JP2002043153A - 高周波ct - Google Patents

高周波ct

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JP2002043153A
JP2002043153A JP2000230797A JP2000230797A JP2002043153A JP 2002043153 A JP2002043153 A JP 2002043153A JP 2000230797 A JP2000230797 A JP 2000230797A JP 2000230797 A JP2000230797 A JP 2000230797A JP 2002043153 A JP2002043153 A JP 2002043153A
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secondary winding
hole
frequency
connector terminal
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JP2000230797A
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Shigeo Nomiya
成生 野宮
Terumi Kato
輝美 加藤
Tomoko Mizumata
智子 水俣
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り付けその取り外し作業などの取扱いがし
易く判別精度や耐量を向上できる高調波CTを提供する
ことである。 【解決手段】 一次巻線回路となる三相電源ケーブル1
を貫通した鉄心磁路2の一部に絶縁物を介して集中して
二次巻線4を巻回し、鉄心磁路2および二次巻線4は樹
脂成形部5で成型される。樹脂成形部5の三相電源ケー
ブル1が貫通する部分には円形状の貫通穴3が形成され
る。貫通穴3の中心から二次巻線4の取付位置への線上
で二次巻線4に近接した外周側に、二次巻線4の巻始め
端および巻終り端を接続するコネクタ端子6が配置され
る。コネクタ端子6は、樹脂成形部5の孔状部7に収納
される。従って、コネクタ端子6の位置から樹脂成形さ
れて外観として見えない二次巻線4の位置を特定でき、
コネクタ端子6の破損防止や触手により配置位置が容易
に判断できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧回路で運用中
の電磁誘導形の電気機器内で発生している部分放電現象
を検出するための高周波CTに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、変圧器や同期機は電磁誘導原理
を応用した電気機器であり、これらの電気機器は鉄心お
よび巻線から主に構成され、電源回路から電力を受けて
変電や配電、動力、制御等の各種の用途に運用されてい
る。これらの電気機器では、運用期間が長くなると、鉄
心や複数の巻線相互間に変形や変位が発生し絶縁劣化が
進展する。そして、分担電位が変化して一箇所に電位が
集中したり、絶縁性能の低下に伴って部分放電を発生し
やすくなることが知られている。
【0003】部分放電は発生初期の段階で検出できれ
ば、修理や補修により継続運用が可能な場合が多く、故
障又は大事故の発生を未然に防止することもできる。従
って、電気機器の予防保全用として、部分放電検出を応
用した各種システムが開発され実用化されてきている。
【0004】部分放電を検出するものとしては高調波C
Tがある。図7は高調波CTによる部分放電の検出原理
の説明図である。図7に示すように、高調波CTは、電
気機器への三相電源ケーブル1の各相(U相、V相、W
相)を一次巻線回路(巻線)として、鉄心磁路2により
形成される貫通穴3に貫通させ、鉄心磁路2上に二次巻
線4を巻回して形成されている。そして、三相電源ケー
ブル1の一次電流を二次巻線4から二次電流として変成
して出力させ、その二次電流の中から部分放電によって
発生している数MHz〜数百MHzの微小電流変化のみ
