JP2002056192A - 賃料算定手段とキャップレート算定手段を含む不動産投資判断支援システム - Google Patents

賃料算定手段とキャップレート算定手段を含む不動産投資判断支援システム

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JP2002056192A
JP2002056192A JP2000243457A JP2000243457A JP2002056192A JP 2002056192 A JP2002056192 A JP 2002056192A JP 2000243457 A JP2000243457 A JP 2000243457A JP 2000243457 A JP2000243457 A JP 2000243457A JP 2002056192 A JP2002056192 A JP 2002056192A
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Masaru Miyazaki
大 宮崎
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Sumitomo Trust and Banking Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 不動産業者及び一般投資家に、価格形
成要因の分析とビルスコア(投資適格度)の蓄積による
統計と、競合物件との対比とを組み合わせた、不動産の
投資適格度、市場賃料及びキャップレート、不動産証券
(デッド及びエクイティ)の投資利回りを提示し不動産
投資の判断を支援するシステムを提供する 【解決手段】 ビルの賃料モデルを用いて、対象ビル
の賃料を含む賃貸条件を、競合ビルのビル属性および賃
貸条件と対比比較し、推計により対象ビルのビル属性に
応じた賃料を含む賃貸条件をコンピュータにより算出す
る賃料算定手段と、ビルスコア(投資適格度)および要
求利回り(キャップレート)をビルデータベースとして
ストックし、不動産投資対象ビルのビルスコアと、競合
ビルのビルスコア・要求利回りと比較して、対象ビルの
適正な要求利回りをコンピュータにより算定するキャッ
プレート算定手段とを含むシステムであって、賃料とビ
ルスコアと要求利回りを集計・分析して不動産投資判断
を支援する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不動産価格・賃貸
料を含む不動産投資に関する資料に関し、特に周辺地区
の同様の格付けの不動産の価格および賃貸料を電子デー
タとして蓄積し、該当物件の格付けから価格が不動産投
資に適当であるか否かを判断基準を利用して算定する賃
料算定手段と適正な要求利回り(キャップレート)算定
手段を含む不動産投資判断支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】不動産の価格は、証券市場のような公開
された市場において形成されるものではないため、立地
条件、延床面積、築年数、施工業者、権利関係等々の条
件により個別的に形成される。また、当事者の財務状
況、運営能力や情報の不完全性等の個別的な事情に左右
されがちである。この点、合理的な市場に代わって不動
産鑑定業者が適正な価格を鑑定する役割を担い、また、
不動産の売買を仲介する業者等によってマーケットでの
具体的な取引状況等に基づいた相場感が形成されてい
る。こうした価格形成プロセス・判断は、経験豊富にし
て練達堪能な専門家若しくは広範なマーケットの情報を
直接に入手できる業者等が行う場合に限って適正を期す
ことができるものであり、不動産マーケットに精通しな
い者に対して客観的・合理的な論証を行うには必ずしも
十分なものではなかった。
【0003】このため、マーケットに精通する一部業者
以外は、業者等から提示されている賃料、価格、割安
感、割高感等について客観的・合理的な論証を行うこと
ができず、職業専門家たる鑑定士の判断若しくは実績あ
る業者としての信頼度に担保される形で不動産取引を行
っている。この原因は、例えば、マーケットに精通しな
い者が、契約賃料、取引価格などの具体的なマーケット
の情報を入手するのが困難であるという情報の非対称
性、並びに、個別的に価格が形成される不動産につい
て、客観的・合理的な価格判断、比較尺度が与えられな
い状況に起因する。
【0004】不動産情報として容易に入手できる情報
は、売主または貸主の取引希望条件(売却希望価格、賃
貸募集賃料)であることが多く、一般需要者または不動
産投資家にとって、現実の市場で成立した取引価格又は
契約賃料を入手できる機会は限られているのが実情であ
る。従って、既に取引の実例に数多く携わった不動産業
者、又は、これらの取引を基礎として不動産の価格形成
に関する高度な判断能力と豊富な経験を有する不動産鑑
定士等に、経験則を含む価格判断の機能を依拠しなが
ら、不動産マーケットでの取引は行われている。
【0005】不動産は、賃貸等によって生ずる収益及び
元本価格のいずれにも変動性・不確実性を伴い、インカ
ムゲインの減少、キャピタルロスを被る可能性のある資
産であって、国債等の安全資産と異なり保有・投資に際
して相当のリスクを伴う危険資産である。しかし、戦後
以降は一貫した地価上昇基調の経済環境が続いてきたた
め、不動産の保有・投資に対して本来あるべき適正なリ
