JP2002033667A - 信号復号化方法及び装置 - Google Patents

信号復号化方法及び装置

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JP2002033667A JP2001165915A JP2001165915A JP2002033667A JP 2002033667 A JP2002033667 A JP 2002033667A JP 2001165915 A JP2001165915 A JP 2001165915A JP 2001165915 A JP2001165915 A JP 2001165915A JP 2002033667 A JP2002033667 A JP 2002033667A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い圧縮率で符号化された信号を、音質劣化
なく復号し再生する。特に、トーン性の音響信号に対し
て、高圧縮時でも音質劣化の少ない再生を可能とする。 【解決手段】 符号列分解回路701で分離されたトー
ン性成分の信号をトーン性成分復号化回路702で復号
化し、ノイズ性成分の信号をノイズ性成分復号化回路7
03で復号化して、合成回路704に送って合成し、逆
変換回路705で逆変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる高能率符号化
によって入力ディジタルデータの符号化を行ない伝送、
記録、再生された信号を復号化して再生信号を得る際の
復号化に適用される信号復号化方法及び装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、オーディオ或いは音声等の信
号の高能率符号化の手法には種々あるが、例えば、時間
軸上のオーディオ信号等をある単位時間でブロック化し
ないで複数の周波数帯域に分割して符号化する非ブロッ
ク化周波数帯域分割方式である帯域分割符号化(サブ・
バンド・コーディング:SBC)や、時間軸の信号をある単
位時間でブロック化してこのブロック毎に周波数軸上の
信号に変換(スペクトル変換)して複数の周波数帯域に
分割し、各帯域毎に符号化するブロック化周波数帯域分
割方式であるいわゆる変換符号化等を挙げることができ
る。また、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組み
合わせた高能率符号化の手法も考えられており、この場
合には、例えば、上記帯域分割符号化で帯域分割を行っ
た後、該各帯域毎の信号を周波数軸上の信号にスペクト
ル変換し、このスペクトル変換された各帯域毎に符号化
を施す。
【0003】ここで、上記帯域分割符号化や上記組合せ
の高能率符号化の手法などに用いられる帯域分割用のフ
ィルタとしては、例えばいわゆるQMFなどのフィルタ
があり、これは例えば1976 R.E.Crochiere Digital co
ding of speech in subbandsBell Syst.Tech. J. Vol.5
5,No.8 1976に述べられている。また例えば、ICASSP83,
BOSTON Polyphase Quadrature filters-A new subband
coding techniqueJoseph H. Rothweilerには等バンド幅
のフィルタ分割手法が述べられている。
【0004】また、上述したスペクトル変換としては、
例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレー
ム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変
換(DFT)、コサイン変換(DCT)、モディファイ
ドDCT変換(MDCT)等を行うことで時間軸を周波
数軸に変換するようなスペクトル変換がある。なお、上
記MDCTについては、ICASSP 1987, Subband/Transfo
rm Coding Using FilterBank Designs Based on Time D
omain Aliasing Cancellation, J.P.Princen,A.B.Brad
ley, Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst. of Tec
h. に述べられている。
【0005】このように、フィルタやスペクトル変換に
よって帯域毎に分割された信号を量子化することによ
り、量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、
マスキング効果などの性質を利用して聴覚的により高能
率な符号化を行なうことができる。また、ここで量子化
を行なう前に、各帯域毎に、例えばその帯域における信
号成分の絶対値の最大値で正規化を行なうようにすれ
ば、さらに高能率な符号化を行なうことができる。
【0006】また、周波数帯域分割された各周波数成分
を量子化する周波数分割幅としては、例えば人間の聴覚
特性を考慮した帯域分割が行われる。すなわち、一般に
臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ばれている高域ほ
ど帯域幅が広くなるような帯域幅で、オーディオ信号を
複数(例えば25バンド)の帯域に分割することがあ
る。また、この時の各帯域毎のデータを符号化する際に
は、各帯域毎に所定のビット配分或いは、各帯域毎に適
応的なビット割当て(ビットアロケーション)による符
号化が行われる。例えば、上記MDCT処理されて得ら
れた係数データを上記ビットアロケーションによって符
号化する際には、上記各ブロック毎のMDCT処理によ
り得られる各帯域毎のMDCT係数データに対して、適
応的な割当てビット数で符号化が行われることになる。
【0007】ここで上記ビット割当手法としては、次の
2手法が知られている。すなわち、例えば、IEEE Trans
actions of Accoustics, Speech, and Signal Processi
ng,vol. ASSP-25, No.4, August 1977 では、各帯域毎
の信号の大きさをもとに、ビット割当を行なっている。
この方式では、量子化雑音スペクトルが平坦となり、雑
