JP2002047046A - コンクリート組成物 - Google Patents

コンクリート組成物

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JP2002047046A
JP2002047046A JP2000235354A JP2000235354A JP2002047046A JP 2002047046 A JP2002047046 A JP 2002047046A JP 2000235354 A JP2000235354 A JP 2000235354A JP 2000235354 A JP2000235354 A JP 2000235354A JP 2002047046 A JP2002047046 A JP 2002047046A
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meth
group
repeating unit
copolymer
acrylate
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JP2000235354A
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English (en)
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Mari Masanaga
眞理 正長
Akihiko Yamashita
明彦 山下
Takeshi Hirata
健 枚田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料分離抵抗性及び自己充填性を同時に満た
す優れたコンクリート組成物を提供する。 【解決手段】 セメント、水、骨材、及び、共重合体
(X)を含むコンクリート組成物であって、該共重合体
(X)は、炭素数5〜30の炭化水素基であるRAを有
する繰り返し単位(A)、炭素数4〜29の炭化水素基
であるRB を有する繰り返し単位(B)、炭素数1〜2
8の炭化水素基であるRC を有する繰り返し単位
(C)、及び、繰り返し単位(D)を必須として有する
ものであり、該繰り返し単位(A)が有する該RA で表
される基の炭素数(x)、該繰り返し単位(B)が有す
る該RB で表される基の炭素数(y)及び該繰り返し単
位(C)が有する該RC で表される基の炭素数(z)
は、 x>y>z の関係を満たすコンクリート組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料分離抵抗性及
び自己充填性に優れたコンクリート組成物に関する。
【従来の技術】
【0002】コンクリートは、ビル、家屋、橋梁、トン
ネル等に広く用いられ、土木・建築構造物を構築するた
めに欠かすことができないものとなっており、通常、セ
メント、水及び骨材を主成分とし、その他の添加剤を含
有させて混合し、経時硬化させることによって使用に供
されている。本明細書においては、コンクリートを調製
するために用いられる材料の混合物をコンクリート組成
物と称する。
【0003】コンクリートは圧縮力に対する抵抗性が極
めて高い特殊な性質を有することから、引張力に対する
抵抗性が極めて高い鉄筋と併用することにより、鉄筋コ
ンクリートとして、建造物の構造駆体として広く用いら
れている点で、セメントペースト、モルタル等の他の水
硬性材料とは異なっている。
【0004】近年、コンクリートの早期劣化が社会問題
化して以来、コンクリート組成物中に占める水の割合を
減らしてその耐久性を向上させる工夫が行われている。
また、水の量を減らすことにより生じる流動性低下や材
料分散性低下に起因して、得られるコンクリート自体の
品質の劣化を招くこととなるから、これらの特性の低下
を添加剤を添加することにより解決する技術が開発され
ており、近年、これら添加剤に関する技術革新が急速に
進行している。
【0005】ところで、コンクリート組成物からコンク
リートを形成するためには、型枠にコンクリート組成物
を流し込み、一定時間経過後に型枠を外すことが行われ
ているが、このような型枠は使用目的によっては複雑な
形状を有する場合があり、適切にコンクリート建造物を
形成させるためには、流し込み時にコンクリート組成物
がこれらの隅々にまで隙間なく充填されうる必要があ
る。また鉄筋コンクリートにあっては、鉄筋の周囲に回
り込むように充分に馴染みながらコンクリート組成物を
流し込むことが必要である。
【0006】通常、このようにコンクリート組成物が型
枠中に隙間なく充填されうるように、必要に応じて、工
事現場において、棒状物を差し込んで誘導したり振動さ
せたりすることが行われているが、このような操作は人
により状況により変化しがちであるから一定の品質保持
のためには適切ではなく、このような誘導や振動を行う
ことなく隙間なく充填されうる性質(自己充填性)をコ
ンクリート組成物自身が有していることが、均質な性能
を発揮するうえで好ましい。また、コンクリート組成物
の流動性を高めることで自己充填性を向上させることを
目的として減水剤の添加量を増加させた場合、コンクリ
ート材料を分離させ、その結果コンクリート組織の均質
性低下や緻密性低下の原因となる浮き水(ブリージン
グ)発生および骨材の偏りが生じ、コンクリート組成物
を型枠中に充填するときに型枠の複雑な形状の部分や鉄
筋に骨材がひっかかることによって自己充填性が充分で
なくなってしまうことになる。一般的に微粉末や増粘剤
を添加することにより材料分離を抑制しようとする方法
がとられているが、粘性が高くなりすぎ、充分な自己充
填性が得られなくなったり、経済性等に問題があり、未
だに解決されるには至っていない。
【0007】特開平11−106249号公報には、オ
キシアルキレン基を有する(メタ)アクリル酸系共重合
体からなるセメント混和剤が分離抵抗性と分散性とを合
わせ持ち、優れたスランプ保持性を有する旨が開示され
ている。しかしながら、この技術は、自己充填性につい
ては充分でなく改良する必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、材料分離抵抗性及び自己充填性を同時に満たす優れ
たコンクリート組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、セメント、
水、骨材、及び、共重合体(X)を含むコンクリート組
成物であって、上記共重合体(X)は、下記一般式
(1);
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、R1 及びR2 は、同一若しくは異
なって、水素原子又はメチル基を表す。m1は、0、1
又は2を表す。−(RX1O)−は、同一若しくは異なっ
て、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n1
は、上記オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、
