JP2002035130A - 脳の活性方法及び装置 - Google Patents

脳の活性方法及び装置

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JP2002035130A
JP2002035130A JP2001103985A JP2001103985A JP2002035130A JP 2002035130 A JP2002035130 A JP 2002035130A JP 2001103985 A JP2001103985 A JP 2001103985A JP 2001103985 A JP2001103985 A JP 2001103985A JP 2002035130 A JP2002035130 A JP 2002035130A
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勉 亀井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 薬物投与や免疫療法によらずに、しかも非侵
襲的で極めて簡単な方法によって、免疫監視能、殊に1
個あたりのNK細胞の活性を増強させる方法及び装置を
提供する。また、精神活動時の集中力を増強させ持続さ
せる方法及び装置を提供する。 【解決手段】 使用者の頭頂部、側頭部、後頭部から選
択される部位を含む頭部に、例えば他の光を遮蔽した状
態で、0.5〜13Hzの周波数を持つパルス光を照射す
る。より好ましくは、光の周波数として、使用者の脳波
を測定して得たα波帯域の代表値或いはそれに近い値波
数を採用する。目を遮蔽しておくと、NK細胞活性値が
確実に増強される。本発明装置は、使用者の頭部に着脱
自在に装着する装着具に、α波領域の周波数の光を被験
者の頭部に照射する発光部と、脳波測定用電極と、パル
ス光周波数を調整する手段とを組み込んで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非侵襲的に免疫監
視能を増強させる方法、及びこの方法を具現化させるた
めの光照射用具に関するものである。より詳しくは、頭
部に所定周波数の光を照射することにより免疫監視能を
増強させ、併せて、集中力を増強させる方法及び装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞性免疫特にNK細胞活性は、精神的
・身体的ストレスにより容易に低下すること、及びその
低下が腫瘍発生の大きな要因になっていることが以前か
ら知られている。しかし、これを上昇させるための有効
な手段は極めて限られている。例えば、NK細胞の活性
化は、薬物(例えばpoly 1:C)や遺伝子工学的技術によ
り生産可能となったサイトカイン(インターロイキン2
等)の投与により促されるが、長期にわたる大量の投与
はその薬物等に耐性を生じるし、薬物の場合は副作用も
無視できない。
【0003】現在のところα波とNK細胞活性などの免
疫監視能との関連は解明されていないが、精神的・身体
的ストレスが少ないか或いは全く無い場合には脳波中の
α波が多くなると言う事実に基づいて、α波が増えれば
ストレスが解消されるとして、各種の試みがなされてい
る。
【0004】例えば、従来からリラクセーションや催眠
を目的として、α波領域の周波数の音を聞かせたり、α
波領域の周波数のパルス光を目に当てたりすることが行
われている。人間の脳からは、種々な波長の微弱な電流
が発生している。中でも、α波と言われる周波数が8〜
13Hzの脳波は、リラッスク状態(relaxation)の時に
多く発生するので、この周波数の刺激を与えるとリラッ
クスした状態が誘導される、と言う理論に基づく。たし
かに、座禅など精神的作用や光など体外からの刺激でα
波が増えることは事実である。またα波は、意識を集中
している時にも多く発生しているが、その時の周波数
(10Hz前後或いはそれ以上)はリラックス状態(9Hz
台或いはそれ以下)のときよりも幾分高目である。尚、
活動時や興奮時にはβ波(14〜30Hz)が、睡眠中は
θ波(4〜7Hz)が、また昏睡時や深い睡眠中はδ波
(0.4〜4Hz)が同様に多くなると言われている。
【0005】α波刺激手段としては、従来から種々なも
のが提供されている。最も簡単なものは、α波領域の音
を録音したテープやCDの音を聞かせるものである。ま
た光刺激としては、例えば日本国特許第1150057
号や米国特許第4315502号のように、眼鏡やゴー
グルのレンズの周囲にランプを設け、パルス信号発生器
からランプ点灯信号をランプに出力するタイプのものが
多い。このように、閉じた目にパルス光を照射すると、
視覚の経路を通じて後頭葉視覚野を中心に脳波がそのパ
ルス光の周波数に同調する現象が生じるが、この反応を
光駆動反応と言う。更に、例えば特開平03−4453
8に示すように、使用者の頭部両側部にα波に相当する
低周波電流を流す技術も提案されている。
【0006】更に、使用者の脳波を測定して、α波の代
表値と同じかそれに近い値の周波数の刺激を与える技術
が開発されている。例えば、特開平03−70572公
報には、ヘッドバンドの顔面位置に使用者の眼前を覆う
遮光板を設け、この遮光板の内側に発光部を設けるとと
もに、脳波用電極で測定した脳波信号に基づいてそのα
波と同じ周波数の発光信号を発光部に送る脳波誘導用ゴ
ーグルが記載されている。このゴーグルは、瞼を閉じて
リラックスした状態で光を目に当てて使用するものであ
る。この技術は光フィードバックと名付けられるもの
で、使用者自身を閉ループ内に取り込んだ一種の生体回
路が形成され、その引き込み作用により目的とするα波
が強力且つ速やかに誘導され、使用者を速やかにリラッ
クス状態に引き込む効果がある。この技術は、米国特許
第5241967公報(日本国特許公開公報平成02−
168932、他2件)として公開されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、光駆動の場
合には、いかに瞼を閉じていようと、パルス光が目に当
たる。従って、使用者によっては、その刺激のために完
全なリラックス状態にならず、α波が増加しない場合も
見られる。この問題は、光フィードバックの技術を用い
ても解決しない。しかも光駆動の場合、目が塞がれてい
ることが決定的な短所になる場合がある。即ち、α波は
催眠やリラクセーション以外に、意欲や集中力を高める
作用も有している。集中力が高まれば、読書や勉学、研
究或いは文筆活動などの精神活動の能率が高まるが、目
が塞がれていればこれらの作業を行なうことは不可能で
ある。
【0008】同様に、α波領域の音も読書や勉学或いは
思考などの妨げになる。しかも単調な音のため、使用者
によっては逆にイライラがつのる可能性もある。一方、
低周波を脳に流すことは脳波そのものを乱すことであ
り、例え微弱電流であっても危険であり、医師の指導下
で行なうことが望まれる。従って、個人が簡単に使用す
るわけにはいかない。
【0009】そこで本発明者は、これらの問題を解決す
べく鋭意研究を行なった結果、以下の如き成果を得た。
即ち、パルス光を被験者の目ではなく、それよりも上方
の頭部に照射してみたところ、頭部から導出される脳波
のα波成分が増加する現象が見られた。そして、極めて
良好なリラックス状態が得られ、集中力も高まった。頭
部は、意欲、意思、言語、の中枢であり、α波特に10
Hz前後或いはそれ以上のα波の増加によってこの中枢が
活性化されたためと思われる。しかも驚くべきことに、
パルス光照射中及びその後暫くの間、被験者の免疫活性