音エネルギが最小となるが、聴感覚的にはマスキング効
果が利用されていないために実際の雑音感は最適ではな
い。また例えば、ICASSP 1980, The criticalband code
r -- digital encoding of the perceptual requiremen
ts of the auditory system, M.A. Kransner, MIT で
は、聴覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要
な信号対雑音比を得て固定的なビット割当を行なう手法
が述べられている。しかしこの手法ではサイン波入力で
特性を測定する場合でも、ビット割当が固定的であるた
めに特性値が、それほど良い値とならない。
【0008】これらの問題を解決するために、ビット割
当に使用できる全ビットが、各小ブロック毎に予め定め
られた固定ビット割当パターン分と、各ブロックの信号
の大きさに依存したビット配分を行なう分とに分割使用
され、その分割比を入力信号に関係する信号に依存さ
せ、前記信号のスペクトルが滑らかなほど前記固定ビッ
ト割当パターン分への分割比率を大きくする高能率符号
化装置が、EUROPEAN PATENT APPLICATION, Publication
number 0 525 809 A2, Datte of publication of appl
ication 03.02.93 Bulletin 93/05 において提案されて
いる。
【0009】この方法によれば、サイン波入力のよう
に、特定のスペクトルにエネルギが集中する場合にはそ
のスペクトルを含むブロックに多くのビットを割り当て
る事により、全体の信号対雑音特性を著しく改善するこ
とができる。一般に、急峻なスペクトル成分をもつ信号
に対して人間の聴覚は極めて敏感であるため、このよう
な方法を用いる事により、信号対雑音特性を改善するこ
とは、単に測定上の数値を向上させるばかりでなく、聴
感上、音質を改善するのに有効である。
【0010】ビット割り当ての方法にはこの他にも数多
くのやり方が提案されており、さらに聴覚に関するモデ
ルが精緻化され、符号化装置の能力があがれば聴覚的に
みてより高能率な符号化が可能になる。
【0011】ここで、図18以降の各図を用いて従来の
信号符号化装置について説明する。
【0012】この図18において、端子100を介して
供給された音響信号波形は変換回路101によって信号
周波数成分に変換された後、信号成分符号化回路102
によって各成分が符号化され、符号列生成回路103に
よって符号列が生成され、端子104から出力される。
【0013】図19には、図18の変換回路101の具
体的構成を示す。この図19において、端子200を介
して供給された信号(図18の端子100を介した信
号)が、二段の帯域分割フィルタ201,202によっ
て三つの帯域に分割される。帯域分割フィルタ201で
は端子200を介した信号が1/2に間引かれ、帯域分
割フィルタ202では上記帯域分割フィルタ201で1
/2に間引かれた一方の信号がさらに1/2に間引かれ
る(端子200の信号が1/4に間引かれるようにな
る)。すなわち、帯域分割フィルタ202からの2つの
信号の帯域幅は、端子200からの信号の帯域幅の1/
4となっている。
【0014】これら帯域分割フィルタ201,202に
よって上述のように三つの帯域に分割された各帯域の信
号は、それぞれMDCT等のスペクトル変換を行う順ス
ペクトル変換回路203,204,205によってスペ
クトル信号成分となされる。これら順スペクトル変換回
路203,204,205の出力が上記図18の信号成
分符号化回路102に送られる。
【0015】図20には、図18の信号成分符号化回路
102の具体的な構成を示す。
【0016】この図20において、端子300に供給さ
れた上記信号成分符号化回路102からの出力は、正規
化回路301によって所定の帯域毎に正規化が施された
後、量子化回路303に送られる。また、上記端子30
0に供給された信号は、量子化精度決定回路302にも
送られる。
【0017】上記量子化回路303では、上記端子30
0を介した信号から量子化精度決定回路302によって
計算された量子化精度に基づいて、上記正規化回路20
1からの信号に対して量子化が施される。当該量子化回
路303からの出力が端子304から出力されて図18
の符号列生成回路103に送られる。なお、この端子3
04からの出力信号には、上記量子化回路303によっ
て量子化された信号成分に加え、上記正規化回路301
における正規化係数情報や上記量子化精度決定回路30
2における量子化精度情報も含まれている。
【0018】図21には、図18の構成の符号化装置に
よって生成された符号列から音響信号を復号化して出力
する復号化装置の概略構成を示す。
【0019】この図21において、端子400を介して
供給された図18の構成により生成された符号列から
は、符号列分解回路401によって各信号成分の符号が
抽出される。それらの符号からは、信号成分復号化回路
402によって各信号成分が復元され、その後、逆変換
回路403によって図18の変換回路101の変換に対
応する逆変換が施される。これにより音響波形信号が得
られ、この音響波形信号が端子404から出力される。
【0020】図22には、図21の逆変換回路403の
具体的な構成を示す。
【0021】この図21の構成は、図19に示した変換
回路の構成例に対応したもので、端子501,502,
503を介して信号成分復号化回路402から供給され
た信号は、それぞれ図19における順スペクトル変換に
対応する逆スペクトル変換を行う逆スペクトル変換回路
504,505,506によって変換がなされる。これ
ら逆スペクトル変換回路504,505,506によっ
て得られた各帯域の信号は、二段の帯域合成フィルタに
よって合成される。
【0022】すなわち、逆スペクトル変換回路505及
び506の出力は帯域合成フィルタ507に送られて合
成され、この帯域合成フィルタ507の出力と上記逆ス
ペクトル変換回路504の出力とが帯域合成フィルタ5
08にて合成される。当該帯域合成フィルタ508の出
力が端子509(図21の端子404)から出力される
ようになる。
