JP2002043205A - 焦点検出方法、焦点検出装置、露光方法及び露光装置 - Google Patents

焦点検出方法、焦点検出装置、露光方法及び露光装置

Info

Publication number
JP2002043205A
JP2002043205A JP2000220147A JP2000220147A JP2002043205A JP 2002043205 A JP2002043205 A JP 2002043205A JP 2000220147 A JP2000220147 A JP 2000220147A JP 2000220147 A JP2000220147 A JP 2000220147A JP 2002043205 A JP2002043205 A JP 2002043205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
pattern
projection optical
image
slit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000220147A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuneyuki Hagiwara
恒幸 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2000220147A priority Critical patent/JP2002043205A/ja
Publication of JP2002043205A publication Critical patent/JP2002043205A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影光学系の焦点位置を迅速かつ高い精度で
検出する。 【解決手段】 投影光学系の物体面側に配置されるパタ
ーン(ライン・アンド・スペース)を照明し、投影光学
系の像面側に配置された開口板14に形成されたスリッ
トS1を用いて該パターンの像IMの強度分布を計測し
て投影光学系の焦点位置を求めるに際し、開口板14に
形成されたスリットS1とパターンとを投影光学系の光
軸に対して直交する面内において該パターンのラインの
長手方向に沿う方向SDに沿って相対走査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路又
は液晶表示素子等のデバイスの製造に用いられる露光装
置に装備される投影光学系の焦点位置を検出する際に適
用して好適な焦点検出方法及び焦点検出装置、並びに当
該焦点検出方法及び焦点検出装置を用いる露光方法及び
露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子や液晶表示素子等のデバイス
の製造においては、露光装置を用いてフォトマスクやレ
チクル(以下、これらをレチクルと総称する)に形成さ
れた微細なパターンの像をフォトレジスト等の感光剤が
塗布された半導体ウェハやガラスプレート等の基板上に
投影露光することが繰り返し行われる。かかる処理にお
いては、基板とレチクルに形成されたパターンの像との
基板面内における位置合わせを精密に行うことは勿論の
こと、基板面を投影光学系の焦点位置(結像位置)に厳
密に合わせる必要性がある。このためには、まず投影光
学系の焦点位置を高い精度で検出する必要がある。
【0003】投影光学系の焦点位置を検出する方法とし
ては、主に2つの検出方法が用いられている。第1の検
出方法は、楔形状のパターンの像を実際に基板上に転写
し、パターンの像が転写された基板上に形成されたパタ
ーンの形状を実測することにより投影光学系の焦点位置
を検出するものである。図12は、投影光学系の焦点位
置を従来の第1の検出方法を用いて検出する際に使用さ
れる楔形状のパターンの一例を示す平面図である。図1
2に例示したパターン100は、線幅が変化する楔形状
のパターン101が平行に3本ずつ設けられ、且つこれ
らが一定間隔をもって配置されたものであり、レチクル
に形成されている。投影光学系の焦点位置を検出するた
めには、まず投影光学系の光軸方向における基板の位置
を変化させながら、レチクルに形成されたパターン10
0の像を基板上に設定された複数のショット領域各々に
転写する。
【0004】ここで、投影光学系の光軸方向における基
板の位置を変化させながらパターン100の像を転写す
ると、パターン100の像の明部と暗部との比、つまり
デューティー比が投影光学系の光軸方向における基板の
位置に応じて変化する。即ち、パターン100は楔形状
のパターン101を平行に並べて形成されているため、
ピッチは一定のままでデューティー比を変えたパターン
となる。このため、デューティー比はパターン100の
像を転写して形成されるレジストパターンのパターン長
さに変換されることになる。従って、予め基板を様々な
位置に配置して転写したときのパターンの長さを予め計
測して初期データとして記憶しておき、この初期データ
と、実際に露光処理を行って計測されたパターンの長さ
とに基づいて投影光学系の焦点位置を求めることができ
る。
【0005】次に、基板上に転写されたパターンの長さ
を計測する際の動作について説明する。図13は、基板
上に転写されたパターンの長さを計測する際の動作を説
明するための図であって、(a)は計測時の上面図であ
り、(b)は(a)中のA−A線の断面図であり、
(c)は計測結果の一例を示す図である。図13
(a)、(b)において、102は露光処理を行って基
板105上に形成されたレジストパターンであり、10
3は露光装置に設けられたアライメント光学系の検出光
を示している。レジストパターン102の計測を行うと
きには、検出光103又はレジストパターン102を符
号104が付された方向に移動させ、レジストパターン
102からの反射光又は散乱光を検出する。
【0006】図13(c)に示したように、レジストパ
ターン102の線幅及び高さが共に増加するに伴い反射
光又は散乱光の光量も増加するため、検出信号106は
強くなる。よって、図13(c)に示したように、検出
信号106が増加し始める位置107と、検出信号が急
激に減少する位置108との距離109を求め、この距
離109と予め記憶している初期データとを比較するこ
とにより投影光学系の焦点位置が求められる。この技術
の詳細については、例えば特許第2580668号公報
及び特許2712330号公報の内容を参照されたい。
【0007】次に、投影光学系の焦点位置を検出する第
2の検出方法について説明する。第2の検出方法は、投
影光学系を介して基板上に照射されるパターン像を直接
計測する、所謂空間像計測法と称されている計測方法を
用いた検出方法である。図14は、空間像計測法を用い
て投影光学系の焦点位置を検出する方法を説明するため
の図であり、(a)は空間像計測法で用いられる開口板
110の上面図であり、(b)は計測結果の一例を示す
図である。図14(a)に示した開口板110には幅の
狭い開口111が形成されている。この開口板110
は、基板を移動させる基板ステージ上であって基板が載
置される位置の近傍に設けられ、その高さ位置は基板表
面とほぼ同じに設定されている。
【0008】開口111の裏面には図示しない光電セン
サが設けられ、開口111を透過した光を受光する構成
となっている。この開口板110を用いて空間像を計測
するには、まず投影光学系を介して基板上に照射される
パターン像112が開口111の近傍に照射されるよう
基板ステージを移動させる。空間像計測法で用いるパタ
ーン像112は、その長手方向が開口111の長手方向
と同一の方向に設定され、一定の間隔をもって開口11
1の幅方向に配列した所謂ライン・アンド・スペースの
像である。よって、パターン像112は、明部112a
と暗部112bとが交互に繰り返される像となる。
【0009】基板ステージの移動が完了すると、このパ
ターン像112に対して開口111を符号113が付さ
れた方向へ一定速度で走査して開口111の位置と、開
口111の裏面に設けられた光電センサから出力される
強度信号との対応関係を求めることにより符号113が
付された方向におけるパターン像112の強度分布を求
める。図14(b)に示したように光電センサから出力
される強度信号は、パターン像112の明部112aに
おいて強度が高くなり、暗部112bにおいて強度が低
くなる周期的に変化する信号となる。
【0010】ここで、投影光学系の焦点位置に開口11
1が配置されている場合には、開口111を通過する光
量が最大となり、開口111が投影光学系の焦点位置か
らずれていると、像が広がるため開口111を通過する
光量は少なくなり、よって強度は低下する。図14
(b)に示した光電センサから出力される強度信号の
内、0次の空間周波数成分と1次の周波数成分との振幅
比は、基板位置が投影光学系の焦点位置からずれること
により敏感に変化するので、強度信号から投影光学系の
焦点位置を検出することができる。このように空間像計
測法においては、基板の位置が投影光学系の焦点位置か
らずれると光電センサから出力されるコントラストが低
下することを利用して投影光学系の焦点位置を検出して
いる。
【0011】次に、空間像計測法の変形例について説明
する。図15は、空間像計測法の変形例を用いて投影光
学系の焦点位置を検出する方法を説明するための図であ
り、(a)は空間像計測法で用いられる開口板114の
上面図であり、(b)は計測結果の一例を示す図であ
り、(c)は(b)に示した計測結果を微分処理した結
果を示す図である。図15を用いて説明する空間像計測
法は、基本的には図14を用いて説明した空間像計測法
と同じ原理を用いて計測を行うが、開口115が図14
