JP2002052033A

JP2002052033A - 内視鏡の洗浄方法及び装置

Info

Publication number: JP2002052033A
Application number: JP2000238181A
Authority: JP
Inventors: Shoichi Ochiai; 合昭一落
Original assignee: KAWANA KOGYOSHO KK
Current assignee: KAWANA KOGYOSHO KK
Priority date: 2000-08-07
Filing date: 2000-08-07
Publication date: 2002-02-19
Also published as: US6640821B2; US20020017316A1; TW495352B

Abstract

(57)【要約】【課題】長尺の内視鏡を小さい洗浄スペースと少ない
洗浄液量とで確実に洗浄することができる、経済的で洗
浄効果に勝れた洗浄手段を得る。【解決手段】内視鏡を挿入して洗浄する洗浄管１２
を、可撓性チューブによりループ状に形成し、この洗浄
管１２の第１端１２ａ側と第２端１２ｂ側との間にバイ
パス流路５０を接続して、このバイパス流路５０で洗浄
管１２内の洗浄液を第１端１２ａ側から第２端１２ｂ側
に向けて強制的に還流させることにより、該洗浄管１２
の内部に第２端１２ｂ側から第１端１２ａ側に向けて流
れる洗浄液の循環流を生じさせ、この循環流で内視鏡を
洗浄するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生体内へ挿入して
臓器の診断や治療、標本の採取等に使用される内視鏡
を、その使用後に洗浄するための手段に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図５には内視鏡の一例が示されている。
この内視鏡１は、体内に挿入するための可撓性ある長尺
の挿入部２と、この挿入部２の基端部に設けられた手元
操作部３と、この手元操作部３から延出するユニバーサ
ルコード４と、このユニバーサルコード４の端部に設け
られたコネクタ部５とを有している。上記挿入部２の先
端には、照明窓や観察窓、あるいは吸引口や送気・送水
口などが設けられ、これらの各窓及び開口は、上記挿入
部２及びユニバーサルコード４の内部に設けられた導線
や通孔等で上記手元操作部３及びコネクタ部５に導か
れ、吸引ボタン６や送気・送水ボタン７、あるいは吸引
口金８や送気・送水管接続部９等に連通している。そし
て、上記挿入部２を生体内に挿入し、手元操作部３で必
要な操作を行いながら臓器の診断や治療、標本の採取等
を行うものである。

【０００３】このような内視鏡は、複数の患者に共通に
使用するため、使用後は完全に洗浄及び消毒を行い、こ
の内視鏡を媒介とする細菌等の感染を１００％防止しな
ければならない。このため従来より、内視鏡を洗浄する
ための種々の洗浄手段が提案されている。

【０００４】例えば特開平１１−２２６０９２号公報に
は、洗浄液を充填した洗浄槽内に長尺の内視鏡を丸めた
状態で収容し、槽内の洗浄液を循環させながらこの内視
鏡を洗浄するものが開示されている。しかしながらこの
ように、容積の大きい洗浄槽内に溜めた洗浄液中に内視
鏡を浸漬して洗浄する方法は、大量の洗浄液を必要とし
てランニングコストがかかるだけでなく、洗浄効率も悪
く、洗浄にも時間がかかる。しかも、洗浄用のスペース
も大きくなる。

