JP2002034155A - 電力系統安定化システムおよびコンピュータ読取可能な記憶媒体 - Google Patents

電力系統安定化システムおよびコンピュータ読取可能な記憶媒体

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JP2002034155A
JP2002034155A JP2000215117A JP2000215117A JP2002034155A JP 2002034155 A JP2002034155 A JP 2002034155A JP 2000215117 A JP2000215117 A JP 2000215117A JP 2000215117 A JP2000215117 A JP 2000215117A JP 2002034155 A JP2002034155 A JP 2002034155A
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JP2000215117A
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Minoru Tanaka
稔 田中
Ryoichi Ichikawa
量一 市川
Yuji Ishihara
祐二 石原
Takenori Kobayashi
武則 小林
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力事業の自由化による発電事業者の増加に対
応すること。 【解決手段】電力系統6の事故発生時、その電力系統6
を安定維持する電力系統安定化システムであって、電力
を供給する発電事業者や消費する需要家の電力設備1
4,15を電力市場自由化に伴う電力取引の契約に基づ
いて制御する電力設備制御手段13を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統に設置さ
れて電力系統の安定化制御を行う電力系統安定化システ
ムおよびコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電力系統安定化システムは、電
力系統において雷撃事故、断線事故あるいは発電機脱落
事故など、種々の事故が発生したとき、電力動揺、電圧
変動あるいは周波数変動などの影響が電力系統の広い範
囲に波及することにより、発電機をはじめとする多くの
電力設備が電力系統から脱落し、広域停電に至るのを防
止するため、発電機、負荷および調相設備などの電力設
備の一部に対して遮断や投入などの制御を行い、電力系
統を安定化するものである。
【0003】従来の電力系統安定化システムは、ある程
度想定された潮流状態を前提として事前に検討し、制御
対象とする電力設備をあらかじめ数箇所に絞り込み、そ
の電力設備が設置されている電力所にのみに電力設備制
御端末を設置して電力系統の安定化のための電力設備制
御を実施している。
【0004】また、従来の電力系統安定化システムは、
電力設備の制御を決定するための安定化演算を行うに際
し、必要となる系統情報、例えば母線の電圧、送電線あ
るいは変圧器を通過する電力潮流、遮断器あるいは開閉
器の状態、保護リレー装置の動作信号などの情報も、あ
らかじめ収集が必要な情報を検討した上で、電力系統中
の数箇所に系統情報収集手段を配置して情報を収集して
いる。
【0005】さらに、従来の電力系統安定化システムで
は、どの電力設備を制御するかは、電力設備制御端末が
設置されている電力設備を対象に、あらかじめ設定され
た制御優先順位や重みづけ係数などの安定化演算条件
と、制御を実施した場合の電力系統安定化効果の大きさ
と、電力系統を安定化可能な範囲内で制御量を可及的に
少なくすることなどの条件を考慮した安定化演算アルゴ
リズムにより決定されている。
【0006】図19は従来の電力系統安定化システムの
一例を示すシステム構成図である。
【0007】図19に示すように、中央演算手段1は、
電力系統からの系統情報を受信する系統情報受信手段2
と、この系統情報受信手段2により受信された系統情報
と、安定化演算条件格納手段3に格納されている安定化
演算条件を取り込む安定化演算手段4と、制御する電力
設備に制御指令を送出する制御指令送出手段5とを備え
ている。
【0008】一方、電力系統6には、複数の系統情報収
集手段7と、制御対象となる複数の発電機8および複数
の負荷9にそれぞれ接続された遮断器10と、制御指令
送出手段5から通信手段11により送出された制御指令
を受け、遮断器10にトリップ指令12を与えて制御対
象となる発電機8あるいは負荷9を電力系統6から切り
離すなどの制御を行う電力設備制御手段13とが設置さ
れている。
【0009】次に、従来の電力系統安定化システムの作
用を説明する。
【0010】図19において、まず電力系統6内におけ
る複数の系統情報収集手段7により系統の種々の情報、
例えば母線の電圧、送電線あるいは変圧器を通過する電
力潮流、遮断器あるいは開閉器の状態、保護リレー装置
の動作信号などの情報が収集される。この収集された系
統情報は、通信手段11を経由して中央演算手段1に送
信され、この中央演算手段1内の系統情報受信手段2に
より受信される。
【0011】次に、この系統情報受信手段2により受信
された系統情報と、安定化演算条件格納手段3に格納さ
れている安定化演算条件、すなわち電力系統の安定化演
算に必要な電力系統モデルデータ、安定化のための制御
の対象となる電力設備リスト、制御対象電力設備の制御
優先順位あるいは重み付け係数などの条件が安定化演算
手段4に取り込まれる。
【0012】この安定化演算手段4では、これら系統情
報と安定化演算条件とに基づいて安定化演算が行われ、
電力系統6の安定度を判定し、不安定と判定された場合
には電力系統6を安定化させるためにどの電力設備を制
御するかが決定されて制御指令送出手段5に取り込ま
れ、この制御指令送出手段5からの制御指令が通信手段
11を経由して該当する電力設備がある電力所に設置さ
れた電力設備制御手段13に送信される。
【0013】この制御指令を受けた電力設備制御手段1
3は、直接的または保護継電装置などの他の装置を介し
て間接的に、制御対象となる電力設備の制御、例えば遮
断器10にトリップ指令12を与えて遮断し、制御対象
となる発電機8あるいは負荷9を電力系統6から切り離
すなどの制御を実施する。
【0014】このような電力系統安定化システムには、
上記の一連の機能を実際に系統事故が発生した後に実施
するものと、あらかじめいくつかの想定事故の条件を安
定化演算条件格納手段3に格納しておき、現在の系統状
態で想定した事故が発生したと仮定して安定化演算を行
い、その事故が発生したときにどの電力設備を制御する
かを決定し、制御指令送出手段5または制御対象となる
電力設備6に対応する電力設備制御手段13に記憶させ
ておき、実際に想定した事故が発生したときには、即時
にその想定事故に対応する電力設備制御を行うものがあ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電力事業の
自由化により、従来のいわゆる電力会社が大部分の発電
機と送配電系統を所有して運用管理し、また負荷となる
需要家も電力会社と契約して電力の供給を受けるという
形態が現われてくるものと考えられる。これら形態の変
化に伴い、発電事業者が発電した電力を電力会社が購入
するいわゆる卸発電や、発電事業者と需要家とが直接契
約し電力会社の所有する送配電系統を介して電力の授受
を行ういわゆる電力託送などが増え、発電事業者の所有
する発電機が電力系統全体に占める割合が大きくなると
考えられる。このような場合、上述した従来の電力系統
安定化システムにおいて、次のような課題が発生する。
すなわち、 (1)制御対象としての電力設備となる発電機は、従来
電力会社が自ら所有する発電機のみであったが、それだ
けでは電力系統を安定化することができなくなり、発電
事業者の発電機の制御が必要となる。
【0016】(2)発電事業者と需要家との電力授受に
関する契約が頻繁に更新されることにより、電力系統の
潮流状態が頻繁に大きく変化する。このため、電力系統
安定化システムを構築するに際し、事前に想定していた
潮流状態と大きく異なる潮流状態が頻繁に出現すること
となり、制御対象電力設備をあらかじめ数箇所に絞って
電力系統安定化システムを構成することは困難となる。
したがって、より多くの電力会社および発電事業者の発
電機、需要家の負荷などを制御対象電力設備として安定
化演算を行い、制御を実施することができる電力系統安
定化システムが必要となる。
【0017】(3)制御する電力設備の選定にあたって