スクプレミアムを乗せた取引が行われる不動産マーケッ
トは長い間形成されていなかった。この結果、我国の不
動産の持つ威信財としての特性若しくは所有が賃貸より
も選好される傾向とあいまって、不動産マーケットで
は、不動産のリスクを適切に分析・勘案して取引価格等
を決定するプロセスは体系的に示されず、一部の不動産
業者、鑑定業者等のマーケットに精通する者の経験則を
含む価格判断に依存せざるを得ない傾向にあった。
【0006】しかしながら、バブル経済崩壊後の大幅な
地価の調整を経て、また、外資を中心とする不動産投資
ニーズの高まりを契機として、不動産投資に伴う適正な
リスクを投資対象不動産の個別性をも加味して客観的に
分析し、そのリスクに見合った投資収益性を実現する投
資を行う必要が生じてきた。このためには、まず、不動
産の地域性・個別性を詳細に、かつ、他の物件との比較
検証可能性を残して客観的・合理的に検証することで、 ・投資対象不動産相互の投資適格度を判定し、かつ、 ・その投資適格度に応じた要求利回り(キャップレー
ト)を適正に判断する必要がある。この点、オフィスビ
ルに当てはめると、「優良なビルほど、(将来のキャッ
シュフローの低下、キャピタルロスが生じるリスクが低
く)要求利回り(キャップレート)は低い」といった経
験則がマーケットの精通者の間で存在するが、ビルの
「優良な」程度を測定し、それに見合った「要求利回り
(キャップレート)」を客観的・合理的に算定するモデ
ルは存在しなかった。
【0007】対象となるビルを評価する場合、競合する
ビルの状況を分析し、それとの対比の観点により投資適
格度、キャップレート、賃料等の種種のアウトプットを
求めることとなる。より詳細には成約賃料調査の概要、
新規成約賃料の推計方法、ビルの規模別の推計資料、ビ
ル仕様別の推計資料、ビル設備別の推計資料、推計新規
成約賃料と募集賃料、エリア別にみた推計新規成約賃
料、規模別・竣工時期別の推計新規成約賃料、入居時期
別・規模別の平均預託金、募集ベース競合ビル分析、契
約ベース競合ビル分析等々の分析を加味することにな
る。
【0008】従来は、不動産投資にあたって、不動産仲
介業者又は不動産鑑定業者の資料および評価を主な判断
材料としていたが、より高度な投資判断責任を負うこと
になる年金基金、機関投資家、不動産ファンド等が投資
する際には、単に信頼できる業者の判断・評価結果に依
存するのでなく、その判断プロセス、評価の前提、他の
評価とのバランス・一貫性等について、より客観的・合
理的な検証が必要となる。また、これらの客観的・合理
的な検証が一定のサービスとして体系的に社会へ提供さ
れることが、不動産鑑定業、不動産投資等の判断の透明
性を向上し、不動産投資市場の発展の為にも必要であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は不動産営業
(鑑定業務を含む)の業者および一般ユーザー(投資
家)向けであり、マーケットでの具体的なデータに基づ
き、価格形成要因の分析とビルの「優良な」程度を測定
する尺度であるビルスコア(投資適格度)データの蓄積
による統計的な手法と、実際のマーケットで競合する物
件とを対比する現実的な手法を組み合わせることによ
り、不動産の投資適格度、不動産の価格判断に不可欠な
市場賃料及びキャップレート、並びに、不動産を裏付資
産として発行される証券(デッド及びエクイティ)の投
資利回りを提示して、不動産投資(不動産証券化商品を
含む)に関する判断を支援するシステムを提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明に係る賃料算定手段と要求利回り(キャップ
レート)算定手段を含む不動産投資判断支援システムの
中で、賃料算定手段を含む不動産投資判断支援システム
は、電子データ化したオフィスビルの賃料モデルを用い
て、対象ビルの賃料を含む賃貸条件を、競合ビルのビル
属性および賃貸条件と対比比較し、推計により対象ビル
のビル属性に応じた賃料を含む賃貸条件をコンピュータ
により算出する構成である。また、キャップレート算定
手段を含む不動産投資判断支援システムは、電子データ
化した多数のオフィスビルのビルスコア(投資適格度)
および要求利回り(キャップレート)をビルデータベー
スとしてストックし、不動産投資対象ビルのビルスコア
(投資適格度)と、競合ビルのビルスコア(投資適格
度)及び要求利回り(キャップレート)とを比較して、
対象ビルの適正な要求利回り(キャップレート)をコン
ピュータにより算定する構成である。
【0011】次に、賃料算定手段とキャップレート算定
手段を含む不動産投資判断システムは、電子データ化し
たオフィスビルのビルデータベースを一定の基準にした
がって客観的・論理的に判定したビルスコア(投資適格
度)に応じてカテゴリーに分け、各々のカテゴリー毎
に、オフィスビルの属性データと、賃料算定手段により
算定した賃料と、キャップレート算定手段により算定し
たビルスコア(投資適格度)及び要求利回り(キャップ
レート)を集計・分析する構成である。また、不動産投
資対象としての候補物件を、オフィスビルの属性データ
と、賃料算定手段により算定した賃料と、要求利回り
(キャップレート)算定手段により算定したビルスコア
(投資適格度)及び要求利回り(キャップレート)等か
らなるビルデータベースの物件データと比較して、候補
