JP2002042576A - アルミ撚線の圧縮接続部付近に於ける過熱断線の未然検知方法 - Google Patents
アルミ撚線の圧縮接続部付近に於ける過熱断線の未然検知方法Info
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Abstract
個々のアルミ素線の過熱を効率よく確実に検知する方法
を提供する。 【解決手段】アルミ撚線1とこれに接続される分岐線2
にアルミ圧縮管3を被せて一体に圧縮接続したアルミ圧
縮管3の一端部付近のアルミ撚線1の外周に、低融点素
材から成る検知バンド11を巻く。アルミ撚線1の最外
層の素線4が過熱すると、検知バンド11が溶断するか
ら、これを契機としてアルミ撚線1の過熱を検知する。
検知バンド11は、最外層の多数の素線4に接触し、個
々の素線4の過熱を監視できる。検知バンド11のアル
ミ撚線1上への取付位置は、素線4の温度上昇が集中的
に生じやすいアルミ圧縮管3の一端部から5cm乃至10
cm離れた位置が適当である。検知バンド11は、融点7
0゜C乃至150゜Cの合成樹脂製とする。
Description
供給用に架設されているき電線等の電線として多く用い
られているアルミ撚線の圧縮接続部における過熱断線を
未然に検知する方法に関する。
の電線との接続が、アルミ圧縮管を用いた圧縮接続であ
る場合に、この接続部の近傍位置で、断線事故が度々生
じている。これは、圧縮接続部に生じる電気抵抗による
熱で、アルミ撚線が溶断されることが原因であると考え
られてきた。このような断線事故を未然に防ぐために、
アルミ圧縮管の表面に、温度を表示する示温ラベルを貼
付し、その不可逆的な色の変化を定期的に点検すること
が行われている。
管の過熱を伴わない場合でも、アルミ圧縮管の近傍位置
の一部の外層アルミ素線の過熱、破断が引き金となって
アルミ撚線全体の破断に進行するプロセスの存在を本発
明者らが確認した。このような断線事故を未然に防止す
るため、一部の外層素線の過熱を検知する必要が生じ
る。ところが、アルミ撚線の圧縮接続部付近の電気抵抗
による温度上昇は、素線毎に異なって生じ、かつ、どの
素線が最も高温となるかは偶発的であるため、個々の素
線の過熱を効率よく検知する必要がある。従って、本発
明は、事前に素線を特定することが困難なアルミ撚線の
圧縮接続部付近の電気抵抗による個々のアルミ素線の過
熱を効率よく確実に検知する方法を提供することを目的
としている。
ミ撚線1とこれに接続される分岐線2のような他の電線
とにアルミ圧縮管3を被せて一体に圧縮接続した圧縮接
続部付近における過熱断線を未然に検知するため、アル
ミ圧縮管3の少なくとも一端部付近のアルミ撚線1の外
周に低融点素材から成る検知バンド11を巻き、アルミ
撚線1の素線4の過熱による検知バンド11の溶断を契
機としてアルミ撚線1の過熱を検知する方法を採用す
る。検知バンド11は、多数の素線4に接触し、個々の
素線4の過熱を監視できる。検知バンド11のアルミ撚
線1上への取付位置は、素線4の温度上昇が集中的に生
じやすいアルミ圧縮管3の一端部から5cm乃至10cm離
れた位置が適当である。検知バンド11は、融点70゜
C乃至150゜Cの合成樹脂製とし、これが接触する何
れかの素線4の過熱によって確実に溶断するようにす
る。具体的には、検知バンド11の溶断によるアルミ撚
線1からの脱落を目視で確認することにより、あるい
は、検知バンド11の溶断で電気信号を生じさせ、この
電気信号により、アルミ撚線1の断線を未然に検知す
る。
態を説明する。図1はアルミ撚線と分岐線との圧縮接続
部を示す概略的正面図、図2は図1におけるII−II拡大
断面図である。
と、分岐線2とをアルミ圧縮管3で一体に圧縮接続した
接続部が示してある。発明者らは、これまでの研究によ
って、アルミ撚線の断線が、アルミ圧縮管3の端部から
数センチメートル程度離れた位置で生じやすいとされて
いたアルミ撚線の断線プロセスが、以下のようであると
の知見を得た。
最外層を経て、アルミ圧縮管3を通り、分岐線2へ流れ
るものと考えられるが、各部材の劣化とともに、アルミ
撚線1の最外層と、アルミ圧縮管3との間の電気抵抗
(接触抵抗)に、アルミ素線4毎に差が生じる。そし
て、抵抗の比較的低い素線4aの電流密度が高まり、当
該素線4aがジュール熱で過熱して破断する。この場
合、アルミ撚線1の電流は、アルミ圧縮管3に近づくに
従って内層から外層寄りに移転し、最外層の素線4の電
流密度(発熱量)がアルミ圧縮管3の直近で最大になる
が、アルミ圧縮管3の直近では、熱容量の大きなアルミ
圧縮管3に熱が吸収されて温度上昇が抑制される現象が
伴うために、結果として、アルミ圧縮管3の端部から数
センチメートル程度離れた位置における温度上昇が最大
となり易く、ここで素線4の過熱破断が生じやすい。そ
して、個々の素線4の破断プロセスの繰り返しにより、
破断本数が増加し、これに振動、動揺による繰り返し応
力と張力の作用が加わって、アルミ圧縮管の端部から数
センチメートル程度離れた位置でアルミ撚線1全体の断
線が発生する。
部から数センチメートル程度離れた位置での一部のアル
