JP2002040224A - レジストパターンの形成方法およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

レジストパターンの形成方法およびカラーフィルタの製造方法

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JP2002040224A
JP2002040224A JP2000225077A JP2000225077A JP2002040224A JP 2002040224 A JP2002040224 A JP 2002040224A JP 2000225077 A JP2000225077 A JP 2000225077A JP 2000225077 A JP2000225077 A JP 2000225077A JP 2002040224 A JP2002040224 A JP 2002040224A
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Hiroshi Aida
洋 合田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトマスクの精度やアライメント精度が、
形成されるレジストパターンの位置精度に影響しないレ
ジストパターンの形成方法、およびそのレジストパター
ンの形成方法を用いたカラーフィルタの製造方法を提供
する。 【解決手段】 基板を用意する工程と、基板上に、酸発
生剤を含む化学増幅型レジストを用いて、レジスト層を
形成する工程と、レジスト層の少なくとも一部の領域を
露光し、レジスト層の露光された領域の酸発生剤を分解
することによって、レジスト層中に酸を生成させる工程
と、レジスト層中に生成された酸の一部を、選択的に所
定のパターンに従って失活させることによって、レジス
ト層に、酸が残存する領域と、酸を実質的に含まない領
域とを形成する工程と、酸が残存する領域の化学増幅型
レジストを反応させる工程と、酸が残存する領域と酸を
実質的に含まない領域との化学増幅型レジストの溶解性
の違いを利用して、レジスト層を現像する工程とを包含
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジストパターン
の形成方法およびカラーフィルタの製造方法に関し、特
に、カラー表示装置のブラックマトリクスの形成方法と
して好適に用いられるレジストパターンの形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置などの表示装置は、画素間
から漏れる光を遮光するためのブラックマトリクス(遮
光格子)を有している。カラー液晶表示装置において
は、典型的には、R,G、Bの着色層を有するカラーフ
ィルタにブラックマトリクスが形成される。画素間から
漏れる光は、表示品位を低下させるので、光学濃度の高
い(すなわち、遮光能の高い)ブラックマトリクスが望
まれている。また、近年、液晶表示装置の高性能化に伴
い、ブラックマトリクスに対する要求性能も厳しくなっ
てきている。特に、液晶表示装置の高精細化に伴い、高
解像度で形成できるブラックマトリクスが求められてい
る。さらに、液晶表示装置の低価格化が進み、安価に製
造できるブラックマトリクスが望まれている。
【0003】従来、ブラックマトリクスは、クロム(C
r)層を用いて形成されていたが、製造プロセスが煩雑
で、且つ、クロム層からの反射によって、視認性が低下
するという問題があった。そのため、最近では、樹脂材
料に黒色顔料(例えばカーボンブラックなど)を分散混
合した材料を用いて形成される、いわゆる、樹脂ブラッ
クマトリクスが主流となっている。
【0004】ブラックマトリクスを形成する樹脂材料と
しては、一般に、ネガ型レジスト(光硬化性樹脂:典型
的にはラジカル重合型)が用いられている。従って、光
学濃度の高いブラックマトリクスを形成するために、黒
色顔料の含有率を高めると、レジストを十分に重合(硬
化)できないという問題が発生する。
【0005】特開平8−262422号公報および特開
平9−61615号公報は、ブラックマトリクスを形成
する樹脂材料として化学増幅型レジストを用いることに
よって、レジストの感度を向上すれば、従来より高い光
