JP2002044930A - 電機子ユニット及びその製造方法、リニアモータ、ステージ装置及び露光装置、並びに半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

電機子ユニット及びその製造方法、リニアモータ、ステージ装置及び露光装置、並びに半導体デバイスの製造方法

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JP2002044930A
JP2002044930A JP2000227471A JP2000227471A JP2002044930A JP 2002044930 A JP2002044930 A JP 2002044930A JP 2000227471 A JP2000227471 A JP 2000227471A JP 2000227471 A JP2000227471 A JP 2000227471A JP 2002044930 A JP2002044930 A JP 2002044930A
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coil
stage
linear motor
armature unit
manufacturing
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Noriyuki Irie
則行 入江
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却媒体によってコイルが冷却されるリニア
モータにおいて、簡易な手法によって、リニアモータ内
のコイルの温度を均一に冷却する。 【解決手段】 リニアモータ100の固定子(電機子ユ
ニット)110は、コイルユニット150とキャン11
3とからなる。キャン113とコイルユニット150と
の間には冷却媒体を循環させるための流路115が形成
されている。コイル150の表面には流路115を流れ
る冷却媒体の流れを所定方向に誘導するための誘導部1
60A,160Bが設けられている。誘導部160A,
160Bは誘導路162,162…により冷却媒体を所
定方向に誘導する。これにより温度上昇の著しい箇所に
冷却媒体を集中的に流すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電機子ユニット及
びその製造方法、これを用いたリニアモータ、ステージ
装置、露光装置並びにデバイスの製造方法に関し、特
に、半導体製造装置、工作機器等のように温度管理の厳
しい環境での使用に適した電機子ユニット、リニアモー
タ、ステージ装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体デバイスや液晶表示素子等
の製造に使用される露光装置では、マスク(レチクル
等)が載置されるレチクルステージや感光性の基板(ウ
ェハ、ガラスプレート等)が載置されるウェハステージ
等の駆動手段(ステージ装置)としてリニアモータが用
いられている。
【0003】リニアモータは、固定子と、この固定子に
対して相対移動する可動子とからなるもので、ステージ
装置では、固定子及び可動子の一方が特定のステージ
に、他方が他のステージに取り付けられて、当該特定の
ステージが他のステージに対して相対移動される。とこ
ろで、ステージ装置では、ステージ位置の検出に用いら
れる干渉計等、熱の影響を受ける精密機器が用いられる
ため、装置全体の温度を厳しく管理しなければならな
い。従って、ステージ装置に用いられるリニアモータに
ついても、作動時の発熱(温度上昇)を抑制して、所定
の温度内となるようにその温度管理をする必要がある。
【0004】従来より、リニアモータの作動時の発熱
(温度上昇)を防ぐべく、コイルが収容されたキャン内
に、冷却媒体の流路を形成しておき、この流路を流れる
冷却媒体の温度を温度調節機により制御して、キャン内
のコイルの温度の上昇を防ぐようにした冷却機構を備え
たリニアモータが知られている。かかる冷却機構を備え
たリニアモータにあっては、単位時間当たり一定量の冷
却媒体がコイルの周囲を流れるように、キャンとコイル
との間に一定面積の流路(隙間)が確保される。そし
て、キャンに冷却媒体用の流入口と流出口が設けられ、
これら流入口と流出口に冷却装置が接続されて、単位時
間当たり一定量の冷却媒体がキャン内を循環するように
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ステージ装
置の駆動手段として用いられるリニアモータにあって
は、作動時の発熱によるコイルの温度分布が一様でない
ことが知られている。これは、キャン内のコイルが複数
の部材より構成されて熱伝導率が一様でないこと、又、
コイル自体の発熱も一様でなく、しかもその形状も一様
でないためコイルの部位によって発熱量が大きく異なっ
てくることによる。特に、コイルが複数のコイル部材に
よって構成されている場合には、コイル同士が接続され
る部分での温度上昇が著しい。
【0006】又、コイルは、コマ部材によってキャンと
の間に一定の隙間(流路)を確保しながら、当該キャン
に固定されるが、コイルの形状自体が一様でなく、キャ
ンとコイルとの隙間を一定に確保できない箇所が生じ得
る。このような箇所では、冷却媒体が円滑に流れずによ
どんでしまい、温度上昇が他の部分より大きくなること
がある。
【0007】このように、キャン内部に冷却媒体を一定
量流しても、リニアモータ作動時のキャン内のコイルの
温度分布は一様でなく、発熱量が大きいコイルの特定の
箇所や、コイルとキャンとの隙間が狭い(流路面積が小
さい)箇所では、局部的に上昇するコイルの温度上昇を
充分に抑えることが出来ない。ここで、リニアモータの
作動時の発熱による温度分布を、設計時にCAD、CA
Eシステムによってシミュレーションし、この結果に応
じて、コイル、キャンの設計等を行うことで当該コイル
を均一に冷却することも考えられるが、キャン、コイル
等は複数の部材より構成されているため各部位で熱伝導
率が異なる等、シミュレーションによって得られた設計
によってコイルを均一に冷却することは困難である。こ
の場合にはリニアモータの設計を変更する等、開発期間
が長期化する要因となる。