(NK細胞活性値)が上昇する現象が確認された。かか
る現象は、いままで全く知られていなかったものであ
り、本発明者によって初めてその存在が明らかにされた
ものである。
【0010】更に、発明者は前頭部のみならず、頭頂部
や側頭部など頭部の他の部位においても前頭部と同等又
はそれに近い効果が得られると推測し、本発明の完成に
至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、この現象
確認の為の実験の結果を踏まえて完成されたものであ
る。また本発明の光照射用具は、この方法を具現化する
ための手段として完成されたものである。以下、本発明
を実験を通じて詳細に説明する。
【0012】本発明方法は、被験者の頭部にパルス光、
特にα波領域の波長のパルス光を照射することによっ
て、被験者の免疫監視能と集中力を増強するものであ
る。ここに免疫監視能とは、例えば悪性細胞(ガン細
胞)のような、体細胞突然変異によって生じ新しい抗原
を含む新たに出現した異常細胞を認識したり、それに対
して反応(即ち急速な破壊)したりする免疫系の監視機
能を言う。そして、この監視に与かる細胞には、マクロ
ファージ、B細胞、キラーT細胞、NK細胞などがあ
る。
【0013】中でも、NK細胞(natural killer細胞)
は、人の出生時より抗原の感作を必要とすることなくウ
イルス感染細胞やガン細胞を認識してそれらに傷害活性
を与える細胞で、発ガン防止などのための免疫監視にお
いて最も重要な役割を果たす細胞である。また、癌化し
た細胞が発生病巣から血行性・リンパ行性に播種する、
所謂転移における播種局所での防衛細胞としても位置付
けられている。従って、このNK細胞の活性が向上する
ことは、癌の予防や治療において極めて重要なものであ
る。この点において、頭部へのα波域の光の照射は極め
て重要な意義をもつと言える。
【0014】NK細胞活性は、ウイルスやBCG投与に
より増強され、またインターフェロンやインターロイキ
ン2等によって上昇することがわかっている。本発明方
法の場合、薬物投与によらずNK細胞活性が増強される
ので、薬物による副作用の心配が全く無い。尚、頭部へ
のパルス光照射によって、カテコーラミン3分画(アド
レナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)の内ノルア
ドレナリンの低下が見られたが、アドレナリン、ドーパ
ミン及びβ−エンドルフィンは変化が見られなかった。
またパルス光照射時には被験者の気分の悪化もみられ
ず、これらの範囲において、頭部へのパルス光照射によ
る副作用の心配はない。
【0015】尚本発明において頭部とは、目よりも上の
部分を言う。頭部にパルス光を照射した場合にNK細胞
活性の増強が生起される機序は、現在のところ不明であ
る。しかし、前頭部に松果体の感覚器官が存在している
と言われており、これを通じて松果体を刺激している可
能性が大きい。但し、現在のところその感覚器官の位置
は不明である。
【0016】本発明においてパルス光とは、光源例えば
LEDにパルス電流を流したときに発生するような、一
定周期の断続光のことを言う。電気の分野でパルスと
は、正弦波以外の波形の電圧や電流のことを言い、一般
的には方形波を意味する。そして、波の立ち上がりから
次の波の立ち上がりまでの時間を周期(T)といい、周
期の逆数f=1/Tを繰り返し周波数と言う。本発明で
言うパルス光の周波数は、この繰り返し周波数のことで
ある。本発明のパルス光には、ストロボ光も含まれる。
また、太陽光や一般の照明光を断続的に遮断したものも
含まれる。このようなパルス光を頭部に照射すること
も、一種の光刺激となる。更に、本発明においては、ビ
ームスプリッタ等を用いて、パルス光と連続光とを合成
した光を使用することもできる。このような合成光を用
いることは、当該光が使用者の目に容易に入射する状
況、すなわち、部屋の照明等を光源として用いるような
場合に特に有効である。要するに、本発明においては、
パルス光を含む所定の光を頭頂部、側頭部、後頭部のい
ずれかを含む頭部に照射するものである。
【0017】本発明方法の場合、目に光が照射されるの
を排除するものではない。光を目と頭部の両方に照射し
た場合にも、NK細胞活性の増強傾向が見られる。但
し、理由は明らかでないが、目のみにパルス光を照射し
た場合にはNK細胞活性の増強について有意差のある結
果は得られず、使用者によっては低下の傾向さえ見られ
た。これに対し、目を隠蔽して頭部にパルス光を照射し
た場合、NK細胞の活性は有意な増強を示した。従っ
て、NK細胞活性の増強が目的の場合には目は隠蔽して
おく方が好ましい。α波については、上記の目にパルス
光を照射する2つのケースにおいて、特に後頭部におい
て大幅な増加及び振幅の増幅が見られた。これに対し、
目を隠蔽した場合には頭部に於けるα波の割合が増加し
たに止まる。
【0018】本発明における光の照射は、頭部に照射さ
れるものであれば、その方法は問わない。例えば、発光
部を取り付けた装着具を使用者の頭部に装着させてもよ
いし、パルス光源を持つ電気スタンドの近くに頭部をの
ぞませてもよい。或いは、太陽光や照明光を断続的に遮
断するシャッターを備えた装着具を頭部に装着し、パル
ス状にした太陽光や照明光を頭部に照射させるようにし
てもよい。パルス光の照射は、頭部に他の光が全く或い
はあまり当たらない状態で且つ安静にして行なうことが
望ましい。
【0019】パルス光の周波数は、0.5Hz〜13Hzであ
り、より好ましくはα波の領域である8〜13Hzであ
る。14〜30Hzはβ波の領域であり、興奮状態になる
ので好ましくない。8Hz以下のθ波やδ波の領域の周波
数の場合、免疫監視能の増強や集中力の増強効果はα波
ほどではないが認められ、周波数が大きいほど効果も大
きい。但し、使用者の脳波の周波数とに差があると、増
強効果が出ないばかりか逆に低下させるおそれもある。
好ましいことは、使用者の脳波を測定して得たα波の代
表値或いはそれに近い周波数のパルス光を照射すること
である。周波数の選定は、手動で行なうタイプでもよ
い。最も好ましいのは、パルス光の照射中において、使
用者の脳波信号を脳波誘導装置に導き、該装置によりα
波領域の信号成分を取り出してその代表値を求め、該代
表値或いはそれに近い周波数の値を照射信号としてフィ
ードバックさせることである。このようにしておけば、
睡眠中に本発明方法を実施する場合、就寝時のα波領域
から睡眠中のθ波領域まで次第に周波数を減少させるこ
とができ、使用者に生理的な軋轢を与えずに済む利点が
ある。
【0020】パルス光の光源として、本発明ではLED
を使用したが、これは小型軽量で使用し易いためであ
り、特にこれに限定されることはない。面発光体やタン
グステンランプその他の可視光線や赤外線を放射する人
工光源が何れも使用できる。明るさは30〜50ルック
スで十分な効果が得られた。また、太陽光や照明光を利
用することもできる。この場合、太陽光や照明光を断続
的に遮断するシャッターを備えた装着具を頭部に装着し
て、パルス状にした太陽光や照明光を頭部に照射させる
ようにする。
【0021】以下、実験方法及びその結果について、説
明する。 〔実験A〕 (実験装置)メンタルリラクセーションを目的に開発さ
れた光フィードバック装置(以下、PFB装置と言う、
RELACTIVE 1:パイオニア社製)を用いて以下の要領で
行なった。この装置は、被験者が座る安楽椅子と、被験
者の頭部に装着されるバンド電極(前頭部の両側位置に
2つの電極を固定)、被験者の眼部を照射する光源(6
60nmの赤色LED)、被験者から導出された脳波か
