JP2002052007A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
磁気共鳴イメージング装置Info
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Abstract
を生成する。 【解決手段】1回のスピンの励起で、同一位相エンコー
ドでエコー時間の異なる複数のエコー信号405、406を計
測するパルスシーケンスを実行する。これら複数のエコ
ー信号のうち、形態(解剖学的情報)の取得に適したエ
コー時間TE1に取得したエコー信号405を用いて形態画像
を再構成する。一方、温度計測に適したエコー時間TE2
に取得したエコー信号406を用いて位相法を適用した温
度変化分布画像を生成する。形態画像に用いるエコー信
号はスピンエコー信号とすることができる。
Description
おける被検体の形態(解剖学的情報)および温度分布の
計測の技術に関するものである。
netic Resonance Imaging)という)装置は、磁気共鳴
現象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子
核スピンの密度分布、緩和時間分布等を計測して、その
計測データから、被検体の断面を画像表示するものであ
る。
タとして使用するインターベンショナルMRI(IV-MRI; I
nterventional MRI)が注目をあびている。このようなIV
-MRIが適用される治療としては、レーザー治療、エタノ
ールなどの薬物注入、RF照射切除、低音治療などがあ
り、これらの治療において、MRIは、患部に穿刺針や細
管を到達させるためのリアルタイムイメージングによる
ガイドや、治療中の組織変化の可視化や、加熱・冷却治
療中の局所温度のモニタや、レーザ治療中における体内
温度分布の画像化の用に用いられている。
測する技術としては、核磁気共鳴(NMR)信号強度から温
度分布を求める信号強度法、NMR信号の位相シフトから
温度分布を求める位相法(PPS; Proton Phase Sift
法)、NMR信号の温度に依存する拡散係数から求める方
法などが知られている。
詳細について、グラディエントエコー信号の位相情報か
ら温度分布を求める場合を例にとり説明する。
スライス位置に応じて選択したスライス選択傾斜磁場Gs
102と90゜高周波パルスRF101を印加して、被検体の目的
とするスライスの原子核スピンを励起し、引き続き、位
相エンコード傾斜磁場Gp103、周波数エンコード/読み
取り傾斜磁場Gr104を印加することにより、スライス内
の位置情報としてエンコードしたグラディエントエコー
信号105を発生させ、これを検出するパルスシーケンス
を用い、このパルスシーケンスを、位相エンコード傾斜
磁場Gp103を変化させながら繰り返す。
号を二次元フーリエ変換して求まる複素画像の実部Sr
(x,y)と虚部Si(x,y)から、たとえば、式(1)に従って
位相分布φ(x,y)を求める。
周波パルスRF101を印加した時点からグラディエントエ
コー信号が最大となる時点との時間的間隔(エコー時
間)TE(ms)、共鳴周波数f(Hz)、水の温度係数-0.01
(ppm/℃)より、たとえば、式(2)に従って温度分布T
(x,y)を求める。
計測法の原理について、同様にグラディエントエコー信
号の位相情報から温度分布を求める場合を例にとり説明
する。
て取得したグラディエントエコー信号の信号強度Sは、
繰り返し時間TR、エコー時間TE、縦緩和時間T1、横緩和
時間T2、フリップ角α、磁化強度Mを用いて、式(3)で
表される。
化する。たとえば、肝臓のT1の温度変化は2.5ms/℃であ
る。よって、式(3)による信号強度も温度に依存して変
化し、この信号強度に依存してMRIが生成する形態画像
の輝度を変化させる。すなわち、温度が上昇した部分の
グラディエントエコー信号の信号強度は弱まり、MRIが
グラディエントエコー信号に基づき表示する形態画像の
温度が上昇した部分は、より暗く表示されることにな
る。したがって、形態画像の表示を用いて、温度の変化
をある程度、観測することができる。
信号強度法による温度分布が反映された形態画像を得る
ことができる。しかし、T1の温度依存性は組織毎に異な
るので、このような形態画像から、治療に必要とする温
度分布を読み取ることは困難である。
良く温度分布を求めることができる。しかしながら、温
度計測に適したエコー時間は、温度感度や計測温度範囲
によって定まるため、一般的に、形態画像の取得に適し
たエコー時間とは異なるものとなる。具体的には、0.3T
のMRI装置では、TE=30、20、10msとしたときの位相変化
1゜に対応する温度変化は、それぞれ0.71、1.09、2.17
℃、計測可能な温度範囲はそれぞれ130.2、195.3、390.