は、従来の電力系統安定化システムでは考慮されていな
い上記卸発電や電力託送の契約条件を考慮に入れて安定
化演算を行う必要がある。
【0018】(4)発電事業者に対して、その所有する
発電機が現時点で電力設備として制御の対象になってい
るかどうか、また対象になっている場合はその理由、ま
た実際に制御が実施されたときには、その制御の妥当性
の説明など、電力系統安定化システムに関する情報を開
示する必要がある。
【0019】(5)上記電力託送に該当する契約により
特定の需要家に対して電力の供給を行っている発電事業
者の発電機が制御され、電力の供給が断たれた場合に
は、契約の内容により、需要家の負荷も同時に制御する
場合と、需要家は制御せずに電力の供給を受け続ける場
合とがあり、これらを安定化演算において考慮する必要
がある。
【0020】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、電力事業の自由化による発電事業者の増加に対応す
ることができる電力系統安定化システムおよびコンピュ
ータ読取可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明では、電力系統の事故発生時、
その電力系統を安定維持する電力系統安定化システムで
あって、電力を供給する発電事業者や消費する需要家の
電力設備を電力市場自由化に伴う電力取引の契約に基づ
いて制御する電力設備制御手段を設けたことを特徴とす
る。
【0022】請求項1記載の発明によれば、電力市場自
由化に伴う電力取引の契約に基づき電力を供給または消
費する者の電力設備(従来、制御対象外)を制御しなけ
れば、電力系統を安定に運転できないような事故が生じ
た場合においても、系統を安定に運転することが可能と
なる。
【0023】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
電力系統安定化システムにおいて、制御対象となる電力
設備に制御指令を伝達するための媒体としてイントラネ
ット、インターネットのディジタル通信ネットワーク手
段を介して行うことを特徴とする。
【0024】請求項2記載の発明によれば、電力市場自
由化に伴う電力取引の契約に基づき電力を供給または消
費する者の電力設備(従来、制御対象外)を安定化シス
テムの制御対象として取込むことが容易かつ安価に実施
可能となる。
【0025】請求項3記載の発明では、請求項1または
2記載の電力系統安定化システムにおいて、電力系統の
安定化のための演算処理を行う演算手段を有し、この演
算処理の際、発電事業者の電力設備を制御することに関
する契約を考慮して前記電力系統の安定化に必要な制御
内容を決定することを特徴とする。
【0026】請求項3記載の発明によれば、安定化シス
テムの運用主体にとって制御対象を決定するための新た
な要因である、発電事業者との契約を考慮した制御対象
の決定が可能となり、安定化効果と経済性などの各種要
因から最適な制御が実施可能となる。
【0027】請求項4記載の発明では、請求項1または
2記載の電力系統安定化システムにおいて、電力系統の
安定化のための演算処理を行う演算手段を有し、この演
算処理の際、託送により電力を供給する発電事業者や託
送供給を受ける需要家の電力設備を制御することに関す
る契約を考慮して前記電力系統の安定化に必要な制御内
容を決定することを特徴とする。
【0028】請求項4記載の発明によれば、安定化シス
テムの運用主体にとって制御対象を決定するための新た
な要因である、発電事業者や託送により電力供給を受け
る需要家との契約を考慮した制御対象の決定が可能とな
り、安定化効果と経済性などの各種要因から最適な制御
が実施可能となる。
【0029】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
電力系統安定化システムにおいて、制御対象となる電力
設備の運用者に対して安定化システム情報を提供する手
段を設けたことを特徴とする。
【0030】請求項5記載の発明によれば、電力設備の
運用者に対して、当該電力設備が電力系統安定化システ
ムの制御対象になっているか否かの情報を提供すること
ができる。
【0031】請求項6記載の発明では、請求項5記載の
電力系統安定化システムにおいて、制御対象となる電力
設備の運用者に対して制御対象となる事故ケースにおい
て制御対象となった理由を含む安定化システム情報を提
供すること特徴とする。
【0032】請求項6記載の発明によれば、電力設備の
運用者に対して、当該電力設備が電力系統安定化システ
ムの制御対象になっている理由を提供することができ
る。
【0033】請求項7記載の発明では、請求項5記載の
電力系統安定化システムにおいて、制御対象となる電力
設備の制御が実施された場合、その制御が実施された理
由を含む安定化システム情報を前記電力設備の運用者に
対して提供すること特徴とする。
【0034】請求項7記載の発明によれば、電力設備の
運用者に対して、当該電力設備が電力系統安定化システ
ムによって制御された場合に、当該電力設備が制御され
た理由を提供することができる。
【0035】請求項8記載の発明では、請求項5ないし
7のいずれかに記載の電力系統安定化システムにおい
て、電力設備の運用者から送信された電力設備の運用に
関わる情報を受信し、その情報を安定化演算条件に反映
する手段を設けたことを特徴とする。
【0036】請求項8記載の発明によれば、電力設備の
運用者から電力系統安定化システムに対して情報を提供
することができる。この機能により、電力設備を電力系
統安定化システムの制御対象から除外するなどの処理が
可能になる。
【0037】請求項9記載の発明では、請求項4記載の
電力系統安定化システムにおいて、制御対象となる電力
託送を実施する発電事業者の電力設備を制御した後、前
記電力託送を実施する需要家の電力設備を制御すること
を特徴とする。
【0038】請求項9記載の発明によれば、安定化後の
電力系統における発電量と負荷の不平衡を小さくするこ
とができ、電力系統の周波数の低下を小さくすることが
できる。
【0039】請求項10記載の発明では、請求項9記載
の電力系統安定化システムにおいて、制御対象となる電
力託送を実施する発電事業者および需要家の少なくとも
一方の電力設備を複数設置したことを特徴とする。
【0040】請求項10記載の発明によれば、電力系統
の安定化システムの運用者が安定化システムにおける電
力託送の制御をより柔軟かつ経済的に実施することがで
きる。
【0041】請求項11記載の発明では、請求項9また
は10記載の電力系統安定化システムにおいて、制御対
象となる需要家の電力設備を制御する前に、その制御の
可否を需要家に照会する照会手段を有し、その照会結果
に基づいて需要家の電力設備を制御することを特徴とす
る。
【0042】請求項11記載の発明によれば、託送負荷
の運用者にとって望ましくない時点での安定化システム
による託送負荷の制御を防止することができる。
【0043】請求項12記載の発明は、請求項1ないし
11のいずれかに記載の電力系統安定化システムを実現
するためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能
な記憶媒体を提供する。
【0044】請求項12記載の発明によれば、請求項1
ないし12に関わる電力系統安定化システムを実現する
ために必要なソフトウェアを供給することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において従
来の構成と同一または対応する部分には、図19と同一
の符号を用いて説明する。
【0046】[第1実施形態]図1は本発明に係る電力
系統安定化システムの第1実施形態を示すシステム構成
図である。
【0047】図1において、発電機8は、電力系統安定
化システムの運用を行う主体(電力会社)の管理する発
電機であり、また負荷9は電力系統安定化システムの運
用を行う主体(電力会社)が電力を供給する需要家の負
荷である。これら発電機8および負荷9と、電力系統6
との間の接続を遮断するための遮断器10は、安定化シ
ステムの中央演算手段1からの制御指令を通信手段11
を介して受けた電力設備制御手段13の遮断器10への
トリップ指令12によって制御される。
【0048】このような電力系統安定化システムの運用
を行う主体(電力会社)の管理する発電機8や、安定化
システムの運用主体(電力会社)が電力を供給する需要
家の負荷9に対する遮断制御は、安定化効果が大きい設
備に対して従来から実現されている。
【0049】ところで、電力市場の自由化に伴い、例え