学濃度を有するブラックマトリクスを、従来よりも低露
光量で、高解像度で形成できることを開示している。こ
れらの公報に開示されているカラーフィルタの製造方法
において、着色層は、顔料を分散させたネガ型レジスト
をガラス基板上に塗布し、R、GおよびBについて、フ
ォトリソグラフィ法によるマスク露光及び熱硬化をそれ
ぞれ3回繰返す分散法によって形成されている。
【0006】カラーフィルタの着色層の他の形成方法と
して、R、GおよびBの3原色のインクをガラス基板上
に印刷する印刷法、基板上に形成したゼラチン膜を所定
のパターンのレジストマスクを介して、R、GおよびB
の各色に染色する染色法、電着ポリマーと顔料と分散さ
せた材料を、基板上に形成された電極を利用して電着す
る電着法、界面活性剤と顔料とを分散させた材料を、基
板上に形成された電極上に析出させるミセル電解法が知
られている。
【0007】上記の着色層の形成方法のうち、印刷法
は、生産性が比較的高い反面、着色層を高解像度で形成
することが困難である。また、分散法や染色法で形成さ
れる着色層の位置精度は、直接的または間接的に、フォ
トリソグラフィ工程で用いるフォトマスクのパターン精
度や、フォトマスクのアライメント精度の影響を受ける
のに対し、電着法(例えば、特開昭59−90818号
公報)やミセル電解法(例えば、特開昭63−2432
98号公報、特開平3−102302号公報、特開平4
−841804号公報参照)は、電極に対して自己整合
的に着色層を形成できるという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平8−262422号公報および特開平9−616
15号公報に開示されているブラックマトリクスの形成
方法には、以下の問題がある。
【0009】まず、特開平8−262422号公報に開
示されているように、基板上に着色層を形成した後、着
色層をマスクにして化学増幅型レジストを基板裏面から
露光する方法を採用すると、着色層に対して自己整合的
にブラックマトリクスを形成することができるが、遮光
性材料から形成されている構成要素(例えば、TFT)
上に、ブラックマトリクスを形成することが出来ない。
【0010】一方、特開平9−61615号公報に開示
されているように、フォトマスクを用いて化学増幅型レ
ジストを露光すると、任意の位置にブラックマトリクス
を形成することができるが、フォトマスクのパターン精
度や、フォトマスクのアライメント精度の影響を受ける
ので、解像度に限界がある。
【0011】この問題を図4および図5を参照しなが
ら、さらに詳しく説明する。以下では、本発明による実
施形態のカラーフィルタの製造方法と対比するために、
予め基板上に形成された電極の間にブラックマトリクス
を形成する場合を例(比較例)に説明する。
【0012】図4は、比較例のカラーフィルタ40を模
式的に示す平面図であり、図5は、カラーフィルタ40
の模式的な断面図である。図5は、図4のB−B’線に
沿った断面図に相当する。
【0013】カラーフィルタ40は、基板41と、基板
41上に形成された電極42aと、隣接する電極42a
間の間隙42bを少なくとも覆うように形成されたブラ
ックマトリクス44と、ブラックマトリクス44の間
(開口部)に形成された着色層46とを有している。な
お、本明細書においては、複数の電極42aと、隣接す
る電極42a間の間隙42bとをあわせて電極層42と
称することにする。図4および図5からわかるように、
従来のカラーフィルタ40のブラックマトリクス44
は、電極42aの間だけでなく、電極42aの端部を覆
うように形成されている。これは以下の理由による。
【0014】ブラックマトリクスを形成するためフォト
マスクを基板に対してアライメントする際に、アライメ
ントの誤差(フォトマスクのパターンの精度は無視す
る。)によって、フォトマスクのパターンと電極との間
に隙間が生じ、ブラックマトリクスと着色層との間に間
隙が生じることになる。
【0015】従って、これを防止するためには、ブラッ
クマトリクス44の幅(電極42aの配列方向に平行)
Sは、アライメントマージンを見込んで設定する必要が
ある。さらに、電極42aのパターニング精度を考慮す
ると、ブラックマトリクス44の幅Sは、図5に示した
ように、電極42aのパターニング限界値(a)+電極
