JP2002058233A - リニア同期モータ用固定子、リニア同期モータ、及び搬送システム - Google Patents

リニア同期モータ用固定子、リニア同期モータ、及び搬送システム

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JP2002058233A
JP2002058233A JP2000239142A JP2000239142A JP2002058233A JP 2002058233 A JP2002058233 A JP 2002058233A JP 2000239142 A JP2000239142 A JP 2000239142A JP 2000239142 A JP2000239142 A JP 2000239142A JP 2002058233 A JP2002058233 A JP 2002058233A
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synchronous motor
stator
linear synchronous
magnetic poles
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JP2000239142A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Yamazaki
信幸 山崎
Katsunori Mizumoto
克典 水本
Naoto Shibata
直人 柴田
Kiwamu Murata
究 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多用な輸送ルート設定、既設輸送システムに
おける走行レールの延長等に伴う電機子の様々な付設態
様に対応することができるリニア同期モータ用固定子、
リニア同期モータ、及び搬送システムの提供。 【解決手段】 隣り合う電機子1,1との間には空隙部
4が敢えて設けられ、一方、可動子30の長さは前記空
隙部4の最大長と、前記電機子1を構成する磁極14c
の並設ピッチpの整数倍長との和と等しくなしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニア同期モータ
用固定子、該リニア同期モータ用固定子を備えるリニア
同期モータ、及び、該リニア同期モータを備える搬送シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】リニアモータは特性の経年変化が少な
く、保守性・信頼性に優れているなどの特長がある。ま
た搬送システムにおける駆動部として用いた場合、他の
モータを用いた搬送システムでは車輪と走行レールとの
間の摩擦力を推進力とするのに対し、磁力を推進力とす
るため、振動・騒音が少ないなどの特長があり、これら
の特長を利用した様々な用途への活用が期待されてい
る。リニアモータのうちリニア同期モータは大きな推進
力が得られ、連続直線運転・高速運転での信頼性・安定
性において特に優れており、高速搬送への利用に適して
いる。
【0003】図7は従来のリニア同期モータを使用した
搬送システムを示す模式図であり、図8は図7のVIII−
VIII線での模式的断面図である。図中2は矩形断面を有
し下部材の中央を開放した走行レールであり、該走行レ
ール2の上部材2u下面(内面)には、該走行レール2
の全長と略同長であり、電源部40から電力の供給を受
ける棒状電機子1が、リニア同期モータ用固定子10と
して付設されている。図9は電機子1の模式的側面図で
あり、該電機子1は電機子コア14及び電機子コイル1
5,15,…よりなり、前記電機子コア14は、矩形断
面を有する鋼棒14a下面の長手方向に、複数の角柱鋼
心14b,14b,…が所定ピッチで突設されて構成さ
れており、該鋼心14b,14b,…には前記電機子コ
イル15,15,…が巻装されている。電機子コア14
において磁極14cは、電機子コイル15が巻装される
鋼心14bの連続する3つを1組として構成され、ピッ
チpで並設されている。
【0004】13は搬送車であり、台車6の下面には被
搬送物を吊下げる真空吸引部12を備えるキャリア11
が取り付けられている。前記台車6が備える走行車輪7
が走行レール2の下部材2dの上面(内面)に転接する
ことにより、前記搬送車13は走行レール2に吊架さ
れ、前記走行レール2に沿って移動することができる。