【0008】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
で、冷却媒体によってコイルが冷却されるリニアモータ
において、簡易な手法によって、リニアモータ内部のコ
イルの温度を均一に冷却して、精度の高い温度調整を可
能にした電機子ユニット及びその製造方法、これを用い
たリニアモータ等を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の電機子ユニットは、コイルと該コイルユ
ニットを内部に収容するキャンとからなり、前記キャン
と前記コイルとの間に冷却媒体を循環させるための流路
が形成された電機子ユニットにおいて、前記コイルの表
面又は前記キャンの内壁の少なくとも一方に、前記流路
を流れる冷却媒体の流れを所定方向に誘導するための誘
導部を設けたものである。これにより、冷却媒体を簡単
な構成にて所定方向に誘導することができ、温度上昇の
著しい箇所に冷却媒体を集中的に流すことができる。こ
の場合、CADやCAEによって設計されたコイルに予
期しない温度分布の偏りが生じていても、前記コイルの
表面又は前記キャンの内壁の一方に形成された誘導部に
よって、コイルを均一の温度に冷却することができるの
で、設計をやり直す必要がない。
【0010】又、前記コイルの表面又は前記キャンの内
壁の一方に形成される誘導部の形状は、試作によって得
られた電機子ユニットを用いて実験的に決定することが
できるため、新たにコイルやキャンを設計し直すのに比
べて開発期間が短くなる。又、前記誘導部は、前記コイ
ルの表面又は前記キャンの内壁の少なくとも一方に形成
されるのであるから、該誘導部が、前記コイルと前記キ
ャンとの間の熱伝導に寄与することがなく、その材質を
選択するに当たって熱伝導率を考慮する必要がない。
【0011】又、請求項2の発明は、請求項1に記載の
電機子ユニットにおいて、前記誘導部に、前記コイルの
表面又は前記キャンの内壁に設けられた1又は2以上の
凸部によって誘導路を形成し、該誘導路の形状を、前記
コイルの発熱時の温度分布に応じて形成するものであ
る。これにより、コイルの発熱時の温度分布に応じて冷
却媒体を局所的に流すことができ、当該コイルが均一の
温度に冷却される。
【0012】又、請求項3の発明は、請求項2に記載の
電機子ユニットにおいて、前記誘導路が、前記コイルを
構成する2以上のコイル部材が互いに接続された接続部
に向けて冷却媒体を誘導するように形成されたものであ
る。この誘導路によって、冷却媒体が、特に発熱量の多
い前記接続部に向かって集中的に流れる。又、請求項4
の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載の電機
子ユニットにおいて、前記誘導部が、シール部材を貼着
することによって構成されたものである。これにより、
簡単な手法にて、当該電機子ユニットに前記誘導路を簡
易に形成できる。
【0013】又、請求項5の発明は、請求項1に記載の
電機子ユニットの製造方法であって、コイルに接着剤を
塗布する工程と、接着剤が塗布された前記コイルを、前
記誘導部の凸部に対応した凹部が形成された型プレート
で両側から挟み込んで当該接着剤を凝固させる工程とを
含むものである。これにより、簡単な製造方法によって
誘導部が形成できる。
【0014】又、請求項6のリニアモータは、請求項5
に記載の電機子ユニットからなる固定子と、ヨークと磁
石からなる可動子とを備えたものである。これにより、
リニアモータの作動時の固定子が均一に冷却されその温
度調整が容易になる。又、請求項7のリニアモータは、
請求項5に記載の電機子ユニットからなる可動子と、ヨ
ークと磁石からなる固定子とを備えたものである。これ
により、リニアモータの作動時の可動子が均一に冷却さ
れその温度調整が容易になる。
【0015】又、請求項8のステージ装置は、請求項6
又は請求項7に記載のリニアモータを、ステージ部の駆
動手段として用いられているものである。これにより、
ステージ装置の温度調整が、確実に行われるので、ステ
ージ位置を検出する測定装置(例えば、干渉計)等、温
度管理が必要な機器の測定精度が高くなる。又、請求項
9の発明は、露光用光学系を用いて基板上に所定のパタ
ーンを形成する露光装置であって、請求項8に記載のス
テージ装置を備えたものである。これにより、当該ステ
ージ装置の移動量を精度良く制御でき、半導体素子や、
液晶表示素子等の製造時の精度も向上する。
【0016】又、請求項10の発明は、所定のパターン
が形成されたデバイスの製造方法であって、請求項9に
記載の露光装置を用いて、レチクルの回路パターンを感
光剤が塗布されたウェハに転写する工程を有するもので
ある。露光装置は、移動量制御の高いステージ装置が用
いられているため、デバイスに微細なパターンを精度よ
く作製できる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1の実施の形態について、図1〜図4を用いて説
明する。
【0018】この第1の実施の形態のリニアモータ10
0は、図1、図2に示すように、固定子110と、可動
子120とからなる。可動子120は断面がコの字型と
なって固定子110に嵌め合わされ、固定子110内の
コイル151に所定の波形の電流が流されたとき、可動
子120が固定子110に対して、図1中、矢印Xで示
す方向に移動する。
【0019】ここで、固定子110は、電機子用のコイ
ルユニット150とこれを収容するキャン113とによ
って構成され、キャン113とコイルユニット150と
の間の隙間が冷却媒体用の流路115となっている。こ
のコイルユニット150とキャン113によって電機子
ユニットが構成されている。又、キャン113には、図
外の冷却装置にて温度調整された冷却媒体(フロリナー
ト)を取り入れるための流入口115Aと排出するため
の流出口115Bが設けられている。
【0020】又、コイルユニット150を構成するコイ
ル151は、複数の板状のコイル部材151a,151
b,151c,151dが、例えば接着剤で接着された
もので、その接続部155がコマ部材(断熱材)114
によってキャン113に固定されている。又、可動子1
20は、図2に示すように、ヨーク121と、ヨーク1