6℃とTEが長くなる程、温度計測の精度は向上する。一
方、形態画像(解剖学的情報)の取得に関しては、S/N
を高くとるためにTEを短くした方が好ましい。すなわ
ち、両者にとって望ましい条件は一般的に相反する。
シーケンスと温度分布を取得するためのパルスシーケン
スを、それぞれに適したエコー時間を用いて独立に実行
すれば、形態画像と温度分布の双方を良好に取得するこ
とができる。しかしながら、このようにすると、処理時
間が長くなりリアルタイム性が劣化する。これによって
温度分布計測を前述したIV-MRIへの適用することが困難
となる。さらに処理負荷の増大などの効率性の低下をも
たらすことになる。
率的に、形態画像と、温度分布または温度変化分布の双
方を良好に取得可能とすることを課題とする。
本発明に係るMRI装置は、検査対象が置かれる空間に静
磁場を発生する静磁場発生手段と、前記検査対象を構成
する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パル
スを印加する高周波パルス発生手段と、前記検査対象が
発生する核磁気共鳴信号を位相エンコードする位相エン
コーディング傾斜磁場を含む複数の傾斜磁場を前記検査
対象に印加する傾斜磁場発生手段と、前記高周波パルス
発生手段による高周波パルスの発生と前記傾斜磁場発生
手段による複数の傾斜磁場の印加を制御する制御手段
と、前記検査対象からの核磁気共鳴信号を検出する検出
手段と、前記検出手段が検出した核磁気共鳴信号に基づ
いて前記検査対象の断層の形態画像を生成する形態画像
生成手段とを有する磁気共鳴イメージング装置であっ
て、前記検出手段が検出した核磁気共鳴信号に基づいて
前記検査対象の断層の温度情報を算出する温度情報生成
手段とを有し、前記制御手段は、前記原子核スピンの1
回の励起で、位相エンコードが同じでエコー時間の異な
る複数の核磁気共鳴信号を発生するように、高周波パル
ス及び傾斜磁場の印加を制御し、前記温度情報生成手段
は、前記検出手段が1のエコー時間において検出した核
磁気共鳴信号により求まる空間位相分布に基づいて、前
記検査対象の断層の温度分布または前記検査対象の断層
の温度変化分布を、前記断層の温度情報として算出し、
前記形態画像生成手段は、前記検出手段が前記1のエコ
ー時間と異なるエコー時間で検出した核磁気共鳴信号、
または、前記1のエコー時間と異なるエコー時間で検出
した核磁気共鳴信号及び前記1のエコー時間で検出した
核磁気共鳴信号を用いて前記断層の形態画像を生成する
ことを特徴とする。
気共鳴信号のうち温度計測に適したエコー時間に計測し
た核磁気共鳴信号を温度情報生成に用い、形態(解剖学
的情報)の取得に適した核磁気共鳴信号を形態画像生成
に用いることにより、位相法による精度のよい温度情報
が得られるとともに、目的組織を高いコントラストで描
画した形態画像を得ることができる。複数の核磁気共鳴
信号のいずれを温度情報生成に用いるか、或いはいずれ
を温度情報生成に用いるかは、目的組織の緩和時間等を
考慮して適宜選択することができる。
共鳴信号は、すべてグラディエントエコー信号でもよい
し、一部、スピンエコー信号を含んでいてもよい。
は、前記制御手段が、原子核スピンを励起する第1の高
周波パルスの印加に続き、原子核スピンを反転する第2
の高周波パルスを印加し、スピンエコー信号を発生させ
るとともに、前記スピンエコー信号の発生の前または後
に傾斜磁場を印加し、グラディエントエコー信号を発生
させるように高周波パルスと傾斜磁場の発生を制御する
ことを特徴とする。
成に用いることにより、SNの優れた形態画像を得ること
ができる。
説明する。
示す。図示するように、本MRI装置は主として静磁場発
生磁気回路202と、傾斜磁場発生系203と、送信系204
と、検出系205と、信号処理系206と、シーケンサ207
