JP2002046267A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにマイクロアクチュエータ - Google Patents
液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにマイクロアクチュエータInfo
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- JP2002046267A JP2002046267A JP2000235826A JP2000235826A JP2002046267A JP 2002046267 A JP2002046267 A JP 2002046267A JP 2000235826 A JP2000235826 A JP 2000235826A JP 2000235826 A JP2000235826 A JP 2000235826A JP 2002046267 A JP2002046267 A JP 2002046267A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 インク滴を吐出するノズルと、このノズルが
連通するインク液室と、この液室の壁面を形成する振動
板と、この振動板に対向する電極とを備え、振動板を静
電力で変形させてノズルからインク滴を吐出させる静電
型インクジェットヘッド及びマイクロアクチュエータに
おいて、振動板と電極との非平行ギャップの形状のバラ
ツキを少なくでき、且つ低コストで形成する。 【解決手段】 電極基板2は、基材11上にエッチレイ
トの低い側からSiN膜13、SiO2膜14、SiO
N膜15及びリンドープP−Si膜16を順次積層した
凹部形成膜12を設けて、傾斜面17aを有する凹部1
7を形成した。
連通するインク液室と、この液室の壁面を形成する振動
板と、この振動板に対向する電極とを備え、振動板を静
電力で変形させてノズルからインク滴を吐出させる静電
型インクジェットヘッド及びマイクロアクチュエータに
おいて、振動板と電極との非平行ギャップの形状のバラ
ツキを少なくでき、且つ低コストで形成する。 【解決手段】 電極基板2は、基材11上にエッチレイ
トの低い側からSiN膜13、SiO2膜14、SiO
N膜15及びリンドープP−Si膜16を順次積層した
凹部形成膜12を設けて、傾斜面17aを有する凹部1
7を形成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液滴吐出ヘッド及びその
製造方法並びにマイクロアクチュエータに関する。
製造方法並びにマイクロアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いる
インクジェット記録装置として、インク滴を吐出するノ
ズルと、このノズルが連通する液室(吐出室、圧力室、
加圧液室、インク流路等とも称される。)と、この液室
の壁面を形成する振動板と、この振動板に対向する電極
とを備え、振動板を静電力で変形変位させることで液室
内インクを加圧してノズルからインク滴を吐出させる静
電型マイクロアクチュエータを用いた静電型インクジェ
ットヘッドを搭載したものがある。
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いる
インクジェット記録装置として、インク滴を吐出するノ
ズルと、このノズルが連通する液室(吐出室、圧力室、
加圧液室、インク流路等とも称される。)と、この液室
の壁面を形成する振動板と、この振動板に対向する電極
とを備え、振動板を静電力で変形変位させることで液室
内インクを加圧してノズルからインク滴を吐出させる静
電型マイクロアクチュエータを用いた静電型インクジェ
ットヘッドを搭載したものがある。
【0003】このような静電型インクジェットヘッドに
おいて、振動板の変位量δ(m)は、振動板と電極間の
静電引力をP(N/m2)、短辺の長さをa(m)、振
動板の厚さをh(m)、ポアソン比をν、ヤング率をE
(N/m2)、定数をkとしたとき、δ=k・{12
(1−ν2)/Eh3}・Pa4、で表される。また、静
電引力P(N/m2)は、誘電率をε(F/m)、電圧
をV(V)、振動板と電極との距離(電極間距離)をt
(m)としたとき、P=(1/2)・ε・(V/t)2
で表される。
おいて、振動板の変位量δ(m)は、振動板と電極間の
静電引力をP(N/m2)、短辺の長さをa(m)、振
動板の厚さをh(m)、ポアソン比をν、ヤング率をE
(N/m2)、定数をkとしたとき、δ=k・{12
(1−ν2)/Eh3}・Pa4、で表される。また、静
電引力P(N/m2)は、誘電率をε(F/m)、電圧
をV(V)、振動板と電極との距離(電極間距離)をt
(m)としたとき、P=(1/2)・ε・(V/t)2
で表される。
【0004】したがって、高速、高画質印字を行うため
にノズルを高密度で配置するため、振動板のノズル配列
方向(短辺方向)の長さaを短くすると、上式から分か
るように、振動板変位量δは振動板の短辺方向長さaの
4乗に比例して小さくなる。
にノズルを高密度で配置するため、振動板のノズル配列
方向(短辺方向)の長さaを短くすると、上式から分か
るように、振動板変位量δは振動板の短辺方向長さaの
4乗に比例して小さくなる。
【0005】このとき、振動板の変位量を確保して必要
とするインク滴を得ようとすると、上記式から、振動板
の厚さを薄くするか、振動板と電極とのギャップ長(寸
法)を狭くするか、駆動電圧を大きくすること必要にな
る。ここで、振動板の厚さを薄くすることは振動板の剛
性が低下してインク吐出力の低下を招くことになり、振
動板と電極とのギャップ長(寸法)を狭くすることは振
動板の最大変位量が小さくなり、インク滴吐出量が減少
してインクかすれなどの原因になり、駆動電圧を大きく
することはコストが高くなる。
とするインク滴を得ようとすると、上記式から、振動板
の厚さを薄くするか、振動板と電極とのギャップ長(寸
法)を狭くするか、駆動電圧を大きくすること必要にな
る。ここで、振動板の厚さを薄くすることは振動板の剛
性が低下してインク吐出力の低下を招くことになり、振
動板と電極とのギャップ長(寸法)を狭くすることは振
動板の最大変位量が小さくなり、インク滴吐出量が減少
してインクかすれなどの原因になり、駆動電圧を大きく
