JP2002058096A - 発音体 - Google Patents

発音体

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JP2002058096A
JP2002058096A JP2000240557A JP2000240557A JP2002058096A JP 2002058096 A JP2002058096 A JP 2002058096A JP 2000240557 A JP2000240557 A JP 2000240557A JP 2000240557 A JP2000240557 A JP 2000240557A JP 2002058096 A JP2002058096 A JP 2002058096A
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electrostrictive
displacement
sounding body
layer
voltage
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JP2000240557A
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English (en)
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Yutaka Toshida
豊 土信田
Koichiro Tsujiku
浩一郎 都竹
Hiroaki Uenishi
広明 植西
Mitsuya Tsujikawa
光也 辻川
Mamoru Sakamoto
守 坂本
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電歪材料を利用しても良好な音声の可能な発
音体を提供する。 【解決手段】 信号源Eのプラスの電圧は、ダイオード
D1によって電極16から電歪層10に印加され、電歪
層10が面方向に伸びる。信号源Eのマイナスの電圧
は、ダイオードD2によって電極18から電歪層12に
印加され、電歪層12が面方向に伸びる。一方、電歪層
10,12が電界の2乗に比例するように歪もうとして
も、電歪層10,12間に設けられた弾性体層14によ
ってそのような変形が補正される。これによって、発音
体としての変位ΔZは電圧Eに比例するようになり、音
声信号に対する忠実度の高い発音特性を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号を機械振
動に変換する発音体の改良に関するものである。
【0002】
【背景技術】発音体(電気音響変換器)としては、電磁
変換器を用いたものや圧電材料を使用したものが知られ
ており、広く普及している。特に最近は、携帯電話など
比較的小型の電子機器の普及に伴い、圧電材料を使用し
た圧電発音体も普及している。しかしながら、この圧電
発音体には、圧電材料に対して分極処理を施さなければ
ならない,圧電材料によっては鉛を含むものがあり、環
境保護の観点から使用しないほうが好ましいなどの課題
がある。
【0003】一方、このような圧電材料に近似した材料
として電歪材料があり、アクチュエータとして利用され
ている。しかし、圧電材料を使用した発音体の場合は入
力信号が歪に比例するものの、電歪材料で発音体を構成
した場合は入力信号の2乗に歪が比例するようになる。
このため、音声信号を再生した場合、再生周波数が2倍
になってしまい、通常の音声再生ができないという不都
合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電歪材
料を使用して発音体を得る場合、上述した圧電材料を使
用した発音体と比較して、分極を必要としない,高電圧
で駆動できる,鉛を含まない材料の選択の幅が大きいと
いう利点がある。本発明は、以上の点に着目したもの
で、従来の圧電発音体とは異なる電気歪効果を利用した
発音体を提供することを、その目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、積層形成された第1及び第2の電歪層;
該第1及び第2の電歪層をそれぞれ変位させる信号電圧
を印加するための電極層;前記第1及び第2の電歪層を
交互に変位させるための変位切替手段;前記第1及び第
2の電歪層の積層体の変位が印加電圧に比例するように
補正する変位補正手段;を備えたことを特徴とする。本
発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な
説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0006】