前記台車6上面には複数の界磁極3,3,…が、N極及
びS極が交互になるように走行レール2の長手方向に並
べて取り付けられ可動子30が構成されている。界磁極
3,3,…の取付ピッチは前記電機子1の磁極14cの
並設ピッチpと等しい。
【0005】上述したようなリニア同期モータ、走行レ
ール2、及び搬送車13により構成される搬送システム
では、電源部40から電力が供給されることにより電機
子1において磁界が発生され、前記搬送車13は滑動制
御される。各界磁極3,3,…に対し搬送車13の進行
方向前方に位置する電機子1の鋼心14b,14b,…
は、それぞれ前記界磁極3,3,…に対し逆極に制御さ
れ、前記界磁極3,3,…と前記鋼心14b,14b,
…との間には引力が生じる。また、各界磁極3,3,…
に対し搬送車13の進行方向後方に位置する電機子1の
鋼心14b,14b,…は、それぞれ前記界磁極3,
3,…に対し同極に制御され、前記界磁極3,3,…と
前記鋼心14b,14b,…との間には斥力が生じる。
前記界磁極3,3,…を備える搬送車13は前記引力と
前記斥力とを推進力にすることにより被搬送物を搬送す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで前述したよう
なリニア同期モータにおけるリニア同期モータ用固定子
10では、走行レール2の全長と略同長の電機子1を用
いるため、特に長ストロークの走行レールの場合、走行
レールの延長、ルート変更等における電機子の付設にお
いて融通性が乏しい。また、短寸の電機子を多数列設さ
せてなるリニア同期モータ用固定子としては、特開平2
000−23449において「リニアモータ」が開示さ
れている。該従来例によれば、電機子端部からの磁束の
漏洩を防ぐために、多数の電機子を決まった列設ピッチ
に従ってできるかぎり密着して付設させる必要があり、
走行レールの全長に渡って付設するので、走行レールが
長くなるに従い付設数量が増加し、これに伴い付設作業
が煩雑となる。
【0007】本発明は上述したような事情に鑑みてなさ
れたものであり、隣り合う電機子間に空隙部を敢えて設
けることにより、走行レールの延長、ルート変更等が容
易であり、また、短寸の電機子を密着させて付設する場
合と比較して付設作業が容易であるリニア同期モータ用
固定子を実現することを目的とする。
【0008】また本発明では、電機子及び空隙部のそれ
ぞれの長さを磁極の並設ピッチの偶数倍である任意の長
さとし、可動子の長手方向の長さを、空隙部の最大の長
さと磁極の並設ピッチの整数倍長との和と等しくするこ
とにより、可動子の位置に関わらず、磁極の極の制御を
一律に行い可動子の推進力を生じることのできるリニア
同期モータを実現することを目的とする。
【0009】また本発明では、可動子の長さを、それぞ
れ所定の長さを有する電機子及び空隙部を対とした場合
の1対又は複数対の長さ並びに空隙部1つの長さの和と
等しくなすことにより、可動子の移動において該可動子
の長手方向の端部に位置する界磁極はそれぞれ同時に電
機子の長手方向端部に接近し、空隙部と電機子との間で
の不均一な磁束分布に起因して可動子に生じるコギング
力のうち、固定子の長手方向の成分が相殺され、可動子
を備える搬送車の移動において、速度変動、振動、騒音
が小さく、搬送車の振動により生じる磁界の変化に伴う
電機子の発熱を低減することが可能なリニア同期モータ
を実現することを目的とする。
【0010】また、本発明では、可動子の端部に位置す
る界磁極と電機子との間隔を、他の界磁極と電機子との
間隔よりも大きくなすことにより、可動子の端部に位置
する界磁極と電機子との間に生じる磁界が、他の界磁極
と電機子との間に生じる磁界より弱いため、可動子を備
える搬送車の移動において、速度変動、振動、騒音が小
さく、搬送車の振動により生じる磁界の変化に伴う電機
子の発熱を低減することが可能なリニア同期モータを実
現することができる。
【0011】また本発明では、隣り合う電機子間に磁性
材料製のダミーコアを介装することにより、ダミーコア
内部に磁路が生成され、ダミーコア介装部と電機子との
磁束分布が平滑となり、可動子を備える搬送車の移動に
おいて、速度変動、振動、騒音が小さく、搬送車の振動
により生じる磁界の変化に伴う電機子の発熱を低減する
ことが可能なリニア同期モータを実現することができ
る。さらに本発明では、前記何れかのリニア同期モータ
を備える搬送システムを実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るリニア同