を摘出するようにしている。
【0005】この場合、高周波CTの二次巻線4は鉄心
磁路2上の一部に集中して巻回されるなどの技術的配慮
がなされている。これは、部分放電電流の特に第一波の
極性により、部分放電が高圧側、低圧側、高低圧の中間
などの発生位置を判別するためであり、第一波に続く反
極性部分の振幅を減衰させるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、主に鉄心磁路
2と二次巻線4とから構成されてなる高周波CTは、高
周波性能の確保から、簡素な構成かつ小形となるよう
に、コネクタ端子や樹脂成形の形状が配慮されており、
現場での取り扱いには配慮が行き届いていない。このこ
とから、現場での高調波CTの取付けやその外し作業が
難しいものとなっている。
【0007】また、従来の高周波CTでは部分放電電流
の検出しかできないものであり、部分放電の発生相の判
別や、一線地絡発生時の過大二次電流へ耐量増強、さら
には負荷装置への影響の抑制などは考慮されていない。
【0008】このように、従来の高調波CTは、機能性
に劣ると共にフィールド現場での電気機器周辺の制約さ
れた狭くて照明の期待しにくい位置への取付け作業性へ
の配慮も乏しいものであった。
【0009】本発明の目的は、取り付けその取り外し作
業などの取扱いがし易く判別精度や耐量を向上できる高
調波CTを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
高周波CTは、一次巻線回路となる三相電源ケーブルを
貫通した鉄心磁路と、前記鉄心磁路の一部に絶縁物を介
して集中して巻回された二次巻線と、前記鉄心磁路およ
び前記二次巻線を樹脂で包囲して前記三相電源ケーブル
が貫通する部分に円形状の貫通穴を形成した樹脂成形部
と、前記貫通穴の中心から前記二次巻線の取付位置への
線上で前記二次巻線に近接した外周側に配置され前記二
次巻線の巻始め端および巻終り端を接続するコネクタ端
子と、前記樹脂成形部の前記コネクタ端子の配置位置に
形成され前記コネクタ端子を収納する孔状部とを備えた
ことを特徴とする。
【0011】請求項1の発明に係わる高周波CTにおい
ては、一次巻線回路となる三相電源ケーブルを貫通した
鉄心磁路の一部に絶縁物を介して集中して二次巻線を巻
回し、鉄心磁路および二次巻線は樹脂成形部で成型され
る。そして、樹脂成形部の三相電源ケーブルが貫通する
部分には円形状の貫通穴が形成される。貫通穴の中心か
ら二次巻線の取付位置への線上で二次巻線に近接した外
周側に、二次巻線の巻始め端および巻終り端を接続する
コネクタ端子が配置される。また、コネクタ端子は、樹
脂成形部の孔状部に収納される。これにより、コネクタ
端子の位置から樹脂成形されて外観として見えない二次
巻線の位置を特定でき、また、コネクタ端子の破損防止
や触手により配置位置が容易に判断できる。
【0012】請求項2の発明に係わる高周波CTは、請
求項1の発明において、前記貫通穴の円周上を3等分す
る各々の位置に前記三相電源ケーブルを係止する凹部を
設け、前記二次巻線は、前記貫通穴の中心からいずれか
1個の凹部への線に対して角度が0度〜60度の範囲の
位置に配置されたことを特徴とする。
【0013】請求項2の発明に係わる高周波CTにおい
ては、請求項1の発明の作用に加え、貫通穴の円周上を
3等分する各々の位置の凹部で三相電源ケーブルをそれ
ぞれ係止し、貫通穴の中心からいずれか1個の凹部への
線に対して角度が0度〜60度の範囲の位置に二次巻線
を配置する。これにより、二次巻線と一次巻線回路であ
る三相電源ケーブルと間の距離が夫々異なり、電磁気的
作用の距離要因での差異を付けることができる。
【0014】請求項3の発明に係わる高周波CTは、請
求項1の発明において、前記貫通穴の円周上を3等分す
る各々の位置に前記三相電源ケーブルを係止する凹部を
設け、前記二次巻線は、前記貫通穴の中心からいずれか
1個の凹部への線に対して、1個はその角度が0度〜6
0度の範囲の位置に配置され、もう1個はその角度が6
0度〜120度の範囲の位置に配置されたことを特徴と
