JP2002055251A - 分散補償光ファイバおよびこれを用いた分散補償光ファイバ伝送路 - Google Patents
分散補償光ファイバおよびこれを用いた分散補償光ファイバ伝送路Info
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Abstract
周上に、クラッドよりも低屈折率のサイドリングを設け
ることにより、セグメントコア型の分散補償光ファイバ
と比較して、他の特性を大きく劣化させることなく、使
用波長帯によらず曲げ損失を低減することにある。 【解決手段】 分散スロープの補償率を80〜120
%、波長1.63μmにおける曲げ損失が50dB/m
以下、サイドリングとクラッドとの比屈折率差を−0.
50〜0.00%、クラッドとサイドリングとの正規化
周波数の値を−15.0〜0.0、センタコアとクラッ
ドとの比屈折率差を0.90〜1.30%、有効コア断
面積が25μm2以上とする
Description
バに関し、1.3μm用シングルモード光ファイバに代
表される、1.45〜1.63μm帯から選択された使
用波長帯よりも短波長側に零分散波長を有するシングル
モード光ファイバを用いて1.45〜1.63μm帯か
ら選択された使用波長帯で光信号を伝送する際に生じる
波長分散、および分散スロープを補償するものである。
で大きな負の波長分散と負の分散スロープを有し、1.
3μm用シングルモード光ファイバと適切な長さで接続
することによって、この1.3μm用シングルモード光
ファイバにおいて生じた正の波長分散と分散スロープを
相殺(補償)できるものである。したがって、1.3μ
m用シングルモード光ファイバとこの分散補償光ファイ
バとを組み合わせて光通信システムを構築すれば、1.
55μm帯の波長多重伝送を行っても高速通信が可能と
なる。
としては、図4に示すようなW型屈折率分布形状を有す
るものが提案されている。この屈折率分布形状において
は、中心に設けられた高屈折率のセンタコア1と、その
外周上に設けられたこのセンタコア1よりも低屈折率の
サイドコア2とからコアが構築されている。そして、こ
のサイドコア2の外周上にはこのサイドコア2よりも高
屈折率で、かつ前記センタコア1よりも低屈折率のクラ
ッド4が設けられている。
ド4を基準(零)にしたときのセンタコア1とサイドコ
ア2のそれぞれの比屈折率差Δ1、Δ2や、センタコア
1の半径aとサイドコア2の半径bとの比率を調節する
ことによって、波長分散と、分散スロープを補償する機
能が得られる。W型屈折率分布形状は従来、分散シフト
光ファイバなどの他の用途にも適用されてきたが、この
ように波長分散と分散スロープを補償するためには、Δ
1を他の伝送用のシングルモード光ファイバに適用する
場合よりも大きく設計する必要がある。
屈折率分布形状を有する分散スロープ補償型の分散補償
光ファイバも開発されている。この屈折率分布形状にお
いては、中心に設けられた高屈折率のセンタコア11
と、その外周上に設けられたこのセンタコア11よりも
低屈折率のサイドコア12と、このサイドコア12の外
周上に設けられたこのサイドコア12よりも高屈折率
で、かつ前記センタコア11よりも低屈折率のリングコ
ア13とからコアが構成されている。そして、このリン
グコア13の外周上に、このリングコア13よりも低屈
折率で、かつ前記サイドコア12よりも高屈折率のクラ
ッド14が設けられている。
いては、W型屈折率分布形状に、さらにリングコア13
が設けられた構成となっているため、より曲げ損失が小
さく、波長多重伝送に適した負の分散スロープが得られ
るという利点がある。また、Aeff(有効コア断面
積)を、より拡大することができるため、非線形効果を
抑制することができるという効果がある。波長多重伝送
においては、そもそも伝送する光信号におけるパワーが
大きいため、伝送の途中でエルビウム添加光ファイバ増
幅器によって光信号を増幅すると、光信号のパワーが急
激に増加する。その結果、非線形効果が生じ、伝送特性