することはコストが高くなる。
【0006】そこで、特開平9−39235号公報に開
示されているように、振動板と電極との間にギャップを
設け、且つ、電極を階段状に配置することでギャップ寸
法が段階的に変化するようにして、低電圧駆動化を図る
インクジェットヘッドが提案されている。また、特開平
9−193375号公報に開示されているように振動板
に対して電極を斜めに傾斜させて配置することで振動板
と電極との間のギャップの断面形状が振動板側の面
(辺)と電極側の面(辺)とで非平行になる(このよう
なギャップを「非平行ギャップ」と称する。)ようにし
たインクジェットヘッドも提案されている。
示されているように、振動板と電極との間にギャップを
設け、且つ、電極を階段状に配置することでギャップ寸
法が段階的に変化するようにして、低電圧駆動化を図る
インクジェットヘッドが提案されている。また、特開平
9−193375号公報に開示されているように振動板
に対して電極を斜めに傾斜させて配置することで振動板
と電極との間のギャップの断面形状が振動板側の面
(辺)と電極側の面(辺)とで非平行になる(このよう
なギャップを「非平行ギャップ」と称する。)ようにし
たインクジェットヘッドも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような非平行
ギャップは、電極を設ける基板に底面を傾斜させた電極
形成用凹部を形成して、この凹部底面に電極を設けるこ
とで形成することができる。このように底面が傾斜した
溝或いは凹部を形成するには、例えば、振動板と電極と
の間のギャップ形状に対応する凹部を形成したフォトレ
ジスト層をマスクとしてシリコン基板などの基材をエッ
チングし、フォトレジスト層の凹部形状をシリコン基板
に転写する方法が考えられる。
ギャップは、電極を設ける基板に底面を傾斜させた電極
形成用凹部を形成して、この凹部底面に電極を設けるこ
とで形成することができる。このように底面が傾斜した
溝或いは凹部を形成するには、例えば、振動板と電極と
の間のギャップ形状に対応する凹部を形成したフォトレ
ジスト層をマスクとしてシリコン基板などの基材をエッ
チングし、フォトレジスト層の凹部形状をシリコン基板
に転写する方法が考えられる。
【0008】しかしながら、このようにフォトレジスト
層をマスクとしてシリコン基板などの基材をエッチング
して非平行ギャップ形状を形成するための凹部を形成す
るのでは、エッチングの管理が難しく、コストが高くな
る。
層をマスクとしてシリコン基板などの基材をエッチング
して非平行ギャップ形状を形成するための凹部を形成す
るのでは、エッチングの管理が難しく、コストが高くな
る。
【0009】また、非平行ギャップを有するマルチノズ
ルヘッドにおいては、各チャンネル間で電極を設ける傾
斜面(非平行面)の傾斜率のバラツキが平行ギャップの
場合よりも生じやすく、ギャップ形状のバラツキが生じ
ると各チャンネルの吐出特性にバラツキが生じて画像品
質が低下することになる。
ルヘッドにおいては、各チャンネル間で電極を設ける傾
斜面(非平行面)の傾斜率のバラツキが平行ギャップの
場合よりも生じやすく、ギャップ形状のバラツキが生じ
ると各チャンネルの吐出特性にバラツキが生じて画像品
質が低下することになる。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、本発明に係る液滴吐出ヘッド及びマイクロアクチ
ュエータは低コストで非平行ギャップを形成できるよう
にすることを目的とする。また、本発明に係る液滴吐出
ヘッドの製造方法は、形状のバラツキの少ない非平行ギ
ャップを有する液滴吐出ヘッドを製造することを目的と
する。
あり、本発明に係る液滴吐出ヘッド及びマイクロアクチ
ュエータは低コストで非平行ギャップを形成できるよう
にすることを目的とする。また、本発明に係る液滴吐出
ヘッドの製造方法は、形状のバラツキの少ない非平行ギ
ャップを有する液滴吐出ヘッドを製造することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、電極を形成する基
板は、基材上にエッチレイトの異なる複数の膜を成膜
し、この複数の膜の部分に振動板に対して非平行な傾斜
面を有する凹部を形成し、この凹部の傾斜面に電極を形
成した構成としたものである。
め、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、電極を形成する基
板は、基材上にエッチレイトの異なる複数の膜を成膜
し、この複数の膜の部分に振動板に対して非平行な傾斜
面を有する凹部を形成し、この凹部の傾斜面に電極を形
成した構成としたものである。
【0012】ここで、エッチレイトの異なる複数の膜
は、基材上に低エッチレイトの膜から高エッチレイトの
膜の順で成膜する。この場合、エッチレイトの異なる複
数の膜のエッチレイトの差が1桁から4桁の範囲である
ことが好ましい。また、凹部の傾斜面の傾斜率が1/5
0以下であることが好ましい。
は、基材上に低エッチレイトの膜から高エッチレイトの
膜の順で成膜する。この場合、エッチレイトの異なる複
数の膜のエッチレイトの差が1桁から4桁の範囲である
ことが好ましい。また、凹部の傾斜面の傾斜率が1/5
0以下であることが好ましい。
【0013】また、エッチレイトの異なる複数の膜とし
ては、基材上にSiN膜及びSiO 2膜を順次成膜した
もの、基材上にSiO2膜及びSiON膜を順次成膜し
たもの、基材上にSiN膜、SiO2膜、SiON膜を
順次成膜したものとすることができる。これらの場合、
最表面にリンドープしたP−SiO2膜を成膜すること
ができる。さらに、基材上にSiO2膜又はSiN膜及
びリンドープしたP−Si膜を順次成膜したものとする
こともできる。
ては、基材上にSiN膜及びSiO 2膜を順次成膜した
もの、基材上にSiO2膜及びSiON膜を順次成膜し
たもの、基材上にSiN膜、SiO2膜、SiON膜を
順次成膜したものとすることができる。これらの場合、
最表面にリンドープしたP−SiO2膜を成膜すること
ができる。さらに、基材上にSiO2膜又はSiN膜及
びリンドープしたP−Si膜を順次成膜したものとする
こともできる。
【0014】さらに、基材上に電極を設け、この電極を
含めて基材上にエッチレイトの異なる複数の膜を成膜す
ることができる。
