JP2002045823A - 重金属類除去方法 - Google Patents

重金属類除去方法

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JP2002045823A
JP2002045823A JP2000237896A JP2000237896A JP2002045823A JP 2002045823 A JP2002045823 A JP 2002045823A JP 2000237896 A JP2000237896 A JP 2000237896A JP 2000237896 A JP2000237896 A JP 2000237896A JP 2002045823 A JP2002045823 A JP 2002045823A
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heavy metals
heavy
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phosphoric acid
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Shiro Yoshizaki
司郎 吉崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の処理液で重金属類含有物から重金属類
を溶出した当該処理液を吸着剤と接触させてこの処理液
中の重金属類を吸着、除去し、この再生した処理液を重
金属類含有物ー処理液系に循環させることにより、高濃
度の重金属類を含有している場合も含め、幅広い重金属
類含有物から有害な重金属類を一層効果的に且つ効率良
く除去し、しかも重金属類残存量の一層少ない処理物を
調製してその有効利用、つまりそのまま廃棄処分可能に
したり、発酵させて有機質に富む堆肥等として利用する
など、新たな資源として再利用する。 【解決手段】 重金属類含有物と特定の処理液とを接触
させて当該重金属類含有物に含まれる重金属類を前記処
理液中に溶出させた後、この処理液を吸着剤と接触させ
て重金属類を当該吸着剤に吸着、除去し、この重金属類
を除去した処理液を重金属類含有物ー処理液系に循環さ
せる重金属類を除去する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重金属類含有物を
有効利用したり、あるいは廃棄処分する際に問題となる
有害な重金属類を当該重金属類含有物から効果的に除去
する方法に関し、更に詳しくは、重金属類含有物から重
金属類を溶出した処理液を吸着剤と接触させて当該処理
液中の重金属類を吸着、除去し、この再生した処理液を
重金属類含有物ー処理液系に循環させることにより、重
金属類含有物から有害な重金属類を効果的に且つ効率良
く、しかも経済的に除去する重金属類除去方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】私達の生活環境に存在する物体・物質
は、有害な重金属類で汚染されて重金属類含有物となっ
ている場合が多い。例えば、下水汚泥、屎尿汚泥又は食
品工場汚泥等の有機性汚泥類、土壌、家畜糞尿、底泥、
魚介類、動物、植物などは、資源として利用することが
可能であるが、その際にこれらの重金属類含有物から重
金属類を除去することは容易なことではない。
【0003】又、このように、私達の生活環境に存在す
る河川、土壌、プンクトンなどが有害な重金属類を含ん
でいるため、そこに生息する魚介類、動物、植物などが
基準値以上の重金属類で汚染されている場合が多いこと
が知られている。例えば、ホタテ貝のウロ(中腸腺)や
カキなどは高濃度の重金属類、特にカドミウムを多く含
んでおり、また、ヒトの腎臓や肝臓にも高濃度のカドミ
ウムが含まれており、更に、米などの穀物にもカドミウ
ムなどの重金属類が含まれており、人の健康を害する原
因となり得ることが知られている。
【0004】ところで、近年、地球環境の保全や資源の
有効利用・循環利用の観点から、未利用資源を活用する
ことが必要な情勢となっており、前記重金属類含有物か
ら有害な重金属類を除去して無害化する方法を開発する
ことは、緊急かつ重要な課題となっている。
【0005】又、資源の有効利用・循環利用の観点から
離れて、単に前記のごとき重金属類含有物を廃棄処分す
る場合においても、廃棄処理場等において高濃度の有害
重金属類が蓄積し、これが環境に対し再び悪影響を与え
るといった問題もある。
【0006】このような問題や課題を解決するために、
重金属類含有物から効果的に重金属類を除去する方法の
開発が強く望まれており、現在まで、下水汚泥、屎尿汚
泥及び食品工場汚泥等の有機性汚泥、土壌や底泥更に家
畜糞尿などに含まれる重金属類の除去方法を中心とし
て、種々検討がなされている。
【0007】例えば、硫酸を用いて下水汚泥から亜鉛、
銅、カドミウムなどを除去する方法(Environ.