(a)に示した開口111に比べて、開口板114が走
査される方向113に幅広に形成されている点が異な
る。
【0012】符号113が付された方向へ開口115の
走査を開始すると、開口115に含まれるパターン像1
12の明部112aの本数が段階的に増加するため、光
電センサの信号強度は図15(b)に示したように、段
階的に増加する。走査を進めると、開口115に含まれ
るパターン像112の明部112aの本数は変化しない
ため信号強度は一定となる。更に開口115を走査する
と、開口115に含まれるパターン像112の明部11
2aの本数が段階的に減少するため、図15(b)に示
したように信号強度も段階的に減少する。このように開
口115が幅広に設定されているため、開口115に入
射するパターン像112の光量はいわば積分されたもの
として検出される。
【0013】このように、図15(a)に示した幅広の
開口115を用いた場合には、光電センサからは積分し
た信号が得られるため図15(b)に示した信号を開口
115の位置で微分することにより図15(c)の信号
を得る。図15(c)の信号は、図14(b)に示した
信号と同様の信号であるため、前述した方法、即ち投影
光学系の焦点位置からずれると光電センサから出力され
る強度信号のコントラストが低下することを利用して投
影光学系の焦点位置を検出することができる。尚、図1
4を用いて説明した空間像計測法は所謂スリット・スキ
ャン方式と称される技術であり、図15を用いて説明し
た空間像計測法は所謂ナイフ・エッジ・スキャン方式と
称される技術である。これらの技術の詳細については、
例えば特開平8−83753号公報及び特開平9−28
3421号公報を参照されたい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した投
影光学系の焦点位置を検出する第1の検出方法において
は、まず、投影光学系の焦点位置を検出するための専用
のレチクルを予め製作する必要がある。次にこのレチク
ルをレチクルホルダ上に載置するとともに感光剤を塗布
した基板を基板ステージ上に載置して、実際に投影光学
系の光軸方向における基板の位置を変えながらレチクル
に形成されたパターンの像を基板に設定された各ショッ
ト領域に転写する必要がある。そして、基板に形成され
たパターン長を検出光を用いて計測する必要がある。こ
のように、第1の検出方法は、投影光学系の焦点位置を
検出するために要する工程数が多く、検出に手間がかか
る上に時間を要するという問題がある。
【0015】また、前述した投影光学系の焦点位置を検
出する第2の検出方法においては、ある間隔をもって形
成された明暗のコントラストを測定して投影光学系の焦
点位置を検出している。この検出方法を用いた場合に
は、一般的にレチクルパターン又はセンサパターンが細
いほど信号は敏感になり、且つ、実際の回路パターンと
同一の線幅であることが検出精度を向上させる上で望ま
しい。よって、レチクルパターンは通常投影光学系の解
像力に近い微細な大きさに設計される。具体的には、例
えば半導体集積回路用の露光装置ではレチクルパターン
の線幅は通常1μm以下であり、投影光学系が縮小型で
ある場合には基板上に転写されるパターンの像の幅は
0.2〜0.25μm程度となり、このピッチをもって
明暗が繰り返される。
【0016】よって、第2の検出方法においては0.2
〜0.25μm程度の微細なピッチを有する明暗のコン
トラストに基づいて投影光学系の焦点位置か否かを判断
しなければならないが、ピッチが微細であり電気的な信
号対ノイズ比(S/N)が悪化するため、検出精度が悪
くなるという問題があった。また、計測再現性を向上さ
せるために計測を繰り返してその平均値を用いることも
考えられるが、時間が経つと装置のドリフト等が影響し
て計測再現性の向上を図ることはできない。
【0017】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、投影光学系の焦点位置を迅速
かつ高い精度で検出できるようにすることを目的とす
る。また、高品質で高性能なマイクロデバイス等を製造
できるようにすることも目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】以下、この項に示す例で
は、理解の容易化のため、本発明の各構成要件に実施形
態の図に示す代表的な参照符号を付して説明するが、本
発明の構成又は各構成要件は、これら参照符号によって
拘束されるものに限定されない。
【0019】上記課題を解決するための本発明の焦点検
出方法は、投影光学系(PL)の物体面側に配置される
少なくとも1つのスリットを含むパターン(RP)を照
明し、該投影光学系の像面側に配置された所定形状の受
光部(S1)を有する光電検出装置(14,19)によ
り該パターンの空間像の強度分布を計測して該投影光学
系の焦点位置を求める焦点検出方法において、前記パタ
ーンと前記受光部とを前記投影光学系の光軸に沿う第1
方向(Z)に対して直交する面内で前記パターンの前記
スリットの長手方向に沿う第2方向(SD)に相対走査
することを特徴とする。
【0020】上記課題を解決するための本発明の焦点検
出装置は、投影光学系(PL)の物体面側に配置される
少なくとも1つのスリットを含むパターン(RP)と、
前記パターンを照明する照明光学系(1〜6)と、前記
投影光学系の像面側に配置された所定形状の受光部(S
1)を有する光電検出装置(14,19)と、前記受光
部が設けられ、前記投影光学系の光軸に沿う第1方向
(Z)及び該第1方向に直交する面内で前記パターンの
前記スリットの長手方向に沿う第2方向(SD)に駆動
されるステージ(10)と、前記受光部を前記パターン
に対して前記第2方向に相対走査するように前記ステー
ジの駆動を制御するとともに、前記光電検出装置により
計測された前記パターンの空間像の強度分布に基づい
て、前記投影光学系の焦点位置を求める制御装置(22
〜24)とを備えたことを特徴とする。
【0021】本発明の焦点検出方法又は焦点検出装置に
よると、パターンと受光部とを投影光学系の光軸に沿う
第1方向に対して直交する面内でパターンのスリットの
長手方向に沿う第2方向に相対走査している。よってパ
ターンのスリットの長手方向に対して直交する方向に走
査方向が設定された従来の技術に比べ、ピッチが微細で
あり電気的な信号対ノイズ比(S/N)が悪化して計測
精度が悪くなるという問題がなくなり、高い精度で投影
光学系の焦点位置を検出することができる。
【0022】また、従来は複数回行った計測結果の平均
値を求めて計測再現性を図ろうとした場合に、時間が経
つと装置のドリフト等が影響するため結局のところ計測
再現性の向上を図ることはできなかった。しかしなが
ら、本発明によれば一度の計測によって高い精度で投影
光学系の焦点位置を検出することができるため、計測再
現性を向上させる目的で行われる複数回の計測が不要と
なるとともに、投影光学系を介して像を計測するだけで
投影光学系の焦点位置を検出することができるので、検
出に要する手間を省略することができるとともに、計測
に要する時間を短縮することができる。
【0023】ここで、前記パターン(RP)は複数のス
リットを周期的に配列して構成されることが好ましく、
前記制御装置(22〜24)は、前記受光部(S1)の
前記第1方向(Z)の位置を所定の位置決めピッチで段
階的に変更しつつ、それぞれの計測位置(z〜z
で前記パターンの空間像の強度分布を計測することが好
適である。
【0024】また、前記制御装置(22〜24)は、前
記複数の計測位置(z〜z)でそれぞれ計測された
前記パターン(RP)の空間像の強度分布信号を所定の
しきい値(tr1)に従って切り出した像長さ(L1〜
L4)に基づいて、前記焦点位置を求めるようにでき、
この場合において、前記制御装置(22〜24)は、前
記投影光学系(PL)を介して露光される基板(W)上
の感光層(30)の厚さに相当する幅内に少なくとも2
つの計測位置(z〜z)が含まれるようなピッチ
で、前記受光部(S1)が位置決めされるよう前記ステ
ージ(10)の駆動を制御することが好ましい。前記制
御装置(22〜24)は、前記複数の計測位置(z
)についての前記像長さの前後する少なくとも2つ
の移動平均に基づいて前記焦点位置を求めることが好適
である。
【0025】上記目的を達成するための本発明の露光方
法は、マスク(R)に形成されたパターン(CP)の像
を投影光学系(PL)を介して感光基板(W)に投影露
光する露光方法において、上記本発明の焦点検出方法を
用いて前記投影光学系の焦点位置を検出し、該検出結果
に基づいて前記感光基板の該投影光学系の光軸方向(A
X)の位置を調整して露光することを特徴とする。
【0026】上記目的を達成するための本発明の露光装
置は、マスク(R)に形成されたパターン(CP)の像
を投影光学系(PL)を介して感光基板(W)に投影露
光する露光装置において、上記本発明の焦点検出装置を
備えたことを特徴とする。
【0027】本発明の露光方法又は露光装置によると、
投影光学系の焦点位置を迅速かつ高い精度で検出するこ
とができるので、高精度なパターンを迅速に形成するこ
とができるようになる。従って、高品質で高性能なマイ
クロデバイス等を高いスループットで製造できるように
なる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を図面を参照して詳細に説明する。本実施形態
は、投影光学系を介して感光基板上に投影されるパター
ン像を検出する空間像計測法を応用したものである。空
間像計測において用いられる機能は主として(1)ベス
トフォーカス検出機能、(2)像位置検出機能、(3)
ベースライン検出機能の3つがある。これらの内、
(1)ベストフォーカス検出機能は、(a)投影光学系
