JP2002029781A - ガラス用エッチング剤 - Google Patents

ガラス用エッチング剤

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JP2002029781A
JP2002029781A JP2000214807A JP2000214807A JP2002029781A JP 2002029781 A JP2002029781 A JP 2002029781A JP 2000214807 A JP2000214807 A JP 2000214807A JP 2000214807 A JP2000214807 A JP 2000214807A JP 2002029781 A JP2002029781 A JP 2002029781A
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acid
etching agent
etching
glass
ammonium fluoride
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JP2000214807A
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Tsunehiko Masatomi
恒彦 正富
Shoji Hikita
章二 引田
Shuichi Kijima
秀一 木島
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱いが容易で、かつ廃液処理の際にも環
境への負荷が小さいガラス用エッチング剤を得る。 【解決手段】 フッ化アンモニウムに塩酸、硝酸、硫
酸、及び燐酸から選ばれる少なくとも1種の無機酸を添
加したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス用エッチン
グ剤に関するものであり、特にブラウン管ガラスパネル
用エッチング剤として適したガラス用エッチング剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にカラーブラウン管は、ガラス製パ
ネル上に、赤、緑、青に発色する3色蛍光体層の形成さ
れた蛍光体スクリーンが設けられている。電子銃により
放たれた電子ビームは、蛍光体スクリーン上の蛍光体を
発光させることによりブラウン管上に映像が映し出され
る。
【0003】蛍光体スクリーンは、写真印刷法等により
ガラス製パネルに形成されるが、このときエッチング剤
でガラス製パネルをエッチングすることにより、蛍光体
スクリーンのガラス製パネルへの接着性を向上させてい
る。
【0004】従来より、このようなエッチングに用いる
エッチング剤としては、ガラスを溶解するフッ化水素、
フッ化水素酸、酸性フッ化アンモニウムなどの水溶液が
用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のエッチング剤は、それ自体が腐蝕性物質であり、人体
に有害であり、使用時には防具を必要とするなど取り扱
いが難しいという問題があった。また、有害物質である
ため、使用後に廃棄処理する際にも、環境への負荷が大
きく、処理コストがかかる等の問題があった。
【0006】本発明の目的は、取り扱いが容易で、かつ
廃液処理の際にも環境への負荷が小さいガラス用エッチ
ング剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のガラス用エッチ
ング剤は、フッ化アンモニウムに塩酸、硝酸、硫酸、及
び燐酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸
を添加したことを特徴としている。
【0008】フッ化アンモニウムは、フッ化水素や酸性
フッ化アンモニウムのような腐蝕性物質ではないので、
取り扱いが容易であり、廃液処理の際にも環境への負荷
が小さい。さらに、驚くべきことに、本願発明のガラス
用エッチング剤は、従来のガラス用エッチング剤である
フッ化水素や酸性フッ化アンモニウムよりも優れたエッ
チング能力を有している。
【0009】本発明において無機酸の添加量は、無機酸
が塩酸、硝酸、及び硫酸の場合、フッ化アンモニウムに
対して1/2〜2当量であることが好ましく、さらに好
ましくは2/3〜3/2当量であり、さらに好ましくは
2/3〜1当量である。燐酸は三塩基酸であり、最初に
解離する水素の酸性度に比べ、それ以降に解離する水素
の酸性度が小さくなるので、無機酸が燐酸の場合には、
1/2〜2モル(3/2〜6当量)であることが好まし
く、さらに好ましくは2/3〜3/2モル(2〜9/2
当量)であり、さらに好ましくは2/3〜1モル(2〜
3当量)である。
【0010】本発明のガラス用エッチング剤は、例え