ば電力の小売供給を行う発電事業者や発電事業者との相
対契約によって電力の託送供給を受ける需要家、または
入札などの市場取引を通して電力の供給を受ける需要家
などように、電力市場自由化に伴う新しい電力取引の契
約に基づいて電力を供給または消費する者に関しては、
発電事業者である独立系発電事業者(以下、IPPとい
う。)発電機14やその発電機14から託送により電力
の供給を受ける託送負荷15は、電力系統安定化システ
ムが遮断制御を行う対象とはなっていなかった。
【0050】本実施形態では、従来は制御対象となって
いなかったこれら電力設備としてのIPP発電機14お
よび託送負荷15に対しても電力設備制御手段13を設
置することにより、電力系統の安定な運転のためにIP
P発電機14や託送負荷15を電力系統6から遮断する
必要がある場合、すなわち安定化システムの中央演算手
段1の安定化演算結果によって判定されたときには、実
際に遮断制御を行うことを可能とした。
【0051】以上述べたように、本実施形態の電力系統
安定化システムにおいては、従来の安定化システムにお
いては制御が不可能であったIPPなどの発電事業者、
発電事業者との相対契約によって電力の託送供給を受け
る需要家、または入札などの市場取引を通して電力の供
給を受ける需要家などように、電力市場自由化に伴う新
しい電力取引の契約のもとで電力を供給または消費する
者のIPP発電機14やその託送負荷15などを電力系
統6から遮断する制御が、これらの設備に対しても電力
設備制御手段13を設置して安定化システムを構成する
ことにより実現可能となる。
【0052】これにより、発電事業者のIPP発電機1
4やその託送負荷15などの割合が電力系統全体に対し
て増加して、従来の制御対象である電力会社の発電機8
や負荷9のみでは安定化することができないような系統
状況に陥ったとしても、電力系統6を安定して運転する
ことが可能となる。
【0053】このように従来制御対象となっていなかっ
た電力市場自由化に伴う新しい電力取引の契約に基づき
電力を供給または消費する者の電力設備を制御しなけれ
ば、電力系統6を安定して運転することができないよう
な事故が生じた場合でも、本実施形態によれば、電力系
統6を安定して運転することができる。
【0054】[第2実施形態]図2は本発明に係る電力
系統安定化システムの第2実施形態を示すシステム構成
図、図3は第2実施形態におけるディジタル通信ネット
ワーク手段の詳細を示すシステム構成図である。
【0055】図2において、本実施形態では、電力系統
安定化システムの中央演算手段1と、制御対象となる電
力設備(例えば、発電機8、負荷9およびIPP発電機
14、託送負荷15の各遮断器10)の電力設備制御手
段13、および安定化演算処理に必要な系統情報を収集
する系統情報収集手段7との間が、ディジタル通信ネッ
トワーク手段16を介して制御指令が伝達される。
【0056】ここで、図2に示すディジタル通信ネット
ワーク手段16としては、例えば図3に示すように一般
のインターネット17や、安定化システムを運用する電
力会社のイントラネット18を用いることが可能であ
る。一般的に、電力会社のイントラネット18とインタ
ーネット17とは相互に接続されており、インターネッ
ト17への接続は例えば電話回線のような公衆回線を利
用して容易に行うことができる。
【0057】したがって、本実施形態では、このような
ディジタル通信ネットワーク手段16を利用することに
より、従来電力会社の制御通信ネットワークに接続して
いなかった発電事業者や、その託送需要家などの電力市
場自由化に伴う新しい電力取引の契約のもとで電力を供
給または消費する者の電力設備を制御する電力設備制御
手段13に制御指令を伝達したり、安定化演算処理に必
要な系統情報を収集する系統情報収集手段7による系統
情報の収集が、新たに専用回線を引くことなく、インタ
ーネット17や電話回線または電力会社のイントラネッ
ト18といった既存の通信網を利用することによって容
易かつ安価に実現可能となる。
【0058】さらに具体的には、図2に示すように中央
演算手段1と制御対象となる上記電力設備との通信がデ
ィジタル通信ネットワーク手段16を介した場合には、
従来技術でいうところの電力設備制御手段13に対応す
る制御端末装置などや、系統情報収集手段7に対応する
テレメータなど、さらには中央演算手段に対応するコン
ピュータなどの中央演算装置を、特開平10−2576
61号公報に開示された「監視制御システムとこのシス
テムを実行するためのプログラムを記録した記憶媒体」
や、平成11年電気学会全国大会の「1345 イント
ラネット技術応用電力系統監視制御、保護制御、情報シ
ステム」、「1601 イントラネット応用保護制御シ
ステムの提案」、「1602 イントラネット応用保護
制御システムの基本構成」、「1603 イントラネッ
ト応用保護制御システムの試作結果」などに記載されて
いるようなNCU(Network Computin
gUnit)基盤や装置間を移動して各種処理を行うエ
ージェントのようなプログラムモジュールとして実現す
ることが可能となり、これにより、安定化システムの構
築を容易かつ柔軟に行うことができる。
【0059】このように本実施形態によれば、安定化シ
ステムが必要とする電力系統の情報や、安定化システム
から制御対象となる電力設備に送られる制御指令を伝達
する通信をインターネット17やイントラネット18と
いったディジタル通信ネットワーク手段16を介して行
うことにより、従来制御対象となっていなかった電力市
場自由化に伴う新しい電力取引の契約のもとで電力を供
給または消費する者の電力設備を安定化システムの制御
対象として取り込むことが容易でかつ安価に実施可能と
なる。
【0060】[第3実施形態]本発明に係る電力安定化
システムの第3実施形態を(2)式を参照して説明す
る。
【0061】(2)式は中央演算手段1において電力系
統の安定化に必要な制御内容(電力系統から遮断する発
電機)を決定する処理内容を説明する式である。
【0062】本実施形態においては、安定化効果と
契約内容の2つの観点から総合的に制御内容を決定する
方法について説明する。ここでいう安定化効果とは、
例えばある発電機を遮断制御することによる電力系統の
安定化に対する貢献度を意味する。また、契約内容と
は、例えば安定化システムを運用する主体(例えば電力
会社)と発電事業者との間に締結された安定化システム
が発電事業者の発電機を系統から遮断する場合の金銭的
補償などに関する契約内容を意味する。
【0063】例えば、各電力設備の安定化効果を表す指
標がfとして得られ、また各設備を制御した場合の契約
内容に応じた補償金に対応するコストに関する指標gが
得られるとする。指標fとしては、例えば、事故後の発
電機の加速エネルギーなどの機器を制御することによる
安定化効果を表す指標が利用できる。事故後の発電機の
加速エネルギーを指標とした場合には、加速エネルギー
が大きい発電機を遮断した方が安定化に対する貢献度は
大きいことになる。
【0064】また、指標gとしては、例えば、
【数1】 が考えられる。安定化システムの運用主体にとって、発
電事業者の発電機を遮断した場合に支払う補償金は少な
いほど望ましいことは当然であるので、例えば(1)式
のような指標gを用いた場合には、gの値が大きいほど
制御対象として望ましい性質であることになる。
【0065】これらの値をそれぞれの指標の影響度を調
整する重み係数aおよびbを介して重み付きの和と求め
たものを指標hで表し、この指標hの値が大きい発電機
から順に制御対象とするような方法が考えられる。
【0066】
【数2】h=a×f+b×g ……(2) ここで、指標gとして表している安定化システムの運用
主体(例えば電力会社)と発電事業者との間の契約内容
に関わる評価指標としては、勿論、上記のような補償金
以外のものでもよく、安定化システムの運用主体の利害
に関わるものであれば、どのようなものでも同様の考え
方のもとに導入することができる。
【0067】次に、より具体的な例を用いて説明する。
【0068】安定化システムが制御対象としている発電
機が例えば5機あるとする。ある事故後の発電機の加速
エネルギーを安定化効果を表す指標fとし、また発電機
を遮断制御した場合に安定化システムの運用主体が発電
事業者に支払う補償金から求められる契約内容に応じた
指標gとする。
【0069】本説明で用いるこれらの指標を表1に示
す。表1において、安定化効果だけを見た場合には、発
電機1から発電機5の順に安定化効果が大きい。一方、
各発電機を遮断制御した場合の補償金については、発電
機3が最も大きく、発電機4が最も小さく、(1)式に