の焦点位置や像面の検出、及び(b)球面収差の測定の
ために用いられる。また、(2)像位置検出機能は、
(c)投影光学系の倍率やディストーションの測定、
(d)投影光学系のコマ収差測定、及び(e)投影光学
系のテレセントリシティ測定のために用いられる。本実
施形態は、これらの各機能の内、ベストフォーカス検出
法を応用したものである。
【0029】図1は、本発明の実施形態に係る露光装置
の概略構成を示す図である。本実施形態においてはステ
ップ・アンド・リピート方式の露光装置を用いた場合を
例に挙げて説明する。尚、以下の説明においては、図1
中に示されたXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直
交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明す
る。XYZ直交座標系は、X軸及びZ軸が紙面に対して
平行となるよう設定され、Y軸が紙面に対して垂直とな
る方向に設定されている。図中のXYZ直交座標系は、
実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸
が鉛直上方向に設定される。
【0030】図1において照明光源1は後述する主制御
系23から照明光射出を指示する制御信号が出力された
場合には、ほぼ均一の照度を有する照明光ILを射出す
る。上記照明光ILとしては、例えばg線(436n
m)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(2
48nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F
エキシマレーザ(157nm)が用いられる。照明光
源1から射出された照明光ILは、オプティカルインテ
グレータ(フライアイレンズ)2、開口絞り(σ絞り)
3、及びコンデンサレンズ4を順に経由して光路折り曲
げ用のダイクロイックミラー5に入射する。
【0031】ダイクロイックミラー5でほぼ直角に折り
曲げられた照明光ILは、照明光ILがレチクルRを照
明する領域を規定するために設けられたレチクルブライ
ンド6を介して回路パターンCPが描かれたパターン領
域PDをほぼ均一の照度で照明し、露光処理時にはレチ
クルR上の回路パターンCPの像が投影光学系PLを介
してウェハW上に投影される。上記レチクルRは投影光
学系PLの物体面側に配置され、ウェハWは像面側に配
置される。
【0032】尚、図1においては焦点位置検出時の状態
を図示しており、レチクルブラインド6の開口は照明光
ILがレチクルRに形成されたパターン領域PDを照明
せずに焦点位置検出用としてレチクルRに形成されたレ
チクルパターンRPを照明するよう設定されており、ウ
ェハWは露光位置には配置されていない。また、上記の
レチクルブラインド6によって照明光ILを遮光する領
域は主制御系23によって制御される。
【0033】図2は、本実施形態で用いられるレチクル
Rの一例を示す上面図である。図2に示したように、レ
チクルRには上記のパターン領域PDの傍らに投影光学
系の焦点位置を検出するためのレチクルパターンRPが
形成されている。レチクルRは、一般的には0.09イ
ンチ(約2.3mm)、0.12インチ(約3mm)、
0.18インチ(約4.6mm)、又は0.25インチ
(約6.4mm)厚の石英基板上にクロム(Cr)を蒸
着したクロムレチクル(又はマスクブランクス)に対し
て、エッチング等の処理を施して形成される。石英基板
上に蒸着されたCrの膜厚は0.1μm程度である。ま
た、図2に示したようにレチクルパターンRPは、長手
方向が図中X軸方向に設定されたスリットをY軸方向に
周期的に配列して構成されるものであり、このスリット
のY軸方向の幅は約0.2μm程度である。
【0034】このレチクルRは図1に示したようにレチ
クルホルダ7上に保持される。レチクルホルダ7はベー
ス8上のXY平面内で移動及び微小回転ができるように
支持されている。装置全体の動作を制御する主制御系2
3が、ベース8上の駆動装置9を介してレチクルホルダ
7の動作を制御して、レチクルRの位置を設定する。ま
た、レチクルホルダ7のX軸方向、及びY軸方向の位置
は、レチクルホルダ7の周辺に配置されたレーザ干渉計
(不図示)により例えば0.01μm程度の分解能で常
時検出されている。
【0035】照明光ILが照明光源1から射出された場
合には、レチクルRのパターン領域PDに形成された回
路パターンCP又はレチクルパターンRPの像が投影光
学系PLを介してウェハW上に投影される。露光処理を
行う場合にはレチクルRのパターン領域PDに形成され
た回路パターンCPの像がウェハW上に設定されたショ
ット領域の内、投影光学系PLの露光中心に位置決めさ
れたショット上に投影される。尚、図1では、レチクル
パターンRPの像が投影光学系PLを介して投影される
様子を図示している。投影光学系PLは複数のレンズ等
の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては照明光
ILの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択さ
れる。
【0036】ウェハWはウェハステージ10上のウェハ
ホルダ11に真空吸着により保持され、ウェハステージ
10は駆動モータ12により、投影光学系PLの光軸A
Xに垂直な平面(XY平面)内を移動できるようになっ
ている。このウェハステージ10をステップ・アンド・
リピート方式により移動させて、レチクルRの回路パタ
ーンCPをウェハW上に設定された各ショット領域に転
写する。
【0037】また、ウェハステージ10は投影光学系P
Lの光軸AX方向(Z軸方向)に移動可能なZステージ
を有し、このZステージによりウェハWの表面が投影光
学系PLの像面と一致するように移動することができ
る。このZステージは、ウェハWをXY平面内で微小回
転させるとともに、Z軸に対する角度を変化させてXY
平面に対するウェハWの傾きを調整する機能も有してい
る。ウェハステージ10は定盤13上に、XY平面内で
移動自在に載置されている。定盤13は大地に対して固
定され、いわばウェハステージWの土台となるものであ
る。
【0038】また、ウェハステージ10のZステージ上
のウェハホルダ11に近接した位置には、レチクルパタ
ーンRPを透過した後、投影光学系PLを介してレチク
ルパターンRPの像を形成する結像光を受光するための
スリットが形成された開口板14が設置され、開口板1
4を透過する結像光を集光するための集光レンズ15が
開口板14の下部に配置されている。開口板14のZ軸
方向の位置はウェハW上に塗布されるフォトレジスト表
面位置と同程度の高さに設定される。
【0039】集光レンズ15の下部には集光レンズ15
で集光した結像光を偏向させて開口部16からウェハス
テージ10の外部に導くための反射ミラー17が配置さ
れている。更に、反射ミラー17と開口部16との延長
線上には、反射ミラー18が設けられ、開口部16を通
過してくる結像光を偏向させる。反射ミラー18で反射
された結像光は、定盤13に対して固定配置された光電
子増倍管19へ入射し、光電子増倍管19により結像光
の強度を示す強度信号に変換される。光電子増倍管19
から出力される強度信号は焦点位置検出系24に入力さ
れる。
【0040】尚、開口板14を通過した結像光が光電子
増倍管19へ至るまでの光路には、迷光が混入しないよ
う遮光部材が設けられている。図1に示した例では、反
射ミラー17,18を用いて集光レンズ15で集光され
た結像光を光電子増倍管19へ導くようにしているが、
集光レンズ15で集光された結像光を光ファイバで光電
子増倍管19に導く構成としてもよい。また、このよう
な光電子増倍管19に代えて、CCD等の撮像素子を用
いることができる。この場合において、かかる撮像素子
は開口板14の直下に設けることもできる。
【0041】ここで、上記の開口板14について説明す
る。図3に示すように、開口板14には長手方向がY軸
と平行な方向に設定されたスリットS1と、長手方向が
X軸と平行な方向に設定されたスリットS2とが形成さ
れている。尚、図示は省略しているが、開口板14と集
光レンズ15との間にはスリットS1及びスリットS2
の何れか一方若しくは両方を遮蔽するための遮蔽板が設
けられている。図3に示すように長手方向が互いに直交
するスリットS1,S2が形成されている理由は、図2
においては図示を省略しているが、長手方向がY軸方向
に設定されたレチクルパターンがレチクルRに形成され
ている場合にも高い精度で、且つ計測再現性が良く投影
光学系の焦点位置の検出を可能とするためである。
【0042】ここで、スリットS1の幅の設定方法につ
いて説明する。いま、開口板14に形成されているスリ
ットS1の幅をDとし、X軸方向のスリットS1の形状
を以下の(1)式で表されるp(x)で定義する。
【0043】
【数1】
【0044】スリットS1をその幅方向、即ちX軸方向
に走査したとき、空間像はスリットS1の走査方向の幅
の2倍(2D)の影響で平均化される。ここで、投影光
学系PLを介して開口板14上に投影される空間像の強
度分布を示す式をi(x)とし、空間像計測を行って得
られる強度信号を示す式をm(x)とすると、これらの
関係は以下の(2)式で表される。
【0045】
【数2】
【0046】但し、空間像の強度分布を示す式i(x)
及び強度信号を示す式m(x)の単位は単位長さ当たり
の強度とする。上記(2)式から分かるように、観測さ
れる強度信号m(x)はスリットS1の形状を示す式p
(x)と空間像の強度分布を示す式i(x)とのコンボ
リューションとなる。従って、計測精度を向上させるた
めには、スリットS1の幅Dは小さい程よいが、シミュ