物件の賃料、ビルスコア(投資適格度)、適正な要求利
回り(キャップレート)を評価あるいは推計して、候補
物件の投資対象としての適正判断を支援する構成であ
る。
【0012】また、オフィスビルについて、賃料算定手
段により算定した賃料と、要求利回り(キャップレー
ト)算定手段により算定したビルスコア(投資適格度)
及び要求利回り(キャップレート)とにより、不動産投
資対象の候補物件のビル属性データを入力することで、
候補物件に関するビルスコア(投資適格度)、適正な要
求利回り(キャップレート)、現在までの収益性、また
は候補物件が属する投資適格度のビル群の収益性の推定
データ(クラス別ビルインデックス)をコンピュータに
より算出する構成である。また、オフィスビルの属性デ
ータと、賃料算定手段により算定した賃料と、要求利回
り(キャップレート)算定手段により算定したビルスコ
ア(投資適格度)及び要求利回り(キャップレート)か
らなるビルデータベースを用いて対象ビルの適正投資価
格を算定し、クラス別ビルインデックスを利用した当該
オフィスビルの将来の収益性の変動リスクに関する分析
を参考に、LTV(Loan To Value)を任意に設定する
ことで、対象ビルを裏付けとした証券化スキームにおけ
る発行証券(デットとエクイティ)ごとの収益性の変動
をシミュレーションし、最適な証券化スキームの検討を
可能にする構成である。
【0013】さらに、オフィスビルの属性データ等から
なるビルデータベースとを利用して、不動産投資対象の
候補物件の適正な管理コストをコンピュータを利用して
簡便に算定する構成であり、かつ、不動産投資対象の候
補物件をコンピュータ検索可能な電子データリストとし
てストック保存し、各種条件を与えて検索選定された候
補物件の情報を、地図情報とともに投資家など顧客に、
インターネット環境のもとで電子データとして提供する
構成でもある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る賃料算定手段
と要求利回り(キャップレート)算定手段を含む不動産
投資判断支援システムシステムを図面に示す実施例によ
り説明する。図1は本発明の賃料算定手段と要求利回り
(キャップレート)算定手段を含む不動産投資判断支援
システムシステムを示す構成図である。図2は、ビルス
コア(投資適格性)と要求利回り(キャップレート)の
関係を示す相関図であり、図3は図2の関係についての
解釈を示す図である。図4は不動産物件データ配信シス
テムを示す図である。賃料算定手段と要求利回り(キャ
ップレート)算定手段を含む不動産投資判断支援システ
ム10は、基本構成としては賃料算定手段20と、キャ
ップレート算定手段30と、ビルデータベース40とか
らなる。これら基本構成に付随する不動産投資判断支援
システム全体を補完・充実するシステムとしてビル管理
コスト算定システム50とクラス別ビルインデックス6
0と証券化シミュレーションシステム70と不動産物件
データ配信システム80がある。
【0015】ビル管理コスト算定システム50は、賃料
算定手段20とともに活用することで、オフィスビルの
純収益を算定することに資するシステムである。クラス
別ビルインデックス60は、キャップレート算定手段3
0により算定されるオフィスビルのビルスコア(投資適
格度)と要求利回り(キャップレート)によってオフィ
スビルの過去の収益率のトレンドを導出するシステムで
ある。また、証券化シミュレーションシステム70は、
実物不動産であるオフィスビルを裏付けとして発行され
る証券(デット及びエクイティ)の安全性及び収益性を
シミュレーションし、最適な証券化ストラクチャーの検
討をするシステムである。さらに、不動産物件データ配
信システム80は、図4で示すとおりこれらの分析情報
等を地図情報とともに顧客に提供するシステムである。
【0016】賃料算定手段20は、オフィスビルのビル
属性及び賃貸条件を電子データ化した基礎データを使用
して、対象ビルの賃貸条件を、競合ビルのビル属性およ
び賃貸条件と対比比較して、コンピュータにより推計・
算定する。まず、電子化された賃貸条件のデータとして
は、特にテナントから注目される賃貸条件である募集賃
料、契約賃料、共益費、預り敷金金額、契約期間などが
ある。また、賃貸借の対象となる建物に関するビル属性
データとしては、建物概要として、竣工年月日、構造、
階数、延床面積、主な用途、貸室面積、基準階貸室面
積、天井高、空調、OA対応、床荷重、電気容量、エレ
ベータ台数、駐車台数、施工会社等々の要素があげられ
る。その他のビル属性データは、所有権関係データとし
て、所有形態(区分所有、共有等)、建物・土地の所有
者の属性など、テナント関係データとして、主なテナン
トの業種、業況など、建物管理データとして、管理会
社、サブリース会社等々の情報が基礎データとなる。
【0017】これらビル属性データは、いずれも、オフ
ィスビルにテナントが入居する際の条件を決定するに当
り考慮される要素であり、対象ビルの賃貸条件との相関
等の分析に基づき、これらのうち最も賃貸条件の決定に
当り説得力のある要素が説明要因として採用される。採
用された説明要因は、賃料係数として対象ビルの推計賃
料を説明する値に計量化され、電子データ化された賃料
モデルとなる。この賃料モデルにおける賃料係数と、競
合ビルの賃貸条件との比較対比による補正によって、対
象ビルの賃貸条件が推計・算定される。