ば、フッ化アンモニウム水溶液に、無機酸を添加するこ
とにより調製することができる。このときのフッ化アン
モニウム水溶液の濃度は、適宜調整することができる
が、10重量%以下であることが好ましく、さらに好ま
しくは7.5〜3重量%であり、さらに好ましくは5〜
4重量%である。
【0011】本発明のガラス用エッチング剤を用いてエ
ッチングする際の温度は、特に限定されるものではない
が、一般には20〜40℃程度であることが好ましい。
通常、温度を上げることによりエッチング速度を高める
ことができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に従う実施例を示し本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、以下に説明する実施例及び比較例
のいずれにおいても、全体として250gの水溶液とな
るようにエッチング剤水溶液を調製している。
【0013】(実施例1)表1に示すように、フッ化ア
ンモニウム1モルに対し1当量(0.5モル)の硫酸を
添加してエッチング剤水溶液を調製した。具体的には、
5重量%のフッ化アンモニウム水溶液を用いて表1に示
す量のフッ化アンモニウムに対し、98%の濃硫酸を用
いて表1に示す量の硫酸を添加し、総フッ素量が6.4
1gとなるエッチング剤水溶液を調製した。このエッチ
ング剤水溶液のpH及び温度を表1に示す。このエッチ
ング剤水溶液中に、ガラス板を所定時間浸漬し、エッチ
ング前とエッチング後の重量変化からエッチング量を求
め、表1に示した。
【0014】(比較例1)表1に示すような量となるよ
うに、50%HFを用いてエッチング剤水溶液を調製し
た。エッチング剤水溶液中の総フッ素量が、6.41g
となるように調製した。エッチング剤水溶液のpH及び
温度を表1に示す。実施例1と同様にして、ガラス板に
対するエッチング量を求め、表1に示した。
【0015】(比較例2)表1に示すような量となるよ
うに、フッ化アンモニウムと50%HFを用いてエッチ
ング剤水溶液を調製した。エッチング剤水溶液中の総フ
ッ素量が、6.41gとなるように調製した。エッチン
グ剤水溶液のpH及び温度を表1に示す。実施例1と同
様にして、ガラス板に対するエッチング量を求め、表1
に示した。
【0016】(比較例3)表1に示すような量となるよ
うに、50%HFと98%濃硫酸を用いてエッチング剤
水溶液を調製した。エッチング剤水溶液中の総フッ素量
が、6.41gとなるように調製した。エッチング剤水
溶液のpH及び温度を表1に示す。実施例1と同様にし
て、ガラス板に対するエッチング量を求め、表1に示し
た。
【0017】(比較例4)表1に示すような量となるよ
うに、フッ化アンモニウム、98%濃硫酸、及び50%
HFを用いて、エッチング剤水溶液を調製した。エッチ
ング剤水溶液中の総フッ素量が、6.41gとなるよう
に調製した。エッチング剤水溶液のpH及び温度を表1
に示す。実施例1と同様にして、ガラス板に対するエッ
チング量を求め、表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示す結果から明らかなように、フッ
化アンモニウムと濃硫酸を混合して用いた本発明に従う
実施例1のエッチング剤は、比較例1〜比較例4のエッ
チング剤に比べ、大きなエッチング量を示しており、優
れたエッチング能力を有していることがわかる。特に、
フッ化水素を用いた比較例1及びフッ化水素と濃硫酸を
混合して用いた比較例3よりも良好なエッチング性能を
示していることは、注目に値する。
【0020】また、実施例1のエッチング剤水溶液のp
Hは、比較例1及び比較例3のエッチング剤水溶液のp
Hよりも高く、酸性が強くないことがわかる。従って、
取り扱いが容易であり、また廃棄処理も容易であること
がわかる。
【0021】(実施例2〜6)表2に示すように、フッ
化アンモニウムに対する硫酸の添加量を変化させ、エッ
チング剤水溶液を調製した。各エッチング剤水溶液のp
H及び温度を表2に示す。実施例1と同様にして、ガラ
ス板に対するエッチング量を測定し、表2に示した。
【0022】
【表2】
【0023】表2に示す結果から、フッ化アンモニウム
に対する硫酸の添加量が、フッ化アンモニウムに対して
1/2〜2当量であるときに、特にエッチング速度が高
くなることがわかる。また、フッ化アンモニウムに対す
る硫酸の添加量が、2/3〜3/2当量の範囲において
さらにエッチング速度が高くなり、2/3〜1当量の範
囲においてさらにエッチング速度が高くなることがわか
る。
【0024】(実施例7〜11)表3に示すように、フ
ッ化アンモニウムに対して、塩酸、硝酸、硫酸、または
燐酸を無機酸として添加し、エッチング剤水溶液を調製
した。各エッチング剤水溶液のpH及び温度を表3に示
す。
【0025】実施例7〜10においては、フッ化アンモ