21の内壁面に配置された永久磁石122,122とに
よって構成されている。尚、磁束の発生手段として用い
られる永久磁石122,122に代えて、電磁石等を用
いてもよい。
【0021】ここで、固定子110のキャン113に内
蔵されたコイルユニット150の構成、並びに、製造方
法について、図3、図4を用いて説明する。コイルユニ
ット150は、図3に示すように、複数の板状のコイル
部材151a,151b,151c,151dが樹脂製
の接着剤にて貼り合わされたコイル151と、多数の線
状の凸部161,161…が形成された誘導部160
A,160Bとによって構成されている。
【0022】この誘導部160A,160Bの線状の凸
部161,161…によって、コイル151の表面に、
当該コイル151の温度分布に応じた多数の誘導路16
2,162…が形成される。この誘導路162,162
…によって冷却媒体は、コイル151の発熱量が高い箇
所(例えば、コイル部材151a,151b,151
c,151dが互いに接合される接続部155)に集中
的に流れることになって、この箇所が集中的に冷却され
る。
【0023】今仮に、図3に示すように、冷却媒体が左
下の矢印Aで示す流入口115Aから、右上の矢印Bで
示す流出口115Bに向かって流れている場合、コイル
151では、X方向に沿って流出口115Bに近づくに
つれ温度が上昇し、Z方向に沿って流入口115Aから
遠ざかるにつれ温度が上昇する(図3のグラフ参照)。
このような温度分布となるのは、コイル151では、接
続部155に近いほどコイル151a,151b,15
1c,151dの発熱量が多くなること、更には、冷却
媒体(フロリナート)が流入口115Aに近い箇所では
温度が未だ充分に低く、流出口115Bに近づくにつれ
温度が上昇するからである。
【0024】そこで、この実施の形態では、誘導部16
0A,160Bの凸部161,161…をこのグラフ
(図3)が示す温度分布に応じて、鉤型に形成すること
で、凸部161,161…にて形成される誘導路16
2,162…によって冷却媒体をコイル151の接続部
155に集中的に流し、もって、コイル151全体を均
一な温度に調整(冷却)している。又、流出口115B
に近い箇所ほどより多くの冷却媒体が流れるように誘導
路162,162…が広く形成され、流出口115B付
近で冷却媒体の温度が既に上昇していることによる冷却
効率の低下を補っている。
【0025】尚、誘導部160A,160Bは、コイル
151の厚さ(例えば、2cm程度)に比べて薄いため
(2mm程度)、この誘導部160A,160Bを設け
ても、流路115の開口面積が著しく小さくなることは
ない。図4に、コイル151の表面に多数の凸部16
1,161…が形成された誘導部160A,160Bを
接着剤160を凝固させて形成する方法を示す。
【0026】この図に示すように、先ず、コイル151
の両面に接着剤160を充分な量塗布しておき、この状
態で鉤型の凹部171,171…が形成された型プレー
ト170A,170Bによって、コイル151をその上
下から一定の圧力で挟み込む。これにより、図3に示す
ように、多数の凸部161,161…によって誘導路1
62,162…が形成された誘導部160A,160B
が、コイル151の上下両面に形成される。型プレート
170A,170Bの材料としては、デルリン等の樹脂
や金属が用いられる。
【0027】ここでは、コイル151の両面に接着剤1
60を塗布して誘導部160A,160Bを形成する例
をあげて説明したが、コイル部材151a,151b,
151c,151dを接着剤で接着してコイル151を
形成する際に、接着剤を余分に塗布し、コイル151の
表面に接着剤を滲み出させて、誘導部160A,160
Bを形成してもよい。
【0028】尚、誘導路162,162…の形状は、上
記したようにコイル151の温度分布に応じて決定すれ
ばよく、従って、図3に示す形状に限られないのは勿論
である。 (第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施形態に
ついて図5を用いて説明する。
【0029】この第2の実施形態のコイルユニット25
0は、誘導部を樹脂製のシート(シール部材)260
A,260Bによって構成している点が、上記した第1
の実施の形態のコイルユニット150と異なる。尚、こ
のコイルユニット250もリニアモータ100の固定子
(電機子)110に用いられる。
【0030】すなわち、コイルユニット250では、コ
イル151の上面及び下面に、各々、樹脂製のシート2
60A,260Bが接着剤によって貼着される。このシ
ート260A,260Bの表面には、多数の線状の凸部
261,261…が形成されており、これによって、コ
イル151の表面に誘導路262,262…が形成され
る。
【0031】このシート260A,260Bの凸部26
1,261…の温度分布に応じた形状は、上記した第1
の実施の形態と同じである。尚、シート260A,26
0Bを作製するに当たっては、第1の実施の形態で用い
られた型プレート170A,170Bと同様の型プレー
トが用いられ、当該シート260A,260Bの表面に
多数の凸部261,261…が形成される。
【0032】このように、コイル151の上面及び下面
にシート260A,260Bを貼着することで、コイル
151とキャンとの間を流れる冷却媒体(フロリナー
ト)を温度上昇が著しい箇所に集中的に流すことがで
き、コイル151が均一に冷却されて、精度の高い温度
調整が可能になる。尚、コイル151にシート260
A,260Bを貼着しても、シート260A,260B
は、コイル151の厚さ(例えば、2cm程度)に比べ
て十分に薄いため(2mm程度)、冷却媒体の流路の開
口面積が著しく小さくなることはない。
【0033】尚、シート260A,260Bに代えて、
線状の凸部261,261…と同じ形状のシールをコイ
ル151の表面に貼着してもよい。この場合、線状の凸
部261,261…は、キャン113と接触しないの
で、断熱性を考慮する必要がなく、樹脂、金属等如何な
る材質でもよい。実際に、コイル151の表面に線上の
凸部のシールを貼着して、局所的に約2.4℃上昇した
特定の箇所に、冷却媒体が集中的に流れるように流れを
調整したところ、このシールの貼着によって温度を1.
