JP2002045906A - 亜鉛めっき鋼板用調質圧延ロールの加工方法 - Google Patents

亜鉛めっき鋼板用調質圧延ロールの加工方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中心線平均粗さRaが1.0〜2.0μmで、かつ中
心線うねりWcaを0.7μm以下に低下可能となる亜鉛めっ
き鋼板の調質圧延に特に適した調質圧延ロールの加工方
法に関するもので、従来技術のように予めロール表面を
鏡面仕上げすることなく、調質圧延ロールの中心線平均
粗さRaを高くしても、ロールの中心線うねりWcaを一定
値以下に低減することを可能とする。 【解決手段】 調質圧延ロール表面の中心線平均粗さRa
を0.2〜0.7μmで、かつ中心線うねりWcaを0.5μm以下と
する第1の工程と、次に前記調質圧延ロールを放電加工
によって中心線平均粗さRaを2.0〜4.0μmとする第2の工
程とからなる亜鉛めっき鋼板用調質圧延ロールの加工方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛めっき鋼板用
調質圧延ロールの加工方法、特にプレス成形性および塗
装後鮮映性に優れた亜鉛めっき鋼板を得るのに好適な亜
鉛めっき鋼板用調質圧延ロールの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車部品や建築材料の分野では、亜鉛
めっき鋼板に対する需要が増加している。プレス加工に
使用される亜鉛めっき鋼板については、プレス金型と鋼
板の界面における保油性を確保し、型かじりを防止する
ことを目的として、表面粗さを大きくすることが有効と
されている。一方、自動車用途等で、塗装後の鮮映性が
要求される製品については、塗装前の鋼板表面における
長周期の起伏を小さくすることが必要であるとされてい
る。
【0003】プレス加工における型かじりは、摺動によ
って生じる鋼板表面の新生面が、金型と局所的に凝着す
ることが起点となって発生する。特に、合金化溶融亜鉛
めっき鋼板等のめっき皮膜に比べて、亜鉛めっき鋼板の
めっき皮膜は主としてη相から構成されるため、皮膜が
柔らかく、かつ融点が低いことから、より凝着が発生し
やすい特性を有している。
【0004】この型かじりを防止する対策としては、プ
レス加工時の鋼板と金型間での保油性を向上させること
が有効である。具体的には、中心線平均粗さRaを大きく
することが効果的な対策として知られている。ここで、
中心線平均粗さRaとは、JISB 0601に規定されるもので
ある。中心線平均粗さRaの値としては、カットオフ値0.
8mmに対して、1.0〜2.0μm程度の亜鉛めっき鋼板が望ま
しいとされている。
【0005】また、塗装後の鮮映性については、塗装の
下塗り工程等において短周期の凸凹は埋められること
で、塗装後の鮮映性に影響を与えないものの、長周期の
凸凹は塗装後にも残留して鮮映性を支配する。この場
合、中心線うねりWcaと塗装後の鮮映性には密接な関係
があることが知られており、中心線うねりWcaが小さい
ほど、塗装後の鮮映性に優れる。ここで、中心線うねり
Wcaとは、JIS B 0610に規定されるものであり、高域カ
ットオフを施した凸凹の平均高さである。すなわち、周
期の長い凸凹成分を小さくすることが、塗装後の鮮映性
を良好にするための条件である。具体的には、カットオ
フ値0.8mmに対して、中心線うねりWcaとして0.7μm以下
となるような亜鉛めっき鋼板が望ましいとされている。
【0006】亜鉛めっき鋼板のプレス成形性と塗装後の
鮮映性の両者を良好にするための条件は、前記のように
短周期の凸凹の平均高さである中心線平均粗さRaを1.0
〜2.0μmと比較的大きくしながら、長周期の凸凹につい
ての平均高さである中心線うねりWcaを0.7μm以下まで
低減させることが必要である。
【0007】亜鉛めっき鋼板の調質圧延において、ロー
ルの中心線平均粗さRaが、鋼板に転写される割合(以
下、Raの転写率と呼ぶ)は、鋼板の伸長率として0.7〜
1.5%の範囲では、40〜50%程度となる。したがって、
亜鉛めっき鋼板の中心線平均粗さRaを1.0〜2.0μmとす
るためには、圧延ロールの中心線平均粗さを2.0〜4.0μ
mとする必要がある。一方、Raの転写率が40〜50%程度
となる条件では、ロールの中心線うねりWcaが、鋼板に