【０００５】一方、特開平１１−１９０２５号公報に
は、洗浄装置の天板上面に渦巻き状の溝をやや傾斜させ
て設け、この溝内に内視鏡を渦巻き状に折り曲げて嵌め
込み、その状態で該溝内に洗浄液を流すことにより洗浄
するようにしたものが開示されている。このものによれ
ば、前述の公知例よりは少ない洗浄液量で内視鏡を洗浄
することができる。しかし、傾斜に沿って溝内を流れる
洗浄液に内視鏡を単に接触させただけでは、該内視鏡を
確実且つ完全に洗浄することはできず、洗浄効率が悪
い。しかも、洗浄装置の天板上面に渦巻き状の溝を形成
する方式では、大きな平面的スペースを必要として設置
が大形化し、また、渦の中心寄りの部分では内視鏡を小
さい曲率半径で折り曲げて溝内に収容しなければならな
いため、内視鏡に無理な力が加わり易い。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、長尺の内視鏡を小さい洗浄スペースと少ない洗浄液
量とで確実に洗浄することができる、経済的で洗浄効果
に勝れた洗浄手段を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明によれば、上部に内視鏡を挿入するための挿入口
を有し、底部にバルブにより開閉自在の排液口を有する
ケーシングと、可撓性のあるチューブをループ状に折り
曲げることにより形成され、上記ケーシング内にループ
を縦向きにした状態に設置されて第１端が上記内視鏡挿
入口に接続されると共に、反対側の第２端が上記排液口
に接続された洗浄管と、上記洗浄管内に洗浄液を供給す
るための洗浄液供給機構と、上記洗浄管の第１端側と第
２端側とを結ぶ外部管路とこの管路中に設けられたポン
プとにより構成され、これらの管路及びポンプを通じて
洗浄管内の洗浄液を第１端側から第２端側に向けて強制
的に還流させることにより、該洗浄管内に第２端側から
第１端側に向けて洗浄液の循環流を生じさせるバイパス
流路と、上記排液口に上記バルブを介して接続された排
液用ポンプとを有することを特徴とする内視鏡の洗浄装
置が提供される。

【０００８】上記構成を有する本発明の洗浄装置は、上
記洗浄管の内部に挿入口側から内視鏡の体内挿入部をル
ープに沿って湾曲させながら挿入したあと、該洗浄管内
に洗浄液を供給し、この洗浄液をバイパス流路を通じて
第１端側から第２端側に向けて強制的に還流させること
により、該洗浄管内に第２端側から第１端側に向かう洗
浄液の循環流を生じさせ、この循環流によって内視鏡を
洗浄するものである。このとき、循環する洗浄液の流速
は早くしかも撹拌されて乱流状態にあるため、この洗浄
液と接触することによって内視鏡は確実かつ完全に洗浄
されることになる。また、ループ状に湾曲した洗浄管を
使用することにより、長尺の内視鏡を小さい洗浄スペー
スと少ない洗浄液量とで確実に洗浄することができ、非
常に経済的で洗浄効率にも勝れる。

【０００９】本発明において好ましくは、上記洗浄管の
第２端寄りの位置に、該洗浄管内の洗浄液中に気泡を吹
き込むための気泡発生手段が接続されていることであ
る。また、上記洗浄管の中間部分に、該洗浄管を振動さ
せるためバイブレーターを接続することもできる。

【００１０】本発明の好ましい他の実施形態によれば、
ループ状に湾曲する上記洗浄管の互いに交差する管部分
同士が、ループの下端部において小径の通路により相互
に連通せしめられている。

【００１１】本発明の具体的な実施形態によれば、上記
洗浄管が、第２端側の端部に洗浄液用の給液口を有して
いて、この給液口に上記洗浄液供給機構が接続されてお
り、かつこの洗浄液供給機構が、水道水と、塩水の電気
分解により得られるアルカリ性水及び酸性水とを、選択
的に供給可能となっている。

【００１２】本発明の洗浄装置には、内視鏡の内部にあ
る各通孔に上記洗浄管内の洗浄液を吸入又は圧入により
循環させて該通孔を洗浄するための、内部通孔洗浄手段
を有することが望ましい。

【００１３】また、本発明によれば、ループ状をした上
記洗浄管内に挿入口側から内視鏡をループに沿って湾曲
した状態に挿入したあと、該洗浄管内に酵素洗剤入り水
道水を供給し、この水道水をバイパス流路を通じて第１
端側から第２端側に向けて強制的に還流させることによ
り、上記洗浄管内に第２端側から第１端側に向かう水道
水の循環流を生じさせて内視鏡を洗浄する第１洗浄工程
と、塩水の電気分解により得られるアルカリ性水で同様
の洗浄を行う第２洗浄工程と、酸性水で同様の洗浄を行
う第３洗浄工程と、再び水道水で同様の洗浄を行う第４
洗浄工程とを有することを特徴とする内視鏡の洗浄方法
が提供される。