する。
【0015】請求項3の発明に係わる高周波CTにおい
ては、請求項1の発明の作用に加え、貫通穴の円周上を
3等分する各々の位置の凹部で三相電源ケーブルをそれ
ぞれ係止し、貫通穴の中心からいずれか1個の凹部への
線に対して、その角度が0度〜60度の範囲の位置に1
個目の二次巻線を配置し、その角度が60度〜120度
の範囲の位置に2個目の二次巻線を配置する。これによ
り、各二次巻線と一次巻線の三相電源ケーブルと間の距
離が夫々異なり、電磁気的作用の距離要因および2個の
二次巻線の合成によっては方向要因での差異を付けるこ
とができる。
【0016】請求項4の発明に係わる高周波CTは、請
求項1の発明において、前記樹脂成形部の断面形状を円
形状に形成し、前記樹脂成形部の鉛直方向と前記貫通穴
の中心から前記二次巻線の取付位置への線との角度で定
まる取付角度範囲の形状は、前記円形状の樹脂成形部の
接線に沿って直線形状としたことを特徴とする。
【0017】請求項4の発明に係わる高周波CTにおい
ては、請求項1の発明の作用に加え、断面形状が円形状
に形成された樹脂成形部の鉛直方向と貫通穴の中心から
二次巻線の取付位置への線との角度で定まる取付角度範
囲を円形状の樹脂成形部の接線に沿って直線形状とす
る。これにより、高調波CTの取付位置と方向とが簡単
に調整できる。
【0018】請求項5の発明に係わる高周波CTは、請
求項1の発明において、前記鉄心磁路の全周に絶縁物を
介して均一に分布巻きした補助巻線を設け、前記補助巻
線はその巻始め端および巻終り端をコネクタ端子に接続
し、前記二次巻線は、前記補助巻線の巻きピッチ間に集
中して前記補助巻線と同じ巻回数を巻回したことを特徴
とする。
【0019】請求項5の発明に係わる高周波CTにおい
ては、請求項1の発明の作用に加え、鉄心磁路の全周に
絶縁物を介して補助巻線を均一に分布巻きし、補助巻線
の巻始め端および巻終り端をコネクタ端子に接続する。
一方、補助巻線と同じ巻回数の二次巻線を補助巻線の巻
きピッチ間に集中して巻回する。この補助巻線により、
鉄心磁路を全周に亘りほぼ均等に励磁でき、部分放電模
擬試験の試験巻線として使用できる。また、磁路への残
留磁気の消磁用の巻線として、さらには、二次巻線出力
の校正・補助出力として活用できる。
【0020】請求項6の発明に係わる高周波CTは、請
求項1の発明において、前記鉄心磁路の全周に絶縁物を
介して一次巻線回路の商用周波電流を配慮したサイズと
巻回数で均一に分布巻きした補助巻線を設け、前記補助
巻線はその巻始め端および巻終り端をボルトナット形端
子に接続し、前記二次巻線は、前記補助巻線の巻きピッ
チ間に集中して前記補助巻線と同じ巻回数を巻回したこ
とを特徴とする。
【0021】請求項6の発明に係わる高周波CTにおい
ては、請求項1の発明の作用に加え、鉄心磁路の全周に
絶縁物を介して補助巻線は一次巻線回路の商用周波電流
を配慮したサイズと巻回数で鉄心磁路の全周に均一に分
布巻きされ、補助巻線の巻始め端および巻終り端をボル
トナット形端子に接続する。二次巻線は、補助巻線の巻
きピッチ間に集中して補助巻線と同じ巻回数を巻回す
る。これにより、三相平衡を乱す商用周波電流、例え
ば、一線地絡電流などが一次巻線回路に発生した場合の
補助巻線への分流優先を行い、微小な部分放電電流の変
成を想定した二次巻線へ分流を阻止する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる高周波
CTの部分破断面を含む構造配置図。である。
【0023】一次巻線回路となるU相、V相、W相の各
三相電源ケーブル1は、樹脂でモールドされた樹脂成形
部5の貫通穴3を貫通して配置される。樹脂成形部5の
内部には鉄心磁路2が設けられており、この鉄心磁路2
の一部に絶縁物を介して二次巻線4が巻回して取り付け
られている。二次巻線4は鉄心磁路2の一部に集中して
設けられており、その二次巻線4の巻始め端および巻終
り端にはコネクタ端子6が接続されている。
【0024】コネクタ端子6は、貫通穴3の中心Oから
二次巻線4の取付位置への線上で二次巻線4に近接した
