JP2002050969A - 通信路復号方法および装置 - Google Patents

通信路復号方法および装置

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JP2002050969A JP2000235717A JP2000235717A JP2002050969A JP 2002050969 A JP2002050969 A JP 2002050969A JP 2000235717 A JP2000235717 A JP 2000235717A JP 2000235717 A JP2000235717 A JP 2000235717A JP 2002050969 A JP2002050969 A JP 2002050969A
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YRP KOKINO IDOTAI TSUSHIN KENK
YRP Advanced Mobile Communication Systems Research Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送信単位の時間幅内での受信信号レベルの変
動が急速になった場合でも、再生音声品質の明瞭性また
は了解性の低下を抑える。 【解決手段】 受信信号を復調して得られるアナログ信
号をNビット量子化器(35)でNビット量子化した軟判定
復調データをビタビ復号器(36)で軟判定復号した後、誤
り検出器(37)で誤り検出を行う。その結果、誤り有りと
判定された場合、繰返し復号制御器(38)は、レベル調整
器(34)にスケーリング情報(k2)を供給して、スケーリン
グされたデータをNビット量子化器(35)に供給して前記
量子化間隔を別の値に変更して再度前記軟判定復調デー
タを作り、それに対して前記軟判定復号および前記誤り
検出を前記誤り検出において誤りが検出されなくなるま
で、または予め設定された繰返し回数に達するまで繰り
返す。その結果誤り無しと判定された場合に、誤り見逃
し検出器(40)で復号された前記音声情報ビット列から再
生した特徴パラメータの統計的性質を利用して誤り見逃
しを検出して、誤り検出結果を誤り有りに修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、公共業務用等のデ
ィジタル移動通信システムなどにおいて、ディジタル化
された音声情報を伝送誤りから保護するために用いる通
信路復号方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信で音声信号を伝送する場合、周
波数利用効率を向上させるため、高能率音声符号化技術
が用いられる。この高能率音声符号化方式としては、適
応型差分パルス符号変調方式(ADPCM)のように音声の
持つ特徴を積極的に利用して効率的な圧縮を行う波形符
号化方式、音声を所定の時間間隔のフレームに分割して
フレーム毎に音声合成パラメータと残差音源信号を伝送
するCELP、VSELP、PSI−CELPなどの方
式、および、音声合成パラメータのみを伝送して更に低
い伝送速度を得るようしたLPCボコーダ、IMBE、
あるいは、本出願人が特願平11−223804号で提
案した方式などがある。
【0003】このような高能率音声符号化技術により符
号化された音声情報ビットを伝送誤りから保護するた
め、聴感上重要なパラメータに対して、CRC(Cyclic
Redundancy Check)による誤り検出符号化、畳み込み
符号化を適用して伝送し、受信側では、音声情報ビット
を復号するために、軟判定復号による最尤復号(ビタビ
復号)する方法が広く用いられている。軟判定復号は、
雑音源が存在する伝送路でディジタル信号を伝送する場
合、雑音の加わった信号を多値信号として判定し前記デ
ィジタル信号を推定する技術であり、前記の伝送された
信号を“0”または“1”の2値信号として判定する硬
判定復号に比べ誤り率を改善できる。なお、軟判定復号
についての文献としては、[1]新井清著「ターボ符号入
門」、WS No.195、PP.189-197、(株)トリケップス(1
999.10)がある。また、最尤復号(ビタビ復号)につい
ては、[2]井上徹監修「実戦 誤り訂正技術」、トリケ
ップス叢書(TR)5、PP.143-166がある。
【0004】図9は、従来の軟判定復号を用いた音声通
信システムのベースバンド処理部を示す図であり、
(a)は送信側、(b)は受信側の構成を示している。
(a)の送信側において、入力音声信号(a1)は、音声符
号化器(11)により符号化処理され、音声情報ビット(b1)
が出力される。この音声符号化器(11)として、特願平1
1−223804号で提案した符号化速度が1.6kbpsの
音声符号化方式を用いた場合、前記音声情報ビット(b1)
には特徴パラメータとして、LSF(Line Spectrum Fr
equencies)係数(スペクトル包絡情報)、ゲイン情
報、周期/非周期ピッチ・有声/無声情報コード、高域
有声/無声フラグが含まれる。以降の説明では、簡単の
ため、1つの音声符号化フレーム当りの音声情報ビット
をデータ送信単位(または送信フレーム)として考え、
以降の処理は、データ送信単位(送信フレーム)毎に実
行されるものとする。
【0005】誤り検出符号化器(12)では、音声情報ビッ
ト(b1)のうち聴感上重要なビットに対して、CRCによ
る誤り検出符号化を行い、CRC符号が付加されたビッ
ト列(c1)を出力する。誤り訂正符号化器(13)では、ビッ
ト列(c1)のうち聴感上重要なビットに対して、例えば畳
み込み符号化を実行し、誤り訂正符号化後のビット列(d
1)を出力する。ここで、ビット列(c1)のうち聴感上重要
ではないビットに対しては誤り保護は適用されず、何も
処理されずに誤り訂正符号化後のビット列(d1)の一部と