【００１４】この場合、上記各洗浄工程中にそれぞれ、
洗浄管内の洗浄液中に気泡を吹き込む工程と、内視鏡の
体内挿入部２が洗浄管の内壁面に接触したままになるの
を防止すべく該洗浄管を振動させる工程との、少なくと
も何れか一方を含むことができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１及び図２には本発明に係る洗
浄装置の好ましい一つの実施形態が示されている。図中
１０は箱形をしたケーシングであって、このケーシング
１０の内部には、図５に示すような内視鏡１を洗浄する
ための洗浄機構１１が内蔵され、ケーシング１０の上面
には、側端部寄りの位置に、上記洗浄機構１１における
洗浄管１２内に内視鏡１を挿入するための窪んだ形の挿
入口１３が設けられると共に、正面寄りの位置に、操作
用及び表示用のパネル部１４が形成され、このパネル部
１４に操作用のスイッチ類１５や表示ランプ類１６等が
設けられている。

【００１６】上記洗浄機構１１は、内視鏡１の体内挿入
部２を洗浄するための上記洗浄管１２を備えていて、全
体として図３に示すように構成されている。上記洗浄管
１２は、合成樹脂製の可撓性あるチューブをループ状に
一巻することにより形成されたもので、図２からも分か
るように、上記ケーシング１０の内部の上記内視鏡挿入
口１３側に寄った位置にループを縦向きにして配置さ
れ、その第１端１２ａが上記内視鏡挿入口１３に接続さ
れると共に、反対側の第２端１２ｂが、ケーシング１０
の底部に設けられた排液口２０に継手２１を介して接続
され、この排液口２０には、バルブ２２を介して排液用
のポンプ２３が接続されている。従って、上記洗浄管１
２の第１端１２ａは高位置にあり、第２端１２ｂはそれ
より低位置にある。また、この洗浄管１２は、挿入口１
３及び排液口２０に接続された上記第１端１２ａと第２
端１２ｂの両位置で実質的にケーシング１０に固定され
ていて、中間のループ部分は特にケーシング１０に固定
的に支持されることなく、自由に振動できる状態になっ
ている。

【００１７】このように、上記洗浄管１２をループ状に
湾曲して縦向きに設置することにより、該洗浄管１２を
小さな平面スペース内にコンパクトに設置することがで
き、装置の小形化を図る上で非常に有効である。なお、
本発明において「縦向き」とは、必ずしも完全に鉛直で
ある場合のみを意味するものではなく、若干傾いていて
も構わない。例えば傾斜の角度が４５度以下程度であれ
ば、本発明の目的は十分達成することができる。

【００１８】上記洗浄管１２の第２端１２ｂ寄りの位置
には、洗浄液用の給液口２６が上記継手２１から分岐し
て設けられ、この給液口２６に、給液管２７を介して洗
浄液供給機構２８が接続されている。この洗浄液供給機
構２８は、洗浄液として水道水、アルカリ性水、酸性水
を選択的に供給できるように構成したもので、水道の蛇
口３０に接続するための接続口３１ａを有する水道水用
管路３１と、アルカリ性水が収容された第１タンク３２
に通じるアルカリ性水用管路３３と、酸性水が収容され
た第２タンク３４に通じる酸性水用管路３５と、これら
の各管路がバルブ３６ａ，３６ｂ，３６ｃを介して接続
された継手３７とを有し、この継手３７が上記給液管２
７に接続されている。そして、各バルブ３６ａ，３６
ｂ，３６ｃの開閉により上記洗浄液が、洗浄管１２内に
第２端１２ｂ側の上記給液管２７を通じて供給され、第
１端１２ａ側の内視鏡挿入口１３からオーバーフローす
るまで該洗浄管１２内に充填されるようになっている。