【0018】対象ビルのオフィス賃貸マーケットにおけ
るポジションを把握し、対象ビルについて推計された賃
貸条件の妥当性を検証する手段として、全体マーケット
分析、サブマーケット分析を行っている。全体マーケッ
ト分析としては、オフィスマーケット全体の需給動向、
オフィスマーケット全体における成約面積の推移、新規
供給面積、新規需要面積および空室率の推移、平均預託
金と平均実質賃料の推移、テナントの移転理由、賃料更
改率、賃料、預託金の募集/成約の乖離状況、空室率と
賃料の将来予測、テナント異動動向、要因の分析等から
構成されている。サブマーケット分析としては、募集賃
料と預託金の競合エリア間比較、空室率の競合エリア間
比較、募集賃料と空室率のビル規模間比較、募集賃料と
空室率の築年数間比較、空室率の平均とカテゴリー化さ
れた各不動産群に属するオフィスビル(例えばAクラス
ビル)との比較、周辺の大規模開発プロジェクトが分析
の要素として加えられる。
【0019】Aクラスビルは、例えば、地域が主要5区
であって、延床面積3, 000坪以上でフロア面積が2
00坪以上であり、1985年以降の竣工であり、天井
高が2.6m以上あり、空調が1フロア以下の単位ごと
に調節可能であって、入退出が24時間可能であり、床
配線可能で電気容量が30アンペア以上であるなどの一
応の基準によって、賃料算定手段とキャップレート算定
手段を含む不動産投資判断支援システムの分析対象ビル
として抽出された。Aクラスビルは、最終的には、キャ
ップレート算定手段を含む不動産投資判断支援システム
によって一定の基準により算定されたビルスコア(投資
適格度)が一定点数以上であることによって定義される
予定である。
【0020】オフィスビルの賃料モデルは、近隣に実在
するビルの賃貸条件に関する情報を可能な限り収集した
電子データの集大成であり、刻々と変化する賃料情報を
データの更新という形で修正したものである。オフィス
ビル賃貸における競合ビルとは、その圏域に属するビル
の間でテナントニーズの競合関係が成立する比較的広域
のエリアに所在し(例えば、東京都心部、首都圏郊外な
ど)、ビルの所在エリア、立地条件、築年度、グレー
ド、設備、テナント入居状況、管理状況等等を総合的に
比較勘案して、投資対象不動産とテナントの誘致を競い
合う関係にあるオフィス賃貸用不動産の総称である。
【0021】キャップレート算定手段30は、まず、一
定の基準に従って投資対象ビルの投資対象としての適格
度をビルスコア(投資適格度を示す評価点数)としてコ
ンピュータにより数値化し、投資対象ビルの絞り込み、
投資実行の可否の判断を支援する。また、電子データ化
した多数のオフィスビルのビルスコア及び要求利回り
(キャップレート)をデータベースとしてストックし、
その中から選定された競合ビルのビルスコア及び要求利
回り(キャップレート)と投資対象ビルのビルスコアを
比較することによって、投資対象となっているオフィス
ビルの要求利回り(キャップレート)32をコンピュー
タにより算定する。
【0022】競合ビルの要求利回り(キャップレート)
は、賃貸料/駐車場収入等の総収益から修繕費/維持管
理費/租税公課/損害保険料等の諸経費と資本的支出/
テナント内装コスト等を控除して純収益を求め、この純
収益を当該不動産の売買価格、または、不動産の近傍類
似の土地取引事例から一定の基準により地域要因を比準
し、加えて土地形状、接道条件、容積消化状況、近隣環
境等の土地の個別性を勘案することにより求めた敷地価
格に、建物の規模、施工の質、施工環境、階数、仕様等
の建物の個別性を勘案して求めた建物価格を合算した不
動産価格で除することにより求める。キャップレート算
定手段30の目的は、その時点のマーケットの需給状況
において投資家により要求される投資対象不動産の適切
な要求利回り(キャップレート)を求めることにあり、
上記方法により求められた競合ビルの要求利回り(キャ
ップレート)は、投資対象ビルと競合ビルのビルスコア
(投資適格度)を対比比較することによって投資対象ビ
ルの要求利回り(キャップレート)を推定・算定するた
めの基礎事例として用いられる。
【0023】オフィスビル投資における競合ビルとは、
その圏域に属するビルの間で不動産投資ニーズの競合関
係が成立する比較的広域のエリアに所在し(例えば、東
京都心部、首都圏郊外など)、ビルの所在エリアとビル
個別の属性である、立地条件、ビルグレード、貸室空間
グレード、設備グレード、テナント入居状況、管理状況
等を総合的に比較勘案して、投資対象不動産と不動産投
資需要を競い合う関係にあるオフィス賃貸用不動産の総
称である。
【0024】ビルスコアの算定の基礎となる電子データ
化した要素としては、上記(0014)の賃料算定に使
用した要素を含んで、より幅広い要素から構成される。
これは、賃料の算定が、テナント(賃借人)の選好に含
まれる要素を網羅したものであるのに対して、要求利回
り(キャップレート)の基礎となるビルスコアは、テナ
ントの誘致力に加えて、不動産所有者としての視点に立
ち、不動産の投資・保有に伴う全ての要素を勘案する必
要があるためである。すなわち、エリアデータとして、
所在エリアにおける所在ビルの属性や集積度、立地企業
の業種特性、賃貸マーケットの需給動向、小売販売額推
移、市街地環境などがあげられる。
【0025】またビルの属性データとしては、立地条件
データとして、敷地の交通アクセスの利便性、形状、接