ニウムに対し、無機酸の添加量が1当量となるように添
加している。塩酸及び硝酸は一塩基酸であるので、フッ
化アンモニウム1モルに対し、1モルとなるように添加
している。硫酸は二塩基酸であるので、フッ化アンモニ
ウム1モルに対し、1/2モルとなるように添加してい
る。燐酸は三塩基酸であるので、フッ化アンモニウム1
モルに対し、1/3モルとなるように添加している。
【0026】実施例11では、フッ化アンモニウムに対
し3当量の燐酸を添加している。従って、実施例11で
は、フッ化アンモニウム1モルに対し燐酸1モルを添加
している。実施例1と同様にして、ガラス板に対するエ
ッチング量を求め、表3に示した。
【0027】
【表3】
【0028】表3に示す結果から、無機酸として塩酸、
硝酸、及び燐酸をフッ化アンモニウムに添加した場合に
も、フッ化アンモニウムに硫酸を添加した場合と同様
に、優れたエッチング能力の得られることがわかる。ま
た、実施例10と実施例11の比較から明らかなよう
に、燐酸の場合は、フッ化アンモニウムに対する当量で
添加する場合、他の無塩基酸の3倍量添加した方が良い
ことがわかる。これは、燐酸が三塩基酸であり、最初に
解離する水素の酸性度に比べ、それ以降に解離する水素
の酸性度が低いためと思われる。従って、燐酸を無塩基
酸として用いる場合、フッ化アンモニウムに対して1/
2〜2モル(3/2〜6当量)の量で添加することが好
ましいことがわかる。
【0029】本発明のガラス用エッチング剤は、ブラウ
ン管の部品であるガラスパネルをエッチングするのに好
適なエッチング剤であるが、その他の用途のガラス用エ
ッチング剤としても有用なものである。
【0030】本発明のガラス用エッチング剤は、フッ化
アンモニウムに、塩酸、硝酸、硫酸、及び燐酸から選ば
れる少なくとも1種の無機酸を添加したものであるが、
本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他の添加
剤を添加してもよい。また、本発明の効果を損なわない
範囲であれば、フッ化水素や酸性フッ化アンモニウムを
添加してもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、取り扱いが容易で、か
つ廃液処理の際にも環境への負荷が小さいガラス用エッ
チング剤とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木島 秀一 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA07 AB09 AC01 BB04 BB14 5C028 HH01 HH14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化アンモニウムに塩酸、硝酸、硫
    酸、及び燐酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の
    無機酸を添加したことを特徴とするガラス用エッチング
    剤。
  2. 【請求項2】 無機酸の添加量が、塩酸、硝酸、及び硫
    酸の場合、フッ化アンモニウムに対して1/2〜2当量
    であり、燐酸の場合、フッ化アンモニウムに対して1/
    2〜2モル(3/2〜6当量)であることを特徴とする
    請求項1に記載のガラス用エッチング剤。
  3. 【請求項3】 ブラウン管ガラスパネル用エッチング剤
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラ
    ス用エッチング剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040042243A (ko) * 2002-11-13 2004-05-20 박진국 유리표면의 반투명 처리용 부식액조성물과 이를 이용한저반사처리방법
CN108191253A (zh) * 2016-12-22 2018-06-22 蓝思科技(长沙)有限公司 一种蒙砂液、其制备方法、用途以及制备防眩玻璃的方法

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KR20040042243A (ko) * 2002-11-13 2004-05-20 박진국 유리표면의 반투명 처리용 부식액조성물과 이를 이용한저반사처리방법
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CN108191253B (zh) * 2016-12-22 2020-11-20 蓝思科技(长沙)有限公司 一种蒙砂液、其制备方法、用途以及制备防眩玻璃的方法

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