【発明の実施の形態】<実施形態1>……以下、本発明
の実施の形態について詳細に説明する。最初に、図1を
参照しながら実施形態1について説明する。本実施形態
の発音体は、図1(A)に積層構造を示すように、電歪
層10,12に弾性体層14を積層する,例えば図のよ
うに電歪層10,12によって弾性体層14を挟みこん
で積層した構成となっている。なお、弾性体層14は、
電歪層10,12の中央ではなくいずれか一方の側であ
ってもよいし、電歪層10,12に直接接するのみなら
ず間接的に接するように積層してもよい。電歪層10,
12と弾性体層14との間には、電極層15が形成され
ている。なお、電極層15として導電性接着剤を使用
し、これによって電歪層10,12と弾性体層14を接
着するようにしてもよい。更に、このような積層体の表
裏に電極層16,18をそれぞれ設けることで、発音体
20が構成されている。この発音体20は、中央の弾性
体層14の左右が支持手段22で支持されている。な
お、発音体20は、全体として円盤形状に形成されてい
る。
【0007】以上の各部のうち、電歪層10,12とし
ては、 PMN=Pb(Mg1/3Nb2/3)O, PT=PbTiO, BZN=Ba(Zn1/3Nb2/3)O, PMW=Pb(Mg1/21/2)O, としたとき、 (1)0.90PMN−0.10PT, (2)0.87PMN−0.13PT, (3)0.45PMN−0.36PT−0.19BZN,
もしくは (4)0.80PMN−0.11PT−0.09PMW, のいずれかを、例えば30μm程度の厚さに形成したも
のが使用される。他に、Pbを含まないものとして、 (5)Ba(Sn0.15Ti0.85)O, (6)Ba(Sn0.13Ti0.87)O,もしくは (7)(Ba0.66Sr0.34)TiO, なども適用可能である。
【0008】弾性体層14としては、例えば、加硫ゴ
ム,高分子ゴムを使用し、弾性体の応力と歪の曲線が2
次曲線になるように歪を調整した状態で電歪層10,1
2に貼り付けるようにする。図1(C)には、弾性体層
14の特性の一例が示されており、横軸が変位X,縦軸
が力Fとなっている。すなわち、力Fを印加したときの
弾性体層14の変位Xが示されている。両者の関係を数
式で示すと、係数をαとしたとき、F=α・Xとな
り、これをグラフで示すと図1(C)のようになる。
【0009】電極層16,15,18としては、前記
(1)〜(4)の電歪材料の場合は、例えばAg/P
d,Pd,Ag/Pt,Pt,Agが好適である。ま
た、前記(5)〜(7)の電歪材料の場合は、例えばP
d,Pt,Niが好適である。電極層15,16,18
は、例えば1.5〜2μm程度の厚さに形成する。支持
手段22は、例えばシリコーン樹脂系接着剤によって弾
性体層14に接着する。発音体20の外形は、例えば直
径が15〜30mm程度とする。
【0010】以上のように構成された発音体20には、
図1(B)に示す駆動回路によって駆動電圧が印加され
る。すなわち、信号源Eの一端は、逆方向に並列に接続
されたダイオードD1,D2を介して、電極層16,1
8にそれぞれ接続されており、信号源Eの他端(アース
側)は中央の弾性体層14を挟む電極層15に接続され
ている。信号源Eからは、例えば実効値で±3V程度の
音声信号電圧が出力される。
【0011】次に、本実施形態の作用を説明する。信号
源Eの電圧のうち、プラスの電圧は、ダイオードD1に
よって電極層16に印加される。上述したように、信号
源Eの他端は弾性体層14を挟む電極層15に接続され
ている。従って、プラスの信号電圧は、電歪層10に印
加されるようになる。一方、信号源Eの電圧のうち、マ
イナスの電圧は、ダイオードD2によって電極層18に
印加され、更には電歪層12に印加されるようになる。
【0012】電歪材料は、電圧が印加されると、その電
圧の印加方向(電界方向)に縮む性質がある。本例で
は、厚み方向が電界方向であるから、厚み方向に縮むよ
うになり、結果的に面方向に伸びる。一方、発音体中央
は、支持手段22によって支持されており、変位するこ
とはできない。このため、電圧の極性と、発音体20全
体として見たときの変位との関係は、図1(D)に示す
ようになる。すなわち、プラスの電圧が印加されたとき
は、電歪層10が面方向に伸びる。このため、発音体2
0全体としては、図1(D)の(D−2)の状態にあっ
たものが(D−1)ように変位する。逆に、マイナスの
電圧が印加されたときは、電歪層12が面方向に伸び
る。このため、発音体20全体としては、図1(D)の
(D−2)の状態にあったものが(D−3)ように変位
する。
【0013】この場合において、本実施形態では、電歪