Sci.Technol.,9(9),849−855
(1975))、硫酸あるいは塩酸を用いて下水汚泥か
らカドミウム、クロム、銅、鉄、鉛、亜鉛、ニッケルを
除去する方法(Water Res.,10,1077
−1081(1976))等が報告されている。
【0008】又、最近では、ホタテ貝ウロからのカドミ
ウムを除去する方法として、2vol%硫酸(3.6重
量%程度の硫酸)で処理する方法、更に、電気分解と硫
酸とを併用することによりホタテ貝ウロからカドミウム
を除去する方法も提案されている。
【0009】加えて、本発明者は、リン酸水溶液類を下
水汚泥、し尿汚泥、食品工場汚泥等の重金属類含有物と
接触させることによって重金属類を除去する方法を研究
開発してきた。例えば、下水汚泥をリン酸水溶液で処理
することにより、汚泥に含まれる有害な重金属類を一挙
に除去することに初めて成功している(特許第2975
571号、Environ. Sci.Techno
l.,2000,34,1572〜1575)。また、
ホタテ貝中腸腺に含まれるカドミウムなどの重金属類も
リン酸水溶液類で処理することによって容易に除去し得
ることを提案している(特願平11−355848号明
細書)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、環境中
に存在する重金属類は、一般に、動植物や魚介類などを
構成する生体高分子に吸着されたり、あるいは、無機性
の塩類や硫化物等として存在しているため、従来、これ
らの重金属類を溶解して回収することは容易なことでは
なかった。
【0011】そこで、本発明者は、前述のとおり、これ
らの重金属類含有物に含まれる重金属類を除去する方法
として、リン酸水溶液類が優れた効果を発揮することを
提案している(特許第2975571号、特願平11−
355848号明細書)。
【0012】ところが、特に、重金属類含有物中の重金
属類含有量が最初から高い場合には、リン酸水溶液類を
用いて重金属類含有物を処理しても重金属類が一部残存
して環境基準値を超える場合も発生しうる。
【0013】又、重金属類含有物は多彩な物質・物体が
ある上、重金属類を除去した重金属類含有物(以下、単
に処理物という。)を有効利用する際に、残存する重金
属類の含有量が一層少ないほど望ましいことは言うまで
もない。
【0014】このような観点から、本発明者は、重金属
類含有物から一層効果的に、しかも効率良く重金属類を
除去できる重金属類除去方法を得るために、リン酸水溶
液類による重金属類処理方法を更に改良、改善し、重金
属類残存量の一層少ない処理物を調製してその有効利用
を促進していくのが最も望ましいと判断した。
【0015】そして、本発明者は、更に鋭意検討の結
果、上述のような重金属類除去効率を高める手法として
は、重金属類含有物から重金属類を溶出した処理液を吸
着剤と接触させて当該処理液中の重金属類を吸着、除去
し、この再生した処理液を重金属類含有物ー処理液系に
循環させることにより、重金属類含有物が高濃度の重金
属類を含有している場合も含め、幅広い重金属類含有物
から有害な重金属類を効果的に除去し、処理物中に残存
する重金属類を限りなくゼロに近づけることができると
の知見を得た。
【0016】即ち、本発明は、これらの知見に基づき完
成されたものであって、特定の処理液で重金属類含有物
から重金属類を溶出した当該処理液を吸着剤と接触させ
てこの処理液中の重金属類を吸着、除去し、この再生し
た処理液を重金属類含有物ー処理液系に循環させること
により、高濃度の重金属類を含有している場合も含め、
幅広い重金属類含有物から有害な重金属類を一層効果的
に且つ効率良く除去し、しかも重金属類残存量の一層少
ない処理物を調製してその有効利用を促進し得る上、簡
単で経済的な重金属類除去方法を提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る重金属類除
去方法(以下、本発明方法という。)においては、前記
目的を達成するために、重金属類含有物と処理液とを接
触させて当該重金属類含有物に含まれる重金属類を前記
処理液中に溶出させた後、この処理液を吸着剤と接触さ
せて重金属類を当該吸着剤に吸着、除去し、この重金属
類を吸着、除去した処理液を重金属類含有物ー処理液系
に循環させることを特徴とする重金属類含有物から重金