よって指標gに換算した場合にはその逆となる。すなわ
ち、安定化システムの運用主体からみて、指標gのみ考
慮して制御対象として望ましいのは、発電機4となる。
【0070】
【表1】
【0071】表1に示すような各発電機に対する指標を
ベースとして、(2)式を用いて指標hの計算を行う。
このとき、重み係数a,bの値を調節することによっ
て、安定化効果を重視した順位付けや契約内容に基づく
補償金の支払を少なくすることを重視した順位付けを行
うことができる。
【0072】表2に重み係数を変化させた場合の発電機
の優先順位の例を示す。ケース1は、重み係数a=1,
b=0の場合で、安定化効果のみを考慮した順位付けと
なる。一方、ケース3は、重み係数a=0,b=1の場
合で、契約内容に基づく補償金の支払のみを考慮した順
位付けである。ケース2は、それぞれの重みをa=b=
0.5とした場合であり、安定化効果および契約内容に
基づく補償金の支払をそれぞれ勘案した順位付けとなっ
ている。ケース2の重み係数のバランスでは、発電機
4、発電機1…といつた順が、2つの指標を総合的に考
慮した優先順位として求められている。このように重み
係数を調整することによって、指標fおよび指標gを総
合的に考慮した、安定化システムの運用主体にとってよ
り好ましい順位付けを行うことが可能となる。
【0073】
【表2】
【0074】以上、安定化効果と契約内容の2つの
みを考慮した場合について説明したが、他の要因がこれ
に加わっても当然よい。例えば、発電機種別による優先
度として、信頼性および経済性の理由から原子力発電所
は制御対象から外すといった処理を上記の順位付けの前
もしくは後に実施してもよい。勿論、このような発電機
種別に対する評価も、第3の要因を表す指標kとして、
(3)式のように順位付けを行う評価指標に組み込んで
もよい。
【0075】
【数3】 h=a×f+b×g+c×k ……(3) また、安定化システムの運用主体(例えば電力会社)の
管理する発電機と遮断制御することに関して、例えば補
償金の支払契約が結ばれている発電事業者の発電機のよ
うに、異なる位置づけの発電機が制御対象の候補となり
得る場合には、例えば次のように評価指標を計算すれば
よい。安定化システムの運用主体の管理する発電機に関
しては、契約ではなく、例えば遮断後の発電機の再起動
のためのコストなど、その発電機を遮断制御することに
よって安定化システムの運用主体に発生するコストを第
3の要因として、例えば、(3)式の評価指標kのよう
に考慮すればよい。
【0076】さらに別の考え方として、もし発電事業者
が電力系統への接続に関する費用を安くするために発電
機を遮断されてもよい(補償金の支払はない)という契
約を例えば安定化システムの運用主体であり、かつ系統
運用の主体である電力会社と締結しているような場合に
おいては、安定化効果の順序を基本として考えながら、
そのような契約の発電事業者の発電機を優先的に遮断対
象とすればよい。
【0077】また逆に、もし発電事業者が電力系統への
接続に関する費用が高くなっても発電機を遮断して欲し
くないという契約と電力会社と締結しているような場合
においては、そのような契約の発電事業者の発電機は通
常では制御対象とせず(例えば、全ての評価指標の重み
係数をゼロとする)、他の発電機のみでは系統を安定化
することができない場合にのみ制御対象とすればよい。
【0078】このように本実施形態によれば、安定化の
ための演算処理を行う際、発電事業者の電力設備を制御
することに関する契約を考慮して電力系統の安定化に必
要な制御内容を決定するようにしたので、安定化システ
ムの運用主体にとって制御対象を決定するための新たな
要因である発電事業者との契約を考慮した制御対象の決
定が可能となり、安定化効果と経済性などの各種要因か
ら最適な制御が実施可能となる。
【0079】[第4実施形態]本発明に係る電力系統安
定化システムの第4実施形態を説明する。
【0080】本実施形態では、託送により電力を供給す
る発電事業者の発電機を遮断制御する場合には、例えば
前記第3実施形態に述べた方法と全く同様の方法によっ
て、安定化効果のみでなく、契約を考慮した制御対象の
決定が可能である。
【0081】発電事業者が託送により電力を供給してい
る場合には、必ず送り先の需要家が存在するが、その需
要家の負荷を制御する場合にも、前記第3実施形態と同
様の順位付けの考え方が適用可能である。
【0082】それは、例えば上記(2)式における「安
定化システムの運用主体(電力会社)と発電事業者の契
約」を下記の(4)式のように「安定化システムの運用
主体と需要家との契約」と見直すことによって実現でき
る。
【0083】
【数4】H=A×F+B×G ……(4) ここで、Fで表している安定化効果を表す指標として
は、例えば負荷を遮断制御することによる電圧や周波数
の回復への貢献度を表す指標を利用することができる。
この場合、当然、貢献度を表す指標Fの値が大きい負荷
を遮断した方が系統の安定化に対する寄与は大きいこと
になる。
【0084】一方、Gは安定化システムの運用主体と需
要家との契約内容に応じた評価指標であり、例えば、
【数5】 といった指標が考えられる。安定化システムの運用主体
にとって、契約を結んでいる需要家の負荷を遮断した場
合に支払う補償金は少ないほど望ましいことは当然であ
るので、例えば(5)式のような指標Gを用いた場合に
は、指標Gの値が大きいほど制御対象として望ましい性
質であることになる。なお、(4)式におけるAおよび
Bは、指標Fと指標Gの影響度を調整する重み係数であ
る。
【0085】また、前記第3実施形態で説明した発電機
種別のような制御内容を決定するための要因として、負
荷に対しても種別を考慮し、例えば医療関連の負荷や公
的機関の負荷は制御対象から除くなどの考え方も導入で
きる。勿論、他の要因も制御 対象を決定する順位付けの評価指標に導入してもよく、
例えば第3の要因を表す指標Kおよび重み係数Cを指標
Hに加えて、
【数6】H=A×F+B×G+C×K ……(6) のようにしてもよい。
【0086】また、別の考え方として、もし発電事業者
や、そこから電力の託送供給を受ける相対契約を締結し
ている需要家が電力系統への接続に関する費用を安くす
るために発電機や負荷を遮断されてもよい(補償金の支
払はない)という契約を、例えば安定化システムの運用
主体であり、かつ系統運用の主体である電力会社と締結
しているような場合においては、安定化効果の順序を基
本として考えながら、そのような契約の発電事業者の発
電機やそこから電力の託送供給を受ける相対契約を締結
している需要家の負荷を優先的に遮断対象とすればよ
い。
【0087】また逆に、もし発電事業者や、そこから電
力の託送供給を受ける相対契約を締結している需要家が
電力系統への接続に関する費用が高くなっても発電機や
負荷を遮断して欲しくないという内容の契約を電力会社
と締結しているような場合においては、そのような契約
の発電事業者の発電機および需要家の負荷は、通常は制
御対象とせず(例えば、全ての評価指標の重み係数をゼ
ロとする)、他の発電機や負荷のみでは系統を安定化で
きない場合にのみ制御対象とすればよい。
【0088】このように本実施形態によれば、安定化の
ための演算処理を行う際、託送により電力を供給する発
電事業者や託送供給を受ける需要家の電力設備を制御す
ることに関する契約を考慮して電力系統の安定化に必要
な制御内容を決定することにより、安定化システムの運
用主体にとって制御対象を決定するための新たな要因で
ある発電事業者や託送により電力の供給を受ける需要家
との契約を考慮した制御対象の決定が可能となり、安定
化効果と経済性などの各種要因から最適な制御が実施可
能となる。
【0089】[第5実施形態]図4は本発明に係る電力
系統安定化システムの第5実施形態を示すシステム構成
図、図5は本発明に係る電力系統安定化システムの第5
実施形態を示す装置構成図、図6は図1の安定化システ
ム情報端末装置の表示内容を示す図である。
【0090】図4および図5において、電力系統6内に
は、電力設備19、安定化システム制御端末装置20お
よび安定化システム情報端末装置21が設置される一
方、中央演算手段1は安定化システム情報送信手段22
を備えている。
【0091】電力系統6内に設置された電力設備19
は、電力系統安定化システムの制御対象となる電力設備
であり、具体的には発電機8または負荷9と電力系統6
との間の接続を遮断するための遮断器9である。また、
安定化システム制御端末装置20は、中央演算手段1か
らの制御指令を受信し、電力設備19の制御を実施する
電力設備制御手段13を有する装置である。
