JP2002059272A - セラミック粉末層を介在させたAl複合材及びその製造方法 - Google Patents

セラミック粉末層を介在させたAl複合材及びその製造方法

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JP2002059272A JP2000243601A JP2000243601A JP2002059272A JP 2002059272 A JP2002059272 A JP 2002059272A JP 2000243601 A JP2000243601 A JP 2000243601A JP 2000243601 A JP2000243601 A JP 2000243601A JP 2002059272 A JP2002059272 A JP 2002059272A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緻密な表面を有し、加工硬化を生じさせない
Al複合材を得る。 【解決手段】 第1Al板12とこの第1Al板12と
同形同大の第2Al板13との間にSiC又はAlNか
らなるセラミック粉末層11を介在させて第1及び第2
Al板がロウ材により接合されたセラミック粉末層を介
在させたAl複合材。その製造方法は、第1Al板と第
1ロウ材とSiC又はAlNからなるセラミック粉末層
と第2ロウ材と第1Al板と同形同大の第2Al板とを
この順に配置して積層体を形成し、第1及び第2Al板
の融点未満であって第1及び第2ロウ材の溶融温度以上
の温度で0.05〜0.5MPaの圧力下、積層体を真
空中又は不活性ガス雰囲気中で加圧して第1及び第2ロ
ウ材を溶融させることにより第1Al板と第2Al板と
を接合する。第1及び第2Al板の各Al純度は99.
98重量%以上であり、ロウ材はAl−Si系又はAl
−Ge系である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック回路基
板とAlヒートシンクの間に設けられこれらの熱膨張係
数の差に基づく熱衝撃の緩衝材として用いられるか、或
いはセラミック基板の凹部に収容されたSiチップ回路
を封止する蓋材として用いられるAl複合材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、図5に示すように、セラミック回
路基板3とAlヒートシンク2を積層したパワーモジュ
ール1が知られており、セラミック回路基板3はセラミ
ック基板3aの両面に第1及び第2Al板3b,3cを
接合することにより作られる。このセラミック回路基板
3の第2Al板3cはエッチングにより所定のパターン
の回路となり、一点鎖線で示す半導体チップ等4が搭載
される。このセラミック回路基板3の第1Al板3bは
緩衝材6を介してAl系合金板からなるAlヒートシン
ク2の上面に接合される。この従来のパワーモジュール
1では、半導体チップ等4が発した熱は第2Al板3
c、セラミック基板3a、第1Al板3b及び緩衝材6
を介してAlヒートシンク2に伝達し、そのAlヒート
シンク2からその熱を放散するようになっている。
【0003】緩衝材6は、半導体チップ等の発熱及び非
発熱によりセラミック基板の温度が高温と低温との間で
繰返し変化することにより、セラミック回路基板とAl
ヒートシンクの熱膨張率の相違に基づく熱応力を吸収し
てその接合部分における剥離を防止するものであり、セ
ラミック回路基板とAlヒートシンクの中間の熱膨張率
を有することが必要とされる。従来この中間の熱膨張率
を有する緩衝板としてSiCを分散させたAl複合材か
らなる板材が用いられている。このAl複合材は、純度
が85〜95%の溶融AlにSiC粉末を混入させ、こ
の溶融Alを圧延することによりAl中にSiCを分散
させるか、或いはSiCの焼成前の粉体を加圧した状態
で、この粉体間の隙間にAl合金を流込むことにより作
られる。また、このAl複合材の他の用途として、セラ
ミック基板の凹部に収容されたSiチップ回路を封止す
る蓋材として用いられることも知られている。このSi
チップ回路を封止する蓋材として用いられる複合材にあ
っては、いわゆるピンホールのない緻密なものであるこ
とが要求され、嫌気的性質を有するSiチップ回路を収
容するセラミック基板の凹部にエア又は湿気が入り込ま
ないようにすることが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のA
l複合材は、Al純度が85〜95%と比較的低いた
め、比較的大きな熱膨張率を有するヒートシンクに接合