【0023】次に、図23には、図18に示される符号
化装置において、従来より行なわれてきた符号化の方法
について説明を行なうための図である。この図23の例
において、スペクトル信号は図19の変換回路によって
得られたものであり、図23はMDCTによるスペクト
ル信号の絶対値のレベルをdB値に変換して示したもの
である。
【0024】この図23において、入力信号は所定の時
間ブロック毎に64個のスペクトル信号に変換されてお
り、それが図23の図中b1からb5に示す五つの所定
の帯域毎にグループ(これをここでは符号化ユニットと
呼ぶことにする)にまとめて正規化及び量子化が行なわ
れる。ここでは各符号化ユニットの帯域幅は低域側で狭
く、高域側で広くとられており、聴覚の性質に合った量
子化雑音の発生の制御ができるようになっている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来用いられた方法では、周波数成分を量子化する帯域は
固定されている。このため、例えば、スペクトルが幾つ
かの特定の周波数近辺に集中する場合には、それらのス
ペクトル成分を十分な精度で量子化しようとすると、そ
れらのスペクトル成分と同じ帯域に属する多数のスペク
トルに対して多くのビットを割り振らなければならな
い。
【0026】すなわち、上記図23からも明らかなよう
に、所定の帯域毎にまとめて正規化が行なわれると、例
えば信号にトーン性成分が含まれている図中b3の帯域
において、正規化係数値はトーン性成分によって決まる
大きな正規化係数値をもとに正規化されることになる。
【0027】このとき、一般に、特定の周波数にスペク
トルのエネルギが集中するトーン性の音響信号に含まれ
る雑音は、エネルギが広い周波数帯にわたってなだらか
に分布する音響信号に加わった雑音と比較して非常に耳
につき易く、聴感上大きな障害となる。さらにまた、大
きなエネルギを持つスペクトル成分すなわちトーン性成
分が十分精度良く量子化されていないと、それらのスペ
クトル成分を時間軸上の波形信号に戻して前後のブロッ
クと合成した場合にブロック間での歪みが大きくなり
(隣接する時間ブロックの波形信号と合成された時に大
きな接続歪みが発生する)、やはり大きな聴感上の障害
となる。このため、トーン性成分の符号化のためには十
分なビット数で量子化を行なわなければならないが、上
述のように所定の帯域毎に量子化精度が決められる場合
にはトーン性成分を含む符号化ユニット内の多数のスペ
クトルに対して多くのビットを割り当てて量子化を行な
う必要があり、符号化効率が悪くなってしまう。したが
って、従来は、特にトーン性の音響信号に対して音質を
劣化させることなく符号化の効率を上げることが困難で
あった。
【0028】そこで、本発明は、特にトーン性の音響信
号に対して音質を劣化させることなく符号化の効率を上
げることを可能とする符号化処理によって符号化された
信号を入力し、復号化するための信号復号化方法及び装
置の提供を目的とするものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明に係る符号化され
た信号を復号するための信号復号化方法は、トーン性成
分からなる第1の信号を復号化して第1の復号化信号を
生成し、ノイズ性成分からなる第2の信号を復号化して
第2の復号化信号を生成し、上記第1及び第2の復号化
信号を合成して逆変換を行う合成逆変換、又は上記第1
及び第2の復号化信号を各々逆変換して合成する合成逆
変換を行うことを特徴とする。
【0030】ここで、本発明の信号復号化方法におい
て、上記合成逆変換のステップは、上記トーン性成分の
周波数軸上での位置情報に基づいて合成又は逆変換を行
う。また、本発明の信号復号化方法では、上記トーン性
成分の所定の範囲内での数情報に基づいて、上記第1の
信号と上記第2の信号とを分離するステップを含む。上
記第1の復号化信号を生成するステップ及び上記第2の
復号化信号を生成するステップの内の少なくとも上記第
2の復号化信号を生成するステップは、正規化情報及び
量子化精度情報に基づいて入力された信号に対して逆量
子化及び正規化の解除を行う。上記符号化された信号は
音声信号である。
【0031】次に、本発明の符号化された信号の信号復
号化装置は、トーン性成分からなる第1の信号を復号化
して第1の復号化信号を生成する第1の復号化手段と、
ノイズ性成分からなる第2の信号を復号化して第2の復
号化信号を生成する第2の復号化手段と、上記第1及び
第2の復号化信号を合成して逆変換を行う合成逆変換、
又は上記第1及び第2の復号化信号を各々逆変換して合
成する合成逆変換を行う合成逆変換手段とを有する。
【0032】ここで、本発明の信号復号化装置におい
て、上記合成逆変換手段は、上記トーン性成分の局波数
軸上での位置情報に基づいて合成又は逆変換を行う。上
記トーン性成分の所定の範囲内での数情報に基づいて、
上記第1の信号と上記第2の信号とを分離する分離手段
を有する。上記第1の復号化手段及び上記第2の復号化
手段は、正規化情報及び量子化精度情報に基づいて入力
された信号に対して逆量子化及び正規化の解除を行う手
段を有する。上記符号化された信号は音声信号である。
【0033】
【作用】本発明によれば、入力された例えば音響信号を
特定の周波数にエネルギが集中する信号成分と広い帯域
にエネルギがなだらかに分布する成分とに分離して符号
化を施すことにより、高い符号化効率を実現できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図
面を参照しながら説明する。
【0035】図1には、本発明に係る信号復号化方法が
適用される信号復号化装置に供給される符号化された信
号を得るための信号符号化方法が適用される信号符号化
装置の概略構成を示している。
【0036】図1において、端子600には音響波形信
号が供給される。この音響信号波形は、変換回路601
によって信号周波数成分に変換された後、信号成分分離
回路602に送られる。
【0037】当該信号成分分離回路602においては、
変換回路601によって得られた信号周波数成分は、急
峻なスペクトル分布を持つトーン性成分と、それ以外の
信号周波数成分すなわち平坦なスペクトル分布を持つノ
イズ性成分とに分離される。これら分離された周波数成