外周側に配置される。そして、そのコネクタ端子6は、
樹脂成形部5に形成された孔状部7に収納される。これ
により、コネクタ端子6の位置から樹脂成形されて外観
として見えない二次巻線4の位置を特定できるようにし
ている。
【0025】すなわち、鉄心磁路2の一部には絶縁物を
介して二次巻線4が集中して巻回され、二次巻線4の巻
始め端および巻終り端をコネクタ端子6に接続して構成
されている。そして、コネクタ端子6の外部端子部分を
除いた構成全体を樹脂にてモールド成形して樹脂成形部
5を形成し、コネクタ端子6を一次巻線回路の貫通穴3
の中心から二次巻線4への放射線上で、二次巻線4に近
接した外周側に配置している。また、コネクタ端子6の
外部接続部分の周辺の樹脂成形部5には孔状部7を形成
している。
【0026】このように、貫通穴3の中心から二次巻線
4への放射状位置に、集中巻きした二次巻線4のコネク
タ端子6を配置することにより、樹脂成形部5中に埋設
されている二次巻線4の相対位置を特定させる。また、
コネクタ端子6の外部接続部の周囲の樹脂成形形状をコ
ネクタ端子6の挿入や接続作業、操作を配慮した穴径を
有する孔状部7とている。
【0027】以上述べたように、第1の実施の形態によ
れば、樹脂成形部5にて成形されて外観として見えない
二次巻線4の位置が貫通穴3の中心とコネクタ端子6と
を結ぶ線上にあるので、一次巻線回路の導体である三相
電源ケーブル1との位置関係、特に、二次巻線2に近接
する相などの測定条件を容易に知ることができる。
【0028】また、コネクタ端子6の外部接続部の周囲
の樹脂成形部5の形状を孔状とした孔状部7を形成して
いるので、コネクタ端子6の不使用ときなどにおける引
っ掻きや衝突などによる破損を防止でき、コネクタ端子
6の外部接続部の位置が触手で容易に特定できると共
に、コネクタ端子6挿入や接続も簡単にできる。
【0029】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図2は本発明の第2の実施の形態に係わる高周波C
Tの部分破断面を含む構造配置図。である。この第2の
実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対し、貫
通穴3の円周上を3等分する各々の位置に三相電源ケー
ブル1を係止する凹部8を設け、二次巻線4は、貫通穴
3の中心からいずれか1個の凹部8への線に対して角度
が0度〜60度の範囲の位置に配置されるようにしたも
のである。その他の構成は、図1に示す第1の実施の形
態と同一であるので、同一要素のは同一符号を付し重複
する説明は省略する。
【0030】鉄心磁路2の形状および一次巻線回路の貫
通穴3の樹脂成形部5の形状は円形状に形成されてい
る。貫通穴3の円周上を3等分、つまり120度相互す
る3ヶ所の位置に凹部8を設ける。そして、凹部8の1
ヶ所(図2中ではU相)に対する角度が0度を超え、6
0度未満内の位置に、二次巻線4およびコネクタ端子6
を配置する。図2中では15度の位置に二次巻線4およ
びコネクタ端子6を配置したものを示している。
【0031】これにより、一次巻線回路の三相電源ケー
ブル1を正三角形に配置され易くする。また、電磁気的
作用の三相平衡条件が確保し易くなり、商用周波電流の
三相不平衡電流分の二次巻線4への作用を抑制できる。
さらには、二次巻線4と一次巻線回路の三相電源ケーブ
ル1の各相との位置関係などの測定条件を判然とさせる
ことができる。
【0032】一方、凹部8の1ケ所に対する角度が0度
を超え60度未満内の位置に二次巻線4を配置するの
で、二次巻線4と一次巻線回路の三相電源ケーブル1と
の距離が夫々異なる測定条件が設定できる。このことか
ら、各相の距離要因での二次巻線4に及ぼす電磁気的作
用の差異を応用して、二次巻線4の出力変化の測定が可
能となる。
【0033】例えば、高周波CTを挟み込み取付けを緩
くした状態で、貫通穴3の中心を軸にして、近接する
相、図2中ではU相に向けて回転させつつ(凹部8に一
次巻線回路の三相電源ケーブル1が嵌めあっている場合