すると、繰り返して加えられる応力によりAl複合材か
らなる板材の表面が加工硬化を起こして緩衝材としての
機能が劣り、その接合部分におけるセラミック回路基板
とAlヒートシンクが剥離する不具合がある。また、こ
のようなパワーモジュールの緩衝材として使用されるA
l複合材にあっては、セラミック回路基板とAlヒート
シンクの間に設けられるものである以上その熱抵抗は可
能な限り小さいことが好ましい。
【0005】また、SiC粉末を混入させた溶融Alを
圧延するか、或いは加圧粉体間の隙間にAl合金を流込
むことによりAl中にSiCを分散させた上記従来のA
l複合材は、圧延の際又はAl合金を流込む際にその圧
延又は流し込みが不十分であるとその緻密性が失われ、
いわゆるピンホールを生じさせるおそれもある。このた
め、Siチップ回路を封止する蓋材としてこの従来のA
l複合材を用いると、Siチップ回路を収容するセラミ
ック基板の凹部にエア又は湿気が入り込むおそれもあっ
た。本発明の目的は、緻密な表面を有するAl複合材及
びその製造方法を提供することにある。本発明の別の目
的は、加工硬化を起こし難いAl複合材及びその製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図2に示すように、第1Al板12とこの第1
Al板12と同形同大の第2Al板13との間にSiC
又はAlNからなるセラミック粉末層11を介在させて
第1及び第2Al板12,13がロウ材14,16によ
り接合されたセラミック粉末層を介在させたAl複合材
である。請求項4に係る発明は、図2に示すように、第
1Al板12と第1ロウ材14とSiC又はAlNから
なるセラミック粉末層11と第2ロウ材16と第1Al
板12と同形同大の第2Al板13とをこの順に配置し
て積層体18を形成する工程と、第1及び第2Al板1
2,13の融点未満であって第1及び第2ロウ材14,
16の溶融温度以上の温度で0.05〜0.5MPaの
圧力下、積層体18を真空中又は不活性ガス雰囲気中で
加圧して第1及び第2ロウ材14,16を溶融させるこ
とにより第1Al板12と第2Al板13とを接合する
工程とを含むセラミック粉末層を介在させたAl複合材
の製造方法である。請求項1にかかるAl複合材10及
び請求項4にかかる方法により得られたAl複合材10
は、圧延して形成された第1及び第2Al板12,13
を表面に有し、この第1及び第2Al板12,13はそ
れ自体が緻密なものである。従って、セラミック粉末層
11を介在させてこれら第1及び第2Al板12,13
を接合することにより緻密な表面を有するAl複合材を
得ることができる。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、第1Al板12及び第2Al板13の各A
l純度が99.98重量%以上であるAl複合材であ
る。請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であっ
て、第1Al板12及び第2Al板13の各Al純度が
99.98重量%以上である製造方法である。Al純度
が99.98重量%以上のAl板は比較的加工硬化を起
こし難いものである。従って、請求項2にかかるAl複
合材10及び請求項5にかかる方法により得られたAl
複合材10は加工硬化を起こし難いものになり、このA
l複合材をセラミック回路基板とAlヒートシンクの間
の熱衝撃の緩衝材として用いれば、緩衝材としての応力
吸収機能の低下を抑制でき、パワーモジュールの熱サイ
クル寿命を比較的長く維持することができる。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、ロウ材14,16がAl−Si系ロ
ウ材又はAl−Ge系ロウ材であるAl複合材である。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に係る発明であ
って、第1及び第2ロウ材14,16がそれぞれAl−
Si系ロウ材又はAl−Ge系ロウ材である製造方法で
ある。Al−Si系ロウ材又はAl−Ge系ロウ材は比
較的熱伝導率が高いものであり、熱伝導率の比較的高い
第1及び第2Al板12,13とSiC又はAlNから
なるセラミック粉末をこれらのロウ材で接合することに
より、熱伝導率の比較的高いAl複合材10を得ること
ができる。一方、Al−Si系ロウ材又はAl−Ge系
ロウ材で接合することにより、第1及び第2Al板1
2,13とSiC又はAlNからなるセラミック粉末の
間に金属間化合物が生成されることを防止して、機械的