層10,12間に弾性体層14が設けられており、印加
される力Fと変位Xとの関係は上述したとおりである。
このため、電歪層12が、電界の2乗に比例するように
歪もうとしても、弾性体層14によってそのような変形
が緩和され、発音体20全体としては弾性体層14の変
位特性を強く反映して変位するようになる。従って、本
実施形態によれば、図1(E)に示すように、変位ΔZ
は電圧Eに比例するようになり、音声信号に対する忠実
度の高い発音特性を得ることができる。
【0014】<実施形態2>……次に、図2を参照しな
がら実施形態2について説明する。なお、上述した実施
形態と対応する構成要素には同一の符号を用いる(以下
の実施形態においても同様)。図2には、本実施形態の
主要断面が示されている。同図に示すように、本実施形
態の発音体30は、上述した電歪層10,12を積層構
造としたことを特徴とする。電歪層10は、電歪シート
10A〜10Cと電極層16A〜16Cが交互に積層さ
れた構成となっている。また、電歪層12は、電歪シー
ト12A〜12Cと電極層18A〜18Cが交互に積層
された構成となっている。前記電歪シートとしては、例
えば15μmの厚さに形成されたものを使用する。
【0015】電極層16A〜16Cのうち、電極層16
A,16Cは、ダイオードD1側に接続されており、電
極16Bはアース側に接続されている。電極層18A〜
18Cも同様であり、電極層18A,18Cは、ダイオ
ードD2側に接続されており、電極18Bはアース側に
接続されている。これら逆並列接続されたダイオードD
1,D2によって変位切替経路が構成されている。他の
部分は、上述した実施形態1と同様である。
【0016】次に、本実施形態の作用を説明する。まず
信号源Eからプラスの電圧が出力されたとすると、この
プラスの電圧は、電歪シート10A〜10Cに印加され
る。このとき、電歪シート10Aと10Cに印加される
電界の方向と、電歪シート10Bに印加される電界の方
向は逆方向となるが、この電界の方向に関係なく、電歪
シート10A〜10Cは厚さ方向に縮むとともに面方向
に伸びる。従って、発音体30全体としてみると、プラ
スの電圧が印加されたときは、前記図1(D)の(D−
1)ように変位する。逆に、信号源Eからマイナスの電
圧が出力されたとすると、このマイナスの電圧は、電歪
シート12A〜12Cに印加される。このとき、電歪シ
ート12Aと12Cに印加される電界の方向と、電歪シ
ート12Bに印加される電界の方向は逆方向となるが、
この電界の方向に関係なく、電歪シート12A〜12C
は厚さ方向に縮むとともに面方向に伸びる。従って、発
音体30全体としてみると、マイナスの電圧が印加され
たときは、前記図1(D)の(D−3)ように変位す
る。
【0017】一方、電歪シート10A〜10Cと電歪シ
ート12A〜12Cとの間に弾性体層14が設けられて
いる。従って、本実施形態においても、前記実施形態1
と同様に、発音体30の変位ΔZは電圧Eに比例するよ
うになる。
【0018】<実施形態3>……次に、図3を参照しな
がら実施形態3について説明する。図3(A)に示すよ
うに、本実施形態の発音体40は、上述した実施形態1
の弾性体層14の代わりに複合電極体層42を形成した
ものである。複合電極体としては、例えば、シリコンゴ
ムに、Ni,AgメッキCu,Agなどの金属粒子や、
C粉末を混入したものが使用される。なお、支持手段2
2が導電性である場合は、この支持手段22を介して信
号源Eの他端を複合電極体層42に接続するようにして
もよい。複合電極体の外力に対する抵抗Rと変位Xとの
関係は、係数kに対して、R=k・X0.5で表され、
これをグラフで示すと、図3(B)に示すようになる。
この場合において、本実施形態では、電歪層10,12
がそれぞれ電界の2乗に比例して歪もうとしても、複合
電極体の抵抗値の上昇で電歪層10,12に印加される
電界が低下し、発音体40の変位ΔZは電圧Eに比例す
るようになる。従って、本実施形態においても、上述し
た実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0019】図4の発音体44は、前記実施形態3を前
記実施形態2に適用したもので、実施形態2の弾性体層
14及び電極層15の代わりに、実施形態3の複合電極
体層42を形成したものである。別言すれば、実施形態
2の電歪層10,12を積層構造としたものである。本
実施形態の他の構成及び作用は、上述した実施形態2,
3と同様である。
【0020】<実施形態4>……次に、図5を参照しな
がら実施形態4について説明する。まず同図(A)にお
いて、本実施形態の発音体50は、上述した実施形態の