【0092】中央演算手段1に設けた安定化システム情
報送信手段22は、安定化演算手段4において安定化演
算の結果、電力系統を安定化させるために必要な制御対
象として決定した電力設備19の運用者の所に設けた安
定化システム情報端末装置21に対して制御対象に決定
した旨の情報を送信する一方、それと同時に制御対象に
決定しなかった電力設備の運用者の所に設けた安定化シ
ステム情報端末装置21に対しては制御対象に非該当で
ある旨の情報を送信する。
【0093】図5に示す電力系統安定化システムの構成
において、電力設備Aおよび電力設備B−1を制御対象
として決定され、電力設備B−2は制御対象として決定
されなかった場合は、図6に示す情報が各電力所に設置
された安定化システム情報端末装置21に送信され、こ
の情報端末装置21における安定化システム情報受信手
段21aは、その情報を受信して安定化システム情報出
力手段21bに送出する。そして、この安定化システム
情報出力手段21bは、安定化システム情報受信手段2
1aから受信した情報を図6に示すような形式で表示す
る。
【0094】ところで、電力系統6の状態は、時々刻々
と変化するので、電力系統6の状態に応じて安定化に必
要な制御対象に選択される電力設備19も時々刻々と変
化する。したがって、安定化演算手段4で行う制御対象
となる電力設備19を決定するための演算は、系統情報
収集手段7から入手した最新の系統情報を用いて一定時
間間隔(例えば5分間隔)で行われ、安定化システム情
報送信手段22は、その最新の演算結果を安定化システ
ム情報端末装置21に対して送信し、この情報端末装置
21における安定化システム情報出力手段21bは、そ
の度に表示内容を更新する。
【0095】安定化システム情報送信手段22から安定
化システム情報端末装置21へ情報を伝送するための通
信手段11としては、インターネットや電話回線網など
に代表される公衆通信網やイントラネットやPCM無線
網などの専用通信網を用いることが考えられる。ここで
は、通信設備のコスト低減と標準的な通信プロトコルを
利用できるメリットから、インターネット17やイント
ラネット18といったディジタル通信網を利用したシス
テム構成を実施形態として挙げる。なお、図5におい
て、中央演算手段1から安定化システム制御端末装置2
0へ制御指令を伝送するための通信手段は、特に伝送の
高速性が求められるので、別途専用の通信手段を設ける
場合も考えられる。
【0096】安定化システム情報端末装置21は、汎用
計算機あるいは専用端末装置で構成する。この安定化シ
ステム情報端末装置21にパーソナルコンピュータなど
の汎用計算機を使用すれば、インターネットやイントラ
ネットといったディジタル通信網と標準的な通信プロト
コル、例えば、IP(インターネットプロトコル)で容
易に接続することができる。そのため、安定化システム
情報受信手段21aや安定化システム情報出力手段21
bを構築するためのソフトウェアについても標準的なプ
ラットホーム(例えば、Windows(登録商標))
で使用される技術が利用することができるので、開発コ
ストを低減することができる。また、安定化システム情
報端末装置21が可般型であれば、設置場所が限定され
ず、かつ設置面積を小さくすることができる利点があ
る。
【0097】また、安定化システム情報端末装置21を
専用端末装置(例えば、ディジタルリレー装置)で構成
する場合には、専用端末装置にNCU(ネットワークコ
ンピューティングユニット)を実装することにより、デ
ィジタル通信網との接続が可能である。また、Java
言語に代表されるようなプラットフォーム非依存性に優
れたソフトウェア技術を用いれば、安定化システム情報
受信手段21aや安定化システム情報出力手段21bを
構築するためのソフトウェアの開発コストを低減させる
ことができる。
【0098】このように本実施形態によれば、電力系統
安定化システムの制御対象となる電力設備19の運用者
に対して、電力系統安定化システムに関わる情報を提供
する安定化システム情報送信手段22を有することによ
り、その制御対象となる電力設備19の運用者に対し
て、制御対象になっているか否かの情報を提供すること
ができる。
【0099】[第6実施形態]図7は本発明に係る電力
系統安定化システムの第6実施形態における安定化シス
テム情報端末装置の表示内容を示す図である。
【0100】本実施形態は、電力系統安定化システムの
中央演算手段1から制御対象として決定した電力設備1
9の運用者の所に設けた安定化システム情報端末装置2
1に対して、当該電力設備が制御対象となる想定事故ケ
ースを含む情報を送信する形態を説明するものである。
【0101】図7は安定化演算手段4において演算の結
果、当該電力設備(電力設備A)を制御対象として決定
した想定事故情報を前記第5実施形態と同様の作用によ
り、安定化システム情報端末装置21に送信して表示し
たものである。
【0102】なお、電力系統安定化システムの構成およ
び作用は、前記第5実施形態と同様であるので、その説
明を省略する。
【0103】このように本実施形態によれば、電力系統
安定化システムの制御対象となる電力設備19の運用者
に対して、制御対象となる事故ケースを含む電力系統安
定化システムに関わる情報を提供することにより、制御
対象となる電力設備19の運用者に対して、制御対象と
なる想定事故の情報を提供することができる。
【0104】[第7実施形態]図8は本発明に係る電力
系統安定化システムの第7実施形態における安定化シス
テム情報端末装置の表示内容を示す図である。
【0105】本実施形態は、電力系統安定化システムの
中央演算手段1から制御対象として決定した電力設備1
9の運用者の所に設けた安定化システム情報端末装置2
1に対して、電力設備19を制御対象に決定した理由を
含む情報を送信する形態を説明するものである。
【0106】図8は安定化演算手段4において演算の結
果、当該電力設備(電力設備A)を制御対象として決定
した想定事故情報、および安定化演算の過程で得られた
当該電力設備を制御対象として決定した理由を示す情報
を前記第5実施形態と同様の作用により、安定化システ
ム情報端末装置21に送信して表示したものである。
【0107】当該電力設備(電力設備A)が制御対象と
なった理由を説明する情報として、想定故障について実
施した安定度演算の結果を示す。図8内のファイル1内
の上図は電力設備Aを含む電力設備を制御した場合は、
電力系統に並列されている発電機の位相角差δが一定の
値に収束して電力系統の安定度を維持することができる
こと、下図は電力設備A以外の電力設備を制御した場合
は位相角差δが拡大し発電機が脱調して電力系統の安定
度を維持することができないことをそれぞれ示してい
る。これら図は、電力設備Aが制御対象として選択され
た理由を示す。
【0108】なお、電力系統安定化システムの構成およ
び作用は、前記第5実施形態と同様であるのでその説明
を省略する。
【0109】このように本実施形態によれば、電力系統
安定化システムの制御対象となる電力設備19の運用者
に対して、制御対象となる事故ケースにおいて制御対象
となった理由を含む電力系統安定化システムに関わる情
報を提供することにより、制御対象となる電力設備19
の運用者に対して、当該電力設備が制御対象に選ばれた
理由を提供することができる。
【0110】[第8実施形態]図9は本発明に係る電力
系統安定化システムの第8実施形態における安定化シス
テム情報端末装置の表示内容を示す図である。
【0111】本実施形態は、実際に電力系統に事故が発
生し、電力系統安定化システムが制御を実施した場合
に、中央演算手段1から系統の安定化を図るべく制御を
実施した電力設備19の運用者の所に設けた安定化シス
テム情報端末装置21に対して前記制御が実施された理
由を含む情報を送信する形態を説明するものである。
【0112】図9は実際に電力系統に事故が発生し、電
力系統安定化システムが安定化制御端末装置20を介し
て制御対象の電力設備を制御した場合、制御を実施した
理由を示す情報を前記第5実施形態と同様の作用によ
り、安定化システム情報端末装置21に送信して表示し
たものである。
【0113】なお、電力系統安定化システムの構成およ
び作用は、前記第5実施形態と同様であるのでその説明
を省略する。
【0114】このように本実施形態によれば、電力系統
安定化システムの制御対象となる電力設備19の運用者
に対して、電力系統安定化システムによって制御が実施
された場合、制御が実施された理由を含む電力系統安定
化システムに関わる情報を提供することにより、実際に
電力系統6に事故が発生し、電力系統安定化システムが