強度が低下することを回避することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。図1に本発明のAl複合材10を示す。本発
明のAl複合材10はセラミック粉末層11を介在させ
たものであって、第1Al板12とこの第1Al板12
と同形同大の第2Al板13との間にSiC又はAlN
からなるセラミック粉末層11を介在させてその第1及
び第2Al板12,13がロウ材14,16(図2)に
より接合されたものである。第1Al板12及び第2A
l板13はAl純度が99.98重量%以上であって、
厚さが0.1〜1.0mmであるものが使用される。ロ
ウ材14,16は厚さが10〜500μmのAl−Si
系ロウ材又はAl−Ge系ロウ材が使用される。
【0010】図2に示すように、このAl複合材10の
製造方法は、カーボンからなる基台17aの水平な上面
に、Al純度が99.98重量%以上の第1Al板12
と、Al−Si系ロウ材又はAl−Ge系ロウ材からな
る第1ロウ材14をこの順序に配置する。基台17a上
には、第1Al板12及び第1ロウ材14を包囲するカ
ーボンからなる枠部材17bが配置され、その後、この
第1ロウ材14の上にSiC又はAlNからなるセラミ
ック粉末を0.1〜3.0mmの範囲で均等厚さに敷き
詰めてセラミック粉末層11が形成される。その後この
セラミック粉末層11の上にAl−Si系ロウ材又はA
l−Ge系ロウ材からなる第2ロウ材16と、第1Al
板12と同形同大の第2Al板13とをこの順に更に配
置し、第1Al板12と第1ロウ材14とセラミック粉
末層11と第2ロウ材16と第2Al板13がこの順に
配置された第1積層体18を基台17a上に形成する。
【0011】次に、この第1積層体18を基台17aと
ともに図示しない減圧加熱槽に配置し押し型19の水平
な下面を第2Al板13の上面に当接させる。そして第
1積層体18周囲の雰囲気を第1及び第2Al板12,
13の融点未満であって第1及び第2ロウ材14,16
の溶融温度以上の温度に調整し、押し型19で第1積層
体18に0.05〜0.5MPaの圧力を加える。この
状態で減圧加熱槽内部を真空にするか、或いはその内部
に不活性ガスを充填する。このように第1積層体18を
真空中又は不活性ガス雰囲気中で加圧して第1及び第2
ロウ材16を溶融させることにより第1Al板12と第
2Al板13とを接合する。第1Al板12と第2Al
板13とが接合した後に、押し型19を外し減圧加熱槽
から取り出して基台17a上から取り外すことにより、
図1に示すセラミック粉末層11を介在させたAl複合
材10を得る。
【0012】図3にこのAl複合材10からなる板材
を、セラミック基板21の凹部21aに収容されたSi
チップ回路22を封止する蓋材として用いる例を示す。
このAl複合材からなる蓋材10は凹部21aを覆うよ
うにその凹部21a周囲のセラミック基板21表面には
んだ付け又はロウ材により接合され、セラミック基板2
1の凹部21aには嫌気性のSiチップ回路22が設け
れられる。このSiチップ回路22はエア及び湿気を嫌
うため、凹部21aには不活性ガスが充填される。ここ
で、本発明のAl複合材10は、表面に純度の高い圧延
して形成された第1及び第2Al板12,13を有し、
この第1及び第2Al板12,13はそれ自体が緻密な
ものである。従って、セラミック粉末層11を介在させ
てこれら第1及び第2Al板12,13を接合されたA
l複合材は緻密な表面を有し、外気に存在するエア及び
湿気がその蓋板10を通過して凹部21aの内部に侵入
することを有効に防止することができる。その一方、蓋
材であるAl複合材10は、熱伝導率の比較的高い第1
及び第2Al板12,13とSiC又はAlNからなる
セラミック粉末を使用しているので、Siチップ22が
発する熱はこのAl複合材10に伝導して効率よく外部
に放散することができる。また、このAl複合材10の
熱膨張係数はセラミックスとAlの中間の値となり、セ
ラミック基板21と熱膨張係数が近似しているため、使
用温度が変化する温度サイクルに起因する熱応力を緩和
することもできる。
【0013】図4にこのAl複合材10からなる板材
を、セラミック回路基板31とAlヒートシンク32の
間の熱衝撃の緩衝材として用いたパワーモジュール30
を示す。Alヒートシンク32はAl系合金からなる板
材であり、セラミック回路基板31はセラミック基板3
1aとこのセラミック基板31aの両面にロウ接された
第1及び第2Al板31b,31cとを備える。セラミ
ック回路基板31は、Alヒートシンク32にAl複合
材10を介してロウ接される。即ち、Alヒートシンク
32の上にロウ材(図示せず)と本発明のAl複合材1