【００１９】上記第１タンク３２及び第２タンク３４に
は、塩水を電気分解してアルカリ性水と酸性水とを生成
するための電解水生成機４０が接続されている。この電
解水生成機４０は、上記水道水用管路３１から分岐路３
１ｂを通じて供給される水道水と、塩水タンク４１から
ケーシング１０の上面の投入口１７を通じて供給される
塩水とを混合し、それを電気分解することによって陽極
側に強酸性水を、陰極側に強アルカリ性水をそれぞれ得
るもので、得られたアルカリ性水が密閉構造の上記第１
タンク３２に収容され、酸性水が同様に密閉構造の第２
タンク３４に収容されるようになっている。なお、上記
電解水生成機４０による電気分解の原理については既に
公知であるから、これ以上の具体的説明は省略する。

【００２０】ケーシング１０の上面に設けられた上記内
視鏡挿入口１３には、図３及び図４から分かるように、
周壁より高さの低い第１隔壁４３を介して補助室４４が
隣接すると共に、この補助室４４に、上記第１隔壁４３
より更に高さの低い第２隔壁４５を介して排液室４６が
隣接している。上記補助室４４は、内視鏡１の洗浄時
に、該内視鏡１から取り外した部品や付属品、例えば送
気・送水シリンダー７ａから取り外した送気・送水ボタ
ン７、吸引シリンダー６ａから取り外した吸引ボタン
６、キャップ類などを収容して洗浄するためのものであ
る。そして、内視鏡１の洗浄に際して上記洗浄管１２内
に洗浄液が充填されると、この洗浄液の一部が、上記内
視鏡挿入口１３から第１隔壁４３をオーバーフローして
補助室４４に流入し、この補助室４４内に収容された上
記付属品を洗浄したあと第２隔壁４５をオーバーフロー
して排液室４６に流入し、ここに設けられた排液孔から
外部に排出されるようになっている。

【００２１】上記内視鏡挿入口１３には、アルカリ性水
が収容された上記第１タンク３２から延びる排気管４８
が接続され、電気分解時にアルカリ性水側で発生してこ
の第１タンク３２内に流入する塩素ガスが、この排気管
４８を通じて内視鏡挿入口１３内に排出されるようにな
っている。そして、この挿入口１３内に排出された塩素
ガスは、比重が空気より重いため、上記洗浄液と同様
に、第１隔壁４３をオーバーフローして補助室４４に流
入したあと、さらに第２隔壁４５をオーバーフローして
排液室４６に流入し、上記排液孔から外部に排出され
る。

【００２２】また、上記洗浄管１２には、その第１端１
２ａ側と第２端１２ｂ側とを結ぶバイパス流路５０が接
続されている。このバイパス流路５０は、上記内視鏡挿
入口１３と上記給液口２６との間を結ぶ外部管路５０ａ
と、この管路５０ａ中に設けられたポンプ５０ｂとによ
り構成されていて、内視鏡１の洗浄時に、このバイパス
流路５０を通じて内視鏡挿入口１３内の洗浄液を第２端
１２ｂ側に向けて強制的に還流させることにより、洗浄
管１２内に第２端１２ｂ側から内視鏡挿入口１３側に向
けて高速で循環する洗浄液の循環流を生じさせるもので
ある。

【００２３】上記洗浄管１２にはさらに、洗浄効率を高
めるため、洗浄液中に気泡を吹き込むための気泡発生手
段５１と、洗浄管１２を振動させるためのバイブレータ
ー５２とが接続されている。

【００２４】このうち気泡発生手段５１は、エアを供給
するためのエア供給装置５１ａと、このエア供給装置５
１ａからのエアを洗浄管１２内に吹き込むためのポンプ
５１ｂとにより構成され、上記洗浄管１２の第２端１２
ｂ寄りの位置に接続されている。そして、洗浄管１２内
を高速で循環する洗浄液中に気泡を吹き込むことによ
り、該洗浄液の撹拌を促進して洗浄効果を高めるもので
ある。