して出力される。なお、前記音声情報ビット(b1)の全て
のビットに対して前記誤り検出符号化および誤り訂正符
号化を施してもよい。次に、インターリーバ(14)によ
り、誤り訂正符号化後のビット列(d1)に対して、バース
ト誤り対策としてインターリーブが行われ、その結果で
あるインターリーブ後のビット列(e1)が出力される。
変調器(15)は、インターリーブ後のビット列(e1)を例
えば、π/4−QPSKを用いてディジタル変調し、そ
の結果である変調波(f1)は、図示しない無線部および送
信アンテナを通して通信路に出力される。
【0006】(b)の受信側では、受信アンテナを通し
て受信された、通信路で雑音が付加された変調波(g1)
は復調器(16)により例えば遅延検波方式により復調処理
される。NビットA/D変換器(17)は、復調結果である
アナログ信号(h1)をN(例えば、N=3〜8)ビットで
量子化し、軟判定復調データ(i1)を出力する。この量子
化は図4に示すように行われる。なお、図4には簡単の
ためN=3で量子化する場合を示す。同図でzj(j=
1,...,8)は量子化結果である軟判定復調データを示
す。同図において横軸は、復調器(16)からのアナログ出
力信号(h1)のレベルであり、A,−Aはそれぞれ無雑音
時の受信信号振幅に対応し、それぞれ符号化データ0,
1に対応する。また、Tは量子化間隔である。
【0007】デインターリーバ(18)は、軟判定復調デー
タ(i1)をデインターリーブ処理し、その結果である軟判
定復調データ(j1)を出力する。ビタビ復号器(19)は、軟
判定復調データ(j1)を入力し、軟判定復号を行い、音声
情報ビットおよびCRC符号(k1)を復号する。ここで用
いる軟判定復号のメトリックの例を表1に示す。
【表1】
【0008】誤り検出器(20)は、音声情報ビットおよび
CRC符号(k1)をCRC符号と音声情報ビットに分離し
た後、CRC符号を用いて、復号された音声情報ビット
に対し、誤り検出処理を行う。その結果として、復号さ
れた音声情報ビット(l1)と伝送誤りの有無を示す誤り検
出フラグ(m1)を出力する。音声復号器(21)は、誤り検出
フラグ(m1)が伝送誤り有りを示すならば、音声復号処理
を行う前に、現フレームの全パラメータを前フレームの
正常なパラメータで置き換える(パラメータ補間)。そ
して、音声復号処理を行い、再生音声信号(n1)を出力す
る。
【0009】以上説明した従来のシステムでは、A/D
変換器(17)において、軟判定復調データを作成するため
の量子化間隔Tは、予め固定的に設定されている。この
量子化間隔Tにより復号器特性が大きく左右される。こ
の間隔をあまり小さくすると各レベルの判定が不安定に
なる。Tの最適値Toptは、雑音の状況で異なり、次式
で近似されることが知られている(上記文献[2])。 Topt=α[N0/2]1/2 (1) ここで、αは0.6〜0.7、N0は雑音電力である。実際の
システムで用いられる量子化間隔Tの値は、受信信号レ
ベルのダイナミックレンジを想定し、その変動幅をカバ
ーするように、かつ軟判定利得が最大となるように設計
される。
【0010】しかし、自動車・携帯電話システム等のデ
ィジタル移動通信システムが使用される実環境の伝搬路
ではフェージングが発生し、受信信号レベルは大幅に変
動する。従って、上記のように量子化間隔Tを決定する
際に想定した変動幅から大きくずれることになる。その
ため、設定された量子化間隔Tは適切な値でなくなり、
軟判定利得の低下ひいては誤り率の増加をもたらす。こ
の問題を解決するために、例えば特開平6−224959号公
報で提案されているように、送信単位毎に受信信号の平
均レベルを求め、その平均レベルからテーブルを参照し
て量子化レンジ(間隔)定数を決定し、その定数により
軟判定復調データを作るための量子化レンジ及びレベル
調整器で、平均レベルが小さい程、量子化レンジが狭
く、レベルが小さくなるように調整することにより軟判
定復調データを得る方法等が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来提案されて
いる方法は、送信単位毎に受信信号の平均レベルを求
め、その平均レベルから軟判定復調データを作るための
量子化レンジ及びレベルを調整している。従って、デー
タ送信単位の時間幅(アクセス方式がTDMAの時はス
ロットの時間幅)に対し、フェージングによるレベル変
動が比較的緩やかな場合、つまり前記送信単位の時間幅
内でのレベル変動が比較的緩やかな場合には有効であ
る。しかし、最大ドップラー周波数が高くなったり、前
記送信単位の時間幅が大きい場合には、該送信単位の時
間幅内での受信信号レベルの変動が急速かつ急激になる
ため、適切な量子化レンジが設定されるとは限られなく
なり、得られる軟判定復調データも適切な値ではなくな
り、軟判定利得が低下する可能性がある。このような場
合、前記図9に示した音声通信システムにおいては、誤
り検出器(20)において誤り有りと判定される確率(「誤
り検出率」という)が高くなり、音声復号器(21)におい
てパラメータ補間が実行される頻度が高くなり、再生音
声の明瞭性または了解性が低下する。
【0012】そこで本発明は、前記送信単位の時間幅内
での受信信号レベルの変動が急速になった場合でも、誤
り検出率を低減、すなわち音声復号器におけるパラメー
タ補間の頻度を低減することにより、再生音声品質の明
瞭性または了解性の低下を抑えることが可能な通信路復
号方法および装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の通信路復号方法は、全てまたは一部の音声
情報ビットに対して誤り検出符号化した後、誤り訂正符
号化することにより通信路符号化したデータを対象とす
る通信路復号方法であって、受信信号を復調して得られ
るアナログ信号を所定の量子化間隔で量子化した結果で