層の製造時におけるオーバーエッチング量の最大許容値
(b)×2+ブラックマトリクスのアライメントマージ
ン(c)×2の寸法より小さくすることができないこと
になる。
【0016】このような理由から、図5に示したよう
に、複数の電極42a間の間隙42bの幅(ここでは
a)よりも、ブラックマトリクス44は太い幅を有する
ように形成される。このときのブラックマトリクス44
の幅Sの値は、一般にカラーフィルタの製造で行われて
いるプロキシミティ露光とウェットエッチングを組み合
わせて用いれば、約15〜約20μmが限界である。但
し、高精細なステッパ露光とドライエッチングとを組み
合わせて用いれば、約5〜約10μmまで可能である。
しかしながら、これらの設備は処理能力が低い上に比較
的高価であるため、生産性が悪く、製造原価が高くなり
過ぎるという問題がある。
【0017】ブラックマトリクスを例に上述したよう
に、従来のレジストパターンは、レジスト層に露光部と
未露光部とを形成し、これらのパターンに従って形成さ
れている。従って、従来の方法でレジストパターンを形
成するためには、フォトマスクが必要であり、且つ、レ
ジストパターンの精度および解像度は、フォトマスクの
パターン精度およびアライメント精度に依存している。
【0018】レジストパターンは、上述のブラックマト
リクスに限らず、液晶表示装置や半導体装置などの製造
工程で必要とされる微細なパターンの形成に用いられて
おり、同様の問題を有している。
【0019】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その主な目的は、フォトマスクのパタ
ーン精度やアライメント精度が、形成されるレジストパ
ターンの位置精度に影響しないレジストパターンの形成
方法およびそのようなレジストパターンの形成方法を用
いたカラーフィルタの製造方法を提供することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のレジストパター
ンの形成方法は、基板を用意する工程と、前記基板上
に、酸発生剤を含む化学増幅型レジストを用いて、レジ
スト層を形成する工程と、前記レジスト層の少なくとも
一部の領域を露光し、前記酸発生剤を分解することによ
って、前記露光された領域の前記レジスト層中に酸を生
成させる工程と、前記レジスト層中に生成された酸の一
部を、所定のパターンに従って選択的に失活させること
によって、前記レジスト層に、酸が残存する領域と、酸
を実質的に含まない領域とを形成する工程と、前記酸が
残存する領域の前記化学増幅型レジストを選択的に反応
させる工程と、反応した化学増幅型レジストと未反応の
化学増幅型レジストの溶解性の違いを利用して、前記レ
ジスト層を現像する工程とを包含し、そのことによって
上記目的が達成される。
【0021】前記基板上に、所定のパターンを有する電
極層を形成する工程をさらに包含し、前記レジスト層は
前記電極層を覆うように形成され、前記レジスト層中に
生成された酸の一部は、前記電極層から供給される電子
によって、所定のパターンに従って選択的に失活させら
れるようにすることが好ましい。
【0022】前記レジスト層は、全面が露光され、前記
レジスト層の全体に亘って酸が生成されてもよい。
【0023】前記電極層は、所定の間隔をあけて形成さ
れた複数の電極を有し、前記レジスト層中に生成された
酸のうち、前記複数の電極上の領域の前記レジスト中に
存在する酸が選択的に失活させられるようにしてもよ
い。
【0024】前記化学増幅型レジストとして、黒色顔料
をさらに含むネガ型レジストを用い、前記複数の電極の
間に黒色のレジストパターンを選択的に形成するように
してもよい。
【0025】本発明のカラーフィルタの製造方法は、基
板と、前記基板上に形成された複数の電極を有する電極
層と、前記複数の電極の間に形成された黒色レジストパ
ターンと、前記電極層上に形成された着色層とを有する
カラーフィルタの製造方法であって、基板上に、所定の
間隔をあけて形成された複数の電極を有する電極層を形
成する工程と、酸発生剤と黒色顔料とを含むネガ型化学
増幅型レジストを用いて、前記電極層を覆うようにレジ
スト層を形成する工程と、前記電極層上の領域の前記レ
ジスト層を露光し、前記酸発生剤を分解することによっ