には、緩めるなどして)、二次巻線4の出力変化を測定
し、二次巻線4と距離が短縮する和と、出力の増大傾向
との関連性から、部分放電発生している相として三相中
の2相を摘出することが可能となる。
【0034】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図3は本発明の第3の実施の形態に係わる高周波C
Tの部分破断面を含む構造配置図。である。この第3の
実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対し、貫
通穴3の円周上を3等分する各々の位置に三相電源ケー
ブル1を係止する凹部8を設け、2個の二次巻線4を設
けたものである。二次巻線4は、貫通穴3の中心からい
ずれか1個の凹部8への線に対して、1個の二次巻線4
はその角度が0度〜60度の範囲の位置に配置され、も
う1個はの二次巻線4はその角度が60度〜120度の
範囲の位置に配置される。その他の構成は、図1に示す
第1の実施の形態と同一であるので、同一要素のは同一
符号を付し重複する説明は省略する。
【0035】鉄心磁路2の形状および一次巻線回路の貫
通穴3の樹脂成形部5の形状を円形状とし、貫通穴3の
円周上を3等分、又は120度相互する3ヶ所の位置に
凹部8を設ける。これにより、一次巻線回路の三相電源
ケーブル1を正三角形に配置され易くする。
【0036】また、凹部8の1ケ所(図3中ではU相)
に対する角度が0度を超え60度未満内の角度Aの位
置、および角度(120度−A)の位置に、二次巻線4
およびコネクタ端子6を配置する。図3では、A=15
度、および(120度−A)=105度の場合を示して
いる。
【0037】このように、一次巻線回路の貫通穴3の円
周上を3等分、又は120度相互する3ケ所の位置に凹
部8を設け、一次巻線回路の三相電源ケーブル1を正三
角形に配置する。これにより、電磁気的作用の三相平衡
条件が確保しやすくなり、商用周波電流の三相不平衡電
流分の二次巻線への作用を抑制できる。さらには、二次
巻線4と一次巻線回路の三相電源ケーブル1の各相との
位置関係などの測定条件を判然とさせることができる。
【0038】さらに、凹部8の1ヶ所(図3中ではU
相)に対する角度が0度を超え60度未満内の角度A、
および角度(120−A)の位置に二次巻線4を配置す
るので、各二次巻線4と一次巻線回路の三相電源ケーブ
ル1との距離が夫々異なる測定条件が2つ設定できる。
【0039】各相の距離要因での二次巻線4に及ぼす電
磁気的作用の差異を応用して、例えば、高周波CTを挟
み込み取付けを緩くした状態で、貫通穴3の中心を軸に
して、近接する相(図3中ではU相)に向けて回転させ
つつ(凹部8に一次巻線回路の導体、ケーブル1が嵌め
あっている場合には、緩めるなどして)、各二次巻線4
の出力変化を測定する。そして、各二次巻線4と距離が
短縮する相と、出力の増大傾向との関連性から、部分放
電発生している相として、各二次巻線4毎に三相中の2
相づつ、2つの二次巻線4の総合として、三相中の1相
を摘出することが可能となる。
【0040】次に、本発明の第4の実施の形態を説明す
る。図4は本発明の第4の実施の形態に係わる高周波C
Tの部分破断面を含む構造配置図。である。この第4の
実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対し、樹
脂成形部5の断面形状を円形状に形成し、樹脂成形部5
の鉛直方向と貫通穴3の中心から二次巻線4の取付位置
への線との角度で定まる取付角度範囲の形状は、円形状
の樹脂成形部5の接線に沿って直線形状としたものであ
る。その他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と同
一であるので、同一要素のは同一符号を付し重複する説
明は省略する。
【0041】円形状の鉄心磁路2の外周側の樹脂成形部
5の成形形状を、二次巻線4およびコネクタ端子6を配
置する取付角度範囲を除き円形状とし、その円形状の接
線に沿った直線形状部9を取付角度範囲に配置する。コ
ネクタ端子6の外部接続部周辺に凹状部10を形成し、