【００２５】一方のバイブレーター５２は、ケーシング
１０に取り付けられていて、その振動出力部５２ａが、
ループ状に折り曲げられた洗浄管１２の互いに交差する
管部分に連結され、例えば毎分１４０サイクル程度の周
期で洗浄管１２を振動させるようになっている。そし
て、このバイブレーター５２による洗浄管１２の振動に
より、該洗浄管１２の内部で内視鏡１が相対的に変移し
て洗浄液と確実に接触するだけでなく、洗浄管１２の内
面に接触している部分が該洗浄管１２から離れて洗浄液
と接触するため、該内視鏡１が洗浄管１２に接触したま
まになってその部分が洗浄されないといった不都合が解
消され、該内視鏡１の外面全体を確実に洗浄することが
できる。

【００２６】また、上記洗浄管１２は、ループの下端部
において互いに交差する管部分同士が、小径の通路５５
によって相互に連通せしめられている。このようにルー
プの下端部で洗浄管１２を通路５５で短絡させることに
より、洗浄終了後に洗浄管１２内の洗浄液を排液口２０
からポンプ２３で排出する際に、一部の洗浄液が吸引さ
れずにループの下半部に残るのを防止することができ
る。なお、上記通路５５の断面積は、洗浄管１２内に洗
浄液の循環流を発生させる際の障害にならない程度の大
きさであることは勿論である。

【００２７】上記洗浄装置にはさらに、内視鏡１の内部
に形成された吸引孔や送水孔などの内孔を洗浄するため
の内孔洗浄手段５７が１組か又は２組以上付設されてい
る。この内孔洗浄手段５７は、内視鏡１のユニバーサル
コード４の先端のコネクター部５に開口する吸引口金８
や送気・送水管接続部９等に接続するためのチューブ５
８と、このチューブ５８に切換弁６１で切換可能に接続
された洗浄用ポンプ５９及び乾燥用ポンプ６０とからな
るもので、上記チューブ５８の先端は、ケーシング１０
の内視鏡挿入口１３の内部に開口している。

【００２８】そして、上記チューブ５８を吸引口金８や
送気・送水管接続部９等に接続し、洗浄時には、上記洗
浄用ポンプ５９を使用して、内視鏡１の体内挿入部２の
先端に開口する吸引口や送気・送水口などから洗浄管１
２内の洗浄液を吸引孔や送水孔の内部に吸引し、それに
よってこれらの吸引孔や送水孔の内部を洗浄するもので
ある。この場合、上記チューブ５８から吸引口金８や送
気・送水管接続部９等を通じて吸引孔や送水孔の内部に
洗浄液を圧入し、それによってこれらの吸引孔や送水孔
の内部を洗浄するようにしても良い。また、洗浄終了後
には、切換弁６１を切り換えて乾燥用ポンプ６０を使用
し、上記吸引孔や送水孔内に残留している洗浄液を圧縮
空気の吹き込みか又は吸引により排除して乾燥させるこ
とができる。

【００２９】次に、上記構成を有する洗浄装置で内視鏡
１を洗浄する方法の一例について説明する。先ず、ルー
プ状に湾曲する上記洗浄管１２内に、ケーシング１０上
面の内視鏡挿入口１３から、内視鏡１の体内挿入部２を
ループに沿って湾曲させながら挿入する。この場合、上
記体内挿入部２が長尺であっても、洗浄管１２がループ
状に湾曲しているため、この体内挿入部２を全体として
確実に洗浄管１２内に収容することができる。

【００３０】次に、ケーシング１０上面の投入口１７か
ら内視鏡挿入口１３を通じて洗浄管１２内に酵素洗剤を
投入すると共に、蛇口からの水道水を、水道水用管路３
１及びバルブ３６ａを通じて給液口２６から洗浄管１２
内に供給する。その供給は、水道水が洗浄管１２全体に
充満したあと、内視鏡挿入口１３内にも充満し、その一
部が第１隔壁４３をオーバーフローして補助室４４内に
流入すると共に、第２隔壁４５をオーバーフローして排
出口から流出するまで行われる。