期モータ用固定子は、複数の磁極が並設されてなる電機
子が、前記磁極の並設方向に複数列設されてなるリニア
同期モータ用固定子において、前記電機子は前記磁極が
偶数個並設されており、隣り合う前記電機子間には、前
記磁極の並設ピッチの偶数倍の長さの空隙部が設けられ
ていることを特徴とする。
【0013】第2発明に係るリニア同期モータ用固定子
は、複数の磁極が並設されてなる電機子が、前記磁極の
並設方向に複数列設されてなるリニア同期モータ用固定
子において、前記電機子は前記磁極が偶数個並設されて
おり、隣り合う前記電機子は前記磁極の並設ピッチの偶
数倍の間隔を隔てて列設され、隣り合う前記電機子間に
磁性材料製のダミーコアが介装されていることを特徴と
する。
【0014】第3発明に係るリニア同期モータは、複数
の磁極が並設されてなる電機子が、前記磁極の並設方向
に複数列設されてなる固定子と、該固定子から適宜間隔
を隔てて位置し、複数の界磁極が前記電機子の列設方向
に並設されてなる可動子とを備えるリニア同期モータに
おいて、前記固定子を構成する前記電機子は前記磁極が
偶数個並設されており、隣り合う前記電機子間には、前
記磁極の並設ピッチの偶数倍の長さの空隙部が設けられ
ており、一方、前記可動子は、該可動子における前記界
磁極の並設方向の長さが、前記空隙部の最大長と、前記
磁極の並設ピッチの整数倍長との和と等しくなしてある
ことを特徴とする。
【0015】第4発明に係るリニア同期モータは、複数
の磁極が並設されてなる電機子が、前記磁極の並設方向
に複数列設されてなる固定子と、該固定子から適宜間隔
を隔てて位置し、複数の界磁極が前記電機子の列設方向
に並設されてなる可動子とを備えるリニア同期モータに
おいて、前記固定子における前記複数の電機子は、前記
磁極が偶数個並設されてそれぞれ略同長をなし、隣り合
う前記電機子間には前記磁極の並設ピッチの偶数倍であ
り略同長をなす空隙部が設けられており、一方、前記可
動子における界磁極の並設方向の長さが、前記電機子と
前記空隙部とを対として1対又は複数対の長さ、並びに
前記空隙部の長さの和と等しくなしてあることを特徴と
する。
【0016】第5発明に係るリニア同期モータは、請求
項3又は4に記載のリニア同期モータにおいて、前記可
動子の両端部に位置する界磁極と前記固定子との間隔
が、前記可動子の両端部の界磁極を除く界磁極と固定子
との間隔よりも広くなしてあることを特徴とする。
【0017】第6発明に係るリニア同期モータは、複数
の磁極が並設されてなる電機子が、前記磁極の並設方向
に複数列設されてなる固定子と、該固定子から適宜間隔
を隔てて位置し、複数の界磁極が前記電機子の列設方向
に並設されてなる可動子とを備えるリニア同期モータに
おいて、前記電機子は前記磁極が偶数個並設されてお
り、隣り合う前記電機子は、前記磁極の並設ピッチの偶
数倍の間隔を隔てて列設され、隣り合う前記電機子間に
磁性材料製のダミーコアが介装されており、一方、前記
可動子は、該可動子における界磁極の並設方向の長さ
が、前記隣り合う電機子間の間隔の最大長と、前記磁極
の並設ピッチの整数倍長との和と等しくなしてあること
を特徴とする。
【0018】第7発明に係る搬送システムは、請求項3
乃至6の何れかに記載したリニア同期モータを備え、前
記固定子に電力が供給されることにより前記可動子を備
える搬送車が駆動すべくなしてあることを特徴とする。
【0019】第1発明に係るリニア同期モータ用固定
子、及び第3発明に係るリニア同期モータによる場合
は、隣り合う電機子間に空隙部が敢えて設けられている
ので、走行レールの延長、ルート変更等が容易であり、
また、短寸の電機子を密着させて付設する場合と比較し
て付設作業が容易であり、さらに、電機子及び空隙部の
それぞれの長さが磁極の並設ピッチの偶数倍の長さをな
し、可動子の長手方向の長さが空隙部の最大長と磁極の
並設ピッチの整数倍長との和と等しくなしているので、
可動子の位置に関わらず、磁極の極の制御を一律に行な
い可動子の推進力を生じることのできるリニア同期モー
タ用固定子及びリニア同期モータを実現することができ
る。
【0020】第2発明に係るリニア同期モータ用固定
子、及び、第6発明に係るリニア同期モータによる場合
は、ダミーコア内に磁路が形成され、ダミーコア介装部
と電機子端部との磁束分布が平滑となるため、可動子を
備える搬送車の移動において、電機子端部での不均一な
磁束分布に起因するコギング力が緩和され、速度変動、