ら中心周波数10.0Hzのバンドパスフィルターによりα
波成分を取り出し、その周波数と振幅の大きさに応じて
リアルタイムにパルス光の周波数と振幅を制御する制御
部から構成されている。このように、パルス光の周波数
を制御することを、光フィードバック(PFB)と言
う。また、帽子型電極(16個の電極を固定したもの)
を備えた日本電気三栄社製の多チャンネル生体アンプ
(バイオトップ6R12−4)と、フューテックエレク
トロニクス社製のα波バイオフィードバック装置(FM
515:音信号をカットして使用)で脳波を測定した。
帽子型電極は、1回目と21回目にのみ使用し、他はバ
ンド電極を使用した(実験A(a))。
【0022】(実験方法及び結果) 実験A(a) 精神的・身体的にストレスを受けていないと思われる時
期にある男性の健常者13名を対象に、安静状態(安楽
椅子座位姿勢:傾斜角30〜45度)で、眼部に光に対
する遮蔽を施さずに実験を行なった。パルス光の照度
は、30ルックス程度である(眼部から10cm程度離
した状態)。実験の手順は、図1(a)に示すように、
20分間のパルス光を眼前から照射するPFBを合計2
1回実施して毎回脳波を測定し、主にα波成分の脳波の
変化を調べた。また、1回目と21回目に帽子型電極を
装着させて実験し、採血を行なって免疫監視能の変化を
調べた。この実験A(a)では、帽子型電極またはバン
ド電極の何れかを装着したので、前頭部は上半分が遮蔽
された状態となっており、前頭部へのパルス光の照射量
は低い。
【0023】21回目のPFB実施直前の普通の閉眼安
静時に比べて、PFB実施時の場合、後頭部(O2)に
おいて各被験者で出現した10.0±0.5Hzの周波数帯域
にある脳波の実効振幅は、増加の傾向が見られたが有意
には変化しなかった。他のチャンネル間で比較してもほ
ぼ同様の傾向が見られた。しかし、NK細胞活性値(E
/T比20:1で測定)は、21回目のPFBの前後で
13名中6名が上昇、7名が低下し、その直後の普通の
閉眼安静でのみ上昇の傾向が見られた(図1b)。特
に、採血Dと採血Eでは、統計的な危険率pがp<0.10
であった。
【0024】実験A(b) 精神的・身体的にストレスを受けていないと思われる時
期にある男性の健常者8名を対象に、実験A(a)と同
様の実験を行なった。実験A(a)との違いは、帽子型
電極やバンド電極を用いずに16個の皿型電極を用い、
前頭部特に額の部分を避けて電極を取り付けたこと、及
びパルス光が被験者の前頭部を主として照射するよう
に、光源の向きを変えたことである。実験の手順は実験
A(a)(図1(a))と同じであるが、採血Aは省略
した。
【0025】21回目のPFB実施直前の普通の閉眼安
静時に比べて、PFB実施時では各チャンネルにおい
て、各被験者で出現したα波成分の脳波の平均値±0.5
Hzの周波数帯域にある脳波の実効振幅は有意に増加して
いた。これをチャンネル間で比較すると、前頭部と後頭
部に比べて頭頂部や側頭部で増加傾向は強かった。ま
た、NK細胞活性値は図2(a)に示すように、21回
目のPFBの前後で8名中5名が上昇、3名が低下し、
PFBを挟む普通の閉眼安静(いずれも20分間)の前
後で上昇の傾向があったが、有意ではなかった。尚、図
2(b)は、図2(a)の各人の値の平均とそのバラツ
キ(標準偏差)の範囲を示すが、全体として、各採血時
におけるNK細胞活性は上昇する傾向にあることがわか
る。
【0026】実験A(a)、(b)を通じて、本発明者
は漠然とではあるが、前頭部にα波程度の周波数を持つ
パルス光を照射すると、NK細胞活性が上昇するのでは
と言う期待を抱いた。但し、眼部へのパルス光の照射
は、NK細胞活性の変動のバラツキが非常に大きく、場
合によっては逆効果になるおそれがある。これは、被験
者によっては、眼部へのパルス光刺激をストレスと感じ
ることによるものと推察される。そこで、眼部を遮蔽し
て、以下の実験B、及び実験C(一部は遮蔽せず)を行
なった。 〔実験B〕 (実験装置)実験Aに用いた光フィードバック装置(RE
LACTIVE 1:パイオニア社製)を、一部改造して使用し
た。改造は、光源の照度を50ルックス(10cm程度
離れた場合)と大きくし、さらに照射部位が前頭部の中
心になるように光源の取付の向きを変更した。また、帽
子型電極を用いず、皿型電極を16個用いた。他の装置
は、実験Aと同じ装置をそのまま使用した。 (実験方法)精神的・身体的にストレスを受けていない
と思われる時期にある男性の健常者7名を対象に、実験
Aと同様の実験を行なった。実験A(a)との違いは、
(1)アイマスクで眼部を遮蔽したこと、(2)帽子型
電極を用いずに16個の皿型電極を用い、前頭部特に額
の部分を避けて電極を取り付けたこと、(3)パルス光
が被験者の前頭部を主として照射するように、光源の向
きを調整したことである。前頭部には、皿型電極を額の
右側部(こめかみ寄り:Fp2)に1個装着した。実験
の手順は、図3(a)(1・2回目のPFB)、図3
(b)(21・22回目のPFB)に示すように、全て
1回15分で実施した。そして、1・2回目と21・2
2回目では、約5分間の閉眼安静に続いて、15分間の
普通の閉眼安静期を設定し、その後に上記方法で1度目
のPFB(15分間)を行い、さらに15分の普通の閉
眼安静期を設けた。更に、2度目のPFB(15分間)
を行なって、再び15分間の普通の閉眼安静期を設定し
た。21・22回目のPFB実施時の採血は、予め留置
針を肘正中皮静脈に刺入して、実験中の採血を無痛的に
行なえるようにしておいて実施した。尚、採血を含む1
・2回目と21・22回目の実験は、午前8時〜12時
の間のほぼ同じ時刻に、室温等の環境をできるだけ揃え
て実施した。NK細胞活性は、51Crを用いてE/T比
が50:1で測定した。 (実験の結果と考察)多チャンネル生体アンプにより、
1・2回目と21・22回目のPFB実施時のα波成分
の変化を調べたところ、優位な変化はなかった。しか
し、パイオニア社製のPFB装置本体にセットされた脳
波計にて前頭部右側(Fp2)で検出したα波成分の脳
波の標準偏差(SD)を開始後3分毎に9分間調べたと
ころ、1回目のPFB実施時では変化はなかったが、2
2回目のPFB実施時では、有意に減少していた(図
4)。
【0027】尚、図には示していないが、パルス光の周
波数を0.5Hzにして、同様に8回のパルス光を被験者の
前頭部に照射したところ、8回目のα波成分の脳波の標
準偏差(SD)は数分間はやや小さくなった。しかし、
効果はそう長くは続かず、値そのものも実験B(10Hz
前後)の結果と比較して平均して10〜15%ほど大き
く、全体としてα波成分の脳波の周波数はより分散して
いるのがわかった。また、同じLEDをパルス光とせず
連続して被験者の額を中心に実験Bと同様に照射したと
ころ、8回目の0.5Hzの場合と同じくらい小さくなった
が、やはり長くは続かないことがわかった。
【0028】また、被験者7名中2名では6回目のPF
Bで、1名では10〜12回目のPFBで、日常では見
られないようなα波成分脳波の振幅の大きな増高が、主
に光を当てている15分間に前頭部で出現していること
が、α波PFB装置で確認された。この3名のうち実験
中にアーチフェクトなく脳波を測定できた2名のデータ
を図5(a)及び図5(b)に示す。この2名について
のPFBを実施している15分間(開始3分後から18
分後まで)に前頭部で出たα2波(9〜11Hzのα波)
の振幅の平均値は、それぞれ49.6μV、42.0μV、
48.2μVであり、1回目のPFB実施前の普通の15
分間の閉眼安静時と比較すると、それぞれ3.53倍、4.