転写される割合(以下、Wcaの転写率と呼ぶ)は、55〜6
5%程度である。したがって、亜鉛めっき鋼板の中心線
うねりWcaを0.7μm以下とするためには、圧延ロールの
中心線うねりを1.1μm以下とする必要がある。
【0008】以上のような亜鉛めっき鋼板への表面粗さ
の付与は、亜鉛めっき後の調質圧延によって行われる。
ところが、調質圧延ロールの加工方法としてショットブ
ラストを施した圧延ロールでは、凸凹がランダムな分布
を有するため、隣接する凸凹の間隔を制御することが容
易ではなく、プレス成形性の確保を目的として短い波長
の凸凹を大きくする場合には、長い波長の凸凹成分も大
きくなってしまい、塗装後の鮮映性との両立が難しいこ
とが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特公平6-23409号公報
には、高鮮映性鋼板を製造するための調質圧延ロールと
して、放電加工によってWcaを1.1μm以下、Raを1.0μm
以上に加工したロールを使用する方法が開示されてい
る。ただし、放電加工では原理的にランダムな凸凹を形
成するため、短波長成分の平均高さで定義されるRaが2.
0μmを超える場合には、長波長成分の平均高さで定義さ
れるWcaも必然的に大きくなり、Wcaを1.1μm以下に制御
することは容易でない。該公報には調質圧延ロールの加
工条件が詳細には開示されていないものの、放電加工前
のロール表面を鏡面に仕上げておく方法が用いられてい
る。一般に調質圧延ロールの鏡面仕上とは、中心線平均
粗さRaが0.1μm未満であり、このような加工を行うため
にはロール表面の仕上に細心の注意が必要となり、かつ
非常に長い加工時間を要するため、加工能率の低下が問
題となる。
【0010】本発明は、前記問題点を考慮し、中心線平
均粗さRaが1.0〜2.0μmで、かつ中心線うねりWcaを0.7
μm以下に低下可能となる亜鉛めっき鋼板の調質圧延に
特に適した調質圧延ロールの加工方法に関するものであ
り、従来技術のように予めロール表面を鏡面仕上げする
ことなく、調質圧延ロールの中心線平均粗さRaを高くし
ても、ロールの中心線うねりWcaを一定値以下に低減す
ることを可能とする調質圧延ロールの加工方法を提供す
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の手段は次のとおりである。 (1)第1の手段は、調質圧延ロール表面の中心線平均
粗さRaを0.2〜0.7μmで、かつ中心線うねりWcaを0.5μm
以下とする第1の工程と、次に前記調質圧延ロールを放
電加工によって中心線平均粗さRaを2.0〜4.0μmとする
第2の工程とからなることを特徴とする亜鉛めっき鋼板
用調質圧延ロールの加工方法である。 (2)第2の手段は、第1の工程を、砥石研削によること
を特徴とする前記(1)に記載の亜鉛めっき鋼板用調質
圧延ロールの加工方法である。 (3)第3の手段は、第2の工程を、放電加工に代え、電
子ビーム加工またはレーザー加工によることを特徴とす
る前記(1)または(2)に記載の亜鉛めっき鋼板用調
質圧延ロールの加工方法である。 (4)第4の手段は、亜鉛めっき鋼板が、めっき皮膜が
主としてη相からなる亜鉛めっき鋼板であることを特徴
とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の亜鉛めっ
き鋼板用調質圧延ロールの加工方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者らは、調質圧延ロールの
中心線平均粗さRaとして2.0〜4.0μmの範囲で、調質圧
延ロールの中心線うねりWcaを1.1μm以下とするための
ロールの加工方法について検討を行った。その結果、必
ずしも放電加工前のロール表面を鏡面仕上にしなくて
も、放電加工後のロール表面の中心線うねりWcaを一定
値以下に抑えることができることが明らかになった。
【0013】図1は、砥石研削の条件を変更して調質圧
延ロールの表面仕上を行った後の中心線うねりWca(G)
と、当該調質圧延ロールに放電加工を施して、中心線平
均粗さRaを2.0〜4.0μmとした後の中心線うねりWca
(E)との関係を示した図である。図1から、砥石研削後
の中心線うねりWca(G)が0.5μm以下であれば、放電加工