道条件等々、建物概要データとして、竣工年月日、構
造、階数、延床面積、主な用途、貸室面積、基準階貸室
面積、天井高、空調、OA対応、床荷重、電気容量、エ
レベータ台数、駐車台数、施工会社等々がデータの基礎
となる要素である。所有権関係データとしては、所有形
態(区分所有、共有等)、建物・土地の所有者の属性、
賃貸関係データとしては、テナントの数・構成、主なテ
ナントの業種・業況、空室状況、建物管理データとして
は、管理会社、サブリース会社等々の情報が基礎データ
となる。これらの要素はいずれも、不動産の投資・保有
に当たって考慮すべき要素であり、それぞれの重要度に
応じて投資適格度に影響を与え、投資対象ビルの投資適
格度を数値化したものとしてビルスコアが算定される。
【0026】多くの不動産取引のデータを分析すると、
「優良なビルほど、(将来のキャッシュフローの低下、
キャピタルロスが生じるリスクが低く)要求利回り(キ
ャップレート)は低い」といった経験則がマーケットの
精通者の間で存在する。キャップレート算定手段30
は、この経験則に対して、要求利回り(キャップレー
ト)とビルスコア(投資適格度)とが逆相関関係になる
ことを実証的に説明し、個別の投資対象不動産につい
て、適正な投資適格度の判定とキャップレートの算定手
段を与えるものである。即ち、現時点(投資直後に得ら
れる)の年間純収益に対して投資家が要求する利回り
(キャップレート)は、不動産投資マーケットでのその
時々の需給状況に応じて、投資適格度が高いほど将来の
インカムゲインの増加とキャピタルゲインの見込、安定
性が期待されることで低くなり、他方、投資適格度の低
いほど将来のインカムゲインの減少とキャピタルロスの
見込、インカムゲイン・不動産価値の変動幅が大きいこ
とが期待されることで高くなる。
【0027】キャップレート算定手段30は、このよう
にオフィスビルの「優良な」程度をビルスコア(投資適
格度)により測定する手段を与え、これに対して要求さ
れる利回り(キャップレート)のデータをストックする
ことにより、投資対象ビルに要求すべき利回り(キャッ
プレート)を客観的・合理的に算定し、もって、投資金
額(購入価格)の適切な算定に資するモデルである。
【0028】図2はビルスコア(投資適格度)と要求利
回り(キャップレート)の関係を示す相関図であり、横
軸がビルスコア(投資適格度)で縦軸が要求利回り(キ
ャップレート)である。これにより、投資対象ビルの適
正要求利回り(キャップレート)を判定する。マーケッ
トで実際に成立した売買事例及び契約賃料、ビル属性等
を入手して査定した事例について、キャップレート及び
ビルスコア(投資適格度)の双方のデータを算定してプ
ロットすると、横軸のビルスコア(投資適格度)の評価
の低い物件が現実の市場動向では一般的に要求利回り
(キャップレート)が高くなっている。逆に、格上の物
件でビルスコア(投資適格度)の評価が高いものの場
合、要求利回り(キャップレート)は低くなる傾向にあ
る。すなわち、ビルスコア(投資適格度)と要求利回り
(キャップレート)との間には図に示すように逆相関の
関係が成立していることが実証的に示された。投資対象
ビルの要求利回り(キャップレート)の判定にあたって
は、同ビルと最も競合していると判断した競合ビルにつ
いて、その要求利回り(キャップレート)を逆相関関係
にもとづいて補正することにより、投資対象ビルの適正
なキャッフレートの範囲を導き出した。
【0029】図3は図2を解析した図であり、図2で得
られたビルスコア(投資適格度)と要求利回り(キャッ
プレート)の相関関係を、如何に対象となる物件に適応
して適切な不動産投資判断を導き出すかを解説してい
る。すなわち、逆相関関係が成立する特定の逆相関関係
の幅帯aの中にある物件にあっては、不動産投資判断支
援システム上は、釣合いのとれた物件と判断され、投資
するのに特に不利な物件ではないとの判断が得られるこ
とになる。これに対して、幅帯aに入らない物件につい
ては、座標の右上部bに外れた場合は割安な物件である
という評価になり、左下部cに外れた場合は割高な物件
であるという評価となる。ちなみに、投資対象ビルのビ
ルスコア(投資適格度)が入力されたデータから例えば
点線dの位置にあるとすると、幅帯aに入る三角点eの
周囲に要求利回り(キャップレート)があればマーケッ
ト水準であり比較的適正な投資価格と考えられるが、幅
帯より上の黒丸点fの場合はビルの格がある程度以上で
あるのに比較的高い要求利回り(キャップレート)が得
られるので買い得(割安)な物件と判断される。また、
幅帯より下の四角点gの場合はビルの格の割りには要求
利回り(キャップレート)が低いので、利回りに期待の
持てない割高な物件との評価が得られる。すなわち、投
資不動産の売買における投資家の要求利回り(キャップ
レート)は、不動産が生み出す将来の収益性(インカム
ゲインとキャピタルゲイン)に対する期待を反映して、
不動産市場における需要動向の中で形成される。
【0030】ビルデータベースシステム40は、オフィ
スビルの属性データ42と、賃料算定手段により算定し
た賃料22と、キャップレート算定手段により算定した
ビルスコア(投資適格度)及び要求利回り(キャップレ
ート)32等からなるデータをストックしたデータベー
スを構築し、加えてビル属性等の一定の条件に当てはま
る該当ビルの検索や各種指標に関する集計等の機能、並
びに対象ビルの賃貸条件を、競合ビルのビル属性および