属類を除去する方法であって、前記重金属類含有物が、
魚介類、動物、植物、下水汚泥、し尿汚泥、食品工場汚
泥、家畜ふん尿、土壌、底泥又は廃棄物焼却灰からなる
群から選択される少なくとも一種であり、前記処理液が
(A)リン酸水溶液、あるいは(B)次のB1又はB2
のうちの少なくとも1種を含有するリン酸水溶液であ
る、重金属類除去方法である。 (B1)リン酸以外の他の酸類、又は (B2)酸化剤
【0018】そして、本発明方法の対象となる重金属類
含有物としては、特に限定されるものではなく、有機汚
泥類を含む幅広い重金属類含有物を挙げることができる
のであって、魚介類、動物、植物、下水汚泥、し尿汚
泥、食品工場汚泥、家畜ふん尿、土壌、底泥又は廃棄物
焼却灰からなる群から選択される少なくとも一種が挙げ
られる。
【0019】従って、本発明方法の対象となる重金属類
含有物としては、複数種の重金属類含有物の混合物も含
まれる。
【0020】本発明方法によって処理される重金属類含
有物は、通常の形態のまま処理しても良いが、好ましく
は、重金属類を除去しやすくするために細かく切断した
り、あるいは粉末化した状態で用いることが好ましい。
【0021】特に、重金属類含有物が魚介類や動植物な
どの場合には、重金属類含有物中に、重金属類の溶出を
妨げる魚油、動物油、植物油等の油状成分が含まれてお
り、これらの油状成分を処理前に除去しておくことが有
効である。
【0022】そして、本発明方法においては、これらの
重金属類含有物から重金属類が除去されるが、この重金
属類としては、特に人体に悪影響を与えたり、環境汚染
の原因となるものが主として挙げられる。
【0023】具体的には、例えば、アルミニウム、カド
ミウム、クロム、銅、鉄、水銀、マンガン、モリブデ
ン、ニッケル、鉛、亜鉛等の金属を挙げることができる
のであり、この他には、砒素、セレンなども同様に除去
することができる他、本発明方法においてはこれらの通
常の重金属およびこれらの半金属物質を総括的に含めて
重金属類という。又、本発明方法においては前記の重金
属類のみならず、これらの化合物をも含めて重金属類と
いう。
【0024】本発明で用いられるリン酸は生命体を構成
する成分の一つであって毒性も少ないことから、重金属
類含有量の少ない処理後の処理物は何等の後処理を行う
ことなくそのまま利用することも可能である。
【0025】本発明方法で用いられる処理液としては、
(A)リン酸水溶液、あるいは(B)次のB1又はB2
のうちの少なくとも1種を含有するリン酸水溶液、 (B1)リン酸以外の他の酸類、又は (B2)酸化剤 が挙げられる。
【0026】ここで、リン酸とは、オルトリン酸、メタ
リン酸或いはポリリン酸等の縮合リン酸や、亜リン酸、
次亜リン酸、五酸化二リンなどを包含していう。
【0027】又、本発明方法におけるリン酸水溶液の濃
度は、特に制限されるものではなく、処理される重金属
類含有物や除去すべき重金属類の種類によって適宜選択
されるものであるが、一般的には85重量%以下が好ま
しく、更に0.01〜85重量%の範囲の濃度が好まし
い。これは重金属含有物中に含まれる重金属の存在形態
が、重金属類含有物の種類によって異なるためである。
【0028】リン酸水溶液の濃度が、85重量%以上の
場合は、重金属類の除去効果に限界生じる上、酸性が強
く、後処理が困難であり、しかもコスト的な無駄が多く
なり、一方、リン酸水溶液の濃度が0.01重量%以下
の場合は、水銀、クロム及び鉛等の重金属類の除去率が
低くなるので好ましくない。
【0029】具体的には、例えば、下水汚泥や土壌等に
含有される重金属類を処理、除去する場合には10重量
%以上のリン酸濃度が好ましく、又、ホタテ貝ウロ等の
魚介類に含有される重金属類を除去する場合には、20
重量%以下のリン酸濃度が好ましい。
【0030】又、本発明方法において、前記処理液に含
有される酸化剤としては、過酸化水素、次亜塩素酸、次
亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過ほう酸ナ
トリウム等が挙げられる。
【0031】更に、本発明方法において、処理液を酸化
させる他の方法としては、エアレーションにより空気を
吹き込んだり、あるいはオゾンを導入することにより、
酸化効果を向上させ、重金属類の溶出効果を向上させる
ことが可能になるのである。
【0032】更に、前記酸化剤は、処理液に対して0.