後の中心線うねりWca(E)を平均的に1.1μm以下とするこ
とが可能となることが分かる。
【0014】一方、砥石研削後の中心線うねりWca(G)が
0.5μm以下となる条件のもとで、調質圧延ロールの中心
線平均粗さRa(G)と、当該調質圧延ロールに放電加工を
施して中心線平均粗さRaを2.0〜4.0μmとした後の中心
線うねりWca(E)との関係を示したものが図2である。
図2からは、砥石研削後の中心線うねりWca(G)を0.5μm
以下としても、中心線平均粗さRa(G)を0.7μm以下にし
なければ、放電加工後の中心線うねりWca(E)を1.1μm以
下にすることができないことが分かる。
【0015】本発明は、以上の知見に基づくものであ
り、亜鉛めっき鋼板用調質圧延ロールの加工を第1、第2
の2つの工程に分けて行う。第1の工程において、調質
圧延ロールの中心線平均粗さRa(G)を0.2〜0.7μmとし、
かつ中心線うねりWca(G)を0.5μm以下とする。中心線う
ねりWca(G)を0.5μm以下とするのは、図1に示した知見
に基づくものであり、放電加工前のロール表面の中心線
うねりWca(G)が大きい場合には、放電加工後もそのうね
りが残留し、放電加工後の中心線うねりWca(E)が1.1μm
を超えるようになるためである。
【0016】また、調質圧延ロールの中心線平均粗さRa
(G)を0.7μm以下とするのは、図2に示した知見に基づく
ものであり、例え第1の工程で中心線うねりを小さくし
ても、放電加工で形成する凸凹は、短周期の凸凹に重畳
して形成されるため、第1の工程では中心線平均粗さRa
(G)を一定値以下(0.7μm以下)に抑えておく必要があ
るためである。言い換えると、調質圧延ロールの中心線
平均粗さRa(G)を0.7μm程度まで大きくしておいても、
放電加工後の中心線うねりWca(E)を一定値以下(1.1μm
以下)に抑えることができることになる。
【0017】第1の工程は、中心線平均粗さRa(G)と中
心線うねりWca(G)が前記範囲にあれば、ロールの加工方
法は特に限定されない。第1の工程の加工手段として
は、砥石研削の他、研磨加工、切削加工が例示できる。
砥石研削は、研磨加工に対してはコスト面、生産性の点
で有利であり、また切削加工は表面粗さを小さくできな
いという不利な点があるので、第1の工程の加工を砥石
研削で行うことが有利である。
【0018】一方、調質圧延ロールの中心線平均粗さRa
(G)を0.2μm以上に限定している理由としては、第1の工
程で中心線平均粗さを0.2μm未満の小さい粗さに仕上げ
るには、加工速度を落として仕上げないと、表面にスク
ラッチと呼ばれる微少な疵が発生して加工不良となり、
ロール加工の生産性が低下するためである。
【0019】第1の工程で中心線平均粗さRa(G)および中
心線うねりWca(G)を、上記のような範囲にすることによ
って、第2の工程の放電加工において大きな中心線平均
粗さRa(E)を付与しても、中心線うねりWca(E)を1.1μm
以下に抑えることができる。
【0020】さらに、本発明の第3の手段では、第1の
工程で所要の加工を施した後、第2の工程で、放電加工
の代わりに、電子ビーム加工またはレーザー加工によっ
て中心線平均粗さRa(E)を2.0〜4.0μmとする。放電加工
のようにロール表面にランダムな凸凹を形成する手段と
異なり、電子ビーム加工あるいはレーザー加工では、規
則的な凸凹を表面に形成することができる。原理的に
は、これらによる加工前のロール表面が鏡面であれば、
電子ビーム加工やレーザー加工による規則的な凸凹の付
与によって長周期のうねり成分をゼロにすることができ
る。ただし、上述のように、第1の工程でロール表面を
鏡面仕上するのは、加工コストが高くなるため、現実的
でない。したがって、本発明のように、第1の工程で中
心線平均粗さRa(G)を0.2〜0.7μmで、かつ中心線うねり
Wca(G)を0.5μm以下とすることによって、第2の工程の
電子ビーム加工あるいはレーザー加工後の調質圧延ロー
ルのWca(E)は、より小さい値に抑えることができ、この
ロールを用いて調質圧延された亜鉛めっき鋼板は、めっ
き皮膜が主としてη相から構成されているにもかかわら
ず、プレス成形性と塗装後の鮮映性を両立するのに十分
な特性を備えることができる。
【0021】以下、本発明について、さらに説明する。
本発明では、亜鉛めっき鋼板の調質圧延を行うロールの