て、前記レジスト層中に酸を生成させる工程と、前記複
数の電極上の前記レジスト層中に生成された酸を、前記
複数の電極から供給される電子によって選択的に失活さ
せ、前記複数の電極間に酸が残存する領域を形成する工
程と、前記酸が残存する領域の前記化学増幅型レジスト
を選択的に反応させる工程と、反応した化学増幅型レジ
ストと未反応の化学増幅型レジストの溶解性の違いを利
用して、前記レジスト層を現像する工程と、前記複数の
電極上に、電着法またはミセル電解法を用いて着色層を
形成する工程とを包含し、そのことによって上記目的が
達成される。
【0026】以下、本発明の作用を説明する。
【0027】本発明のレジストパターンの形成方法は、
露光によってレジスト層中に生成された酸を所定のパタ
ーンに従って失活させ、酸が残存する領域と酸を実質的
に含まない領域とを形成し、これらの領域が形成するパ
ターンに従ってレジストパターンを形成する。酸を実質
的に含まない領域は、露光によって生成された酸が失活
された領域と、未露光領域(酸が生成されていない領
域)とを含み得る。レジスト層の露光は、酸を残存させ
る領域を含むように実行されればよく、形成すべきレジ
ストパターンに対応する位置精度で露光部を形成する必
要がない。すなわち、フォトマスクの精度やアライメン
ト精度は、形成されるレジストパターンの位置精度に影
響しない。勿論、フォトマスクの使用を省略することも
できる。
【0028】レジスト層中に生成された酸の失活は、例
えば、電極層からレジスト層に電子を供給することによ
って実行され得る。この方法を採用すると、電極層(電
極と電極間の間隙を含む)のパターンに対して自己整合
的なパターンを有する領域にのみ酸が残存するようにで
きる。従って、この方法で形成されたレジストパターン
は、電極層のパターンに対して自己整合的に形成される
ので、フォトマスクの精度やアライメント精度の影響を
受けることなく、高い精度で形成され得る。
【0029】例えば、フォトマスクを用いた従来の方法
で、電極間の間隙にレジストパターンを形成するために
は、フォトマスクのアライメントマージンを考慮して、
電極間の間隙よりも広いパターンを形成する必要がある
のに対し、本発明の方法を用いると、ネガ型化学増幅型
レジスト層中に生成した酸を電極を用いて選択的に失活
させることによって、電極間の間隙に自己整合的にレジ
ストパターンを形成することができる。もちろん、フォ
トマスクを用いずにレジスト層を全面露光しても、電極
パターンに対して自己整合的なレジストパターンを形成
することができる。
【0030】従って、レジストとして黒色顔料を含むネ
ガ型化学増幅型レジストを用いて、電極間の間隙にレジ
ストパターンを形成する方法は、例えば、液晶表示装置
のカラーフィルタ(ブラックマトリクス)の形成に好適
に用いられる。さらに、単純マトリクス型液晶表示装置
等のストライプ状表示電極に対して、自己整合的にブラ
ックマトリクスを形成することができる。
【0031】また、カラーフィルタの着色層の形成に、
電着法やミセル電解法を採用し、上記の本発明によるブ
ラックマトリクスの形成方法とを組み合わせて用いる
と、着色層およびブラックマトリクスの両方を電極に対
して自己整合的に形成することができる。従って、必要
な領域にのみ選択的に、着色層およびブラックマトリク
スが形成されるので、高解像度を有するカラーフィルタ
を製造することができる。特に、本発明によるカラーフ
ィルタの製造方法は、高精細な液晶表示装置向けのカラ
ーフィルタに好適に適用され、その表示品位を向上する
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施
形態に限定されない。
【0033】図1(a)〜(e)を参照しながら本実施
形態によるレジストパターンの形成方法を説明する。図
1は、本実施形態によるレジストパターンの形成工程に
おける断面構造を模式的に示す図である。
【0034】なお、本実施形態では、酸を失活させるた
めに電極を用い、レジストパターンを電極間に形成す
る。レジスト層を形成する材料としてネガ型化学増幅型
レジストを用いる。
【0035】まず、図1(a)に示したように、所定の
パターンに形成された電極層12を有する基板(例えば
ガラス基板)11を用意する。電極層12は、複数の電