【００３１】上記酵素洗剤入り水道水の供給が終了する
と、バルブ３６ａが閉じられ、バイパス流路５０中のポ
ンプ５０ｂが起動すると共に、気泡発生手段５１及びバ
イブレーター５２が起動して、酵素洗剤入り水道水によ
る第１洗浄工程が行われる。このとき、上記洗浄管１２
内においては、洗浄液が上記バイパス流路５０によって
第１端１２ａ側から第２端１２ｂ側に向けて強制的に還
流させられることにより、第２端１２ｂ側から第１端１
２ａ側に向かう高速の循環流が発生しており、この循環
流との接触により内視鏡１は、その表面に付着したぬめ
りやゼリー状物質が洗い流される。

【００３２】また、上記気泡発生手段５１で洗浄液中に
気泡が吹き込まれることにより、該洗浄液の撹拌が促進
されて洗浄効果がより向上する。さらに、上記バイブレ
ーター５２による洗浄管１２の振動により、該洗浄管１
２の内部で内視鏡１が相対的に変移あるいは振動して洗
浄液流と確実に接触するだけでなく、洗浄管１２の内面
に接触した内視鏡部分が該洗浄管１２から離れて洗浄液
と接触し易くなるため、該内視鏡１が洗浄管１２に接触
したままになってその部分が洗浄されないといった不都
合が解消され、該内視鏡１の外面全体が確実に洗浄され
ることになる。

【００３３】なお、上記内視鏡外面の洗浄と並行して、
その内部に形成された吸引孔や送水孔などの洗浄が、上
記内孔洗浄手段５７を使用して行われる。このとき、切
換弁６１の切換により洗浄用ポンプ５９が使用され、内
視鏡１の体内挿入部２の先端に開口する吸引口や送気・
送水口などから、洗浄管１２内の洗浄液が上記吸引孔や
送水孔内に吸引されることによってその内部が洗浄され
る。

【００３４】上記酵素洗剤入り水道水による第１洗浄工
程が終了すると、バルブ２２が開放すると共にポンプ２
３が起動して、洗浄管１２内の洗浄液は排液口２０から
吸引により強制的に排出される。このとき、上記洗浄管
１２の内部がループの下端部において小径の通路５５で
短絡されているため、一部の洗浄液が吸引されずにルー
プの下半部に残ることがなく、それを完全に排出するこ
とができる。

【００３５】上記洗浄液の排出が完了すると、強アルカ
リ性水による第２洗浄工程が行われる。すなわち、第１
タンク３２内のアルカリ性水が、アルカリ性水用管路３
３によりバルブ３６ｂを通じて洗浄管１２内に供給さ
れ、そのあとバイパス流路５０中のポンプ５０ｂが起動
すると共に、気泡発生手段５１及びバイブレーター５２
が起動して、アルカリ性水による洗浄が上記酵素洗剤入
り水道水による場合と全く同様に行われる。そしてこの
第２洗浄工程により、内視鏡１に付着した脂肪や血液、
たんぱく質等が溶解、除去される。この場合にも、内視
鏡１の内部の吸引孔や送水孔などの洗浄が、上記内孔洗
浄手段５７を使用して同時に行われる。

【００３６】アルカリ性水による上記第２洗浄工程が終
了すると、強酸性水による第３洗浄工程が行われる。す
なわち、第２タンク３４内の酸性水が、酸性水用管路３
５によりバルブ３６ｃを通じて洗浄管１２内に供給さ
れ、そのあとバイパス流路５０中のポンプ５０ｂが起動
すると共に、気泡発生手段５１及びバイブレーター５２
が起動して、酸性水による洗浄が上記アルカリ性水によ
る場合と全く同様に行われる。そして、この酸性水を使
用した第３洗浄工程により、内視鏡１の洗浄及び殺菌が
行われる。この場合にもまた、内視鏡１の内部の吸引孔
や送水孔などの殺菌、洗浄が、上記内孔洗浄手段５７を
使用して同時に行われる。