23倍、4.76倍にも至っていた。尚、通常人における
α2波の振幅の平均値は10μV前後である。
【0029】これらの結果は、この実験が全て眼部に当
たる光を遮蔽を施して実施したにもかかわらず、光駆動
反応と似た現象が光を当てた頭部の一部(この実験では
前頭部)に生じたことを示している。
【0030】尚、図5(a)の内上段の図表(i)は、
上記2人の内の1人の5つの周波数帯域(θ、α1
α2、α3、β)毎の優勢脳波出現グラフであり、下の目
盛りは経過時間、右の数字は各脳波成分が優勢であった
時間(秒)の合計を示す。尚、ARTについては測定し
ていない。中段の図表(ii)は、5つの周波数帯域の脳
波の振幅の推移を示すグラフ、下段の図表(iii)は図
表(ii)からパルス光照射時のもののみを取り出したグ
ラフである。また、表1(a)及び表1(b)は、5つ
の周波数帯域の各脳波のある時刻に於ける振幅値であ
る。この値の1/4が電圧(μV)となる。また表1
(c)は、図表(iii)における5つの周波数帯域の脳
波の振幅の最大値と平均値である。図5(b)、表2
(a)、表2(b)及び表2(c)は、他の1人のデー
タを示すものである。図4及び表1、表2中、θ波は4
〜6Hz、α1波は7〜8Hz、α2波は9〜11Hz、α3
は12〜13Hz、β波は17〜26Hzの周波数を持つ脳
波成分である。
【0031】今回は、アイマスクにより眼部に当たる光
を遮蔽をして閉眼状態でデータを取ったが、この新しく
見出された生理学的現象は、眼部に光を当てなければ、
開眼時において出現することが考えられる。α波の周波
数帯域で特にPFBの技法を用いて被験者本人に合った
周波数と輝度でパルス光刺激を前頭部に与えた場合に、
α波成分の脳波の飛躍的な賦活化が一定の確率で起こる
と言うことが今回示された。これにより、例えば目を開
けて勉学・仕事などの精神活動に打ち込み始めて集中力
がまだ続いている状態のタイミングで、本発明装置を引
き続き開眼状態で使用し始めた場合には、おそらく本人
のα波の賦活状態は、この装置を用いることにより比較
的容易に維持・存続されやすくなり、或いは更に増強さ
れうるものと考えられる。
【0032】一方NK細胞は、人の出生時より抗原の感
作を必要とすることなくウイルス感染細胞やガン細胞を
認識してそれに傷害活性を与える細胞で、発ガン防止な
どのための免疫監視において最も重要な免疫細胞であ
る。図6(a)は、1回目のPFB実施前と、21・2
2回目のPFB実施中及びその前後の閉眼安静時におけ
るNK細胞活性値(%)の変化を各人について示したグ
ラフである。図6(b)は、7名のNK細胞活性値の平
均値とバラツキ(標準偏差)を示す。また表3は、各段
階(A,B,C…,G間)における図6(b)の平均
値、自由度、t値、及びp値を数値で示したものであ
る。表3からわかるように、NK細胞活性値は、21・
22回目のPFBの直前に比べ、直後でp<0.005
の、さらにその後の15分後では、p<0.0001の有
意な増加となっている。
【0033】尚図示は省略するが、先に述べたα波測定
と同様に、周波数0.5Hzのパルス光照射で図3に準拠し
て2回の15分間のNK細胞活性の測定を行なった。そ
の結果、2回の15分間の照射の直前に比し照射後の1
5分後で、NK細胞活性値は半数の被験者では変化が見
られなかったが、半数の被験者では若干の上昇傾向(1
0%程度)がみられた。これは、上記実験に比べて照射
回数が少なく、しかも0.5Hzと言う極めて低い周波数で
の結果である。従って、照射回数を増やし、睡眠中に多
くなると言われているθ波(4〜8Hz)程度の周波数の
パルス光を照射すれば、より効果が期待できる。即ち、
睡眠中に使用者から発生するθ波ないしは低い方のα波
に相当する周波数を中心周波数としたパルス光をPFB
させれば、十分な効果が得られることが推察される。
【0034】ところで、今回得られたデータのように1
時間前後でNK細胞活性値の大きな上昇が得られる安全
な方法については、薬物の使用までも含めて今まで類例
がない。従って、本発明方法の実施、本発明装置の使用
は、発ガン防止やウイルス感染細胞の活動化の防止(例
えば、HIVの保菌者やヘルペスウイルス不顕性感染の
状態等において)に大きな貢献を果たすことが推測され
る。
【0035】また、図7のCD57x16++と図8の
CD57x16−+(特に後者)は、NK細胞の特異的
細胞表層マーカーの発現の量的な変化を示すとされてい
る。今回の実験では、両者とも増加又はその傾向が見ら
れるが、その有意水準を図6のNK細胞の活性値の場合
と比較すると、いずれもやや小さい事がわかる。従っ
て、本発明方法を繰り返し実施するたびに、NK細胞は
その1個当たりの活性値を増すものと考えられる。つま
り、NK細胞は質・量の両面において増強されることが
推定される。本発明方法・装置をこのように効果的に用
いることは、ガン細胞のようないわば「体内の排除すべ
き細胞」に対する免疫(細胞性免疫と呼ばれる免疫)の
反応を高めるための安全で有効性の高い方法として、臨
床・予防医学的に大きな意義を与えるものと思われる。
尚、表4は、各段階(A,B,C…,G間)における図
7の平均値、自由度、t値、及びp値を数値で示したも
の、表5は、各段階(A,B,C…,G間)における図
8の平均値、自由度、t値、及びp値を数値で示したも
のある。
【0036】上記の免疫系の検査に加えて、カテコーラ
ミン3分画(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパ
ミン)とβ−エンドルフィンも検査した(図は省略)。
このうち、ノルアドレナリンが1回目のPFB実施前に
比べ21・22回目のPFB実施前で有意な低下(P<
0.05)となっていた。従って、本発明方法の繰り返し
の実施により、血管平滑筋の弛緩・腸平滑筋の収縮が促
されて臓器を中心に血流が増加し、消化も良好になるこ
とが考えられ、ひいては生体の免疫監視上有利な環境が
得られる。また、高血圧症患者等にとっても、降圧作用
をもたらす可能性が考えられる。尚、他の3つの検査項
目については、PFBによる変動は見られなかった。 〔実験C〕 (実験装置)実験Bに用いた改良されたPFB装置を使
用して、同一人物について実験を行なった。 (実験方法)入院中の右視神経膠腫の16才の男性の患
者を対象に、術前と、術後で抗癌剤使用後のインターフ
ェロン療法の実施期間中に実験を行なった。実験方法
は、眼部の光に対する遮蔽を施さない場合と施した場合
について行なった。 (1)術前で眼部に光に対する遮蔽を施さない場合(実
験C−1)は、図9(a)(1・2回目)と図9(b)
(21・22回目)に示す手順通りに行なった。 (2)術後で眼部に光に対する遮蔽を施さない場合(実
験C−2)は、図10(a)(1・2回目)と図10
(b)(21・22回目)に示す手順通りに行なった。
また、(3)術後で眼部に光に対する遮蔽を施した場合
(実験C−3)は、図11に示す手順通りに行なった。
尚、実験C−3は、実験C−2に引き続いて行なったた
め、1・2回目のデータは無い。各実験とも、いずれも
22回ずつ15分間のPFBを実施し、1・2回目と2
1・22回目について、α波成分の脳波と免疫監視能
(NK細胞活性は、E/T比20:1にて測定)の変化
を調べた。 (実験の結果と考察)上記の3通りの実験について、こ
の順序で実施した。いずれも、22回ずつ15分間のP
FBを実施し、1・2回目と21・22回目のPFBに
ついて、α波バイオフィードバック装置(音信号を用い
ずに使用)で、測定される5つの脳波の帯域(θ:4〜
6Hz、α1:7〜8Hz、α2:9〜11Hz、α3:12〜
13Hz、β:17〜26Hz)の振幅とそれぞれの帯域が
優勢であった時間の割合を調べた。この5つの周波数帯
域のうち、この被験者でPFBにより最も賦活化され易
かったα3(12〜13Hz)について、3通りの実験に
おける各21・22回目のPFB実施時と、その前後の
15分間の普通の閉眼安静時の15分間ずつにおいて測
定・算出された振幅の平均値、及びその帯域が優勢であ
った時間の割合を調べた結果が、図12の各図の2本ず
つセットで示してある棒グラフにより示されている。ハ