極12aと、隣接する電極12a間に間隙12bとを有
している。電極12aは、例えばストライプ状に形成さ
れる。
【0036】この基板11上に、電極層12を覆うよう
に、感光性酸発生剤を含む化学増幅型レジストを用い
て、レジスト層13を形成する。ネガ型化学増幅型レジ
ストは、アルカリ可溶性樹脂、アルカリ可溶性樹脂を架
橋させる架橋剤、および架橋反応を触媒する酸を露光に
より生成する感光性酸発生剤を含有する。
【0037】次に、図1(b)に示したように、レジス
ト層13を露光し、レジスト層13の露光された領域の
感光性酸発生剤を分解することによって、レジスト層1
3中に酸を生成させる。このとき、レジスト層13の全
面を露光しても良いが、少なくともレジストパターンを
形成する領域(この場合、間隙12b)を含む領域を露
光すればよい。
【0038】次に、図1(c)に示したように、電極1
2aから電子を供給することによって、レジスト層13
中に生成された酸のうち、電極12a上に位置するレジ
スト層13中の酸を選択的に失活させる。その結果、レ
ジスト層13に、酸が残存する領域(間隙12bに対応
する領域)と、酸を実質的に含まない領域(電極12a
に対応する領域)とが形成される。
【0039】次に、例えば、レジスト層13を加熱する
と、酸が残存する領域の化学増幅型レジストが酸による
触媒作用を受けた架橋剤により架橋反応し、図1(d)
に示したように、間隙12bに対応する領域のレジスト
層13aが、他の領域(電極12aに対応する領域)の
レジスト層13bと異なる溶解性を示すようになる。レ
ジスト層13aは、架橋反応により現像液に対する溶解
度が低下し、レジスト層13bの溶解度は低下しない。
【0040】この後、レジスト層13を現像すると、レ
ジスト層13aとレジスト層13bとの現像液(例え
ば、アルカリ水溶液)に対する溶解性の違いによって、
図(e)に示したように、架橋反応したレジスト層13
aだけが残り、レジストパターン14が得られる。
【0041】本実施形態のレジストパターンの形成に使
用されるネガ型化学増幅型レジストは、例えば、アルカ
リ可溶性樹脂と感光性酸発生剤と架橋剤とをそれぞれ含
有する組成物である。具体的には、アルカリ可溶性樹脂
としてクレゾールノボラック樹脂、感光性酸発生剤とし
てキノンジアジド化合物、架橋剤としてメラミン誘導体
を含有する組成物(例えば、特開平9−61615号公
報参照)などが挙げられる。また、これらの化学増幅型
レジストに適量の黒色顔料(例えばカーボンブラック)
を添加することによって、ブラックマトリクスの形成に
好適に用いられる黒色化学増幅型レジストが調製され
る。
【0042】本実施形態では、ネガ型化学増幅型レジス
トを使用する例を説明しているが、勿論これに限定され
ず、ポジ型化学増幅型レジストも用途に応じて使用可能
である。ただし、ポジ型化学増幅型レジストを使用した
場合、酸が残存した領域のレジストが、酸による触媒作
用を受けて分解され、現像液に対する溶解度が増大す
る。従って、酸を実質的に含まない領域がレジストパタ
ーンを形成する。このことを利用して、例えば、図1
(c)に示した工程において、電極12a間に電圧を印
加することによって、それぞれの間隙12bに位置する
レジスト層中の酸を失活させれば、間隙12bにレジス
トパターンを形成することができる。ポジ型化学増幅型
レジストとしては、PEK−101(住友化学製)など
が挙げられる。
【0043】また、レジスト層13中の酸を失活させる
方法は、電極層12から負電荷(電子)を供与する方法
に限定されない。例えば、電極層12の電極の代わりに
水素よりもイオン化傾向の高い物質(錫、マグネシウ
ム、亜鉛、アルミニウムなど)を含む層を用いることも
できる。また、求核剤(トリエチルアミン、ピリジンな
ど)を含む層(例えばゼラチン質の材料)などを用い
て、プロトンに電子を供与する、あるいはプロトンを捕
捉することによって酸を失活させることも可能である。
【0044】上述したような本発明のレジストパターン
の形成方法では、予め所定のパターンに形成された電極
層12から負電荷(電子)を与えて酸を失活させること
によりレジストパターン14を形成するので、図1
(e)に示したように、レジストパターン14は電極層
12のパターンに従って自己整合的に形成される。この