【００３７】酸性水による上記第３洗浄工程が終了する
と、再び水道水による第４洗浄工程が行われる。すなわ
ち、水道水用管路３１により水道水がバルブ３６ａを通
じて洗浄管１２内に供給され、そのあとバイパス流路５
０中のポンプ５０ｂが起動すると共に、気泡発生手段５
１及びバイブレーター５２が起動して、水道水によるす
すぎのための洗浄が上記酸性水による場合と全く同様に
行われる。そして、この水道水を使用した第４洗浄工程
によって、内視鏡１に付着した酸性水が完全に洗い流さ
れ、酸による内視鏡１の劣化の防止と、内視鏡１の後処
理の簡素化とが図られる。この場合にも、内視鏡１の内
部の吸引孔や送水孔などのすすぎ洗浄が、上記内孔洗浄
手段５７を使用して同時に行われる。

【００３８】上記洗浄が全て終了すると、上記内孔洗浄
手段５７の切換弁６１が切り換えられて乾燥用ポンプ６
０が使用され、上記吸引孔や送水孔内に圧縮空気が吹き
込まれるか又は吸引されることにより、これらの吸引孔
や送水孔内に残留している洗浄液が排除されてその内部
が乾燥される。

【００３９】かくして洗浄された内視鏡１は、洗浄管１
２から取り出され、外面の乾燥やその他の必要な後処理
が施される。

【００４０】

【発明の効果】このように本発明によれば、長尺の内視
鏡を小さい洗浄スペースと少ない洗浄液量とで確実に洗
浄することができ、経済的で洗浄効果に勝れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る内視鏡洗浄装置の一実施形態を示
す斜視図である。

【図２】図１の洗浄装置の側面カバーを外した状態の側
面図である。

【図３】本発明に係る洗浄装置の全体の構成図である。

【図４】図１の洗浄装置の上面の一部を拡大して示す斜
視図である。

【図５】内視鏡の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１内視鏡２挿入部１０ケーシング１１洗浄機構１２洗浄管１２ａ第１端１２ｂ第２端２０排液口２２継手２３ポンプ２６給液口２８洗浄液供給機構５０バイパス流路５０ａ管路５０ｂポンプ５１気泡発生手段５２バイブレーター５５通路５７内孔洗浄手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ０８Ｂ 9/027 Ｂ０８Ｂ 9/06 Ｆターム(参考） 3B116 AA12 AA46 AB01 AB43 BB03 BB62 BB77 BB87 CC03 3B201 AA12 AA46 AB01 AB43 BB04 BB62 BB87 BB92 BB94 BB96 CB12 CC01 CC12 CC15 4C061 AA00 BB02 CC06 DD03 GG07 GG10