1以上の数である。RA は、炭素数5〜30の炭化水素
基を表す。SA は、共重合体(X)中における繰り返し
単位の存在量(モル比)を表し、正の数である。〕で表
される繰り返し単位(A)、下記一般式(2);
【0012】
【化6】
【0013】〔式中、R3 及びR4 は、同一若しくは異
なって、水素原子又はメチル基を表す。m2は、0、1
又は2を表す。−(RX2O)−は、同一若しくは異なっ
て、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n2
は、上記オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、
1以上の数である。RB は、炭素数4〜29の炭化水素
基を表す。SB は、共重合体(X)中における繰り返し
単位の存在量(モル比)を表し、正の数である。〕で表
される繰り返し単位(B)、下記一般式(3);
【0014】
【化7】
【0015】〔式中、R5 及びR6 は、同一若しくは異
なって、水素原子又はメチル基を表す。m3は、0、1
又は2を表す。−(RX3O)−は、同一若しくは異なっ
て、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n3
は、上記オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、
1以上の数である。RC は、水素原子、又は、炭素数1
〜28の炭化水素基を表す。SC は、共重合体(X)中
における繰り返し単位の存在量(モル比)を表し、正の
数である。〕で表される繰り返し単位(C)、及び、下
記一般式(4);
【0016】
【化8】
【0017】〔式中、R7 、R8 及びR9 は、同一若し
くは異なって、水素原子、メチル基、又は、−(CH
2)qCOOMを表す。Mは、水素原子、一価の金属、
二価の金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表し、
2つ以上の場合には、同一であっても異なっていてもよ
い。qは、0、1又は2を表す。Tは、共重合体(X)
中における繰り返し単位の存在量(モル比)を表し、正
の数である。〕で表される繰り返し単位(D)を必須と
して有するものであり、上記繰り返し単位(A)が有す
る上記RA で表される基の炭素数(x)、上記繰り返し
単位(B)が有する上記RB で表される基の炭素数
(y)及び上記繰り返し単位(C)が有する上記RC
表される基の炭素数(z)は、 x>y>z の関係を満たすコンクリート組成物である。
【0018】本発明者らは、ビル、橋梁、トンネル等の
建造物として広く用いられるコンクリート組成物につい
ての問題点を綿密に精査したうえで鋭意研究した結果、
上述した構造を有する共重合体(X)が、材料分離抵抗
性に優れており、かつ、分散性が良好であるので、コン
クリート組成物に少量用いることにより、ブリージング
の発生を抑制し、均一で緻密な硬化物を形成することが
できるものにすると共に、自己充填性に優れ、作業性や
取扱性に優れたものにすることができるという劇的な効
果が生じる事実に遭遇し、本発明に到達したものであ
る。以下に、本発明を詳述する。
【0019】本発明のコンクリート組成物は、セメン
ト、水、骨材、及び、共重合体(X)を含む。これらは
それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記コンクリート組成物は、本発明の効果を損なう
ことがない限り、上記の配合物以外のものを含んでいて
もよい。
【0020】上記セメントとしては、従来公知のものを
使用でき、特に限定されず、例えば、普通ポルトランド
セメント、早強ポルトランドセメント等のポルトランド
セメントや、シリカセメント、フライアッシュセメン
ト、高炉セメント、アルミナセメント、ビーライト高含
有セメント、各種混合セメント;珪酸三カルシウム、珪
酸二カルシウム、アルミン酸三カルシウム、鉄アルミン
酸四カルシウム等のセメントの構成成分;潜在水硬性を
有するフライアッシュ等が挙げられる。これらの中で
も、普通ポルトランドセメントが通常よく使用され、好
適に適用することができる。
【0021】上記セメントのコンクリート組成物1m3
当たりの配合量及び単位水量としては特に限定されず、
例えば、高耐久性・高強度のコンクリートを製造するた
めには、単位水量100〜185kg/m3 、水/セメ
ント比=10〜70%であることが好ましい。より好ま
しくは、単位水量120〜175Kg/m3 、水/セメ
ント比=20〜65%である。また、単位セメント量の
多い高強度コンクリート組成物、単位セメントが300
kg/m3 以下の貧配合コンクリート組成物等にも適用
することができる。
【0022】上記骨材としては特に限定されず、従来公
知のコンクリート組成物に使用されている砂や石を使用
することができる。例えば、自然作用によって岩石から
できた川砂、海砂、山砂等の天然の細骨材;これらの岩
石やスラブを粉砕した人工の細骨材;軽量細骨材等が挙
げられる。骨材の配合量については、従来公知のコンク
リート組成物と同様とすればよく、特に限定されるもの
ではない。例えば、細骨材率として、20〜60重量%
であることが好ましい。20重量%未満であると、がさ
がさしたコンクリート組成物となり、スランプの大きい
コンクリート組成物では、粗骨材とモルタル分とが分離
しやすくなるおそれがある。60重量%を超えると、単
位セメント量及び単位水量を多く必要とし、また、流動
性の悪いコンクリート組成物となるおそれがある。より
好ましくは、30〜50重量%である。
【0023】上記コンクリート組成物における共重合体
(X)の配合割合としては特に限定されず、例えば、セ
メントに対する重量割合が固形分換算で0.001〜1
0重量%であることが好ましい。0.001重量%未満
であると、コンクリート組成物の材料分離抵抗性及び自
己充填性が充分に発揮されないおそれがあり、10重量
%を超えると、コンクリート組成物のコストが有利でな
くなるおそれがある。より好ましくは、0.005〜5
重量%であり、更に好ましくは、0.01〜3重量%で
あり、最も好ましくは、0.01〜1重量%である。
【0024】上記共重合体(X)は、上記一般式(1)
で表される繰り返し単位(A)、上記一般式(2)で表
される繰り返し単位(B)、上記一般式(3)で表され
る繰り返し単位(C)、及び、上記一般式(4)で表さ
れる繰り返し単位(D)を必須として有するものであ
る。繰り返し単位(A)、繰り返し単位(B)及び繰り
返し単位(C)は、いずれもセメント粒子を分散させる
ために充分な親水性、立体反発効果と適度な疎水性を有
すると共に、繰り返し単位(A)は、コンクリート組成
物の材料分離抵抗性を高め、繰り返し単位(B)は、コ
ンクリート組成物の流動性を調整し、繰り返し単位
(C)は、共重合体(X)の親水性を高める機能を有す
るものであり、繰り返し単位(D)は、共重合体(X)
をセメント粒子に吸着させる機能を発揮させるものであ
る。本発明における共重合体(X)は、これらの機能が