ため、図5参照しながら説明したマージンを考慮する必
要がないので、高精細なレジストパターンを形成するこ
とができる。さらに、所定のパターンが形成されたフォ
トマスクやそのアライメントを必要としないので、レジ
ストパターンの形成のプロセスを簡略化でき、安価にレ
ジストパターンを形成することができる。
【0045】次に、図2を参照しながら、本発明のレジ
ストパターン形成方法を用いたカラーフィルタの製造方
法の実施形態を説明する。
【0046】図2に本実施形態によるブラックマトリク
スが形成されたカラーフィルタの上面図を示す。図2の
A−A’線に沿った断面図は、図1(e)に相当する。
【0047】本実施形態におけるブラックマトリクス
は、上述したレジストパターンの形成方法によって形成
されるので、以下、再度図1を参照しながらレジストパ
ターン14をブラックマトリクス14と置き換えて、ブ
ラックマトリクスの形成方法を具体的に説明する。
【0048】まず、基板(例えばガラス基板)11上に
電極層12(電極12aおよび間隙12bを含む)を形
成する。電極12aは、例えばITO(インジウム錫酸
化物)を用いて、間隙12bを間に有するストライプ状
に形成する。ストライプ状の電極12aは、赤色層15
R、緑色層15G、青色層15Bがそれぞれの画素列に
対応するように形成されている。このとき、後の工程に
て形成されるブラックマトリクス14が、電極層12の
パターンに自己整合的に(間隙12bに対応するよう
に)形成されるので、TFTを遮光するための遮光部2
1が形成されるように、電極12aを所定の形状にして
おく(図2参照)。
【0049】次いで、アルカリ可溶性樹脂としてクレゾ
ールノボラック樹脂、感光性酸発生剤としてキノンジア
ジド化合物、架橋剤としてメラミン誘導体を含有するネ
ガ型化学増幅型レジストに適量のカーボンブラックを添
加することによって得られた黒色化学増幅型レジスト
を、電極層12を有する基板11上に、例えばスピンコ
ートする。その後、減圧乾燥し、さらにホットプレート
上で80℃、2分間プリベークすることにより、図1
(a)に示したようなレジスト層13を形成する。
【0050】次に、図1(b)に示したように、レジス
ト層13の全面に100mJ/cm 2の照射エネルギー
で露光を行う。この露光によって、キノンジアジド化合
物が分解し、酸を発生する。
【0051】次いで、電極12aに対して、−0.01
〜−100Vの電圧を1〜600秒間印加することによ
って、図1(c)に示したように、電極12a上に位置
するレジスト層13中の酸を選択的に失活させる。この
電圧の印加は、例えば、直流電源を用いて実行され得、
レジスト層13を露光しながら実行してもよい。
【0052】続いて、ホットプレート上で約100℃、
約3分間の熱処理を行うことによって、図1(d)に示
したように、間隙12bに対応する領域のレジスト層1
3aの黒色化学増幅型レジストを反応させる。
【0053】ひきつづき、無機アルカリ現像液を用いて
レジスト層13を現像し、純水リンスした後、クリーン
オーブンで約200℃、約60分間熱処理し、後硬化さ
せることによって、図1(e)に示すようにブラックマ
トリクス14を形成する。
【0054】この後、公知のミセル電解法(上述した公
報参照)により、着色層15R,15G,15Bそれぞ
れを対応する電極12a上に形成することによって、図
2に示したようなカラーフィルタ20が得られる。
【0055】着色層は、例えば、以下のようにして形成
される。
【0056】まず、水性媒体を入れた電解槽を用意す
る。この中にフェロセン誘導体を含むミセル化剤、支持
電解質、および着色剤を添加して十分に攪拌することに
より、着色剤を内部に取り込んだミセルを形成する。ブ
ラックマトリクス14が形成された基板11を、電解槽
に浸し、電極12aを陽極として電解処理を行う。電圧
は、赤色層15R、緑色層15G、青色層15Bのそれ
ぞれを形成する電極12aに選択的に印加する。この電
解処理により、ミセルは、それぞれの電極12aに引き
寄せられ、電極12a上でミセル中のフェロセン誘導体
が電子を失うことにより崩壊する。このとき内部の着色
剤が電極12a上に析出して着色層15が形成される。
上述の工程を、赤色層15R、緑色層15G、青色層1
5Bのそれぞれについて行うことによって着色層15が