が劣化する。非線形効果の大きさは、 n2/Aeff で表される。ここで、n2は光ファイバの非線形屈折率
係数である。n2は物質によりほぼ一定の値であり、石
英系の光ファイバでは大きく低減させることは困難であ
る。また、Aeffは光ファイバ中の電界分布を表すも
のであり、光ファイバの屈折率分布により変化させるこ
とが可能である。したがって、非線形効果を抑制するた
めにはAeffの拡大が有効である。セグメントコア型
屈折率分布形状においては、設計条件によっては比較的
容易に25μm2以上のAeffが得られる。
いては、クラッド14を基準(零)にしたときのセンタ
コア11とサイドコア12とリングコア13のそれぞれ
の比屈折率差Δ11、Δ12、Δ13と、センタコア1
1の半径aとサイドコア12の半径bとリングコア13
の半径cの比率を調節することにより、波長分散と分散
スロープを同時に補償することができる。
添加石英ガラス、サイドコア2、12はフッ素添加石英
ガラス、リングコア13はゲルマニウム添加石英ガラ
ス、クラッド4、14は純粋石英ガラスから構成されて
いる。
などのドーパントを添加すると粘度が低くなり、軟化点
が低下する傾向がある。また、同一温度における粘度も
低下する。また、石英系光ファイバの代表的な線引き温
度付近である1900℃付近における粘度差も大きくな
る。このような傾向により、クラッド4、14は、その
内側に配置されている、ドーパントが添加されたセンタ
コア1、11、サイドコア2、12、およびリングコア
13よりも軟化温度が高く、また硬化温度も高い。
るにおいて、円柱状のファイバ母材を、その長さ方向が
鉛直方向になるように配置し、このファイバ母材の下端
を加熱すると、まず、センタコア1、11、サイドコア
2、12、リングコア13となる部分が軟化し、ついで
クラッド4、14となる部分が軟化し、線引きされる。
線引きされた分散補償光ファイバは、下方から引張応力
が印加されている状態で、その温度が徐々に下がる。そ
して、クラッド4、14が先に硬化し、ついで内側のセ
ンタコア1、11、サイドコア2、12、およびリング
コア13が軟化する。このとき、これらクラッド4、1
4の内側の部分は、先に硬化したクラッド4、14との
間に粘度の差を生じ、クラッド4、14によって引き留
められ、線引きによって印加されている応力と逆方向に
も応力が印加された状態となる。その結果、内部に応力
が残留した状態で硬化する。そして、この残留応力が大
きいと、屈折率変化による特性のずれが生じたり、伝送
損失の劣化が生じたりする。
な硬化時のコアとクラッドとの粘度差に起因する現象が
生じる。しかし、W型屈折率分布形状を備えた分散スロ
ープ補償型の分散補償光ファイバにおいては、上述のよ
うに負の波長分散と分散スロープを得るために比屈折率
差Δ1が伝送用のシングルモード光ファイバに比べて大
きな値に設定されている。また、セグメントコア型屈折
率分布形状を備えた分散スロープ補償型の分散補償光フ
ァイバにおいても、波長分散の値などによっては比屈折
率差Δ11を他の伝送用のシングルモード光ファイバに
比べて大きな値に設定することが必要となる場合があ
る。大きな比屈折率差Δ1、Δ11を実現するために
は、センタコア1、11に添加するドーパントの添加量
を多くする必要がある。そしてドーパントの添加量が多
くなるほど、軟化温度および硬化温度が低下する。よっ
て、センタコア1、11とクラッド4、14との軟化温
度および硬化温度の差が大きくなり易く、このような問
題が生じやすかった。そのため、実用可能な機械的な強
度を確保するためには、伝送損失の向上に限界があり、
低損失のものを得ることが困難となる場合があった。
る課題は、低損失の分散スロープ補償型の分散補償光フ
ァイバが得られる技術を提供することにある。また、セ
グメントコア型の分散補償光ファイバの外周上に、クラ
ッドよりも低屈折率のサイドリングを設けることによ
り、セグメントコア型の分散補償光ファイバと比較し
て、他の特性を大きく劣化させることなく、使用波長帯