相乗的に発揮されてコンクリート組成物の材料分離抵抗
性及び自己充填性を高めることになる。
【0025】上記一般式(1)、一般式(2)及び一般
式(3)において、m1、m2及びm3が2を超える
と、疎水性が強くなり、分散性が劣ることになる。好ま
しくは、0である。上記−(RX1O)−、−(RX2O)
−及び−(RX3O)−で表されるオキシアルキレン基
は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。ま
た、炭素数2〜18のオキシアルキレン基以外のオキシ
スチレン基等を必要により付加的に有していてもよい。
更に、該オキシアルキレン基が同一の繰り返し単位中に
2種以上存在する場合には、該オキシアルキレン基の付
加形態は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等の
いずれであってもよい。
【0026】上記オキシアルキレン基の平均付加モル数
n1、n2及びn3が1未満であると、セメント粒子を
分散させるために充分な親水性、立体障害が得られない
ため、コンクリート組成物が優れた流動性を得ることが
できない。n1、n2及びn3としては、例えば、1〜
500であることが好ましい。500を超えると、単量
体の反応性が低下するおそれがある。より好ましくは、
2〜500であり、更に好ましくは2〜300であり、
とりわけ好ましくは10〜300である。上記平均付加
モル数とは、共重合体を構成する繰り返し単位のうち同
一の繰り返し単位1モル中において付加している当該有
機基のモル数の平均値を意味する。
【0027】上記オキシアルキレン基としては特に限定
されず、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン
基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基等が挙げ
られる。このようなオキシアルキレン基において、オキ
シエチレン基は、親水性を付与する機能を有し、また、
炭素数3〜18のオキシアルキレン基は、適度な疎水性
を付与する機能を有することになる。上記炭素数3〜1
8のオキシアルキレン基の中でも、炭素数2〜6のオキ
シアルキレン基を用いて各繰り返し単位の親水性、疎水
性を調整することが好ましい。より好ましくは、炭素数
2〜4のオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキ
シブチレン基を用いることである。また、上記オキシア
ルキレン基の平均付加モル数におけるオキシエチレン基
の平均付加モル数の割合は、共重合体(X)の親水性と
疎水性とのバランスが図りやすいことから、50%以上
であることが好ましい。
【0028】上記RA 、RB 及びRC で表される基にお
ける炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基等の直鎖
状飽和炭化水素基;フェニル基、アルキルフェニル基、
フェニルアルキル基、フェニル基やアルキルフェニル基
で置換されたフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水
素基;アルケニル基等の中からRA 、RB 及びRC それ
ぞれの炭素数に該当する炭素数の基が挙げられる。
【0029】上記RA 、RB 及びRC の炭素数は、RA
が5〜30、RB が4〜29、RC が水素原子の場合を
0とすると0〜28であるが、RA が5未満であると、
共重合体(X)の親水性が強くなってコンクリート組成
物の流動性が高くなりすぎることに起因して充分な材料
分離抵抗性を発揮することができない。また、RC が2
8を超えると、疎水性が強くなってコンクリート組成物
の流動性が低下しすぎて自己充填性が充分でなくなるこ
とになる。
【0030】本発明においては、上記繰り返し単位
(A)が有する上記RA で表される基の炭素数(x)、
上記繰り返し単位(B)が有する上記RB で表される基
の炭素数(y)及び上記繰り返し単位(C)が有する上
記RC で表される基の炭素数(z)は、 x>y>z の関係を満たす。すなわち、共重合体(X)中に、R
A 、RB 及びRC の炭素数が異なる繰り返し単位
(A)、繰り返し単位(B)及び繰り返し単位(C)が
少なくとも1組存在すればよい。例えば、各繰り返し単
位の機能を充分に発揮させるために、RA の炭素数
(x)が10〜30、RB の炭素数(y)が5〜9、R
C の炭素数(z)が0〜4であることが好ましい。より
好ましくは、RA の炭素数(x)が11〜30、RB
炭素数(y)が5〜8、RC の炭素数(z)が0〜3で
あり、更に好ましくは、RA の炭素数(x)が12〜3
0、RB の炭素数(y)が5〜7、RC の炭素数(z)
が0〜2であり、最も好ましくは、RA の炭素数(x)
が12〜30、RB の炭素数(y)が5〜6、RC の炭
素数(z)が0〜1である。
【0031】上記一般式(4)において、−COOM基
は、コンクリート組成物中でMが解離してカルボキシア
ニオンを生じ、正極性に帯電しているセメント粒子の表
面と親和力が生じることから、共重合体(X)をセメン
ト粒子に吸着させる機能を有するものである。これによ
り、セメント粒子同士の付着が抑制され、優れた分散性
が発現することになると考えられる。従って、コンクリ
ート組成物中で解離しやすいことから、Mは、水素原
子、一価の金属、二価の金属、アンモニウム基又は有機
アミン基の中でも、水素原子又は一価の金属であること
が好ましい。
【0032】上記一価の金属としては、例えば、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等が挙
げられ、上記二価の金属としては、例えば、カルシウ
ム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等が挙げら
れ、上記有機アミン基としては、例えば、エタノールア
ミン基、トリエチルアミン基等が挙げられる。
【0033】上記一般式(1)、一般式(2)、一般式
(3)及び一般式(4)において、S A 、SB 、SC
びTは、正の数である。また、SA +SB +SC +T
は、1以下である。好ましくは0.5〜1、より好まし
くは0.6〜1、更に好ましくは0.7〜1である。こ
のようなSA 、SB 、SC 及びTの比率としては、例え
ば、SA +SB +SC +Tを1とすると、(SA +SB
+SC )/Tが、0.1〜0.9/0.1〜0.9であ
ることが好ましい。より好ましくは、0.1〜0.7/
0.3〜0.9であり、更に好ましくは、0.1〜0.
5/0.5〜0.9である。また、共重合体(X)中
に、RA 、RB 及びRC の炭素数が異なる繰り返し単位
(A)、繰り返し単位(B)及び繰り返し単位(C)が
1組存在する場合には、例えば、SA +SB +SC を1
とすると、SA /SB /SC が、0.01〜0.98/
0.01〜0.98/0.01〜0.98であることが
好ましい。より好ましくは、0.05〜0.96/0.