ある軟判定復調データを用いて軟判定復号する軟判定復
号ステップ、前記軟判定復号出力に対して誤り検出処理
を行う誤り検出ステップ、および、前記誤り検出ステッ
プにおいて、誤り有りと判定された場合に、前記アナロ
グ信号を量子化する際の量子化間隔を予め定められた別
の設定値に変更して再度前記軟判定復調データを作り、
それに対して前記軟判定復号ステップおよび前記誤り検
出ステップを、前記誤り検出ステップにおいて誤り無し
と判定されるまで、または、予め設定された繰返し回数
に達するまで繰り返す繰返し復号ステップを有するもの
である。
【0014】また、前記繰返し復号ステップによる処理
の結果、誤り無しと判定された場合に、復号された前記
音声情報ビット列から特徴パラメータを再生し、該特徴
パラメータの統計的性質を利用して誤り見逃しが発生し
ているか否かを判定する誤り見逃し検出ステップ、およ
び、前記誤り見逃しステップにおいて誤り見逃しが発生
していると判定されたときに、その誤り検出結果を誤り
有りに修正するステップを有するものである。さらに、
前記誤り見逃し検出ステップは、前記特徴パラメータと
してゲイン情報を使用し、過去のフレームのゲインと現
在のフレームのゲインとの差分値の絶対値を求め、該差
分値の絶対値が予め設定された閾値より大きい場合は、
誤り見逃しが発生していると判定するものである。さら
にまた、前記誤り見逃し検出ステップは、前記特徴パラ
メータとしてピッチ周期情報を使用し、過去のフレーム
のピッチ周期と現在のフレームのピッチ周期との差分値
の絶対値を求め、該差分値の絶対値が予め設定された閾
値より大きい場合は、誤り見逃しが発生していると判定
するものである。さらにまた、前記誤り見逃し検出ステ
ップは、前記特徴パラメータとしてスペクトル包絡情報
を使用し、過去のフレームのスペクトル包絡情報と現在
のフレームのスペクトル包絡情報とのユークリッド距離
を求め、該ユークリッド距離が予め設定された閾値より
大きい場合は、誤り見逃しが発生していると判定するも
のである。さらにまた、前記誤り見逃し検出ステップ
は、ゲイン情報、ピッチ周期情報およびスペクトル包絡
情報の組合せを誤り見逃し検出条件とするものである。
【0015】さらにまた、本発明の他の通信路復号方法
は、全てまたは一部の音声情報ビットに対して誤り検出
符号化した後、誤り訂正符号化することにより通信路符
号化したデータを対象とする通信路復号方法であって、
受信信号を復調して得られるアナログ信号を所定の量子
化間隔で量子化した結果である軟判定復調データを用い
て軟判定復号する軟判定復号ステップ、前記軟判定復号
出力に対して誤り検出処理を行う誤り検出ステップ、前
記誤り検出ステップにおいて、誤り有りと判定された場
合に、前記アナログ信号を量子化する際の量子化ビット
数をより大きな値に設定して再度前記軟判定復調データ
を作り、それに対して前記軟判定復号ステップおよび前
記誤り検出ステップを、前記誤り検出ステップにおいて
誤り無しと判定されるまで、または、予め設定された繰
返し回数に達するまで繰り返す繰返し復号ステップを有
するものである。
【0016】さらにまた、本発明の通信路復号装置は、
全てまたは一部の音声情報ビットに対して誤り検出符号
化した後、誤り訂正符号化することにより通信路符号化
したデータを対象とする通信路復号装置であって、受信
信号を復調して得られるアナログ信号を所定の量子化間
隔で量子化した結果である軟判定復調データを用いて軟
判定復号するビタビ復号器と、前記ビタビ復号器の出力
に対して誤り検出処理を行う誤り検出器と、前記誤り検
出器からの誤り有りとの出力に応じて、前記アナログ信
号を量子化する際の量子化間隔を予め定められた別の設
定値に変更して再度前記軟判定復調データを作り、前記
誤り検出器において誤り無しと判定されるまで、また
は、予め設定された繰返し回数に達するまで前記ビタビ
復号器および誤り検出器を繰返し動作させる繰返し復号
制御器とを有するものである。さらにまた、前記繰返し
動作中に誤り無しと判定されたとき、復号された前記音
声情報ビット列から特徴パラメータを再生し、該特徴パ
ラメータの統計的性質を利用した誤り見逃しが発生して
いるか否かを判定し、誤り見逃しが発生していると判定
されたときに、その誤り検出結果を誤り有りに修正する
誤り見逃し検出器を有するものである。さらにまた、前
記誤り見逃し検出器は、前記特徴パラメータとしてゲイ
ン情報、ピッチ周期情報あるいはスペクトル包絡情報の
いずれか1つまたはそれらの組合せを用いて前記誤り見
逃しが発生しているか否かを判定するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の通信路復号方法
が適用された通信路復号装置の構成を示すブロック図で
ある。但し、送信側の処理は、前記図9の(a)に示し
た従来例と同じである。図1において、受信アンテナを
通して受信された、通信路で雑音が付加された変調波
(a2)は復調器(30)により例えば遅延検波方式により復
調処理される。MビットA/D変換器(31)は、復調結果
であるアナログ信号(b2)を例えばM=15ビットで量子化
し、ディジタル化された復調データ(c2)を出力する。こ
こでの量子化範囲は、フェージングなどによる受信信号
のレベル変動を考慮して、その変動幅をカバーするよう
に最適な値に設定する。以降は、データ受信単位(前記
データ送信単位(送信フレーム)に対応)毎の処理であ
る。
【0018】デインターリーバ(32)は、16ビットでディ
ジタル化された復調データ(c2)をデインターリーブ処理
し、その結果である(d2)をバッファ(33)に出力する。バ
ッファ(33)は受信単位(1復号フレーム)分のディジタ
ル化された復調データを保持する。レベル調整器(34)
は、繰返し復号制御器(38)からのスケーリング情報(k2)
に基づいて、バッファ(33)からの出力である1復号フレ