コネクタ端子6の外部接続部をこの凹状部10の範囲内
に露出させる。
【0042】このように、ほぼ円形状の樹脂成形部5に
対し、二次巻線4およびコネクタ端子6を配置する取付
角度範囲に円形状の接線に沿った直線形状部9を形成す
る。さらに、コネクタ端子6の外部接続部周辺の樹脂成
形部5に凹状部10を形成し、コネクタ端子6の外部接
続部を露出させる。二次巻線4およびコネクタ端子6の
取付角度範囲は、例えば角度60度とする。
【0043】二次巻線4およびコネクタ端子6を配置す
る取付角度範囲に、円形状の接線に沿った直線形状部9
を確保しているので、一般的な長方形板11による挟み
込みによる取付け方法において、樹脂成形部5の直線形
状部9と長方形板11の辺の直線部との位置合せによ
り、高周波CTの取付位置と方向とが簡単に調整でき
る。さらに、コネクタ端子6の外部接続部周辺の樹脂成
形部5の成形形状を凹状部10とし、コネクタ端子6の
外部接続部を露出させたため、接続や外し作業が簡単
で、コネクタ端子6の破損防止にも効果がある。
【0044】なお、二次巻線4とコネクタ端子6との中
心が貫通穴3の中心からの放射線上に必ずしも乗らない
場合もあるが、コネクタ端子6の外部接続露出部を放射
線上に配置することにより、樹脂成形部5が成形されて
外観として見えない二次巻線4の位置を特定できる。
【0045】次に、本発明の第5の実施の形態を説明す
る。図5は本発明の第5の実施の形態に係わる高周波C
Tの部分破断面を含む構造配置図。である。この第5の
実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対し、鉄
心磁路2の全周に絶縁物を介して均一に分布巻きした補
助巻線12を設け、補助巻線12はその巻始め端および
巻終り端をコネクタ端子13に接続し、一方、二次巻線
4は、補助巻線12の巻きピッチ間に集中して補助巻線
12と同じ巻回数を巻回したものである。その他の構成
は、図1に示す第1の実施の形態と同一であるので、同
一要素のは同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0046】図5において、鉄心磁路2の全周に均一に
絶縁物を介して補助巻線12を分布巻きし、補助巻線1
2の巻きピッチ間に集中して、二次巻線4を補助巻線1
2と同じ巻回数を巻回している。すなわち、補助巻線1
2は鉄心磁路2を全周に亘りほほ均等に励磁できる。ま
た、補助巻線12の巻始めおよび巻終り端は二次巻線4
のコネクタ端子6とは別のコネクタ端子13に接続さ
れ、このコネクタ端子13を介して外部装置や電源等と
接続される。
【0047】このように、二次巻線4と同じ巻回数の補
助巻線12を鉄心磁路2の全周に均一に分布巻きしたの
で、鉄心磁路2を全周に亘りほぼ均等に励磁できる。こ
れにより、微小電流のため高感度を要する部分放電模擬
試験の試験巻線として使用できる。また、事故時の非対
称過電流の過渡電流成分による鉄心磁路2への残留磁気
を、磁路全周に亘り消磁する用途の巻線として使用でき
る。
【0048】さらには、同じ巻回数である二次巻線4の
集中巻きに比べて、巻線自身が低インダクタンス特性と
なることから、高周波電流の変成に対する感度も高く、
不要な振動を生じにくく、部分放電の第一波の極性を判
別し易いことから、二次巻線4の出力の校正・比較また
は補助出力として活用できる。
【0049】次に、本発明の第6の実施の形態を説明す
る。図6は本発明の第6の実施の形態に係わる高周波C
Tの部分破断面を含む構造配置図である。この第6の実
施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に対し、鉄心
磁路2の全周に絶縁物を介して一次巻線回路の商用周波
電流を配慮したサイズと巻回数で均一に分布巻きした補
助巻線14を設け、この補助巻線14はその巻始め端お
よび巻終り端をボルトナット形端子15に接続し、一
方、二次巻線4は、補助巻線14の巻きピッチ間に集中
して補助巻線14と同じ巻回数を巻回したものである。