02〜0.93/0.02〜0.93であり、更に好ま
しくは、0.10〜0.70/0.15〜0.75/
0.15〜0.75であり、特に好ましくは、0.15
〜0.60/0.25〜0.70/0.15〜0.60
であり、最も好ましくは、0.20〜0.55/0.3
0〜0.65/0.15〜0.5である。更に、共重合
体(X)中に、RA 、RB 及びRC の炭素数が異なる繰
り返し単位(A)、繰り返し単位(B)及び繰り返し単
位(C)が2組以上存在する場合には、炭素数が10〜
30の炭化水素基をRA とし、炭素数が5〜9の炭化水
素基をRB とし、炭素数が0〜4の炭化水素基をRC
してSA /SB /SC を計算することが好ましい。例え
ば、RA、RB 及びRC で表される基として炭素数18
の炭化水素基、炭素数12の炭化水素基、炭素数5の炭
化水素基及び炭素数1の炭化水素基を有する場合には、
該炭素数18の炭化水素基及び該炭素数12の炭化水素
基を有する繰り返し単位を繰り返し単位(A)とし、該
炭素数5の炭化水素基を有する繰り返し単位を繰り返し
単位(B)とし、該炭素数1の炭化水素基を有する繰り
返し単位を繰り返し単位(C)としてSA /SB /SC
を計算する。
【0034】上記共重合体(X)において、繰り返し単
位(A)、繰り返し単位(B)、繰り返し単位(C)及
び繰り返し単位(D)の付加形態としては特に限定され
ず、例えば、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等
のいずれであってもよい。また、本発明の作用効果を奏
する限り、繰り返し単位(A)、繰り返し単位(B)、
繰り返し単位(C)及び繰り返し単位(D)以外の繰り
返し単位を付加的に有するものであってもよい。
【0035】上記共重合体(X)の重量平均分子量(M
w)としては特に限定されず、例えば、5000〜50
0000であることが好ましい。5000未満である
と、材料分離抵抗性や分散性が低下するおそれがある。
500000を超えると、重合が困難となるおそれがあ
る。より好ましくは、10000〜500000であ
り、更に好ましくは、10000〜300000であ
る。
【0036】本発明における共重合体(X)を得る方法
としては特に限定されず、例えば、繰り返し単位(A)
を形成する単量体(a)、繰り返し単位(B)を形成す
る単量体(b)、繰り返し単位(C)を形成する単量体
(c)及び繰り返し単位(D)を形成する単量体(d)
を含む重合性単量体組成物(K)を用いて共重合する方
法等が挙げられる。また、重合性単量体組成物(K)
は、必要により、その他の単量体(e)を含んでいても
よい。これらの単量体はそれぞれ単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0037】上記単量体(a)、単量体(b)及び単量
体(c)としては特に限定されず、下記に示す単量体の
中から、適宜、単量体(a)、単量体(b)及び単量体
(c)に該当するものを用いることができる。 例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、
1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノー
ル、t−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノ
ール、3−ヘキサノール、3,3−ジメチル−1−ブタ
ノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、2,2−
ジメチル−1−ブタノール、オクタノール、2−エチル
−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアル
コール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ペ
ンタデカアルコール、ヘキサデカアルコール、ヘプタデ
カアルコール等の炭素数1〜18の脂肪族アルコール
類;アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチル
アルコール、イソプレンアルコール等の炭素数3〜18
のアルケニル基を有するアルコール類;シクロプロパノ
ール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロ
ヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式アルコール
類;フェノール、フェニルメタノール(ベンジルアルコ
ール)、メチルフェノール(クレゾール)、p−エチル
フェノール、ジメチルフェノール(キシレノール)、p
−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシル
フェノール、フェニルフェノール、ナフトール等の炭素
数6〜18のベンゼン環を有するアルコール類等のアル
コール類のいずれかに炭素数2〜18のアルキレンオキ
シドの1種又は2種以上を1〜500モル付加したアル
コキシポリアルキレングリコール類や、炭素数2〜18
のアルキレンオキシドの1種又は2種以上を1〜500
モル付加したポリアルキレングリコール類と、(メタ)
アクリル酸、クロトン酸、1−メチルクロトン酸又は
1,2−ジメチルクロトン酸とのエステル化物(1)等
である。
【0038】上記エステル化物(1)としては、例え
ば、以下に示すアルコキシポリ(炭素数2〜18のアル
キレングリコール)モノ(メタ)アクリルエステル類等
が挙げられる。ポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピ
レングリコール}モノ(メタ)アクリレート、{ポリエ
チレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポ
リ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコー
ル}モノ(メタ)アクリレート。
【0039】メトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール
(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチ
レングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ
{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコー
ル(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレー
ト、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレ
ングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ
{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコー
ル(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール
(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブ
チレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポ
キシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリ
コール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アク
リレート。
【0040】ブトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール
(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチ
レングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ
{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコー
ル(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、ペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール
(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブ
チレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペント
キシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリ
コール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アク
リレート。
【0041】ヘキソキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリ
コール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)ア
クリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、
ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、ヘプトキシポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ヘプトキシ{ポリエチレン
グリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、ヘプトキシ{ポリエチレングリコー
ル(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、ヘプトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プ
ロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート。
【0042】オクトキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、オクトキシ{ポリエチレングリ
コール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)ア
クリレート、オクトキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、
オクトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、ノナノキシポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ノナノキシ{ポリエチレン
グリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、ノナノキシ{ポリエチレングリコー
ル(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレ
ート、ノナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プ
ロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート。
【0043】デカノキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、デカノキシ{ポリエチレングリ
コール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)ア
クリレート、デカノキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、
デカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、ウンデカノキシポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ウンデカノキシ{ポリ
エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モ
ノ(メタ)アクリレート、ウンデカノキシ{ポリエチレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、ウンデカノキシ{ポリエチレングリ
コール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレン
グリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0044】ドデカノキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ドデカノキシ{ポリエチレング
リコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)
アクリレート、ドデカノキシ{ポリエチレングリコール
(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレー
ト、ドデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プ
ロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート、トリデカノキシポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、トリデカノキシ
{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコー
ル}モノ(メタ)アクリレート、トリデカノキシ{ポリ
エチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート、トリデカノキシ{ポリエチレン
グリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチ
レングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0045】テトラデカノキシポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエ
チレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエチレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエチレング
リコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレ
ングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカ
ノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレー
ト、ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、
ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プ
ロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート。
【0046】ヘキサデカノキシポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエ
チレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレング
リコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレ
ングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカ
ノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレー
ト、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、
ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プ
ロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート。
【0047】オクタデカノキシポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエ
チレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレング
リコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレ
ングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0048】シクロペントキシポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエ
チレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレング
リコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレ
ングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキ
ソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、
シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プ
ロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ
(メタ)アクリレート。
【0049】フェノキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリ
コール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)ア
クリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポ
リ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、
フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレ
ングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メ
タ)アクリレート、(メタ)アリルオキシポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリル
オキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレング
リコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリル
オキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリ
コール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオ
キシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリ
コール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アク
リレート。但し、{ }内のポリアルキレングリコール
はランダム状に付加していてもブロック状に付加してい
てもよい。
【0050】上記単量体(d)としては特に限定され
ず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、1−メ
チルクロトン酸、1,2−ジメチルクロトン酸等の不飽
和モノカルボン酸、又は、マレイン酸、シトラコン酸、
フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類;これ
らの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機ア
ミン塩等が挙げられる。これらの中でも、不飽和モノカ
ルボン酸系単量体が好ましい。より好ましくは、(メ
タ)アクリル酸及びその塩である。
【0051】上記単量体(e)としては特に限定され
ず、例えば、下記に示す単量体等が挙げられる。マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和
ジカルボン酸類と炭素数1〜30のアミンとのハーフア
ミド、ジアミド;アミンに炭素数2〜18のアルキレン
オキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)
アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類との
ハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸
類と炭素数2〜18のグリコール又はこれらのグリコー
ルの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコール
とのジエステル;マレアミド酸と炭素数2〜18のグリ
コール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500
のポリアルキレングリコールとのハーフアミド;トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチ
レングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ
(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ
レート等の二官能(メタ)アクリレート類;トリエチレ
ングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマ
レート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート
類。
【0052】ビニルスルホネート、(メタ)アリルスル
ホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネー
ト、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、
3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルス
ルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキ
シプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アク
リロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾ
エート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネー
ト、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メ
タ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロ
パンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスル
ホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価
金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン
塩;グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和モノカ
ルボン酸類と炭素数1〜3のアルコールとのエステル;
メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカル
ボン酸類と炭素数1〜30のアミンとのアミド類;スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチ
ルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオー
ルモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオー
ルモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ
(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2
−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−
ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリ
ル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類。
【0053】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽
和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メ
タ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチル
アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブヂルアミノエ
チル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベ
ンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート
等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリ
シジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化
合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエ
ーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類;ポリ
ジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、
ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレイ
ンアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピ
ルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン
−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポ
リジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレ
ート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3
−メタクリレート、ポリジメチルシロキサン−ビス−
(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシ
ロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレー
ト)等のシロキサン誘導体;2−アクリロイロキシエチ
ルホスフェート、2−メタクリロクロキシエチルホスフ
ェート等の不飽和リン酸エステル類。
【0054】上述した単量体の共重合方法としては特に
限定されず、例えば、重合開始剤を用いて上記重合性単
量体組成物(K)を共重合させればよい。重合は、溶媒
中での重合や塊状重合等の方法により行なうことができ
る。上記溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行うこ
とができ、その際使用される溶媒としては、例えば、
水;メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパ
ノール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂
肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン化合物等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。これらの中でも、原料単量体及び得られる共重
合体(X)の溶解性並びに共重合体(X)の取り扱い性
からは、水及び炭素原子数1〜4の低級アルコールから
なる群より選択される少なくとも1種を用いることが好
ましい。その場合、炭素原子数1〜4の低級アルコール
の中でもメチルアルコール、エチルアルコール、2−プ
ロパノール等が特に有効である。
【0055】上記溶媒中での重合においては、水媒体中
で重合を行う場合には、重合開始剤としてアンモニウ
ム、アルカリ金属の過硫酸塩又は過酸化水素等の水溶性
の重合開始剤が使用されることになる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。この場合、
亜硫酸水素ナトリウム、モール塩、アスコルビン酸
(塩)、ロンガリット等の促進剤を併用することもでき