分のうち、上記急峻なスペクトル分布を持つトーン性成
分はトーン性成分符号化回路603で、それ以外の信号
周波数成分である上記ノイズ性成分はノイズ性成分符号
化回路604で、それぞれ符号化される。これらトーン
性成分符号化回路603とノイズ性成分符号化回路60
4からの出力は、符号列生成回路605によって符号列
が生成され、出力される。ECCエンコーダ606は、
符号列生成回路605からの符号列に対して、エラーコ
レクションコードを付加する。ECCエンコーダ606
からの出力は、EFM回路607によって変調され、記
録ヘッド608に供給される。記録ヘッド608は、E
FM回路607から出力された符号列をディスク609
に記録する。ディスク609は例えば光磁気ディスクや
相変化ディスクとすることができる。また、ディスク6
09の代わりにICカード等を用いることもできる。
【0038】なお、変換回路601には前述した図19
と同様の構成を使用することができる。もちろん、図1
の変換回路601の具体的構成としては、上記図19の
構成以外にも多数考えることができ、例えば、入力信号
を直接MDCTによってスペクトル信号に変換しても良
いし、スペクトル変換はMDCTではなくDFTやDC
Tなどを用いることもできる。
【0039】また、前述のように、帯域分割フィルタに
よって信号を帯域成分に分割することも可能であるが、
本発明の方法は特性の周波数にエネルギが集中する場合
に特に有効に作用するので、多数の周波数成分が比較的
少ない演算量で得られる上述のスペクトル変換によって
周波数成分に変換する方法をとると都合がよい。
【0040】さらに、トーン性成分符号化回路603と
ノイズ性成分符号化回路604も基本的には前述した図
20と同様の構成で実現することができるものである。
【0041】一方、図2には、図1の符号化装置で符号
化された信号を復号化する本発明の信号復号化方法が適
用される実施例の信号復号化装置の概略構成を示す。
【0042】この図2において、ディスク609から再
生ヘッド708を介して再生された符号列は、EFM復
調回路709に供給される。EFM復調回路709で
は、入力された符号列を復調する。復調された符号列
は、ECCデコーダ710に供給され、ここでエラー訂
正が行われる。符号列分解回路701は、エラー訂正さ
れた符号列中のトーン性成分情報数に基づいて、符号列
のどの部分がトーン性成分符号であるかを認識し、入力
された符号列をトーン性成分符号とノイズ性成分符号に
分離する。また、符号列分離回路701は、入力された
符号列からトーン性成分の位置情報を分離し、後段の合
成回路704に出力する。上記トーン性成分符号はトー
ン性成分復号化回路702に送られ、上記ノイズ性成分
符号はノイズ性成分復号化回路703に送られ、ここで
それぞれ逆量子化及び正規化の解除が行われ復号化され
る。その後、これらトーン性成分復号化回路702とノ
イズ性成分復号化回路703からの復号化信号は、上記
図1の信号成分分離回路602での分離に対応する合成
を行う合成回路704に供給される。合成回路704
は、符号列分離回路701から供給されたトーン性成分
の位置情報に基づいて、トーン性成分の復号化信号を、
ノイズ性成分の復号化信号の所定の位置に加算すること
により、ノイズ性成分とトーン性成分の周波数軸上での
合成を行う。さらに、合成された復号化信号は、上記図
1の変換回路601での変換に対応する逆変換を行う逆
変換回路705で変換処理され、周波数軸上の信号から
元の時間軸上の波形信号に戻される。この逆変換回路7
05からの出力波形信号は、端子707から出力され
る。
【0043】なお、逆変換と合成の処理順序は逆でもよ
く、この場合図2における合成逆変換部711は図3に
示す構成となる。この図3において、逆変換回路712
は、ノイズ性成分復号化回路703からの周波数軸上の
ノイズ性成分の復号化信号を時間軸上のノイズ性成分信
号に逆変換する。逆変換回路713は、トーン性成分復
号化回路702からのトーン性成分の復号化信号を、符
号列分離回路701から供給されたトーン性成分の位置
情報の示す周波数軸上の位置に配し、これを逆変換し
て、時間軸上のトーン性成分信号を生成する。合成回路
714は、逆変換回路712からの時間軸上のノイズ性
成分信号と逆変換回路713からの時間軸上のトーン性
成分信号とを合成し、元の波形信号を生成する。
【0044】なお、上記逆変換回路705,712,7
13には、前述した図22と同様の構成を使用すること
ができる。
【0045】ここで、図4には、図1の符号化装置の信
号成分分離回路602においてトーン性成分を分離する
ための具体的処理の流れを表す。
【0046】なお、図4において、Iはスペクトル信号
の番号を、Nはスペクトル信号の総数、P,Rは所定の
係数を示している。また、上記トーン成分は、あるスペ
クトル信号の絶対値が局所的に見て他のスペクトル成分
よりも大きく、なおかつ、それがその時間ブロック(ス
ペクトル変換の際のブロック)におけるスペクトル信号
の絶対値の最大値と比較して所定の大きさ以上であり、
さらに、そのスペクトルと近隣のスペクトル(例えば両
隣のスペクトル)のエネルギの和がそれらのスペクトル
を含む所定の帯域内のエネルギに対して所定の割合以上
を示している場合に、そのスペクトル信号と例えばその
両隣のスペクトル信号がトーン性成分であると見なして
いる。なお、ここで、エネルギ分布の割合を比較する所
定の帯域としては、聴覚の性質を考慮して例えば臨界帯
域幅に合わせて、低域では狭く高域では広くとることが
できる。
【0047】すなわち、この図4において、先ず、ステ
ップS1では最大スペクトル絶対値を変数A0 に代入
し、ステップS2ではスペクトル信号の番号Iを1にす
る。ステップS3では、ある時間ブロック内のあるスペ
クトル絶対値を変数Aに代入する。
【0048】ステップS4では、上記スペクトル絶対値
が局所的に見て他のスペクトル成分よりも大きい極大絶
対値スペクトルか否かを判断し、極大絶対値スペクトル
でないとき(No)にはステップS10に進み、極大絶
対値スペクトルである場合(Yes)にはステップS5
に進む。
【0049】ステップS5では、当該極大絶対値スペク
トルを含むその時間ブロックにおける当該極大絶対値ス
ペクトルの変数Aと最大スペクトル絶対値の変数A0 と