001〜20重量%、好ましくは0.01〜5重量%の
割合で処理液中に配合させるのが好ましく、酸化剤の配
合割合が、0.001重量%未満ではその効果が乏し
く、配合させる意味が無く、一方、20重量%を超える
と効果に限界が生じるうえ、後処理が困難になり、しか
もコスト的な無駄も多くなるので好ましくない。
【0033】本発明方法においては、処理液を、撹拌、
エアレーション処理、超音波処理、ホモジナイザー処理
などを行うことにより、反応促進効果や酸化効果を向上
させることもできる。
【0034】処理液に含まれるリン酸以外の酸として
は、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸や蟻酸、酢
酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、ピル
ビン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸等の有機酸が挙げ
られるのであり、これらはリン酸水溶液に対して任意の
割合で含有させることができる。
【0035】本発明方法においては、リン酸類は他の酸
類と比較して生物的な親和性に富み、バイオソープショ
ン(生物的吸着)によって生物に蓄積された重金属類を
効果的に溶出させることができる。
【0036】又、リン酸水溶液類は、一般に弱酸で、危
険性が少なく、又、後述する吸着剤を用いて、処理液中
に溶出した重金属類を取り除く場合に、pH調整等の手
段を講じる必要がないため、取り扱い性が極めて簡便と
なる。
【0037】本発明方法においては、処理液と重金属類
含有物とを接触させることにより、当該重金属類有物中
の重金属類が当該処理液中に溶出されるが、この処理液
の使用量、処理温度及び処理時間としては、特に制限は
なく、重金属類含有物の種類、含まれる重金属類の量や
種類により、適宜選択して用いられる。
【0038】一般的には、重金属類含有物(乾燥状態)
の質量1に対して、0.1〜10倍量程度の処理液を用
いるのが好ましく、通常、1〜5倍量が好ましい。
【0039】又、本発明方法において、処理中の温度
は、室温から抽出液の沸点までの温度範囲のいずれをも
選択することができるが、一般的には、室温〜95℃程
度が好ましい。
【0040】更に、処理時間としては、10分〜3日程
度で、容易に重金属類を除去することができる。
【0041】そして、本発明方法においては、前述のよ
うに、重金属類含有物と特定の処理液とを接触させて当
該重金属類含有物に含まれる重金属類を前記処理液中に
溶出させた後、この処理液を吸着剤と接触させて重金属
類を当該吸着剤に吸着、除去し、この重金属類を除去し
た処理液を重金属類含有物ー処理液系に循環させる点、
に最も大きな特徴を有する。
【0042】このように構成すると、処理液から重金属
類を吸着剤に容易に吸着させて除去できるので、重金属
類を含む処理液から重金属類を除去して、当該処理液を
循環使用(再利用)することが可能となる上、重金属類
の濃度が著しく低下した処理物を得ることが可能となっ
て処理後の当該処理物を洗浄などの後処理を行うことな
くそのまま再利用することが可能となるからである。
【0043】本発明方法で用いられる重金属類の吸着剤
としては、重金属類を吸着させ得る吸着剤のいずれもが
利用され得るのであり、それには例えば強酸性陽イオン
交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、キレート樹脂、陽
イオン交換膜などのイオン交換体、活性炭、1,3,5
ートリアジンー2.4ージチオール類等が挙げられる。
【0044】本発明方法において、重金属類含有物から
重金属類を除去するにあたり、重金属類を含む処理液か
ら当該重金属類を除去してその再生した処理液を重金属