によらず曲げ損失を低減することにある。さらに、長距
離伝送用に適した、特定の長さにおける波長分散値、分
散スロープ値の制御を可能とする分散補償光ファイバを
実現することにある。
め、本発明の請求項1記載の分散補償光ファイバは、セ
ンタコアと、このセンタコアの外周上に設けられ、かつ
このセンタコアよりも低屈折率のサイドコアと、このサ
イドコアの外周上に設けられ、かつこのサイドコアより
も高屈折率で、前記センタコアよりも低屈折率のリング
コアと、このリングコアの外周上に設けられ、かつこの
リングコアよりも低屈折率で、前記サイドコアよりも低
屈折率のサイドリングと、このサイドリング外周上に設
けられ、かつこのサイドリングよりも高屈折率で、前記
リングコアよりも低屈折率のクラッドからなる分散補償
光ファイバであって、1.45〜1.63μmから選択
された使用波長帯において、波長分散が−70〜−45
ps/nm/kmであり、負の波長分散スロープを有
し、有効コア断面積が20μm2以上であり、かつ実質
的にシングルモード伝搬可能なカットオフ波長を有し、
前記使用波長帯よりも短波長の零分散波長を有するシン
グルモード光ファイバの波長分散を零に補償できる長さ
で、このシングルモード光ファイバを補償したときに、
シングルモード光ファイバの分散スロープを波長分散で
割って得られる値をRDS(SMF)、分散補償光ファ
イバの分散スロープを波長分散で割って得られる値をR
DS(DCF)としたときに、RDS(DCF)/RD
S(SMF)×100で定義される分散スロープの補償
率が、80〜120%であり、かつ波長1.63μmに
おける曲げ損失が50dB/m以下であるものである。
また、本発明の請求項2記載の分散補償光ファイバは、
前記サイドリングと前記クラッドとの比屈折率差が、−
0.50〜0.00%であり、かつ、正規化周波数=
(サイドリングとクラッドとの比屈折率差)×{(サイ
ドリングの半径/センタコアの半径)2−(リングコア
の半径/センタコアの半径)2}、で定義される正規化周
波数の値が−15.0〜0.0であるものである。ま
た、本発明の請求項3記載の分散補償光ファイバは、前
記センタコアと前記クラッドとの比屈折率差が0.90
〜1.30%であるものである。また、本発明の請求項
4記載の分散補償光ファイバは、請求項1ないし3のい
ずれかに記載の分散補償光ファイバにおいて、センタコ
ア、サイドコア、リングコアまたはサイドリングの純粋
石英ガラスを基準とした比屈折率差が0.90〜1.0
0%であり、かつ有効コア断面積が25μm2以上であ
るものである。そして、本発明の請求項5記載の光ファ
イバ伝送路は、請求項1ないし4のいずれかに記載の分
散補償光ファイバと、1.45〜1.63μmから選択
された使用波長帯において、有効コア断面積が70μm
2以上であり、かつシングルモード伝搬可能なカットオ
フ波長を有する光ファイバとを組み合わせたものであ
る。
は、図1に示すような屈折率分布形状を備えているもの
である。以下、図1を利用して説明する。センタコア2
1、リングコア23は、屈折率を上昇させる作用を備え
たドーパントを添加した石英ガラス、サイドコア22、
サイドリング24は屈折率を低下させる作用を備えたド
ーパントを添加した石英ガラスから形成されている。屈
折率を上昇させる作用を備えたドーパントは、ゲルマニ
ウム(Ge)が代表的である。ゲルマニウムは、GeO
2として添加される。また、屈折率を低下させる作用を
備えたドーパントとしては、フッ素(F)が代表的であ
る。なお、センタコア21、サイドコア22、リングコ
ア23、サイドリング24、クラッド25に添加するド
ーパントはゲルマニウム、アルミニウム(Al)、リン
(P)、フッ素から選ばれる少なくとも1種、あるいは
2種以上のドーパントが用いられ、所望の屈折率によっ
てその種類や添加量が適宜選択される。
は、クラッド25がドーパントを添加した石英ガラスか
ら形成されている。このドーパントは屈折率を低下させ
