JP2002047092A - 単結晶成長方法 - Google Patents

単結晶成長方法

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JP2002047092A
JP2002047092A JP2000231703A JP2000231703A JP2002047092A JP 2002047092 A JP2002047092 A JP 2002047092A JP 2000231703 A JP2000231703 A JP 2000231703A JP 2000231703 A JP2000231703 A JP 2000231703A JP 2002047092 A JP2002047092 A JP 2002047092A
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JP2000231703A
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Makoto Kuramoto
誠 蔵本
Kiyotaka Takano
清隆 高野
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Super Silicon Crystal Research Institute Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の製造工程により製造可能な石英ルツボ
の変形を防いで、安全に単結晶を成長させ、かつ、大口
径、高品質の単結晶を確実に成長させる。 【解決手段】 石英ルツボの直胴部を構成する石英の粘
性率η(ポアズ)と、その直胴部の厚さh(cm)との
関係が、種付け時の温度である1550℃においてlo
g(h2η)≧9.4となるような石英ルツボを用い
て、単結晶成長を行う。さらに、単結晶成長の際の種付
け時に、石英ルツボ上端から石英ルツボ内の融液面上3
cmまでの範囲の直胴部の温度が1650℃以下となる
ように、単結晶成長を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶の原料とな
る融液を保持する石英ルツボが、単結晶成長中に変形し
ないようにして長時間の使用を可能とし、大口径の単結
晶を成長させる単結晶成長方法に関し、特に、シリコン
単結晶を成長させるシリコン単結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の単結晶成長装置である。
引上げCZ法(引上げチョクラルスキー法)による従来
の単結晶成長方法においては、高耐圧気密のチャンバ1
内を20ミリバール程度に減圧して新鮮なAr(アルゴ
ン)ガスを流すとともに、チャンバ1内の下方に設けら
れた石英ルツボ2内のシリコン多結晶を加熱して溶融
し、かかるシリコン融液3の表面に種結晶4を上から浸
漬し、種結晶4と石英ルツボ2を回転、上下移動させな
がら種結晶4を引き上げることにより、種結晶4の下に
上端が突出した円錐形の上部コーン部と、円筒形のボデ
ィ部(直胴部)と下端が突出した円錐形の下部コーン部
より成る単結晶棒5(いわゆるインゴット)を成長させ
る。このとき、シリコン多結晶を溶融してシリコン融液
3を加熱するために黒鉛ヒータ6が用いられ、場合によ
っては、単結晶成長装置内部にはコイル7により磁場が
印加される。磁場は、石英ルツボ2内のシリコン融液3
の対流を抑制する作用を有する。また、シリコン融液3
や黒鉛ヒータ6などの熱を発生するものが存在する一帯
は、一般にホットゾーン8と呼ばれている。
【0003】図8は、シリコン融液を収容するための石
英ルツボの模式的な断面図である。図8に示すように、
石英ルツボ2は、直胴部9、曲率半径がrであるコーナ
ー部10(r部)、曲率半径がRである底部11(R
部)により構成される。また、石英ルツボ2の口径は、
石英ルツボ2の直胴部9の厚さも含めた石英ルツボ2の
外径で表される。通常、単結晶引上げの際には、シリコ
ン融液3の表面が石英ルツボ2の直胴部9に十分に達す
るくらいにまで、シリコン融液3が石英ルツボ2の内部
に収容される。
【0004】近年、引き上げる単結晶棒5が大口径化し
てきており、それに伴って、引上げCZ法で使用される
石英ルツボ2も大口径化する必要がある。石英ルツボ2
の内部には、シリコン融液3が保持され、石英ルツボ2
の外周に設置された黒鉛ヒータ6によって加熱されて、
その温度が制御されている。したがって、石英ルツボ2
が大口径化するにつれて、単位外表面積当たりの熱流束
が大きくなり、シリコン融液3を収容している石英ルツ