振動、騒音が小さく、搬送車の振動により生じる磁界の
変化に伴う電機子の発熱を低減することが可能なリニア
同期モータ用固定子及びリニア同期モータを実現するこ
とができる。
【0021】第4発明に係るリニア同期モータによる場
合は、可動子の移動において該可動子の長手方向の端部
に位置する界磁極はそれぞれ同時に電機子の長手方向端
部に接近し、空隙部と電機子との間での不均一な磁束分
布に起因して可動子に生じるコギング力のうち、固定子
の長手方向の成分が相殺され、可動子を備える搬送車の
移動において、速度変動、振動、騒音が小さく、搬送車
の振動により生じる磁界の変化に伴う電機子の発熱を低
減するリニア同期モータを実現することができる。
【0022】第5発明に係るリニア同期モータによる場
合は、可動子の端部に位置する界磁極と電機子との間に
生じる磁界が、他の界磁極と電機子との間に生じる磁界
より弱いため、可動子を備える搬送車の移動において、
速度変動、振動、騒音が小さく、搬送車の振動により生
じる磁界の変化に伴う電機子の発熱を低減することが可
能なリニア同期モータを実現することができる。
【0023】第7発明に係る搬送システムによる場合
は、搬送ルートの柔軟な構築が可能であり、また騒音、
振動の減少及び電機子の発熱の低減により、効率のよい
搬送が可能である搬送システムを実現することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明をその実施の形態を
示す図面に基づき説明する。 (実施の形態1)図1は本発明に係るリニア同期モータ
用固定子10(以下、固定子という)を備えるリニア同
期モータを使用した搬送システムの実施の形態1を示す
模式図であり、図2は図1のII−II線での模式的断面図
である。図中2は矩形環状断面を有し下部材の中央を開
放した走行レールであり、上部材2u上面の走行レール
2長手方向の適宜間隔ごとに取り付けられた支持腕(図
示せず)により、工場、倉庫等の例えば天井に吊設され
ている。上部材2u下面には走行レール2の全長に渡っ
て、電源部40から電力を供給される複数の棒状電機子
1,1,…が該電機子1の長手方向に、隣り合う電機子
1,1,…の間に空隙部4,4,…が設けられて列設さ
れることにより、固定子10が構成されている。
【0025】図3は電機子1の模式的側面図であり、該
電機子1は電機子コア14と電機子コイル15,15,
…とからなり、電機子コア14は、矩形断面を有する鋼
棒14a下面の長手方向に、複数の角柱鋼心14b,1
4b,…が所定ピッチで突設されている。前記角柱鋼心
14b,14b,…1つごとに、連続する3つの前記角
柱鋼心14bに対して1つの電機子コイル15が巻装さ
れている。また、連続する3つの角柱鋼心14bを1組
として並設ピッチpの磁極14cは形成されており、電
機子1の長さLc及び空隙部4の長さLaは、それぞれ
磁極14cの並設ピッチpの偶数倍の長さとなってい
る。なお、各電機子1,1,…の長さLc及び各空隙部
4,4,…の長さLaは、必ずしもそれぞれ同長である
必要はない。
【0026】13は搬送車であり、台車6の下面には被
搬送物を吊り下げる真空吸引部12を備えるキャリア1
1が取り付けられている。前記台車6が備える走行車輪
7が走行レール2の下部材2d上面に転接することによ
り、前記搬送車13は走行レール2に吊架され、前記走
行レール2に沿って移動可能となっている。また、前記
台車6には横搖れ防止用車輪8及び浮き上がり防止用車
輪9が備えられ、それぞれ走行レール2の脚部及び上部
材2uに転接している。
【0027】前記台車6上面には複数の界磁極3,3,
…が、N極とS極とが交互になるように走行レール2の
長手方向に並べて取り付けられ可動子30が構成されて
いる。界磁極3,3,…の取付ピッチは電機子1の磁極
14cの並設ピッチpと等しく、また、可動子30の長
手方向の長さLmは、空隙部4の最大の長さLaと、電
機子1の磁極14cの並設ピッチpの少なくとも1倍以
上である所定数倍の長さとの和と等しくなしてある。
【0028】前記固定子10及び前記可動子30よりな
るリニア同期モータは、電源部40から電力を供給され
ることにより電機子1の鋼心14b,14b,…におい
て磁界が発生され、滑動制御される。各界磁極3,3,
…に対し搬送車13の進行方向前方に位置する電機子1
の鋼心14b,14b,…は、それぞれ前記界磁極3,
3,…に対し逆極となるように制御され、前記界磁極