る作用を備えたものであり、上述のようにフッ素が代表
的である。その結果、クラッド25の軟化温度は、純粋
石英ガラスよりも低くなる。つまり、Δ21、Δ22、
Δ23、Δ24の基準(零)の屈折率は、純粋石英ガラ
スの屈折率よりも低くなる。したがって、クラッド25
よりも高い屈折率を備えたセンタコア21およびリング
コア23においては、ドーパントの添加量が少なくな
る。そして、純粋石英ガラスからなるクラッド25を基
準とした場合よりも、センタコア21、およびリングコ
ア23において、ドーパントの添加による軟化温度およ
び硬化温度の低下を小さくすることができる。また、各
層の1900℃付近における粘度差も小さくすることが
できる。
25と、多量のドーパントが添加されたセンタコア21
との間の軟化温度および硬化温度の差が特に問題となっ
ていたが、本発明においては、クラッド25の軟化温度
および硬化温度が低下し、かつ、センタコア21の軟化
温度および硬化温度が上昇するため、これらの間の軟化
温度および硬化温度の差が小さくなり、線引き温度にお
ける粘度差も小さくなる。その結果、分散補償光ファイ
バの機械的な強度が保証できる線引き温度で線引きして
も、線引き後にクラッド25の内側の部分、特にセンタ
コア21に残留する応力を小さくすることができ、これ
に起因する伝送損失の劣化を小さくすることができる。
(零)にした比屈折率差Δ21が0.90〜1.30
%、好ましくは0.90〜1.00%に設定されてい
る。0.90%よりも小さく、零に近いと、ドーパント
の添加量が少なく、十分に軟化温度および硬化温度を上
昇させることができない。1.30%よりも大きくなる
と、ドーパントの添加量が多くなり、伝送損失が増加す
る場合がある。サイドリング24は、クラッド25を基
準(零)にした比屈折率差Δ24が−0.50〜0.0
0%、好ましくは−0.25〜−0.02%に設定され
ている。−0.50%よりも小さく、ドーパントの添加
量が多くなると、Δ22のドーパントの添加量が多くな
り、伝送損失が劣化する場合がある。0.00%よりも
大きくなると、ドーパントの添加量が少なくなり、十分
に軟化温度および硬化温度を低下させることができな
い。
法、MCVD法、PCVD法などの公知の方法によっ
て、各層にドーパントを添加した円柱状のファイアバ母
材を製造し、このファイバ母材の長さ方向が鉛直方向に
なるように配置し、このファイバ母材の下端を加熱して
線引きすることによって得られる。
mm、分散補償光ファイバの外径は80〜125μmで
ある。また、本発明の分散補償光ファイバの線引き時の
加熱温度は1800〜2100℃、線引き速度は100
〜300m/分とされる。また、このときの線引き張力
は100〜200gとされる。この条件であれば、実用
可能な機械的な強度が得られる。本発明の分散補償光フ
ァイバは、センタコア21からクラッド25までの全て
の部分がドーパントが添加された石英ガラスからなり、
軟化温度および硬化温度が低いため、従来の純粋石英ガ
ラスからなるクラッド25を備えたものよりも、ファイ
バ母材の加熱温度を低くすることができる。
形状は、なだらかな曲線状になり、図1に示すように、
各構成部分の境界がはっきりしていない。よって、後述
するように、予めΔ22などの構造パラメータの値を設
定した上で、実際の製造時には、光学特性をモニタし
て、微調整しながら製造すると好ましい。
5をドーパントを添加した石英ガラスから形成すること
により、センタコア21とクラッド25との軟化温度お
よび硬化温度の差を小さくして、線引き時にセンタコア
21とクラッド25との粘度の差を小さくすることがで
きる。その結果、線引き後にセンタコア21などに残留
する応力を小さくすることができ、実用可能な機械的な
強度が得られる温度で線引きしても、伝送損失の劣化を
低減することができる。
光ファイバにおいては、それぞれ、Δ21、Δ22、Δ
23、Δ24、b/a、c/a、d/aを適切に設定す
ることにより、波長分散、分散スロープ、さらには曲げ
損失などの好ましい特性を実現することができる。この
