル基を導入
する方法としては、減圧重合法においてはポリエステル
の重合末期に無水トリメリット酸、無水フタル酸等の多
価カルボン酸を系内に導入する方法を例示することがで
きる。また減圧重合法においてはポリエステル末端に残
るカルボキシル基をそのまま利用できる。さらにポリエ
ステル末端等に残る水酸基に対して多価カルボン酸又は
その酸無水物、あるいは酸クロライドと反応させてカル
ボン酸を導入する方法も例示することができる。次にポ
リエステルに共有結合されるゼラチンについて説明す
る。用いることのできるゼラチンは公知の任意の型のゼ
ラチンである。これらの例としては、アルカリ処理ゼラ
チン(ウシ骨または皮革ゼラチン)、酸処理ゼラチン
(ブタ皮革または骨ゼラチン)、酵素処理ゼラチン、ゼ
ラチン誘導体、例えば、部分フタル化ゼラチン、部分ア
セチル化ゼラチンなどが挙げられる。好ましくは脱イオ
ン化ゼラチンが挙げられる。更に好ましくは、パパイン
などの酵素処理により低分子量化された(例えば重量平
均分子量約50000)脱イオン化ゼラチンが挙げられ
る。
【0016】次にカルボキシル基を有するポリエステル
化合物とゼラチンとの反応について説明する。ゼラチン
とポリエステル化合物は質量比で通常、50:1〜1:
2、好ましくは15:1〜1:2、より好ましくは5:
1〜1:2である。上述の方法で得たポリエステル化合
物のカルボキシル基を通常の有機化学反応にてゼラチン
のアミノ基とアミド結合を形成することができる。ま
ず、該ポリエステルのカルボキシル基を塩化チオニルな
どによって酸クロライド化し、その後ゼラチン中のアミ
ノ基と反応させる方法を例示することができる。また、
ゼラチンをポリエステルに結合させるのにグラフト化剤
を使用する方法も例示することができる。米国特許4,8
55,219号などを参考にすることができる。その場合、
使用できる適当なグラフト化剤は、カルバモイルオニウ
ム塩、ジカチオンエーテル及びジカルボジイミド(米国
特許第5,248,558号に記載)である。本発明の
実施に有用なカルバモイルオニウム化合物は、商業的に
入手することもできるし、米国特許第4,421,84
7号及びそこに記載された参考文献中に記載されたよう
な公知の方法及び出発原料を用いて製造することもでき
る。代表的な好ましいカルバモイルオニウム化合物とし
ては、1−(4−モルホリノカルボニル)−4−(2−
スルホエチル)ピリジニウムヒドロキシド分子内塩及び
1−(4−モルホリノカルボニル)ピリジニウムクロリ
ドが挙げられる。ジカチオンエーテルもまた、カルボキ
シル基を含むポリエステルにゼラチンを結合させるため
のグラフト化剤として有用である。有用なジカチオンエ
ーテルは式:
【0017】
【化3】
【0018】を有する。この式において、R1は水素、
アルキル、アラルキル、アリール、アルケニル、−Y−
7、式:
【0019】
【化4】
【0020】の基、または式:
【0021】
【化5】
【0022】の基を表し;前記式中、Yはイオウまたは
酸素を表し;R7,R8,R9,R10及びR11は各々独立
して、アルキル、アルキル、アルアルキル、アリールま
たはアルケニルを表す。あるいは、R8とR9、またはR
10とR11とが一緒になって環構造を形成できる。R10
びR11は各々水素原子を表すこともできる。さらに、R
1はR2と一緒になって複素環を形成できる。R2とR3
各々独立して、アルキル、アルアルキル、アリールまた
はアルケニルを表すか、またはR1とまたは互いに結合
して複素環を形成する。R4,R5及びR6は独立して、
各々R1,R2及びR3として定義した通りであり、そし
てR1,R2及びR3と同一であってもよいし、異なって
もよい。x-は、分子内塩を形成できる化合物の陰イオ
ンまたは陰イオン部分を表す。前記エーテルは、化学合
成業界の当業者に知られた技術によって製造できる。有
用な合成技術としては、Journal of American Chemical
Society, 103, 4839(1981年)に記載された方法が
挙げられる。カルボジイミドはまた、カルボキシル化ポ
リエステル粒子にゼラチンを結合させるのに使用でき
る。特に好ましいカルボジイミドグラフト化剤は式:
【0023】
【化6】
【0024】(式中、R12またはR13は、各々、環中に
5〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル;炭素数1
〜12のアルキル;モノアリール置換低級アルキル基、
例えば、ベンジル−α−及びβ−フェニルエチル;モノ
アリール基、例えば、フェニル;モルホリノ;ピペリジ
ル;低級アルキル基で置換されたモルホリニル、例え
ば、エチルモルホリニル;低級アルキル基で置換された
ピペリジル、例えば、エチルピペリジル;ジ−低級アル
キルアミノ;低級アルキル基で置換されたピリジル、例
えば、α,β,γ−メチル−またはエチル−ピリジル;
酸付加塩;及びそれらの第四アミンから選ばれる:)の
水溶性カルボジイミドである。
【0025】ゼラチンにポリエステル化合物を効率的に