0℃程度、更に低下させることができた。
【0034】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施形態について図6を用いて説明する。この第3の
実施形態のコイルユニット350は、誘導部が形成され
た樹脂製のシート(シール部材)360A,360B
を、キャン113の内壁に貼着して、キャン113側に
誘導路を構成している点が、上記した第2の実施の形態
のコイルユニット250と異なる。尚、このコイルユニ
ット350もリニアモータ100の固定子(電機子)1
10に用いられる。
【0035】このシート360A,360Bの表面に
も、多数の凸部(図示省略)が形成されており、これに
よって、コイル151の表面に誘導路(図示省略)が形
成される。このように、キャン113の内壁にシート3
60A,360Bを貼着することで、コイル151とキ
ャン113との間を流れる冷却媒体(フロリナート)を
誘導路によって、温度上昇が著しい箇所に集中的に流す
ことができ、コイル151が均一に冷却され、精度の高
い温度調整が可能になる。
【0036】尚、キャン113の内壁にシート360
A,360Bを貼着しても、シート360A,360B
は、コイル151の厚さ(例えば、2cm程度)に比べ
て十分に薄いため(2mm程度)、冷却媒体の流路の開
口面積が著しく小さくなることはない。又、この実施の
形態でもシート360A,360Bに代えて、線状の凸
部と同じ形状のシール(樹脂、金属等)をキャン113
の内壁に貼着してもよい。
【0037】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施形態について図7、図8を用いて説明する。この
第2の実施形態のコイルユニット450は、誘導部46
0A,460Bの形状が、上記した第1の実施の形態の
コイルユニット150と異なる。尚、このコイルユニッ
ト450もリニアモータ100の固定子110に用いら
れる。
【0038】この第4の実施の形態のコイルユニット4
50では、直線状の誘導部460A,460Bによっ
て、流入口115Aから流出口115Bに向う直線状の
誘導路462,462…が形成されている。このように
誘導路462,462…を形成することによって、流入
口115Aから流出口115Bに近づくにつれ、キャン
113とコイル151との間(流路115)を流れる冷
却媒体は、発熱量の多い接続部155に向かって集中的
に流れるため、この接続部155での温度上昇を集中的
に抑えることができる。
【0039】尚、このコイルユニット450は、上記し
た第1の実施の形態で用いた型プレート170A,17
0Bの凹部171,171…の形状を斜め直線状にする
ことで、第1の実施の形態の製造方法と同じ手順で製造
可能であり、その説明は省略する。又、このコイルユニ
ット450を製造するに当たっても、図8に示すように
コイル151の上面及び下面に、各々、直線状の凸部4
61,461…樹脂製のシート460A,460Bを接
着剤によって貼着してもよい。
【0040】又、この実施の形態でもシート460A,
460Bに代えて、直線状の凸部と同じ形状のシール
(樹脂、金属等)をコイル151の表面に貼着してもよ
い。尚、以上説明した第1〜第4の実施の形態では、コ
イルユニット150,250,350,450がムービ
ングマグネット型のリニアモータ100の固定子110
に設けた場合について説明したが、例えば、ムービング
コイル型リニアモータの可動子側にこれらコイルユニッ
ト150,250,350,450を設けるようにして
もよい。
【0041】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態について、図9を用いて説明する。この第
5の実施の形態は、半導体の製造に用いられるステージ
装置600に、上記した第1〜第4の実施の形態のコイ
ルユニット150,250,350,450が内蔵され
たリニアモータ100を用いたものである。
【0042】第1〜第4の実施の形態のリニアモータ1
00は、コイル151の表面に冷却媒体(フロリナー
ト)を誘導するための誘導路162,162…、26
2,262…が形成されて、コイル151が均一に冷却
されるため、当該リニアモータ100は、その温度調整
が高精度に可能であり、移動量制御の精度が高くなる。
この第5の実施の形態では、温度調整の精度が高く、そ
の移動量制御の精度を高くできるリニアモータ100
が、ステージ装置600のXステージ(可動ステージ)
600Xの駆動に用いられている。
【0043】ここで、固定子110のキャン113とコ
イル151との間の冷却液用の流路115に温度調節用
の冷却媒体(例えば、フロリナート)を流したとき、固
定子110から生じる熱が吸収される。尚、Yステージ
600Yの駆動に用いられる2つのリニアモータ620
(図9には一方のみ図示)の構成は、リニアモータ10
0と同一であり、その詳細な説明は省略する。
【0044】これらリニアモータ100,620が駆動
手段として用いられるステージ装置600は、その用途
は限定されないが、この実施の形態では、ウェハ(基
板)W上にマスク(図示省略)に形成されたパターンを
転写する露光装置における、ウェハWの移動手段として
用いられる。すなわち、ステージ装置600は、X軸及
びY軸の2軸のX−Yステージ装置であり、ベース部6
02上をX方向(図中矢印Xで示す方向)に駆動される
Xステージ600X、Y方向(矢印Yで示す方向)に駆
動されるYステージ600Y、及び試料台(可動体)6
04を、主たる構成要素としている。
【0045】ここで試料台604は、前記Yステージ6
00Y上に配置され、この試料台604にウェハホルダ
(図示省略)を介してウェハ(基板)Wが搭載される。
このウェハWの上方には、図示省略の照射部が配置され
ており、照射部からマスク(共に図示省略)を介して照
射された露光光によって、前記ウェハW上に予め塗布さ
れたレジスト(図示省略)に、マスク上の回路パターン
が転写されるようになっている。
【0046】ステージ装置600におけるXステージ6
00X及びYステージ600Yの移動量は、各々、試料
台604のX方向の端部、Y方向の端部に固定された移
動鏡605X,605Yと、これに対向するように、ベ
ース部602に各々固定されたレーザ干渉計606X,
606Yとによって計測される。そして、主制御装置
(図示省略)が、この計測結果を基に、試料台604を
ベース部602上の所望の位置に移動制御するようにな
っている。
【0047】このステージ装置600のXステージ60
0X、Yステージ600Yは、共に、第1〜第4の実施
の形態のコイルユニット150,250,350,45
0が内蔵された固定子110を用いたリニアモータ10