型の屈折率分布形状においては、上述のようにAeff
(有効コア断面積)を25μm2以上に拡大することが
でき、非線形効果を抑制する観点から好ましい。また、
長波長側での曲げ損失の低減も可能であるため、L−B
and帯(1.57〜1.63μm)で使用する観点か
らも好ましい。
は、1.45〜1.63μmの範囲から選択される。例
えば、Er添加光ファイバ増幅器の増幅波長帯によっ
て、1.45〜1.57μm、1.57〜1.63μ
m、両者を合わせた1.45〜1.63μmなどが適宜
選択される。また、本発明の分散補償光ファイバの使用
波長帯における波長分散は、−70〜−45ps/nm
/kmとされる。−45ps/nm/kmよりも大き
く、零に近い場合は、使用長さが長くなり、不都合であ
る。−70ps/nm/kmよりも小さいものは特性が
劣化しやすく、製造が困難である。
m用シングルモード光ファイバのように、前記使用波長
帯において正の波長分散を有する伝送用のシングルモー
ド光ファイバの波長分散および分散スロープを補償する
ことを目的としている。よって、本発明の分散補償光フ
ァイバが補償対象とする伝送用のシングルモード光ファ
イバは、1.3μm用シングルモード光ファイバのみな
らず、この使用波長帯よりも短波長側に零分散波長を有
し、この零分散波長の長波長側で波長分散が大きくなる
シングルモード光ファイバが含まれる。このようなシン
グルモード光ファイバは、通常正の分散スロープを有し
ている。
プは、組み合わせる伝送用のシングルモード光ファイバ
の波長分散を零にできる長さの分散補償光ファイバを用
いて、このシングルモード光ファイバを補償するとき、
補償率が80〜120%であると好ましい。この範囲内
であると分散スロープを十分に補償することができ、良
好な波長多重伝送特性が得られる。
用波長帯において、伝送用のシングルモード光ファイバ
の単位長さ当たりの波長分散と分散スロープの絶対値を
それぞれd1(ps/nm/km)、s1(ps/nm
2/km)、分散補償光ファイバの単位長さ当たりの波
長分散と分散スロープの絶対値をそれぞれd2(ps/
nm/km)、s2(ps/nm2/km)とする。こ
こで、s1/d1=RDS(SMF)、s2/d2=R
DS(DCF)とする。また、伝送用のシングルモード
光ファイバの波長分散と分散スロープは正の値、分散補
償光ファイバの波長分散と分散スロープは負の値であ
る。
イバを補償できる分散補償光ファイバの長さは、d1/
d2で表される。この長さのにおける分散補償光ファイ
バの分散スロープは、d1/d2×s2となる。そし
て、この長さの分散補償光ファイバによる単位長さ当た
りの伝送用のシングルモード光ファイバの分散スロープ
の補償率は、(d1/d2×s2)/s1×100=R
DS(DCF)/RDS(SMF)×100となる。
波長帯における補償対象の伝送用のシングルモード光フ
ァイバの波長分散と分散スロープ、および分散補償光フ
ァイバ自体の波長分散と分散スロープによって変化する
ため、目的とする使用波長帯や伝送用のシングルモード
光ファイバにあわせて分散補償光ファイバを設計する必
要がある。
曲げ直径(2R)が20mmの条件の値をいうものとす
る。本発明の分散補償光ファイバにおいては、使用波長
帯における曲げ損失が50dB/m以下であることが好
ましい。50dB/mを超えると、敷設時などに付与さ
れるわずかな曲げなどによって伝送特性が劣化する場合
がある。
おいては、Δ21の値は他の構造パラメータなどとの関
係から相対的に決定され、上述のW型屈折率分布形状の
Δ1、およびセグメントコア型屈折率分布形状のΔ11
の数値範囲よりも広範囲となる。
を備えた分散補償光ファイバと、本発明の分散補償光フ
ァイバについて、Aeff=25〜28μm2を目的と
したときに、波長1.55μmまたは1.63μmにお
ける曲げ損失とカットオフ波長の関係を示すグラフであ
る。図3は、セグメントコア型屈折率分布形状を備えた
分散補償光ファイバと、本発明の分散補償光ファイバに