類含有物ー処理液系に循環させることにより、重金属類
含有物からの重金属類の除去は至極容易に、しかも極め
て効率よく達成され得、重金属類含有量の極めて少ない
処理物、あるいは重金属類を含まない処理物を得ること
ができる。
【0045】本発明の方法によって重金属類が除去され
た処理物は、必要に応じて脱水処理された後、有効利用
されたり、あるいは廃棄される。具体的には、処理後の
ホタテ貝残滓や下水汚泥等の処理物を肥料あるいは飼料
として利用することができる。例えば、後述の実施例1
に示すように、1〜5重量%のリン酸水溶液を用いてカ
ドミウム含量0.55〜1.0ppmのホタテ貝中腸腺
を調製できるが、この程度のカドミウムを含む中腸腺は
動物の飼料として利用することができる。また、0.1
重量%リン酸によって得たカドミウム含量4.4ppm
のホタテ貝中腸腺は肥料取締法による基準値5ppm以
下を満たしているので、肥料として利用することができ
る。本発明方法によれば、このように従来困難であった
重金属類含有物からの重金属類の十分な除去が、処理液
と吸着剤を用いて効果的に行われるのである。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
以下の実施例において、特に記載がなければ%は全て重
量%である。
【0047】実施例1 ホタテ貝中腸腺100g(カドミウム含量約160pp
mと高濃度)と、表1に示す各種濃度のリン酸水溶液7
00mlを加え、温度20℃、回転数500rpmで撹
拌しつつカドミウムを溶出した。この場合、回転子とホ
タテ貝中腸腺の間にネットを入れ、当該ホタテ貝中腸腺
はほとんど動かない状態にした。
【0048】このカドミウムを溶出した処理液を陽イオ
ン交換樹脂(三菱化学社製 商品名ダイヤイオンSK1
B)カラムに循環させるにあたり、循環ポンプを用い、
処理液の循環速度が約5L/時間となるように調整し、
この処理液中の懸濁物をろ過によって除去してから処理
液を前記陽イオン交換樹脂カラムに透過させ、この状態
で、リン酸水溶液をホタテ貝中腸腺ー処理液系を表1に
示す各々の時間撹拌、循環させつつカドミウムを溶出し
た。
【0049】経時的にホタテ貝中腸腺6粒(15g前
後)を採取し、遠心分離機で脱リン酸し、水洗無しで王
水処理してカドミウム残量をICP(Inductiv
elyCoupled Plasma Spectro
metry)法で測定した(以下、カドミウム等の重金
属類はこの方法で測定した。)。その結果を表1に示
す。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示す結果より、高濃度カドミウム含
有量ホタテ貝中腸腺を1〜5重量%リン酸水溶液で処理
した場合、ホタテ貝中腸腺中のカドミウム含有量は24
時間で1〜3ppmに低下し、さらに水洗処理すること
によって1〜0.55ppmとなることが認められた。
又、0.1重量%リン酸水溶液で処理した場合には48
時間後にホタテ貝中腸腺中のカドミウム含量は4.4p
pmに低下していることが認められた。
【0052】比較例 実施例1において、リン酸水溶液をホタテ貝中腸腺ー処
理液系に循環、処理しない以外は、以下に示す各々の時
間撹拌させつつカドミウムを溶出した。
【0053】即ち、ホタテ貝中腸腺100g(カドミウ
ム含量約160ppm)に5%重量リン酸水溶液500
mlを加え、温度20℃、回転数500rpmで70時
間撹拌しカドミウムを溶出した。この場合、回転子とホ
タテ貝中腸腺の間にネットを入れ、当該ホタテ貝中腸腺
はほとんど動かない状態にした。
【0054】このようにして得たホタテ貝中腸腺を分
取、遠心脱水し、水2.5Lを加えて3時間放置する操
作を2回行った。この処理物(ホタテ貝中腸腺中)6粒
(15g前後)を採取し、そのカドミウム残存量を実施