制御を実施した場合、制御を実施した電力設備19の運
用者に対して、当該電力設備を制御した理由を提供する
ことができる。
【0115】[第9実施形態]図10は本発明に係る電
力系統安定化システムの第9実施形態を示すシステム構
成図、図11は本発明に係る電力系統安定化システムの
第9実施形態を示す装置構成図である。
【0116】本実施形態は、電力設備19の運用者から
電力系統安定化システムの中央演算手段1に対して当該
電力設備19の運用に関わる情報を送信することによ
り、当該電力設備19を制御対象から除外できる機能を
提供する。
【0117】また、本実施形態は、前記第5実施形態な
いし前記第8実施形態で述べた電力系統安定化システム
の構成および作用に加えて、以下の構成および作用を有
する。
【0118】本実施形態は、安定化システム情報端末装
置21内に電力設備運用情報入力手段21cおよび電力
設備運用情報送信手段21dを有する一方、中央演算手
段1は電力設備運用情報受信手段23および演算条件更
新手段24を備えている。
【0119】したがって、本実施形態は、電力設備19
の運用者から電力系統安定化システムの中央演算手段1
に対して電力設備19の運用情報を送信し、当該運用情
報を安定化演算条件に反映するため、電力設備19の運
用者が電力設備19の運用情報に関わる情報を電力系統
安定化システムの中央演算手段1に入力するための電力
設備運用情報入力手段21cに入力する。そして、電力
設備運用情報送信手段21dは電力設備運用情報入力手
段21cで入力した情報を中央演算手段1に送信する。
【0120】この中央演算手段1内における電力設備運
用情報受信手段23は、電力設備運用情報送信手段21
dが送信した情報を通信手段11を介して受信し、演算
条件更新手段24は電力設備運用情報受信手段23が受
信した情報を元に安定化演算条件格納手段3に記録され
ている安定化演算条件を更新する。
【0121】具体的には、電力設備19の運用情報とし
て、現在電力設備19が電力系統安定化システムの制御
対象となっている場合、制御対象からの除外申請があ
る。演算条件更新手段24がこの情報を受信したとき
に、安定化演算条件格納手段3に記憶されている当該電
力設備19の情報について制御対象として選択すること
ができないように条件を変更する。
【0122】このように本実施形態によれば、電力設備
19の運用者から送信された電力設備19の運用に関わ
る情報を受信し、その情報を安定化演算条件に反映する
演算条件更新手段24を有することにより、電力系統安
定化システムから電力設備19の運用者に対して一方的
に情報を提供するだけでなく、電力設備19の運用者か
ら電力系統安定化システムに対して情報を提供すること
ができる。この機能により、電力設備を電力系統安定化
システムの制御対象から除外するなどの処理が可能にな
る。
【0123】[第10実施形態]図12は本発明に係る
電力系統安定化システムの第10実施形態を示すシステ
ム構成図、図13は本発明に係る電力系統安定化システ
ムの第10実施形態を示す装置構成図である。
【0124】本実施形態は、安定化システム制御端末装
置20と安定化システム情報端末装置21を一体化した
安定化システム端末装置25を電力系統6に設置したも
のである。したがって、端末装置を一体化したことを除
き、電力系統安定化システムの構成および作用は、前記
第5実施形態ないし前記第9実施形態と同様であるので
その説明を省略する。
【0125】このように本実施形態によれば、電力所に
安定化システム端末装置25だけを設置すればよいの
で、設置面積の削減、開発および管理にかかるコストを
低減することができる。
【0126】[第11実施形態]図14は本発明に係る
電力安定化システムの第11実施形態を示すシステム構
成図、図15は図14の安定化演算手段の処理を示すフ
ローチャートである。
【0127】図14において、本実施形態は、発電事業
者の電力設備であるIPP発電機14から需要家の電力
設備である託送負荷15に対して、電力託送26が行わ
れている。IPP発電機14の発電量Gと託送負荷15
の消費負荷Lは、ほぼ等しいという同時同量制約のもと
に運用される。この同時同量制約は、例えば一定期間
(例えば30分)ごとの合計電力量が許容範囲(例えば
3%)以下というような条件で課されることになる。
【0128】図15は安定化演算手段4において行われ
る安定化演算の処理を示すフローチャートである。図1
5のS1〜S5は、フローチャートにおける各ステップ
を表している。
【0129】S1のステップでは、系統情報受信手段が
2が系統情報と、安定化演算条件格納手段3が格納する
安定化演算条件とをもとに行われる演算で、電力系統安
定化に必要な制御内容が決定される。S1の処理として
は、例えば第4実施形態において説明した処理が行わ
れ、制御対象と決定された電力設備のリストが生成され
る。
【0130】次に、S2のステップでは、S1のステッ
プで生成された電力設備リストに基づき、電力託送26
を実施する発電事業者の電力設備であるIPP発電機1
4が制御対象に含まれるかの判定を行う。もし、IPP
発電機14が制御対象に含まれていなければ(NO)、
S5のステップで図15のフローチャートの処理は終了
する。もし、IPP発電機14が制御対象に含まれてい
れば(YES)、S3のステップに移る。このS3のス
テップでは、電力託送26が制御可能かの判定を行う。
【0131】この電力託送26が制御可能かどうかの情
報は、安定化演算条件格納手段3に予め格納されている
契約条件に基づくものである。すなわち、電力託送26
を行う発電事業者の電力設備であるIPP発電機14が
制御された後、それに対応する需要家の電力設備である
託送負荷15を遮断制御することが可能かどうかを契約
条件に基づいて判定する。
【0132】もし、電力託送22が制御可能でなければ
(NO)、S5のステップで図15のフローチャートの
処理は終了する。もし、電力託送26が制御可能であれ
ば(YES)、S4のステップに移る。このS4のステ
ップでは、電力託送26を実施する需要家の電力設備で
ある託送負荷15を、IPP発電機14を制御した後に
制御するように、制御対象となる電力設備リストに追加
する。そしてS5のステップで図15のフローチャート
の処理は終了する。
【0133】電力系統に事故が発生し、図15のフロー
チャートで得られた制御内容に基づき安定化制御を実施
する場合、まずIPP発電機14に対する制御指令が制
御指令送出手段5から通信手段11を経由して電力設備
制御手段13aに送信される。この電力設備制御手段1
3aは、例えば遮断器10aにトリップ指令を与えてこ
れを遮断し、IPP発電機14を電力系統6から切り離
す制御を行う。この制御の一定時間後、あるいは電力系
統6の安定化が確保された後、託送負荷15に対する制
御指令が制御指令送出手段5から通信手段11を経由し
て電力設備制御手段13bに送信される。この電力設備
制御手段13bは、例えば遮断器10bにトリップ指令
を与えてこれを遮断し、託送負荷15を電力系統から切
り離す制御を行う。
【0134】なお、以上で説明した以外の電力系統安定
化システムの構成および作用は、前記第4実施形態と同
様であるのでその説明を省略する。
【0135】したがって、本実施形態では、もともと同
時同量制約によりIPP発電機14と託送負荷15の発
生および消費電力は平衡していたので、以上のような電
力託送26の託送負荷の制御を含む安定化制御を実施す
ることにより、安定化後の電力系統6における発電量と
負荷との不平衡を小さくすることが可能となり、電力系
統6の周波数の低下を小さくすることができる。
【0136】また、周波数の低下を小さくすることで、
他の周波数予備力電源の動作を少なくすることができる
ので、系統全体の周波数予備力を確保することができ、
電力系統6の信頼性が維持することができる。さらに、
一般には周波数予備力電源は、高価な発電燃料を必要と
する場合が多いため、周波数予備力電源の動作を少なく
することで、系統全体の経済運用すなわち発電コストの
低減に寄与することができる。
【0137】このように本実施形態によれば、電力系統
安定化システムの制御対象となる電力託送26を実施す
る発電事業者の電力設備を制御した後に、電力託送26
を実施する需要家の電力設備を制御することにより、安
定化後の電力系統における発電量と負荷の不平衡を小さ
くすることができ、電力系統6の周波数の低下を小さく
抑えることができる。
【0138】[第12実施形態]図16は本発明に係る
電力安定化システムの第12実施形態を示すシステム構
成図、図17は図16の安定化演算手段の処理を示すフ