ついて、曲げ損失とAeffの関係を示すグラフであ
る。図2および図3より、本発明の分散補償光ファイバ
は、セグメントコア型屈折率分布形状を持つ分散補償光
ファイバと比較すると、同一のカットオフ波長を持つ場
合、または、同一のAeffを持つ場合に、曲げ損失を
小さくすることが可能となることが分かる。
送用のシングルモード光ファイバの波長分散スロープを
波長分散で割った値RDS(SMF)が、0.003程
度である伝送用のシングルモード光ファイバを想定した
ものである。また、伝送用のシングルモード光ファイバ
と分散補償光ファイバとの長さの比を、3:1として分
散補償を行う場合を想定したものであり、かつ、この伝
送用のシングルモード光ファイバは、側圧に対する耐性
が十分なものとなっている。この伝送用のシングルモー
ド光ファイバのサイドリングを大きくしすぎると、カッ
トオフ波長が長くなり、伝送用のシングルモード光ファ
イバが側圧に対して弱くなる。これを防止するために
は、Δ24が−0.50〜0.00%、好ましくは−
0.25〜−0.02%、正規化周波数(V4)が−1
5.0〜0.0、好ましくは−10.0〜−1.0とな
っている。ここで、正規化周波数とは、光の周波数を光
導波路の構造パラメータを用いて規格化したものであ
る。また、非線形効果を抑えるためには、Aeffを拡
大することが有効であるが、このためには、Δ21の値
を小さくしなければならない。しかし、Δ21の値が小
さすぎると伝送用のシングルモード光ファイバが側圧に
対して弱くなる。したがって、Δ21の値は、0.90
〜1.00%とすることが好ましい。
〜1.63μmから選択された使用波長において、有効
コア断面積が70μm2以上であり、かつシングルモー
ド伝搬可能なカットオフ波長を有する光ファイバとを組
み合わせた光ファイバ伝送路は、伝送損失の増加を抑制
する効果に優れている。すなわち、本発明の分散補償光
ファイバにおいて、分散スロープを零に近付け、前記の
ように選択された光ファイバにおいて非線形効果を抑制
することが可能となるからである。
補償光ファイバを製造した。まず、VAD法によってG
eO2添加コアSiO2クラッド(クラッド径/コア径=
2.0〜2.2)構造をもつ円柱状の多孔質体を作製し
た。ただし、ここでいうコア、クラッドは、実際の分散
補償光ファイバにおけるコアとクラッドに対応したもの
ではなく、2層構造の各層を示す便宜的な名称である。
つまり、中心の部分をコア(センタコア21となる部
分)、その外周上の部分をクラッド(サイドコア22と
なる部分)と称している。
においてHeと塩素系ガスで脱水処理し、その後、He
5l/分、SiF41l/分の雰囲気でフッ素添加およ
び透明ガラス化を同時に行った。このロッドを延伸して
コア母材とし、その周りにリングコアおよびサイドリン
グ用と、クラッド用のSiO2−GeO2とSiO2から
なる多孔質体をそれぞれ外付けし、およそ1000℃の
雰囲気においてHeと塩素系ガスで脱水処理し、さら
に、He雰囲気で透明ガラス化して、外径50mmのフ
ァイバ母材を得た。
外径125μmの分散補償光ファイバを製造した。この
ときの線引き速度は300m/分、線引張力は200
g、加熱温度は1950℃とした。この実施例1におい
ては、同様の方法で構造パラメータの異なる5種類の分
散補償光ファイバを製造した。各々の構造パラメータ
と、光学特性を表1および表2に示した。
大することによって、非線形効果を抑制することができ
た。また、波長1.63μmにおける曲げ損失も小さな
値が得られた。なお、いずれの分散補償光ファイバも、
それぞれの線引きの条件では、機械的な強度に問題はな
かった。
型屈折率分布形状を備えた分散補償光ファイバを製造し
た。まず、VAD法によってGeO2添加コアSiO2ク
ラッド(クラッド径/コア径=2.2〜2.4)構造を
もつ円柱状の多孔質体を作製した。ただし、ここでいう
コア、クラッドは、実際の分散補償光ファイバにおける
コアとクラッドに対応したものではなく、2層構造の各