完成する。この後、必要に応じて、保護層を設けてもよ
い。
【0057】本実施形態によるカラーフィルタの製造方
法は、図1(a)〜(e)に示したように、予め所定の
パターンに形成された電極層12から負電荷(電子)を
与えて酸を失活させることによりブラックマトリクス1
4を形成するので、ブラックマトリクス14は電極層1
2のパターンに従って自己整合的に形成される。このた
め、設計上のマージンが不要となるので、高精細なブラ
ックマトリクスを形成することができる。さらに、着色
層15もミセル電解法を用いて電極層12に対して自己
整合的に形成されているので、高精細なカラーフィルタ
が製造される。さらに、ブラックマトリクスや着色層の
形成に、所定のパターンが形成されたフォトマスクやそ
のアライメントを必要としないので、製造プロセスを簡
略化でき、安価にカラーフィルタを製造することができ
る。
【0058】本発明は、カラーフィルタの製造に限定さ
れるものではなく、所定のパターンに形成された画素電
極を有するTFT基板上に直接ブラックマトリクスを形
成する場合に適用することができる。
【0059】例えば、図3に示したように、TFT基板
30の基板31上に形成されたTFT32をオン状態に
して、信号配線(ソース電極)35を介して画素電極3
3から、黒色化学増幅型レジスト層(不図示)に電子を
与え、酸を選択的に失活させることによって、画素電極
33に開口部34aを有するブラックマトリクス34を
形成することもできる。
【0060】
【発明の効果】本発明のレジストパターンの形成方法に
よれば、レジスト層の露光は、酸を残存させる領域を含
むように実行されればよく、レジストパターンに対応す
る位置精度で露光部を形成する必要がない。すなわち、
フォトマスクの精度やアライメント精度は、形成される
レジストパターンの位置精度に影響しない。さらに、フ
ォトマスクの使用を省略することもできる。このため、
レジストパターンの形成のプロセスを簡略化できる。
【0061】また、カラーフィルタの着色層を形成する
方法として、電着法やミセル電解法を採用し、上記の本
発明によるブラックマトリクスの形成方法とを組み合わ
せて用いると、高精細なカラーフィルタを製造すること
ができる。
【0062】また、本発明はレジストパターンの形成の
プロセスを簡略化でき、且つ、安価に高精細なレジスト
パターンを形成することができるので、種々の電子機器
の製造コストの削減にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の実施形態によるレ
ジストパターンの形成工程における断面構造を模式的に
示す図である。
【図2】本発明の実施形態によるブラックマトリクスが
形成されたカラーフィルタの上面図である。
【図3】本発明の実施形態によるブラックマトリクスが
形成されたTFT基板の断面図である。
【図4】比較例のカラーフィルタ40を模式的に示す平
面図である。
【図5】比較例のカラーフィルタ40の模式的な断面図
であり、図4のB−B’線に沿った断面図に相当する。
【符号の説明】
11、31、41 基板 12、42 電極層 12a、42a 電極 12b、42b 電極間の間隙 13 レジスト層 13a 反応したレジスト層 13b 未反応のレジスト層 14、34、44 レジストパターン(ブラックマトリ
クス) 15 着色層 20、40 カラーフィルタ 21 TFT遮光部 30 TFT基板 32 TFT 33 画素電極 34a ブラックマトリクスの開口部 35 信号配線(ソース電極)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 568 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB13 AC01 AD01 BE00 CB29 CB52 CC12 CC20 FA03 FA12 FA17 2H042 AA09 AA15 AA26 2H048 BA11 BA62 BB14 BB24 BB43 2H096 AA28 BA01 BA20 EA02 FA10 GA08 JA03 5F046 AA28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を用意する工程と、 前記基板上に、酸発生剤を含む化学増幅型レジストを用