賃貸条件と対比比較してコンピュータにより推計・算定
した結果をレポートとして作成する機能や、投資対象ビ
ルの投資適格度をビルスコアとして算定した結果や投資
対象ビルの要求利回り(キャップレート)のコンピュー
タによる導出結果をレポートとして作成する機能等を具
備したシステムである。
【0031】ビルスコア(投資適格度)は、オフィスビ
ルの立地エリアの競争力(エリア評価)と、オフィスビ
ルの周辺立地条件、ビルグレード、貸室グレード、設備
グレード、賃貸状況、管理状況といったビル自体の競争
力(ビル属性評価)を総合して投資対象としてのオフィ
スビルを評価したものである。立地エリアの競争力(エ
リア評価)は、例えば都心5区については、オフィスエ
リアとしての類似性・競合性を勘案して31エリアに区
分し、各エリアを計量的に評価し、相対的なエリアの競
争力が比較できるようになっている。評価の要素として
は、市街地環境等のグレード、地区内のオフィスビルの
質、立地企業の特性、マーケット需給動向、商業業務地
としての成長性等が挙げられる。また、ビル自体の競争
力の評価としては、最寄り駅からの距離、接道条件等の
立地条件の他に、ビルの経過年数、耐震強度、ビルの規
模、貸室の使い勝手、設備性能(OA対応、空調制御
等)、賃貸状況(主たるテナントの業種・業況、テナン
ト構成)、管理状況(管理会社の質、管理契約の条件
等)等が評価項目となる。
【0032】ビル管理コスト算定システム50は、オフ
ィスビルを主として規模に応じて幾つかのカテゴリーに
分類し、それぞれの標準管理コストを積算して作成した
シートである。延床面積を基本として、費用項目として
は、常駐管理業務の人員(設備管理要員・警備保安要
員)から算定した常駐管理業務費、設備保守業務費、建
物・設備等定期検査料、機会警備費、掃除業務費、廃棄
物処理業務費、環境衛生管理業務費、消耗品費、共用部
水光熱費、その他の業務等を積算して月額管理コストと
年額管理コストの標準額を算出する。ユーザーは、投資
対象ビルがどのカテゴリーに属し、どの項目がそのカテ
ゴリーの標準的なビルに比して大きくずれているかを検
証することによって、投資対象ビルの標準的な管理コス
トを当該ビルの個別性を加味して推定・算定することが
できる。
【0033】クラス別ビルインデックス60は、収益用
不動産の投資の判断に利用する為の指標で、市場データ
をもとに長期間にわたるインカムやキャピタルの推移を
勘案して指数化した収益率指標である。従来、公表され
ている不動産投資インデックスは、主としてエリア毎の
不動産投資の収益性を分析・比較するためのものであ
り、各エリア毎の標準的な地価・賃料を平均化して使用
しているため、オフィスビルの立地エリアと、ビルの周
辺立地条件、ビルグレード、貸室空間、設備、賃貸状
況、管理状況等のビル属性といった個別不動産の投資適
格度等に対応した収益性の分析・比較までできるもので
はなかった。
【0034】そこで、クラス別ビルインデックス60
は、まず、契約賃料、取引事例といった現実の市場にお
いて成立した事例を採用することにより市場実勢を反映
した不動産投資収益率の時系列トレンドを把握するとと
もに、不動産の収益性、価格形成に影響を与える要因を
各不動産ごとに網羅的に検討することにより、ある一定
の特性をもったビル群にカテゴリー分けし、各ビル群毎
の投資収益率のトレンドを把握するものである。例え
ば、オフィスビルのひとつの重要な特性として捉えられ
るビルスコア(投資適格度)に対しても、そのビルスコ
アに応じて要求された要求利回り(キャップレート)が
どのような時系列推移を辿ったかをグラフ上にトレンド
として示すことができる。この場合、ユーザーは、例え
ばビルスコア(投資適格度)において75点以上、60
点以上、50点以上、40点以上、40点未満をそれぞ
れ、A+、A、A−、B、Cとカテゴリー分けされたビ
ル群ごとのキャップレートのトレンドを提供され、ある
特定カテゴリーに属する投資不動産の検討に当たって、
その投資収益率がどのような時系列的な傾向にあり、今
後どのように推移するかについての予測について、判断
の根拠・支援を得ることになる。
【0035】証券化シミュレーションシステム70は、
実物不動産を裏付けとした証券(デット及びエクイテ
ィ)を発行する場合に、デットの利払い・償還の安全性
及びエクイティの投資利回りについて、様々な前提条件
のもとでコンピューターによりシミュレーションするこ
とにより、証券化ストラクチャーの妥当性を検証するシ
ミュレーションシステムである。
【0036】不動産の証券化における発行証券の安全性
・収益性は、一義的には、裏付けとなる不動産の純収益
及び証券化期間末の対象不動産の価格に依存している。
証券化シミュレーションシステム70では、まず、対象
不動産について、賃料算定手段20により算定された賃
料と、ビル管理コスト算定システム50により算定され
る管理コスト等をもとに算定される年間純収益を、キャ
ップレート算定手段30により算定される要求利回り
(キャップレート)で除すことにより対象ビルの適正投
資価格を算定する。次に、当該ビルの証券化期間中の純
収益及び証券化期間末の不動産価格について、クラス別
ビルインデックスを活用した確率統計分析により、その
変動リスクをコンピューターにより定量化し、対象ビル
の適正投資価格に対するデットの発行比率(LTV)の
上限を設定するとともに、設定した証券化期間中の純収