ーム分の復調データ(e2)に対しレベル調整を行い(f2)を
出力する。繰返し復号の制御については後で説明する。
Nビット量子化器(35)はレベル調整後のディジタル化さ
れた復調データ(f2)をNビット(N<M、Nは3〜8ビ
ット)で再量子化し、N(例えば3)ビット量子化され
た軟判定復調データ(g2)を出力する。ここで、前記デ
ィジタル化された復調データ(f2)は、前述のように前記
MビットA/D変換器(31)で量子化されたMビットのデ
ータであり、Nビット量子化器(35)は、該Mビット中の
所定の位置にあるNビットを抽出することにより、前記
再量子化を行う。ビタビ復号器(36)は、3ビットで量子
化された軟判定復調データ(g2)を入力し、軟判定復号を
行い、音声情報ビットおよびCRC符号(h2)を復号す
る。ここで用いる軟判定復号のメトリックは前記表1に
示したものを使用する。
【0019】誤り検出器(37)は、音声情報ビットおよび
CRC符号(h2)をCRC符号と音声情報ビットに分離し
た後、CRC符号を用いて、復号された音声情報ビット
に対し、誤り検出処理を行う。その結果として、復号さ
れた音声情報ビット(i2)と伝送誤りの有無を示す誤り検
出フラグ(j2)を出力する。音声復号器(39)は、音声情報
ビット(i2)に対し音声復号処理を行い、再生音声信号(l
2)を出力する。但し、誤り検出フラグ(j2)が伝送誤り有
りを示すならば、音声復号処理を行う前に、現フレーム
の全パラメータを前フレームの正常なパラメータで置き
換えた後(パラメータ補間)、音声復号処理を行い、再
生音声信号(l2)を出力する。
【0020】以下に、前記繰返し復号処理について説明
する。繰返し復号制御器(38)は、誤り検出器(37)の出力
である誤り検出フラグ(j2)を入力し、それが誤り有りを
示す場合、Mビットで量子化された復調データ(e2)をN
(<M)ビットで再量子化する際の量子化間隔を予め定
められた別の設定値に変更して再度軟判定復調データ(g
2)を作る。この原理を図4および図5を参照して説明す
る。図4は通常の3ビットでの量子化方法を示す説明図
であり、zj(j=1,...,8)は量子化結果である軟判定復
調データを示す。同図において横軸は、ディジタル化さ
れた復調データ(e2)のレベルであり、A,−Aはそれぞ
れ無雑音時の受信信号レベルに対応し、またそれぞれ符
号化データ0,1に対応する。また、Tは量子化間隔で
ある。
【0021】本発明で提案する通信路復号方法は、図4
に示す通常の量子化により作られた判定復調データ(g2)
に対する軟判定ビタビ復号後の誤り検出結果(誤り検出
フラグ(j2))が誤り有りを示す場合には、図5に示すよ
うに量子化間隔Tをx倍し、再度3ビットで量子化して
軟判定復調データ(g2)を作る。同図(a)はx=2、
(b)はx=0.5の場合を示す。ここで、量子化間隔T
をx倍して量子化することは、Mビットで量子化された
復調データ(e2)を1/x倍にスケーリングした後、図4
に示した通常の量子化を行うことに等しい。従って、こ
の処理を実現するには、繰返し復号制御器(38)から予め
定められた1/xの設定値(スケーリング情報(k2))を
レベル調整器(34)に出力して、レベル調整器(34)により
ディジタル化された復調データ(e2)を1/xでスケーリ
ングした後、図4に示した通常の量子化を行えば良い。
【0022】繰返し復号制御器(38)は、このようにして
再度作られた軟判定復調データ(g2)に対して軟判定ビタ
ビ復号後の誤り検出結果(誤り検出フラグ(j2))が誤り
無しを示すまで、または予め設定された繰返し回数に達
するまで、前記量子化間隔Tを別の設定値に変更して再
度軟判定復調データを作成しビタビ復号および誤り検出
処理を繰り返す。繰返し復号制御器(38)において予め定
めておく設定値としては、例えば繰返し回数R=10、x
の下限値X1=0.1、上限値X2=2.0と設定しておき、r回
目の繰返しの時には、 x=X1+(r-1)(X2-X1)/(R-1), r=1,2,...,R (2) としてxを設定し、1/xをスケーリング情報(k2)とし
て出力する。これにより、量子化間隔TがT×0.1〜T
×2.0の範囲の軟判定復調データにより、繰返し復号処
理が行われることとなる。なお、前記xの範囲は上記の
例に限られることはなく、また、繰返し回数Rも任意に
設定することができる。
【0023】このような本発明の第1の実施の形態にお
ける復号処理動作について図6のフローチャートを用い
て説明する。まず、ステップS51で1フレーム分(送信
単位)の受信データ(図1における(c2)に対応)を取り
込み、ステップS52でデインターリーブを実行する。次
に、ステップS53で繰り返し復号の繰り返し回数R、量
子化間隔Tに対する倍数xの下限値X1および上限値X2を
設定し、ステップS54で繰り返しのインデックスrを0
にセットする。以下、rによる繰返しループ(ステップ
S55〜S65)に入る。
【0024】まず、ステップS55でr=0か否かを判定
し、r=0ならばステップS56へ、そうでなければステ
ップS56に分岐する。はじめは、前記ステップS54でr=
0に設定されているため、ステップS56に分岐し、x=
1.0とされる。これは、前記図4に示した通常の量子化
処理が実行されることに対応する。また、繰り返し復号
の場合(r≠0)には、ステップS57で前記式(2)に
よるxの値が設定される。そして、ステップS58に進
み、受信データに1/xを乗算する。これは、前記レベ
ル調整器(34)によるスケーリング処理に対応する。次
に、ステップS59に進み、Nビット量子化を行う(Nビ
ット量子化器(35))。そして、ステップS60において軟
判定ビタビ復号を行い(軟判定ビタビ復号器(36))、r
=0であれば、その復号データ(h2)を保存しておく(ス
テップS61)。
【0025】そして、ステップS62に進み、前記軟判定