0,100,620,620によって、各々、ベース部
602上をX方向、Y方向に駆動される。ここで、2つ
のリニアモータ100,100の固定子110,110
は、共にベース602上に取付部116,116にて固
定され、可動子120,120は、各々、固定板60
7,607を介してXステージ600Xに固定されてい
る。
【0048】又、リニアモータ620,620の、各々
の固定子621,621は共にXステージ600Xに固
定され、可動子622,622(一方のみ図示)はYス
テージ600Yに固定されている。各固定子110,1
10,621,621は、その内部の流路(例えば、図
2の流路115)に流される温度調整用の冷却媒体によ
って冷却されるが、この冷却媒体は、温度調節機631
にて温度調節される。尚、固定子110,110,62
1,621と温度調節機631とは、吐出配管632、
配管633等によって接続されている。
【0049】又、ステージ装置600には、エアガイド
640と静圧気体軸受け(図示省略)とが設けられて、
エア吹き出し口641、エア吸引口642によって静圧
空気軸受式のステージが構成されている。 (第6の実施の形態)次に、本発明の第6の実施の形態
について、図10を用いて説明する。
【0050】この第6の実施の形態は、上記した第1〜
第4の実施の形態のリニアモータ100を露光装置70
0のレチクル(マスク)ステージ750の駆動手段とし
て用いたものである。すなわち、この第6の実施の形態
では、第1〜第4の実施の形態のリニアモータ100が
レチクルステージ750に組み込まれている。ここで露
光装置700は、いわゆるステップ・アンド・スキャン
露光方式の走査型露光装置である。
【0051】この露光装置700は、図10に示すよう
に、照明系710と、レチクル(フォトマスク)Rを保
持するステージ可動部751と、投影光学系PLと、ウ
ェハ(基板)WをX−Y平面内でX方向−Y方向の2次
元方向に駆動するステージ装置800と、これらを制御
する主制御装置720等を備えている。前記照明系71
0は、光源ユニットから照射された露光光を、レチクル
R上の矩形(あるいは円弧状)の照明領域IARに均一
な照度で照射するものである。
【0052】又、レチクルステージ750では、ステー
ジ可動部751がレチクルベース(図示省略)上を所定
の走査速度でガイドレール(図示省略)に沿って移動さ
れる。又、ステージ可動部751の上面にはレチクルR
が、例えば真空吸着により固定される。又、ステージ可
動部751のレチクルRの下方には、露光光通過穴(図
示省略)が形成されている。
【0053】このステージ可動部751の移動位置は、
反射鏡715、レチクルレーザ干渉計716によって検
出され、ステージ制御系719は、この検出されたステ
ージ可動部751の移動位置に基づく主制御装置720
からの指示に応じて、ステージ可動部751を駆動す
る。
【0054】又、投影光学系PLは縮小光学系であり、
レチクルステージ750の下方に配置され、その光軸A
X(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向と
される。ここではテレセントリックな光学配置となるよ
うに光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚
のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されてい
る。従って、上記照明系710によりレチクルRの照明
領域IARが照明されると、レチクルRの照明領域IA
R内の回路パターンの縮小像(部分倒立像)が、ウェハ
W上の照明領域IARに共役な露光領域IAに形成され
る。
【0055】尚、ステージ装置800は、コイルユニッ
ト150を電機子に用いた平面モータ870を駆動手段
として、テーブル818をX−Y面内で2次元方向に駆
動するものである。すなわち、ステージ装置800は、
ベース部821と、このベース部821の上面の上方に
数μm程度のクリアランスを介して浮上されるテーブル
818と、このテーブル818を移動させる平面モータ
870とを具えている。ここでテーブル818には、露
光処理時、その上面にウェハ(基板)Wが、例えば真空
吸着によって固定される。
【0056】又、テーブル818には移動鏡827が固
定され、ウェハ干渉計831からレーザビームが照射さ
れて、当該テーブル818のX−Y面内での移動位置が
検出されるようになっている。このとき得られた移動位
置の情報は、ステージ制御系719を介して主制御装置
720に送られる。そして、ステージ制御系719は、
この情報に基づく主制御装置720からの指示に従っ
て、平面モータ870を作動させ、テーブル818をX
−Y面内の所望の位置に移動させる。
【0057】テーブル818は、平面モータ870を構
成する可動子(図示省略)の上面に、支持機構(図示省
略)によって異なる3点で支持されており、平面モータ
870によって、X方向、Y方向に駆動するのみならず
X−Y面に対して傾斜させたり、Z軸方向(上方)に駆
動させることができるようになっている。尚、平面モー
タ870は、公知の構成であり、平面モータ870のそ
の他の説明は省略する。
【0058】尚、図中、符号821はベース部であり、
その内部から生じる熱による温度上昇を防ぐための冷却
媒体が、供給管792、排出管793、温度調節装置7
79の作用によって、循環されるようになっている。斯
かる構成のレチクルステージ750を含む露光装置70
0においては、概ね、以下の手順で露光処理が行われ
る。
【0059】先ず、レチクルR、ウェハWがロードさ
れ、次いで、レチクルアラインメント、ベースライン計
測、アラインメント計測等が実行される。アライメント
計測の終了後には、ステップ・アンド・スキャン方式の
露光動作が行われる。露光動作にあたっては、レチクル
干渉計716によるレチクルRの位置情報、ウェハ干渉
計831によるウェハWの位置情報に基づき、主制御装
置720がステージ制御系719に指令を出し、レチク
ルステージ750のリニアモータ100,100及び平
面モータ870によって、レチクルRとウェハWとが同
期して移動し、もって、所望の走査露光が行われる。
【0060】このようにして、1つのショット領域に対
するレチクルパターンの転写が終了すると、テーブル8
18が1ショット領域分だけステッピングされて、次の
ショット領域に対する走査露光が行われる。このステッ
ピングと走査露光とが順次繰り返され、ウェハW上に必
要なショット数のパターンが転写される。ここで、上記
のレチクルステージ750においては、リニアモータ1
00,100の固定子110,110のコイル151の