3,3,…と前記鋼心14b,14b,…との間に引力
が生じる。また、各界磁極3,3,…に対し搬送車13
の進行方向後方に位置する電機子1の鋼心14b,14
b,…は、それぞれ前記界磁極3,3,…に対し同極と
なるよう制御され、前記界磁極3,3,…と鋼心14
b,14b,…との間に斥力が生じる。
【0029】前述したように、可動子30の長手方向の
長さLmが、空隙部4の最大の長さLaと、電機子1の
磁極14cの並設ピッチpの少なくとも1倍以上である
整数倍長との和と等しくなしてあるため、可動子30は
走行レール2におけるいずれの位置においても、少なく
とも1つの磁極14cと対向しており、搬送車13は前
記引力及び斥力を推進力として移動することができる。
また、搬送車13の推進力は、電機子1と可動子30と
の対向面積及び対向極数に比例するので、 空隙部4を
適宜長さに設定することにより所要の推進力を得ること
ができる。
【0030】このようなリニア同期モータは、固定子1
0が複数の電機子1,1,…により構成されているの
で、多用な搬送ルートの設定、既設搬送システムにおけ
る走行レールの延長等に伴う電機子1の様々な付設態様
に対応することができる。また、隣り合う電機子1,
1,…の間には空隙部4,4,…が設けられているの
で、電機子1を走行レール2の全長にわたり隙間なく列
設する場合と比較して付設作業が軽減されると共に、電
機子1の長さの総和より長い全長のリニア同期モータを
実現し、コストを低減する事ができる。さらに、電機子
1及び空隙部4の長さは、磁極14cの並設ピッチpの
偶数倍の長さを有しているので、可動子30の走行レー
ル2での位置に関わらず、磁極14cの極の制御を一律
に行ない可動子30の推進力を生じることができる。
【0031】(実施の形態2)図4は本発明に係るリニ
ア同期モータを使用した搬送システムの実施の形態2を
示す模式図である。固定子10は、図1に示す固定子1
0において各電機子1,1,…の長さLc及び各空隙部
4,4,…の長さLaがそれぞれ等しくなっており、ま
た可動子30の長手方向の長さLmは、空隙部4の2つ
分の長さと、電機子1の1つ分の長さとの和と等しく、
即ち、可動子30が移動する場合、該可動子30の長手
方向の両端に位置する界磁極3,3が、それぞれ同時に
電機子1の長手方向の端部に接近すべくなしてある。そ
の他の部分については実施の形態1において説明したも
のと同様である。
【0032】このような固定子10及び可動子30を備
えるリニア同期モータを用いる搬送システムでは、搬送
車13が移動する場合、可動子30の長手方向の両端に
位置する界磁極3,3が、それぞれ同時に電機子1の長
手方向の端部に接近する。このため、電機子1端部と空
隙部4との間での磁束分布の不均一により、搬送車13
の移動において台車6上面に設置された可動子30の長
手方向の端部に位置する界磁極3,3が電機子1の長手
方向の端部にそれぞれ接近する場合に生じるコギング力
のうち、走行レール2の長手方向に生じるコギング力が
相殺される。これにより搬送車13の移動に伴う速度変
動、振動、騒音が減少すると共に、振動による磁界の変
化が電機子コイル15に生じさせる電流リップルを起因
とするジュール熱の発生を抑制することができる。な
お、可動子30の長手方向の長さLmは上述したところ
の他、1対又は複数対の前記電機子1及び前記空隙部4
の長さ並びに1つの空隙部4の長さの和、即ちnを自然
数として、 Lm=(La+Lc)×n+La を満たす長さであればよい。
【0033】(実施の形態3)図5は本発明に係るリニ
ア同期モータを使用した搬送システムの実施の形態3を
示す模式図である。図中13は搬送車であり、該搬送車
13が備える台車6上面には複数の界磁極3,3,…
が、N極とS極とが交互になるように走行レール2の長
手方向に並べて取り付けられており、前記走行レール2
の長手方向の端部に位置する界磁極3,3と電機子1と
の間のエアギャップは、他の界磁極3,3,…と電機子
1との間のエアギャップよりも大きくなるよう可動子3
0は構成されている。搬送車13における他の部分、走
行レール2及び固定子10については、実施の形態1に
おいて説明したものと同様である。
【0034】このようなリニア同期モータでは、可動子
30と電機子1との間に生じる磁力は、可動子30と電
機子1との間のエアギャップの大きさに概ね反比例する
ので、前述するように台車6上面に取り付けられている
界磁極3,3,…の内、可動子30の長手方向端部に位