復号結果を用いて誤り検出を行う(誤り検出器(37))。
この結果誤り無しならば誤り検出フラグcrc_err=0と
し、誤り有りならばcrc_err=1に設定する。そして、c
rc_err=0(誤り無し)ならばそのまま復号処理を終了
し、crc_err=1(誤り有り)ならばステップS64に進む
(ステップS63))。ステップS64では、前記繰り返しの
インデックスrに1を加算する。そして、ステップS65
で、rが予定の繰り返し回数Rを超えたか否かを判定
し、r≦Rのときは前記ステップS55に戻り、xすなわ
ちスケーリング情報(k2)を変更して再度軟判定復調デー
タを作成して前記軟判定復号および誤り検出処理を行
う。一方、r>Rのとき、すなわち、R回の繰り返し復
号でも誤り検出結果が誤り有り(crc_err=1)のとき
は、ステップS66に進み、前記ステップS61で保存してお
いた通常の量子化処理結果による復号データ(h2)により
そのときの復号データを置き換える。この場合は、前述
のように、前記音声復号器(39)において、パラメータ補
間が行われることとなる。
【0026】このような本発明の第1の実施の形態によ
れば、誤り無しと判定されるまで、あるいは、予め設定
された繰り返し回数に達するまで、量子化間隔Tを変更
しながら繰り返し復号処理を実行しているため、復号結
果の誤り検出率は著しく低減され、音声復号器(39)でパ
ラメータ補間が実行されるフレーム数を低減できる。こ
こで、誤り検出率とは、全フレームにおいて誤り検出結
果が誤り有りとなるフレームの割合である。したがっ
て、データ送信単位の時間幅内での受信信号レベルの変
動が急速な場合であっても、再生音声の明瞭性または了
解性の低下を抑えることが可能となる。
【0027】上述した第1の実施の形態では、繰返し復
号により誤りが検出されなくなるまで復号を繰返すた
め、誤り検出符号(CRC符号)の能力によっては、誤
り見逃し率が著しく高くなってしまう可能性がある。こ
こで、誤り見逃しとは、符号誤りが発生しているにもか
かわらず、誤り検出結果において誤り無しと判定されて
しまう復号誤りである。また、誤り見逃し率とは、全フ
レームにおいて誤り見逃しが発生するフレームの割合で
ある。誤り見逃しが発生したフレームでは、復号された
特徴パラメータに誤りがあっても、パラメータ補間は実
行されず、それらをそのまま使用して音声復号処理を行
うので、再生音声には衝撃音等が発生し、音質が低下す
る可能性がある。
【0028】そこで、このような問題を解決することの
できる本発明の通信路復号方法および装置の第2の実施
の形態について説明する。この第2の実施の形態では、
上記問題を解決するため、音声の特徴パラメータの統計
的性質を利用して、誤り見逃し(通信路上で誤りが発生
しているのに検出できない誤り)を検出することにより
誤り見逃し率を低減し、再生音声の音質をさらに向上さ
せるようにしている。図2は、本発明の第2の実施の形
態の構成を示すブロック図である。図2と図1とを比較
すると明らかなように、この第2の実施の形態は前述し
た第1の実施の形態に対して、前記誤り検出器(37)と前
記音声復号器(39)との間に誤り見逃し検出器(40)を付加
したものであり、その他の同じ構成要素については前記
図1と同じ番号を記している。
【0029】前述のように、送信側における音声符号化
器(図9の(11))は高能率音声符号化方式を採用してお
り、その出力である音声情報ビットにはゲイン情報、ピ
ッチ周期情報、スペクトル包絡情報などの各種特徴パラ
メータが含まれている。そこで、前記誤り見逃し検出器
(40)は、前記繰返し復号の結果(1回目の通常の復号は
除く)、誤り無しと判定された場合に、復号された前記
音声情報ビット列(i2)から特徴パラメータを再生し、該
特徴パラメータの統計的性質を利用して、誤り見逃しを
検出し、該誤り見逃しが検出された場合は、誤り検出フ
ラグ(j2)を誤り有りに修正し、復号された音声情報ビッ
ト列あるいは再生した特徴パラメータ(a3)と誤り検出フ
ラグ(b3)を音声復号器(39)に出力する。これにより、誤
り見逃しがあった場合に誤り検出フラグを誤り有りに修
正することができ、再生音声の音質の低下を防止するこ
とができる。
【0030】以下、誤り見逃し検出器(40)において、誤
り見逃しを検出するための具体的な方法について説明す
る。一つの方法は、上記の特徴パラメータとしてゲイン
情報を使用し、次の式(3)に示すように、前フレーム
のゲインGpと、現フレームのゲインGとの差分の絶対
値Gdを求め、予め設定された閾値Thgと比較し、該差分
の絶対値Gdが該閾値Thgより大きい場合は、誤り見逃し
が発生していると判定し、誤り検出結果を誤り有りに修
正する。 Gd=|G−Gp|>Thg (3) または、前記特徴パラメータとしてピッチ周期情報を使
用し、式(4)のように、前フレームのピッチ周期Pp
と、現フレームのピッチ周期Pとの差分の絶対値Pdを
求め、予め設定された閾値Thpと比較し、該差分の絶対
値Pdが該閾値Thpより大きい場合は、誤り見逃しが発生
していると判定し、誤り検出結果を誤り有りに修正す
る。 Pd=|P−Pp|>Thp (4)
【0031】または、前記特徴パラメータとしてスペク
トル包絡情報(例えば、LSP(Line Spectrum Pair)
係数)を使用し、式(5)のように、前フレームのLS
P係数fpi(i=1,2,...,p:pは分析次数)と、現フレー
ムのLSP係数fi(i=1,2,...,p)のユークリッド距離
fdを求め、予め設定された閾値Thfと比較し、該ユーク
リッド距離fdが該閾値Thfより大きい場合は、誤り見逃
しが発生していると判定し、誤り検出結果を誤り有りに
修正する。
【数1】
【0032】または、前記誤り見逃しの検出で用いる特
徴パラメータとして、上述したゲイン情報、ピッチ周期
情報、スペクトル包絡情報の組み合わせを条件として用