グラフト化するためには、ゼラチンがゼラチン−ゼラチ
ン架橋するのではなく、ポリエステル化合物と優先的に
反応するように、ポリエステル化合物は最初に酸クロラ
イド化あるいはまずグラフト化剤と接触せしめ活性化さ
せ、次いでゼラチンと接触させるのが好ましい。グラフ
ト化剤を使用する場合、カルバモイルピリジニウム及び
ジカチオンエーテルグラフト化剤によってポリエステル
化合物のカルボキシル基に、次いでゼラチン分子上のア
ミノ基と結合するのに使用できるので、本発明の実施に
有利に使用される。カルバモイルピリジニウム化合物が
特に好ましい。ポリエステル化合物とゼラチンとのグラ
フト化反応は有機溶媒中、水性媒体中および含水有機溶
媒中いずれの媒体中でも実施することができる。有機溶
媒としては具体的には、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、あるいはジメチルスルホキシドなどが
挙げられ、その中でもジメチルホルムアミドが好まし
い。含水有機溶媒は、上述の有機溶媒と水との混合が望
ましく、任意の割合で混合することができる。これらの
媒体中水性媒体でのグラフト化反応が一番好ましい。水
溶性あるいは水分散性のポリエステル濃度は好ましくは
25質量%未満、より好ましくは15質量%未満であ
る。反応液中のゼラチン濃度は好ましくは25質量%未
満、より好ましくは15質量%未満である。
【0026】水性媒体あるいは含水有機溶媒中のpHなら
びにポリエステル及びゼラチンの濃度は、ゼラチン分子
間の架橋、又は凝集(もしくは凝析)を防ぐように調節
する。ゼラチンのpHは、ゼラチンの等電pHより高い値に
(例えば、石灰処理骨ゼラチンの場合には、4.8より
高く、好ましくは8〜10に)保持するのが好ましい。
このような条件下において、ポリエステルとゼラチン
は、凝集を最小にするために同一電荷(好ましくは負電
荷)を有するべきである。本発明に関しては、ゼラチン
グラフト化ポリエステル化合物を、透析またはダイアフ
ィルトレーションによって徹底的に洗浄して、使用した
場合は有機溶剤、トレース量の反応副生物及び低分子量
物質を除去するのが好ましい。
【0027】次に、ゼラチングラフト化された水溶性あ
るいは水分散性ポリエステルを含有するハロゲン化銀写
真感光材料について説明する。本発明のゼラチングラフ
ト化ポリエステル化合物は単独でまたは以下のような他
の水分散性もしくは水溶性ポリマーと組み合わせて塗布
組成物中に使用できる:例えば、エチレン系不飽和モノ
マーから製造されたラテックスポリマー、例えば、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン及びその誘導体、ハロゲン化ビニル、イタコン酸及び
そのモノエステルとジエステル、マレイン酸及びそのモ
ノエステルとジエステル、(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリルアミド、オレフィンなどから製造され
たラテックスポリマー;水分散性ポリウレタン及びポリ
エステル;親水性コロイド、例えば、ゼラチン、デキス
トラン、アラビアゴム、カゼイン、ペクチン、寒天、ポ
リビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリドン)などが
ある。好ましくは、本発明のゼラチングラフト化ポリエ
ステル分散液は5〜100質量%の乾燥層を含んでな
る。ゼラチングラフト化ポリエステル組成物はさらに以
下のものを含むことができる:架橋剤、例えば、カルボ
ジイミド、エポキシドおよびトリアジン、;ゼラチン硬
膜剤、例えば、Research Desclosure No.38957, 199
6年9月、第599〜600頁に記載されたもの;導電
化剤、例えば、導電性水溶性もしくは水分散性ポリマー
または導電性金属酸化物粒子、繊維、またはホイスカ
ー;無機充填剤、例えば、クレイ、シリカ、マイカ、T
iO粒子など;磁気記録粒子;滑剤;染料及び顔料;
界面活性剤及び塗布助剤;レオロジー改質剤;ならびに
無機またはポリマー艶消し剤。これらの中でも下記一般
式1で表される水不溶性染料の固体分散物に対して本発
明のゼラチングラフト化ポリエステル化合物を分散剤あ
るいは分散助剤として適用するのが好ましい。
【0028】
【化7】
【0029】式中、Aは酸性核を表す。この酸性核は電
気的陰性の環構造であれば特に制限はないが、カルボニ
ル基を1個以上有するものが好ましい。具体例として
は、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール
酸、チオバルビツール酸、ピラゾロピリドン、ローダニ
ン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジン
ジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロ
キシピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン
−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベン
ゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキシドが挙げられ
る。中でも5−ピラゾロン、ヒドロキシピリドン、ピラ
ゾロピリドン、バルビツール酸およびイソオキサゾロン
が好ましく、特に好ましくは、5−ピラゾロンである。
、L、およびLはそれぞれ独立に置換されても
良いメチン基を表す。メチン基の置換基としては、例え
ば、メチル基、エチル基などのアルキル基、シアノ基、
塩素原子などのハロゲン原子が挙げられる。L
、およびLは、無置換のメチン基であることが好
ましい。
【0030】R14、R15、又はR16はそれぞれ独
立に水素原子または置換基を表す。R14、R15、又
はR16で表される置換基は、例えば、炭素数1から8
の置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、
メトキシエチル、エトキシエチル、エトキシカルボニル
メチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジ
エチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチ
ル、アセトキシエチル等)、炭素数7から12の置換も
しくは無置換のアラルキル基(例えば、ベンジル、2−
カルボキシベンジル等)、炭素数6から18の置換もし
くは無置換のアリール基(例えば、フェニル、4−メチ
ルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフ
ェニル、3,5−ジカルボキシフェニル等)、炭素数2
から6の置換もしくは無置換のアシル基(例えば、アセ
チル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル
等)、炭素数1から8の置換もしくは無置換のスルホニ
ル基(例えば、メタンスルホニル、p−トルエンスルホ
ニル等)、炭素数2から6の置換もしくは無置換のアル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル等)、炭素数1から4の置換もしくは
無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、
n−ブトキシ、メトキシエトキシ等)、炭素数6から1
0の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、
フェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、炭素数2か
ら8の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例えば、
アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシル
カルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチル
オキシ等)、炭素数1から6の置換もしくは無置換のス
ルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ
等)、炭素数2から8の置換もしくは無置換のカルバモ
イルオキシ基(例えば、メチルカルバモイルオキシ、ジ
エチルカルバモイルオキシ等)、炭素数0から8の置換
もしくは無置換のアミノ基(例えば、アミノ、メチルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミ
ノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、
モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミ
ノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニ
ルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバ
モイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、アセチル
アミノ、エチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカル
ボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミ
ノメチルスルホニルアミノ等)、炭素数1から8の置換
もしくは無置換のカルバモイル基(例えば、無置換カル
バモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、
n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジ
メチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリ
ジノカルバモイル等)、炭素数1から8の置換もしくは
無置換のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンア
ミド、p−トルエンスルホンアミド等)、ハロゲン原子
(例えば、フッ素、塩素、臭素)、水酸基、ニトロ基、
シアノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0031】R14は、好ましくは、水素原子、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、またはア
リールオキシカルボニル基であり、特に好ましくは、水
素原子である。R15は、好ましくは、アルキル基、ア
リール基、アミノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、
カルバモイル基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはカル
ボキシル基である。またはアリールオキシカルボニル基
であり、特に好ましくは、水素原子である。R16は、
好ましくは、水素原子、アルキル基、またはアリール基
であり、より好ましくは、水素原子、またはアルキル基
であり、特に好ましくはアルキル基である。nは0また
は1を表すが、好ましくは0である。mは0〜4の整数
を表すが、好ましくは、0、1又は2であり、特に好ま
しくは0である。mが2〜4の整数のとき複数のR15
は同一であっても異なっていても良い。Zは、ハメット
の置換基定数σmが0.3〜1.5の電子吸引基を表
す。ハメットの置換基定数σmについては、例えば、Ch
em.Rev.,91,165(1991)に記載されている。ハメッ
トの置換基定数σmが0.3〜1.5の電子吸引基とし
ては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子(σ
m値=0.34以下同じ)、塩素原子(0.37)、臭
素原子(0.39)、ヨウ素原子(0.35))、トリ
フルオロメチル基(0.43)、シアノ基(0.5
6)、ホルミル基(0.35)、アシル基(例えば、ア
セチル(0.38)、アシルオキシ基(例えば、アセト
キシ(0.39))、カルボキシ基(0.37)、アル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル
(0.37))、アリールオキシカルボニル基(例え
ば、フェノキシカルボニル(0.37))、アルキルカ
ルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル(0.3
5))、ニトロ基(0.71)、アルキルスルフィニル
基(例えば、メチルスルフィニル(0.52))、アル
キルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル(0.6
0))、スルファモイル基(0.53)等が挙げられ
る。好ましくは、アルコキシカルボニル基、シアノ基又
はアリールカルボニル基であり、より好ましくはアルコ
キシカルボニル基またはシアノ基であり、さらに好まし
くは、アルコキシカルボニル基である。
【0032】前記一般式1で表される染料は、好ましく
は、Aが5−ピラゾロン、ヒドロキシピリドン、ピラゾ
ロピリドン、バルビツール酸、またはイソオキサゾロン
であり、n=0であり、m=0であり、R14が水素原
子であり、R16が水素原子またはアルキル基であり、
かつZがアルコキシカルボニル基又はシアノ基である。
特に好ましくは、Aが5−ピラゾロンであり、n=0で
あり、m=0であり、R14が水素原子であり、R16
が水素原子またはアルキル基であり、かつZがアルコキ
シカルボニル基である。以下に、前記一般式1で表され
る染料の具体例を示すが、本発明例で使用することがで
きる染料は、これらの具体例に限定されるものではな
い。
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】上述の染料の固体分散法について説明す
る。それは公知の方法で行うことができる。その詳細に
ついては、特開平11−143020号及び機能性顔料
の応用技術(シーエムシー刊、1991年)などに記載され
ている。その中で、分散メディア法が最も好ましい。こ
の方法では、粉末またはウエットケーキ状態の被分散物
を公知の低分子あるいは高分子の界面活性剤あるいは本
発明のゼラチングラフト化ポリエステル化合物とともに
水中で水性スラリーにし、公知の粉砕機(例えばボール
ミルあるいはサンドミル、ローラーミル、スーパーアペ
ックスミル、スパイクミルなど)を用いて分散メディア
(ガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズな
ど)の存在下で機械的に粉砕する。これらのうち、ビー
ズの平均直径は好ましくは、1mmないし、0.05mm、より
好ましくは、0.5mmないし0.1mm、さらに好ましくは、0.