ッチングを施した棒グラフは、出現したα3波(12〜
13Hz)の振幅の平均出力(μV)、白い棒グラフは、
前記した5つの帯域の脳波中、α3波が優勢であった時
間(秒)の割合(%)を示す。尚、図12(a)は実験
C−1、図12(b)は実験C−2、図12(c)は実
験C−3についてのものである。
【0037】これにみるように、PFB実施によるα3
の賦活化は、眼部の光に対する遮蔽をしなかった場合
(実験C−1、実験C−2)の方が、より明らかであっ
た。しかしながら、同時に測定したNK細胞活性値(各
図中の折れ線)は、実験−2では殆ど上昇せず、実験C
−1では2回のPFBにおいて上昇し、その後の15分
間の普通の閉眼安静にそのまま維持された。これに対
し、眼部の光に対する遮蔽を行なった実験C−3では、
α3の賦活化が見られた21回目のPFBとその後の1
5分間の普通の閉眼安静において明瞭な上昇が見られ
た。この被験者の実験C−2、実験C−3は、脳腫瘍術
後の抵癌剤使用後でインターフェロン療法も実施中とい
う、免疫に修飾を与える因子が多くある状況で行われた
ものであり、脳波とNK細胞活性ともにクリアなデータ
が必ずしもでるとは限らないことが予想されていた。し
かし、眼部に光に対する遮蔽を施した場合には、前記実
験B(及び実験C−1の場合でも一部で生じていると思
われる)と同様に光駆動反応と似た現象が光を当てた頭
部(この実験でも前頭部)に生じたと考えられる。
【0038】このように、担ガン患者において薬物投与
等で免疫学的にいわば特殊な状況下にある患者の場合で
も、本発明方法、装置を繰り返し使用(但し、このよう
な環境下の患者の場合は1回ずつの使用間隔を20〜3
0分以上離した方がよい可能性が考えられる)すること
により、リラクセーション効果とともに、ガン細胞に対
する免疫反応を極めて安全にして高めることができるも
のと考えられ、長期にわたる使用に治療方法としての効
果が期待される。 〔実験D〕 (実験装置)前記のPFB装置を改良し、右側頭部から
右前頭側頭部にかけてパルス光照射をすることのできる
装置を用いた。 (実験方法)被験者3名に対し、眼部をアイマスクで遮
光して暗室においてパルス光照射した。 (実験の結果と考察)各被験者で、15分間ずつのα波
パルス光照射を十数日間かけて合計25回行った。1−
23回までは、最初の3分間は非照射、次の15分間が
照射、次の12分間は非照射の、合計30分間の実験と
した。それぞれの8回目と23回目のα波の出現のしか
たを比較した結果を図13に示した。図13では、出現
したα波を3分間刻みでグラフ(縦軸が周波数、横軸が
振幅で、1秒毎の測定結果をドットで示している)にし
ており、各被験者(1)(2)(3)で出現したα波の
周波数の平均(F0 Ave.)と標準偏差(FO F
D)、及び振幅の平均(AMP Ave.)と標準偏差
(AMP SD.)を表1、表2、表3に示した。これ
らから、8回目に比べて23回目で、3名(1)(2)
(3)とも光照射を始めてから9分間(区間3−6と6
−9と9−12)はα波の周波数の標準偏差(FO D
S.)が小さくなっており(つまり、ばらつきが減って
おり)、振幅の平均値(AMP Ave.)は光照射前
の3分間からすでに大きいかだんだん大きくなってきて
いるのがわかる。つまり、光フィードバックの効果が眼
を介せず側頭部でも頭蓋骨を透過して生じることが確認
され、そのα波の振幅を増大させる効果は照射後におい
てもなお持続することが考えられる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】次に、図15−図19は、図14に示した
ように、24回目と25回目の照射は15分間として、
その前と間と後に15分間ずつの非照射の期間を設けて
実験を行った結果を示したものである。3名とも、24
回目よりも25回目(この実験では2回目の照射の方)
で、α2(9−11Hzのα波)の振幅と出現率が増して
いて、それが10−15分持続することが観察される。
図14に示した採血のタイムポイントでの採血によっ
て、24回目照射前と比較して、25回目照射後ないし
その15分間後で、NK細胞活性が上昇しているのがわ
かる。(図15) また、図16に示すように、NK細胞の数の指標とされ
ているCD57×CD16-*+絶対数はあまり上昇して
いないことから、このα波パルス光照射により1個あた
りのNK細胞の活性が増大したことがわかる。以上の結
果から、α波賦活化の効果が照射後も持続し、1個あた
りのNK細胞の活性を上昇させることが、側頭部への照
射の場合の特徴であると考えられる。 (頭部光照射用具)前述した各種実験の結果を基に、こ
の方法を具現化するための頭部光照射用具を開発した。
以下説明するように、本発明の頭部光照射用具の第一の
形態は、使用者の頭部に着脱自在に装着する装着具に、
使用者の頭頂部、側頭部或いは頭部全体にパルス光を照
射する発光部を取り付けたものである。この形態には、
装着具自体が発光器となるものも含まれる。また、パル
ス光周波数調整手段、脳波測定用電極、電源部や信号処
理などの制御部を含んで構成される。第二の形態は、頭
部装着具の代わりに机、椅子、ベッド等の家具類に載置
或いは固定される基台を用い、座位や仰臥位などで使用
するスタンドタイプの照明具であって、基台と発光部を
アームで連結したものである。パルス光周波数調整手段
などを備えることは、第一の形態の場合と同じである。
また第三の形態は、頭部装着具を備えることは第一の形
態のものと同じであるが、根本的に異なるのは、太陽光
や照明光をパルス光の光源として利用することである。
即ち、使用者の頭部を隠蔽する遮蔽具を装着具に取り付
け、入射光を断続的に遮断するシャッターを該遮蔽具の
前面開口部に設けたものである。パルス光周波数調整手
段などを備えることは、第一、第二の形態の場合と同じ
である。以下、主として第一の形態の前頭部光照射用具
について説明する。
【0043】装着具は、使用者の頭部或いは前頭部にし
っかり固定されるものであれば、その種類や構造は問わ
ない。鉢巻き型(ベルト型)、ヘッドホン型、帽子型
(ヘルメット型)などが考えられるが、使用者の頭部の
大きさに応じてしっかり固定できるような調整具を備え
ていることが望ましい。更に装着具には、粘着や吸着に
より頭部に取り付け可能な固着体も含まれる。
【0044】発光部は、光源とそれを組み込む発光器か
らなる。光源の種類に限定は無いが、消費電力を少なく
するためにはLED(発光ダイオード)などが好まし
い。光源としては、可視光や赤外光が利用できる。この
発光部は、装着具に直接固定してもよいし、アームや支
持板等を介して連結してもよい。また、装着具がヘルメ
ットや粘着式或いは吸着式固着体の場合には、装着具自
体が発光部或いは発光器の役目を果たすことがある。発
光器は、板状や皿状或いはお碗状(カップ状)の形状の
ものが使用できる。但し、光源から頭部まで距離がある
場合、板状や皿状の発光器では、光が散乱して眼部を照
射することもある。本発明の場合、眼部へのパルス光照
射を否定するものではない。しかし、目にパルス光が当
たると、前述したようにリラックス状態が妨げられやす
いし、ことに読書中など集中力を発揮したい場合には避
ける必要がある。そのため、板状や皿状の発光器を使用
する場合には、目に光が当たらないように眼部遮蔽板を
設けることが望ましい。お碗状の発光器の場合には、そ
の前縁部を、前頭部に密着或いは近接するように構成す
ることができる。また、明るい場所で本発明装置を使用
する場合、頭部に他の光が当たるのを防止するために頭
部を覆う遮蔽具を設けることが望ましいが、お碗状の発
光器の場合、この働きも同時に達成する利点がある。発
光器の形状は、特にお碗状のものにあっては、丸、横長
楕円形でもよい。
【0045】脳波測定用電極は、脳波用電極とアース用
電極の少なくとも2個が必要である。電極を組み込む位
置に限定はないが、特に脳波用電極の場合は、前頭部に
接触できるように設けると、より正確且つ容易に前頭部
におけるα波(又はα波とθ波)の発生状態をピックア
ップできる。この場合、光の照射を妨げない位置、例え