ボ2の温度が上昇する傾向にある。その結果、単結晶成
長中に石英ルツボ2が変形し、単結晶成長を中断せざる
を得なくなることがある。口径が約46cm(18イン
チ)以下の石英ルツボ2の場合、石英ルツボ2の変形が
単結晶成長に支障を来たすことはほとんどなかったが、
石英ルツボ2が大口径化するにつれて、単結晶成長に影
響が現れ、深刻な問題になってきている。
【0005】図3は、石英ルツボの直胴部の断面を示す
図である。図3の左側には、変形していない状態の石英
ルツボ2の直胴部9が示されており、図3の中央及び右
側には、変形した状態の石英ルツボ2の直胴部9が示さ
れている。この図から、石英ルツボ2の直胴部9が5c
m程度たわむように変形しているのがわかる。
【0006】図4は、口径が約91cm(36インチ)
及び約102cm(40インチ)の石英ルツボ表面の種
付け時における温度分布を示すグラフである。図4に示
すグラフの左半分は石英ルツボ2の内表面の温度、右半
分は石英ルツボ2の外表面の温度を示したグラフであ
る。縦軸は石英ルツボ2の表面の温度、横軸は石英ルツ
ボ2の中心部からの距離である。なお、この距離は直線
距離ではなく孤の長さであり、石英ルツボ2の中心部か
らある点まで石英ルツボ2上を辿って行ったときの長さ
である。
【0007】図5は、石英ルツボの口径と種付け時の石
英ルツボの最高到達温度との関係を示すグラフである。
縦軸には石英ルツボ2の最高到達温度が、横軸には石英
ルツボ2の口径が示されている。図5には、シリコン融
液3の対流の有無に従って、石英ルツボ2の口径と種付
け時の石英ルツボ2の最高到達温度との関係が2本のグ
ラフで示されている。この図から、シリコン融液3の対
流の有無や石英ルツボ2の口径に関係なく全ての場合に
おいて、石英ルツボ2の最高到達温度が1550℃を超
えていることがわかる。そして、1560℃〜1570
℃以上の温度になると、石英ルツボ2が変形を起こす場
合がある。
【0008】上記の問題点に対して、従来から、このよ
うな高温下における石英ルツボ2の変形を防ぐ種々の技
術、石英ルツボ2の変形が単結晶成長に影響を与えない
ようにするための種々の技術が提案されている。例え
ば、特開平9−235177号公報には、石英ルツボ2
上端を花びら状にして、石英ルツボ2の側壁(直胴部
9)の倒れ込みを防ぐ方法が開示されている。また、特
開平9−24949号公報には、石英ルツボ2上端にテ
ーパをつけたり、幾何学的工夫によって石英ルツボ2を
外周の黒鉛ルツボに引っ掛けるようにしたりして、石英
ルツボ2の変形を防ぐ方法が提案されている。しかしな
がら、これらの石英ルツボ2の形状変更は、石英ルツボ
2の製造方法を複雑にするばかりか、上端に設けられた
引っ掛かり自体の高温強度も十分とは言えない。
【0009】一方、特開平6−56446号公報には、
石英中の不純物を規定することによって、石英の粘性率
を調節する方法が開示されている。また、特開平4−2
02086号公報には、石英ルツボ2に使用する石英の
1470℃での粘性率を規定する方法が開示されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術において、
石英ルツボの形を工夫して、石英の変形問題に対処する
必要が生じている。すなわち、従来の石英ルツボとは異
なる所定の形状の石英ルツボを製造する必要から、所定
の形状を有する石英ルツボを製造するための新たな工程
を設ける必要がある。また、例えば規定された粘性率の
石英を用いた場合でも、石英ルツボの厚さを極端に薄く
すると、石英ルツボに変形が生じることは容易に考えら
れる。したがって、石英ルツボの厚さを考慮せずに石英
の粘性率のみを漠然と規定しても(アルカリ金属などの
石英中の不純物濃度を規定することも、結果的には粘性
率の規定を行っている)、石英の変形問題を解決するも
のとはなり得ない。
【0011】本発明は、従来の製造工程により製造可能
な石英ルツボの変形を防いで、安全に単結晶を成長さ
せ、かつ、大口径、高品質の単結晶を確実に成長させる
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するため、石英ルツボの直胴部を構成する石英の粘性
率η(ポアズ)と、その直胴部の厚さh(cm)との関
係が、種付け時の温度である1550℃においてlog
(h2η)≧9.4である石英ルツボを用いて、単結晶
を成長させる。
【0013】すなわち、本発明によれば、直胴部とコー
ナー部と底部とにより構成される石英ルツボ内部に単結
晶の原料となる融液を溶融させ、前記融液に種結晶を浸
漬して引き上げることにより前記種結晶の下に前記単結
晶を成長させる単結晶成長方法において、前記直胴部を