ミ素線4の異常過熱を検知することにより、断線プロセ
スを初期段階で検知し、アルミ撚線1全体の破断を未然
に防止することに想到した。本発明においては、アルミ
素線4の異常過熱を、アルミ撚線1の外周に巻いた検知
バンド11の溶断により検知する。即ち、最外層の何れ
かの素線4の温度が、検知バンド11の素材の融点を超
えた時点でバンド11が溶断されることを利用するもの
ある。検知バンド11の巻き止め位置は、アルミ圧縮管
3の端部から5cm乃至10cm離れた位置が最適である。
Cの温度で破断が生じ、また150゜C以上の温度で
は、時間とともに機械的強度が弱まっていくことから、
検知バンド11の素材として、融点70゜C乃至150
゜C程度の樹脂を選定すれば、熱によってアルミ素線4
の機械的強度が損なわれる前に、検知バンド11が破断
する。この破断現象により、過熱を事前に検知すること
ができる。素線4aの過熱により溶断された検知バンド
11は、重力により架空アルミ撚線1から離脱して落下
するから、点検時にこれを目視により確認して対応する
ことができる。
保持させ、落下に連動して機構部を動作させて旗などの
目印を飛び出させ、視認性を高めることができる。ま
た、検知バンド11に導電性塗料を塗布するなどして電
気的導通を得ておき、破断時にこの導通を絶って警報装
置に動作信号を発するようにする等、検知バンド11の
破断を電気信号発生の契機として電気的に自動警報する
ように構成することもできる。
るものではなく、例えば、これをアルミ撚線同士の圧縮
接続部にも適用することができるし、アルミ撚線の用途
は電車線路用のみでなく一般電力用であってもよい。
ミ撚線1とこれに接続される分岐線2のような他の電線
とにアルミ圧縮管3を被せて一体に圧縮接続したアルミ
圧縮管3の少なくとも一端部付近のアルミ撚線1の外周
に、低融点素材から成る検知バンド11を巻き、アルミ
撚線1の素線4の過熱による検知バンド11の溶断を契
機として、アルミ撚線1の過熱を検知する方法を採用し
たため、最外層の多数の素線4に接触する検知バンド1
1で、個々の素線4の過熱を効果的に確実に監視し、安
全を確保することができるという効果を有する。
的正面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミ撚線とこれに接続される他の電線
とにアルミ圧縮管を被せて一体に圧縮接続した圧縮接続
部付近における過熱断線を未然に検知するための方法で
あって、 前記アルミ圧縮管の少なくとも一端部付近の前記アルミ
撚線の外周に低融点素材から成る検知バンドを巻き、ア
ルミ撚線の素線の過熱による検知バンドの溶断を契機と
してアルミ撚線の過熱を検知することを特徴とする方
法。 - 【請求項2】 前記検知バンドを前記アルミ圧縮管の少
なくとも一端部から5cm乃至10cm離れた位置の前記ア
ルミ撚線の外周に巻くことを特徴とする請求項1に記載
の方法。 - 【請求項3】 前記検知バンドが、融点70゜C乃至1
50゜Cの合成樹脂製であることを特徴とする請求項1
に記載の方法。 - 【請求項4】 前記検知バンドの溶断による前記アルミ
撚線からの脱落を目視で確認することによりアルミ撚線
の断線を未然に検知することを特徴とする請求項1に記
載の方法。 - 【請求項5】 前記検知バンドの溶断により電気信号を
生じさせ、この電気信号によりアルミ撚線の断線を未然
に検知することを特徴とする請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000223432A JP3954780B2 (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | アルミ撚線の圧縮接続部付近に於ける過熱断線の未然検知方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP3954780B2 JP3954780B2 (ja) | 2007-08-08 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101819834A (zh) * | 2010-04-14 | 2010-09-01 | 珠海汉胜科技股份有限公司 | 超柔馈线的内导体制造工艺 |
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- 2000-07-25 JP JP2000223432A patent/JP3954780B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN101819834A (zh) * | 2010-04-14 | 2010-09-01 | 珠海汉胜科技股份有限公司 | 超柔馈线的内导体制造工艺 |
CN101819834B (zh) * | 2010-04-14 | 2012-05-30 | 珠海汉胜科技股份有限公司 | 超柔馈线的内导体制造工艺 |
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