3mmないし0.1mmのものが用いられる。充填率は70%以
上、好ましくは80%以上、周速は8m/s以上、好ましくは
10m/s以上、温度は100℃以下、好ましくは50℃以下、仕
事密度は分散室の実容積当たり0.5kw/L以上、好ましく
は2kw/L以上が用いられる。これらの他に、ロールミ
ル、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイドミ
ル、デゾルバー、高速インペラー攪拌機によって粉砕す
る方法や、超音波分散機(例えばマイクロフルイダイザ
ーなど)による粉砕方法も用いることができる。
【0037】分散剤の添加方法は、公知の低分子あるい
は高分子の界面活性剤あるいは本発明のゼラチングラフ
ト化ポリエステル化合物を共存させて添加し、分散させ
ても良いし、公知の低分子あるいは高分子の界面活性剤
のみを添加し、分散させた後、本発明のゼラチングラフ
ト化ポリエステル化合物を後添加することもできる。好
ましくは後者であり、さらに好ましくは、公知の低分子
界面活性剤のみを添加し、分散させた後、本発明のゼラ
チングラフト化ポリエステル化合物を後添加する方法で
ある。分散剤のすみやかな吸着交換が起こり立体安定化
が図れるようになる。分散剤の添加量は、被分散物に対
して、質量換算で、1〜100%、好ましくは、1〜70%、
さらに好ましくは1〜50%である。低分子あるいは高分
子の界面活性剤あるいは本発明のゼラチングラフト化ポ
リエステルの添加の割合は目的効果に対して任意に決め
られる。
【0038】本発明のゼラチングラフト化ポリエステル
組成物は、プラスチック、金属、紙、樹脂塗被紙、ガラ
スなどを含む種類の支持体上に、公知塗布技術、例え
ば、ホッパーコーティング、エアナイフ塗布、グラビア
塗布、ロール塗布、浸漬塗布、吹付塗布、ワイヤーロッ
ド塗布及び流し塗りを用いて適用できる。本発明のゼラ
チングラフト化ポリエステルおよびその組成物は、画像
形成要素の画像形成層の他補助層にも使用できる。画像
形成要素上の代表的な補助層としては、上塗り層、スペ
ーサー層、フィルター層、中間層、ハレーション防止
層、pH低下層、タイミング層、不透明反射層、不透明光
吸収層、スタチック防止層、下塗り層、アンダーコート
またはプライマー層などが挙げられる。
【0039】
【実施例】本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。 ゼラチングラフト化ポリエステルの合成 実施例1 a.ポリエステル樹脂(A−1)のベースポリマーの合
成および水分散化工程 特開2000−26709号実施例と同様な方法で、ベースとな
るポリエステル樹脂A−1(酸成分:テレフタル酸95mo
l%、イソフタル酸8mol%、無水トリメリット酸2.1mol%
/ アルコール成分:エチレングリコール47mol%、ネオ
ペンチルグリコール53mol%)をまず合成した。すなわ
ち、テレフタル酸1,578g、イソフタル酸83g、
エチレングリコール374g、ネオペンチルグリコール
730gからなる混合物をオートクレープ中で、260
℃で2.5時間加熱してエステル化反応を行った。次い
で二酸化ゲルマニウムを触媒として0.262g添加
し、系の温度を30分で280℃まで昇温し、系の圧力
を徐々に減じて1時間後に13.3Paとした。この条
件下でさらに重縮合反応を続け、1.5時間後に系を窒
素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、260℃になった
ところでイソフタル酸50g、無水トリメリット酸38
gを添加し、255℃で30分撹拌し、シート状に払い
出した。そしてこれを室温まで十分に冷却した後、クラ
ッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画
をポリエステル樹脂A−1として得た。このポリエステ
ル樹脂の物性は、重量平均分子量は10000、酸価は
31mgKOH/g、ガラス転移温度68℃であった。
【0040】このポリエステル樹脂A−1の水分散化を
行った。まず、ジャケット付きの5Lガラス容器を備
え、しかも装着時にはこれが密閉状態となる複合型撹拌
機(特殊機化工業(株)製,T.K.Combimix
3M−5)を用いて、ガラス容器に、ポリエステル樹
脂A−1 900g、エチレングリコール−n−ブチル
エーテル 150g(水分散化促進剤)、該ポリエステ
ル樹脂中に含まれる全カルボキシル基量の1.1倍当量
に相当するN,N−ジメチルエタノールアミン(中和
剤)及び蒸留水 1920gを投入し、高速剪断型の撹
拌翼(ホモディスパー)を6,000回転/分、アンカ
ミキサーを15回転/分で撹拌したところ、容器底部に
は樹脂粒状物の沈澱は認められず、完全浮遊状態となっ
ていることが確認された。そこでこの状態を保った10
分後にジャケットに熱水を通し、加熱した。そして系内