構成する石英の粘性率η(ポアズ)と前記直胴部の厚さ
h(cm)との関係が、1550℃においてlog(h
2η)≧9.4である前記石英ルツボを用いることを特
徴とする単結晶成長方法が提供される。
【0014】さらに、石英ルツボの直胴部を構成する石
英の粘性率η(ポアズ)と、その直胴部の厚さh(c
m)との関係が、種付け時の温度である1550℃にお
いてlog(h2η)≧9.7である石英ルツボを用い
ることは、本発明の好ましい態様である。
【0015】すなわち、本発明によれば、直胴部とコー
ナー部と底部とにより構成される石英ルツボ内部に単結
晶の原料となる融液を溶融させ、前記融液に種結晶を浸
漬して引き上げることにより前記種結晶の下に前記単結
晶を成長させる単結晶成長方法において、前記直胴部を
構成する石英の粘性率η(ポアズ)と前記直胴部の厚さ
h(cm)との関係が、1550℃においてlog(h
2η)≧9.7である前記石英ルツボを用いることを特
徴とする単結晶成長方法が提供される。
【0016】さらに本発明に、前記種結晶を前記融液に
浸漬させる種付け時に、前記石英ルツボ上端から前記融
液面上3cmまでの範囲の前記直胴部の温度が1650
℃以下となるように、温度制御を行うことを特徴とする
請求項1又は2記載の単結晶成長方法を付加すること
は、本発明の好ましい態様である。
【0017】さらに本発明に、前記種結晶を前記融液に
浸漬させる種付け時に、前記石英ルツボ上端から前記融
液面上3cmまでの範囲の前記直胴部の温度が1600
℃以下となるように、温度制御を行うことを特徴とする
請求項1又は2記載の単結晶成長方法を付加すること
は、本発明の好ましい態様である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の単結晶成長方法に関して説明する。シリコン単結晶
を成長させる際に使用される石英ルツボ2は、図8に示
すように直胴部9、コーナー部10(r部)、底部11
(R部)より構成される。本発明では、この石英ルツボ
2の直胴部9の石英の粘性率η(ポアズ=g/cm・
s)と石英ルツボ2の直胴部9の厚さh(cm)との関
係を規定する。
【0019】図2は、複数の種類の石英の粘性率と温度
との関係を示すグラフである。従来、石英ルツボ2に使
用されている石英は、不純物含有量によって複数の種類
に分けられる。ここでは、これらの複数の種類の石英
を、石英A〜石英Eと記すことにする。なお、石英A〜
石英Dは天然石英、石英Eは合成石英であり、石英Eは
石英ルツボ2内面に少量使用したのみであり、石英の粘
性率にはほとんど影響は及ぼさない。図2において、縦
軸はlog(η)の値、横軸は温度の逆数であり、グラ
フによって石英A〜石英Eの粘性率の温度依存性が示さ
れている。このグラフより、石英の粘性率は温度に依存
することがわかり、高温になるにつれて石英の粘性率は
低下することがわかる。また、いずれの種類の石英にお
いても、種付け時のホットゾーン8の温度である155
0℃ではlog(h2η)の値は9.0前後の値となっ
ていることが読み取れる。
【0020】図1は、石英ルツボの変形の度合いを示す
プロット図である。ここでは、図2に示す石英A〜Eに
よって構成される石英ルツボ2を使用し、直胴部9の厚
さを変更して、その変形の度合いを実験的に調査してい
る。縦軸は1550℃におけるlog(h2η)、横軸
はヒータの通電時間(加熱時間)である。ここでは、石
英の種類と石英の厚さを変え、ヒータにより長時間通電
したときの石英の変形の大小が示されている。変形が大
きい場合は、石英の厚さと石英の種類とで定まるlog
(h2η)の値を有する材料は、石英ルツボ2としては
使用不可能であると判断される。また、変形が小さい場
合は、その材料は石英ルツボ2としての使用が可能であ
ると判断される。
【0021】変形の度合いlog(h2η)は、式を変
形すれば2log(h)+log(η)と書くこともで
きる。したがって、例えば同じlog(h2η)の値を
有する材料でも、粘性率が低い石英の場合はその厚さが
厚くなり、粘性率が高い石英の場合はその厚さが薄くな
る。このように、変形の度合いlog(h2η)の値
は、石英の粘性率(石英の種類)と石英の厚さに依存
し、これら2つの値の関係で定まっている。
【0022】様々な厚さの石英A〜Dを実験材料とし
て、通電時間を変化させて変形の度合いを確かめる。石
英Aを用いた実験材料は□、石英Bを用いた実験材料は
△、石英Cを用いた実験材料は×、石英Dを用いた実験
材料は○で表されている。また、変形が大きかった実験
材料は変形大、変形が小さかった実験材料は変形小と示
されている。なお、何も示されていないプロットは、実