いる。例えば、(3)式または(4)式が成り立てば誤
り見逃しが発生していると判定し、誤り検出結果を誤り
有りに修正する。上記の(3)、(4)及び(5)式に
よる誤り見逃しの検出条件は、音声の有声区間での特徴
パラメータ(ゲイン、ピッチ周期、スペクトル包絡情報
など)の時間的変化は通常緩やかであり、誤りが発生し
ているフレームでは急激に変化する可能性が大きいとい
う統計的性質に基づいている。
【0033】このような本発明の第2の実施の形態にお
ける復号処理動作について図7のフローチャートを用い
て説明する。同図において、ステップS67〜S76が誤り見
逃し検出器(40)の動作に対応する部分である。その他の
ステップは、前述した図6の第1の実施の形態と同じで
あるため説明は省略する。但し、この例ではゲイン情報
を用いる前記(3)式とピッチ周期情報を用いる(4)
式の組み合わせを誤り見逃し検出の条件として用いてい
る。誤り検出フラグが誤り無し(crc_err=0)となっ
たとき、この誤り見逃し検出器(40)の動作が開始され、
まず、ステップS67において、復号データからゲイン情
報Gおよびピッチ周期情報Pを復号する。そして、これ
が最初の受信フレームであるときは、ステップS76にジ
ャンプする(ステップS68)。それ以外のときは、ステ
ップS69に進み、0<r≦Rであるか否かを判定する。
0<r≦Rであるとき、すなわち、繰返し復号によりcr
c_err=0となったときは、ステップS70以下のステップ
を実行し、そうでないときはステップS76にジャンプす
る。
【0034】ステップS70において、前フレームのゲイ
ンGpと現フレームのゲインGとの差分の絶対値Gd=|
G−Gp|を計算する。次にステップS71において、Gdと
予め設定された閾値Thgとを比較し、Gd>Thgならば誤
り見逃しであると判定してステップS72に進み、crc_err
=1(誤り有り)に設定して、復号処理を終了する。G
d≦Thgであるときは、ステップS73に進み、前フレーム
のピッチ周期Ppと現フレームのピッチ周期Pとの差分
の絶対値Pd=|P−Pp|を計算する。そして、ステップ
S74でPdと予め設定された閾値Thpとを比較し、Pd>Th
pであるときは誤り見逃しであると判定してステップS75
に進み、crc_err=1に設定して復号処理を終了する。
Pd≦Thpであるときは、誤り見逃しがなかったと判定
し、ステップS76に進み、このフレームのゲインGとピ
ッチ周期Pを前フレームのゲインGpおよび前フレーム
のピッチ周期Ppとして保存し、復号処理を終了する。
【0035】このような本発明の第2の実施の形態によ
れば、特徴パラメータの統計的性質を利用して誤り見逃
しを検出し、誤り検出フラグを修正しているので、前記
第1の実施の形態の場合に比較して誤り見逃しに起因す
る衝撃音などの発生を防止することができ、再生音質を
より向上させることができる。
【0036】図8は、この第2の実施の形態を適用した
時の誤り率(BER)対誤り検出率および誤り見逃し率特
性の測定結果を示す図である。ここで、前述した繰返し
復号の制御においてR=10、X1=0.1、X2=2.0とし、誤
り見逃し検出における前記式(3)のゲインの閾値Thg
=10.0dB、式(4)のピッチ周期の閾値Thp=15サンプ
ルとしている。また、同図はNビット量子化器(35)での
量子化ビット数N=3の場合の結果であるが、N=8お
よび15として測定した場合も同様な効果がある。本測
定に使用した通信路モデルの諸元を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】図8において、BERは復調器(30)出力で測
定した誤り率である(硬判定復調による)。同図におい
て、適用無と記されている実線が前記図9に示した従来
例すなわち通常の復号による結果であり、適用有と記さ
れている破線が上述した第2の実施の形態による復号結
果である。また、(a)は最大ドップラー周波数fD=10
Hz、遅延時間Delay=20μs、(b)はfD=20Hz、Delay
=20μs、(c)はfD=40Hz、Delay=20μsについての
測定結果である。この結果より、第2の実施の形態を使
用することにより、BERが高くなるほど誤り検出率は低
減されることが分かる。また、最大ドップラー周波数が
大きくなるほどBERが高いときの低減率が大きい。な
お、誤り見逃し率は若干上昇しているが、誤り検出率の
低減の方が大きく、問題とはならない。
【0039】上述した各実施の形態においては、前記レ
ベル調整器(34)を用い、繰返し復号時には、前記繰返し
復号制御器(38)からのスケーリング情報(k2)により復調
データ(e2)をスケーリングすることにより量子化間隔T
を変更していた。しかしながら、量子化間隔Tを変更す
る方法としては、これに限られることはなく、前記Nビ
ット量子化器(35)のビット数Nを変更するようにしても
量子化間隔Tを変更することができる。一般に、軟判定
復号を行う場合、量子化ビット数が大きいほど誤り特性
が改善されることが知られている(但し、8以上になる
と飽和して、誤り特性は改善されない。)。そこで、前
述した繰り返し復号を行うときに、前記Nビット量子化
器(35)における量子化ビット数を大きくして再度前記軟
判定復調データを作成し、前記軟判定復号処理および前
記誤り検出処理を繰り返すようにした本発明の第3の実
施の形態について説明する。なお、この場合に、前記N
ビット量子化器(35)の量子化ビット数Nのみを変更する
ようにしてもよいが、ここでは、前記第1および第2の
実施の形態において採用した前記レベル調整器(34)を用
いて復調データをスケーリングする手法と前記Nビット
量子化器(35)の量子化ビット数Nを変更する手法を組み
合わせて採用した実施の形態について説明する。
【0040】図3は、前記第2の実施の形態にNビット