ローチャートである。
【0139】図16において、本実施形態では複数の電
力託送26が行われている。ここで、複数の電力託送2
6とは、電力託送を実施する発電事業者および需要家の
少なくとも一方の電力設備が複数であることをいう。図
16は、3つのIPP発電機14と2つの託送負荷15
との間で3つの電力託送26が行われているケースであ
る。
【0140】図17は安定化演算手段4において行われ
る安定化演算の処理をフローチャートである。図17の
S1〜S5は、フローチャートにおける各ステップを表
しており、各処理の内容は図15に示すステップS1〜
S5と同一であるので、ここでは、相違点のみを説明す
る。ステップS3では、電力託送26が制御可能か否か
の判定を行う。この電力託送26が制御可能かどうかの
情報は、安定化演算条件格納手段3にあらかじめ格納さ
れている契約条件に基づく。ここで、制御可能ではある
が、制御することにより経済的な補償を要求する契約で
あるような託送負荷15については、制御不可能と判定
することも可能である。
【0141】ステップS3において、電力託送26が制
御可能でなければ(NO)、ステップS6に移り、電力
託送26が制御可能であれば(YES)、ステップS4
に移る。このステップS4では、電力託送26を実施す
る需要家の電力設備である託送負荷15を、IPP発電
機14を制御した後に制御するように、制御対象となる
電力設備リストに追加し、ステップS6に移行する。
【0142】このステップS6では、ステップS2で制
御対象に含まれると判定された発電事業者のIPP発電
機14が実施する電力託送26の内、ステップS3で制
御可能かどうか未評価の電力託送があるかの判定を行
う。もし、ステップS3で未評価の電力託送26があれ
ば、その未評価の電力託送26について、ステップS3
で託送負荷15が制御可能かどうかの判定を行う。未評
価の電力託送26がこれ以上なければ、ステップS5で
図17のフローチャートの処理は終了する。
【0143】なお、以上で説明した以外の電力系統安定
化システムの構成および作用は、前記第11実施形態と
同様であるのでその説明を省略する。
【0144】したがって、複数の電力託送26の少なく
とも一部の託送負荷15の制御を含む安定化制御を以上
のように行うことによって、図17に示すステップS3
で制御する託送電力の選択の自由度が増える。これによ
り、託送負荷15を制御することによる経済的補償の得
失を考慮できるなど、電力系統6の安定化システムの運
用者が安定化システムにおける電力託送26の制御をよ
り柔軟かつ経済的に実施することができる。
【0145】このように本実施形態によれば、制御対象
となる電力託送26を実施する発電事業者および需要家
の少なくとも一方の電力設備を複数設置したことによ
り、電力系統6の安定化システムの運用者が安定化シス
テムにおける電力託送26の制御をより柔軟かつ経済的
に実施することができる。
【0146】[第13実施形態]図18は本発明に係る
電力安定化システムの第13実施形態を示すシステム構
成図である。
【0147】図18において、中央演算手段1には、安
定化演算手段4からの照会情報を送信する照会手段とし
ての照会情報送信手段27と、回答情報入力手段28
と、演算結果修正手段29とが設けられている一方、電
力系統6には需要家電力所30が設置され、この需要家
電力所30は、照会情報受信手段31、照会情報出力手
段32、回答情報入力手段33および回答情報送信手段
34を備えている。
【0148】したがって、中央演算手段1の安定化演算
手段4は、電力系統安定化システムの制御対象となる電
力設備リストに電力託送26を実施する託送負荷15が
追加された場合、当該託送負荷15の運用者または需要
家電力所30に対して、託送負荷15の制御の可否を照
会を行う。安定化演算手段4からの照会情報は、照会情
報送信手段27によって送信される。
【0149】この照会情報送信手段27が送信した照会
情報は、通信手段11を介して需要家電力所30に設置
された照会情報受信手段31で受信され、この照会情報
受信手段31で受信された照会情報は、照会情報出力手
段32に取り込まれ、運用者に提供される。
【0150】託送負荷15の運用者は、照会情報に対す
る回答情報(制御許可または制御不許可)を回答情報入
力手段33により入力し、この回答情報入力手段33に
入力された回答情報は回答情報送信手段34によって送
信される。この回答情報送信手段34から送信された回
答情報は、通信手段11を介して回答情報受信手段28
で受信される。
【0151】この回答情報受信手段28が受信した回答
情報が、制御許可であれば安定化演算手段4の演算結果
の修正は行われないが、制御不許可の場合には演算結果
修正手段29を通じて、安定化システムによる託送負荷
15に対する制御を行わないように、安定化演算手段4
の演算結果が修正される。
【0152】具体的には、例えば、安定化システムの制
御対象となる電力設備リストから、当該託送負荷15を
削除すればよい。演算結果修正手段29による演算結果
の修正は、当該託送負荷15の制御を実施する前に行わ
れる。
【0153】なお、需要家電力所30と中央演算手段1
との間で情報を伝送するための通信手段11としては、
前記第5実施形態で示した通信手段を用いることも可能
である。また、照会情報受信手段31、照会情報出力手
段32、回答情報入力手段33および回答情報送信手段
34を、前記第9実施形態で示した安定化システム情報
端末装置21や、前記第10実施形態で示した安定化シ
ステム端末装置25によって実現することも可能であ
る。
【0154】さらに、回答情報入力手段33への回答情
報の入力は、照会情報出力手段32が照会情報を出力す
る前にあらかじめ入力しておいても構わないし、あるい
は照会情報を出力する毎に、あらかじめ定めた規則に則
って自動的に入力され、回答情報送信手段34を通じて
送信されるようにしても構わない。これらにより、運転
員が回答情報をその都度入力する手間を省略することが
できる。
【0155】なお、以上で説明した以外の電力系統安定
化システムの構成および作用は、前記第11ないし前記
第12実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0156】したがって、電力託送26の制御を含む安
定化制御を実施する前に、以上のように託送負荷15へ
の制御可否をその運用者に照会し、その回答が制御許可
であれば、そのまま託送負荷15への制御を実施し、ま
た回答が制御不許可であれば託送負荷15への制御を中
止する処理を行うことにより、託送負荷15の運用者に
とって望ましくない時点での安定化システムによる託送
負荷15の制御を防止することが可能となる。
【0157】このように本実施形態によれば、制御対象
となる需要家の電力設備を制御する前に、その制御の可
否を需要家に照会する照会情報送信手段27を有し、こ
の照会結果に基づいて需要家の電力設備を制御すること
により、託送負荷15の運用者にとって望ましくない時
点での安定化システムによる託送負荷15の制御を防止
することができる。
【0158】[第14実施形態]本発明の第14実施形
態を、前記第5実施形態の電力系統安定化システムに適
用して説明する。
【0159】すなわち、本実施形態は、前記第5実施形
態の電力系統安定化システムを実現するコンピュータ
は、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの記
録媒体に記録された前記第5実施形態の電力系統安定化
システムを実現するプログラムを読み込み、このプログ
ラムによって動作が制御されることにより、前記第5実
施形態に示した処理を実行し、前記第5実施形態の電力
系統安定化システムとして機能するものである。
【0160】なお、本実施形態は、前記第5実施形態に
限ることなく、前記第1実施形態ないし前記第4実施形
態、前記第6実施形態ないし前記第13実施形態を実施
する処理プログラムを記憶媒体に記憶し、各機能を発揮
させることもできる。
【0161】このように本実施形態によれば、電力系統
安定化システムを実現するためのプログラムを記録した
コンピュータ読取可能な記憶媒体であるので、電力系統
安定化システムを実現するために必要なソフトウェアを
供給することができる。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電力系
統安定化システムによれば、従来制御対象となっていな
かった電力市場自由化に伴う新しい電力取引の契約のも
とで電力を供給または消費する者の電力設備を制御しな