0をこの順序で積層し、更にロウ材とセラミック回路基
板31をこの順序で重ねる。この状態で、これらに荷重
0.01〜0.25MPaを加え、真空中で577〜6
50℃に加熱してロウ材を溶融させ、その後冷却してそ
のロウ材を固化させることによりこれらをロウ接する。
【0014】本発明のAl複合材10は、熱伝導率の比
較的高いSiC又はAlNからなるセラミック粉末を介
して熱伝導率の比較的高い第1及び第2Al板12,1
3を接合しているので、図4におけるパワーモジュール
30では、セラミック回路基板31に搭載された半導体
チップ等33が発した熱はセラミック回路基板31から
このAl複合材からなる緩衝材10を介してAlヒート
シンク32に伝達し、そのAlヒートシンク32からそ
の熱を有効に放散することができる。また、このAl複
合材10の熱膨張係数はセラミックスとAlの中間の値
となり、熱膨張率の相違により接合時及び温度サイクル
時に生じる熱応力を比較的低くすることができる。
【0015】更に、第1Al板12及び第2Al板13
の各Al純度は99.98重量%以上であり、比較的加
工硬化を起こし難いものである。従って、加工硬化を起
こし難い第1及び第2Al板12,13が直接セラミッ
ク回路基板31及びAlヒートシンク32に直接ロウ付
けされるため、半導体チップ等16の発熱及び非発熱に
よりセラミック回路基板31の温度が高温と低温との間
で繰返し変化してもそれらのAl板12,13が繰り返
し作用する熱応力により加工硬化を起こすことはなく、
温度サイクルに起因する応力を吸収する機能の低下を抑
制して、パワーモジュール30の熱サイクル寿命を更に
長く維持することができる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図2に示すように、基台17aであるカー
ボン板の上に厚さ50mm枠部材17bを重ね、その枠
17bの内側に99.98重量%以上の純度の厚さ0.
4mmの第1Al板12と厚さ0.7mmのAlが88
%のAl−Si系第1ロウ材箔14を起き、その上にS
iCを3g均等厚さに敷き詰めてセラミック粉末層11
を形成した。その後その枠17bの内側に厚さ0.7m
mのAlが88%のAl−Si系第2ロウ材箔16と9
9.98重量%以上の純度の厚さ0.4mmの第2Al
板13とを起いて、押し型19でそれらに0.05〜
0.5MPaの圧力を加え、真空中又はアルゴン雰囲気
中620℃〜650℃に加熱してこれらをロウ接し縦、
横及び厚さがそれぞれ50mm、50mm及び2mmの
Al複合材を得た。このAl複合材を実施例1とした。 <実施例2>第1ロウ材箔12の上に敷き詰めたものが
AlNであることを除いて実施例1と同一の手順により
実施例一と同形同大のAl複合材を得た。このAl複合
材を実施例2とした。
【0017】<比較例1>純度が88%の溶融AlにS
iC粉末を混入させ、この溶融Alを圧延することによ
りAl中にSiCを分散させたAl複合材を得た。この
Al複合材を比較例1とした。 <比較試験及び評価>縦、横及び厚さがそれぞれ50m
m、50mm及び0.635mmのセラミック回路基板
と、縦、横及び厚さがそれぞれ50mm、50mm及び
10mmのAl系合金板からなるAlヒートシンクを複
数枚それぞれ用意した。ここでセラミック回路基板はA
lNからなるセラミック基板の両面にAl板を接合した
ものを使用した。
【0018】実施例1,実施例2及び比較例1おけるA
l複合材を介してこれらのセラミック回路基板をAlヒ
ートシンク11にそれぞれロウ接してパワーモジュール
を得た。これらそれぞれのパワーモジュールを冷熱衝撃
試験器にて−40℃30分〜125℃30分を1サイク
ルとする温度サイクルを付加した。温度サイクルを10
0回付加した時点で、Al複合材とセラミック回路基板
31又はAl複合材とAlヒートシンク11の間の剥離
の有無を観察し、剥離が確認されない場合には更に温度
サイクルを100回付加した。これを繰り返して剥離が
確認されるまでの温度サイクル回数を温度サイクル寿命
として測定した。なお、剥離の有無は拡大鏡により確認
することにより行った。
【0019】この結果、実施例1のAl複合材を有する
パワーモジュールでは3000回、実施例2のAl複合
材を有するパワーモジュールでは3000回、比較1の
Al複合材を有するパワーモジュールでは500回でそ
れぞれ剥離を確認できた。この結果から明らかなよう
に、実施例1及び2におけるAl複合材を介装させたパ
ワーモジュールは、比較例1におけるAl複合材を介装
させたパワーモジュールと比較して比較的長い間剥離を
生じさせることがなかった。これは、比較例1のAl複