含めて基材上にエッチレイトの異なる複数の膜を成膜す
ることができる。
【0015】本発明に係るマイクロアクチュエータは、
振動板と、この振動板に非平行状態で対向する電極とを
有し、電極を形成する基板は、基材上にエッチレイトの
異なる複数の膜を成膜し、この複数の膜の部分に振動板
に対して非平行な傾斜面を有する凹部を形成し、この凹
部の傾斜面に電極を形成したものである。
振動板と、この振動板に非平行状態で対向する電極とを
有し、電極を形成する基板は、基材上にエッチレイトの
異なる複数の膜を成膜し、この複数の膜の部分に振動板
に対して非平行な傾斜面を有する凹部を形成し、この凹
部の傾斜面に電極を形成したものである。
【0016】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、基材上の各チャンネル領域を振動板に対して非平行
な傾斜面を有する凹部を形成する凹部形成材料のパター
ンで形成し、各パターン間をレジストで分離分割させ、
凹部形成材料をエッチングして非平行な傾斜面を有する
凹部を形成するものである。
は、基材上の各チャンネル領域を振動板に対して非平行
な傾斜面を有する凹部を形成する凹部形成材料のパター
ンで形成し、各パターン間をレジストで分離分割させ、
凹部形成材料をエッチングして非平行な傾斜面を有する
凹部を形成するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態
に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説
明図、図2は同ヘッドの振動板短手方向の断面説明図で
ある。
図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態
に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説
明図、図2は同ヘッドの振動板短手方向の断面説明図で
ある。
【0018】このインクジェットヘッドは、ガラス基板
からなる流路基板1と、この流路基板1の下面に設けた
電極基板2と、流路基板1の上面に設けたガラス基板か
らなるノズル板3とを有し、インク滴を吐出する複数の
ノズル4、各ノズル4がノズル連通路5を介して連通す
るインク流路である吐出室6、各吐出室6にインク供給
路を兼ねた流体抵抗部7を介して連通する共通液室8な
どを形成している。
からなる流路基板1と、この流路基板1の下面に設けた
電極基板2と、流路基板1の上面に設けたガラス基板か
らなるノズル板3とを有し、インク滴を吐出する複数の
ノズル4、各ノズル4がノズル連通路5を介して連通す
るインク流路である吐出室6、各吐出室6にインク供給
路を兼ねた流体抵抗部7を介して連通する共通液室8な
どを形成している。
【0019】流路基板1には、吐出室6を形成する凹部
と共通液室8を形成する凹部を形成し、電極基板2側の
面に吐出室6の一壁面を形成する振動板10を設けてい
る。この振動板10は例えばポリシリコン膜或いはアモ
ルファスシリコン膜を流路基板1となるガラス基板に蒸
着等で所要厚み成膜し、ガラス基板をHF系(フッ酸
系)のエッチング液でエッチングして吐出室6となる凹
部を形成することによって、ポリシリコン膜或いはアモ
ルファスシリコン膜でエッチングストップして形成され
る。
と共通液室8を形成する凹部を形成し、電極基板2側の
面に吐出室6の一壁面を形成する振動板10を設けてい
る。この振動板10は例えばポリシリコン膜或いはアモ
ルファスシリコン膜を流路基板1となるガラス基板に蒸
着等で所要厚み成膜し、ガラス基板をHF系(フッ酸
系)のエッチング液でエッチングして吐出室6となる凹
部を形成することによって、ポリシリコン膜或いはアモ
ルファスシリコン膜でエッチングストップして形成され
る。
【0020】電極基板2は、ガラス基板からなる基材1
1上にエッチレイトの異なる複数の膜を積層した多層膜
からなる凹部形成膜12を形成したものである。この凹
部形成膜12は、基材11上にエッチレイトの低い側か
らSiN膜13、SiO2膜14、SiON膜15及び
リンドープP−Si膜16を順次積層してなる。概ね、
SiN膜13のエッチレイトは数Å/sec、SiO2膜1
4のエッチレイトは30〜80Å/sec、SiON膜1
5のエッチレイトは100〜150Å/sec、リンドー
プP−Si膜16のエッチレイトは100〜300Å/
secである。
1上にエッチレイトの異なる複数の膜を積層した多層膜
からなる凹部形成膜12を形成したものである。この凹
部形成膜12は、基材11上にエッチレイトの低い側か
らSiN膜13、SiO2膜14、SiON膜15及び
リンドープP−Si膜16を順次積層してなる。概ね、
SiN膜13のエッチレイトは数Å/sec、SiO2膜1
4のエッチレイトは30〜80Å/sec、SiON膜1
5のエッチレイトは100〜150Å/sec、リンドー
プP−Si膜16のエッチレイトは100〜300Å/
secである。
【0021】そして、この凹部形成膜12にエッチング
によってギャップを形成するための底面がうねりを有
し、振動板10に対して非平行な傾斜面17aとなる凹
部17を形成して、この凹部17の傾斜面17aに振動
板10に対向する電極(第2の電極)18を設けて、振
動板10と電極18との間にギャップ19を形成し、こ
れらの振動板10と電極18とによって静電型マイクロ
アクチュエータを構成している。このように凹部17の
傾斜面17aに振動板10に対向する電極18を設ける
ことによって振動板10と電極18とは非平行状態で配
置され、ギャップ19は非平行ギャップとなる。
によってギャップを形成するための底面がうねりを有
し、振動板10に対して非平行な傾斜面17aとなる凹
部17を形成して、この凹部17の傾斜面17aに振動
板10に対向する電極(第2の電極)18を設けて、振
動板10と電極18との間にギャップ19を形成し、こ
れらの振動板10と電極18とによって静電型マイクロ
アクチュエータを構成している。このように凹部17の
傾斜面17aに振動板10に対向する電極18を設ける
ことによって振動板10と電極18とは非平行状態で配
置され、ギャップ19は非平行ギャップとなる。
【0022】電極18としては、Al、Al合金、C
r、Ni、Ni−Cr、Pt、Au、Mo等の金属材料