る。また、低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、エステル化合物又はケトン化合物を溶媒とする
重合を行う場合には、ベンゾイルパーオキシドやラウロ
イルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパ
ーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物等が重合開始剤として用い
られる。この場合、アミン化合物等の促進剤を併用する
こともできる。更に、水−低級アルコール混合溶剤を溶
媒とする重合を行う場合には、上記の種々の重合開始剤
又は重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選
択して用いることができる。これらの場合において、重
合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められ
るが、通常0〜120℃で行なわれる。
【0056】上記塊状重合においては、通常、重合開始
剤として、例えば、ベンゾイルパーオキシドやラウロイ
ルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパー
オキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ化合物等の1種又は2種以上を用
い、重合温度を50〜200℃として行われる。
【0057】上記共重合方法においては、共重合体
(X)の分子量調節のために、次亜リン酸(塩)やチオ
ール系連鎖移動剤を併用することもできる。この際に用
いられるチオール系連鎖移動剤は、一般式HS−R20
Eg(式中、R20は、炭素数1〜2のアルキル基を表
す。Eは、−OH、−COOX、−COOR21又はSO
3 X基を表す。Xは、水素原子、一価金属、二価金属、
アンモニウム基又は有機アミン基を表し、R21は、炭素
原子数1〜10のアルキル基を表す。gは、1〜2の整
数を表す。)で表され、例えば、メルカプトエタノー
ル、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカ
プトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ
リンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプト
プロピオン酸オクチル等が挙げられ、これらの1種又は
2種以上を用いることができる。
【0058】上記共重合方法により得られる共重合体
(X)は、そのままでもコンクリート組成物に添加して
用いることができるが、水に対する溶解性が不足するよ
うな場合には、水に対する溶解性を向上させて有機溶媒
を含まない水溶液の形態で取り扱うために、更に一価金
属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭素塩等の無機
物;アンモニア;有機アミン等(好ましくは水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の一価金属の水酸化物)のア
ルカリ性物質で中和して得られる重合体塩を用いること
が好ましい。このように得られる共重合体(X)を含む
セメント添加剤を材料分離低減剤としてコンクリート組
成物に添加することにより、本発明のコンクリート組成
物を得ることができる。
【0059】本発明のコンクリート組成物は、更に、減
水剤を含むことが好ましい。これにより、コンクリート
組成物中の水の含有量を低減しても配合材料の分散性が
良好に保たれるため、硬化物の強度や耐久性等が向上さ
れたりすることになる。本発明では、特に、減水剤とし
て高性能減水剤を用いることが好ましい。このような高
性能減水剤としては、例えば、カルボン酸系、スルホン
酸系等のいずれの系統の高性能減水剤も使用することが
でき、カルボン酸基を有する化合物であるポリカルボン
酸系の高性能減水剤、スルホン酸基を有する化合物であ
るホルムアルデヒド共縮合物系又は芳香族スルホン酸系
の高性能減水剤等の公知の高性能減水剤が使用でき、こ
れら公知の高性能減水剤の複数の併用も可能である。
【0060】上記ポリカルボン酸系の高性能減水剤とし
ては特に限定されず、例えば、不飽和モノカルボン酸及
びその誘導体、並びに、不飽和ジカルボン酸及びその誘
導体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体
を重合して得られる重合物又は共重合物を使用すること
ができ、下記に示す公知のもの等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0061】特開平7−267705号公報に記載の如
く(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリ
ル酸系化合物との共重合体及び/又はその塩と、(b)
成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)ア
リルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体及
び/若しくはその加水分解物、並びに/又は、その塩
と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アリルエーテル系化合物と、ポリアルキレング
リコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及
び/又はその塩とを含むセメント分散剤;特許第250
8113号明細書に記載の如くA成分として、(メタ)
アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メ
タ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特
定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコ
ンクリート混和剤。
【0062】特開昭62−216950号公報に記載の
如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)
グリコールエステル若しくはポリエチレン(プロピレ
ン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)
アリルスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸
(塩)からなる共重合体;特開平1−226757号公
報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プ
ロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホ
ン酸(塩)、及び、(メタ)アクリル酸(塩)からなる
共重合体;特公平5−36377号公報に記載の如く
(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリ
コールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)若し
くはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸
(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共
重合体;特開平4−149056号公報に記載の如くポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルとマ
レイン酸(塩)との共重合体。
【0063】特開平5−170501号公報に記載の如
く(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステ
ル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、(メタ)アクリ
ル酸(塩)、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、及び、分子中にアミド基を有するα,β−不飽和単
量体からなる共重合体;特開平6−191918号公報
に記載の如くポリエチレングリコールモノ(メタ)アリ
ルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メ
タ)アクリル酸(塩)、並びに、(メタ)アリルスルホ
ン酸(塩)若しくはp−(メタ)アリルオキシベンゼン
スルホン酸(塩)からなる共重合体;特開平5−432
88号公報に記載の如くアルコキシポリアルキレングリ
コールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合
体、若しくは、その加水分解物、又は、その塩;特公昭
58−38380号公報に記載の如くポリエチレングリ
コールモノアリルエーテル、マレイン酸、及び、これら
の単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、若し
くは、その塩、又は、そのエステル。
【0064】特公昭59−18338号公報に記載の如
くポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、
これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合
体;特開昭62−119147号公報に記載の如くスル
ホン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び必要
によりこれと共重合可能な単量体からなる共重合体、又
は、その塩;特開平6−271347号公報に記載の如
くアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエー
テルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニ
ル基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル
化反応物;特開平6−298555号公報に記載の如く
アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテ
ルと無水マレイン酸との共重合体と、末端に水酸基を有
するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応
物;特開昭62−68806号公報に記載の如く3−メ
チル−3ブテン−1−オール等の特定の不飽和アルコー
ルにエチレンオキシド等を付加したアルケニルエーテル
系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、及び、これらの
単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、又は、
その塩等。
【0065】上記ホルムアルデヒド共縮合物又は芳香族
スルホン酸系の高性能減水剤としては特に限定されず、
例えば、ナフタレン、メラミン、フェノール、尿素又は
アニリンのいずれかのメチロール化物及びスルホン化物
からなる群より選択される少なくとも1種の化合物のホ
ルムアルデヒド縮合物等が挙げられる。このような化合
物としては、例えば、ナフタレンスルホン酸塩ホルムア
ルデヒド縮合物(例えば、マイティ150−V2:花王
社製)、特開平1−113419号公報に記載の如くア
ミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒ
ド縮合物、フェノールスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮
合物、ポリスチレンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0066】上記コンクリート組成物において、減水剤
を併用する場合には、上記減水剤と上記共重合体(X)
との配合比は、上記減水剤の固形分が100重量部に対
して、上記共重合体(X)の固形分が1重量部以上であ
ることが好ましい。共重合体(X)の固形分が1重量部
未満であると、ブリージングが発生しやすくなるおそれ
がある。より好ましくは、共重合体(X)の固形分が5
重量部以上であり、更に好ましくは、共重合体(X)の
固形分が10重量部以上である。
【0067】上記コンクリート組成物は、本発明の作用
効果を奏する限り、他のセメント添加剤等を含んでいて
もよい。上記セメント添加剤としては特に限定されず、
例えば、以下に示す様な公知のセメント添加剤(材)等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0068】(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸
(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポ
リマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸
共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のポリオキシエチレンあるいはポリオキシプロピレンの
ポリマー又はそれらのコポリマー;メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母
グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直
鎖状、分岐鎖状の何れでも良く、一例を挙げれば、カー
ドラン、パラミロン、バキマン、スクレログルカン、ラ
ミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖
類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デン
プン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウ
ム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸の
コポリマー及びその四級化合物等。
【0069】(2)高分子エマルジョン:(メタ)アク
リル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。 (3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボ
ン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニ
ウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等の
オキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクト
ース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピ
オース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖
等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデ
キストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;
ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;
リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカル
ボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;
タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコー
ル;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミ
ンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミ
ンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘
導体等。
【0070】(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、
亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、
ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩
化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;
水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸
カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナ
セメント;カルシウムアルミネートシリケート等。 (5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。 (6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、こ
れらのアルキレンオキシド付加物等。 (7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、こ
れらのアルキレンオキシド付加物等。 (8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノ
レート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノ
ラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワック
ス等。
【0071】(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポ
リ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等
のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプ
チルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテ
ル、炭素数12〜14の高級アルコールへのオキシエチ
レンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキ
ルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の
(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテ
ル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−
4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−
2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オー
ル等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付
加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコ
ールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリ
ル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エス
テル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エス
テル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エ
ステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエー
テル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアル
キル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)
オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)
オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキ
シエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレ
ンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
【0072】(10)アルコール系消泡剤:オクチルア
ルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコ
ール、グリコール類等。 (11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。 (12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、
ナトリウムオクチルホスフェート等。 (13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレー
ト、カルシウムオレエート等。 (14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、
シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変
性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオ
ルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
【0073】(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和あるいは
不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラ
ウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホ
ン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、
アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル
(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル
(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオ
キシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エス
テル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク
酸、α−オレフィンスルホネート等。
【0074】(16)その他界面活性剤:オクタデシル
アルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜3
0個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエ
チルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有
する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の
分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタ
ン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原
子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分
子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン
酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を
有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させ
たポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はア
ルコキシル基を置換基として有しても良い、スルホン基
を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキ
ルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性
界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリ
メチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面
活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性
剤等。
【0075】(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エ
ステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、
ワックス等。 (18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。 (19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル
類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカ
ンジオール類等。 (20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
【0076】その他の公知のセメント添加剤(材)とし
ては、セメント湿潤剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減
剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、差色
剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダー
アッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリ
カヒューム、シリカ粉末、石膏等を挙げることができ
る。これら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。また、上述した公
知のセメント添加剤(材)の他に、コンクリート組成物
の分散性、抑泡制等を向上させるものを併用してもよ
い。
【0077】上記コンクリート組成物には、必要に応じ
て、その他の材料が配合されていてもよい。その他の材
料としては、従来公知のコンクリート組成物と同様のも
のを用いることができ、特に限定されず、例えば、シリ
カヒューム、高炉スラブ、シリカ粉末や、鋼繊維、ガラ
ス繊維等の繊維質材料等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの材
料の配合量としては、本発明の作用効果を奏する限り特
に限定されるものではない。
【0078】上記コンクリート組成物を作製する方法と
しては特に限定されず、例えば、共重合体(X)を含む
セメント添加剤(材料分離低減剤)を用いるとすると、
セメントと水とセメント添加剤、その水分散液又は水溶
液と必要に応じてその他の配合材料を一緒に混合する方
法等の従来のコンクリート組成物と同様の方法;セメン
トと水と必要に応じてその他の配合材料とを予め混合し
ておき、得られた混合物にセメント添加剤、その水分散
液又は水溶液を添加して混合する方法;セメントと必要
に応じてその他の配合材料とを予め混合しておき、得ら
れた混合物に、セメント添加剤、その水分散液又は水溶
液と水とを添加して混合する方法;セメントと、セメン
ト添加剤、その水分散液又は水溶液と、必要に応じてそ
の他の配合材料とを予め混合しておき、得られた混合物
に水を添加して混合する方法等が挙げられる。
【0079】上記コンクリート組成物においては、スラ
ンプフローが30〜70cmとなるようにしたときに、
流動障害なしの条件でU形充てん性試験を行ったときの
充填高さの差が、300mm以下であることが好まし
い。300mmを超えると、コンクリート組成物の自己
充填性が充分でなくなるおそれがある。
【0080】上記コンクリート組成物のスランプフロー
が30〜70cmとなるようにするとは、JIS A
1101に準拠した方法で、練り混ぜ直後のコンクリー
ト組成物のスランプフローを測定した値が30〜70c
mとなるようにすることを意味する。上記流動障害なし
の条件でU形充てん性試験を行ったときの充填高さの差
は、土木学会コンクリート委員会編「高流動コンクリー
ト施工指針」(平10−7−20)丸善 p.157〜
159(充填装置を用いた間げき通過性試験方法)に従
い、流動障害なしの条件でU形充てん性試験を行った後
のA室の高さAh(mm)及び充填高さBh (mm)の
3カ所を測定し、その平均値を少数点以下1桁を丸めて
整数で表し、Ah とBh との差を充填高さの差として求
める。
【0081】上記スランプフローと流動障害なしの条件