量子化器(35)の量子化ビット数Nを変更する手法を組み
合わせた本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図である。この図において、前記図2に示した第2の
実施の形態と同一の構成要素には同一の番号を付し、説
明の重複を避けることとする。図3と図2とを比較する
と明らかなように、この実施の形態における繰返し復号
制御器(41)は、前記レベル調整器(34)に対してスケーリ
ング情報(k2)を出力するとともに、Nビット量子化器(3
5)およびビタビ復号器(36)に対して量子化ビット数指示
信号(d3)を出力している点が相違している。そして、前
記Nビット量子化器(35)は前記量子化ビット数指示信号
(d3)の指示によりNの値を変更できるように構成されて
おり、また、前記ビタビ復号器(36)は入力される軟判定
復調信号の量子化ビット数の変更に対応することができ
るように構成されている。ここで、前記Nビット量子化
器(35)は、前述のように前記Mビットで量子化された復
調データ(e2)のうちの所定の位置にあるNビットのデー
タを抽出して出力するものであり、前記量子化ビット数
指示信号(d3)により抽出するビット数が設定可能なもの
とされている。また、前記ビタビ復号器(36)は、例え
ば、前記量子化ビット数指示信号(d3)により設定される
各量子化ビット数に対応する軟判定復調データ用のビタ
ビ復号器をそれぞれ設けておき、前記量子化ビット数指
示信号(d3)により対応するビット数の軟判定復調データ
のものを選択して使用するようにすればよい。
【0041】このように構成された本発明の通信路復号
方法および装置の動作としては、最初の通常の復号は前
記量子化ビット数Nを例えば3として実行し、その後の
誤り検出において誤りが検出(誤り有りと判定)された
場合は、Mビットで量子化された復調データ(e2)を量子
化する際の量子化ビット数をNより大きく(例えば、N
=8)と設定して再度前記軟判定復調データを作り、そ
れに対して前記軟判定復号、前記誤り検出を行う処理を
行う。そして、再び誤りが検出されたときには、前記第
2の実施の形態の場合と同様に、スケーリング情報(k2)
を出力して前述のスケーリングを行って前記軟判定復調
データを作成し、それに対して前記軟判定復号および前
記誤り検出を行う。以下、同様に前記レベル前記誤り検
出において誤りが検出されなくなるまで(誤り無しと判
定されるまで)、または予め設定された繰返し回数に達
するまで復号処理を繰り返す。現フレームの復号処理が
終了したら、量子化ビット数指示信号(d3)を出力して、
前記量子化ビット数Nを3に戻す。このような本発明の
第3の実施の形態によれば、前述した第2の実施の形態
と同じ効果を得るのに繰返し回数Rをより小さく設定す
ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の通信路復
号方法及び装置によれば、データ送信単位の時間幅内で
の受信信号レベルの変動が急速になった場合でも、軟判
定復調データを作るための量子化間隔を複数回変更して
軟判定復号を繰り返すことにより、誤り検出率、すなわ
ち音声復号器におけるパラメータ補間の頻度を低減する
ことができ、再生音声品質の明瞭性または了解性の低下
を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の通信路復号方法の第1の実施の形態
が適用された通信路復号装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 本発明の通信路復号方法の第2の実施の形態
が適用された通信路復号装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】 本発明の通信路復号方法の第3の実施の形態
が適用された通信路復号装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】 復調器からのアナログ出力信号の量子化方法
を説明するための図である。
【図5】 繰り返し復号時における復調器からのアナロ
グ出力信号の量子化方法を説明するための図である。
【図6】 本発明の通信路復号方法の第1の実施の形態
における処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】 本発明の通信路復号方法の第2の実施の形態
における処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】 本発明の通信路復号方法の第2の実施の形態
を適用した場合におけるBER対誤り検出率および誤り見
逃し率特性を示す図である。
【図9】 従来の軟判定復号を用いた音声通信システム
の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
30 復調器 31 MビットA/D変換器 32 デインターリーバ 33 バッファ 34 レベル調整器 35 Nビット量子化器 36 ビタビ復号器 37 誤り検出器 38、41 繰り返し復号制御器 39 音声復号器 40 誤り見逃し検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麓 照夫 神奈川県横須賀市光の丘3番2号 株式会 社ワイ・アール・ピー高機能移動体通信研 究所内 Fターム(参考) 5J065 AA01 AB01 AC02 AD04 AD10 AE07 AG06 AH06 AH21 5K014 AA01 BA06 BA10 FA11 FA16 GA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全てまたは一部の音声情報ビットに対し
    て誤り検出符号化した後、誤り訂正符号化することによ
    り通信路符号化したデータを対象とする通信路復号方法