例1と同様に測定した結果は1.57ppmであった。
【0055】又、同様にして、ホタテ貝中腸腺100g
に1重量%リン酸水溶液500mlを加えて24時間溶
出、処理した以外は、前記参考例と同様にした場合に
は、ホタテ貝中腸腺中のカドミウム残存量は8.15p
pmであった。
【0056】以上の結果より、実施例1と参考例とを比
較すると、いずれの場合も、実施例1の処理例の方がカ
ドミウムの除去効率が至極高く、高濃度カドミウム含有
ホタテ貝中腸腺でもカドミウムの除去効率が極めて高
く、その有効利用の実現性が著しく向上したことが認め
られる。
【0057】実施例2 ホタテ貝中腸腺5.2kg(カドミウム含量約42.5
ppm,亜鉛含量62.3ppm,銅含量11.8pp
m)と1重量%リン酸水溶液15Lとを加え、温度20
℃、回転数300rpmで撹拌しつつ48時間にわたっ
てカドミウムを溶出した。この場合、回転子とホタテ貝
中腸腺とを網目かごで仕切って回転子とホタテ貝中腸腺
とが接触しないようにした。
【0058】次いで、このカドミウムを溶出した処理液
を陽イオン交換樹脂(三菱化学社製商品名ダイヤイオン
SK1B)カラムに循環させるにあたり、循環ポンプを
用い、処理液の循環速度が約30L/時間となるように
調整し、この処理液中の懸濁物をろ過によって除去し、
当該処理液を前記陽イオン交換樹脂カラムに透過させ、
この状態で、リン酸水溶液をホタテ貝中腸腺ー処理液系
に循環させつつカドミウムを溶出した。
【0059】処理物と処理液とをデカンテーションで分
離し、残存物(処理物)を回転数1000rpmで遠心
脱水してホタテ貝中腸腺の処理物5.0kg(カドミウ
ム含量0.85ppm)を得た。得られたホタテ貝中腸
腺の処理物に水25Lを加えて一日放置した後、これを
デカンテーションして水洗した処理物6.6kg(カド
ミウム含量0.16ppm)を得た。
【0060】再度、この水洗した処理物(6.6kg)
を遠心脱水して、脱水処理物5.41kgを得た。この
脱水処理物中の重金属含量は、カドミウム含量0.15
ppm,亜鉛含量1.65ppm,銅含量7.0ppm
であった。
【0061】また、リン酸水溶液でカドミウムを溶出、
除去処理後の処理物を一部サンプリングし、5倍量の水
を加えて1日放置したのちデカンテーションすることに
より当該処理物中のカドミウム含量は0.63ppmと
なることが認められた(水洗処理のみ実施した場合)。
【0062】実施例3 下水汚泥1.0kg(含水率75%)に0.3重量%過
酸化水素を含む10重量%リン酸3Lを加え、回転数1
00rpmでゆっくり撹拌しながら、処理混合物の上澄
み液をろ過によって濁りを除去した後、この処理液(ろ
液)を陽イオン交換樹脂(三菱化学社製 商品名ダイヤ
イオンSK1B)カラムに透過させ、この状態で、リン
酸水溶液をホタテ貝中腸腺ー処理液系に循環させつつカ
ドミウムを溶出した。この処理を5時間継続したのち、
処理物を脱水・水洗した。この処理物中の銅の除去率は
97%であった。
【0063】実施例4 下水汚泥焼却灰1.0kgに0.5重量%過酸化水素を
含む8重量%リン酸3Lを加え、回転数100rpmで
ゆっくり撹拌しながら、処理混合物の上澄み液をろ過に
よって濁りを除去した後、この処理液(ろ液)を陽イオ
ン交換樹脂(三菱化学社製 商品名ダイヤイオンSK1
B)カラムに透過させ、この状態で、リン酸水溶液をホ
タテ貝中腸腺ー処理液系に循環させつつカドミウムを溶
出した。この処理を8時間継続したのち、処理物をろ
過、水洗、脱水した。この処理物中の銅の除去率は82
%であった。
【0064】実施例5 畑の土壌1.0kgに8重量%リン酸3Lを加え、回転
数100rpmでゆっくり撹拌しながら、処理混合物の
上澄み液をろ過によって濁りを除去した後、この処理液