逆並列接続されたダイオードD1,D2による変位切替
経路の代わりに、圧電材料による変位切替素子52を電
極層16側に設けたものである。信号源Eの一端は電極
層16,18に接続されており、信号源Eの他端(アー
ス側)は弾性体層14と重なる電極層51及び変位切替
素子52の電極層54にそれぞれ接続されている。変位
切替素子52は、例えば、電極層16の電圧がプラスの
ときに面方向に伸び、電極層16の電圧がマイナスのと
きに面方向に縮むように分極されているものとする。も
ちろん、その反対の分極も可能である。他の構成は、上
述した実施形態1と同様である。
【0021】次に、本実施形態の作用を説明する。ま
ず、信号源Eの電圧がプラスのときは、それが電極層1
6,18にそれぞれ印加される。すると、電歪層10,
12は、いずれも厚さ方向に縮むとともに、面方向には
伸びるようになる。この状態において、本実施形態で
は、変位切替素子52にプラスの電圧が印加されるた
め、変位切替素子52が面方向に伸びるようになる。す
なわち、電歪層10,12がいずれも伸びるとともに、
変位切替素子52も伸びる。このため、発音体50全体
としては、図1(D)の(D−1)のように変位する。
【0022】一方、信号源Eの電圧がマイナスのとき
は、それが電極層16,18にそれぞれ印加される。す
ると、電歪層10,12は、いずれも厚さ方向に縮むと
ともに、面方向には伸びるようになる。この状態におい
て、本実施形態では、変位切替素子52にマイナスの電
圧が印加されるため、変位切替素子52が面方向に縮む
ようになる。すなわち、電歪層10,12がいずれも伸
びるものの、変位切替素子52は縮む。このため、発音
体50全体としては、図1(D)の(D−3)のように
変位する。別言すれば、本実施形態における変位切替素
子52は、発音体50を変形させるためのトリガとして
作用すると考えることもできる。しかも、弾性体層14
が作用するため、電圧と歪が比例するように変位が補正
される。従って、本実施形態においても、上述した実施
形態と同様の効果を得ることができる。
【0023】図5(B)の例は、上述した図5(A)の
例を図3の実施形態に適用したもので、弾性体層14及
び電極層15の代わりに複合電極体層42を使用したも
のである。本例によっても、同様の効果を得ることがで
きる。
【0024】<実施形態5>……次に、図6を参照しな
がら実施形態5について説明する。この実施形態5は、
上述した実施形態4を積層構造の実施形態に適用したも
のである。まず、図6(A)の例は、前記実施形態4を
図2の実施形態に適用したもので、電極層16側に変位
切替素子52及び電極層54が形成されている。信号源
Eの一端は、電極層16A,18Aにそれぞれ接続され
ており、弾性体層14及び変位切替素子52の電極層5
4が信号源Eの他端に接続されている。電歪層10A〜
10C,12A〜12Cが積層されているものの、信号
源Eの電圧の印加の具合は、前記実施形態4と同様であ
る。従って、本実施形態においても、前記実施形態4と
同様の効果を得ることができる。図6(B)の発音体6
6は、前記同図(A)の例を前記図4の実施形態に適用
したものであり、これも同様の効果が得られる。
【0025】<実施形態6>……次に、図7を参照しな
がら実施形態6について説明する。上述した実施形態
は、変位を補正するために弾性体層や複合電極体層を設
けたが、本実施形態は、発音体が球面で変位するように
電極層を形成することで変位を補正することを特徴とす
る。
【0026】図7(A)には本実施形態における発音体
70の積層構造が示されており、同図(B)には同図
(A)の平面が示されている。これらの図において、電
歪層10,12の表面側には電極層72,74がいずれ
も渦巻状に形成されている。また、電歪層10,12間
にも電極層76が設けられており、この電極層76も渦
巻状に形成されている。図7(C)には、以上のような
発音体70と変位切替回路との接続の様子が示されてい
る。すなわち、電極層72はダイオードD1を介して信
号源Eに接続されており、電極層74はダイオードD2
を介して信号源Eに接続されている。また、中央の電極
層76は信号源Eの他端(アース側)に接続されてい
る。
【0027】次に、本実施形態の作用を説明する。信号
源Eの電圧のうち、プラスの電圧は、ダイオードD1に
よって電極層72に印加される。上述したように、信号
源Eの他端は電極層76に接続されている。従って、プ
ラスの信号電圧は、電歪層10に印加されるようにな
る。一方、信号源Eの電圧のうち、マイナスの電圧は、
ダイオードD2によって電極層74に印加され、更には
電歪層12に印加されるようになる。
【0028】上述したように、電歪材料は電圧の印加方