コイル部材151a,151b,151c,151d
に、各々、3相の電流が適宜供給され、その移動量が制
御される。この露光装置700のレチクルステージ75
0は、リニアモータ100の冷却効率が高く、その移動
量制御を精細に行うことができる。
【0061】尚、本発明の第5実施の形態、第6の実施
の形態のステージ装置600、又は露光装置700を用
いた半導体デバイスの製造は、概ね、図11、図12に
示す手順で行われる。すなわち、半導体デバイスは、デ
バイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステ
ップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン
材料からウェハを製作するステップ、前述した実施の形
態の露光装置によりレチクルのパターンをウェハに転写
するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング
工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検
査ステップ等を経て製造される。
【0062】以下、デバイス製造方法について、更に詳
細に説明する。図11には、デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッ
ド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示
されている。 この図に示されるように、まず、ステッ
プ1001(設計ステップ)において、デバイスの機能
・性能設計(例えば、半導体テバイスの回路設計等)を
行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。
引き続き、ステップ1002(マスク製作ステップ)に
おいて、設計した回路パターンを形成したマスク(レチ
クル)を製作する。一方、ステップ1003(ウェハ製
造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェ
ハを製造する。
【0063】次に、ステップ1004(ウェハ処理ステ
ップ)において、ステップ1001〜ステップ1003
で用意したマスク(レチクル)とウェハを使用して、後
述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に
実際の回路等を形成する。次いで、ステップ1005
(テバイス組立ステップ)において、ステップ1004
で処理されたウェハを用いてテバイス組立を行う。この
ステップ1005には、ダイシング工程、ボンディング
工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程
が必要に応じて含まれる。
【0064】最後に、ステップ1006(検査ステッ
プ)において、ステップ1005で作製されたテバイス
の動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こう
した工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷され
る。図12には、半導体テバイスの場合における、上記
ステップ1004の詳細なフロー例が示されている。図
12において、ステップ1011(酸化ステップ)にお
いてはウェハの表面を酸化させる。ステップ1012
(CVDステップ)においてはウェハ表面に酸化絶縁膜
を形成する。ステップ1013(電極形成ステップ)に
おいてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステ
ップ1014(イオン打込みステップ)においてはウェ
ハにイオンを打ち込む。
【0065】以上のステップ1011〜ステップ101
4それぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成
しており、各段階において必要な処理に応じて選択され
て実行される。ウェハプロセスの各段階において、上述
の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工
程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ
1015(レジスト形成ステップ)において、ウェハに
感光剤を塗布する。引き続き、ステップ1016(露光
ステップ)において、上で説明した露光装置を用いてマ
スクの回路パターンをウェハに転写する。次に、ステッ
プ1017(現像ステップ)においては露光されたウェ
ハを現像し、ステップ1018(エッチングステップ)
において、レジストが残存している部分以外の部分の露
出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ
1019(レジスト除去ステップ)においてエッチング
が済んで不要となったレジストを取り除く。
【0066】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターン
が形成される。尚、本発明のリニアモータ100は、実
施の形態で示した露光装置以外の、マスクと基板とを同
期移動してマスクのパターンを露光する走査型の露光装
置(例えば、米国特許第5,473,410号)の駆動
手段としても適用することができる。
【0067】又、本発明のリニアモータ100が用いら
れたステージ装置は、マスクと基板とを静止した状態で
マスクのパターンを露光し、基板を順次ステップ移動さ
せるステップ・アンド・リピート型の露光装置のステー
ジ装置としても適用することができる。又、本発明のリ
ニアモータ100は、投影光学系を用いることなくマス
クと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプ
ロキシミティ露光装置の駆動手段としても適用すること
ができる。
【0068】又、本発明のリニアモータ100が用いら
れた露光装置は、半導体製造用の露光装置に限定される
ことなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素
子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘ
ッドを製造するための露光装置にも、本発明のリニアモ
ータ100は適用できる。又、第6の実施の形態の露光
装置の光源は、g線(436nm)、i線(365n
m)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエ
キシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157n
m)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用い
ることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子
銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライド(L
aB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。さ
らに、電子線を用いる場合は、マスクを用いる構成とし
てもよいし、マスクを用いずに直接基板上にパターンを
形成する構成としてもよい。
【0069】この場合には、投影光学系として、エキシ
マレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英
や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レー
ザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学
系にし(レチクルも反射型タイプのものを用いる)、ま
た、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズお
よび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、
電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまで
もない。
【0070】又、本発明のリニアモータが駆動手段とし
て適用される露光装置の投影光学系の倍率は、縮小系の
みならず等倍および拡大系であってもよい。又、ウェハ
ステージやレチクルステージに、本発明のリニアモータ
100を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮
上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた
磁気浮上型のどちらを用いてもよい。
【0071】又、本発明のリニアモータが適用されるス
テージとしては、ガイドに沿って移動するタイプに限ら
ず、ガイドを必要としないガイドレスタイプであっても
よい。尚、ウェハステージの移動により発生する反力に
関しては、特開平8−166475号公報にて提案され
ている発明を利用して、フレーム部材を用いて、機械的
に床側(大地)に逃がすようにしてもよい。
【0072】又、レチクルステージの移動により発生す
る反力に関しては、特開平8−330224号公報にて
提案されている発明を利用して、フレーム部材を用い
て、機械的に床側(大地)に逃がすようにしてもよい。
以上に説明した本発明のリニアモータが適用される露光
装置は、特許請求の範囲に挙げた各構成要素を含む各種
サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学
的精度を保つように、組み立てることで製造される。
【0073】これら各種精度を確保するために、この組
み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を
達成するための調整、各種機械系については機械的精度
を達成するための調整、各種電気系については電気的精
度を達成するための調整が行われる。又、各種サブシス
テムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステ
ム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路
の配管接続等が含まれる。
【0074】この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。又、各種サブシステムの
露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行
われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の電機子ユ
ニットによれば、コイルの表面又はキャンの内壁の少な
くとも一方に設けられた誘導部によって、冷却媒体を簡
単な構成にて所定方向に誘導することができ、温度上昇
の著しい箇所に冷却媒体を集中的に流すことができる。
この場合、CADやCAEによって設計されたコイルに
温度分布の偏りが生じていても、誘導部によってコイル
を均一の温度に冷却することができるので、コイルやキ
ャンの設計をやり直す必要がなくなり、開発期間が短縮
する。この誘導部の形状は、試作時に実験的に決定でき
る。又、誘導部はコイル又はキャンとの間の熱伝導に寄
与しないので、その材質の選択の幅が広がる。
【0076】又、請求項2の電機子ユニットによれば、
誘導路の形状がコイルの発熱時の温度分布に応じて形成
されるので、発熱量の多い箇所に冷却媒体を集中的に流
すことができ、コイルを均一の温度に冷却し易くなる。
又、請求項3の電機子ユニットによれば、誘導路が、2
以上のコイル部材が互いに接続された接続部に向けて冷
却媒体を誘導するので、冷却媒体によって、特に発熱量
の多い前記接続部を集中的に冷却することができる。
【0077】又、請求項4の電機子ユニットによれば、
前記誘導部が、シール部材を貼着することによって構成
されているので、簡単な手法にて当該電機子ユニットに
前記誘導路を簡易に形成でき、コイルを均一に冷却する
ことができる。又、請求項5の電機子ユニットの製造方
法によれば、コイルに接着剤を塗布し、接着剤が塗布さ
れたコイルを、誘導部の凸部に対応した凹部が形成され
た型プレートで両側から挟み込んでそのまま凝固させる
だけで、所望の形状の誘導部を形成することができる。
【0078】又、請求項6又は請求項7のリニアモータ
によれば、請求項5に記載の電機子ユニットが固定子又
は可動子として用いられるため、コイルが均一に冷却さ
れる分、温度調整の精度が向上し、リニアモータの移動
量制御の精度を高めることができる。
【0079】又、請求項8のステージ装置によれば、高
い精度で温度調整を行うことができるリニアモータがそ
の移動手段として用いられるので、当該ステージ位置を
検出する測定装置(例えば、干渉計)等、温度管理が必
要な機器の測定精度が高くなり、ステージ装置の精細な
動作制御が可能になる。又、請求項9の発明によれば、
露光装置の露光対象たる物体が、精細な動作制御が可能
なステージ装置により移動されるので、半導体素子や、
液晶表示素子等の製造時の精度が向上する。
【0080】又、請求項10の発明によれば、前記露光