や、Ti、TiN、W等の高融点金属などを用いること
ができる。また、この電極18の表面には単層又は複層
構造の電極保護膜20を成膜している。
r、Ni、Ni−Cr、Pt、Au、Mo等の金属材料
や、Ti、TiN、W等の高融点金属などを用いること
ができる。また、この電極18の表面には単層又は複層
構造の電極保護膜20を成膜している。
【0023】ノズル板3にはノズル4及びノズル連通路
5を形成する溝部と、流体抵抗部7を形成する溝部と、
共通液室8に外部からインクを供給するインク供給口2
1を形成している。そして、このノズル板3の流路基板
1側の面にはSiO2膜22を成膜している。
5を形成する溝部と、流体抵抗部7を形成する溝部と、
共通液室8に外部からインクを供給するインク供給口2
1を形成している。そして、このノズル板3の流路基板
1側の面にはSiO2膜22を成膜している。
【0024】そして、流路基板1と電極基板2及び流路
基板1とノズル板3とはそれぞれ陽極接合で接合してい
る。この陽極接合は、各基板をアライメントをして重ね
併せた状態で、例えば200〜450℃に加熱して、接
合界面にDC電圧を印加することによって接合する。こ
の接合は、例えば、ガラス基板1/Si(P−Si)/
ガラス基板の接合構成において、ガラス成分中のNa2
SiO3が加熱と電場でイオン化し、NaイオンとSi
O3イオンに分離し、このNaイオンがSiと酸素O2反
応し、ガラス基板とSi面の中間にNa2SiO3を形成
することで行われる。
基板1とノズル板3とはそれぞれ陽極接合で接合してい
る。この陽極接合は、各基板をアライメントをして重ね
併せた状態で、例えば200〜450℃に加熱して、接
合界面にDC電圧を印加することによって接合する。こ
の接合は、例えば、ガラス基板1/Si(P−Si)/
ガラス基板の接合構成において、ガラス成分中のNa2
SiO3が加熱と電場でイオン化し、NaイオンとSi
O3イオンに分離し、このNaイオンがSiと酸素O2反
応し、ガラス基板とSi面の中間にNa2SiO3を形成
することで行われる。
【0025】このように構成したインクジェットヘッド
においては、振動板10を共通電極とし、電極18を個
別電極として、振動板10と電極18との間に駆動波形
を印加することにより、振動板10と電極18との間に
静電力(静電吸引力)が発生して、振動板10が電極1
8側に当接するまで変形変位する。これにより、吐出室
6の内容積が拡張されて内圧が下がるため、流体抵抗部
7を介して共通液室8から吐出室6にインクが充填され
る。
においては、振動板10を共通電極とし、電極18を個
別電極として、振動板10と電極18との間に駆動波形
を印加することにより、振動板10と電極18との間に
静電力(静電吸引力)が発生して、振動板10が電極1
8側に当接するまで変形変位する。これにより、吐出室
6の内容積が拡張されて内圧が下がるため、流体抵抗部
7を介して共通液室8から吐出室6にインクが充填され
る。
【0026】次いで、電極18への電圧印加を断つと、
静電力が作用しなくなり、振動板10はそれ自身のもつ
弾性によって復元し、この動作に伴って吐出室6の内圧
が上昇し、ノズル4からインク滴が吐出される。その
後、再び電極18に電圧を印加すると、再び静電吸引力
によって振動板10は電極側に引き込まれる。
静電力が作用しなくなり、振動板10はそれ自身のもつ
弾性によって復元し、この動作に伴って吐出室6の内圧
が上昇し、ノズル4からインク滴が吐出される。その
後、再び電極18に電圧を印加すると、再び静電吸引力
によって振動板10は電極側に引き込まれる。
【0027】ここで、電極18は傾斜しているので、駆
動電圧を印加したとき、振動板10は電極18との間の
ギャップ長の短い部分から変位を発生し始め、漸次ギャ
ップ長が短くなるので、極めて低電圧で振動板10が変
形変位を開始する。すなわち、静電アクチュエータは振
動板10と電極18との間に発生する静電力と振動板1
0の剛性力の釣り合いにより動作するが、この静電力は
2つの電極間の距離tの二乗に反比例するので、電極間
距離tが小さいほどより低い電圧Vで所望の静電力を得
ることができる。
動電圧を印加したとき、振動板10は電極18との間の
ギャップ長の短い部分から変位を発生し始め、漸次ギャ
ップ長が短くなるので、極めて低電圧で振動板10が変
形変位を開始する。すなわち、静電アクチュエータは振
動板10と電極18との間に発生する静電力と振動板1
0の剛性力の釣り合いにより動作するが、この静電力は
2つの電極間の距離tの二乗に反比例するので、電極間
距離tが小さいほどより低い電圧Vで所望の静電力を得
ることができる。
【0028】したがって、振動板10と電極18との間
のギャップ19は振動板10の短手方向一端部側が小さ
くなっているために、駆動電圧の印加に従って振動板1
0の変位は距離tが小さい端部から開始する。そして、
振動板10の端部の変位開始に従い、振動板10と電極
18との間隔が順次小さくなり、小さな電圧増加で大き
な変位量が得られ、低電圧駆動化を図れる。
のギャップ19は振動板10の短手方向一端部側が小さ
くなっているために、駆動電圧の印加に従って振動板1
0の変位は距離tが小さい端部から開始する。そして、
振動板10の端部の変位開始に従い、振動板10と電極
18との間隔が順次小さくなり、小さな電圧増加で大き
な変位量が得られ、低電圧駆動化を図れる。
【0029】次に、このヘッドにおける傾斜面17aを
有する凹部17の形成過程について図3をも参照して説
明する。先ず、同図(a)に示すように、ガラス基板か
らなる基材11上にエッチレイトの低い側からSiN膜
13、SiO2膜14、SiON膜15及びリンドープ
P−Si膜16を順次積層してなる部材を形成する。
有する凹部17の形成過程について図3をも参照して説
明する。先ず、同図(a)に示すように、ガラス基板か
らなる基材11上にエッチレイトの低い側からSiN膜
13、SiO2膜14、SiON膜15及びリンドープ
P−Si膜16を順次積層してなる部材を形成する。
【0030】そして、リンドープP−Si膜16上にサ
イドエッチを規制するCr、Ni−Crなどのエッチス
トップ膜及び所定の開口31aを有するマスクパターン
31を形成してエッチングを開始すると、同図(b)エ
ッチレイトの最も高いリンドープP−Si膜16からエ
ッチングが進み、順次、同図(c)に示すようにSiO