置する界磁極3,3と電機子1との間のエアギャップ
を、他の界磁極3,3,…と電機子1との間のエアギャ
ップよりも大きくなるように取り付けることによってコ
ギング力を低減することができる。従って、搬送車13
の移動において、速度変動、振動、騒音が減少すると共
に、電流リップルに起因する電機子コイル15での発熱
を抑制することができる。
【0035】(実施の形態4)図6は本発明に係るリニ
ア同期モータ用固定子10を備えるリニア同期モータを
用いる搬送システムの実施の形態4を示す模式図であ
る。固定子10は、図1における空隙部4に相当する部
分に磁性材料製のダミーコア5,5,…が介装されるこ
とにより構成されている。該ダミーコア5は、走行レー
ル2の長手方向の長さが、隣り合う電機子1,1の間隔
Laと略同寸であり、走行レール2の長手方向に垂直な
断面は、電機子1の走行レール2の長手方向に垂直な断
面と略同寸となっている。なお、走行レール2、電機子
1,1,…、可動子30、及び搬送車13の構成は実施
の形態1において説明したものと同様である。
【0036】このようなリニア同期モータにおける固定
子10では、ダミーコア5内部に磁路が生成されるた
め、電機子1の端部とダミーコア5の介装部との間の磁
束分布が平滑になる。これにより搬送車13の移動に伴
うコギング力が緩和されるため、速度変動、振動、騒音
が減少すると共に、電流リップルに起因する電機子コイ
ル15での発熱を抑制することができる。
【0037】なお、ダミーコア5の形状は図に示すもの
に限らず、コギング力の影響を考慮することにより決定
され、走行レール2の長手方向の長さが、隣合う電機子
1,1の間隔以下であり、走行レール2の長手方向に垂
直な断面が、電機子1の走行レール2の長手方向に垂直
な断面より小さい形状をなすものでもよい。
【0038】
【発明の効果】第1発明及び第2発明に係るリニア同期
モータ用固定子によれば、多用な搬送ルートの設定、既
設搬送システムにおける走行レールの延長等に伴う電機
子の様々な付設態様に対応可能であり、電機子の長さの
総和より長い全長を有し、また、可動子の位置に関わら
ず、磁極の極の制御を一律に行ない可動子の推進力を生
じることのできるリニア同期モータ用固定子を実現する
ことができる。
【0039】第3乃至6発明に係るリニア同期モータに
よれば、搬送車の移動におけるコギング力の影響が緩和
され、速度変動、振動、騒音が小さく、電機子の発熱の
低減が可能なリニア同期モータを実現することができ
る。
【0040】第7発明に係る搬送システムによれば、搬
送ルートの柔軟な構築が可能であり、またコギング力に
よる影響の緩和により、速度変動、騒音、振動の減少及
び電機子の発熱の低減により効率のよい搬送を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリニア同期モータ用固定子を備え
るリニア同期モータを使用した搬送システムの実施の形
態1を示す模式図である。
【図2】図1のII−II線での模式的断面図である。
【図3】実施の形態1のリニア同期モータの電機子を示
す模式的側面図である。
【図4】本発明に係るリニア同期モータを使用した搬送
システムの実施の形態2を示す模式図である。
【図5】本発明に係るリニア同期モータを使用した搬送
システムの実施の形態3を示す模式図である。
【図6】本発明に係るリニア同期モータ用固定子を備え
るリニア同期モータを用いる搬送システムの実施の形態
4を示す模式図である。
【図7】従来のリニア同期モータを使用した搬送システ
ムを示す模式図である。
【図8】図7のVIII−VIII線での模式的断面図である。
【図9】従来のリニア同期モータの電機子を示す模式的
側面図である。
【符号の説明】
1 電機子 2 走行レール 3 界磁極 4 空隙部 5 ダミーコア 6 台車 7 走行車輪 8 横搖れ防止用車輪 9 浮き上がり防止用車輪 10 固定子(リニア同期モータ用固定子) 11 キャリア 12 真空吸引部 13 搬送車 14 電機子コア 15 電機子コイル 30 可動子 40 電源部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 1/06 H02K 1/06 Z (72)発明者 柴田 直人 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内 (72)発明者 村田 究 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内 Fターム(参考) 3F021 AA01 BA02 CA06 5H002 AA01 AA09 AB04 5H641 BB06 GG03 GG04 HH03 HH08 HH09 HH12 HH14 HH16 JA03 JA04 JA09 JA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の磁極が並設されてなる電機子が、