と、コンピュータ208と、操作部221から構成される。
は常電導式の電磁石、または永久磁石から構成され、被
検体201内部に一様な静磁場H0を発生させる。また磁石
のボア内には、静磁場の不均一性を補正するための複数
のチャンネルを有するシムコイル218が配置され、シム
コイル218はシム電源219に接続されている。
zの3方向に強度が線形に変化する傾斜磁場Gx,Gy,Gzを発
生する傾斜磁場コイル209a、209bと、傾斜磁場電源210
とからなり、被検体201から生じる核磁気共鳴(NMR)信
号を位置情報としてエンコードする。
コイル214aを備え、シンセサイザ211により発生させた
高周波を変調器212で変調し電力増幅器213で増幅し、コ
イル214aに供給することにより被検体201の内部に高周
波磁場を発生させ、原子核スピン(以下、単にスピンと
いう)を励起させる。通常は1Hを対象とするが、31P、1
3C等の他の原子核を対象とすることもある。
R信号を検出するための検出コイル214bを備え、コイル2
14bが検出したNMR信号は増幅器215を通った後、検波器2
16で二系列のデータとして直交位相検波され、A/D変換
器217を経てコンピュータ208へ入力される。
算途中のデータや計算結果である最終データを記憶する
ROM224、RAM225、磁気ディスク226、光磁気ディスク227
等の記憶装置と、コンピュータ208での演算結果を表示
するためのCRTディスプレイ228とが含まれる。
行うためのキーボード222、マウス223等の操作部221が
備えられている。
指令に基づき傾斜磁場発生系203、送信系204および検出
系205を所定のパルスシーケンスに従って動作させる。
制御のほか、検出系205からの二系列データに二次元フ
ーリエ変換等の演算を行い、ディスプレイ228に別個に
あるいは合成して表示され形態画像と、被検体の温度変
化の分布を表す温度変化分布画像とを生成する。
コイル209、送信コイル214aおよび検出コイル214bは磁
石のボア内に配置されている。尚、送信コイル214aおよ
び検出コイル214bは送受信両用でもよく、図示のように
別々でもよい。
像と温度変化分布画像生成の動作について説明する。
磁場Gsの傾斜の方向をz軸方向、位相エンコード傾斜磁
場Gpの傾斜の方向をy軸方向、周波数エンコーディング
/読み取り傾斜磁場Grの傾斜の方向をx軸方向として説
明を行う。
コーディング傾斜磁場Gpの印加に対して、形態(解剖学
的情報)の取得に適したグラディエントエコー信号(第
1のエコー信号)と温度計測に適したグラディエントエ
コー信号(第2のエコー信号)の双方を生成させるマル
チエコーのパルスシーケンスを1スライス分行う動作
を、繰り返し行う。第1のエコー信号により、各時点に
おける形態画像を生成し、基準とする時点において求め
た第2のエコー信号および各時点において求めた第2のエ
コー信号により、基準とする時点に対する各時点の温度
変化分布を表す温度変化分布画像を生成する。
エンコーディング傾斜磁場Gpの印加に対して、少なくと
も2つのグラディエントエコー信号を生成させるマルチ
エコーのパルスシーケンスの例を図2を用いて説明す
る。ただし、このパルスシーケンスは一例であり、複数
のグラディエントエコーを発生させるパルスシーケンス
としては図2に示したものの他、SARGE, TRSARGE, RSSAR
GEなどの高速GrE(グラディエントエコー)シーケンス
(いわゆるSSFP; Steady State Free Precession系のシ
ーケンス)や、GrE型のEPI; Echo Planar Imagingシー
ケンスや、これらの修正などの、少なくとも単一の位相
エンコーディング傾斜磁場Gpの印加に対してマルチエコ
ーを観測できる任意のパルスシーケンスを用いることが
できる。
目的とするスライスのz方向位置に応じて選択したスラ