    いて、レジスト層を形成する工程と、 前記レジスト層の少なくとも一部の領域を露光し、前記
    酸発生剤を分解することによって、前記露光された領域
    の前記レジスト層中に酸を生成させる工程と、 前記レジスト層中に生成された酸の一部を、所定のパタ
    ーンに従って選択的に失活させることによって、前記レ
    ジスト層に、酸が残存する領域と、酸を実質的に含まな
    い領域とを形成する工程と、 前記酸が残存する領域の前記化学増幅型レジストを選択
    的に反応させる工程と、 反応した化学増幅型レジストと未反応の化学増幅型レジ
    ストの溶解性の違いを利用して、前記レジスト層を現像
    する工程と、を包含する、レジストパターンの形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記基板上に、所定のパターンを有する
    電極層を形成する工程をさらに包含し、前記レジスト層
    は前記電極層を覆うように形成され、前記レジスト層中
    に生成された酸の一部は、前記電極層から供給される電
    子によって、所定のパターンに従って選択的に失活させ
    られる、請求項1に記載のレジストパターンの形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記レジスト層は、全面が露光され、前
    記レジスト層の全体に亘って酸が生成される、請求項2
    に記載のレジストパターンの形成方法。
  4. 【請求項4】 前記電極層は、所定の間隔をあけて形成
    された複数の電極を有し、前記レジスト層中に生成され
    た酸のうち、前記複数の電極上の領域の前記レジスト中
    に存在する酸が選択的に失活させられる、請求項2また
    は3に記載のレジストパターンの形成方法。
  5. 【請求項5】 前記化学増幅型レジストとして、黒色顔
    料をさらに含むネガ型レジストを用い、前記複数の電極
    の間に黒色のレジストパターンを選択的に形成する、請
    求項4に記載のレジストパターンの形成方法。
  6. 【請求項6】 基板と、前記基板上に形成された複数の
    電極を有する電極層と、前記複数の電極の間に形成され
    た黒色レジストパターンと、前記電極層上に形成された
    着色層とを有するカラーフィルタの製造方法であって、 基板上に、所定の間隔をあけて形成された複数の電極を
    有する電極層を形成する工程と、 酸発生剤と黒色顔料とを含むネガ型化学増幅型レジスト
    を用いて、前記電極層を覆うようにレジスト層を形成す
    る工程と、 前記電極層上の領域の前記レジスト層を露光し、前記酸
    発生剤を分解することによって、前記レジスト層中に酸
    を生成させる工程と、 前記複数の電極上の前記レジスト層中に生成された酸
    を、前記複数の電極から供給される電子によって選択的
    に失活させ、前記複数の電極間に酸が残存する領域を形
    成する工程と、 前記酸が残存する領域の前記化学増幅型レジストを選択
    的に反応させる工程と、 反応した化学増幅型レジストと未反応の化学増幅型レジ
    ストの溶解性の違いを利用して、前記レジスト層を現像
    する工程と、 前記複数の電極上に、電着法またはミセル電解法を用い
    て着色層を形成する工程と、を包含する、カラーフィル
    タの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006156424A (ja) * 2004-10-25 2006-06-15 Sharp Corp 露光方法および露光装置
JP2011215597A (ja) * 2010-03-15 2011-10-27 Jsr Corp 感放射線性組成物、絶縁膜の形成方法、絶縁膜及び固体撮像素子
KR101131776B1 (ko) 2004-10-15 2012-04-06 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 다리식 이동 로봇의 보용 생성장치

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