レーション及び実験を行った結果、スリット幅は以下の
(3)式で表される値κ以下であれば実用的である。
【0047】
【数3】
【0048】上記(3)式において、λは空間像計測を
行う際に用いる照明光ILの波長であり、N.A.は投
影光学系PLの開口数である。スリットS1は、(3)
式で表される値κ以下であれば実用的であるが、(3)
式で表される値κの80%以下であることが好ましい。
スリットS1の幅、照明光の波長、及び投影光学系の開
口数の関係の一例を以下の表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示したように、照明光ILの波長と
投影光学系PLの開口数N.A.によって実用的な計測
精度が得られるスリットS1の幅(表1においてκ×
0.8の値)は異なるが、スリットS1の幅を概ね30
0nm以下とすることが最適である。この程度の幅を有
するスリットは、市販されているクロムレチクル(又は
マスクブランクス)を用いて製作することが可能であ
る。以上、スリットS1の幅を規定する方法について説
明したが、これはスリットS2の幅を規定する場合にも
同様に用いられる。尚、開口板14に形成されたスリッ
トS1,S2は光電子像倍管19の受光部とみなせるも
のである。
【0051】図1に戻り、ウェハステージ10の上面の
一端にはL字型の移動鏡20が取り付けられ、移動鏡2
0の鏡面に対向した位置にレーザ干渉計21が配置され
ている。図1では図示を簡略化しているが、移動鏡20
はX軸に垂直な鏡面を有する平面鏡及びY軸に垂直な鏡
面を有する平面鏡から構成されている。また、レーザ干
渉計21は、X軸に沿って移動鏡20にレーザビームを
照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って
移動鏡20にレーザビームを照射するY軸用のレーザ干
渉計より構成され、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY
軸用の1個のレーザ干渉計により、ウェハステージ10
のX座標及びY座標が計測される。また、X軸用の2個
のレーザ干渉計の計測値の差により、ウェハステージ1
0のXY平面内における回転角が計測される。
【0052】レーザ干渉計21により計測されたX座
標、Y座標、及び回転角の情報はステージコントローラ
22に供給される。これらの情報は位置情報としてステ
ージコントローラ22から主制御系23及び焦点位置検
出系24へ出力される、主制御系23は、供給された位
置情報をモニターしつつステージコントローラ22に制
御信号を出力し、駆動モータ12を介してウェハステー
ジ10の位置決め動作を制御する。尚、図1には示して
いないが、レチクルホルダ7にもウェハステージ10に
設けられた移動鏡20及びレーザ干渉計21と同様のも
のが設けられており、レチクルホルダ7のXYZ位置等
の情報が主制御系23に入力される。
【0053】また、ウェハW(又は開口板14)のZ軸
方向の位置は、投光系25及び受光系26よりなる、所
謂斜入射方式の焦点位置検出系(以下、投光系25と受
光系26とを併せて「斜入射光学系25,26」とも呼
ぶ)で測定される。投光系25から射出される光線は、
ウェハW上のフォトレジストを感光させない波長帯であ
り、ピンホール又はスリット像を光軸AXに対して斜め
にウェハW上に投影する。
【0054】受光系26は、ウェハWの表面が投影光学
系の像面と一致するとき、ウェハWからの反射像の位置
が受光系26内部のピンホール又はスリットと一致する
ように設計されている。ウェハWのZ軸方向の位置に対
応する受光系26からの信号Iは、ステージコントロ
ーラ22に送られ、ステージコントローラ22はその信
号Iに基づいて、ウェハWの表面が像面と一致するよ
うにZステージを制御する。更に、受光系26の内部に
は光線をシフトさせるための平行平面板(不図示)があ
り、投影光学系PLの像面変動があっても、ウェハWか
らの反射光が常に受光系26の像面でピンホール又はス
リットと一致するように、この平行平面板の角度を調節
する構造となっている。この斜入射光学系25,26
は、Z軸方向の検出用センサの一例を示したもので、そ
の他同様の機能を持つものとして、例えばスリット像の
反射光の位置をラインセンサで検知する方式等があり、
それらの方式により測定してもよい。
【0055】また、信号Iは焦点位置検出系24にも
送られており、焦点位置検出系24は光電子増倍管19
から出力される強度信号と併せて投影光学系PLの焦点
位置を検出する。焦点位置検出系24から出力される検
出信号は主制御系23へ出力され、主制御系23は、入
力される検出信号に基づいてステージコントローラ22
へ制御信号を出力し駆動モータ12を介してウェハステ
ージ10のZ軸方向の位置を調整し、ウェハWの表面の
位置を投影光学系PLの焦点位置に合わせる処理を行
う。
【0056】更に、本実施形態の露光装置は、投影光学
系PLの側方にオフ・アクシスのアライメントセンサ2
7を有している。このアライメントセンサ27は、FI
A(Field Image Alignment)方式のアライメントセン
サであり、ウェハW上に設定されたショット領域に対応
して形成されたアライメントマーク(不図示)の位置情
報を計測する。アライメントセンサ27は、ハロゲンラ
ンプを光源として備え、ハロゲンランプから射出される
光を検出光としてウェハW上に照射する。光源としてハ
ロゲンランプを用いるのは、ハロゲンランプの射出光の
波長域は500〜800nmであり、ウェハW上面に塗
布されたフォトレジストを感光しない波長域であるた
め、及び波長帯域が広く、ウェハW表面における反射率
の波長特性の影響を軽減することができるためである。
【0057】このアライメントセンサ27は、検出光を
ウェハW上に照射して得られる反射光又は回折光をCC
D(Charge Coupled Device)等の撮像素子で撮像し、
画像解析を行ってアライメントマークの位置情報を計測
する。アライメントセンサ27によって計測されたアラ
イメントマークの位置情報は主制御系23へ出力され
る。主制御系23はアライメントセンサ27から入力さ
れるアライメントマークの位置情報及び予め記憶してい
る各ショット領域の位置情報等が含まれるプロセスデー
タに基づいて、ステージコントローラ22へ制御信号を
出力し、駆動モータ12を介して露光対象となるショッ
ト領域が投影光学系PLの露光中心に配置されるように
ウェハステージ10の動作を制御する。
【0058】次に、投影光学系PLの焦点位置の検出機
構について詳細に説明する。図4は、開口板14の上面
図及び開口板14に照射されるレチクルパターンRPの
像を示す図である。図4に示すように、レチクルパター
ンRPの像IMは、X軸方向に長手方向が設定され、Y
軸方向に等間隔でスリット状の明部im1〜im5が配
列されたライン・アンド・スペースパターンの像であ
る。図4に示した例では、スリット状の明部im1〜i
m5の長手方向がX軸方向に設定されているが、この場
合にはY軸方向に長手方向が設定されているスリットS
1を用いて走査を行い、投影光学系PLの焦点位置の検
出が行われる。スリットS1の走査方向SDは、スリッ
ト状の明部im1〜im5の長手方向と平行に設定され
た方向である。
【0059】このように、本実施形態における投影光学
系の焦点位置の検出方法は、スリット状の明部im1〜
im5の長手方向に対して直交する方向にその長手方向
が設定されたスリットS1を、スリット状の明部im1
〜im5の長手方向に走査しつつレチクルパターンRP
の像IMを計測することを特徴としている。尚、図4に
示した像IMは、図2に示したレチクルパターンRPを
照明光ILで照明したときに得られる像を示しているた
め、5本のスリット状の明部im1〜im5を有してい
るが、その本数は1以上の任意の数に設定することが可
能である。
【0060】スリットS1を走査方向SDに走査する
と、スリットS1を通過したレチクルパターンRPの像
IMは集光レンズ15によって集光され、反射ミラー1
7,18を順に介して光電子増倍管19により受光され
る。光電子増倍管19から出力される強度信号は、受光
系26の出力信号Iとともに図1の焦点位置検出系2
4に送られ、焦点位置検出系24の内部で演算処理され
る。そしてこの演算処理の結果に基づき焦点位置が検出
される。
【0061】次に、本実施形態の露光装置における処理
(動作)を図5に示すフローチャートを参照して説明す
る。尚、以下の説明においては、開口板14に形成され
たスリットS1を用いてX軸方向(走査方向SD)へ走
査してレチクルパターンRPの像を計測する場合につい
て説明するが、スリットS2を用いて計測する場合に
は、図4に示した像IMをXY平面内において90度回
転した像を用いてスリットS2をY軸方向に走査する以
外は以下の説明と同様の処理を行って計測することがで
きる。
【0062】投影光学系PLの焦点位置を検出するに
は、まず、主制御系23がステージコントローラ22へ
制御信号を出力し、駆動モータ12を介してウェハステ
ージ10を移動させ、スリットS1を計測開始点に移動
させる(ステップS10)。このとき、ウェハステージ
10のX軸方向及びY軸方向の位置を計測するレーザ干
渉計21とZ軸方向の位置を計測する受光系26とを用
い、照射されるレチクルパターンRPの像IMの近傍に
スリットS1が配置され、且つウェハW上に塗布された
フォトレジストの上部近傍に投影光学系の焦点位置が配
置されると予想される位置(計測開始点)にスリットS
1のZ軸方向の位置を設定する。
【0063】尚、Z軸方向の計測を行う斜入射光学系2
5,26は投影光学系PLの光軸中心を検出しているた
め、開口板14がXY平面に対して平行でない場合、開
口板14に形成されたスリットS1の位置とZ軸方向の