    であって、 受信信号を復調して得られるアナログ信号を所定の量子
    化間隔で量子化した結果である軟判定復調データを用い
    て軟判定復号する軟判定復号ステップ、 前記軟判定復号出力に対して誤り検出処理を行う誤り検
    出ステップ、および、 前記誤り検出ステップにおいて、誤り有りと判定された
    場合に、前記アナログ信号を量子化する際の量子化間隔
    を予め定められた別の設定値に変更して再度前記軟判定
    復調データを作り、それに対して前記軟判定復号ステッ
    プおよび前記誤り検出ステップを、前記誤り検出ステッ
    プにおいて誤り無しと判定されるまで、または、予め設
    定された繰返し回数に達するまで繰り返す繰返し復号ス
    テップを有することを特徴とする通信路復号方法。
  2. 【請求項2】 前記繰返し復号ステップによる処理の結
    果、誤り無しと判定された場合に、復号された前記音声
    情報ビット列から特徴パラメータを再生し、該特徴パラ
    メータの統計的性質を利用して誤り見逃しが発生してい
    るか否かを判定する誤り見逃し検出ステップ、および、
    前記誤り見逃しステップにおいて誤り見逃しが発生して
    いると判定されたときに、その誤り検出結果を誤り有り
    に修正するステップを有することを特徴とする請求項1
    記載の通信路復号方法。
  3. 【請求項3】 前記誤り見逃し検出ステップは、前記特
    徴パラメータとしてゲイン情報を使用し、過去のフレー
    ムのゲインと現在のフレームのゲインとの差分値の絶対
    値を求め、該差分値の絶対値が予め設定された閾値より
    大きい場合は、誤り見逃しが発生していると判定するこ
    とを特徴とする請求項2記載の通信路復号方法。
  4. 【請求項4】 前記誤り見逃し検出ステップは、前記特
    徴パラメータとしてピッチ周期情報を使用し、過去のフ
    レームのピッチ周期と現在のフレームのピッチ周期との
    差分値の絶対値を求め、該差分値の絶対値が予め設定さ
    れた閾値より大きい場合は、誤り見逃しが発生している
    と判定することを特徴とする請求項2記載の通信路復号
    方法。
  5. 【請求項5】 前記誤り見逃し検出ステップは、前記特
    徴パラメータとしてスペクトル包絡情報を使用し、過去
    のフレームのスペクトル包絡情報と現在のフレームのス
    ペクトル包絡情報とのユークリッド距離を求め、該ユー
    クリッド距離が予め設定された閾値より大きい場合は、
    誤り見逃しが発生していると判定することを特徴とする
    請求項2記載の通信路復号方法。
  6. 【請求項6】 前記誤り見逃し検出ステップは、前記請
    求項3乃至5で示した誤り見逃し検出条件の組み合わせ
    を条件として用いるものであることを特徴とする請求項
    2記載の通信路復号方法。
  7. 【請求項7】 全てまたは一部の音声情報ビットに対し
    て誤り検出符号化した後、誤り訂正符号化することによ
    り通信路符号化したデータを対象とする通信路復号方法
    であって、 受信信号を復調して得られるアナログ信号を所定の量子
    化間隔で量子化した結果である軟判定復調データを用い
    て軟判定復号する軟判定復号ステップ、 前記軟判定復号出力に対して誤り検出処理を行う誤り検
    出ステップ、 前記誤り検出ステップにおいて、誤り有りと判定された
    場合に、前記アナログ信号を量子化する際の量子化ビッ
    ト数をより大きな値に設定して再度前記軟判定復調デー
    タを作り、それに対して前記軟判定復号ステップおよび
    前記誤り検出ステップを、前記誤り検出ステップにおい
    て誤り無しと判定されるまで、または、予め設定された
    繰返し回数に達するまで繰り返す繰返し復号ステップを
    有することを特徴とする通信路復号方法。
  8. 【請求項8】 全てまたは一部の音声情報ビットに対し
    て誤り検出符号化した後、誤り訂正符号化することによ
    り通信路符号化したデータを対象とする通信路復号装置
    であって、 受信信号を復調して得られるアナログ信号を所定の量子
    化間隔で量子化した結果である軟判定復調データを用い
    て軟判定復号するビタビ復号器と、 前記ビタビ復号器の出力に対して誤り検出処理を行う誤
    り検出器と、 前記誤り検出器からの誤り有りとの出力に応じて、前記
    アナログ信号を量子化する際の量子化間隔を予め定めら
    れた別の設定値に変更して再度前記軟判定復調データを
    作り、前記誤り検出器において誤り無しと判定されるま
    で、または、予め設定された繰返し回数に達するまで前
    記ビタビ復号器および誤り検出器を繰返し動作させる繰
    返し復号制御器とを有することを特徴とする通信路復号
    装置。
  9. 【請求項9】 前記繰返し動作中に誤り無しと判定され
    たとき、復号された前記音声情報ビット列から特徴パラ
    メータを再生し、該特徴パラメータの統計的性質を利用
    した誤り見逃しが発生しているか否かを判定し、誤り見
    逃しが発生していると判定されたときに、その誤り検出
    結果を誤り有りに修正する誤り見逃し検出器を有するこ
    とを特徴とする請求項8記載の通信路復号装置。
  10. 【請求項10】 前記誤り見逃し検出器は、前記特徴パ
    ラメータとしてゲイン情報、ピッチ周期情報あるいはス
    ペクトル包絡情報のいずれか1つまたはそれらの組合せ
    を用いて前記誤り見逃しが発生しているか否かを判定す
    ることを特徴とする請求項9記載の通信路復号装置。
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