益及び期間末の不動産価格の変動についても予測する。
【0037】証券化シミュレーションシステム70は、
これら分析・予測結果と連動させることで、証券化シミ
ュレーションの前提条件として、対象ビルの適正投資価
格に対するデットの発行比率(LTV)、デットの利率
等を様々に設定することにより、対象不動産を裏付けと
して発行されるデットの利払い・償還の安全性及びエク
イティの投資利回りについて、コンピューターによりシ
ミュレーションすることを可能とするものである。
【0038】不動産物件データ配信システム80は、図
4で示すように、この不動産投資判断支援システムで使
用される基礎データ並びに賃料算定手段及びキャップレ
ート算定手段等によって算定されるデータ等のビルデー
タベースにストックされている全てのデータ、またビル
データベースシステム40によって提供される検索・集
計結果や、種種の顧客向けレポート等を対象に、発明者
が、投資家等の顧客とインターネット環境等において配
信契約を結ぶことにより電子データを配信するシステム
である。不動産物件データ配信システム80の目的は、
発明者の顧客である不動産所有者のニーズと投資家ニー
ズとを本システムを媒介としてインターネット環境にお
いてマッチングさせ、双方の匿名性を確保しながらイン
ターネット環境において不動産所有者と投資家との間に
立った情報サービスを提供することである。このため、
不動産保有者に対しては、顧客の保有不動産に対するビ
ルスコア(投資適格度)や不動産市場情報等を提供する
ことを通じて、投資候補となる不動産物件の情報を提供
してもらい、投資家に対しては、不動産保有者から提供
される投資候補物件の情報とともに、不動産投資判断支
援システムにより作成される種々のデータ・レポート等
を地図情報とともにコンテンツとして配信するものであ
る。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように本発明にかかる賃
料算定・キャップレート算定手段を含む不動産投資判断
支援システムによれば、 1、オフィスビルの立地エリア、建物グレード、立地条
件、経過年数、構造、階数、延床面積、天井高、空調、
OA対応、床荷重、電気容量、市場データ等を加味した
対象物件の比較査定に基づき、市場において適正と判断
される賃料を含めた賃貸条件が従来に比べて正確に算定
される。 2、対象ビルの投資対象としての投資適格度を一定の基
準にしたがって客観的・論理的に判定することができる
ので、投資対象物件の絞り込み、投資対象の選択が容易
に、かつ、客観的な尺度に基づいて行うことができる。 3、カテゴリー毎にオフィスビルの属性データと賃料と
ビルスコア(投資適格度)と要求利回り(キャップレー
ト)が集計・分析できるので使い勝手のよい情報が簡便
に入手できる。 4、投資対象候補となりうる不動産について、ビルの属
性データと、算定した賃料と、算定した要求利回り(キ
ャップレート)を含んだビルデータベース上のデータを
効率的・網羅的に比較・検討することで、候補物件の投
資情報の蓄積がすすむとともに、その正確さ、省力化が
図れる。また、対象ビルの要求利回り(キャップレー
ト)をコンピュータにより容易に算定することが可能と
なるので、不動産投資における要求利回りの設定、値付
け(プライシング)の判断に有力なデータが提供でき
る。
【0040】5、投資対象候補となりうる不動産につい
て、ビルの属性データと、算定した賃料と、算定した要
求利回り(キャップレート)を含んだビルデータベース
上のデータを効率的・網羅的に比較・検討することで、
候補物件の投資情報の蓄積がすすむとともに、その正確
さ、省力化が図れる。候補物件のビル属性データをコン
ピュータに入力することにより、ビルスコア(投資適格
度)、要求利回り(キャップレート)、現在までの収益
性、候補物件が属するビル群の収益性の推定データ(ク
ラス別ビルインデックス)という有力な周辺情報が入手
可能となる。 6、クラス別ビルインデックスをもとに、確率統計分析
によって不動産を裏付けとした証券化シミュレーション
を行うことで、発行証券の安全性、収益性についての分
析が可能となった。 7、投資対象候補物件の標準的な管理コストが対象ビル
の個別性を加味した上で簡便に算定でき、かつ費用項目
ごとに同一カテゴリーのビルの標準的費用との格差を把
握できるので、投資対象ビルに対して適正なレベルの管
理を行った場合の適正な純収益の算定がより正確に行え
る。 8、各種条件を与えて検索選定された候補物件の情報
を、地図情報とともに顧客に提供することが出来る。ま
た、算出データ等を顧客にインターネット環境において
電子データ(又は、専用端末、ファックスを媒体)とし
て直接配信することが出来るので、安価であり、かつ、
タイムリーで正確な情報提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の賃料算定手段とキャップレート算定
手段を含む不動産投資判断支援システムシステムの全体
を示す構成図
【図2】 本発明の賃料算定手段とキャップレート算定
手段を含む不動産投資判断支援システムを実現したビル
スコア(投資適格度)と要求利回り(キャップレート)
の関係を示す相関図
【図3】 本発明の賃料算定手段とキャップレート算定
手段を含む不動産投資判断支援システムを実現したビル
スコア(投資適格度)と要求利回り(キャップレート)