の比と、所定の大きさを示す係数Pとの大小比較(A/
A0 >P)を行い、A/A0がPより大きい場合(Ye
s)にはステップS6に、A/A0 がP以下の場合(N
o)にはステップS10に進む。
【0050】ステップS6では、上記スペクトル絶対値
のスペクトル(極大絶対値スペクトル)の近隣のスペク
トルのエネルギ値(例えば両隣のスペクトルのエネルギ
の和)を変数Xに代入し、次のステップS7では当該極
大絶対値スペクトル及びその近隣のスペクトルを含む所
定の帯域内のエネルギ値を変数Yに代入する。
【0051】次のステップS8では、上記エネルギ値の
変数Xと所定帯域内のエネルギ値の変数Yとの比と、所
定の割合を示す係数Rとの大小比較(X/Y>R)を行
い、X/YがRより大きいとき(Yes)にはステップ
S9に、X/YがR以下のとき(No)にはステップS
10に進む。
【0052】ステップS9では、上記極大絶対値スペク
トルとその近隣のスペクトルにおける上記エネルギがそ
れらのスペクトルを含む所定の帯域内のエネルギに対し
て所定の割合以上を示している場合に、その極大絶対値
スペクトルの信号と例えばその両隣のスペクトルの信号
がトーン性成分であると見なし、その旨を登録する。
【0053】次のステップS10では、上記ステップS
9において登録されたスペクトル信号の番号Iとスペク
トル信号の総数Nとが等しい(I=N)か否かを判断
し、等しい場合(Yes)には処理を終了し、等しくな
い場合(No)にはステップS11に進む。このステッ
プS11では、I=I+1として1づつスペクトル信号
の番号を増加させてステップS3に戻り、上述の処理を
繰り返す。
【0054】信号成分分離回路602は、上述の処理に
よってトーン性成分であると判定した周波数成分をトー
ン性成分符号化回路603に供給し、それ以外の周波数
成分をノイズ性成分として、ノイズ性成分符号化回路6
04に供給する。また、信号成分分離回路602は、ト
ーン性成分であると判定された周波数情報の数とその位
置の情報を符号列生成回路605に供給する。
【0055】図5には、上述のようにしてトーン性成分
が周波数成分から分離される一例の様子を表す。
【0056】この図5に示す例では、図中TCA ,TC
B ,TCC ,TCD で示す四つのトーン性成分が抽出さ
れている。ここで、当該トーン性成分は、図5の例のよ
うに少数のスペクトル信号に集中して分布しているた
め、これらの成分を精度良く量子化しても、全体として
はあまり多くのビット数は必要とはならない。また、ト
ーン成分を一旦、正規化してから量子化することによっ
て符号化の効率を高めることができるが、トーン性成分
を構成するスペクトル信号は比較的少数であるので正規
化や再量子化の処理を省略して装置を簡略化してもよ
い。
【0057】また、図6には、元のスペクトル信号から
トーン性成分を除いたノイズ性成分を表した例を示して
いる。
【0058】この図6に示すように、各帯域b1〜b5
において上記元のスペクトル信号からは上述のようにト
ーン性成分が除かれているため、各符号化ユニットにお
ける正規化係数は小さな値となり、したがって、少ない
ビット数でも発生する量子化雑音は小さくすることがで
きる。
【0059】ここで、聴覚の性質を利用すると、上記ノ
イズ性成分の符号化はさらに効率良く行なうことができ
る。すなわち、周波数軸上でトーン性の信号の近辺では
マスキング効果が有効に働く。したがって、抽出された
近辺のノイズ性成分(上記トーン性成分の近辺のノイズ
性成分)は0であるとして符号化を行なっても、それが
後に復号化された音響信号は元の音と聴感上、大きな差
異は感じられない。
【0060】図7を用いて、このような性質を利用した
ノイズ成分符号化回路604における符号化の方法の具
体例について説明する。
【0061】この図7においては、上記トーン性成分
(TCA ,TCB ,TCC ,TCD )の主要部分が存在
する符号化ユニットのノイズ性成分を0にしている。こ
のため、各帯域のノイズ性成分のうち、実際に符号化さ
れるのは帯域b5の符号化ユニットだけである。この方
法は、符号化ユニットが臨界帯域幅を基準にとられてい
る場合などには極めて簡単な方法で圧縮を行なうことが
できる。
【0062】また、図8を用いて、このような性質を利
用した符号化の方法のもう一つの具体例について説明す
る。
【0063】この図8においては、符号化ユニットのノ
イズ性成分を0にするのではなく、各トーン性成分(T
CA ,TCB ,TCC ,TCD )の近隣の所定の数のス
ペクトル成分を0にしている。この所定の数は、聴覚の
性質に基づいて、そのトーン性成分の周波数によって変
化させ、低域では少なく、高域では多くとるようにする
ことができる。また、この具体例では、この結果、帯域
b4の符号化ユニットのノイズ性成分が全て0となり、
帯域b4のノイズ性成分は実際には符号化されない。こ
の具体例の方法によっても比較的簡単な手段によって聴
覚的に有効な効率の良い圧縮を行なうことができる。な
お、トーン性成分によるマスキングは高域側に対して強
く働くため、ノイズ性成分を0にする範囲は非対称にし
ても良い。
【0064】またノイズ性成分を、符号列生成回路60
5において、例えば、D.A.Huffman:A Method for Const
ruction of Minimum Redundancy Codes, Proc.I.R.E.,
40,p.1098 (1952)に述べられているいわゆる可変長符号
によって符号化してもよい。このような符号化方法では
頻度の多いパターンには短い符号長を割り当てることに
よって符号化の効率を上げているが、このような符号を
用いる場合には前述のようにノイズ性の成分を0にして
おく方法が有効に働く。すなわち、0の成分が多く出現
するため、0に対して短い長さの符号を割り当てること
によって符号化の効率を上げることができる。
【0065】以上、トーン性成分を分離し、トーン性成
分およびその近辺の信号を0にした後、ノイズ性成分を
符号化する本実施例の方法について述べたが、元のスペ
クトル信号からトーン性成分を符号化して復号化した信
号を引いたものを符号化していく、という方法もとるこ
とができる。
【0066】この方法による信号符号化装置を図9を参
照しながら説明する。尚、図1と同じ構成については、
同じ番号を付与し、その説明を省略する。