その他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と同一で
あるので、同一要素のは同一符号を付し重複する説明は
省略する。
【0050】図6において、鉄心磁路2の全周に均一に
絶縁物を介して補助巻線14を一次巻線回路を形成する
三相電源ケーブル1の商用周波電流を配慮したサイズと
巻回数で分布巻きし、補助巻線14の巻始めおよび巻終
り端をボルトナット形端子15に接続し、補助巻線14
の巻きピッチ間に集中して二次巻線4を巻回する。ま
た、二次巻線4の巻始めおよび巻終り端はコネクタ端子
6に接続する。
【0051】一次巻線回路となる三相電源ケーブル1の
商用周波電流、例えば一線地絡電流を想定し配慮して補
助巻線14を配置する。すなわち、巻線用導体サイズと
巻回数とを選択した補助巻線14を、鉄心磁路2の全周
に均一に分布巻きし、補助巻線14の巻きピッチ間に集
中して二次巻線4を巻回する。
【0052】このように、一次巻線回路を形成する三相
電源ケーブル1の商用周波電流を配慮した巻線用導体サ
イズと巻回数の補助巻線14を、鉄心磁路2の全周に均
一に分布巻きしたため、三相平衡を乱す商用周波電流、
例えば、一線地絡電流などが一次巻線回路に発生した場
合に、補助巻線14へ優先的に分流させる。
【0053】一方、微小な部分放電電流の変成を想定し
た導体サイズの二次巻線4への分流を阻止するため、補
助巻線14や二次巻線4の負担回路に設けた制御装置に
よる切替え、例えば、二次巻線4の出力中の商用周波成
分量が二次巻線4の導体の連続通電・許容電流を越える
のを検出して二次巻線2の回路を開路し、補助巻線14
の回路に予め構成したおいた計測装置や制御装置に接続
するなどを行わせる。
【0054】これにより、二次巻線4への大電流による
温度上昇および巻線や絶縁物の焼損などを防止できる。
すなわち、補助巻線14に接続された計測装置や制御装
置により、例えば、一線地絡について、発生相や地絡点
までの距離等を割り出す等に活用できる。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、二
次巻線が配置されるコネクタ端子周辺の樹脂成形部に孔
状部や凹状部を形成したので、接続やその外しなどが容
易に行えるようになり作業や取り扱いの簡素化が図れ
る。また、コネクタ端子の外部からの外力による破損を
防止できる。
【0056】また、部分放電量の検出や変成用の二次巻
線と一次巻線回路の各相との相互配置関係を樹脂成形部
外観からも特定でき、三相電源ケーブルとの距離を調整
したり操作することなどにより、部分放電発生相との距
離変化と二次巻線の出力変化の相関性を活用して、部分
放電発生相の判別を簡易的に高精度に行え易くできる。
【0057】また、補助巻線の配置、その導体サイズや
巻回数を適宜選択することにより、試験作業や保守メン
テナンスおよび巻線損傷防止、計測装置や制御装置の検
出にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる高周波CT
の部分破断面を含む構造配置図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係わる高周波CT
の部分破断面を含む構造配置図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係わる高周波CT
の部分破断面を含む構造配置図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係わる高周波CT
の部分破断面を含む構造配置図。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係わる高周波CT
の部分破断面を含む構造配置図。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係わる高周波CT
の部分破断面を含む構造配置図。
【図7】高調波CTによる部分放電の検出原理の説明
図。
【符号の説明】
1…三相電源ケーブル、2…鉄心磁路、3…貫通穴、4