温度が60℃、或いは該ポリエステル樹脂のガラス転移
温度のうちの高い方の温度に達したところで高速剪断型
撹拌翼を7,000回転/分とし、系内温度を73〜7
5℃に保ってさらに30分間撹拌し、乳白色の均一な水
分散体を得た。そしてジャケット内に冷水を流して上記
撹拌翼の回転を4,000回転/分として室温まで冷却
した。得られた水分散化物(水分散ポリエステルA−
1)の固形分は30.7質量%であった。
【0041】b.グラフト化反応(ゼラチングラフト化
ポリエステル(P−1)の合成) 上記で得られた水分散ポリエステルA−1(固形分30.7
質量%)162.9gおよび蒸留水340gを、冷却器
および攪拌機を有する3Lの丸底3つ口フラスコに添加
した。内温を60℃まで上げ、1−(4−モルホリノカル
ボニル)−4−(2−スルホエチル)ピリジニウムヒド
ロキシド分子内塩2.0gを水50gに溶解させ、希釈
ポリエステル分散液に添加した。反応を50分続け、その
間にアルカリ処理ゼラチン83.4gを60℃に加熱しな
がら水150gに溶解させ、トリエチルアミンでpH9
まで中和した。次いで、そのゼラチン溶液を30分にわた
って滴下添加し、滴下終了後さらに30分間グラフト化反
応を続けた。反応終了後、40℃に冷却後、生成物を濾過
した。グラフト化生成物中に水不溶物は認められなかっ
た。その後冷凍保存した。
【0042】実施例2 a.ポリエステル樹脂(A−2)のベースポリマーの合
成および水分散化工程 実施例1と同様な方法で、組成および組成比を変更し、
ガラス転移温度を変更したベースとなるポリエステル樹
脂A−2(酸成分:テレフタル酸45mol%、イソフタル酸
1mol%、アジピン酸55mol%、無水トリメリット酸2.0mol%
/ アルコール成分:エチレングリコール29.9mol%、
ネオペンチルグリコール70.1mol%)をまず合成した。実
施例1と同様な方法で、水分散化を行った。水分散化促
進剤はエチレングリコールエチルエーテル、中和剤は
N,N−ジメチルエタノールアミンを用いた。ベースのポ
リエステルの物性としては、重量平均分子量は1380
0、酸価は24mgKOH/g、ガラス転移温度−18
℃であった。水分散化物の固形分は31.0質量%であっ
た。 b.グラフト化反応(ゼラチングラフト化ポリエステル
(P−2)の合成) 上記で得られた水分散ポリエステルA−2(固形分31.0
質量%)161.3gおよび蒸留水338.7gを、冷
却器および攪拌機を有する3Lの丸底3つ口フラスコに
添加した。内温を60℃まで上げ、1−(4−モルホリノ
カルボニル)−4−(2−スルホエチル)ピリジニウム
ヒドロキシド分子内塩2.0gを水50gに溶解させ、
希釈ポリエステル分散液に添加した。反応を50分続け、
その間にパパイン酵素処理したアルカリ処理ゼラチン
(重量平均分子量約50000)100gを60℃に加熱
しながら水150gに溶解させ、トリエチルアミンでp
H9まで中和した。次いで、そのゼラチン溶液を30分に
わたって滴下添加し、滴下終了後さらに30分間グラフト
化反応を続けた。反応終了後、40℃に冷却後、生成物を
濾過した。グラフト化生成物中に水不溶物は認められな
かった。その後冷凍保存した。
【0043】実施例3 a.ポリエステル樹脂(A−3)のベースポリマーの合
成および水分散化工程 撹拌機、精留塔、窒素ガス導入管を付した3つ口の2L
セパラブルフラスコに、L−ラクチド1kg、エチレン
グリコール28g、キシレン200mlを仕込み、窒素
雰囲気下、195℃、0.5時間、溶融混合後、オクタ
ン酸錫を0.3g添加した。3時間反応後サンプリング
した際のポリマー分子量はMn=2,200、Mw=
2,300であった。これに無水ピロメリット酸100
gを投入し、常圧で130℃、3時間反応した。得られ
た乳酸系ポリエステル共重合体はMn=2,200、M
w=2,500、酸価は150KOHmg/gであっ
た。
【0044】次に、パドル翼形状の撹拌機を付した3つ
口の5L丸底フラスコに、得られたポリマー100g、
塩化メチレン100gを仕込み、撹拌溶解後、20質量
%アンモニア水20gで中和(中和率20%)し、更に
2−プロパノール100gを添加した。撹拌速度を50
0rpmに上げ、これに蒸留水1Lを20分かけて滴下
混合し転相乳化させた。これを35℃、3時間減圧蒸留
で塩化メチレンを留去した後、粒子を濾別、水洗、乾燥
し、平均粒子径0.09μmの粒子を得た。そして固形
分20質量%になるようにイオン交換水で再分散した。
再分散は良好で凝集物は見られなかった。 b.グラフト化反応(ゼラチングラフト化ポリエステル
(P−3)の合成) 上記で得られた水分散ポリエステルA−3(固形分20質
量%)250gおよび蒸留水250gを、冷却器および攪拌機
を有する3Lの丸底3つ口フラスコに添加した。内温を6
0℃まで上げ、1−(4−モルホリノカルボニル)−4
−(2−スルホエチル)ピリジニウムヒドロキシド分子