    前記磁極の並設方向に複数列設されてなるリニア同期モ
    ータ用固定子において、 前記電機子は前記磁極が偶数個並設されており、隣り合
    う前記電機子間には、前記磁極の並設ピッチの偶数倍の
    長さの空隙部が設けられていることを特徴とするリニア
    同期モータ用固定子。
  2. 【請求項2】 複数の磁極が並設されてなる電機子が、
    前記磁極の並設方向に複数列設されてなるリニア同期モ
    ータ用固定子において、 前記電機子は前記磁極が偶数個並設されており、隣り合
    う前記電機子は前記磁極の並設ピッチの偶数倍の間隔を
    隔てて列設され、隣り合う前記電機子間に磁性材料製の
    ダミーコアが介装されていることを特徴とするリニア同
    期モータ用固定子。
  3. 【請求項3】 複数の磁極が並設されてなる電機子が、
    前記磁極の並設方向に複数列設されてなる固定子と、該
    固定子から適宜間隔を隔てて位置し、複数の界磁極が前
    記電機子の列設方向に並設されてなる可動子とを備える
    リニア同期モータにおいて、 前記固定子を構成する前記電機子は前記磁極が偶数個並
    設されており、隣り合う前記電機子間には、前記磁極の
    並設ピッチの偶数倍の長さの空隙部が設けられており、
    一方、前記可動子は、該可動子における前記界磁極の並
    設方向の長さが、前記空隙部の最大長と、前記磁極の並
    設ピッチの整数倍長との和と等しくなしてあることを特
    徴とするリニア同期モータ。
  4. 【請求項4】 複数の磁極が並設されてなる電機子が、
    前記磁極の並設方向に複数列設されてなる固定子と、該
    固定子から適宜間隔を隔てて位置し、複数の界磁極が前
    記電機子の列設方向に並設されてなる可動子とを備える
    リニア同期モータにおいて、 前記固定子における前記複数の電機子は、前記磁極が偶
    数個並設されてそれぞれ略同長をなし、隣り合う前記電
    機子間には前記磁極の並設ピッチの偶数倍であり略同長
    をなす空隙部が設けられており、一方、前記可動子にお
    ける界磁極の並設方向の長さが、前記電機子と前記空隙
    部とを対として1対又は複数対の長さ、並びに前記空隙
    部の長さの和と等しくなしてあることを特徴とするリニ
    ア同期モータ。
  5. 【請求項5】 前記可動子の両端部に位置する界磁極と
    前記固定子との間隔が、前記可動子の両端部の界磁極を
    除く界磁極と固定子との間隔よりも広くなしてあること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載のリニア同期
    モータ。
  6. 【請求項6】 複数の磁極が並設されてなる電機子が、
    前記磁極の並設方向に複数列設されてなる固定子と、該
    固定子から適宜間隔を隔てて位置し、複数の界磁極が前
    記電機子の列設方向に並設されてなる可動子とを備える
    リニア同期モータにおいて、 前記電機子は前記磁極が偶数個並設されており、隣り合
    う前記電機子は、前記磁極の並設ピッチの偶数倍の間隔
    を隔てて列設され、隣り合う前記電機子間に磁性材料製
    のダミーコアが介装されており、一方、前記可動子は、
    該可動子における界磁極の並設方向の長さが、前記隣り
    合う電機子間の間隔の最大長と、前記磁極の並設ピッチ
    の整数倍長との和と等しくなしてあることを特徴とする
    リニア同期モータ。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6の何れかに記載したリニ
    ア同期モータを備え、前記固定子に電力が供給されるこ
    とにより前記可動子を備える搬送車が駆動すべくなして
    あることを特徴とする搬送システム。
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