イス選択傾斜磁場Gs402と90゜高周波パルスRF401を印加
して、被検体の目的とするスライスの原子核スピンを励
起し、引き続き、位相エンコード傾斜磁場Gp403を印加
する。次に形態(解剖学的情報)の取得に適したエコー
時間TE1(たとえば、15ms)にグラディエントエコー信
号405が発生するように読み取り傾斜磁場Gr404を反転さ
せて、スピン位相を拡散、再収束させる。こうしてエコ
ー時間TE1に、エコー信号405を検出する。
(たとえば、30ms)で次のグラディエントエコー信号40
6が発生するように読み取り傾斜磁場Gr404を反転させ
る。こうしてエコー時間TE2にエコー信号406を検出す
る。このパルスシーケンスで得られた各グラディエント
エコー信号は、位相エンコード傾斜磁場Gp403によってy
方向の位置情報が位相に、読み取り傾斜磁場Gr404の印
加シーケンスによってx方向の位置情報が周波数にエン
コードされたものとなる。
コード傾斜磁場Gp403の強度を例えば128段階に変化させ
ながら繰り返し、1スライス分のエコー時間TE1とTE2の
グラディエントエコー信号を得る。以下、この1スライ
ス分のエコー時間TE1とTE2のエコー信号を得る動作を、
1回の撮影と呼ぶ。
繰り返して、撮影の各時点における、形態画像と温度分
布画像を生成する。
分画像の生成動作の詳細について説明する。
の生成の手順を示す。
どされて処理を開始すると、コンピュータ208は、予め
インストールされたプログラムに従った図3に示す処理
を開始し、まず、第1回目の撮影を行う(ステップ30
1)。そして、撮影の結果得られた1スライス分のTE2の
エコー信号を二次元フーリエ変換して得られる複素画像
を求め、これを基準複素画像として記憶する(ステップ
302)。
E1のエコー信号に、従来の形態画像生成と同様に二次元
フーリエ変換を施して、形態画像(強度画像)を生成す
る(ステップ303)。この場合、TE1のエコー信号とTE2
のエコー信号を加算した信号を用いてもよい。加算によ
りSNを向上することができる。但し、TE1、TE2の差が大
きい場合には、形態画像において目的とする組織以外の
部分のコントラストが大きくなってしまう可能性もある
ので、その場合には加算は行わない。
等されていないかどうかを調べ(ステップ304)、計測
の終了が指示されていない場合には、計測の終了が指示
されるまで、ステップ305〜ステップ309の処理を繰り返
し行う。ただし、所定の時間的間隔で計測を行う場合に
は、ステップ304で観測の終了が指示されていないと判
定した後、次の計測開始時刻となるのを待って、ステッ
プ305〜ステップ309の処理に進むようにする。
ず、ステップ305で新たに撮影を行い、今回の撮影の結
果得られた1スライス分のTE2のエコー信号を二次元フー
リエ変換して得られる複素画像を求め、これを現複素画
像とする(ステップ306)。次に、先にステップ302で求
めた基準複素画像と現複素画像との間で、複素差分演算
を行い(ステップ307)、演算結果に対して、第1回目の
撮影時と今回の撮影時の静磁場変動の影響の補正を施す
(ステップ308)。
して空間位相分布を求め(ステップ309)、求めた空間
位相分布に式(2)を適用して温度変化分布画像を生成
する(ステップ310)。
から今回の撮影時点までの被検体の温度変化の分布を表
すものとなる。
ス分のTE1のエコー信号、または、TE1のエコー信号とTE
2のエコー信号を加算した信号に、二次元フーリエ変換
を施して、形態画像(強度画像)を生成する(ステップ
303)。
し、各時点で生成された形態画像と、温度変化分布画像
を表示する。表示の方法としては、形態画像と温度分布
画像とを並列に表示してもよいし、温度分布画像から得
られる温度情報を形態画像に重ねて表示することも可能
である。