装置によって半導体デバイスの所定のパターンが形成さ
れるので、微細なパターンが、精度よく作製でき、その
高集積化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のリニアモータ10
0の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のリニアモータ10
0の断面図である。
【図3】第1の実施の形態のコイルユニット150を示
す斜視図である。
【図4】第1の実施の形態のコイルユニット150の製
造方法を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態のコイルユニット250の製
造方法を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態のリニアモータ10
0の断面図である。
【図7】第4の実施の形態のコイルユニット450を示
す斜視図である。
【図8】第4の実施の形態のコイルユニット150の製
造方法の一例を示す斜視図である。
【図9】リニアモータ100が適用されたステージ装置
600を示す斜視図である。
【図10】レチクルステージ750にリニアモータ10
0が用いられた露光装置700の全体構成を示す図であ
る。
【図11】本発明にかかる露光装置を用いた半導体デバ
イスの製造プロセスを示す図である。
【図12】本発明にかかる露光装置を用いた半導体デバ
イスのより具体的な製造プロセスを示す図である。
【符号の説明】 100 リニアモータ 110 固定子(電機子ユニット) 115 流路 115A 流入口 115B 流出口 120 可動子 150,250,350,450 コイルユニット 151 コイル 160 接着剤 160A,160B,260A,260B,360A,
360B,460A,460B 誘導部 161,261,461 凸部 162,262,462 誘導路 260A,260B シート(シール部材) 600 ステージ装置 700 露光装置 750 レチクルステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H609 BB08 PP02 PP09 QQ05 QQ11 QQ14 QQ16 RR26 RR32 RR35 RR41 RR51 5H615 AA01 BB07 PP01 PP02 SS13 SS18 SS24 SS44 TT26 5H641 BB06 BB16 BB18 BB19 GG02 GG03 GG05 GG07 GG11 GG12 GG26 GG29 HH02 HH03 HH04 HH05 HH06 JA06 JB04 JB05 JB10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルと、該コイルを内部に収容するキ
    ャンとからなり、前記キャンと前記コイルとの間に冷却
    媒体を循環させるための流路が形成された電機子ユニッ
    トにおいて、 前記コイルの表面又は前記キャンの内壁の少なくとも一
    方に、前記流路を流れる冷却媒体の流れを所定方向に誘
    導するための誘導部が設けられていることを特徴とする
    電機子ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電機子ユニットにおい
    て、 前記誘導部には前記コイルの表面又は前記キャンの内壁
    に設けられた1又は2以上の凸部によって誘導路が形成
    され、 該誘導路の形状は、前記コイルの発熱時の温度分布に応
    じて形成されていることを特徴とする電機子ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電機子ユニットにおい
    て、 前記誘導路は、前記コイルを2以上のコイル部材が互い
    に接続された接続部に向けて冷却媒体を誘導するように
    形成されていることを特徴とする電機子ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の何れかに記載の
    電機子ユニットにおいて、 前記誘導部が、シール部材を貼着することによって構成
    されることを特徴とする電機子ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の電機子ユニットの製造
    方法であって、 コイルに接着剤を塗布する工程と、 接着剤が塗布された前記コイル部材を、前記誘導部の凸
    部に対応した凹部が形成された型プレートで両側から挟
    み込んで当該接着剤を凝固させる工程とを含むことを特
    徴とする電機子ユニットの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4の何れかに記載の
    電機子ユニットからなる固定子と、ヨークと磁石からな
    る可動子とを備えることを特徴とするリニアモータ。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項4の何れかに記載の
    電機子ユニットからなる可動子と、ヨークと磁石からな
    る固定子とを備えることを特徴とするリニアモータ。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載のリニアモ
    ータが、ステージ部の駆動手段として用いられているこ
    とを特徴とするステージ装置。
  9. 【請求項9】 露光用光学系を用いて基板上に所定のパ
    ターンを形成する露光装置であって、請求項8に記載の
    ステージ装置を備えていることを特徴とする露光装置。
  10. 【請求項10】 所定のパターンが形成されたデバイス
    を製造するに当たり、 請求項9に記載の露光装置を用いて、レチクルの回路パ
    ターンを感光剤が塗布されたウェハに転写する工程を有
    することを特徴とするデバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112425051A (zh) * 2018-05-28 2021-02-26 汉拿电驱动股份有限公司 用于制造压制绞合线的方法、用于制造电动马达的方法以及压制绞合线的应用

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CN112425051A (zh) * 2018-05-28 2021-02-26 汉拿电驱动股份有限公司 用于制造压制绞合线的方法、用于制造电动马达的方法以及压制绞合线的应用

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