ば、頭頂部にパルス光を照射するケースではこめかみ或
いはその近傍に接触させるように設ける。アース用電極
は、通常耳たぶに取り付けて使用する。尚、脳波用電極
は本発明の頭部パルス光照射用具とは全く別個の脳波測
定器のものを使用することも可能である。この場合、装
着具への組み込みは不要となる。但し、脳波用電極を装
着具に組み込んでおけば、取扱や操作が簡単になるし、
特に照射用周波数を自己の発生しているα波(又はα波
とθ波、或いはθ波)の代表値と一致させる自動調整タ
イプのものにあっては、必須のものとなる。
【0046】この脳波測定用電極には、使用者の脳から
発生しているα波領域の周波数の代表値を表示する脳波
表示具が接続される。この脳波表示具は、使用者からピ
ックアップされたα領域の脳波のみをフィルター(例え
ば10Hzのバンドパスフィルター)で選別し、演算処理
によりその平均値や中央値、ピークの平均値、最大値等
の代表値を算出し、それを電子表示管等により目で見え
る形で表示(デジタル、アナログ)したり、音声で数値
を読み上げたりする。使用中に自己α波の平均値等が、
使用者が設定した周波数から、ある範囲以上逸脱(例え
ば0.5Hz前後)したら、警告音を発するようにしてもよ
い。脳波表示具は、装着具に直接組み込むと特に目で見
るタイプにあっては極めて使いづらいものとなる。そこ
で、本体(装着具)とは別体に構成し、有線、無線或い
は赤外線等で信号の遣り取りをするようにするとよい。
但し、音で表示するタイプにあっては、ヘッドホン型や
ヘルメット型の装着具の場合には本体へ組み込むことが
できる。この脳波表示具は、自動調整タイプの場合には
必須ではないが、使用時における自己α波の周波数を知
るために設けておいてもよい。
【0047】次に、光周波数調整手段について説明す
る。この調整手段は、自己α波の代表値と同一或いはそ
れに近い周波数の光を照射するためのもので、手動と自
動の場合はその構成が異なる。手動の場合、この周波数
調整具は、脳波表示具に示された自己α波の代表値或い
はそれに近い周波数を選択するためのボタンやダイアル
と、周波数を示す目盛りからなる。そして、目で見たり
耳で聞いた自己α波の代表値(例えば、0.1〜0.2Hz単
位で示される)に光周波数を合致させる。但し、この操
作を常に行なうと煩雑になるしリラクセーションや意識
集中の妨げになるので、数分〜数十分間隔で行なうよう
にするとよい。尚手動の光周波数調整手段の場合、これ
を本体(装着具)とは別体に構成すると、操作が容易且
つ正確に行なえる。この場合、前述した脳波表示具と一
体に構成し、同様に有線、無線、赤外光によって本体と
信号の遣り取りをするとよい。
【0048】自動調整の場合には、このような操作を電
気回路で行なうので、ボタンやダイアル、周波数を示す
目盛りなどの操作部は不要となる。この種の電気回路と
しては、脳波測定用電極でピックアップされた使用者の
脳波信号を増幅し、フィルターによってα波に相当する
8〜13Hzの信号成分のみを抽出してその代表値を求
め、それと同じまたは近傍の周波数でパルス光発射信号
を出すものであれば、その構成は問わない。尚、使用者
の脳波は、睡眠中にはα波(8〜13Hz)よりもθ波
(4〜8Hz)が優勢化する可能性が大きい。或いは低い
方のα波(8〜9Hz)とθ波が混在した脳波が出ている
可能性が大きい。そこで、光周波数調整手段、特に自動
調整の場合には、睡眠中のことも考慮して、θ波の帯域
或いはα波とθ波の帯域の信号を抽出して代表値を求め
ることができるようにしておくことが望ましい。また
は、透過周波数の異なる複数のバンドパスフィルターを
組み込んでおき、覚醒時と睡眠時で切り換えて使用する
ようにしてもよい。
【0049】そして、手動、自動の何れを問わず、発光
部はこのα波(又はα波とシータ波)の代表値に相当す
る光刺激信号により点滅し、使用者の前頭部にパルス光
を照射して刺激を与える。これにより、使用者の発生す
る脳波はこの周波数域に近い部分のものが多くなり、リ
ラックス状態や意識集中状態が良好に維持され、更に向
上する。尚、本発明の頭部パルス光照射用具は、リラッ
クス状態や集中状態をある程度(5〜20分間前後)続
けたのちに使用すると、スムーズな脳波誘導が行なわ
れ、気分を悪くするなどの弊害は生じない。尚、前述し
た実験結果からみると、10〜20分毎に照射と休止を
繰り返した場合、休止時にもNK細胞活性の上昇が見ら
れることがある。そこで、光の照射は一定時間連続して
行ってもよいが、照射と休止を適宜時間毎に繰り返すよ
うにしてもよい。この制御は、手動で或いはタイマー等
により自動的に行なわれる。
【0050】本発明の頭部光照射用具は、上記した構成
要素以外に、信号処理などの制御部と、該制御部や発光
部のための電源部が必要となる。これらは、本体(装着
具)に組み込んでもよいし、本体の軽量化のために、前
記した脳波表示具や周波数調整具と一体にしてもよい。
【0051】前述した頭部光照射用具は、それ自体を使
用者が頭部に装着して使用するものである。しかし、装
着が煩わしい場合もあるし、睡眠時には邪魔になること
もある。このような場合に対処するのが、スタンドタイ
プの頭部光照射用具である。この頭部光照射用具は、例
えば棚やベットの柵などに固定したり机の上に載置し、
光が座位或いは仰臥位にある使用者の頭部を照射するよ
うにアームの長さや角度を調整して使用する。この場
合、発光器の形を工夫したり、アイマスクを使用したり
して、目にパルス光成分が入るのを防ぐとよい。尚、机
に向かって読書をしているような場合、机面のみを強い
光で照明した状態で、頭頂部から光を照射すれば机面で
の光の反射はあまり気にならない。
【0052】前述の2つのタイプの頭部光照射用具は、
何れも発光部を備えているが、発光部の代わりに、太陽
光や照明光をパルス光として取り入れる手段を組み込ん
だタイプの頭部光照射用具も考えられる。このタイプの
頭部光照射用具は、装着具に使用者の頭頂部、側頭部、
後頭部又は頭部全体を隠蔽する遮蔽具を設け、入射光を
断続的に遮断するシャッターを該遮蔽具の前面開口部に
設けたものである。この場合パルス光の周波数は、単位
時間当たりのシャッターの開閉数で決まる。シャッター
は機械的なものでもよいし、透明体の透明度を電気的に
制御するようなものでもよい。
【0053】
【発明の実施の形態】次に、図面に示す実施例により本
発明を更に詳細に説明する。
【0054】図20は、装着具が帽子型をした頭部光照
射用具の一例を示す。この頭部光照射用具14は、確実
に装着をするために顎紐16を備えている。また符号1
7は現在の自己α波の情報などを音声信号で示すイヤホ
ンである。帽子型装着具15の内側に多数のLED光源
32を組み込み、頭部全体にパルス光を照射する。
【0055】図21は、スタンドタイプの頭部光照射用
具40の一例を示す。この頭部光照射用具40は、固定
具41aを備えた基台41と発光部42を変位、変形可
能なアーム43で連結したものである。そして基台41
をベットの棚44などに固定し、仰臥している使用者の
頭部全体にパルス光を照射するものである。パルス光
は、使用者の目にできるだけ当たらないように、リング
状や半円状或いはスポット状に照射されることが望まし
い。必要によっては、アイマスク45を着用するとよ
い。尚、図示は省略するが、この頭部光照射用具にも、
脳波測定用電極や脳波誘導装置等を組み込む。又はこれ
らを別体にして、赤外光等で結ぶ。
【0056】図22は、ヘッドホン一体型の頭部光照射
用具の一例を示した図である。左右両側頭部に光照射装
置が装着されて、それぞれ輝度の調節(on,offも
含めて)が可能とされている。
【0057】また、図23は、図22とは別の例を示し
た図である。両側頭部と頭頂部に光照射装置が装着され
て、それぞれ輝度の調節(on,offも含めて)が可
能とされている。
【0058】そして、この図22および図23の例とは
異って、両側頭部に光照射装置を備えたものにおいて、
ヘッドホンを有しておらず、頭頂部から被るカチューシ
ャタイプのものも一例として挙げられる。
【0059】もちろん、具体例としての以上の図20〜
図23等の例に本発明が限定されることはない。様々な