形態画像901をディスプレイ228の表示面の右半分に表示
し、温度変化分布画像902をディスプレイ228の表示面の
左半分に表示する。温度変化分布画像は温度変化が一目
でわかるように所定の色分けを成して表示するようにし
てもよい。或いは図4(b)に示すように、形態画像をディ
スプレイ228の表示面の全面に表示し、温度変化分布画
像903を縮小してディスプレイ228の表示面の任意の位置
に移動可能に表示してもよい。この表示形態によれば形
態画像を大きく表示でき、関心領域の観察に邪魔になら
ない位置に温度変化分布画像903をウインドウ形式で表
示することができる。
ディスプレイの全面に表示し、温度変化分布画像より求
まる温度変化分布を等高線904や数値905によって、形態
画像に重畳して表示することも可能である。このような
表示形態によれば、一つの画像で、形態(解剖学的情
報)と温度変化のモニターすることができるようにな
る。
像)は、信号強度法による温度分布を、その濃淡により
定性的に表すものとなる。したがって、以上のような形
態画像と温度変化分布画像の表示は、信号強度法による
定性的な温度分布と、位相法による定量的な温度変化分
布を、形態と共に表示するものと捉えることができる。
画像と現複素画像間で複素差分を行って、差分から空間
位相分布を求め、温度変化分布を求めたが、これは、等
価な結果を得られるものであれば、たとえば、基準複素
画像と現複素画像それぞれから空間位相分布と温度分布
を求め、求めた二つの温度分布の差分を温度変化分布と
するなどの他の手順によって行うようにしてもよい。ま
た、以上の温度変化分布の生成において、被検体以外の
部分をマスクするような処理を行うようにしてもよい。
被検体部分の抽出は、複素画像においてS(x,y)の絶対値
が適当な閾値以上の(x,y)、たとえば、S(x,y)の絶対
値がS(x,y)の最大値の絶対値の20%以上の(x,y)とし
て抽出することができる。また、以上のような温度変化
分布画像の生成に際しては、ステップ308で行った静磁
場変動の補正の他、式(1)のアークタンジェント演算
により生じるアークタンジェントエリアシングの補正な
どの、適当な補正をさらに行うようにしてもよい。
形態画像と温度変化分布画像生成の第1の動作例につい
て説明した。
形態画像と温度変化分布画像生成の第2の動作例につい
て説明する。
つ単一の位相エンコーディング傾斜磁場Gpの印加に対し
て、形態(解剖学的情報)の取得に適したスピンエコー
信号と温度計測に適したグラディエントエコー信号の双
方を生成させるマルチエコーのパルスシーケンスを行
う。このパルスシーケンスによって1スライス分のスピ
ンエコー信号とグラディエントエコー信号を得る。この
ような1スライスの撮影を時系列的に連続して行う点は
第1の動作例と同様である。各時点において求めた1スラ
イス分のスピンエコー信号より各時点における形態画像
を生成する。また基準とする時点において求めた1スラ
イス分のグラディエントエコー信号と各時点において求
めた1スライス分のグラディエントエコー信号信号とよ
り、基準とする時点に対する各時点の温度変化分布を表
す温度変化分布画像を生成する。
は、まず、目的とするスライスのY方向位置に応じて選
択したスライス選択傾斜磁場Gs503と90゜高周波パルスR
F501を印加して、被検体の目的とするスライスの原子核
スピンを励起し、引き続き、位相エンコード傾斜磁場Gp
505を印加する。次にスライス選択傾斜磁場Gs504と180
゜高周波パルスRF502を印加して目的とするスライスの
原子核スピンを反転させる。
周波パルスRF501の印加から180゜高周波パルスRF502印
加までの時間TE1/2と同じ時間が経過した時点、すなわ
ち90゜高周波パルスRF501の印加からエコー時間TE経過
後にスピンエコー信号507が発生する。ここで読み取り