験材料に変形がなかったものである。
【0023】このプロット図より、log(h2η)の
値が9.4未満の石英は変形が大きく、石英ルツボ2の
材料として使用不可能であることがわかる。実際に、l
og(h2η)の値が9.4未満の石英ルツボ2は、図
3の中央及び右側に示す石英ルツボ2の直胴部9のよう
に、種付け時のシリコン融液面より上部で石英ルツボ2
の上端から10〜30cmの部分において変形する。
【0024】また、log(h2η)の値が9.4以上
の石英は変形が小さいかまたは変形がなく、通電時間
(ヒータのオンからオフまでの時間)が50時間を超え
る石英ルツボ2の材料として、長時間の使用に耐え得る
ことがわかる。なお、大口径のシリコン単結晶を成長さ
せるためには、50時間以上の通電時間がかかる。ま
た、さらにlog(h2η)の値が9.7以上の石英は
変形がなく、石英ルツボ2の材料としてより好適であ
る。
【0025】以上より、本発明では、石英ルツボ2の直
胴部9を構成する石英の粘性率をη(ポアズ=g/cm
・s)、石英ルツボ2の直胴部9の厚さをhcmとする
時、1550℃のlog(h2η)の値が9.4以上と
なる石英を用いた石英ルツボ2を使用してシリコン単結
晶を成長させる。
【0026】この1550℃という温度の規定は、図5
に示す約46cm(18インチ)〜約122cm(48
インチ)の口径を有する石英ルツボ2の種付け時最高到
達温度が1550℃以上となり、大口径のシリコン単結
晶を成長させるときに考慮しなければならない温度であ
ると推定されることによる。また、図4に示すように、
大口径の石英ルツボ2の場合、種付け時の石英ルツボ2
の直胴部9の平均温度は約1550℃となる。したがっ
て、温度を1550℃と規定することは妥当である。
【0027】また、log(h2η)の値を規定するこ
とも以下の理由から妥当である。アメリカの公定分析法
であるASTM(American Society for Testing and M
aterials:アメリカ材料試験協会)に規定されているビ
ームベンディング法によると、石英の変形速度は石英の
厚さと粘性率に依存する。したがって、石英ルツボ2の
直胴部9の厚さh及び石英の粘性率ηの関数から定まる
2ηが、石英の変形速度(石英のたわみの速度)に反
比例し、log(h2η)の値を変形の度合いと見なす
ことが可能である。また、石英の粘性率は、温度などの
シリコン単結晶成長条件の影響を受ける。
【0028】また、石英は高温になるほど、粘性率は低
下してlog(h2η)の値が小さくなるので、たとえ
1550℃のlog(h2η)の値が9.4以上であっ
ても、シリコン単結晶成長条件下での石英ルツボ2の直
胴部9の温度が高くなれば、石英ルツボ2の変形は起こ
り得る。したがって、シリコン単結晶成長時の温度条件
は規定されるべきであり、本発明の他の構成要件とし
て、種付け時の石英ルツボ2の直胴部9の温度を165
0℃以下に規定している。
【0029】一方、種付け時の石英ルツボ2の直胴部9
の温度が1650℃以上になった場合に石英ルツボ2の
変形を防止するためには、石英の粘性の低下を補うため
に直胴部9の厚さを厚くしておく必要がある。しかし、
石英ルツボ2の直胴部9の厚さを厚くした場合、石英ル
ツボ2の製造上の技術的問題や石英ルツボ2の重量増加
に伴った取り扱いの困難などが生じる。また、石英ルツ
ボ2を収めるチャンバ1の大きさを大きくすることは難
しいので、石英ルツボ2の直胴部9の厚さを厚くした場
合、結果的に石英ルツボ2内の内容積が減少し、シリコ
ン融液3のチャージ量が減少するという問題が生じる。
なお、シリコン融液3の表面近傍には温度境界層があ
り、非常に高温となっているので、石英ルツボ2の直胴
部9のうち、シリコン融液面からシリコン融液面上3c
mまでの範囲は温度の規定から除外したほうが好まし
い。さらに、1550℃におけるlog(h2η)の値
が9.7以上であることは好ましく、より確実に長時
間、石英ルツボ2の変形を防いで単結晶を成長させるこ
とが可能となる。また、石英ルツボ2の直胴部9の温度
を1600℃以下にすることも好ましい条件である。
【0030】また、石英ルツボ2には2層ルツボと呼ば
れるものもある。この2層ルツボは、気泡を含むバブル
層と気泡を含まない石英のバブルレス層の2層で構成さ
れている。2層ルツボの場合には、各層の厚さと粘性率
とを考慮して平均値を算出し、この平均値を直胴部9の
粘性率ηと定めることも可能である。さらに、石英ルツ
ボ2の直胴部9の厚さは、例えば上端部の厚さは1.9
2cm、シリコン融液面付近の厚さは2.14cmとな
っており、高さ方向にばらつきがある。したがって、高