形態であってよい。
【0060】なお、本発明においては、ビームスプリッ
タ等を用いて、パルス光と連続光とを合成した光を使用
することもできる。このような合成光を用いることは、
当該光が使用者の目に容易に入射する状況、すなわち、
部屋の照明等を光源として用いるような場合に特に有効
である。要するに、本発明においては、パルス光を含む
所定の光を頭頂部、側頭部、後頭部のいずれかを含む頭
部に照射するものである。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明方法は使用
者の頭頂部、側頭部、後頭部或いは頭部全体に、他の光
を遮蔽した状態で例えば0.5〜13Hzの周波数を持つパ
ルス光を照射することより、免疫監視能特に1個あたり
のNK細胞の活性を増強するとともに、集中力を増強さ
せ持続させるものである。好ましくは、光の周波数を使
用者の脳波を測定して得たα波帯域の代表値或いはそれ
に近い値とすること、及び目にパルス光が入らないよう
に眼部を遮蔽して行なう。この結果、以下に述べる種々
な効果を奏する。 (1)眼部を遮蔽した状態で光の照射を行なうと、NK
細胞活性値、特に1個あたりのNK細胞の活性が増強さ
れるとともに、頭部でのα波成分が増加してそれが持続
し、良好なリラックス状態が得られしかも集中力が高ま
る効果が得られた。但し、閉眼状態にある眼部にもパル
ス光を照射した場合には、α波は大幅に増強するがNK
細胞活性の大きな増強は得られない。 (2)抗癌剤投与が行われている癌患者でも、NK細胞
活性能の上昇が見られた。 (3)単に頭部に光を照射するだけであるから、極めて
簡単であるとともに、使用者に苦痛や不安感、不快感を
全く与えなず、完全に非侵襲的な方法である。 (4)NK細胞活性効果が大きく、発癌や癌移転の防止
などに有意義なものである。 (5)インターフェロン等の薬物投与によらずに、NK
細胞活性の向上が図られ。しかも、薬物投与や免疫療法
と異なり、耐性を生じないし、副作用の心配もない。 (6)1時間前後の処置でNK細胞活性値の大きな上昇
が得られる安全な方法であり、従来知られている如何な
る療法や薬物投与よりも優れている。 (7)ノルアドレナリンが減少するので、免疫監視上有
利な環境がえられる。しかも、他のアドレナリン、ドー
パミン、β−エンドルフィンなどは変化せず、この面か
らの副作用もみられない。 (8)覚醒時はもとより、睡眠時でも効果があるので、
長時間の使用が可能である。 (9)ランニングコストは、殆ど掛からず、使用者には
金銭的にも殆ど負担にならない。
【0062】また、本発明の頭部光照射用具は、α波領
域の周波数の光を使用者の頭部に照射する発光部とパル
ス光周波数調整手段、更には脳波測定用電極を、使用者
の頭部に着脱自在に装着する装着具に備えつけたもので
ある。従って、以下に述べる種々な効果を奏するもので
ある。 (1)構造が簡単で小型化が可能であり、安価に得られ
る。 (2)基本構造が、鉢巻き型、帽子型或いはヘッドホン
一体型、或いは粘着や吸着による固着型のものであるの
で、頭部に装着した場合の違和感がなく使用し易い。 (3)特に、固着型のものは超小型化できるので、就寝
時の使用などに便利である。また、頭部に装着しないス
タンドタイプのものも、就寝時など仰臥位での使用が容
易にできる。 (4)本体と操作部とが分離されたものの場合、本体の
軽量化ができる。また、本体と操作部が無線或いは光で
連結されていれば、使用時の煩わしさがなくなる利点が
ある。 (5)自己のα波帯域の脳波の代表値を求めこれをパル
ス光の照射信号としてフィードバックさせる脳波誘導装
置を備えたものにあっては、長時間使用しても脳に負担
をかけないばかりか、リラックス状態或いは精神集中状
態を維持向上させる効果がある。 (6)眼部遮蔽手段を備えたものにあっては、光が眼部
に照射されないので、完全にリラックスした状態が維持
でき、リラクセーションにおいて極めて良好な結果が得
られる。 (7)眼部遮蔽手段を備えたものにあっては、長時間の
連続使用耐えられるし、開眼状態で使用できるので、他
の作業と併用して使用できる。 (8)眼部遮蔽手段を備えたものにあっては、集中力を
要する思考や計算、読書をしながら使用できる。そのた
め、自己α波が、精神活動を活発にさせるのに好ましい
周波数のα波に変化し、ますます集中力が高まり、受験
勉強等には最適なものとなる。 (9)照射光の周波数を手動で調整する場合、自己α波
の平均値等を目で見たり耳で聞いておこなえるので、操
作が簡単で確実である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、実験A(a)−眼部に光に対す
る遮蔽を施さずにパルス光を眼前から照射−におけるP
FB実施の手順を示す作業手順図である。図1(b)
は、実験A(a)におけるNK細胞活性の変化を示すグ
ラフである。
【図2】図2(a)は、実験A(b)−眼部に光に対す
る遮蔽を施さずにパルス光を前頭部に向けて照射−にお
けるNK細胞活性の変化を示すグラフである。図2
(b)は、図2(a)の各人の値の平均とそのバラツキ
(標準偏差)を示すグラフである。
【図3】図3(a)は、実験B−皿型電極を前頭部の右
側部に1個装着するとともに眼部をアイマスクで遮蔽
し、パルス光を被験者の前頭部に照射−における1・2
回目のPFB実施の手順を示す作業手順図、図3(b)
は同じく21・22回目のPFB実施の手順を示す作業
手順図である。
【図4】図4は、実験Bにおいて1回目及び22回目の
前頭部へのPFBの開始9分後までの3分毎に、右前頭
部(Fp2)で検出したα波の周波数の標準偏差(S
D)の推移(n=7)を示すグラフである。
【図5】図5(a)は、実験Bにおける被験者の内の1
人についての5つの周波数帯域毎の優勢脳波出現グラフ
(上段)と、5つの周波数帯域の脳波の振幅の推移を示
すグラフ(中段)、及びパルス光照射時のもののみの脳
波の振幅の推移を示すグラフ(下段)である。図5
(b)は、同じく他の1人についての同様のグラフであ
る。
【図6】図6(a)は実験Bにおける1回目のPFB実
施前と、21・22回目のPFB実施中及びその前後の
閉眼安静時におけるNK細胞活性値(%)の変化を各人
について示したグラフ、図6(b)は7名のNK細胞活
性値の平均値とバラツキ(標準偏差)を示すグラフであ
る。
【図7】図7は、実験Bにおける1回目のPFB実施直
前、及び21・22回目のPFB実施中とその前後の閉
眼安静時におけるCD57x16++の量的変化を示す
グラフである。
【図8】図8は、実験Bにおける1回目のPFB実施直
前、及び21・22回目のPFB実施中とその前後の閉
眼安静時におけるCD57x16−+の量的変化を示す
グラフである。
【図9】図9(a)は、実験C−1−術前で眼部に光に
対する遮蔽を施さない場合−における1・2回目のPF
B実施の手順を示す作業手順図である。図9(b)は、
同じく21・22回目のPFB実施の手順を示す作業手
順図である。
【図10】図10(a)は、実験C−2−術後で眼部に
光に対する遮蔽を施さない場合−における1・2回目の
PFB実施の手順を示す作業手順図である。図10
(b)は、同じく21・22回目のPFB実施の手順を
示す作業手順図である。
【図11】図11は、実験C−3−術後で眼部に光に対
する遮蔽を施した場合−における21・22回目のPF
B実施の手順を示す作業手順図である。
【図12】図12(a)は、実験C−1における21・
22回目のPFB実施とその前後の閉眼安静時における
NK細胞活性の変化(折線)と、出現したα3波の振幅
の平均出力(ハッチング棒グラフ)、α3波が優勢であ
った時間の割合(白棒グラフ)を示す図面である。図1
2(b)は、実験C−2における図12(a)と同様の
グラフである。図12(c)は、実験C−3における図
12(a)と同様のグラフである。
【図13】実験Dは、3名の被験者において、右前頭側
頭部から右側頭部にかけて、α波パルス光照射(光フィ
ードバック技術を使用、各15分間)を繰り返し実験し
たことによる、α波の振幅の変化(縦軸は周波数、横軸
は3分刻みに振幅を表しており、1秒に1回プロットさ