【0067】変換回路601によって得られだスペクト
ル信号は、制御回路808によって制御されるスイッチ
801を介して、トーン性成分抽出回路802に供給さ
れる。トーン性成分抽出回路802は、上述した図4の
処理によってトーン性成分を判別し、判別されたトーン
性成分のみをトーン性成分符号化回路603に供給す
る。また、トーン性成分抽出回路802は、トーン性成
分情報の数と、その中心位置情報を符号化列生成回路6
05に出力する。トーン性成分符号化回路603は、入
力されたトーン性成分に対し、正規化及び量子化を行
い、正規化及び量子化されたトーン性成分を符号化列生
成回路605及びローカルデコーダ804に供給する。
ローカルデコーダ804は、正規化及び量子化されたト
ーン性成分に対して、逆量子化及び正規化の解除を行
い、元のトーン性成分の信号を復号する。但しこの時、
復号信号には量子化雑音が含まれることになる。ローカ
ルデコーダ804からの出力は、1回目の復号信号とし
て、加算器805に供給される。まだ、加算器805に
は、スイッチ制御回路808によって制御されるスイッ
チ806を介して、変換回路601からの元のスペクト
ル信号が供給される。加算器805は、元のスペクトル
信号から、1回目の復号信号を差し引いて1回目の差分
信号を出力する。トーン性成分の抽出、符号化、復号
化、差分化処理を1回で終了する場合は、この1回目の
差分信号がノイズ性成分として、スイッチ制御回路80
8によって制御されるスイッチ807を介して、ノイズ
性成分符号化回路604に供給される。トーン性成分の
抽出、符号化、復号化、差分化処理を繰り返す場合は、
1回目の差分信号は、スイッチ801を介してトーン性
成分抽出回路802に供給される。トーン性成分抽出回
路802、トーン性成分符号化回路603、ローカルデ
コーダ804は上述と同様の処理を行い、得られた2回
目の復号信号が加算器805に供給される。また、加算
器805には、スイッチ806を介して1回目の差分信
号が供給される。加算器805は、1回目の差分信号か
ら、2回目の復号信号を差し引いて2回目の差分信号を
出力する。トーン性成分の抽出、符号化、復号化、差分
化処理を2回で終了する場合は、この2回目の差分信号
が、ノイズ性成分として、スイッチ807を介して、ノ
イズ性成分符号化回路604に供給される。トーン性成
分の抽出、符号化、復号化、差分化処理を更に繰り返す
場合は、上述と同様な処理が、トーン性成分抽出回路8
02、トーン性成分符号化回路603、ローカルデコー
ダ804、加算器805によって行われる。スイッチ制
御回路808は、トーン性成分情報数の閾値を保特して
おり、トーン性成分抽出回路から得られるトーン性成分
情報数がこの閾値を越えた場合にトーン性成分の抽出、
符号化、復号化処理を終了するようスイッチ807を制
御する。また、トーン性成分符号化回路603におい
て、トーン性成分が抽出されなくなった時点で、トーン
性成分の抽出、符号化、復号化、差分化処理を終了とす
ることも出来る。
【0068】図10と図11は、このような方法で符号
化を行う場合の例を示しており、図11は図10のスペ
クトル信号から一つのトーン性成分を符号化して復号化
した信号を差し引いたものである。
【0069】また、図11のスペクトル信号から更に図
中破線で示した成分をトーン性成分として抽出して符号
化することによって、スペクトル信号の符号化精度を上
げることができ、これを繰り返していくことにより精度
の高い符号化を行なうことができる。なお、この方法を
用いる場合、トーン成分を量子化するためのビット数の
上限を低く設定していても符号化精度を十分に高くとる
ことができ、したがって、量子化ビット数を記録するビ
ット数を小さくすることができるという利点もある。ま
た、このようにトーン性成分を多段階に抽出していく方
法は、必ずしもトーン性成分を符号化して復号化したも
のと同等の信号を元のスペクトル信号から差し引いてい
く場合だけでなく、抽出されたトーン性成分のスペクト
ル信号を0にした場合にも適用可能であり、本発明の記
述において「トーン性成分を分離した信号」等の表現は
この両者を含むものである。
【0070】次に、図12は、トーン性成分の抽出の帯
域を高域においてのみ行なった具体例を示すものであ
る。
【0071】ここで、一般にスペクトル変換を行なった
場合、低域において十分な周波数分解能をとるためには
スペクトル変換の変換区間長を極めて長くとらなければ
ならず、これを小規模な装置で実現するのは困難であ
る。また、トーン性成分を符号化するためには、そのト
ーン性成分の位置情報や正規化情報を符号化する必要が
あるが、低域において分離度の悪いトーン性成分が多数
ある場合にはこれらの情報を抽出されたトーン性成分の
数だけ記録するのは符号化の効率を上げる上で不利とな
る。したがって、低域側で周波数分解能が十分にとれな
い場合には、図12の例のように高域側でのみトーン性
成分を分離して符号化するようにしても良い。
【0072】さらに、低域で十分な周波数分解能を確保
するために、低域と高域での周波数分解能を変えても良
い。例えば、本実施例の図1の変換回路601に適用さ
れる前述した図19の変換回路において、帯域分割フィ
ルタ202の2つの帯域の出力信号のレートは、帯域分
割フィルタ201の順スペクトル変換回路203に送ら
れる信号のレートの半分に間引かれているが、順スペク
トル変換回路203,204,205で同一数の入力信
号に対して順スペクトル変換を施せば、順スペクトル変
換回路204,205からのスペクトル信号の周波数分
解能は順スペクトル変換回路203からのスペクトル信
号の分解能よりも2倍に高くすることができる。
【0073】図13は本発明実施例の方法によって、図
8のスペクトル信号を符号化した場合の符号列(記録媒
体に記録される符号列)の具体例を示したものである。
【0074】この図13では、先ず最初に、トーン性成
分情報数tcn(図8の例では4)が記録媒体に記録さ
れ、次に図8のトーン性成分TCA ,TCB ,TCC ,
TCD に対応するトーン性成分情報tcA ,tcB ,t
cC ,tcD と、図8の各帯域b1〜b5に対応するノ
イズ性成分情報nc1 ,nc2 ,nc3 ,nc4 ,nc
5 の順番に記録がなされている。
【0075】ここで、上記トーン性成分情報には、その