さ方向に関して直胴部9の厚さの平均値(この場合なら
ば2.03cm)を算出し、この平均値を直胴部9の厚
さhと定めることも可能である。
【0031】また、図4に示す通り、石英ルツボ2の直
胴部9の温度は最大でも1650℃以下である。図6
は、種付け時の直胴部9の温度が1650℃の場合の直
胴部9の最小の厚さを示す図である。この値は図2のグ
ラフにおいて算出された1650℃のlog(η)の値
に対し、log(h2η)の値が9.4以上となるよう
に厚さhの値を算出したものである。この図より、いず
れの種類の石英を用いても3cm以上の厚さにしなけれ
ば単結晶成長のための石英ルツボ2を構成することはで
きないことがわかる。しかし、底部の厚さにもよるが、
直胴部9の厚さが3cm以上となる石英ルツボ2は20
0kg近い重量となり、石英ルツボ2の製造やハンドリ
ングが困難となる。したがって、石英ルツボ2の直胴部
9が1650℃以下となるような条件下で単結晶を成長
させることが好適である。
【0032】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば
石英ルツボの直胴部に用いられる石英の粘性率及びその
厚さのみを規定するので、石英ルツボの形状を変更せ
ず、従来の工程によって製造された石英ルツボを用いて
単結晶成長を行うことができる。また、本発明によれ
ば、種付け時の温度においても石英ルツボの直胴部が変
形しないように、石英ルツボの直胴部に用いられる石英
の粘性率及びその厚さを規定するので、大口径、高品質
の単結晶を安全かつ確実に成長させ、石英ルツボを長時
間の使用に耐え得るようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】石英ルツボの変形の度合いを示すプロット図で
ある。
【図2】複数の種類の石英の粘性率と温度との関係を示
すグラフである。
【図3】石英ルツボの直胴部の断面を示す図である。
【図4】口径が約91cm(36インチ)及び約102
cm(40インチ)の石英ルツボ表面の種付け時におけ
る温度分布を示すグラフである。
【図5】石英ルツボの口径と種付け時の石英ルツボの最
高到達温度との関係を示すグラフである。
【図6】種付け時の直胴部の温度が1650℃の場合の
直胴部の最小の厚さを示す図である。
【図7】従来の単結晶成長装置である。
【図8】シリコン融液を収容するための石英ルツボの模
式的な断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバ 2 石英ルツボ 3 シリコン融液(融液) 4 種結晶 5 単結晶棒 6 黒鉛ヒータ 7 コイル 8 ホットゾーン 9 直胴部 10 コーナー部(r部) 11 底部(R部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直胴部とコーナー部と底部とにより構成
    される石英ルツボ内部に単結晶の原料となる融液を溶融
    させ、前記融液に種結晶を浸漬して引き上げることによ
    り前記種結晶の下に前記単結晶を成長させる単結晶成長
    方法において、 前記直胴部を構成する石英の粘性率η(ポアズ)と前記
    直胴部の厚さh(cm)との関係が、1550℃におい
    てlog(h2η)≧9.4である前記石英ルツボを用
    いることを特徴とする単結晶成長方法。
  2. 【請求項2】 直胴部とコーナー部と底部とにより構成
    される石英ルツボ内部に単結晶の原料となる融液を溶融
    させ、前記融液に種結晶を浸漬して引き上げることによ
    り前記種結晶の下に前記単結晶を成長させる単結晶成長
    方法において、 前記直胴部を構成する石英の粘性率η(ポアズ)と前記
    直胴部の厚さh(cm)との関係が、1550℃におい
    てlog(h2η)≧9.7である前記石英ルツボを用
    いることを特徴とする単結晶成長方法。
  3. 【請求項3】 前記種結晶を前記融液に浸漬させる種付
    け時に、前記石英ルツボ上端から前記融液面上3cmま
    での範囲の前記直胴部の温度が1650℃以下となるよ
    うに、温度制御を行うことを特徴とする請求項1又は2
    記載の単結晶成長方法。
  4. 【請求項4】 前記種結晶を前記融液に浸漬させる種付
    け時に、前記石英ルツボ上端から前記融液面上3cmま
    での範囲の前記直胴部の温度が1600℃以下となるよ
    うに、温度制御を行うことを特徴とする請求項1又は2
    記載の単結晶成長方法。
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