れている。4分目から15分間のみ、α波パルス光照射
を行っている。)を示した図である。
【図14】実験Dにおいて、24回目と25回目のα波
パルス光照射の実施方法を採血のタイムポイントととも
に示した図である。
【図15】右前頭側頭部から右側頭部にかけて、24回
目と25回目のα波パルス光照射(光フィードバック技
術を使用、各15分間)実施時における、NK細胞活性
の変動(n=3)を示した図である。
【図16】右前頭側頭部から右側頭部にかけて、24回
目と25回目のα波パルス光照射(光フィードバック技
術を使用、各15分間)実施時における、CD57xC
D16-*+絶対数の変動(n=3)を示した図である。
【図17】被験者1に、右前頭側頭部から右側頭部にか
けて24回目と25回目のα波パルス光照射(光フィー
ドバック技術を使用、各15分間)を実施した時の、脳
波の振幅の推移と、NK細胞活性の変動とCD57xC
D16-*+絶対数の変動を示した図である。 θ:θ波 α1:7−8Hzのα波 α2:9−11Hzのα波 α3:12−13Hzのα波 β:β波
【図18】被験者2に、右前頭側頭部から右側頭部にか
けて24回目と25回目のα波パルス光照射(光フィー
ドバック技術を使用、各15分間)を実施した時の、脳
波の振幅の推移と、NK細胞活性の変動とCD57xC
D16-*+絶対数の変動を示した図である。 θ:θ波 α1:7−8Hzのα波 α2:9−11Hzのα波 α3:12−13Hzのα波 β:β波
【図19】被験者3に、右前頭側頭部から右側頭部にか
けて24回目と25回目のα波パルス光照射(光フィー
ドバック技術を使用、各15分間)を実施した時の、脳
波の振幅の推移と、NK細胞活性の変動とCD57xC
D16-*+絶対数の変動を示した図である。 θ:θ波 α1:7−8Hzのα波 α2:9−11Hzのα波 α3:12−13Hzのα波 β:β波
【図20】図20は、本発明の頭部光照射用具を頭部に
装着した状態の斜視図である。
【図21】図21は、装着具が異なる頭部光照射用具の
他の例を示す斜視図である。
【図22】ヘッドホン一体型の頭部光照射用具の例を示
した図である。左右両側頭部に光照射装置が装着され
て、それぞれ輝度の調節(on,offも含めて)が可
能とされている。
【図23】図22とは別の例を示した図である。両側頭
部と頭頂部に光照射装置が装着されて、それぞれ輝度の
調節(on,offも含めて)が可能とされている。
【符号の説明】
14 頭部光照射用具 15 帽子型装着具 32 LED 40 スタンドタイプの頭部光照射用具 41 基台 41a 固定具 42 発光部 43 アーム

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射により使用者の脳を活性化する方
    法において、 前記使用者の頭頂部、側頭部、および後頭部の少くとも
    いずれかから選択される部位を含む頭部にパルス光もし
    くはパルス光を含む所定の光を照射し、 前記使用者の脳波信号からα波領域の信号成分を取り出
    し、 前記取り出した信号成分に基づいて前記光の出力をフィ
    ードバック制御することを特徴とする脳の活性方法。
  2. 【請求項2】 光照射により使用者の脳を活性化する装
    置において、 前記使用者の頭頂部、側頭部、および後頭部の少くとも
    いずれかから選択される部位を含む頭部にパルス光もし
    くはパルス光を含む所定の光を照射する発光部を備えた
    ことを特徴とする脳の活性装置。
  3. 【請求項3】 前記使用者の頭部に着脱自在に装着する
    装着具を更に備えると共に;前記発光部は前記装着具に
    取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の
    脳の活性装置。
  4. 【請求項4】 外部からの光が前記使用者の前頭部に当
    たるのを防止する遮蔽具を更に備えたことを特徴とする
    請求項3に記載の脳の活性装置。
  5. 【請求項5】 前記使用者の頭部に着脱自在に装着する
    装着具を更に備えると共に、 前記発光部は前記装着具に取り付けられ、前記使用者の
    前頭部を含む頭部全体にパルス光を照射する構成である
    ことを特徴とする請求項2に記載の脳の活性装置。
  6. 【請求項6】 外部からの光が前記使用者の前頭部を含
    む頭部全体に当たるのを防止するための遮蔽具を更に備
    えたことを特徴とする請求項5に記載の脳の活性装置。
  7. 【請求項7】 前記発光部が前記使用者の前頭部に密着
    して配置されることを特徴とする請求項2,3,4,5
    または6に記載の脳の活性装置。
  8. 【請求項8】 前記発光部が前記装着具の一部を構成す
    ることを特徴とする請求項3,4,5,6または7に記
    載の脳の活性装置。
  9. 【請求項9】 前記発光部が前記使用者の頭部から完全
    に分離した状態で配置されることを特徴とする請求項2
    に記載の脳の活性装置。
  10. 【請求項10】 前記発光部の光源の形状がリング状、
    半リング状、スポット状のうちのいずれか1つであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の脳の活性装置。
  11. 【請求項11】 前記発光部からの光が前記使用者の目
    に入いらないように、眼部遮蔽部材を前記装着具に取り
    付けたことを特徴とする請求項2,3,4,5,6,
    7,8,9または10に記載の脳の活性装置。
  12. 【請求項12】 前記パルス光の周波数は、0.5Hz〜
    13Hzであることを特徴とする請求項2,3,4,5,
    6,7,8,9,10または11に記載の脳の活性装
    置。
  13. 【請求項13】 前記使用者の脳波信号からα波領域の
    信号成分を取り出し、その信号成分に基づいて前記パル
    ス光の出力をフィードバック制御するパルス光調整手段
    を更に備えたことを特徴とする請求項2,3,4,5,
    6,7,8,9、10、11または12に記載の脳の活
    性装置。
  14. 【請求項14】 前記使用者のα波領域の周波数の代表
    値を表示する脳波表示手段を更に備えたことを特徴とす
    る請求項12または13に記載の脳の活性装置。
  15. 【請求項15】 前記使用者の脳波信号からθ波領域の
    信号成分を取り出し、その信号成分に基づいて前記パル
    ス光の出力をフィードバック制御するパルス光調整手段
    を更に備えたことを特徴とする請求項2,3,4,5,
    6,7,8,9,10,11または12に記載の脳の活
    性装置。
  16. 【請求項16】 前記使用者のθ波領域の周波数の代表
    値を表示する脳波表示手段を更に備えたことを特徴とす
    る請求項15に記載の脳の活性装置。
  17. 【請求項17】 前記脳波表示手段は、前記周波数の代
    表値を音声信号により伝える構成であることを特徴とす
    る請求項14または16に記載の脳の活性装置。
  18. 【請求項18】 前記パルス光調整手段は、前記脳波表
    示具に示された周波数にパルス光の周波数を合致させる
    べく手動で操作可能に構成されていることを特徴とする
    請求項12,14,15,16または17に記載の脳の
    活性装置。
  19. 【請求項19】 前記パルス光調整手段は、本装置を集
    中力増強の目的で使用する場合には、前記使用者のα波
    領域の平均周波数以上の周波数に前記パルス光出力を調
    整することを特徴とする請求項12に記載の脳の活性装
    置。
  20. 【請求項20】 前記パルス光調整手段は、本装置を免
    疫力向上の目的で使用する場合には、前記使用者のα波
    領域の平均周波数以下の周波数に前記パルス光出力を調
    整することを特徴とする請求項12に記載の脳の活性装
    置。
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