加工を行う場合に、第1の工程で、中心線平均粗さRa(G)
を0.2〜0.7μmで、かつ中心線うねりWca(G)を0.5μm以
下とする。第1の工程は、中心線平均粗さRa(G)と中心
線うねりWca(G)が前記範囲にあれば、ロールの加工方法
は特に限定されないが、砥石研削で行うのが有利であ
る。
【0022】砥石研削で行う場合、中心線平均粗さRa
(G)については、砥石として適切な番手を選定して仕上
研削を行う。この場合の砥石の番手は#120から#240程度
のものを用いればよく、従来技術のように鏡面仕上を行
う必要はない。また、中心線うねりWca(G)を0.5μm以下
とするためには、研削設備としての防振対策を図った上
で、砥石の回転速度や送り速度、被加工ロールの回転速
度、研削量等を適切な値に設定する必要がある。ただ
し、砥石の回転速度等の加工条件を変更するだけでは、
Wca(G)を0.5μm以下にできない場合には、中心線平均粗
さRa(G)が0.2〜0.7μmとなるの範囲で、研削砥石の番手
として高いものを使用すればよい。
【0023】さらに、第1の工程で前記のように加工し
た調質圧延ロールは、第2の工程で、放電加工によって
中心線平均粗さRa(E)を2.0〜4.0μmとする。放電ダル加
工は、ロール表面と電極の間でスパークを発生させるこ
とで、ロールの表面を溶融させ、同時に発生するガスの
圧力によって溶融部を吹き飛ばす加工方法であり、使用
する電極の形状や材質、放電時の電圧、電流および放電
時間を制御することによって、凸凹の大きさを変更する
ことができる。例えば、放電時の電流値を大きくするこ
とで、中心線平均粗さを大きくすることが可能である。
【0024】一方、本発明の第3の手段では、第2の工程
で、放電加工の代わりに、調質圧延ロールの表面を電子
ビーム加工またはレーザー加工によって中心線平均粗さ
Ra(E)を2.0〜4.0μmとする。電子ビーム加工は、エネル
ギー密度の高い電子ビームでロール周面を照射して表面
加工する方法であり、電子ビームが照射された部分に
は、材料がえぐられたクレータが生じる。このとき、電
子ビームの照射時間を調整することによってクレータの
深さを調整することができる。レーザー加工も同様な原
理でロール表面に凸凹を付与するものである。
【0025】ところで、本発明によれば、第1の工程
で、仕上げたロール表面性状(ロール表面の粗さとうね
り)を測定することによって、第2の工程である放電加
工、電子ビーム加工、レーザー加工を行うべきかどうか
を判断することが可能となる。すなわち、従来は前記第
2の工程を経た後のロール表面の粗さやうねりが目標範
囲となっているかどうかを判断するため、安全側の加工
条件としてロールの鏡面仕上げを行っていた。これに対
して、本発明によれば、第1の工程で、例えば砥石研削
によって仕上げた場合、砥石研削後のロール表面性状が
所定範囲にない場合には、第2の工程を行うことなく、
再度砥石研削の仕上加工を行えばよく、無駄な加工工程
を発生させないという効果を得ることができる。
【0026】なお、本発明によって加工を行った調質圧
延ロールは、溶融亜鉛めっきラインに配置された調質圧
延機やバッチ式の調質圧延機に組込まれて、亜鉛めっき
鋼板に対して0.6〜2.0%程度の伸長率を付与すること
で、ロール表面の中心線平均粗さRaや中心線うねりWca
が一定割合にて鋼板に転写され、プレス加工性および塗
装後鮮映性に優れる亜鉛めっき鋼板の製造が可能であ
る。
【0027】
【実施例】本発明の実施例として、板厚0.8mmの冷延鋼
板を下地として製造した溶融亜鉛めっき鋼板の調質圧延
を行った結果について説明する。本実施例では、直径60
0mm、胴長2000mmの調質圧延ロールについて、番手#120
の砥石を用いた仕上研削を行った。その結果、ロール表
面の軸方向における中心線平均粗さRa(G)は0.36μm、中
心線うねりWca(G)は0.4μmであった。この調質圧延ロー
ルに放電加工を施した結果、中心線平均粗さRa(E)は2.7
μm、中心線うねりWca(E)は0.97μmであった。
【0028】本調質圧延ロールを溶融亜鉛めっきライン
の調質圧延機に組込んで、亜鉛めっき鋼板の調質圧延を
実施した。調質圧延の伸長率としては1.0%に設定し、
調質圧延後の鋼板の表面性状を粗さ計を用いて評価し
た。その結果、亜鉛めっき鋼板の中心線平均粗さRaは1.