でU形充てん性試験を行ったときの充填高さの差とを調
整するには、共重合体(X)の繰り返し単位の構造や比
率等を適宜設定したり、コンクリート組成物の配合を適
宜調整したりすることにより行うことができる。
【0082】上記コンクリート組成物は、分散性を損な
うことなく、材料分離抵抗性に優れたものであるので、
ブリージングが起こりにくく、良好な均一性を有し、そ
の硬化物が強度や耐久性に優れたものとなる。また、適
度な流動性を有する自己充填性に優れたものであるの
で、作業性を向上することができるものである。従っ
て、構造物の安全性を向上したり、建設コストを抑制し
たりすることができ、建築構造物等の様々な分野におい
て広く好適に用いることができるものである。
【0083】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。尚、実施例中、「部」は、「重量部」を表す
ものとし、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)法によるポリエチレングリ
コール換算の重量平均分子量を表すものとする。
【0084】製造例1 共重合体(1)の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器
を備えたガラス製反応容器に、イソプロパノール21
0.0部及びイオン交換水331.0部を仕込み、攪拌
下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で65℃ま
で加熱した。次に、1−ペンチルアルコキシポリエチレ
ングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの
平均付加モル数25個)97.5部、ステアリルアルコ
キシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチ
レンオキシドの平均付加モル数25個)97.5部、メ
トキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エ
チレンオキシドの平均付加モル数23個)45.0部、
メタクリル酸47.8部、イオン交換水69.7部及び
連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸0.55
部を混合したモノマー溶液を4時間で滴下し、過硫酸ナ
トリウム6.9部とイオン交換水93.1部とからなる
開始剤溶液をモノマー溶液滴下開始時から5時間で滴下
した。その後、1時間引き続いて65℃に温度を維持
し、重合反応を完結させ、イソプロパノールを溜去して
重量平均分子量44100の共重合体水溶液からなる共
重合体(1)を得た。表1及び表2に、共重合体(1)
の構成成分を示した。
【0085】製造例2 共重合体(2)の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器
を備えたガラス製反応容器に、メタノール210.0部
及びイオン交換水164.4部を仕込み、攪拌下に反応
容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で65℃まで加熱し
た。次に、ラウリルアルコキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル
数25個)150.0部、メトキシポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加
モル数23個)60.0部、メタクリル酸71.7部、
イオン交換水60.4部及び連鎖移動剤として3−メル
カプトプロピオン酸0.74部を混合したモノマー溶液
を4時間で滴下し、過硫酸ナトリウム6.9部とイオン
交換水93.1部とからなる開始剤溶液をモノマー溶液
滴下開始時から5時間で滴下した。その後、1時間引き
続いて65℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、3
0%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、メタノール
を溜去して重量平均分子量53600の共重合体水溶液
からなる共重合体(2)を得た。表1及び表2に、共重
合体(2)の構成成分を示した。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】表1及び表2中の記載について、以下に説
明する。 (1)PGSt−25Eは、1−ステアリルアルコキシ
ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレン
オキシドの平均付加モル数25個)からなる構成単位で
ある。 (2)PGPt−25Eは、ペンチルアルコキシポリエ
チレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシ
ドの平均付加モル数25個)からなる構成単位である。 (3)PGM−23Eは、メトキシポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加
モル数23個)からなる構成単位である。 (4)SMAAは、(ポリ)メタクリル酸ナトリウム塩
からなる構成単位である。
【0089】(5)PGLa−25Eは、ラウリルアル
コキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エ
チレンオキシドの平均付加モル数25個)からなる構成
単位である。 (6)PGM−23Eは、メトキシポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加
モル数23個)からなる構成単位である。 (7)組成における数字は、共重合体中の構成成分のモ
ル比を示す。 (8)N.V.は、共重合体水溶液における不揮発分含
量である。 (9)Mwは、共重合体の重量平均分子量である。 (10)化1、化2及び化3は、それぞれ繰り返し単位
(A)、繰り返し単位(B)及び繰り返し単位(C)を
形成する単量体を示す。 (11)n1、n2及びn3は、各構成単位におけるア
ルキレンオキシドの平均付加モル数を表す。
【0090】上記製造例1及び2において、繰り返し単
位(D)を形成する単量体を化4とすると、化4は共重
合体(1)及び共重合体(2)に共通であり、(ポリ)
メタクリル酸ナトリウム塩である。上記共重合体(1)
及び共重合体(2)において、R1 、R3 及びR5 は、
H(水素原子)であり、R2 、R4 及びR6 は、CH3
(メチル基)であり、Rx1O、Rx2O及びRx3Oは、C
24 O(オキシエチレン基)であり、m1、m2及び
m3は、0である。
【0091】実施例1〜4及び比較例1〜4 得られた共重合体(1)または共重合体(2)を用い
て、コンクリート組成物を調製した。コンクリート組成
物における水、セメント及び骨材の配合量を表3に、そ
の他の添加剤の配合量を表4に示した。コンクリート組
成物の混練条件は、次のとおりである。まず、細骨材を
50L強制式パン型ミキサーにより10秒間混練した。
これに、セメントを加えて10秒間混練した。更に、水
及び添加剤を加えて30秒間混練した後、粗骨材を加え
て90秒間混練し、得られたコンクリート組成物を評価
に用いた。
【0092】
【表3】
【0093】表3中の記載について、以下に説明する。 (1)Wは、水(水道水)である。 (2)Cは、セメント(太平洋セメント社製、普通ポル
トランドセメント)である。 (3)Sは、細骨材(大井川産川砂)である。 (4)Gは、粗骨材(青梅産砕石)である。 (5)a=S+G
【0094】得られたコンクリート組成物を用いて、以
下に示す方法により評価を行った。結果を表4に示し
た。 (1)スランプ試験 JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験方
法)に準拠して行った。 (2)V漏斗試験 土木学会コンクリート委員会編「高流動コンクリート施
工指針」(平10−7−20)丸善 p.162〜16
4(漏斗を用いた流下試験方法)に従い、V漏斗を用い
る漏斗流下試験を行い、流下時間の測定結果をJIS
Z 8401によって少数点以下1桁に丸めて求めた。
【0095】(3)U形充てん性試験 上記「高流動コンクリート施工指針」p.157〜15
9(充填装置を用いた間げき通過性試験方法)に従い、
流動障害なしの条件でU形充てん性試験を行った後のA
室の高さAh (mm)及び充填高さBh (mm)の3カ
所を測定し、その平均値を少数点以下1桁を丸めて整数
で表し、Ah とBh との差を充填高さの差として求め
た。 (4)分離程度評価 スランプ試験後のコンクリートの状態を目視判定により
行った。判定基準は、以下のとおりである。 ○:分離なし。 △:ブリージングないが、中心部に骨材が残る。 ×:ブリージングあり。
【0096】
【表4】
【0097】表4について、以下に説明する。 (1)FC−900(商品名、日本触媒社製)は、ポリ
カルボン酸系高性能減水剤である。 (2)消泡剤は、市販のオキシアルキレン系消泡剤であ
る。1)は、FC−900固形分に対しての添加量を示
す。2)は、共重合体(1)または(2)固形分に対し
ての添加量を示す。
【0098】表1より、共重合体(1)を分離低減剤と
して使用した実施例1〜4のコンクリート組成物は、ス
ランプ試験、V漏斗試験及びU形充てん性試験の結果が
良好であり、材料分離抵抗性及び自己充填性に優れてい
るため、作業性を向上させ、所望する強度を有する硬化
物を得ることができるものであった。比較例1〜3で作
製したコンクリート組成物は、共重合体(1)を使用し
ていない比較例1においては、U形充てん性試験におけ
る高さの差(Ah −Bh )が充分ではなく、同様に、減
水剤のみを用いて流動性を上げた比較例2においては、
材料分離が見られ、さらに、Ah −Bh も充分な値が得
られていない。また、共重合体(2)を使用した比較例
3においては、流動性が低く、その結果V漏斗試験、U
形充てん性試験においても、良好な結果は得られなかっ
た。
【0099】
【発明の効果】本発明のコンクリート組成物は、上述の
ような構成からなるので、材料分離抵抗性及び自己充填
性に優れたものであり、構造物の安全性を向上したり、
建設コストを抑制したりすることができ、建築構造物等
の様々な分野において広く好適に用いることができるも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 103:32 C04B 103:32 103:44 103:44 111:62 111:62 (72)発明者 枚田 健 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4G012 PB27 PC02 PC03 PC11 4J027 AC02 AC03 AC04 AC06 AJ09 BA06 BA07 CB08 CD00 4J100 AJ01S AJ02S AJ08S AJ09S AL08P AL08Q AL08R BA04P BA04Q BA04R BA08P BA08Q BA08R CA06 FA03 FA04 JA67

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント、水、骨材、及び、共重合体
    (X)を含むコンクリート組成物であって、該共重合体
    (X)は、下記一般式(1); 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は、同一若しくは異なって、水素
    原子又はメチル基を表す。m1は、0、1又は2を表
    す。−(RX1O)−は、同一若しくは異なって、炭素数
    2〜18のオキシアルキレン基を表す。n1は、該オキ
    シアルキレン基の平均付加モル数を表し、1以上の数で
    ある。RA は、炭素数5〜30の炭化水素基を表す。S
    A は、共重合体(X)中における繰り返し単位の存在量
    (モル比)を表し、正の数である。〕で表される繰り返
    し単位(A)、下記一般式(2); 【化2】 〔式中、R3 及びR4 は、同一若しくは異なって、水素
    原子又はメチル基を表す。m2は、0、1又は2を表
    す。−(RX2O)−は、同一若しくは異なって、炭素数
    2〜18のオキシアルキレン基を表す。n2は、該オキ
    シアルキレン基の平均付加モル数を表し、1以上の数で
    ある。RB は、炭素数4〜29の炭化水素基を表す。S
    B は、共重合体(X)中における繰り返し単位の存在量
    (モル比)を表し、正の数である。〕で表される繰り返
    し単位(B)、下記一般式(3); 【化3】 〔式中、R5 及びR6 は、同一若しくは異なって、水素
    原子又はメチル基を表す。m3は、0、1又は2を表
    す。−(RX3O)−は、同一若しくは異なって、炭素数
    2〜18のオキシアルキレン基を表す。n3は、該オキ
    シアルキレン基の平均付加モル数を表し、1以上の数で
    ある。RC は、水素原子、又は、炭素数1〜28の炭化
    水素基を表す。SC は、共重合体(X)中における繰り
    返し単位の存在量(モル比)を表し、正の数である。〕
    で表される繰り返し単位(C)、及び、下記一般式
    (4); 【化4】 〔式中、R7 、R8 及びR9 は、同一若しくは異なっ
    て、水素原子、メチル基、又は、−(CH 2)qCOO
    Mを表す。Mは、水素原子、一価の金属、二価の金属、
    アンモニウム基又は有機アミン基を表し、2つ以上の場
    合には、同一であっても異なっていてもよい。qは、
    0、1又は2を表す。Tは、共重合体(X)中における
    繰り返し単位の存在量(モル比)を表し、正の数であ
    る。〕で表される繰り返し単位(D)を必須として有す
    るものであり、該繰り返し単位(A)が有する該RA
    表される基の炭素数(x)、該繰り返し単位(B)が有
    する該RB で表される基の炭素数(y)及び該繰り返し
    単位(C)が有する該RC で表される基の炭素数(z)
    は、 x>y>z の関係を満たすことを特徴とするコンクリート組成物。
  2. 【請求項2】 更に、減水剤を含むことを特徴とする請
    求項1記載のコンクリート組成物。
  3. 【請求項3】 前記減水剤と前記共重合体(X)との配
    合比は、該減水剤の固形分が100重量部に対して、該
    共重合体(X)の固形分が1重量部以上であることを特
    徴とする請求項1又は2記載のコンクリート組成物。
  4. 【請求項4】 スランプフローが30〜70cmとなる
    ようにしたときに、流動障害なしの条件でU形充てん性
    試験を行ったときの充填高さの差が、300mm以下で
    あることを特徴とする請求項1、2又は3記載のコンク
    リート組成物。
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