内塩2.0gを水50gに溶解させ、希釈ポリエステル
分散液に添加した。反応を50分続け、その間にパパイン
酵素処理したアルカリ処理ゼラチン(重量平均分子量約
10000)アルカリ処理ゼラチン83.4gを60℃に
加熱しながら水150gに溶解させ、トリエチルアミン
でpH9まで中和した。次いで、そのゼラチン溶液を30
分にわたって滴下添加し、滴下終了後さらに30分間グラ
フト化反応を続けた。反応終了後、40℃に冷却後、生成
物を濾過した。グラフト化生成物中に水不溶物は認めら
れなかった。その後冷凍保存した。
【0045】実施例4 a.ポリエステル樹脂(A−4)のベースポリマーの合
成 水溶性生分解性ポリエステルであるポリ(α−リンゴ
酸)の合成を下記のようにして行った。Makromol.Che
m.190巻、1523−1530頁(1989年)と同様な方
法で、ポリ(α−リンゴ酸)を合成した。すなわち、L
−リンゴ酸のβ−ベンジルエステルの環状ダイマーであ
るマライドジベンジルエステルの開環単独重合(開始剤
ジブチルチンジラウレート0.08mol%対環状ダイ
マー、220℃、10時間)を行い、α−ポリ−β−ベンジ
ルマレートを合成した。次に側鎖のベンジルエステルを
パラジウム・カーボン存在下の水添により脱保護を行っ
た。得られたポリ(α−リンゴ酸)の数平均分子量は2
100であった。 b.グラフト化反応(ゼラチングラフト化ポリエステル
(P−4)の合成) 上記で得られた水溶性ポリエステルA−4 10gをジ
メチルホルムアミド50mlを、冷却器および攪拌機を
有する3Lの丸底3つ口フラスコに添加した。塩化チオ
ニル1gを0℃で添加し、その後室温で1時間反応させ
た。その後に酸処理ゼラチン(等電点pH7.5)50
gを60℃に加熱しながらジメチルホルムアミド50m
l、水50gに溶解させ、トリエチルアミンでpH1
0.5まで中和した。次いで、そのゼラチン溶液を30分
にわたって滴下添加し、滴下終了後さらに2時間グラフ
ト化反応を続けた。反応終了後、40℃に冷却後、生成物
を濾過した。セルロースチューブ(分画分子量300
0)を用いて40℃で3日間透析した。その後凍結乾燥し
ゼラチングラフト化ポリエステル(P−4)の白色粉末
を得た。一部を水に再溶解したところ不溶物は認められ
なかった。グラフト化生成物の等電点pH5.2であっ
た。その後冷凍保存した。
【0046】本発明のゼラチングラフト化ポリエステル
(P−1)を用いて、染料S−1の固体分散物の分散安
定化などを検討した。染料S−1のスラリーに固形分換
算で染料に対して3質量%の低分子界面活性剤(W−
1)とイオン交換水を添加し染料固形分濃度を33質量
%とし、直径0.3mmのジルコニアビーズを用い、ビ
ーズ充填率80%、内温45℃、周速は12m/sで、アジテータ
ミルLMK(アシザワ製)を用いて固体分散を行った。
分散後の平均粒子径はマイクロトラックUPA150
(日機装製)を用いて測定したところ、120nmであっ
た。分散後、染料濃度を15%相当にイオン交換水で希
釈し、内温を50℃にし、本発明のゼラチングラフト化
ポリエステル(P−1)を染料に対して固形分換算で2
0%を30分かけて滴下添加し、その後緩やかに1時間攪
拌した。得られた染料分散物は、分散組成物の分散安定
性が改良されるだけでなく、バインダーゼラチンとの混
合凝集性が大きく改善され、凝集に起因すると考えられ
るスジやブツが、塗布膜に認められなかった。さらに写
真特性(生保存性)も改良されることが分かった。一
方、ゼラチングラフト化ポリエステルの代わりに未修飾
ゼラチン、あるいは長鎖アルキルカルボン酸(例えばス
テアリン酸)を用いてゼラチンとアミド化した修飾ゼラ
チン(ステアリルアミド化ゼラチン)では分散物の塗布
膜にスジ、ブツが認められた。
【0047】
【化11】
【0048】実施例5 特開平11−143020号の実施例2の感材におい
て、比較例として、試料201から第12層のコロイド
銀を0.10gから0.02gに減らし、特開平11−
143020号の実施例1で作成した固体微粒子分散物
M−1を染料が0.24gになるように添加したものと
した。この比較例に対して、固体微粒子分散物M−1の
代わりに、本実施例4で作成した染料S−1の固体微粒
子分散物(本発明のゼラチングラフト化ポリエステルP
−1を用いたもの)を染料S−1が同様に0.24gに
なるように添加した(層内のゼラチン量は変えない。防
腐剤も種類、添加量も同様に添加した)。以上の他は全
て同様にした。得られた試料について、実施例2と同様
の処理を行った。その結果、上記比較例に対し、本実施
例のものは、保存中のS−1の分光吸収変化が一段と小
さく、感度、階調、鮮鋭度、増感処理時のカラーバラン
ス、脱銀性、圧力増減感の改良の点で好ましかった。
【0049】
【発明の効果】本発明のゼラチングラフト化ポリエステ
ル化合物は水溶性ないしは水分散性が優れるので、これ