の関係についての解釈を示す図
【図4】 本発明の賃料算定手段とキャップレート算定
手段を含む不動産投資判断支援システムにおける不動産
物件データ配信システム80を示す図
【符号の説明】
10 賃料算定手段とキャップレート算定手段を含む
不動産投資判断支援システム 20 賃料算定手段 30 キャップレート算定手段 40 ビルデータベース 50 ビル管理コスト算定システム 60 クラス別ビルインデックス 70 証券化シュミレーション算定システム 80 不動産物件データ配信システム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子データ化したオフィスビルの賃料モ
    デルを用いて、対象ビルの賃料を含む賃貸条件を、競合
    ビルのビル属性および賃貸条件と対比比較し、推計によ
    り対象ビルのビル属性に応じた賃料を含む賃貸条件をコ
    ンピュータにより算出することを特徴とする賃料算定手
    段を含む不動産投資判断支援システム
  2. 【請求項2】 電子データ化した多数のオフィスビルの
    ビルスコア(投資適格度)および要求利回り(キャップ
    レート)をビルデータベースとしてストックし、不動産
    投資対象ビルのビルスコア(投資適格度)と、競合ビル
    のビルスコア(投資適格度)及び要求利回り(キャップ
    レート)とを比較して、対象ビルの適正な要求利回り
    (キャップレート)をコンピュータにより算定すること
    を特徴とするキャップレート算定手段を含む不動産投資
    判断支援システム
  3. 【請求項3】 電子データ化したオフィスビルのビルデ
    ータベースを一定の基準にしたがって客観的・論理的に
    判定したビルスコア(投資適格度)に応じてカテゴリー
    に分け、各々のカテゴリー毎に、オフィスビルの属性デ
    ータと、賃料算定手段により算定した賃料と、キャップ
    レート算定手段により算定したビルスコア(投資適格
    度)及び要求利回り(キャップレート)を集計・分析す
    ることを特徴とする賃料算定手段とキャップレート算定
    手段を含む不動産投資判断支援システム
  4. 【請求項4】 不動産投資対象としての候補物件を、オ
    フィスビルの属性データと、賃料算定手段により算定し
    た賃料と、要求利回り(キャップレート)算定手段によ
    り算定したビルスコア(投資適格度)及び要求利回り
    (キャップレート)等からなるビルデータベースの物件
    データと比較して、候補物件の賃料、ビルスコア(投資
    適格度)、適正な要求利回り(キャップレート)を評価
    あるいは推計して、候補物件の投資対象としての適正判
    断を支援することを特徴とする賃料算定手段とキャップ
    レート算定手段を含む不動産投資判断支援システム
  5. 【請求項5】 オフィスビルについて、賃料算定手段に
    より算定した賃料と、要求利回り(キャップレート)算
    定手段により算定したビルスコア(投資適格度)及び要
    求利回り(キャップレート)とにより、不動産投資対象
    の候補物件のビル属性データを入力することで、候補物
    件に関するビルスコア(投資適格度)、適正な要求利回
    り(キャップレート)、現在までの収益性、または候補
    物件が属する投資適格度のビル群の収益性の推定データ
    (クラス別ビルインデックス)をコンピュータにより算
    出することを特徴とする賃料算定手段とキャップレート
    算定手段を含む不動産投資判断支援システム
  6. 【請求項6】 オフィスビルの属性データと、賃料算定
    手段により算定した賃料と、要求利回り(キャップレー
    ト)算定手段により算定したビルスコア(投資適格度)
    及び要求利回り(キャップレート)からなるビルデータ
    ベースを用いて対象ビルの適正投資価格を算定し、クラ
    ス別ビルインデックスを利用した当該オフィスビルの将
    来の収益性の変動リスクに関する分析を参考に、LTV
    (LoanTo Value )を任意に設定することで、対象ビル
    を裏付けとした証券化スキームにおける発行証券(デッ
    トとエクイティ)ごとの収益性の変動をシミュレーショ
    ンし、最適な証券化スキームの検討を可能にすることを
    特徴とする賃料算定手段とキャップレート算定手段を含
    む不動産投資判断支援システム
  7. 【請求項7】 オフィスビルの属性データ等からなるビ
    ルデータベースとを利用して、不動産投資対象の候補物
    件の適正な管理コストをコンピュータを利用して簡便に
    算定することを特徴とする賃料算定手段とキャップレー
    ト算定手段を含む不動産投資判断支援システム
  8. 【請求項8】 不動産投資対象の候補物件をコンピュー
    タ検索可能な電子データリストとしてストック保存し、
    各種条件を与えて検索選定された候補物件の情報を、地
    図情報とともに投資家など顧客に、インターネット環境
    のもとで電子データとして提供することを特徴とする賃
    料算定手段とキャップレート算定手段を含む不動産投資
    判断支援システム
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