斜入射光学系25,26の検出点における位置との高さ
が異なってしまうため、予めその2点間のZ軸方向の位
置の差分を斜入射光学系25,26で測定しておき、焦
点位置計測の結果からその差分を考慮して結果を求め
る。
【0064】ここで、スリットS1のZ軸方向の位置の
設定について説明する。図6は、スリットS1のZ軸方
向の位置を設定する方法を説明するための図である。前
述したように開口板14のZ軸方向の位置は、ウェハW
上に塗布されたレジスト30との表面位置とほぼ同一に
設定されている。通常、レチクルRに形成された回路パ
ターンCPをウェハW上に転写するには、投影光学系P
Lの焦点位置をウェハWの表面位置に設定するのが好ま
しい。
【0065】投影光学系PLの焦点位置を検出するため
には、後述するように開口板14のZ軸方向の位置を変
化させてレチクルパターンRPの像IMを計測している
が、Z軸方向の位置を変化させる幅は少なくともレジス
ト30の厚み程度とする必要がある。ここで、フォトレ
ジスト30の厚みは例えば約0.3μm程度である。そ
こで、本実施形態においては、計測範囲がフォトレジス
ト30の厚み以上に設定されている。図6に示した例で
は、5つの計測位置z〜zが設定され、これらの計
測位置の内、3つの計測位置z〜zがフォトレジス
ト30の厚み内に設定されている。尚、前述した計測開
始点は図6中の計測位置zに設定される。
【0066】図5に戻り、スリットS1の計測開始点へ
の移動が完了すると、主制御系23はレチクルブライン
ド6を制御してレチクルRに形成されたパターン領域P
Dに照明光ILが照射されず、レチクルパターンRPの
みに照明光ILが照射されるよう設定する。レチクルブ
ラインド6に対する制御が終了すると、主制御系23は
照明光源1に対して制御信号を出力して照明光ILを射
出させてレチクルRに形成されたレチクルパターンRP
に対して照明光ILを照射させる(ステップS11)。
レチクルパターンRPに照明光ILが照射されると、レ
チクルパターンRPの像IMが生成され、この像IMは
投影光学系PLを介して計測開始点に配置されたスリッ
トS1の近傍に照射される。
【0067】レチクルパターンRPが照射されている状
態で、主制御系23はステージコントローラ22に対し
て制御信号を出力し、駆動モータ12を介してウェハス
テージ10をX軸方向に一定速度で移動させ、スリット
S1をX軸方向(走査方向SD)に走査させる。スリッ
トS1を走査している間、焦点位置検出系24はステー
ジコントローラ22を介して入力される位置情報に対応
させて光電子増倍管19から出力される強度信号を記憶
する。
【0068】次に、スリットS1の走査が終了したか否
かが判断される(ステップS13)。ここで、走査が終
了したか否かは、少なくとも図4に示したレチクルパタ
ーンRPの像IMの一方の端部e1及び他方の端部e2
をスリットS1が通過したか否かによって判断される。
走査が終了していないと判断された場合(ステップS1
3の判断結果が「NO」である場合)には、ステップS
12に示した処理が繰り返される。一方、走査が終了し
たと判断された場合(ステップS13の判断結果が「Y
ES」である場合)には、Z軸方向の計測範囲について
計測を終了したか否かが判断される(ステップS1
4)。ここで、Z軸方向の計測範囲について計測を終了
したか否かは、図6に示した計測位置z〜z全てに
対してスリットS1のZ軸方向の位置を設定したか否か
により判断される。
【0069】Z軸方向の計測範囲について計測を終了し
ていないと判断された場合(ステップS14の判断結果
が「NO」である場合)には、主制御系23がステージ
コントローラ22に対して制御信号を出力し、駆動モー
タ12を介してウェハステージ10が備えるZ軸ステー
ジを移動してスリットS1のZ軸方向の位置を変更する
(ステップS15)。例えば、以前設定されていた計測
位置が計測位置zである場合には、計測位置zに変
更される。スリットS1のZ軸方向の位置が変更される
と、ステップS12の処理へ戻り、前述した処理、即ち
スリットS1を走査しつつレチクルパターンの像の強度
分布を計測する処理が繰り返し行われる。一方、ステッ
プS14において、Z軸方向の計測範囲について計測を
終了したと判断された場合(ステップS14の判断結果
が「YES」である場合)には、主制御系23が照明光
源1に対して制御信号を出力し、照明光ILの射出を停
止させる(ステップS16)。
【0070】以上の処理が終了すると、焦点位置検出系
24は位置情報に対応させて記憶している光電子増倍管
19の強度信号からレチクルパターンRPの像IMの像
長さを算出する処理を行う(ステップS17)。この処
理は計測位置z〜z各々において計測された強度信
号全てに対して行われる。図7及び図8は、レチクルパ
ターンRPの像IMの像長さを算出する方法を説明する
ための図である。尚、図7(a)はスリットS1が投影
光学系PLの焦点位置に近い位置に配置されたときの像
IMの形状を示す図であり、図7(b)はその強度分布
を示す図である。また、図8(a)はスリットS1が投
影光学系PLの焦点位置からずれた位置に配置されたと
きの像IMの形状を示す図であり、図8(b)はその強
度分布を示す図である。
【0071】図7(a)に示したように、投影光学系P
Lの焦点位置に近い位置にスリットS1が配置されてい
る場合には、矩形形状に形成されたレチクルパターンR
Pのスリットと同様に、レチクルパターンRPの像IM
に含まれる明部im1〜im5各々の形状はほぼ矩形形
状となる。また、図7(b)に示されるように、その強
度はレチクルパターンRPの像IMの一方の端部e1及
び他方の端部e2において急峻に変化し、端部e1と端
部e2との間では高い強度を有する強度分布となる。一
方、図8(a)に示したように、投影光学系PLの焦点
位置からずれた位置にスリットS1が配置されている場
合には、レチクルパターンRPの像IMに含まれる明部
im1〜im5各々の形状が鈍るとともに、走査方向S
Dの長さが短くなる。また、図8(b)に示されるよう
に、その強度はレチクルパターンRPの像IMの全体に
亘って緩やかに変化し、図7(b)に示した強度分布よ
りも全体的に低下した強度分布となる。
【0072】つまり、本実施形態では投影光学系PLの
焦点位置からスリットS1のZ軸方向の位置がずれるに
従い、スリットS1を走査して計測されるレチクルパタ
ーンRPの像IMの強度分布が全体的に低下するととも
に、その変化の割合が像IMの端部において緩やかにな
ることを利用して、レチクルパターンRPの像IMの像
長さを求めて投影光学系PLの焦点位置を検出してい
る。
【0073】ここで、投影光学系PLの焦点位置からス
リットS1のZ軸方向の位置がずれるに従い、像IMの
端部において緩やかに変化する特性になることを利用
し、像IMの像長さを求めるに際し、あるしきい値を設
定し、強度分布がこのしきい値を越える部分を像長さと
している。図7(b)、図8(b)においては、しきい
値tr1が設定され、このしきい値tr1を越える部分
が像長さL1及びL2としてそれぞれ求められる。この
ようにしきい値を設定することで、スリットS1の位置
が投影光学系PLの焦点位置から僅かにずれても像長さ
の変化する割合が高くなるため高い精度で投影光学系P
Lの焦点位置を検出することができる。
【0074】以上説明した方法に従って各計測位置z
〜zにおいて計測された強度分布から像長さを算出す
る。そして最後に図5に示したフローにおいて、最も長
い像長さが得られた計測位置を投影光学系PLの焦点位
置とする(ステップS18)。以上の処理によって投影
光学系PLの焦点位置が高い精度で検出される。尚、上
述のステップS17のレチクルパターンRPの像IMの
像長さを求める処理においては、移動平均処理を行って
投影光学系PLの焦点位置を求めるようにしてもよい。
【0075】移動平均処理においては、例えば図6に示
した計測位置z〜計測位置zの強度分布を平均化し
てから像IMの像長さを求めて計測位置zにおける像
長さとし、計測位置z〜計測位置zの強度分布を平
均化してから像IMの像長さを求めて計測位置zにお
ける像長さとし、また計測位置z〜計測位置zの強
度分布を平均化してから像IMの像長さを求めて計測位
置zにおける像長さとするという具合に処理を行って
各計測位置における平均化された像長さを求める。尚、
ここで述べた例は連続する3つの計測位置における強度
分布を用いて移動平均する場合であったが、移動平均処
理を行うには少なくとも2つの計測位置における強度分
布に基づいて行うことが可能である。
【0076】レチクルRのパターン領域PDに形成され
た回路パターンCPの像をウェハW上に設定されたショ
ット領域に転写する場合には、以上説明した処理を行っ
て求められた焦点位置にウェハWの表面が来るように主
制御系23がステージコントローラ22に制御信号を出
力し、駆動モータ12を介してウェハステージ10のZ
ステージを移動させてウェハWのZ軸方向の位置を調整
する。この調整後、回路パターンCPの像をウェハW上
に設定されたショット領域に転写する。尚、フォトレジ
スト30の厚み、特性等で計測された投影光学系PLの
焦点位置に対して一定のオフセットが生じるときは、そ
のオフセットを乗せた位置にウェハWの表面がくるよう
に制御する。
【0077】次に、上述した実施形態の変形例について
説明する。図9及び図10は、レチクルパターンの像I
M1の像長さを算出する方法の変形例を説明するための
図である。図9及び図10を用いて説明する変形例が図
7及び図8を用いて説明したものと異なる点は、楔形状
のレチクルパターンを用いて投影光学系PLの焦点位置
を検出する点である。図9及び図10においては、楔形
状のレチクルパターンの像に対して符号IM1を付して
ある。