を用いることにより、ゼラチンの機能を拡大することが
でき、写真要素中に種々の用途の水不溶性写真有用物質
を安定に導入できるという効果を有する。更にまた、こ
のゼラチングラフト化ポリエステル化合物を用いた分散
組成物は安定性が高く、塗布液作成時や塗布時に従来の
ゼラチンのような副作用がほとんどないという作用効果
を奏する。したがってこのような分散組成物を用い品質
の安定したハロゲン化銀写真感光材料を得ることができ
る。また、本発明のゼラチングラフト化ポリエステル化
合物の製造方法によれば、上記の性能の優れたゼラチン
グラフト化ポリエステル化合物を効率良く製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H023 CE00 DB05 FD01 FD03 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 BA56 EA65 FA40 FA41 GA10 4J029 AA01 AB05 AB07 AE18 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA08 BA10 BB13A BC04A BD03A BD04A BF09 BF10 BF25 CA02 CA04 CA06 CB05A CB06A CB10A CB11A CB12A CD03 EA02 EA05 EB05A EB05B ED07A EG09 FB07 FB09 FB11 FB15 FB17 FB19 FC03 FC04 FC05 FC08 FC35 FC36 GA13 GA14 GA15 GA16 GA17 GA41 GA61 GA66 GA69 KH01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチン対ポリエステル化合物の質量比
    を50:1〜1:2としてポリエステル化合物のカルボ
    キシル基とゼラチン中のアミノ基との反応によりアミド
    結合を形成させてなるゼラチングラフト化ポリエステル
    化合物。
  2. 【請求項2】 ゼラチン対ポリエステル化合物の質量比
    を50:1〜1:2としてポリエステル化合物のカルボ
    キシル基とゼラチン中のアミノ基とを反応させアミド結
    合を形成させてなるゼラチングラフト化ポリエステル化
    合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水溶性あるいは水分散性
    のゼラチングラフト化ポリエステル化合物を含有するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 支持体上に少なくとも1つの感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の水不溶性写真有用化
    合物の固体分散物を含む親水性コロイド層を有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料において、該固体分散物が、下記
    一般式1で表される水不溶性写真有用化合物とポリエス
    テル化合物のカルボキシル基とゼラチン中のアミノ基と
    がアミド結合を形成せしめることによって形成される水
    溶性あるいは水分散性のゼラチングラフト化ポリエステ
    ル化合物とからなる固体分散物であることを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。一般式1 【化1】 一般式1中、Aは酸性核を表し、L、LおよびLはそ
    れぞれ置換されてもよいメチン基を表す。R14およびR
    16は水素原子または置換基(置換原子も含む)を表
    す。R15は置換基(置換原子も含む)を表す。nは0ま
    たは1を表す。mは0から4までの整数を表し、mが2から4
    の整数のときR15は互いに異なってもよい。Zは、ハ
    メットの置換基定数σが0.3以上1.5以下の電子吸引基
    を表す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITTO20121063A1 (it) * 2012-12-10 2013-03-11 Univ Degli Studi Torino Materiali bioplastici biodegradabili contenenti prodotti isolati da biomasse residuali e da fossili, e/o dai loro derivati solfonati, e procedimenti per la loro produzione
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