N膜15がエッチングされ、同図(d)に示すようにS
iO2膜14がエッチングされ、同図(e)に示すよう
にSiN膜13がエッチングされる。
イドエッチを規制するCr、Ni−Crなどのエッチス
トップ膜及び所定の開口31aを有するマスクパターン
31を形成してエッチングを開始すると、同図(b)エ
ッチレイトの最も高いリンドープP−Si膜16からエ
ッチングが進み、順次、同図(c)に示すようにSiO
N膜15がエッチングされ、同図(d)に示すようにS
iO2膜14がエッチングされ、同図(e)に示すよう
にSiN膜13がエッチングされる。
【0031】このとき、マスクパターン31の開口31
aから距離があるほどエッチングは遅くなり、エッチレ
イトはリンドープP−Si膜16、SiON膜15、S
iO 2膜14、SiN膜13の順に低くなるので、傾斜
面17aが形成される。この傾斜面17aの傾斜率とし
ては1/50以下であることが好ましく、より好ましく
は1/100以下である。これらの傾斜率とすることに
よって振動板10が滑らかに傾斜面17aに沿って変形
変位し、かつ、振動板10の変位量の制御も容易にな
る。
aから距離があるほどエッチングは遅くなり、エッチレ
イトはリンドープP−Si膜16、SiON膜15、S
iO 2膜14、SiN膜13の順に低くなるので、傾斜
面17aが形成される。この傾斜面17aの傾斜率とし
ては1/50以下であることが好ましく、より好ましく
は1/100以下である。これらの傾斜率とすることに
よって振動板10が滑らかに傾斜面17aに沿って変形
変位し、かつ、振動板10の変位量の制御も容易にな
る。
【0032】また、このときのエッチング液の組成やエ
ッチレイトを選択することによって傾斜面17aにうね
りを持たせることができ、このようにうねりを持たせる
ことで、駆動電圧値を変化させて振動板10の変位量を
規定することによって、吐出する滴に階調性を持たせる
ことができるようになる。
ッチレイトを選択することによって傾斜面17aにうね
りを持たせることができ、このようにうねりを持たせる
ことで、駆動電圧値を変化させて振動板10の変位量を
規定することによって、吐出する滴に階調性を持たせる
ことができるようになる。
【0033】次に、本発明の第2実施形態について図4
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜32を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiO2膜14及びリンドープP−Si膜1
6の二層で構成し、この凹部形成膜32のエッチレイト
の異なりを利用して傾斜面17aを有する凹部17を形
成したものである。なお、その他の構成は第1実施形態
と同様である。
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜32を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiO2膜14及びリンドープP−Si膜1
6の二層で構成し、この凹部形成膜32のエッチレイト
の異なりを利用して傾斜面17aを有する凹部17を形
成したものである。なお、その他の構成は第1実施形態
と同様である。
【0034】次に、本発明の第3実施形態について図5
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜33を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiON膜15及びリンドープP−Si膜1
6の二層で構成し、この凹部形成膜33のエッチレイト
の異なりを利用して傾斜面17aを有する凹部17を形
成したものである。なお、その他の構成は第1実施形態
と同様である。
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜33を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiON膜15及びリンドープP−Si膜1
6の二層で構成し、この凹部形成膜33のエッチレイト
の異なりを利用して傾斜面17aを有する凹部17を形
成したものである。なお、その他の構成は第1実施形態
と同様である。
【0035】次に、本発明の第5実施形態について図7
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜36を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiN膜13及びリンドープP−SiO2膜
35の二層で構成し、この凹部形成膜36のエッチレイ
トの異なりを利用して傾斜面17aを有する凹部17を
形成したものである。なお、その他の構成は第1実施形
態と同様である。リンドープP−SiO2膜を用いるこ
とで高速エッチングができる。
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜36を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiN膜13及びリンドープP−SiO2膜
35の二層で構成し、この凹部形成膜36のエッチレイ
トの異なりを利用して傾斜面17aを有する凹部17を
形成したものである。なお、その他の構成は第1実施形
態と同様である。リンドープP−SiO2膜を用いるこ
とで高速エッチングができる。
【0036】次に、本発明の第6実施形態について図8
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜37を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiN膜13及びSiO2膜14の二層で構
成し、この凹部形成膜37のエッチレイトの異なりを利
用して傾斜面17aを有する凹部17を形成したもので
ある。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であ
る。
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜37を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiN膜13及びSiO2膜14の二層で構