ければ、電力系統を安定に運転できないような事故が生
じた場合においても、系統を安定に運転することが可能
となる。
【0163】また、本発明に係る記録媒体によれば、本
発明の電力系統安定化システムを実現するために必要な
ソフトウェアを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電力系統安定化システムの第1実
施形態を示すシステム構成図。
【図2】本発明に係る電力系統安定化システムの第2実
施形態を示すシステム構成図。
【図3】第2実施形態におけるディジタル通信ネットワ
ーク手段の詳細を示すシステム構成図。
【図4】本発明に係る電力系統安定化システムの第5実
施形態を示すシステム構成図。
【図5】本発明に係る電力系統安定化システムの第5実
施形態を示す装置構成図。
【図6】第5実施形態の安定化システム情報端末装置の
表示内容を示す図。
【図7】本発明に係る電力系統安定化システムの第6実
施形態における安定化システム情報端末装置の表示内容
を示す図。
【図8】本発明に係る電力系統安定化システムの第7実
施形態における安定化システム情報端末装置の表示内容
を示す図。
【図9】本発明に係る電力系統安定化システムの第8実
施形態における安定化システム情報端末装置の表示内容
を示す図。
【図10】本発明に係る電力系統安定化システムの第9
実施形態を示すシステム構成図。
【図11】本発明に係る電力系統安定化システムの第9
実施形態を示す装置構成図。
【図12】本発明に係る電力系統安定化システムの第1
0実施形態を示すシステム構成図。
【図13】本発明に係る電力系統安定化システムの第1
0実施形態を示す装置構成図。
【図14】本発明に係る電力系統安定化システムの第1
1実施形態を示すシステム構成図。
【図15】図14における安定化演算手段の処理を示す
フローチャート。
【図16】本発明に係る電力系統安定化システムの第1
2実施形態を示すシステム構成図。
【図17】図16における安定化演算手段の処理を示す
フローチャート。
【図18】本発明に係る電力系統安定化システムの第1
3実施形態を示すシステム構成図。
【図19】従来の電力系統安定化システムを示すシステ
ム構成図。
【符号の説明】
1 中央演算手段 2 系統情報受信手段 3 安定化演算条件格納手段 4 安定化演算手段 5 制御指令送出手段 6 電力系統 7 系統情報収集手段 8 発電機 9 負荷 10 遮断器 11 通信手段 12 トリップ指令 13 電力設備制御手段 14 IPP発電機(電力設備) 15 託送負荷(電力設備) 16 ディジタル通信ネットワーク手段 17 インターネット 18 イントラネット 19 電力設備 20 安定化システム制御端末装置 21 安定化システム情報端末装置 21a 安定化システム情報受信手段 21b 安定化システム情報出力手段 21c 電力設備運用情報入力手段 21d 電力設備運用情報送信手段 22 安定化システム情報送信手段 23 電力設備運用情報受信手段 24 演算条件更新手段 25 安定化システム端末装置 26 電力託送 27 照会情報送信手段(照会手段) 28 回答情報受信手段 29 演算結果修正手段 30 需要家電力所 31 照会情報受信手段 32 照会情報出力手段 33 回答情報入力手段 34 回答情報送信手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 祐二 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 小林 武則 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 5B049 AA06 GG00 5G066 AA05 AA20 AD01 AD09 AE09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の事故発生時、その電力系統を
    安定維持する電力系統安定化システムであって、電力を
    供給する発電事業者や消費する需要家の電力設備を電力
    市場自由化に伴う電力取引の契約に基づいて制御する電
    力設備制御手段を設けたことを特徴とする電力系統安定
    化システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電力系統安定化システム
    において、制御対象となる電力設備に制御指令を伝達す
    るための媒体としてイントラネット、インターネットの
    ディジタル通信ネットワーク手段を介して行うことを特
    徴とする電力系統安定化システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電力系統安定化
    システムにおいて、電力系統の安定化のための演算処理
    を行う演算手段を有し、この演算処理の際、発電事業者
    の電力設備を制御することに関する契約を考慮して前記
    電力系統の安定化に必要な制御内容を決定することを特
    徴とする電力系統安定化システム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の電力系統安定化
    システムにおいて、電力系統の安定化のための演算処理
    を行う演算手段を有し、この演算処理の際、託送により
    電力を供給する発電事業者や託送供給を受ける需要家の
    電力設備を制御することに関する契約を考慮して前記電
    力系統の安定化に必要な制御内容を決定することを特徴
    とする電力系統安定化システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電力系統安定化システム
    において、制御対象となる電力設備の運用者に対して安
    定化システム情報を提供する手段を設けたことを特徴と
    する電力系統安定化システム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電力系統安定化システム
    において、制御対象となる電力設備の運用者に対して制
    御対象となる事故ケースにおいて制御対象となった理由
    を含む安定化システム情報を提供すること特徴とする電
    力系統安定化システム。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の電力系統安定化システム
    において、制御対象となる電力設備の制御が実施された
    場合、その制御が実施された理由を含む安定化システム
    情報を前記電力設備の運用者に対して提供すること特徴
    とする電力系統安定化システム。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれかに記載の電
    力系統安定化システムにおいて、電力設備の運用者から
    送信された電力設備の運用に関わる情報を受信し、その
    情報を安定化演算条件に反映する手段を設けたことを特
    徴とする電力系統安定化システム。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の電力系統安定化システム
    において、制御対象となる電力託送を実施する発電事業
    者の電力設備を制御した後、前記電力託送を実施する需
    要家の電力設備を制御することを特徴とする電力系統安
    定化システム。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の電力系統安定化システ
    ムにおいて、制御対象となる電力託送を実施する発電事
    業者および需要家の少なくとも一方の電力設備を複数設
    置したことを特徴とする電力系統安定化システム。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載の電力系統安
    定化システムにおいて、制御対象となる需要家の電力設
    備を制御する前に、その制御の可否を需要家に照会する
    照会手段を有し、その照会結果に基づいて需要家の電力
    設備を制御することを特徴とする電力系統安定化システ
    ム。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の電力系統安定化システムを実現するためのプログラム
    を記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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