傾斜磁場Gr506を印加、反転して、スピンエコー信号507
を検出する。
転させて、スピンエコー信号507発生からε経過後に、
グラディエントエコー信号508を発生させてこれを検出
する。
コード傾斜磁場Gp505の強度を例えば128段階に変化させ
ながら繰り返し、1スライス分のスピンエコー信号とグ
ラディエントエコー信号を得る撮影を行う。そして、同
じスライスに対して、このような撮影を繰り返して、撮
影の各時点における、形態画像と温度分布画像を生成す
る。
画像の生成は、前記第1の動作例とほぼ同様であるが、
図3ステップ303における形態画像の生成では、1スライ
ス分のスピンエコー信号を二次元フーリエ変換して、形
態画像を生成する。この場合にも画像の劣化を招かない
範囲で、グラディエントエコー信号の加算を行ってもよ
い。
際しては、検出するスピンエコー信号とグラディエント
エコー信号の時間的間隔εをTEとして式(2)を適用す
る。
の後のステップは前記第1動作例と同様である。
形態画像と温度変化分布画像生成の第3の動作例につい
て説明する。
のスピンの励起且つ単一の位相エンコーディング傾斜磁
場Gpの印加に対して、形態(解剖学的情報)の取得に適
したスピンエコー信号と温度計測に適したグラディエン
トエコー信号の双方を生成させるマルチエコーのパルス
シーケンスを行う。但し、この動作例では、形態の取得
に適したスピンエコーを、温度計測に適したグラディエ
ントエコー信号よりも時間的に後に、発生取得する。こ
の動作例は、TE1を長くとることができるので、形態画
像としてT2強調画像を得るのに適している。
ンスを示す。このパルスシーケンスでは、まず、目的と
するスライスのz方向位置に応じて選択したスライス選
択傾斜磁場Gs603と90゜高周波パルスRF601を印加して、
被検体の目的とするスライスの原子核スピンを励起し、
引き続き、位相エンコード傾斜磁場Gp605を印加する。
次いで、スライス選択傾斜磁場Gs604と180゜高周波パル
スRF602を印加して目的とするスライスの原子核スピン
を反転させる。
コー時間TE1の半分TE1/2が経過した時点でスピンエコ
ーが発生するが、このスピンエコーに先立って、読み取
り傾斜磁場Gr606を印加、反転させて、スピンエコー発
生時点よりε前にグラディエントエコー信号607を発生
させてこれを検出する。
コード傾斜磁場Gp605の強度を例えば128段階に変化させ
ながら繰り返し、1スライス分のグラディエントエコー
信号とスピンエコー信号を得る撮影を行う。同じスライ
スに対して、このような撮影を繰り返して、撮影の各時
点における、形態画像と温度分布画像を生成する。
度分布画像の生成も、第2の動作例と同様に、図3ステッ
プ303における形態画像の生成では、1スライス分のTE1
のスピンエコー信号、または、スピンエコー信号とグラ
ディエントエコー信号を加算した信号を二次元フーリエ
変換して、形態画像を生成する。また、ステップ310の
温度変化分布画像の生成に際しては、検出するグラディ
エントエコー信号とスピンエコー信号との時間的間隔ε
をTEとして式(2)を適用する。
の後のステップは前記第1動作例と同様である。
た。なお、以上の実施形態では温度変化分布画像として
被検体の時間的な温度変化分布を求める場合について示
したが、温度変化分布に代えて単に各時点の温度分布を
求め、これを提示するようにしてもよい。
のスピンの励起と単一の位相エンコーディング傾斜磁場
Gpの印加に対して、形態(解剖学的情報)の取得に適し
たエコー時間のエコー信号と、温度計測に適したエコー
時間のエコー信号の双方を生成するパルスシーケンスに
より、これらエコー信号を収集し、位相法を適用した精
度良い温度変化または温度分布と、S/Nの高い良好な形
態画像の双方を生成することができる。すなわち、形態
(解剖学的情報)の取得に適したエコー信号と、温度計