成し、この凹部形成膜37のエッチレイトの異なりを利
用して傾斜面17aを有する凹部17を形成したもので
ある。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であ
る。
【0037】次に、本発明の第7実施形態について図9
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜38を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiN膜13、SiO2膜14及びリンドー
プP−Si膜16の三層で構成し、この凹部形成膜38
のエッチレイトの異なりを利用して傾斜面17aを有す
る凹部17を形成したものである。なお、その他の構成
は第1実施形態と同様である。
を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方向
の断面説明図である。このインクジェットヘッドは、凹
部形成膜38を基材11上に順次エッチレイトの低い順
に積層したSiN膜13、SiO2膜14及びリンドー
プP−Si膜16の三層で構成し、この凹部形成膜38
のエッチレイトの異なりを利用して傾斜面17aを有す
る凹部17を形成したものである。なお、その他の構成
は第1実施形態と同様である。
【0038】次に、本発明の第8実施形態について図1
0を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方
向の断面説明図である。この実施形態では、このインク
ジェットヘッドは、上記第1実施形態の膜構成で、基材
11上に各チャンネル毎に分離分割した金属材料で電極
18のパターンを形成し、この電極18のパターンを含
めて基材11上に凹部形成膜12を成膜して傾斜面17
aを有する凹部17を形成したものである。なお、ここ
では最下層のSiN膜13は電極保護膜を兼ねるために
残存させている。
0を参照して説明する。同図は同ヘッドの振動板短手方
向の断面説明図である。この実施形態では、このインク
ジェットヘッドは、上記第1実施形態の膜構成で、基材
11上に各チャンネル毎に分離分割した金属材料で電極
18のパターンを形成し、この電極18のパターンを含
めて基材11上に凹部形成膜12を成膜して傾斜面17
aを有する凹部17を形成したものである。なお、ここ
では最下層のSiN膜13は電極保護膜を兼ねるために
残存させている。
【0039】このように、基材上に電極のパターンを形
成し、この電極のパターンを含めて基材上に凹部形成膜
を成膜して、この凹部形成膜に非平行ギャップを形成す
る凹部を設けることで、各チャンネル間におけるギャッ
プ形状を均一化することができて、各チャンネル間の滴
吐出特性のバラツキが少なくなり、画像品質が向上す
る。
成し、この電極のパターンを含めて基材上に凹部形成膜
を成膜して、この凹部形成膜に非平行ギャップを形成す
る凹部を設けることで、各チャンネル間におけるギャッ
プ形状を均一化することができて、各チャンネル間の滴
吐出特性のバラツキが少なくなり、画像品質が向上す
る。
【0040】この場合、非平行ギャップの形状は傾斜形
状に限るものではなく、その他の形状や非平行部分と平
行部分とを有する形状などにすることもできる。また、
チャンネル間のバラツキを低減するという目的からは、
凹部形成膜としては、上述したような多層膜に限るもの
ではなく、単層膜にも適用することができる。この単層
膜にした例を図11に示している。この例では、SiO
2膜14を用いているが、例えばP−SiO2膜等を用い
ることもでき、これらのSiO2膜やP−SiO2膜を用
いることでガラス基板の陽極接合が可能になって低コス
ト化を図れる。
状に限るものではなく、その他の形状や非平行部分と平
行部分とを有する形状などにすることもできる。また、
チャンネル間のバラツキを低減するという目的からは、
凹部形成膜としては、上述したような多層膜に限るもの
ではなく、単層膜にも適用することができる。この単層
膜にした例を図11に示している。この例では、SiO
2膜14を用いているが、例えばP−SiO2膜等を用い
ることもでき、これらのSiO2膜やP−SiO2膜を用
いることでガラス基板の陽極接合が可能になって低コス
ト化を図れる。
【0041】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造
方法について図12を参照して説明する。この製造方法
は、ガラス基板などの基板41上に各チャンネル毎にS
iO2膜やP−SiO2膜などの凹部形成膜42を形成
し、各チャンネル間はレジスト43で分離分割して、凹
部形成膜42の部分のみをエッチングして傾斜面44a
を有する凹部44を形成する用にしたものである。
方法について図12を参照して説明する。この製造方法
は、ガラス基板などの基板41上に各チャンネル毎にS
iO2膜やP−SiO2膜などの凹部形成膜42を形成
し、各チャンネル間はレジスト43で分離分割して、凹
部形成膜42の部分のみをエッチングして傾斜面44a
を有する凹部44を形成する用にしたものである。
【0042】このようにすれば、凹部形成膜42に対す
るサイドエッチを確実に規制することができて各チャン
ネル間のバラツキを低減でき、各チャンネル間の滴吐出
特性のバラツキが少なくなり、画像品質が向上する。
るサイドエッチを確実に規制することができて各チャン
ネル間のバラツキを低減でき、各チャンネル間の滴吐出
特性のバラツキが少なくなり、画像品質が向上する。
【0043】なお、上記各実施形態においては、流路基
板、電極基板、ノズル板の全てをガラス基板とした例で
説明したが、SUSなどの金属やシリコン基板を用いる
こともできる。また、本発明をインクジェットヘッドに
適用した例で説明しているが、振動板と電極とを用いる
その他の静電型アクチュエータにも同様に適用すること
ができる。また、傾斜面を振動板短手方向で形成した例
で説明したが、振動板長手方向に形成することもでき
る。
板、電極基板、ノズル板の全てをガラス基板とした例で
説明したが、SUSなどの金属やシリコン基板を用いる
こともできる。また、本発明をインクジェットヘッドに
適用した例で説明しているが、振動板と電極とを用いる
その他の静電型アクチュエータにも同様に適用すること