層を示す便宜的な名称である。つまり、中心の部分をコ
ア(センタコア11となる部分)、その外周上の部分を
クラッド(サイドコア12となる部分)と称している。
においてHeと塩素系ガスで脱水処理し、その後、He
5l/分、SiF41l/分の雰囲気でフッ素添加およ
び透明ガラス化を同時に行った。このロッドを延伸して
コア母材とし、その周りにリングコア用とクラッド用の
SiO2−GeO2とSiO2とからなる多孔質体をそれ
ぞれ外付けし、およそ1000℃の雰囲気においてHe
と塩素系ガスで脱水処理し、さらに、He雰囲気で透明
ガラス化して中間母材を作製した。さらに、SiO2か
らなる多孔質体を外付けし、およそ1000℃の雰囲気
においてHeと塩素系ガスで脱水処理し、さらに、He
雰囲気で透明ガラス化して、外径50mmのファイバ母
材を得た。
て、外径125μmの分散補償光ファイバを製造した。
このときの線引き速度は300m/分、線引張力は20
0g、加熱温度は1950℃とした。この分散補償光フ
ァイバの1.55μmにおける光学特性を表3、表4に
示した。
えた分散補償光ファイバの光学特性の目標は、実施例1
に示した分散補償光ファイバと同程度のAeffまたは
カットオフ波長をもち、曲げ損失を可能な限り小さな値
とすることとした。表3および表4の結果より、波長
1.55μm付近での曲げ損失は十分に小さく、問題な
いことが分かった。しかし、波長1.63μmでの曲げ
損失は大きな値となり、伝送損失が大きくなることが分
かった。
光ファイバは、全ての部分、特にクラッドをドーパント
を添加した石英ガラスから形成することにより、センタ
コアとクラッドとの軟化温度および硬化温度の差を小さ
くし、線引き時に、その線引き温度における粘度差を小
さくすることができる。その結果、線引き後にセンタコ
アなどに残留する応力を小さくすることができ、実用可
能な機械的な強度が得られる温度で線引きしても、伝送
損失の劣化を低減することができ、分散スロープ補償型
の分散補償光ファイバであり、かつ低損失のものを提供
することができる。
状を示すグラフである。
コア型屈折率分布形状を備えた分散補償光ファイバにつ
いて、波長1.55μmまたは1.63μmにおける曲
げ損失とカットオフ波長の関係を示すグラフである。
コア型屈折率分布形状を備えた分散補償光ファイバにつ
いて、波長1.55μmまたは1.63μmにおける曲
げ損失とAeffの関係を示すグラフである。
として、W型屈折率分布形状を示すグラフである。
として、セグメントコア型屈折率分布形状を示すグラフ
である。
グコア、24・・・サイドリング、25・・・クラッド
Claims (5)
- 【請求項1】 センタコアと、このセンタコアの外周上
に設けられ、かつこのセンタコアよりも低屈折率のサイ
ドコアと、このサイドコアの外周上に設けられ、かつこ
のサイドコアよりも高屈折率で、前記センタコアよりも
低屈折率のリングコアと、このリングコアの外周上に設
けられ、かつこのリングコアよりも低屈折率で、前記サ
イドコアよりも低屈折率のサイドリングと、このサイド
リング外周上に設けられ、かつこのサイドリングよりも
高屈折率で、前記リングコアよりも低屈折率のクラッド
からなる分散補償光ファイバであって、 1.45〜1.63μmから選択された使用波長帯にお
いて、波長分散が−70〜−45ps/nm/kmであ
り、負の波長分散スロープを有し、有効コア断面積が2
0μm2以上であり、かつ実質的にシングルモード伝搬
可能なカットオフ波長を有し、前記使用波長帯よりも短
波長の零分散波長を有するシングルモード光ファイバの
波長分散を零に補償できる長さで、このシングルモード
光ファイバを補償したときに、シングルモード光ファイ
バの分散スロープを波長分散で割って得られる値をRD
S(SMF)、分散補償光ファイバの分散スロープを波
長分散で割って得られる値をRDS(DCF)としたと
きに、RDS(DCF)/RDS(SMF)×100で
定義される分散スロープの補償率が、80〜120%で