合材が加工硬化したことに起因するものと考えられる。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、第1A
l板とこの第1Al板と同形同大の第2Al板との間に
SiC又はAlNからなるセラミック粉末層を介在させ
て第1及び第2Al板をロウ材により接合するので、緻
密な表面を有するAl複合材を得ることができる。ま
た、第1Al板及び第2Al板として比較的加工硬化の
起こし難いAl純度が99.98重量%以上のものを使
用することにより、比較的加工硬化の起こし難いAl複
合材を得ることができる。この結果、このAl複合材を
セラミック回路基板とAlヒートシンクの間の熱衝撃の
緩衝材として用いることによりパワーモジュールの熱サ
イクル寿命を比較的長く維持することができる。更に、
ロウ材としてAl−Si系ロウ材又はAl−Ge系ロウ
材を使用すれば、熱伝導率の比較的高いAl複合材を得
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAl複合材の構成を示す縦断面図。
【図2】そのAl複合材の製造方法を示す概念図。
【図3】そのAl複合材をSiチップ回路を封止する蓋
材として用いた縦断面図。
【図4】そのAl複合材をセラミック回路基板とAlヒ
ートシンクの間の熱衝撃の緩衝材として用いたパワーモ
ジュールの縦断面図。
【図5】従来のAl複合材を緩衝材として用いた図4に
対応する縦断面図。
【符号の説明】
10 Al複合材 11 セラミック粉末層 12 第1Al板 13 第2Al板 14 第1ロウ材 16 第2ロウ材 18 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/373 B23K 103:10 // B23K 101:42 H01L 23/36 D 103:10 M (72)発明者 久保 和明 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 島村 正一 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4E067 AA05 AB06 AB10 AD04 BA01 BB02 DB01 DB03 DC03 DC06 EA04 EB11 EC03 5F036 AA01 BA23 BB21 BD03 BD14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1Al板(12)とこの第1Al板(12)と
    同形同大の第2Al板(13)との間にSiC又はAlNか
    らなるセラミック粉末層(11)を介在させて前記第1及び
    第2Al板(12,13)がロウ材(14,16)により接合されたセ
    ラミック粉末層を介在させたAl複合材。
  2. 【請求項2】 第1Al板(12)及び第2Al板(13)の各
    Al純度が99.98重量%以上である請求項1記載の
    Al複合材。
  3. 【請求項3】 ロウ材(14,16)がAl−Si系ロウ材又
    はAl−Ge系ロウ材である請求項1又は2記載のAl
    複合材。
  4. 【請求項4】 第1Al板(12)と第1ロウ材(14)とSi
    C又はAlNからなるセラミック粉末層(11)と第2ロウ
    材(16)と前記第1Al板(12)と同形同大の第2Al板(1
    3)とをこの順に配置して積層体(18)を形成する工程と、 前記第1及び第2Al板(12,13)の融点未満であって前
    記第1及び第2ロウ材(14,16)の溶融温度以上の温度で
    0.05〜0.5MPaの圧力下、前記積層体(18)を真
    空中又は不活性ガス雰囲気中で加圧して前記第1及び第
    2ロウ材(14,16)を溶融させることにより前記第1Al
    板(12)と前記第2Al板(13)とを接合する工程とを含む
    セラミック粉末層を介在させたAl複合材の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1Al板(12)及び第2Al板(13)の各
    Al純度が99.98重量%以上である請求項4記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 第1及び第2ロウ材(14,16)がそれぞれ
    Al−Si系ロウ材又はAl−Ge系ロウ材である請求
    項4又は5記載の製造方法。
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