(ろ液)を陽イオン交換樹脂(三菱化学社製 商品名ダ
イヤイオンSK1B)カラムに透過させ、この状態で、
リン酸水溶液をホタテ貝中腸腺ー処理液系に循環させつ
つカドミウムを溶出した。この処理を10時間継続した
のち、処理物を水洗、脱水した。この処理物中の銅の除
去率は87%であった。
【0065】
【発明の効果】本発明方法においては、前記構成を有
し、即ち、重金属類含有物と特定の処理液とを接触させ
て当該重金属類含有物に含まれる重金属類を前記処理液
中に溶出させた後、この処理液を吸着剤と接触させて重
金属類を当該吸着剤に吸着、除去し、この重金属類を除
去した処理液を重金属類含有物ー処理液系に循環させる
ことにより、高濃度の重金属類を含有している場合も含
めて当該重金属類含有物から有害な重金属類を一層効果
的に且つ効率良く除去し、しかも重金属類残存量の一層
少ない処理物を調製してその有効利用を促進し得る効果
を奏するのである。
【0066】又、本発明方法においては、特に、重金属
類含有物から重金属類を溶出した処理液を吸着剤と接触
させて当該処理液中の重金属類を吸着、除去し、この再
生した処理液を重金属類含有物ー処理液系に循環させる
ことを特徴とするものであり、特別な装置を必要とする
ものではなく、簡単な装置で良く、幅広い重金属類含有
物から有害な重金属類を効果的に且つ効率良く、しかも
経済的に除去し得る結果、幅広い重金属類含有物の重金
属類残存量の一層少ない処理物に調製して幅広くそれら
を有効資源として利用し得る効果を奏するのである。
【0067】更に、本発明方法によれば、前述のよう
に、従来、除去が困難であった特定の重金属類含有物か
らの有害な重金属類の除去が一層効果的に、且つ経済的
に行われ得る結果、この方法は工業的に、しかも大規模
に行うことができる効果を奏するのである。
【0068】加えて、本発明方法によって重金属類が除
去された処理物は、環境汚染の恐れが無いので、そのま
ま廃棄処分にしたり、肥料として利用するなど、新たな
資源として再利用することができる効果を奏するのであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 11/06 B09B 3/00 304Z Fターム(参考) 4D004 AA02 AA04 AA36 AA41 AB03 CA15 CA36 CA47 CC01 CC11 CC12 4D059 AA01 AA02 AA03 AA08 AA09 AA11 AA12 AA13 AA14 BC02 BH04 BH07 BH08 BJ00 BK22 DA31 DA32 DA33 DA39 DA43 DA44 DA45 DA61 DA70 DB07 DB08 DB40

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属類含有物と処理液とを接触させて
    当該重金属類含有物に含まれる重金属類を前記処理液中
    に溶出させた後、この処理液を吸着剤と接触させて重金
    属類を当該吸着剤に吸着、除去し、この重金属類を除去
    した処理液を重金属類含有物ー処理液系に循環させるこ
    とを特徴とする重金属類含有物から重金属類を除去する
    方法であって、 前記重金属類含有物が、魚介類、動物、植物、下水汚
    泥、し尿汚泥、食品工場汚泥、家畜ふん尿、土壌、底泥
    又は廃棄物焼却灰からなる群から選択される少なくとも
    一種であり、 前記処理液が(A)リン酸水溶液、あるいは(B)次の
    B1又はB2のうちの少なくとも1種を含有するリン酸
    水溶液である、重金属類除去方法。 (B1)リン酸以外の他の酸類、又は (B2)酸化剤
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