あり、かつ波長1.63μmにおける曲げ損失が50d
B/m以下であることを特徴とする分散補償光ファイ
バ。 - 【請求項2】 前記サイドリングと前記クラッドとの比
屈折率差が、−0.50〜0.00%であり、かつ、正
規化周波数=(サイドリングとクラッドとの比屈折率
差)×{(サイドリングの半径/センタコアの半径)2−
(リングコアの半径/センタコアの半径)2}、で定義さ
れる正規化周波数の値が−15.0〜0.0であること
を特徴とする請求項1記載の分散補償光ファイバ。 - 【請求項3】 前記センタコアと前記クラッドとの比屈
折率差が0.90〜1.30%であることを特徴とする
請求項1または2記載の分散補償光ファイバ。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の分
散補償光ファイバにおいて、センタコア、サイドコア、
リングコアまたはサイドリングの純粋石英ガラスを基準
とした比屈折率差が0.90〜1.00%であり、かつ
有効コア断面積が25μm2以上であることを特徴とす
る分散補償光ファイバ。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の分
散補償光ファイバと、1.45〜1.63μmから選択
された使用波長帯において、有効コア断面積が70μm
2以上であり、かつシングルモード伝搬可能なカットオ
フ波長を有する光ファイバとを組み合わせたことを特徴
とする光ファイバ伝送路。
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---|---|---|---|
JP2000241547A JP3481568B2 (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 分散補償光ファイバおよびこれを用いた分散補償光ファイバ伝送路 |
US09/795,962 US6813430B2 (en) | 2000-02-29 | 2001-02-28 | Dispersion-compensating optical fiber and hybrid transmission line |
US10/866,421 US6980723B2 (en) | 2000-02-29 | 2004-06-11 | Dispersion-compensating optical fiber and hybrid transmission line |
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JP2003148054A Division JP3766074B2 (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | 分散補償光ファイバおよびこれを用いた分散補償光ファイバ伝送路 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002055251A true JP2002055251A (ja) | 2002-02-20 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6876803B2 (en) | 2001-09-28 | 2005-04-05 | Fujikura Ltd. | Optical transmission system |
-
2000
- 2000-08-09 JP JP2000241547A patent/JP3481568B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US6876803B2 (en) | 2001-09-28 | 2005-04-05 | Fujikura Ltd. | Optical transmission system |
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