向(電界方向)に縮む性質がある。本例では、厚み方向
が電界方向であるから、厚み方向に縮むようになり、結
果的に面方向に伸びる。このため、電圧の極性と、発音
体20全体として見たときの変位との関係は、図7
(D)に示すようになる。すなわち、プラスの電圧が印
加されたときは、電歪層10が面方向に伸びる。このた
め、発音体70全体としては、図7(D)の(D−2)
の状態にあったものが(D−1)ように変位する。逆
に、マイナスの電圧が印加されたときは、電歪層12が
面方向に伸びる。このため、発音体70全体としては、
図7(D)の(D−2)の状態にあったものが(D−
3)ように変位する。
【0029】この場合において、本実施形態では、発音
体70が球面の一部となるように変位するように、電極
層72,74,76がそれぞれ渦巻状に形成されてい
る。ここで、図7(E)に示すように、発音体70の中
心から支持端に至る角度をθ,距離をR,変位をΔZ,
球面半径をrとすると、以下の数1のようになり、変位
ΔZは電圧Eに比例する。従って、本実施形態でも、上
述した実施形態と同様に電圧に比例した変位が可能とな
る。
【0030】
【数1】
【0031】<実施形態7>……次に、図8を参照しな
がら実施形態7について説明する。この実施形態は、前
記実施形態6の電歪層を図2のように積層構造とした例
である。すなわち、発音体80の電歪層10は、電歪シ
ート10A〜10Cと電極層72A〜72Cが交互に積
層された構成となっている。また、電歪層12は、電歪
シート12A〜12Cと電極層74A〜74Cが交互に
積層された構成となっている。電極層72A〜72Cの
うち、電極層72A,72Cは、ダイオードD1側に接
続されており、電極72Bはアース側に接続されてい
る。電極層74A〜74Cも同様であり、電極層74
A,74Cは、ダイオードD2側に接続されており、電
極74Bはアース側に接続されている。電極層72A〜
72C,74A〜74Cは、いずれも渦巻状となってい
る。
【0032】次に、本実施形態の作用を説明する。まず
信号源Eからプラスの電圧が出力されたとすると、この
プラスの電圧は、電歪シート10A〜10Cに印加され
る。このとき、電歪シート10Aと10Cに印加される
電界の方向と、電歪シート10Bに印加される電界の方
向は逆方向となるが、この電界の方向に関係なく、電歪
シート10A〜10Cは厚さ方向に縮むとともに面方向
に伸びる。従って、発音体80全体としてみると、プラ
スの電圧が印加されたときは、前記図7(D)の(D−
1)ように変位する。逆に、信号源Eからマイナスの電
圧が出力されたとすると、このマイナスの電圧は、電歪
シート12A〜12Cに印加される。このとき、電歪シ
ート12Aと12Cに印加される電界の方向と、電歪シ
ート12Bに印加される電界の方向は逆方向となるが、
この電界の方向に関係なく、電歪シート12A〜12C
は厚さ方向に縮むとともに面方向に伸びる。従って、発
音体80全体としてみると、マイナスの電圧が印加され
たときは、前記図7(D)の(D−3)ように変位す
る。
【0033】一方、電極層72A〜72C,74A〜7
4Cの形状が渦巻状となっているため、発音体80は全
体として球面の一部となるように変位する。従って、本
実施形態においても、前記実施形態6と同様に、発音体
80の変位は電圧Eに比例するようになる。
【0034】<実施形態8>……次に、図9を参照しな
がら実施形態8について説明する。この実施形態8は、
上述した実施形態7の変位切替回路の代わりに、圧電体
による変位切替素子を設けたものである。まず、図9
(A)の発音体90は、上述した図7(A)の実施形態
のダイオードD1,D2の代わりに、変位切替素子52
が電極層72上に形成されている。信号源Eの一端は電
極層72,74に接続されており、信号源Eの他端(ア
ース側)は電極層76及び変位切替素子52の電極層5
4にそれぞれ接続されている。変位切替素子52は、例
えば、電極層72の電圧がプラスのときに面方向に伸
び、電極層72の電圧がマイナスのときに面方向に縮む
ように分極されているものとする。もちろん、その反対
の分極も可能である。他の構成は、上述した実施形態7
と同様である。
【0035】次に、本実施形態の作用を説明する。ま
ず、信号源Eの電圧がプラスのときは、それが電極層7
2,74にそれぞれ印加される。すると、電歪層10,
12は、いずれも厚さ方向に縮むとともに、面方向には
伸びるようになる。この状態において、本実施形態で
は、変位切替素子52にプラスの電圧が印加されるた
め、変位切替素子52が面方向に伸びるようになる。す
なわち、電歪層10,12がいずれも伸びるとともに、
変位切替素子52も伸びる。このため、発音体50全体