ができる。また、傾斜面を振動板短手方向で形成した例
で説明したが、振動板長手方向に形成することもでき
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液滴
吐出ヘッドによれば、電極を形成する基板は、基材上に
エッチレイトの異なる複数の膜を成膜し、この複数の膜
の部分に振動板に対して非平行な傾斜面を有する凹部を
形成し、この凹部の傾斜面に電極を形成したので、低コ
ストで非平行ギャップを有する低電圧駆動可能なヘッド
が得られる。
吐出ヘッドによれば、電極を形成する基板は、基材上に
エッチレイトの異なる複数の膜を成膜し、この複数の膜
の部分に振動板に対して非平行な傾斜面を有する凹部を
形成し、この凹部の傾斜面に電極を形成したので、低コ
ストで非平行ギャップを有する低電圧駆動可能なヘッド
が得られる。
【0045】ここで、エッチレイトの異なる複数の膜
は、基材上に低エッチレイトの膜から高エッチレイトの
膜の順で成膜することで、振動板側に広がるギャップを
形成できる。この場合、エッチレイトの異なる複数の膜
のエッチレイトの差が1桁から4桁の範囲であるで、傾
斜率の選択の幅が広がる。また、凹部の傾斜面の傾斜率
を1/50以下にすることにより、振動板変位がなめら
かになると共に変位量の制御が容易になる。
は、基材上に低エッチレイトの膜から高エッチレイトの
膜の順で成膜することで、振動板側に広がるギャップを
形成できる。この場合、エッチレイトの異なる複数の膜
のエッチレイトの差が1桁から4桁の範囲であるで、傾
斜率の選択の幅が広がる。また、凹部の傾斜面の傾斜率
を1/50以下にすることにより、振動板変位がなめら
かになると共に変位量の制御が容易になる。
【0046】また、エッチレイトの異なる複数の膜とし
ては、基材上にSiN膜及びSiO 2膜を順次成膜した
もの、基材上にSiO2膜及びSiON膜を順次成膜し
たもの、基材上にSiN膜、SiO2膜、SiON膜を
順次成膜したものとすることができ、これによってエッ
チレイトの差による傾斜面の形成が容易になる。これら
の場合、最表面にリンドープしたP−SiO2膜を成膜
することで、更に傾斜面の形成が容易になる。さらに、
基材上にSiO2膜又はSiN膜及びリンドープしたP
−Si膜を順次成膜したものとすることで、高速エッチ
ングによる傾斜面の形成を行うことができる。
ては、基材上にSiN膜及びSiO 2膜を順次成膜した
もの、基材上にSiO2膜及びSiON膜を順次成膜し
たもの、基材上にSiN膜、SiO2膜、SiON膜を
順次成膜したものとすることができ、これによってエッ
チレイトの差による傾斜面の形成が容易になる。これら
の場合、最表面にリンドープしたP−SiO2膜を成膜
することで、更に傾斜面の形成が容易になる。さらに、
基材上にSiO2膜又はSiN膜及びリンドープしたP
−Si膜を順次成膜したものとすることで、高速エッチ
ングによる傾斜面の形成を行うことができる。
【0047】さらに、基材上に電極を設け、この電極を
含めて基材上にエッチレイトの異なる複数の膜を成膜す
ることによって、各チャンネル間の滴吐出特性のバラツ
キを提言することができる。
含めて基材上にエッチレイトの異なる複数の膜を成膜す
ることによって、各チャンネル間の滴吐出特性のバラツ
キを提言することができる。
【0048】本発明に係るマイクロアクチュエータによ
れば、振動板と、この振動板に非平行状態で対向する電
極とを有し、電極を形成する基板は、基材上にエッチレ
イトの異なる複数の膜を成膜し、この複数の膜の部分に
振動板に対して非平行な傾斜面を有する凹部を形成し、
この凹部の傾斜面に電極を形成したので、低コストで非
平行ギャップを有する低電圧駆動可能なアクチュエータ
が得られる。
れば、振動板と、この振動板に非平行状態で対向する電
極とを有し、電極を形成する基板は、基材上にエッチレ
イトの異なる複数の膜を成膜し、この複数の膜の部分に
振動板に対して非平行な傾斜面を有する凹部を形成し、
この凹部の傾斜面に電極を形成したので、低コストで非
平行ギャップを有する低電圧駆動可能なアクチュエータ
が得られる。
【0049】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法に
よれば、基材上の各チャンネル領域を振動板に対して非
平行な傾斜面を有する凹部を形成する凹部形成材料のパ
ターンで形成し、各パターン間をレジストで分離分割さ
せ、凹部形成材料をエッチングして非平行な傾斜面を有
する凹部を形成するので、各チャンネル間の滴吐出特性
のバラツキの少ない非平行ギャップを有するヘッドを得
ることができる。
よれば、基材上の各チャンネル領域を振動板に対して非
平行な傾斜面を有する凹部を形成する凹部形成材料のパ
ターンで形成し、各パターン間をレジストで分離分割さ
せ、凹部形成材料をエッチングして非平行な傾斜面を有
する凹部を形成するので、各チャンネル間の滴吐出特性
のバラツキの少ない非平行ギャップを有するヘッドを得
ることができる。
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの長手方向の断面説明図
ッドの長手方向の断面説明図
【図2】同ヘッドの短手方向の断面説明図
【図3】同実施形態の非平行ギャップの形成工程を説明
する説明図
する説明図
【図4】本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの短手方向の断面説明図
ッドの短手方向の断面説明図
【図5】本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの短手方向の断面説明図
ッドの短手方向の断面説明図
【図6】本発明の第4実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの短手方向の断面説明図
ッドの短手方向の断面説明図
【図7】本発明の第5実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの短手方向の断面説明図
ッドの短手方向の断面説明図
【図8】本発明の第6実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの短手方向の断面説明図
ッドの短手方向の断面説明図