【0078】尚、図9(a)はスリットS1が投影光学
系PLの焦点位置に近い位置に配置されたときの像IM
1の形状を示す図であり、図9(b)はその強度分布を
示す図である。また、図10(a)はスリットS1が投
影光学系PLの焦点位置からずれた位置に配置されたと
きの像IM1の形状を示す図であり、図10(b)はそ
の強度分布を示す図である。この変形例においては、基
本的には図7及び図8を用いて説明した焦点検出方法と
同一の手順、つまり図5に示したフローに従って投影光
学系PLの焦点位置が検出される。
【0079】図9(a)に示したように、レチクルパタ
ーンIM1の像は走査方向SDに長手方向が設定され、
走査方向SDに直交する方向に等間隔で楔形状の明部i
m11〜im15が配列された像である。図9(a)に
示した例では、明部im11〜im15の長手方向が走
査方向SDに設定されているが、このときは走査方向S
Dに直交する方向に長手方向が設定されているスリット
S1を用いて走査を行い投影光学系の焦点位置の計測が
行われる。尚、変形例においても、明部im11〜im
15の本数は図示の5本に制限されず任意に設定するこ
とが可能である。また、図9(a)に示したレチクルパ
ターンIM1を紙面内において90度回転した配置とす
れば、スリットS2を走査方向SDに対して直交する方
向に走査することにより高い精度で投影光学系PLの焦
点位置を検出することができる。
【0080】図9(b)に示したように、投影光学系P
Lの焦点位置に近い位置にスリットS1が配置されてい
る場合には、楔形状に形成されたレチクルパターンの形
状と同様にレチクルパターンの像IM1に含まれる明部
im11〜im15各々の形状はほぼ楔形状となる。図
7(a)に示したように矩形形状の明部im1〜im5
を有するレチクルパターンの像IMを走査すると、端部
e1,e2において急峻に変化し、端部e1と端部e2
との間では一定の強度を有する強度分布が得られた。図
9(a)に示したレチクルパターンの像IM1を走査す
ると、明部im11〜im15が照射されている部分と
照射されていない部分との比、つまりデューティー比が
スリットS1の位置に応じて変化する。即ち、レチクル
パターンの像IM1は楔形状の明部im11〜im15
を平行に並べて形成されているため、ピッチは一定のま
までデューティー比を変えた像である。
【0081】従って、スリットS1が走査方向SDに走
査を開始して端部e5付近に至ると、走査が進むにつれ
てデューティー比が徐々に大となるため、強度はほぼ直
線的に増大し、スリットS1がレチクルパターンの像I
M1の中央部付近に至ると強度は最大値をとる。スリッ
トS1がレチクルパターンの像IM1の中央部付近を過
ぎると走査が進むにつれてデューティー比が徐々に小と
なるため、強度はほぼ直線的に減少し、スリットS1が
端部e6を経過したあたりで強度は最小となる。
【0082】一方、図10(a)に示したように、投影
光学系PLの焦点位置からずれた位置にスリットS1が
配置されている場合には、レチクルパターンの像IM1
に含まれる明部im11〜im15各々の形状が鈍ると
ともに、走査方向SDの長さが短くなる。また、図10
(b)に示されるように、その強度はレチクルパターン
の像IM1の全体に亘って緩やかに変化し、図10
(b)に示した強度分布よりも全体的に低下した強度分
布となる。
【0083】この変形例では、図9(b)及び図10
(b)に示したようにあるしきい値tr2が設定され、
強度分布がこのしきい値tr2をこえる部分が像長さL
1及びL2としてそれぞれ求められる。このようにしき
い値を設定することで、スリットS1の位置が投影光学
系PLの焦点位置から僅かにずれても像長さの変化する
割合が高くなるため高い精度で投影光学系PLの焦点位
置を検出することができる。
【0084】本例においても、以上説明した方法に従っ
て図6に示した各計測位置z〜z において計測され
た強度分布から像長さを算出する。そして最後に図5に
示したフローのステップS18において、最も長い像長
さが得られた計測位置を投影光学系PLの焦点位置とす
る。以上の処理によって投影光学系PLの焦点位置が高
い精度で検出される。また、レチクルパターンの像IM
1の像長さを求める処理においては、移動平均処理を行
って投影光学系PLの焦点位置を求めるようにしてもよ
い。移動平均処理を行うには少なくとも2つの計測位置
における強度分布に基づいて行うことが可能である。
【0085】以上説明した実施形態においては、レチク
ルRのパターン領域PDの周囲の一箇所に1つのレチク
ルパターンRPが形成され、このレチクルパターンRP
の像をIMを計測する場合を例に挙げて説明したが、レ
チクルパターンRPをレチクルR上に複数設けるととも
にウェハステージ10上に開口板14と同様の開口板を
複数設け、且つ光電子増倍管19を複数設け、これらに
より複数箇所において投影光学系PLの焦点位置を同時
に検出するようにしてもよい。
【0086】更に、上記実施形態ではパターン領域PD
の周囲にレチクルパターンRPが形成されたレチクルR
を用いた場合を例に挙げて説明したが、投影光学系PL
の焦点位置を計測するための専用のレチクルを用いて計
測を行ってもよい。上記実施形態では幅の狭いスリット
S1,S2を用いて、所謂スリット・スキャン方式によ
る計測を行っていたが、所謂ナイフ・エッジ・スキャン
方式による計測でも計測を行うことは可能である。ま
た、レチクルパターンRPと実質的に同じパターンが形
成された専用のマーク部材をレチクルR(レチクルマー
ク)の近傍に永久的にあるいは着脱可能に取り付けたも
のを用いるようにしてもよい。
【0087】本実施形態においては、レチクルRに形成
された回路パターンCPを転写する際に用いられる照明
光IL使用し、レチクルパターンRPとして光透過性の
パターンを使用したが、レチクルパターンRPとして反
射型のパターンを使用することもできる。この場合、ウ
ェハステージ10側に光ガイド等で露光用の照明光IL
を導いて投影光学系PLを介してレチクルパターンRP
を照明し、レチクルパターンRPからの反射光を投影光
学系PLを介して開口板14上に結像させ、開口板14
からの通過光束を光電子増倍管19で受光して焦点位置
を求める。
【0088】尚、以上説明した実施の形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0089】例えば、本発明は、ステップ・アンド・ス
キャン方式の縮小投影型露光装置に適用することが可能
である。さらに、半導体素子や液晶表示素子の製造に用
いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、
薄膜磁気ヘッド、及び撮像素子(CCDなど)の製造に
も用いられる露光装置、及びレチクル、又はマスクを製
造するために、ガラス基板、又はシリコンウェハなどに
回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用でき
る。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係
なく適用可能である。
【0090】また、照明光ILとしては、上述したよう
なg線、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマ
レーザ、Fエキシマレーザから出射される光を用いる
ものに限定されず、X線や電子線などの荷電粒子線を用
いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電
子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト
(LaB)、タンタル(Ta)を用いることができ
る。また、例えば、DFB半導体レーザ又はファイバー
レーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レ
ーザを、エルビウム(又はエルビウムとイットリビウム
の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、さ
らに非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調
波を用いてもよい。尚、単一波長発振レーザとしてはイ
ットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いる。
【0091】投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍
および拡大系のいずれでもよい。投影光学系としては、
エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材とし
て石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F
レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系
の光学系にし(レチクルも反射型タイプのものを用い
る)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子
レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればい
い。尚、電子線が通過する光路は真空状態にすることは
いうまでもない。
【0092】ウェハステージやレチクルホルダにリニア
モータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮
上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた
磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、ステージ
は、ガイドに沿って移動するタイプでもよいし、ガイド
を設けないガイドレスタイプでもよい。ステージの駆動
装置としては、2次元に磁石を配置した磁石ユニット
と、2次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向
させ電磁力によりステージを駆動する平面モ−タを用い
ることができる。この場合、磁石ユニットと電機子ユニ
ットとのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニッ
トと電機子ユニットとの他方をステージの移動面側に設
ける。
【0093】ウェハステージやレチクルステージの移動
により発生する反力は、フレーム部材等を用いて機械的
に床(大地)に逃がすようにできる。また、加速度計と
アクチュエータを用いてかかる反力を相殺するような力
をウェハステージやレチクルステージの固定部に積極的
に作用させるようにしてもよい。
【0094】尚、前述した本発明の実施形態に係る露光
装置(図1)は、ウェハWを精度よく高速に位置制御す
ることができ、スループットを向上しつつ高い露光精度
で露光が可能となるように、照明光源1、レチクルRの
アライメント系、ウェハステージ10及びレーザ干渉計
21を含むウェハアライメント系、投影光学系PL等の
図1に示された各要素が電気的、機械的、又は光学的に
連結して組み上げられた後、総合調整(電気調整、動作
確認等)をすることにより製造される。尚、露光装置の
製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンル
ームで行うことが望ましい。
【0095】次に、上述した露光装置を使用したデバイ
スの製造について説明する。図11は、本発明の実施形
態に係る露光装置を用いてデバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)を生産する際のフローチャートであ
る。図11に示されるように、まず、ステップS20
(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例え
ば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を
実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステッ
プS21(マスク製作ステップ)において、設計した回
路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステッ
プS22(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等
の材料を用いてウェハを製造する。
【0096】次に、ステップS23(ウェハプロセスス
テップ)において、ステップS20〜ステップS22で
用意したマスクとウェハを使用して、リソグラフィ技術
によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、
ステップS24(組立ステップ)において、ステップS
23において処理されたウェハを用いてチップ化する。
このステップS24には、アッセンブリ工程(ダイシン
グ、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程が含まれる。最後に、ステップS25(検
査ステップ)において、ステップS24で作製されたデ
バイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行
う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが
出荷される。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パターンと受光部とを投影光学系の光軸に沿う第1方向
に対して直交する面内でパターンのスリットの長手方向
に沿う第2方向に相対走査している。よってパターンの
スリットの長手方向に対して直交する方向に走査方向が
設定された従来の技術に比べ、ピッチが微細であり電気
的な信号対ノイズ比(S/N)が悪化して計測精度が悪
くなるという問題がなくなり、高い精度で投影光学系の
焦点位置を検出することができるという効果がある。
【0098】また、従来は複数回行った計測結果の平均
値を求めて計測再現性を図ろうとした場合に、時間が経
つと装置のドリフト等が影響するため結局のところ計測
再現性の向上を図ることはできなかった。しかしなが
ら、本発明によれば一度の計測によって高い精度で投影
光学系の焦点位置を検出することができるため、計測再
現性を向上させる目的で行われる複数回の計測が不要に
なるとともに、投影光学系を介して像を計測するだけで
投影光学系の焦点位置を検出することができるので、検
出に要する手間を省略することができ、計測に要する時
間を短縮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成
を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態のレチクルを示す上面図で
ある。
【図3】 本発明の実施形態の開口板を示す上面図であ
る。
【図4】 本発明の実施形態の開口板及び該開口板に照
射されるレチクルパターンの像を示す図である。
【図5】 本発明の実施形態の処理を示すフローチャー
トである。
【図6】 本発明の実施形態のスリットのZ軸方向の位
置を設定する方法を説明するための図である。
【図7】 本発明の実施形態のレチクルパターンの像の
像長さを算出する方法を説明するための図である。
【図8】 本発明の実施形態のレチクルパターンの像の
像長さを算出する方法を説明するための図である。
【図9】 本発明の実施形態のレチクルパターンの像の
像長さを算出する方法の変形例を説明するための図であ
る。
【図10】 本発明の実施形態のレチクルパターンの像
の像長さを算出する方法の変形例を説明するための図で
ある。
【図11】 本発明の実施形態に係る露光装置を用いて
デバイスを生産する際の手順を示すフローチャートであ
る。
【図12】 投影光学系の焦点位置を従来の第1の計測
方法を用いて計測する際に使用される楔形状のパターン
の一例を示す平面図である。
【図13】 基板上に転写されたパターンの長さを計測
する際の動作を説明するための図である。
【図14】 空間像計測法を用いて投影光学系の焦点位
置を計測する方法を説明するための図である。
【図15】 空間像計測法の変形例を用いて投影光学系
の焦点位置を計測する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…照明光源(照明光学系) 2…オプティカルインテグレータ(照明光学系) 3…開口絞り(照明光学系) 4…コンデンサレンズ(照明光学系) 5…ダイクロイックミラー(照明光学系) 6…レチクルブラインド(照明光学系) 10…ウェハステージ(ステージ) 14…開口板(光電検出装置) 19…光電子増倍管(光電検出装置) 22…ステージコントローラ(制御装置) 23…主制御系(制御装置) 24…焦点位置検出系(制御装置) 30…フォトレジスト(感光層) AX…光軸 CP…回路パターン(パターン) L1〜L4…像長さ PL…投影光学系 R…マスク RP…レチクルパターン(パターン) SD…走査方向 S1,S2…スリット(受光部) tr1,tr2…しきい値 W…ウェハ(基板、感光基板) z〜z…計測位置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投影光学系の物体面側に配置される少な
    くとも1つのスリットを含むパターンを照明し、該投影
    光学系の像面側に配置された所定形状の受光部を有する
    光電検出装置により該パターンの空間像の強度分布を計
    測して該投影光学系の焦点位置を求める焦点検出方法に
    おいて、 前記パターンと前記受光部とを前記投影光学系の光軸に
    沿う第1方向に対して直交する面内で前記パターンの前
    記スリットの長手方向に沿う第2方向に相対走査するこ
    とを特徴とする焦点検出方法。
  2. 【請求項2】 前記パターンは複数のスリットを周期的
    に配列して構成されることを特徴とする請求項1に記載
    の焦点検出方法。
  3. 【請求項3】 前記受光部の前記第1方向の位置を所定
    の位置決めピッチで段階的に変更しつつ、それぞれの計
    測位置で前記パターンの空間像の強度分布を計測するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の焦点検出方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の計測位置でそれぞれ計測され
    た前記パターンの空間像の強度分布信号を所定のしきい
    値に従って切り出した像長さに基づいて、前記焦点位置
    を求めることを特徴とする請求項3に記載の焦点検出方
    法。
  5. 【請求項5】 前記位置決めピッチを前記投影光学系を
    介して露光される基板上の感光層の厚さに相当する幅内
    に少なくとも2つの計測位置が含まれるようなピッチに
    設定したことを特徴とする請求項3又は4に記載の焦点
    検出方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の計測位置についての前記像長
    さの前後する少なくとも2つの移動平均に基づいて前記
    焦点位置を求めることを特徴とする請求項4又は5に記