1μm、中心線うねりWcaは0.65μmとなり、プレス成形性
と塗装後鮮映性を両立する亜鉛めっき鋼板を製造するこ
とができた。
【0029】一方、本発明の比較例として、#80砥石を
使用して砥石研削を行った。この場合、ロール表面の軸
方向における中心線平均粗さRa(G)は0.44μmであった
が、中心線うねりWca(G)は0.57μmであった。この調質
圧延ロールに上記実施例と同じ条件で放電加工を施した
結果、中心線平均粗さRa(E)は2.7μm、中心線うねりWca
(E)は1.2μmであった。
【0030】この調質圧延ロールを使用して、上記と同
じ条件で調質圧延を実施した結果、亜鉛めっき鋼板の中
心線平均粗さRaは1.1μm、中心線うねりWcaは0.77μmと
なり、プレス成形性は良好であるが、塗装後鮮映性を満
足できなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明では、亜鉛めっき鋼板の調質圧延
に使用する調質圧延ロールの加工の際に、放電加工、電
子ビーム加工、レーザー加工等の第2の加工工程に先立
つ、第1の加工工程における表面仕上を規定すること
で、プレス成形性と塗装後鮮映性を満足する亜鉛めっき
鋼板用の調質圧延ロールを加工することができる。ま
た、これによって、従来の技術のように研削工程の生産
性を落とすことなく、かつ無駄な再加工工程を発生させ
ることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】研削工程後の中心線うねりと放電加工後の中心
線うねりとの関係を示す図である。
【図2】研削工程後の中心線平均粗さと放電加工後の中
心線うねりとの関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 2/00 C23C 2/00 4K027 2/06 2/06 2/40 2/40 // B23K 103:04 B23K 103:04 103:16 103:16 (72)発明者 曽谷 保博 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3C043 AC13 CC01 3C059 AA01 AB00 HA04 4E016 AA03 CA09 DA12 FA15 FA16 4E066 AA03 BA12 BB01 CB00 4E068 AG01 DA05 DA15 DB01 DB15 4K027 AA02 AA22 AB02 AB14 AB15 AB42 AC87 AD15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調質圧延ロール表面の中心線平均粗さRa
    を0.2〜0.7μmで、かつ中心線うねりWcaを0.5μm以下と
    する第1の工程と、次に前記調質圧延ロールを放電加工
    によって中心線平均粗さRaを2.0〜4.0μmとする第2の工
    程とからなることを特徴とする亜鉛めっき鋼板用調質圧
    延ロールの加工方法。
  2. 【請求項2】 第1の工程を、砥石研削によることを特
    徴とする請求項1に記載の亜鉛めっき鋼板用調質圧延ロ
    ールの加工方法。
  3. 【請求項3】 第2の工程を、放電加工に代え、電子ビ
    ーム加工またはレーザー加工によることを特徴とする請
    求項1または2に記載の亜鉛めっき鋼板用調質圧延ロー
    ルの加工方法。
  4. 【請求項4】 亜鉛めっき鋼板が、めっき皮膜が主とし
    てη相からなる亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の亜鉛めっき鋼板用調質
    圧延ロールの加工方法。
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