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上部に内視鏡を挿入するための挿入口を有
し、底部にバルブにより開閉自在の排液口を有するケー
シングと、可撓性あるチューブをループ状に折り曲げることにより
形成され、上記ケーシング内にループを縦向きにした状
態に設置されて第１端が上記内視鏡挿入口に接続される
と共に、反対側の第２端が上記排液口に接続された洗浄
管と、上記洗浄管内に洗浄液を供給するための洗浄液供給機構
と、上記洗浄管の第１端側と第２端側とを結ぶ外部管路と、
この管路中に設けられたポンプとにより構成され、これ
らの管路及びポンプを通じて洗浄管内の洗浄液を第１端
側から第２端側に向けて強制的に還流させることによ
り、該洗浄管内に第２端側から第１端側に向かう洗浄液
の循環流を生じさせるバイパス流路と、上記排液口に上記バルブを介して接続された排液用ポン
プと、を有することを特徴とする内視鏡の洗浄装置。
【請求項２】請求項１に記載の洗浄装置において、上記
洗浄管の第２端寄りの位置に、該洗浄管内の洗浄液中に
気泡を吹き込むための気泡発生手段が接続されているこ
とを特徴とするもの。
【請求項３】請求項１又は２に記載の洗浄装置におい
て、上記洗浄管が、両端部においてケーシングに固定的
に支持されていて、中間部分は振動自在なるように設置
され、この中間部分に、該洗浄管を振動させるためバイ
ブレーターが接続されていることを特徴とするもの。
【請求項４】請求項１から３までの何れかに記載の洗浄
装置において、ループ状に湾曲する上記洗浄管の互いに
交差する管部分同士が、ループの下端部において小径の
通路により相互に連通せしめられていることを特徴とす
るもの。
【請求項５】請求項１から４までの何れかに記載の洗浄
装置において、上記洗浄管が、第２端側の端部に洗浄液
用の給液口を有していて、この給液口に上記洗浄液供給
機構が接続されており、かつこの洗浄液供給機構が、水
道水と、塩水の電気分解により得られるアルカリ性水及
び酸性水とを、選択的に供給可能であることを特徴とす
るもの。
【請求項６】請求項１から５までの何れかに記載の洗浄
装置において、該洗浄装置が、内視鏡の内部の各通孔に
上記洗浄管内の洗浄液を吸入又は圧入により循環させて
該通孔を洗浄するための、内部通孔洗浄手段を有するこ
とを特徴とするもの。
【請求項７】可撓性のあるチューブをループ状に折り曲
げることにより形成され、ループを縦向きにした状態に
設置されて第１端が内視鏡挿入口に接続されると共に、
反対側の第２端がバルブで開閉自在の排液口に接続され
た洗浄管内に、上記挿入口から内視鏡の体内挿入部をル
ープに沿って湾曲させながら挿入する工程と、上記洗浄管内に酵素洗剤及び水道水を供給する工程と、上記洗浄管内の酵素洗剤入り水道水を、外部に設けたバ
イパス流路を通じて第１端側から第２端側に向けて強制
的に還流させることにより、該洗浄管内に第２端側から
第１端側に向かう水道水の循環流を生じさせて内視鏡を
洗浄する第１洗浄工程と、上記洗浄管内の水道水を排液口から排出する工程と、上記洗浄管内に塩水の電気分解により生成されたアルカ
リ性水を供給する工程と、上記洗浄管内のアルカリ性水を、バイパス流路を通じて
第１端側から第２端側に向けて強制的に還流させること
により、該洗浄管内に第２端側から第１端側に向かうア
ルカリ性水の循環流を生じさせて内視鏡を洗浄する第２
洗浄工程と、上記洗浄管内のアルカリ性水を排出する工程と、上記洗浄管内に塩水の電気分解により生成された酸性水
を供給する工程と、上記洗浄管内の酸性水を、バイパス流路を通じて第１端
側から第２端側に向けて強制的に還流させることによ
り、該洗浄管内に第２端側から第１端側に向かう酸性水
の循環流を生じさせて内視鏡を洗浄する第３洗浄工程
と、上記洗浄管内の酸性水を排出する工程と、上記洗浄管内に水道水を供給する工程と、上記洗浄管内の水道水を、バイパス流路を通じて第１端
側から第２端側に向けて強制的に還流させることによ
り、該洗浄管内に第２端側から第１端側に向かう水道水
の循環流を生じさせて内視鏡を洗浄する第４洗浄工程
と、上記洗浄管内の水道水を排出する工程と、を有すること
を特徴とする内視鏡の洗浄方法。
【請求項８】請求項７に記載の洗浄方法において、上記
各洗浄工程中にそれぞれ、洗浄管内の洗浄液中に気泡を
吹き込む工程と、内視鏡の体内挿入部が洗浄管の内面に
接触したままになるのを防止すべく該洗浄管を振動させ
る工程との、少なくとも何れか一方を含むことを特徴と
するもの。