    載の焦点検出方法。
  7. 【請求項7】 投影光学系の物体面側に配置される少な
    くとも1つのスリットを含むパターンと、 前記パターンを照明する照明光学系と、 前記投影光学系の像面側に配置された所定形状の受光部
    を有する光電検出装置と、 前記受光部が設けられ、前記投影光学系の光軸に沿う第
    1方向及び該第1方向に直交する面内で前記パターンの
    前記スリットの長手方向に沿う第2方向に駆動されるス
    テージと、 前記受光部を前記パターンに対して前記第2方向に相対
    走査するように前記ステージの駆動を制御するととも
    に、前記光電検出装置により計測された前記パターンの
    空間像の強度分布に基づいて、前記投影光学系の焦点位
    置を求める制御装置とを備えたことを特徴とする焦点検
    出装置。
  8. 【請求項8】 前記パターンは複数のスリットを周期的
    に配列して構成されることを特徴とする請求項7に記載
    の焦点検出装置。
  9. 【請求項9】 前記制御装置は、前記受光部の前記第1
    方向の位置を所定の位置決めピッチで段階的に変更しつ
    つ、それぞれの計測位置で前記パターンの空間像の強度
    分布を計測することを特徴とする請求項7又は8に記載
    の焦点検出装置。
  10. 【請求項10】 前記制御装置は、前記複数の計測位置
    でそれぞれ計測された前記パターンの空間像の強度分布
    信号を所定のしきい値に従って切り出した像長さに基づ
    いて、前記焦点位置を求めることを特徴とする請求項9
    に記載の焦点検出装置。
  11. 【請求項11】 前記制御装置は、前記投影光学系を介
    して露光される基板上の感光層の厚さに相当する幅内に
    少なくとも2つの計測位置が含まれるようなピッチで、
    前記受光部が位置決めされるよう前記ステージの駆動を
    制御することを特徴とする請求項9又は10に記載の焦
    点検出装置。
  12. 【請求項12】 前記制御装置は、前記複数の計測位置
    についての前記像長さの前後する少なくとも2つの移動
    平均に基づいて前記焦点位置を求めることを特徴とする
    請求項10又は11に記載の焦点検出装置。
  13. 【請求項13】 マスクに形成されたパターンの像を投
    影光学系を介して感光基板に投影露光する露光方法にお
    いて、 請求項1〜6のいずれか一項に記載の焦点検出方法を用
    いて前記投影光学系の焦点位置を検出し、該検出結果に
    基づいて前記感光基板の該投影光学系の光軸方向の位置
    を調整して露光することを特徴とする露光方法。
  14. 【請求項14】 マスクに形成されたパターンの像を投
    影光学系を介して感光基板に投影露光する露光装置にお
    いて、 請求項7〜12のいずれか一項に記載の焦点検出装置を
    備えたことを特徴とする露光装置。
JP2000220147A 2000-07-21 2000-07-21 焦点検出方法、焦点検出装置、露光方法及び露光装置 Pending JP2002043205A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220147A JP2002043205A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 焦点検出方法、焦点検出装置、露光方法及び露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220147A JP2002043205A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 焦点検出方法、焦点検出装置、露光方法及び露光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002043205A true JP2002043205A (ja) 2002-02-08

Family

ID=18714801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000220147A Pending JP2002043205A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 焦点検出方法、焦点検出装置、露光方法及び露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002043205A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011199099A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Vanguard Internatl Semiconductor Corp 露光品質制御方法
CN107613428A (zh) * 2017-09-15 2018-01-19 北京地平线信息技术有限公司 声音处理方法、装置和电子设备

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011199099A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Vanguard Internatl Semiconductor Corp 露光品質制御方法
CN107613428A (zh) * 2017-09-15 2018-01-19 北京地平线信息技术有限公司 声音处理方法、装置和电子设备
CN107613428B (zh) * 2017-09-15 2020-02-14 北京地平线信息技术有限公司 声音处理方法、装置和电子设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8018577B2 (en) Illumination-sensor calibration methods, and exposure methods and apparatus and device-manufacturing methods including same, and reflective masks used in same
US20060221316A1 (en) Optical element, exposure apparatus, and device manufacturing method
WO2008038751A1 (fr) Procédé de mesure de largeur de ligne, procédé de détection de statut de formation d'image, procédé d'ajustement, procédé d'exposition et procédé de fabrication de dispositif
JP2007180152A (ja) 測定方法及び装置、露光装置、並びに、デバイス製造方法
US20030090661A1 (en) Focusing method, position-measuring method, exposure method, method for producing device, and exposure apparatus
US5798838A (en) Projection exposure apparatus having function of detecting intensity distribution of spatial image, and method of detecting the same
US6744512B2 (en) Position measuring apparatus and exposure apparatus
JPH07270119A (ja) 集積回路リソグラフィー用の蛍光使用の直接レチクル対ウエハ・アライメントの方法及び装置
US20010023918A1 (en) Alignment apparatus, alignment method, exposure apparatus and exposure method
JPH10294268A (ja) 投影露光装置及び位置合わせ方法
JP2003142377A (ja) 投影露光装置及び収差の計測方法
KR100588116B1 (ko) 리소그래피장치 및 빔크기와 발산을 결정하는 방법
JP2002231616A (ja) 位置計測装置及び方法、露光装置及び方法、並びにデバイス製造方法
JP2005337912A (ja) 位置計測装置、露光装置、及びデバイスの製造方法
JP2002203763A (ja) 光学特性計測方法及び装置、信号感度設定方法、露光装置、並びにデバイス製造方法
JP3980469B2 (ja) リソグラフィック装置及びデバイス製造方法
JP3551570B2 (ja) 走査型露光装置及び露光方法
JP2004134474A (ja) 位置検出装置の検査方法、位置検出装置、露光装置、および露光方法
JP2004273828A (ja) 面位置検出方法、面位置検出装置、合焦装置、露光装置及びデバイスの製造方法
JP2002170757A (ja) 位置計測方法及びその装置、露光方法及びその装置、デバイスの製造方法
TW505975B (en) Aligner
JP2002043205A (ja) 焦点検出方法、焦点検出装置、露光方法及び露光装置
JP2010123793A (ja) 光学特性計測方法、露光方法、及びデバイス製造方法
JP2006013266A (ja) 計測方法、露光方法、及び露光装置
JP2001267196A (ja) 位置検出装置、位置検出方法、露光装置、及び露光方法