としては、図7(D)の(D−1)のように変位する。
【0036】一方、信号源Eの電圧がマイナスのとき
は、それが電極層72,74にそれぞれ印加される。す
ると、電歪層10,12は、いずれも厚さ方向に縮むと
ともに、面方向には伸びるようになる。この状態におい
て、本実施形態では、変位切替素子52にマイナスの電
圧が印加されるため、変位切替素子52が面方向に縮む
ようになる。すなわち、電歪層10,12がいずれも伸
びるものの、変位切替素子52は縮む。このため、発音
体50全体としては、図7(D)の(D−3)のように
変位する。しかも、電極層72,74,76が球面に変
位する形状となっているので、電圧と歪が比例するよう
になる。従って、本実施形態においても、上述した実施
形態と同様の効果を得ることができる。
【0037】図9(B)の発音体92は、上述した図8
の例に図9(A)の実施形態に適用したもので、逆並列
接続のダイオードD1,D2の代わりに圧電材料による
変位切替素子52が形成されている。本例によっても、
同様の効果を得ることができる。
【0038】<実施形態9>……次に、図10を参照し
ながら実施形態9について説明する。この実施形態は、
回路的な信号処理で電圧に比例した変位を得るようにし
たものである。まず、図10(A)の発音体100は、
電歪層10,12が電極層102を挟んで積層されてお
り、表面に電極層16,18がそれぞれ形成されてい
る。電極層16はダイオードD1に接続されており、電
極層18はダイオードD2に接続されており、電極層1
02は信号源Eの他端に接続されている。そして、信号
源Eの一端と、ダイオードD1,D2との間に、演算回
路104が接続されている。演算回路104では、入力
信号のルートの演算が行われるようになっている。
【0039】本実施形態では、信号源Eの電圧Eが演算
回路104に入力され、ここで√(E)の演算が行われ
て出力される。このため、電歪層10はプラスの√
(E)の電圧によって変位する。電歪材料は印加電圧の
2乗に比例して変位するので、結果的に電歪層10は、
信号源Eの電圧に比例して変位し、面方向に伸びる。一
方、電歪層12は変位しないので、発音体100全体と
しては、図1(D)の(D−1)のように変位するよう
になる。電歪層12についても同様であり、マイナスの
√(E)の電圧によって図1(D)の(D−3)のよう
に変位する。
【0040】図10(B)の発音体106は、前記図1
0(A)の電歪層10,12を積層したもので、その作
用は上述したとおりである。
【0041】本発明には数多くの実施形態があり、以上
の開示に基づいて多様に改変することが可能である。例
えば、次のようなものも含まれる。 (1)前記実施形態では、変位補正手段として、弾性
体,複合電極体,球面変位電極などを用いたが、印加電
圧の2乗に変位が比例するという電歪材料の変位を補正
できるものであれば、どのようなものを用いてもよい。 (2)前記実施形態では、変位切替回路としてダイオー
ドの逆並列接続回路を用いたが、これも同様の作用を奏
する各種の回路が適用可能である。 (3)前記実施形態では、変位切替素子として圧電素子
を用いたが、これを発音体の表裏に設けるようにしても
よい。この場合、一方の圧電素子が伸びるときは他方の
圧電素子は縮むように、電圧方向あるいは分極方向を設
定する。 (4)前記実施形態では、球面変位となるように電極を
渦巻形状としたが、発音体が球面変位する形状であれ
ば、どのような電極形状であってもよい。また、図11
に示す発音体200のように、電歪層202,204自
体を球面変位が得られるような形状としてもよい。 (5)各部の材料としては、各種の公知のものを使用し
てよい。特に、電歪材料として、無機材料以外の有機材
料を使用してもよい。 (6)各部の寸法形状,電歪シートの積層数なども、必
要に応じて適宜設定してよい。 (7)本発明の発音体は、オーディオ・ビデオ関連機
器,携帯電話などの情報機器など、各種のスピーカやレ
シーバなどの電気音響変換器に適用可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
積層した電歪層を交互に変位させるとともに、該電歪層
の積層体の変位が印加電圧に比例するように変位補正を
行うこととしたので、電歪材料をしても良好に音声を再
生できる発音体を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す図である。
【図2】本発明の実施形態2を示す主要断面図である。
【図3】本発明の実施形態3を示す図である。
【図4】前記実施形態3の他の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態4の主要断面図である。