トーン性成分の中心スペクトルの位置を表す中心位置情
報CP(例えばトーン性成分TCB の場合には例えば1
5)と、量子化のためのビット数を表す量子化精度情報
(例えばトーン性成分TCBの場合には例えば6)と、
正規化係数情報とが、正規化および量子化された各信号
成分情報(例えば情報SC1 ,SC2 ,SC3 )と共に
記録媒体に記録されるようになる。なお、例えば、周波
数によって固定的に量子化精度が定められているような
場合にはもちろん量子化精度情報は記録する必要はな
い。
【0076】また、上述の実施例では、トーン性成分の
位置情報として、各トーン性成分の中心スペクトルの位
置を用いるようにしたが、各トーン性成分の一番低域の
スペクトルの位置(例えばトーン性成分TCB の場合に
は14)を記録してもよい。
【0077】また、上記ノイズ性成分情報については、
量子化精度情報と、正規化係数情報とが、正規化および
量子化された各信号成分情報(例えば情報SC1 ,SC
2 ,・・・,SC8 )と共に記録媒体に記録されるよう
になる。なお、量子化精度情報が0である場合(図13
のノイズ性成分情報nc4 )には、その符号化ユニット
において実際に符号化が行なわれないことを示してい
る。この場合も、帯域によって固定的に量子化精度が定
められている場合には、量子化精度情報は記録する必要
はないが、このとき、例えば帯域b4のように実際には
符号化が行なわれない符号化ユニットを指定することが
できなくなる。このような場合には、例えば、各符号化
ユニットで実際に符号化が行なわれているかどうかを示
す1ビットのフラグ情報を付加すれば良い。
【0078】上述したように、本発明実施例の方法によ
りトーン性成分情報を記録媒体に記録するためには、そ
のトーン性成分の位置を何らかの方法で記録する必要が
あるが、これについては次のような方法で効率良く記録
することができる。
【0079】図14、図15は、隣接する時間ブロック
におけるスペクトル信号の様子を表したもので、図15
のスペクトル信号は図14の次の時間ブロックのものを
表している。
【0080】これら図14,図15において、例えば、
上記MDCTによって得られたスペクトル信号は、その
時間ブロックでの位相や波形信号の若干の揺らぎによっ
てブロック毎に変化するが、トーン性成分の位置は前の
ブロックと概ね同じであり、図14の図中TCA ,TC
B ,TCC ,TCD のトーン性成分に対応して、図15
の図中TCE ,TCF ,TCG ,TCH のトーン性成分
が現われている。そこで、トーン性成分の中心位置情報
を前の時間ブロックのトーン性成分の中心位置情報との
相対位置で効率よく記録することができるが、その具体
例を示したのが図16、図17である。
【0081】この図16では、図14の時間ブロックに
おけるトーン性成分情報がtcA ,tcB ,tcC ,t
cD の順番に記録されているものとする。ここで、例え
ば図15の時間ブロックにおけるスペクトル信号のう
ち、図15の図中TCF のトーン性成分情報tcF の中
心位置情報CPとして、TCB のトーン性成分との中心
位置差情報CPを図16に示されるように2ビットで符
号化した中心位置情報CP1 を、図17に示すように記
録することができる。このように、多くのトーン性成分
の中心位置情報CPは他の時間ブロック、例えば直前の
時間ブロックにおけるトーン性成分と対応をとることに
よって短い符号で表すことができ、効率的な符号化が可
能となる。ただし、TCH のトーン性成分はTCD のト
ーン性成分が変化したものであるが、これに関しては図
16の中心位置差情報では表せないので、いったんTC
D のトーン性成分情報を無効として中心位置情報CP2
を使ってTCF のトーン性成分の情報を記録している。
なお、図17に示された符号はもちろん一例であって、
例えばトーン性成分情報数tcn1 は、前の時間ブロッ
クの情報からわかるものなので省略してもよい。
【0082】なお、以上、音響信号に対して本発明実施
例の方法を適用した例を中心に説明を行なったが、本発
明実施例の方法は一般の波形信号の符号化にも適用する
ことが可能である。しかし、音響信号の場合、トーン性
成分情報が聴覚的に特に重要な意味を持っており、本発
明実施例の方法を特に効果的に適用することができる。
【0083】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明による信号復号化方法及び装置を用いれば、符号化の
際に、入力信号のうちトーン性の成分をその他の成分と
分離して符号化することができ、圧縮率を高めても、復
号化の際に音質劣化を少なくできる。特に、本発明を音
響信号に使用した場合には、聴感上重要なトーン性の成
分を十分に高い精度で、聴感上あまり重要で無いノイズ
性の成分は最小限の精度で符号化したものを復号化する
ことが可能であり、極めて効率の良い信号圧縮が可能に
なる。したがって、この圧縮された信号を復号化するこ
とで良好な音響信号が得られるようになり、特にトーン
性の音響信号に対して、符号化効率の高い符号列から音
質を劣化させることなく復号化し再生することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の復号化装置に供給される符号化
された信号を得るための符号化装置の概略構成を示すブ
ロック回路図である。
【図2】本発明実施例の復号化装置の概略構成を示すブ
ロック回路図である。
【図3】合成逆変換部の構成を示すブロック回路図であ
る。
【図4】本発明実施例の信号成分分離回路における処理
流れを示すフローチャートである。
【図5】本実施例の信号符号化におけるトーン性成分を
説明するための図である。
【図6】本実施例の信号符号化におけるノイズ性成分を
説明するための図である。
【図7】本実施例の信号符号化における分離されたトー
ン性成分を示す図である。
【図8】本実施例の信号符号化の他の例について説明す
るための図である。
【図9】本実施例の信号符号化方法を説明するための信
号符号化装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図10】本実施例の信号符号化における元のスペクト
ル信号からトーン性成分を符号化して復号化した信号を