測に適したエコー時間のグラディエントエコー信号の生
成に関し、少なくとも部分的に共通化されたパルスシー
ケンスにより、これら双方のエコー信号を収集するの
で、これら双方のエコー信号をそれぞれ独立したパルス
シーケンスによりそれぞれ収集する場合に比べ、より高
速かつ少ない処理負荷で、形態画像と温度分布または温
度変化分布の双方を良好に取得することができる。
に、形態画像と、温度分布または温度変化分布の双方を
良好に取得することができる。
ブロック図。
によるパルスシーケンスを示すタイミングチャート。
による形態画像と温度変化分布画像の生成手順を示すフ
ローチャート。
による形態画像と温度変化分布画像の表示形態の例を示
す図。
によるパルスシーケンスを示すタイミングチャート。
によるパルスシーケンスを示すタイミングチャート。
計測のためのパルスシーケンスを示すタイミングチャー
ト。
Claims (3)
- 【請求項1】検査対象が置かれる空間に静磁場を発生す
る静磁場発生手段と、前記検査対象を構成する原子の原
子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パルスを印加する
高周波パルス発生手段と、前記検査対象が発生する核磁
気共鳴信号を位相エンコードする位相エンコーディング
傾斜磁場を含む複数の傾斜磁場を前記検査対象に印加す
る傾斜磁場発生手段と、前記高周波パルス発生手段によ
る高周波パルスの発生と前記傾斜磁場発生手段による複
数の傾斜磁場の印加を制御する制御手段と、前記検査対
象からの核磁気共鳴信号を検出する検出手段と、前記検
出手段が検出した核磁気共鳴信号に基づいて前記検査対
象の断層の形態画像を生成する形態画像生成手段とを有
する磁気共鳴イメージング装置であって、 前記検出手段が検出した核磁気共鳴信号に基づいて前記
検査対象の断層の温度情報を算出する温度情報生成手段
とを有し、 前記制御手段は、前記原子核スピンの1回の励起で、位
相エンコードが同じでエコー時間の異なる複数の核磁気
共鳴信号を発生するように、高周波パルス及び傾斜磁場
の印加を制御し、 前記温度情報生成手段は、前記検出手段が1のエコー時
間において検出した核磁気共鳴信号により求まる空間位
相分布に基づいて、前記検査対象の断層の温度分布また
は前記検査対象の断層の温度変化分布を、前記断層の温
度情報として算出し、 前記形態画像生成手段は、前記検出手段が前記1のエコ
ー時間と異なるエコー時間で検出した核磁気共鳴信号、
または、前記1のエコー時間と異なるエコー時間で検出
した核磁気共鳴信号及び前記1のエコー時間で検出した
核磁気共鳴信号を用いて前記断層の形態画像を生成する
ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 【請求項2】請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置
であって、 前記制御手段は、原子核スピンを励起する第1の高周波
パルスの印加に続き、原子核スピンを反転する第2の高
周波パルスを印加し、スピンエコー信号を発生させると
ともに、前記スピンエコー信号の発生の前または後に傾
斜磁場を印加し、グラディエントエコー信号を発生させ
るように高周波パルスと傾斜磁場の発生を制御すること
を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 【請求項3】請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置
であって、 形態画像生成手段は、スピンエコー信号を用いて前記断
層の形態画像を生成することを特徴とする磁気共鳴イメ
ージング装置。
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