【図6】本発明の実施形態5の主要断面図である。
【図7】本発明の実施形態6を示す図である。
【図8】本発明の実施形態7の主要断面図である。
【図9】本発明の実施形態8の主要断面図である。
【図10】本発明の実施形態9の主要断面図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10,12…電歪層 10A〜10C,12A〜12C…電歪シート 14…弾性体層 15,16,16A〜16C,18,18A〜18C,
102…電極層 20,30,40,44,50,56,60,66,7
0,80,90,92,100,106,200…発音
体 22…支持手段 42…複合電極体層 52…変位切替素子 54,72,72A〜72C,74,74A〜74C,
76…電極層 104…演算回路 D1,D2…ダイオード E…信号源ないしその電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植西 広明 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 辻川 光也 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 坂本 守 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 5D004 AA07 AA14 CC05 DD01 EE00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層形成された第1及び第2の電歪層;
    該第1及び第2の電歪層をそれぞれ変位させる信号電圧
    を印加するための電極層;前記第1及び第2の電歪層を
    交互に変位させるための変位切替手段;前記第1及び第
    2の電歪層の積層体の変位が印加電圧に比例するように
    補正する変位補正手段;を備えたことを特徴とする発音
    体。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の電歪層を、電歪シー
    トと電極層との積層構造としたことを特徴とする請求項
    1記載の発音体。
  3. 【請求項3】 前記変位切替手段が、逆並列接続された
    ダイオードであることを特徴とする請求項1又は2記載
    の発音体。
  4. 【請求項4】 前記変位切替手段が、前記第1及び第2
    の電歪層の少なくとも一方に設けた圧電素子であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の発音体。
  5. 【請求項5】 前記変位補正手段が、前記第1及び第2
    の電歪層に積層した弾性体層であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の発音体。
  6. 【請求項6】 前記変位補正手段が、前記第1及び第2
    の電歪層に積層した複合電極層であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の発音体。
  7. 【請求項7】 前記変位補正手段が、前記第1及び第2
    の電歪層の積層体の変位が球面形状となるように前記第
    1及び第2の電歪層を変位させる電極形状であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発音体。
  8. 【請求項8】 前記変位補正手段が、前記電歪層の歪が
    電圧に比例するように信号電圧に所定の演算を行う演算
    回路であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の発音体。
  9. 【請求項9】 前記変位補正手段が、電圧に比例するよ
    うに規定された前記電歪層の形状であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の発音体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021145238A (ja) * 2020-03-12 2021-09-24 株式会社トーキン 積層圧電素子、及びスピーカ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021145238A (ja) * 2020-03-12 2021-09-24 株式会社トーキン 積層圧電素子、及びスピーカ

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