引いたものを符号化する方法を説明するための図であ
る。
【図11】本実施例の信号符号化における元のスペクト
ル信号からトーン性成分を符号化して復号化した信号を
引いた様子を示す図である。
【図12】本実施例の信号符号化においてトーン性成分
の抽出の帯域を高域においてのみ行った場合について説
明するための図である。
【図13】本実施例の信号符号化により符号化されて得
られた符号列の記録を説明するための図である。
【図14】本実施例の信号符号化においてある時間ブロ
ックにおけるスペクトル信号の様子を示す図である。
【図15】本実施例の信号符号化においてある時間ブロ
ックに隣接する時間ブロックにおけるスペクトル信号の
様子を示す図である。
【図16】本実施例の時間ブロックにおけるスペクトル
信号のうちトーン性成分情報の中心位置情報を2ビット
で符号化した例を説明するための図である。
【図17】本実施例の中心位置情報を記録媒体に記録す
る場合の記録状態を説明するための図である。
【図18】従来の符号化装置の概略構成を示すブロック
回路図である。
【図19】本実施例及び従来の符号化装置の変換回路の
具体的構成を示すブロック回路図である。
【図20】本実施例及び従来の符号化装置の信号成分符
号化回路の具体的構成を示すブロック回路図である。
【図21】従来の復号化装置の概略構成を示すブロック
回路図である。
【図22】本実施例及び従来の復号化装置の逆変換回路
の具体的構成を示すブロック回路図である。
【図23】従来技術による符号化方法を説明するための
図である。
【符号の説明】
601 変換回路、 602 信号成分分離回路、 6
03 トーン性成分符号化回路、 604 ノイズ性成
分符号化回路、 605 符号列生成回路、701 符
号列分解回路、 702 トーン性成分復号化回路、
703 ノイズ性成分復号化回路、 704 合成回
路、 705 逆変換回路

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号化された信号の信号復号化方法にお
    いて、 トーン性成分からなる第1の信号を復号化して第1の復
    号化信号を生成し、 ノイズ性成分からなる第2の信号を復号化して第2の復
    号化信号を生成し、 上記第1及び第2の復号化信号を合成して逆変換を行う
    合成逆変換、又は上記第1及び第2の復号化信号を各々
    逆変換して合成する合成逆変換を行うことを特徴とする
    信号復号化方法。
  2. 【請求項2】 上記合成逆変換のステップは、上記トー
    ン性成分の周波数軸上での位置情報に基づいて合成又は
    逆変換を行うことを特徴とする請求項1記載の信号復号
    化方法。
  3. 【請求項3】 上記トーン性成分の所定の範囲内での数
    情報に基づいて、上記第1の信号と上記第2の信号とを
    分離するステップを含むことを特徴とする請求項1記載
    の信号復号化方法。
  4. 【請求項4】 上記第1の復号化信号を生成するステッ
    プ及び上記第2の復号化信号を生成するステップの内の
    少なくとも上記第2の復号化信号を生成するステップ
    は、正規化情報及び量子化精度情報に基づいて入力され
    た信号に対して逆量子化及び正規化の解除を行うことを
    特徴とする請求項1記載の信号復号化方法。
  5. 【請求項5】 上記符号化された信号は音声信号である
    ことを特徴とする請求項1記載の信号復号化方法。
  6. 【請求項6】 符号化された信号の信号復号化装置にお
    いて、 トーン性成分からなる第1の信号を復号化して第1の復
    号化信号を生成する第1の復号化手段と、 ノイズ性成分からなる第2の信号を復号化して第2の復
    号化信号を生成する第2の復号化手段と、 上記第1及び第2の復号化信号を合成して逆変換を行う
    合成逆変換、又は上記第1及び第2の復号化信号を各々
    逆変換して合成する合成逆変換を行う合成逆変換手段と
    を有することを特徴とする信号復号化装置。
  7. 【請求項7】 上記合成逆変換手段は、上記トーン性成
    分の周波数軸上での位置情報に基づいて合成又は逆変換
    を行うことを特徴とする請求項6記載の信号復号化装
    置。
  8. 【請求項8】 上記トーン性成分の所定の範囲内での数
    情報に基づいて、上記第1の信号と上記第2の信号とを
    分離する分離手段を有することを特徴とする請求項6記
    載の信号復号化装置。
  9. 【請求項9】 上記第1の復号化手段及び上記第2の復
    号化手段は、 正規化情報及び量子化精度情報に基づいて入力された信
    号に対して逆量子化及び正規化の解除を行う手段を有す
    ることを特徴とする請求項6記載の信号復号化装置。
  10. 【請求項10】 上記符号化された信号は音声信号であ
    ることを特徴とする請求項6記載の信号復号化装置。
  11. 【請求項11】 符号化された信号の信号復号化方法に
    おいて、 トーン性成分からなる第1の信号を復号化して第1の復
    号化信号を生成し、 ノイズ成分からなる第2の信号を復号化して第2の復号
    化信号を生成し、 上記第1及び第2の復号化信号を合成して逆変換を行う
    ことを特徴とする信号復号化方法。
  12. 【請求項12】 上記合成は、上記第1の復号化信号と
    上記第2の復号化信号を加算することにより合成するこ
    とを特徴とする請求項11記載の信号復号化方法。
  13. 【請求項13】 符号化された信号の信号復号化装置に
    おいて、 トーン性成分からなる第1の信号を復号化して第1の復
    号化信号を生成する第1の復号化手段と、 ノイズ成分からなる第2の信号を復号化して第2の復号
    化信号を生成する第2の復号化手段と、 上記第1及び第2の復号化信号を合成する合成手段と、 上記合成された信号を逆変換する逆変換手段とを有する
    ことを特徴とする信号復号化装置。
  14. 【請求項14】 上記合成手段は、上記第1の復号化信
    号と上記第2の復号化信号を加算することにより合成す
    ることを特徴とする請求項13記載の信号復号化装置。
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