…二次巻線、5…樹脂成形部、6…コネクタ端子、7…
孔状部、8…凹部、9…直線形状部、10…凹部、11
…長方形板、12…補助巻線、13…コネクタ端子、1
4…補助巻線、15…ボルトナット形端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水俣 智子 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 5E081 AA05 AA11 AA16 BB03 CC07 CC11 DD02 DD05 DD11 DD13 DD14 EE03 EE14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線回路となる三相電源ケーブルを
    貫通した鉄心磁路と、前記鉄心磁路の一部に絶縁物を介
    して集中して巻回された二次巻線と、前記鉄心磁路およ
    び前記二次巻線を樹脂で包囲して前記三相電源ケーブル
    が貫通する部分に円形状の貫通穴を形成した樹脂成形部
    と、前記貫通穴の中心から前記二次巻線の取付位置への
    線上で前記二次巻線に近接した外周側に配置され前記二
    次巻線の巻始め端および巻終り端を接続するコネクタ端
    子と、前記樹脂成形部の前記コネクタ端子の配置位置に
    形成され前記コネクタ端子を収納する孔状部とを備えた
    ことを特徴とする高周波CT。
  2. 【請求項2】 前記貫通穴の円周上を3等分する各々の
    位置に前記三相電源ケーブルを係止する凹部を設け、前
    記二次巻線は、前記貫通穴の中心からいずれか1個の凹
    部への線に対して角度が0度〜60度の範囲の位置に配
    置されたことを特徴とする請求項1項に記載の高周波C
    T。
  3. 【請求項3】 前記貫通穴の円周上を3等分する各々の
    位置に前記三相電源ケーブルを係止する凹部を設け、前
    記二次巻線は、前記貫通穴の中心からいずれか1個の凹
    部への線に対して、1個はその角度が0度〜60度の範
    囲の位置に配置され、もう1個はその角度が60度〜1
    20度の範囲の位置に配置されたことを特徴とする請求
    項1項に記載の高周波CT。
  4. 【請求項4】 前記樹脂成形部の断面形状を円形状に形
    成し、前記樹脂成形部の鉛直方向と前記貫通穴の中心か
    ら前記二次巻線の取付位置への線との角度で定まる取付
    角度範囲の形状は、前記円形状の樹脂成形部の接線に沿
    って直線形状としたことを特徴とする請求項1に記載の
    高周波CT。
  5. 【請求項5】 前記鉄心磁路の全周に絶縁物を介して均
    一に分布巻きした補助巻線を設け、前記補助巻線はその
    巻始め端および巻終り端をコネクタ端子に接続し、前記
    二次巻線は、前記補助巻線の巻きピッチ間に集中して前
    記補助巻線と同じ巻回数を巻回したことを特徴とする請
    求項1に記載の高周波CT。
  6. 【請求項6】 前記鉄心磁路の全周に絶縁物を介して一
    次巻線回路の商用周波電流を配慮したサイズと巻回数で
    均一に分布巻きした補助巻線を設け、前記補助巻線はそ
    の巻始め端および巻終り端をボルトナット形端子に接続
    し、前記二次巻線は、前記補助巻線の巻きピッチ間に集
    中して前記補助巻線と同じ巻回数を巻回したことを特徴
    とする請求項1に記載の高周波CT。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107863242A (zh) * 2017-12-07 2018-03-30 绵阳伟成科技有限公司 一种稳定的电流三相互感器

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CN107863242A (zh) * 2017-12-07 2018-03-30 绵阳伟成科技有限公司 一种稳定的电流三相互感器

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