【図9】本発明の第7実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの短手方向の断面説明図
ッドの短手方向の断面説明図
【図10】本発明の第8実施形態に係るインクジェット
ヘッドの短手方向の断面説明図
ヘッドの短手方向の断面説明図
【図11】同実施形態の他の例を示す短手方向の断面説
明図
明図
【図12】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造工程の説
明に供する説明図
明に供する説明図
1…流路基板、2…電極基板、3…ノズル板、4…ノズ
ル、6…吐出室、7…流体抵抗部、8…共通液室、11
…基材、12…凹部形成膜、13…SiN膜、14…S
iO2膜、15…SiON膜、16…リンドープP−S
i膜、17…凹部、17a…傾斜面、18…電極、19
…ギャップ。
ル、6…吐出室、7…流体抵抗部、8…共通液室、11
…基材、12…凹部形成膜、13…SiN膜、14…S
iO2膜、15…SiON膜、16…リンドープP−S
i膜、17…凹部、17a…傾斜面、18…電極、19
…ギャップ。
Claims (12)
- 【請求項1】 液滴を吐出するノズルと、このノズルが
連通する液室と、この液室の壁面を形成する振動板と、
この振動板に非平行状態で対向する電極とを有し、前記
振動板を静電力で変形変位させて前記ノズルから液滴を
吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、前記電極を形成す
る基板は、基材上にエッチレイトの異なる複数の膜を成
膜し、この複数の膜の部分に前記振動板に対して非平行
な傾斜面を有する凹部を形成し、この凹部の傾斜面に前
記電極を形成したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおい
て、前記エッチレイトの異なる複数の膜は、前記基材上
に低エッチレイトの膜から高エッチレイトの膜の順で成
膜されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 【請求項3】 請求項2に記載の液滴吐出ヘッドにおい
て、前記エッチレイトの異なる複数の膜のエッチレイト
の差が1桁から4桁の範囲であることを特徴とする液滴
吐出ヘッド。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドにおいて、前記凹部の傾斜面の傾斜率が1/
50以下であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドにおいて、前記基材上にSiN膜及びSiO
2膜が順次成膜されていることを特徴とする液滴吐出ヘ
ッド。 - 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドにおいて、前記基材上にSiO2膜及びSi
ON膜が順次成膜されていることを特徴とする液滴吐出
ヘッド。 - 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドにおいて、前記基材上にSiN膜、SiO2
膜、SiON膜が順次成膜されていることを特徴とする
液滴吐出ヘッド。 - 【請求項8】 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドにおいて、前記基材上にSiO2膜又はSi
N膜及びリンドープしたP−Si膜が順次成膜されてい
ることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 【請求項9】 請求項5乃至8のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドにおいて、最表面にリンドープしたP−Si
O2膜が成膜されていることを特徴とする液滴吐出ヘッ
ド。 - 【請求項10】 請求項1乃至9に記載の液滴吐出ヘッ
ドにおいて、前記電極を形成する基板は、基材上に前記
電極を設け、この電極を含めて基材上にエッチレイトの
異なる複数の膜を成膜したことを特徴とする液滴吐出ヘ
ッド。 - 【請求項11】 振動板と、この振動板に非平行状態で
対向する電極とを有し、前記振動板を静電力で変形変位
させるマイクロアクチュエータにおいて、前記電極を形
成する基板は、基材上にエッチレイトの異なる複数の膜
を成膜し、この複数の膜の部分に前記振動板に対して非
平行な傾斜面を有する凹部を形成し、この凹部の傾斜面
に前記電極を形成したことを特徴とするマイクロアクチ
ュエータ。 - 【請求項12】 液滴を吐出するノズルと、このノズル
が連通する液室と、この液室の壁面を形成する振動板
と、この振動板に非平行状態で対向する電極とを有し、
前記振動板を静電力で変形変位させて前記ノズルから液
滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法において、基
材上の各チャンネル領域を振動板に対して非平行な傾斜
面を有する凹部を形成する凹部形成材料のパターンで形
成し、各パターン間をレジストで分離分割させ、前記凹
部形成材料をエッチングして前記非平行な傾斜面を有す
る凹部を形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000235826A JP2002046267A (ja) | 2000-08-03 | 2000-08-03 | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにマイクロアクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002046267A true JP2002046267A (ja) | 2002-02-12 |
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ID=18727970
Family Applications (1)
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2000
- 2000-08-03 JP JP2000235826A patent/JP2002046267A/ja active Pending
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